JPH08165354A - 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法

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JPH08165354A
JPH08165354A JP31099294A JP31099294A JPH08165354A JP H08165354 A JPH08165354 A JP H08165354A JP 31099294 A JP31099294 A JP 31099294A JP 31099294 A JP31099294 A JP 31099294A JP H08165354 A JPH08165354 A JP H08165354A
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JP
Japan
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cyclic olefin
group
copolymer
resin
formula
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Application number
JP31099294A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetoshi Nishijima
島 茂 俊 西
Toshiyuki Hirose
瀬 敏 行 広
Yozo Yamamoto
本 陽 造 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の環状オレフィン系樹脂からなる成形体
の製造方法は、例えばテトラシクロドデセンのような環
状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体、こうし
た環状オレフィンの開環共重合体、この開環共重合体の
水添物、これらのグラフト変性物から選ばれる環状オレ
フィン系樹脂を、射出装置に供給して射出成形するに際
して、この射出装置の内部を減圧状態にして環状オレフ
ィン系樹脂を金型内に溶融射出して成形体を製造する方
法である 【効果】本発明によれば、得られる成形体の表面白化現
象あるいは成形体内部への気泡の混入を有効に防止する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系樹脂の
ペレットから溶融射出により成形体を製造する方法に関
する。さらに詳しくは本発明は、環状オレフィン系樹脂
のペレットから外観が優れた成形体を溶融射出により製
造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】環状オレフィン系樹脂は、光学特
性に優れた樹脂である。即ち、この環状オレフィン系樹
脂は、透明性に優れ、複屈折が低く、アッペ数および屈
折率が高いなどの光学特性を有しており、光学的用途へ
の応用が期待されている。
【0003】ところが、この環状オレフィン系樹脂を溶
融射出して製造された射出成形体には一般にシルバーと
呼ばれる外観不良(表面白色化現象)が発生することが
ある。
【0004】この外観不良の発生を抑制するために、従
来は、金型温度を高くする方法が採られていた。しかし
ながら、金型温度を上げると、溶融した樹脂が固化して
成形体の寸法精度が安定するまで長時間冷却する必要が
あり、成形体の製造効率が低下するという問題がある。
【0005】また、インジェクションブロー成形におい
ても、微少な気泡が成形体中に混入して成形体の外観を
損ねることがあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、環状オレフィン系樹脂から、
射出装置を用いて、外観に優れた成形体、例えば射出成
形体、射出圧縮成形体、射出中空成形体等を製造する方
法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明の環状オレフィン系樹脂からなる
成形体の製造方法は、下記[I-1]、[I-2]、[I-3]
および[I-4]よりなる群から選ばれる環状オレフィン
系樹脂を、射出装置に供給して射出成形するに際して、
該射出装置の内部を減圧状態にして溶融射出することを
特徴としている。
【0008】[I-1] エチレンと下記式[I]または
[II]で表される環状オレフィンとを共重合させて得ら
れるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体: [I-2]上記式[I]または[II]で表される環状オレ
フィンの開環重合体または共重合体、 [I-3]上記[I-2]開環重合体または共重合体の水素化
物、および [I-4]上記[I-1]、[I-2]または[I-3]のグラフト
変性物。
【0009】
【化3】
【0010】上記式[I]中、nは0または1であり、
mは0または正の整数であり、qは0または1であり、
1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、
15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成して
いてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有して
いてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18
でアルキリデン基を形成していてもよい。
【0011】
【化4】
【0012】上記式[II]中、pおよびqは0または1
以上の整数であり、mおよびnは0、1または2であ
り、R1 〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化
水素基またはアルコキシ基であり、R9 (またはR10
が結合している炭素原子と、R13またはR11が結合して
いる炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレ
ン基を介して結合していてもよく、また、n=m=0の
ときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単
環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
【0013】本発明の環状オレフィン系樹脂からなる成
形体の製造方法では、射出装置内を減圧状態にして溶融
樹脂を射出成形しているので、成形体に所謂シルバーと
言われるような外観不良の発生あるいは成形体が発泡す
ることによる気泡を混入を抑制することができ、良好な
外観を有する成形体を製造することができる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明の環状オレフィン系
樹脂からなる成形体の製造方法について具体的に説明す
る。
【0015】本発明の製造方法は、環状オレフィン系樹
脂を用いて射出成形体を製造する方法であり、ここで環
状オレフィン系樹脂としては、 [I-1]:エチレンと下記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンとのランダム共重合体、 [I-2]:下記式[I]または[II]で表される環状オ
レフィンの開環重合体または共重合体、 [I-3]:上記[I-2]開環重合体または共重合体の水素
化物、および [I-4]上記[I-1]、[I-2]または[I-3]のグラフト
変性物 よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂が用い
られる。
【0016】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
は、X線回折法によって測定される結晶化度が、通常は
20%以下、好ましくは10%以下である。また環状オ
レフィン系樹脂は、135℃のデカリン中で測定される
極限粘度[η]が、通常は0.01〜20dl/g、好ま
しくは0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05
〜8dl/gである。
【0017】このような環状オレフィン系樹脂の沃素価
は、通常5以下であり、さらに多くの場合1以下であ
る。ここでまず本発明で用いられる環状オレフィン系樹
脂を形成する式[I]または[II]で表される環状オレ
フィン環状オレフィンについて説明する。
【0018】環状オレフィン系樹脂を調製するために使
用される環状オレフィンは次式[I]または[II]で表
すことができる。
【0019】
【化5】
【0020】上記式[I]中、nは0または1であり、
mは0または正の整数であり、qは0または1である。
なおqが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立
に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場合
には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
【0021】R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それ
ぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基
である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0022】また炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数
3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基を挙げ
ることができる。より具体的には、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基およびオクタデシル基を挙げることができ、シ
クロアルキル基としては、シクロヘキシル基を挙げるこ
とができ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナ
フチル基などを挙げることができる。
【0023】これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置
換されていてもよい。さらに上記式[I]において、R
15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環ま
たは多環を形成していてもよく、しかもこのようにして
形成された単環または多環は二重結合を有していてもよ
い。ここで形成される単環または多環についての具体的
な例は後述する。
【0024】
【化6】
【0025】式[II]中、pおよびqは0または正の整
数であり、mおよびnは0、1または2である。またR
1〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0026】ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハ
ロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基として
は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子
数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基
を挙げることができる。より具体的には、アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基およびオクタデシル基を挙げることができ、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基を挙げる
ことができ、芳香族炭化水素基としては、アリール基お
よびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル
基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基な
どを挙げることができる。
【0027】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されて
いてもよい。
【0028】ここで、R9およびR10が結合している炭
素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結
合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜
3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合して
いる場合には、R9およびR13で表される基が、または
10およびR11で表される基が互いに共同して、メチレ
ン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレン
基(-CH2CH2CH2-)のうちのいずれかのアルキレン基を形
成している。
【0029】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環として、たとえば下記のようなn=m=0
のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基を
挙げることができる。
【0030】
【化7】
【0031】ここでqは式[II]におけるqと同じ意味
である。上記のような式[I]または[II]で示される
環状オレフィンを、より具体的に下記に例示する。
【0032】環状オレフィン系樹脂を形成する環状オレ
フィンの例としては、
【0033】
【化8】
【0034】で示されるビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン
(=ノルボルネン)(上記式中において、1〜7の数字
は、炭素の位置番号を示す。)およびこの化合物に炭化
水素基が置換した誘導体を挙げることができる。
【0035】この炭化水素基としては、5-メチル、5,6-
ジメチル、1-メチル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソ
ブチル、7-メチル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニ
ル、5-ベンジル、5-トリル、5-(エチルフェニル)、5-
(イソプロピルフェニル)、5-(ビフェニル)、5-(β-
ナフチル)、5-(α-ナフチル)、5-(アントラセニル)、
5,6-ジフェニルのような基を例示することができる。
【0036】さらに他の誘導体としては、シクロペンタ
ジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-
テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10
a-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]-
2-ヘプテン誘導体を例示することができる。
【0037】この他、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デ
セン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5
-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリ
シクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ
[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ
[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.
0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
【0038】
【化9】
【0039】で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]-3-ドデセンおよびこれに炭化水素基が置換した
誘導体ならびに水素原子の少なくとも一部が他の原子で
置換された化合物を挙げることができる。
【0040】ここで炭化水素基または置換原子として、
8-メチル、8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、8-イソブ
チル、8-ヘキシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、
5,10-ジメチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチ
ル-9-メチル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7
-ジメチル-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,1
1,12-トリメチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブ
チル-11,12-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチ
リデン、8-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチ
ル、8-エチリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブ
チル、8-n-プロピリデン、8-n-プロピリデン-9-メチ
ル、8-n-プロピリデン-9-エチル、8-n-プロピリデン-9-
イソプロピル、8-n-プロピリデン-9-ブチル、8-イソプ
ロピリデン、8-イソプロピリデン-9-メチル、8-イソプ
ロピリデン-9-エチル、8-イソプロピリデン-9-イソプロ
ピル、8-イソプロピリデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブ
ロモ、8-フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチ
ル-8-フェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフ
ェニル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニ
ル、8-(ビフェニル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-ナ
フチル)、8-(アントラセニル)、5,6-ジフェニル等の基
または原子を例示することができる。
【0041】さらには、(シクロペンタジエン-アセナ
フチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物など
のテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導
体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタ
デセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.1
9,12.08,13]-3-ペンタデセンおよびその誘導体、ペン
タシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン
およびその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.0
9,14]-4-ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン
およびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.1
11,17.03,8.012,16]-5-エイコセンおよびその誘導体、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.
011,16]-4-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシク
ロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエ
イコセンおよびその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.
12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセンお
よびその誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.1
15,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセンお
よびその誘導体などを挙げることができる。
【0042】本発明で使用することができる式[I]ま
たは式[II]で示される環状オレフィンの具体例は上記
の通りであるが、これら化合物のより具体的な構造につ
いては、本出願人の出願に係る特願平5-196475
号明細書の段落番号[0032]〜[0054]に示さ
れており、本発明においてもここに例示されるものを本
発明における環状オレフィンとして使用することができ
る。
【0043】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とのディールス・アルダ
ー反応により製造することができる。
【0044】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で
用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記のような式
[I]または[II]で表される環状オレフィンを用い
て、たとえば特開昭60-168708号、同61-120816号、同61
-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-2722
16号、同62-252406号および同62-252407号などの公報に
おいて本出願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択
することにより製造することができる。
【0045】[I-1]エチレン・環状オレフィンランダム
共重合体は、エチレンから誘導される構成単位を通常は
20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%の量
で、環状オレフィンから誘導される構成単位を通常は5
〜80モル%、好ましくは10〜70モル%の量で含有
している。なおエチレンおよび環状オレフィンの組成比
は、13C-NMRによって測定される。
【0046】この[I-1]エチレン・環状オレフィンラン
ダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導され
る構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位と
が、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を有
している。この共重合体が実質的に線状であって、実質
的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重合
体が有機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含ま
れていないことにより確認することができる。たとえば
極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135
℃のデカリンに完全に溶解することにより確認すること
ができる。
【0047】本発明で用いられる[I-1]エチレン・環状
オレフィンランダム共重合体において、上記式[I]ま
たは[II]で表される環状オレフィンの少なくとも一部
は、下記式[III]または[IV]で示される繰り返し単
位を構成していると考えられる。
【0048】
【化10】
【0049】上記式[III]において、n、m、qおよ
びR1〜R18ならびにRaおよびRbは式[I]と同じ意
味である。
【0050】
【化11】
【0051】上記式[IV]において、n、m、p、qお
よびR1〜R19は式[II]と同じ意味である。また本発
明で用いられる[I-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に
応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単
位を有していてもよい。
【0052】このような他のモノマーとしては、上記の
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的には、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセンおよび1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα-
オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロ
ヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセンおよ
びシクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタ
ノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン、1,4-ヘキサジ
エン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキ
サジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエンお
よび5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類を
挙げることができる。
【0053】これらの他のモノマーは、単独であるいは
組み合わせて用いることができる。[I-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記のような
他のモノマーから誘導される構成単位は、通常は20モ
ル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されて
いてもよい。
【0054】本発明で用いられる[I-1]エチレン・環状
オレフィンランダム共重合体は、エチレンと式[I]ま
たは[II]で表される環状オレフィンとを用いて上記公
報に開示された製造方法により製造することができる。
これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行
い、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化
合物および有機アルミニウム化合物から形成される触媒
を用いて[I-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重
合体を製造することが好ましい。
【0055】また、この共重合反応では固体状IVB族メ
タロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状IV
B族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニ
ウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒である。ここでVI族の遷移
金属としては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペ
ンタジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、
シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としてはア
ルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基
またはインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロ
オレニル基を挙げることができる。これらの基は、アル
キレン基など他の基を介して結合していてもよい。ま
た、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位
子は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基等である。
【0056】さらに有機アルミニウムオキシ化合物およ
び有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の
製造に使用されるものを用いることができる。このよう
な固体状IVB族メタロセン系触媒については、例えば特
開昭61-221206号、同64-106号および特開平2-173112号
公報等に記載されている。
【0057】[I-2]環状オレフィンの開環重合体また
は開環共重合体において、上記式[I]または[II]で
表される環状オレフィンの少なくとも一部は、下記式
[V]また[VI]で表される繰り返し単位を構成してい
ると考えられる。
【0058】
【化12】
【0059】上記式[V]において、n、m、qおよび
1〜R18ならびにRaおよびRbは式[I]と同じ意味
である。
【0060】
【化13】
【0061】上記式[VI]において、n、m、p、qお
よびR1〜R19は式[II]と同じ意味である。このよう
な開環重合体または開環共重合体は、前記公報に開示さ
れた製造方法により製造することができ、例えば、上記
式[I]で表される環状オレフィンを開環重合触媒の存
在下に、重合または共重合させることにより製造するこ
とができる。
【0062】このような開環重合触媒としては、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金のような金属の、ハロゲン化物、硝酸塩また
はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、
あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたはモ
リブテンのような金属の、ハロゲン化物またはアセチル
アセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる
触媒を用いることができる。
【0063】本発明で用いられる[I-3]開環重合体ま
たは共重合体の水素化物は、上記のようにして得られる
開環重合体または共重合体[I-2]を、従来公知の水素
添加触媒の存在下に水素化して得られる。
【0064】この[I-3]開環重合体または共重合体の
水素化物において、式[I]または[II]で表される環
状オレフィンのうち少なくとも一部は、下記式[VII]
または[VIII]で表される繰り返し単位を有していると
考えられる。
【0065】
【化14】
【0066】上記式[VII]において、n、m、qおよ
びR1〜R18ならびにRaおよびRbは式[I]と同じ意
味である。
【0067】
【化15】
【0068】上記式[VIII]において、n、m、p、
q、R1〜R19は式[II]と同じ意味である。[I-4]環
状オレフィン系樹脂のグラフト変性物は、上記の[I-
1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体、[I-
2]環状オレフィンの開環重合体または共重合体、また
は[I-3]開環重合体または共重合体の水素化物のグラ
フト変性物である。
【0069】この変性剤としては、通常は不飽和カルボ
ン酸類が用いられる。ここで使用される不飽和カルボン
酸類の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびエンドシス
-ビシクロ[2.2.1] ヘプト-5- エン-2,3-ジカルボン酸
(ナジック酸TM)などの不飽和カルボン酸、ならびに、
これらの不飽和カルボン酸の誘導体、たとえば不飽和カ
ルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カ
ルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和
カルボン酸のエステル化合物などを挙げることができ
る。
【0070】上記不飽和カルボン酸の誘導体の具体的な
例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、塩化
マレニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどを挙げること
ができる。
【0071】これらの変性剤うちでも、α,β-不飽和ジ
カルボン酸およびα,β-不飽和ジカルボン酸無水物、た
とえばマレイン酸、ナジック酸およびこれら酸の無水物
が好ましく用いられる。これらの変性剤は、2種以上を
組合わせて用いることもできる。
【0072】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
のグラフト変性物における変性率は、10モル%以下で
あることが望ましい。このような環状オレフィン系樹脂
のグラフト変性物は、所望の変性率になるように環状オ
レフィン系樹脂に変性剤を配合してグラフト重合させて
製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調製
し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂
とを混合することにより製造することもできる。
【0073】環状オレフィン系樹脂と変性剤とから環状
オレフィン系樹脂のグラフト変性物を得るには、従来公
知のポリマーの変性方法を広く適用することができる。
たとえば溶融状態にある環状オレフィン系樹脂に変性剤
を添加してグラフト重合(反応)させる方法、あるいは
環状オレフィン系樹脂の溶媒溶液に変性剤を添加してグ
ラフト反応させる方法などによりグラフト変性物を得る
ことができる。
【0074】このようなグラフト反応は、通常60〜3
50℃の温度で行われる。またグラフト反応は、有機過
酸化物およびアゾ化合物などのラジカル開始剤の共存下
に行うことができる。
【0075】本発明では、環状オレフィン系樹脂とし
て、上記のような[I-1]、[I-2]、[I-3]および[I
-4]のいずれかを単独で用いることができ、またこれら
を組み合わせて用いることもできる。
【0076】これらのうち、エチレン・環状オレフィン
ランダム共重合体[I-1]が好ましく用いられる。ま
た、本発明で使用される環状オレフィン系樹脂は、上記
[I-1]、[I-2]、[I-3]および[I-4]の樹脂に加え
て、この環状オレフィン系樹脂の特性を損なわない範囲
内において他の樹脂を含有していてもよい。
【0077】すなわち、上記環状オレフィン系樹脂に種
々の重合体をブレンドして環状オレフィン系樹脂に他の
樹脂を微細に分散させた所謂ポリマーアロイを形成させ
た組成物であってもよい。
【0078】ここで環状オレフィン系樹脂に配合するこ
とができる樹脂の例としては以下に記載する樹脂を挙げ
ることができる。 (1)1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素から
誘導される重合体。
【0079】具体的には、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルブテン-1、ポリ4-メチルペンテン
-1、ポリブテン-1およびポリスチレンなどのポリオレフ
ィンを挙げることができる。なおこれらのポリオレフィ
ンは架橋構造を有していてもよい。
【0080】(2)ハロゲン含有ビニル重合体。 具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなどを挙
げることができる。
【0081】(3)α,β-不飽和酸とその誘導体から誘導
される重合体。 具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、または前記
の重合体を構成するモノマーとの共重合体、たとえばア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチ
レン・アクリル酸エステル共重合体などを挙げることが
できる。
【0082】(4)不飽和アルコールおよびアミンまたは
そのアシル誘導体またはアセタールから誘導された重合
体。 具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リスレアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレ
イン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタ
レート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構成
するモノマーとの共重合体、たとえばエチレン、酢酸ビ
ニル共重合体などを挙げることができる。
【0083】(5)エポキシドから誘導された重合体。 具体的にはポリエチレンオキシドまたはビスグリシジル
エーテルから誘導された重合体などを挙げることができ
る。
【0084】(6)ポリアセタール。 具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、
コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオ
キシメチレンなどを挙げることができる。
【0085】(7)ポリフェニレンオキシド。 (8)ポリカーボネート。 (9)ポリスルフォン。
【0086】(10)ポリウレタンおよび尿素樹脂。 (11)ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミノ
カルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポリ
アミドおよびコポリアミド。
【0087】具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン11、ナイロン12などを挙げることができる。 (12)ジカルボン酸およびジアルコールおよび/またはオ
キシカルボン酸または相応するラクトンから誘導された
ポリエステル。
【0088】具体的にはポリエステルテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4-ジメチロール・
シクロヘキサンテレフタレートなどを挙げることができ
る。 (13)アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンから
誘導された架橋構造を有した重合体。
【0089】具体的には、フェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルム
アルデヒド樹脂などを挙げることができる。 (14)アルキッド樹脂。
【0090】具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂など
を挙げることができる。 (15)飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールと
のコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル化
合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂ならび
にハロゲン含有改質樹脂。
【0091】(16)天然重合体。 具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、あるいはそれら
の誘導体たとえば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロ
ース、セルロースエーテルなどを挙げることができる。
【0092】(17)軟質重合体。 ここで軟質重合体としては、以下に述べる(i)〜
(v)の群から選ばれるゴム状成分を挙げることができ
る。
【0093】なお、前記環状オレフィン系樹脂とこれら
ゴム状成分とからなる環状オレフィン系樹脂とから形成
された成形体は、特に優れた衝撃強度を有する。これら
ゴム状成分には、さらに、有機過酸化物の存在下に架橋
反応を行なってもよく、このように有機過酸化物架橋を
行ったゴム状成分を用いると、耐衝撃性に優れた成形体
が製造できる。
【0094】[環状オレフィン成分を含む軟質重合体
(i)]環状オレフィン成分を含む軟質重合体は、エチ
レン成分と前記環状オレフィン系樹脂を調製する際に使
用したものと同種の環状オレフィン(式[I]あるいは
式[II])成分と共重合させることにより得られる共重
合体である。この軟質重合体(i)には、環状オレフィ
ン成分およびエチレン成分を必須成分とする他に、α-
オレフィン成分を本発明の目的を損なわない範囲で使用
することができる。
【0095】α-オレフィンとしては、たとえば、プロ
ピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、1
-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1
-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどを
挙げることができる。これらの中では、炭素原子数3〜
20のα-オレフィンが好ましい。また、ノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンな
どの環状オレフィン、環状ジエンも好ましい。
【0096】環状オレフィン成分を含む軟質重合体
(i)において、エチレン成分は40〜98モル%、好
ましくは50〜90モル%の範囲で用いられる。α-オ
レフィン成分は2〜50モル%の範囲で用いられ、環状
オレフィン成分は2〜20モル%、好ましくは2〜15
モル%の範囲で用いられる。
【0097】この軟質重合体(i)は、前記環状オレフ
ィン系樹脂と相違して、ガラス転移温度(Tg)が0℃
以下、好ましくは−10℃以下であって、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が、通常は0.01
〜10dl/g、好ましくは0.8〜7dl/gである。こ
の軟質重合体(i)はX線回折法により測定した結晶化
度が通常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ま
しくは0〜5%の範囲のものである。
【0098】軟質重合体(i)は、特開昭60-168708号、
同61-120816号、同61-115912号、同61-115916号、同61-
271308号、同61-272216号、同62-252406号および同62-2
52406号等の公報で本出願人が提案した方法に従い適宜
に条件を選択して製造することができる。
【0099】[α-オレフィン系共重合体(ii)]軟質
重合体として用いられるα-オレフィン系共重合体(i
i)は、少なくとも2種のα-オレフィンからなり、非晶
性ないし低結晶性の共重合体である。具体的な例として
は、エチレン・α-オレフィン共重合体およびプロピレン
・α-オレフィン共重合体がある。
【0100】エチレン・α-オレフィン共重合体を構成す
るα-オレフィンは、通常炭素数3〜20のものが用い
られ、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1
-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセンな
ど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。こ
の内、特に炭素数3〜10のα-オレフィンが好まし
い。
【0101】エチレン・α-オレフィン共重合体のモル比
(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類
によっても異なるが、一般に40/60〜95/5であ
る。また、上記モル比はα-オレフィンがプロピレンで
ある場合には40/60〜90/10であることが好ま
しく、α-オレフィンが炭素数4以上である場合には5
0/50〜95/5であることが好ましい。
【0102】プロピレン・α-オレフィン共重合体を構成
するα-オレフィンとしては、通常炭素数4〜20のも
のが用いられ、具体的には、1-ブテン、4-メチル-1-ブ
テン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセンなど、あ
るいはこれらの混合物を挙げることができる。このう
ち、特に炭素数4〜10のα-オレフィンが好ましい。
【0103】上記のようなプロピレン・α-オレフィン共
重合体においては、プロピレンとα-オレフィンとのモ
ル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-オレフィン
の種類によっても異なるが、一般に50/50〜95/
5である。
【0104】[α-オレフィン・ジエン系共重合体(ii
i)]軟質重合体として使用されるα-オレフィン・ジエ
ン系共重合体(iii)としては、エチレン・α-オレフィ
ン・ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α-オレフィン・ジ
エン共重合体ゴムがある。
【0105】これらの共重合体ゴムを構成するα-オレ
フィンは、通常、炭素数3〜20(プロピレン・α-オレ
フィンの場合は4〜20)のα-オレフィン、たとえば
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1- ペン
テン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンあるいはこれ
らの混合物などを挙げることができる。これらの中で
は、炭素原子数3〜10のα-オレフィンが好ましい。
【0106】また、これらの共重合体ゴムを構成するジ
エン成分は、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-
メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン
および7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役
ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、
5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボル
ネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネンおよび6-ク
ロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような
環状非共役ジエン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボ
ルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボル
ネンおよび2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどを
挙げることができる。
【0107】上記エチレン・α-オレフィン・ジエン共重
合体ゴムでは、エチレンとα-オレフィンとのモル比
(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類
によっても相違するが、一般には40/60〜90/1
0である。
【0108】また、これら共重合体ゴム中におけるジエ
ン成分から誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は
1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%である。 [芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体
(iv)]軟質重合体として使用される芳香族ビニル系炭
化水素・共役ジエン系軟質共重合体は、芳香族ビニル系
炭化水素、共役ジエン系のランダム共重合体、ブロック
共重合体またはこれらの水素化物である。具体的にはス
チレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブ
タジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イ
ソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブ
タジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加ス
チレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、ス
チレン・ブタジエンランダム共重合体ゴム、あるいはこ
れらのゴムにスチレン、アクリル酸メチル等をグラフト
重合したゴムなどが用いられる。
【0109】これらの共重合体ゴムにおいて、水素添加
した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴム中に残存す
る二重結合の一部または全部を水素化した共重合体ゴム
である。環状オレフィン系樹脂混布あるいは環状オレフ
ィン系樹脂複合繊維の衝撃強度を上げる必要がある場合
には、これらの共重合ゴムを用いるのが好ましい。
【0110】[イソブチレンまたはイソブチレン・共役
ジエンからなる軟質重合体または共重合体(v)]軟質
重合体として使用されるイソブチレン系軟質重合体また
は共重合体(v)は、具体的には、ポリイソブチレンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソブ
チレン・イソプレン共重合体ゴムなどである。
【0111】本発明においては、上記軟質重合体(17)
などは、そのままで使用することもできるが、例えば、
まず環状オレフィン系樹脂中に上記軟質重合体などが分
散している混練物を調製し、さらにこの混練物を有機過
酸化物で処理することにより、混練物中の環状オレフィ
ン系樹脂と軟質重合体などとの間に架橋構造を形成させ
たものでもよい。
【0112】ここで使用される有機過酸化物の例として
は、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類、1,1-ビス
(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン2,2-ビス(t-ブ
チルパーオキシ)オクタンなどのパーオキシケタール
類、t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパー
オキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキ
シドなどのヒドロパーオキシド類、ジ-t-ブチルパーオ
キシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)
ヘキサン(商品名:パーヘキサ25B)、2,5-ジメチル
-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3などのジア
ルキルパーオキシド類、ラウロイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類、t-
ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベン
ゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類などを挙げる
ことができる。
【0113】上記有機過酸化物成分の配合量は、環状オ
レフィン系樹脂と軟質重合体成分との合計量100重量
部に対して、通常は0.01〜1重量部、好ましくは0.
05〜0.5重量部である。
【0114】そして、さらに架橋効率を高める目的で有
機過酸化物で処理する際に、ラジカル重合性の官能基を
分子内に2個以上有する化合物をさらに含有させること
により、得られる成形体の耐衝撃性が向上する。
【0115】ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以
上有する化合物としては、ジビニルベンゼン、アクリル
酸ビニル、メタアクリル酸ビニルなどを挙げることがで
きる。これらの化合物は環状オレフィン系樹脂と上記軟
質重合体(17)との合計量100重量部に対して、通常
は1重量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部の量で
使用される。
【0116】このような軟質重合体[(i)〜(v)の軟
質(共)重合体]は、環状オレフィン系樹脂100重量
部に対してその合計量が、通常0.01〜40重量部、
好ましくは0.05〜30重量部、特に好ましくは0.1
〜20重量部の範囲内で使用することにより、光線透過
率、拡散率、強度、剛性、熱変形温度および硬度などの
特性のバランスの良い成形体を製造することができる。
【0117】本発明の製造方法で用いられる環状オレフ
ィン系樹脂には、さらに従来公知の耐熱安定性、耐候安
定性、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワッ
クスなどが配合されていてもよい。
【0118】たとえば、任意成分として配合される安定
剤としては、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチ
ル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) プロピ
オネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステア
リン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリ
スリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジ
ステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート
などの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げること
ができる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わ
せて配合してもよい。たとえばテトラキス[メチレン-3
-(3.5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステ
アレートとの組み合わせなどを例示できる。これらの安
定剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0119】また、有機または無機の充填剤としてはシ
リカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ペント
ナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデ
ンなどを挙げることができる。
【0120】環状オレフィン系重合体と他の成分とは、
公知の方法を利用して混合することができる。例えば各
成分を同時に混合することができる。本発明の成形体の
製造方法では、上記のような環状オレフィン系樹脂を、
射出装置に供給して射出成形する。
【0121】そして、この射出成形をする際に、この射
出装置の内部を減圧状態にして環状オレフィン系樹脂を
溶融射出する。図1に本発明で使用することができる射
出装置を模式的に示す。
【0122】本発明の成形体の製造方法では、図1に示
すように、例えばペレット状に賦形された環状オレフィ
ン系樹脂をホッパー等の原料供給口11に投入する。こ
の原料供給口11の下端部には通常はフィードスクリュ
ー12が備えられており、このフィードスクリュー12
が回転することにより環状オレフィン系樹脂は、射出装
置10の後端部に供給される。
【0123】図1において、10は射出装置であり、1
5は加熱筒であり、16は主スクリューであり、通常、
主スクリュー16は、加熱筒15内で回転しながら前後
に往復運動可能なように形成されている。この射出装置
の先端にはノズル17が設けられており、このノズル1
7は、金型(図示無し)に接合して溶融樹脂を金型に供
給可能なようにされている。
【0124】そして、本発明で使用される射出装置10
は、加熱筒15と主スクリュー16との間の気体をこの
装置10の外に排出するためのベント18を備えてい
る。図1で示すような射出装置10の主スクリューは、
その機能により、1次側と2次側とに大別でき、1次
側、2次側ともに、計量ゾーン、圧縮ゾーン、供給ゾー
ンを有している。原料である環状オレフィン系樹脂は、
1次側の供給ゾーン21に供給され圧縮ゾーン22で圧
縮されて溶融された後、1次側計量ゾーン23で計量さ
れて2次側の供給ゾーン24にに送られるが、ベント1
8は、1次側の樹脂圧力が解放される2次側供給ゾーン
24に設けられている。2次側の供給ゾーン24では、
1次側での樹脂圧力が解放されているので、この位置に
ベント18を設けることにより、ベント孔への樹脂の侵
入によるベントを閉塞を防止することができる。また、
本発明で使用される射出装置において、ベント孔の向き
はこの孔から加熱筒内にベント内壁などの付着物が落下
するのを防止するために、床面方向、床面に対して横方
向あるいはこれらの中間の方向に取り付けることが好ま
しい。
【0125】また、上記のような射出装置10におい
て、加熱筒15には装置に供給された環状オレフィン系
樹脂を加熱するための加熱手段が備えられており、例え
ば、1次側供給ゾーン21を含む1次側後部、1次側圧
縮ゾーン22および計量ゾーン23を含む1次側前部、
ベント部、2次側供給ゾーン24を含む2次側後部、2
次側圧縮ゾーン25および計量ゾーン26を含む2次側
前部、ノズル17をそれぞれ独立して加熱温度設定がで
きるようにされている。
【0126】本発明の成形体の製造方法では、例えば図
1に示すような射出装置10を用いて環状オレフィン系
樹脂を加熱溶融して射出する際に、加熱筒15と主スク
リュー16との間隙にある気体をベント18により排気
することにより、減圧下に樹脂を溶融させる。
【0127】即ち、本発明では、加熱筒15内部の圧力
を、通常は0.9atm〜0atm(−76mmHg〜−760mmH
g)〜、好ましくは0.7atm〜0.001atm(例えば−
228mmHg〜−752.4mmHg程度)の減圧状態にす
る。このように減圧下に環状オレフィン系樹脂を溶融し
て射出することにより、例えば環状オレフィン系樹脂ペ
レットから気体成分が発生したり、ペレットの乾燥が不
充分である場合でも、得られる成形体の外観不良の発
生、例えば表面の白化現象(シルバー化現象)の発生を
抑制することができる。
【0128】このように加熱筒15内部の圧力を減圧に
するには、ベント18を減圧装置(図示無し)に接続し
て、この減圧装置から加熱筒15内部の気体を排気する
方法を採用することができる。
【0129】さらに、本発明の方法では、加熱筒15内
の空気を排出して、この加熱筒15内を窒素ガス、アル
ゴンガスのような環状オレフィン系樹脂に対して不活性
なガスでパージした後にこの加熱筒15内を減圧にする
ことが好ましい。
【0130】このように不活性ガスでパージすることに
より、得られる成形体の透明性などの光学的特性がさら
に向上する。上記のようにして減圧状態で行われる射出
成形の条件は、環状オレフィン系樹脂を用いた通常の成
形条件と変わりはない。
【0131】たとえば、加熱筒15による加熱温度は、
200〜樹脂の分解温度以下の温度(通常400℃)で
あり、ノズル先端における射出圧力は、通常は200〜
1500kg/cm2である。また、この射出成形における金
型温度は通常は20〜150℃程度に加熱される。
【0132】なお、本発明の方法は、上記に限らず、射
出圧縮成形体、射出中空成形体など、金型内に環状オレ
フィン系樹脂を射出装置内で溶融させて金型に導入する
成形方法に適応される。
【0133】こうして本発明の方法で製造された成形体
は、光学的用途に特に適している。具体的には、レン
ズ、プリズム、導光板、反射板、ディスク、光学記録メ
ディアを挙げることができる。
【0134】さらに、本発明の方法で製造された成形体
の具体的な例としては、眼鏡レンズ、フルネルレンズ、
集光レンズ、カメラにおけるファインダーレンズ、撮影
レンズ、コンタクトレンズ、投影レンズ、VTRズーム
レンズ、CD用対物レンズ、イメージセンサー用レン
ズ、複写機用板レンズ、LCDの導光板、拡散板、反射
板、自動車等のインジケーター用のプリズム、CD、D
VD、DRAW、WORM、光磁気記録ディスク、光カ
ード等を挙げることができる。
【0135】また、本発明の方法で製造された成形体
は、医療分野でも良好に使用することができ、例えば、
バイアル瓶、プレフィルドシリンジ、分析セル、バイア
ル管等を挙げることができる。
【0136】また、他の分野では、アイロンやコーヒー
メーカーの水タンク、ステレオのフロントパネル等各種
の透明パネルを挙げることができる。また、射出や注型
成形用の型として用いてもよく、こうした型の用途とし
ては、メガネ、コンタクトレンズ等の型を挙げることが
できる。
【0137】
【発明の効果】本発明の方法によれば、射出装置内を減
圧状態に維持して環状オレフィン系樹脂を溶融して金型
内に射出しているので、成形体に所謂シルバー等の外観
不良の発生を抑制することができると共に成形体中への
気泡の混入を防止できる。さらに、この減圧の際に不活
性ガスで加熱筒内をシールすることにより、着色などの
ない等、さらに良好な光学的特性を有する成形体を製造
することができるさらに、金型の温度が高く設定しなく
とも所謂シルバーの発生を防止できるので、環状オレフ
ィン系樹脂の成形体を効率よく製造することができる。
【0138】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0139】
【実施例1】エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]-3-ドデセン(以下単に「テトラシクロドデセン」
と記載することもある)との環状オレフィン系ランダム
共重体[135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]:0.48dl/g、DSC法により測定したガ
ラス転移温度(Tg):142℃]のペレットを乾燥さ
せずにそのまま図1に示す成形機(日精樹脂工業(株)
製、機種:FE-80S12ASEV)のホッパーに投入した。
【0140】この成形機を用いた成形条件は次の通りで
ある。 1.成形温度 上記成形機の温度を下記表1に示すように設定した。
【0141】
【表1】
【0142】2.射出速度 使用した装置の射出速度の50% 3.射出圧力(ノズル先端から金型への射出圧力) 使用した装置の最大射出圧力の20〜23%(約400
〜500kg/cm2) 4.背圧 5kg/cm2 上記のような射出条件において、空気雰囲気下で、加熱
筒15の内部を−730mmHgに減圧し、この状態を維持
しながら、金型温度80℃、90℃、100℃、110
℃、そして120℃に調製された金型内に環状オレフィ
ン系樹脂を射出して120×130×2tの角板を成形
した。
【0143】なお、本実施例で使用される射出装置のベ
ント孔は、この孔から加熱筒内にベント内壁などの付着
物が落下するのを防止するために、床面方向、床面に対
して横方向あるいはこれらの中間の方向に取り付けられ
ている。
【0144】得られた角板を目視観察して所謂シルバー
の発生および気泡の有無を判定した。結果を表2に記載
する。
【0145】
【比較例1】実施例1において、ベント18を使用せず
に大気圧のまま(減圧度:0mmHg)成形した以外は同様
にして角板を製造した。
【0146】得られた角板を目視観察して所謂シルバー
の発生および気泡の有無を判定した。結果を表2に記載
する。
【0147】
【比較例2】実施例1において、環状オレフィン系樹脂
ペレットを完全に乾燥させて使用し、さらにベント18
を使用せずに大気圧のまま(減圧度:0mmHg)成形した
以外は同様にして角板を製造した。
【0148】得られた角板を目視観察して所謂シルバー
の発生および気泡の有無を判定した。結果を表2に記載
する。
【0149】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法を実施することができ
る射出装置の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10・・・射出装置 11・・・原料供給口 12・・・フィードスクリュー 15・・・加熱筒 16・・・主スクリュー 17・・・ノズル 18・・・ベント 21・・・1次側の供給ゾーン 22・・・1次側の圧縮ゾーン 23・・・1次側の計量ゾーン 24・・・2次側の供給ゾーン 25・・・2次側の圧縮ゾーン 26・・・2次側の計量ゾーン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記[I-1]、[I-2]、[I-3]および
    [I-4]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂
    を、射出装置に供給して射出成形するに際して、該射出
    装置の内部を減圧状態にして溶融射出することを特徴と
    する環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法; [I-1] エチレンと下記式[I]または[II]で表され
    る環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・
    環状オレフィンランダム共重合体: [I-2]下記式[I]または[II]で表される環状オレ
    フィンの開環重合体または共重合体、 [I-3]上記[I-2]開環重合体または共重合体の水素化
    物、および [I-4]上記[I-1]、[I-2]または[I-3]のグラフト
    変性物; 【化1】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R18なら
    びにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18は互い
    に結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ
    該単環または多環が二重結合を有していてもよく、また
    15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基
    を形成していてもよい。)、 【化2】 (式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、R1 〜R19
    それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水
    素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアル
    コキシ基であり、R9 (またはR10)が結合している炭
    素原子と、R13またはR11が結合している炭素原子とは
    直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合
    していてもよく、また、n=m=0のときR15とR12
    たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
    香族環を形成していてもよい。)。
  2. 【請求項2】 前記成形装置内において、環状オレフィ
    ン系樹脂が空気接触しないように不活性ガスでシールす
    ることを特徴とする請求項第1項記載の製造方法。
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