JPH08164039A - 車両用シートの状態調節方法及び車両用シートの状態調節装置 - Google Patents

車両用シートの状態調節方法及び車両用シートの状態調節装置

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JPH08164039A
JPH08164039A JP31041394A JP31041394A JPH08164039A JP H08164039 A JPH08164039 A JP H08164039A JP 31041394 A JP31041394 A JP 31041394A JP 31041394 A JP31041394 A JP 31041394A JP H08164039 A JPH08164039 A JP H08164039A
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JP
Japan
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load center
center position
seat
vehicle seat
condition adjusting
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Application number
JP31041394A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Sato
晴彦 佐藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートに着座した乗員の股関節回り等の筋負
荷を軽減することを可能とする。 【構成】 シートクッション1及びシートバック3から
なり、姿勢変更可能な車両用シートと、車両用シートの
状態を調節する状態調節手段17,19,41と、車両
用シートの状態を検出する状態検出手段43,51と、
シートクッション1及びシートバック3に着座した乗員
の荷重中心位置を検出する荷重中心検出手段29,3
7,51と、荷重中心位置が乗員の体格に応じて予め定
められた最適荷重中心位置となるように車両用シートの
状態を変更させるべく前記状態調節手段17,19,4
1を制御する制御手段51とよりなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、乗員の荷重位置を考
慮して車両用シートの状態を自動的に調節する車両用シ
ートの状態調節方法及び状態調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の車両用シートの状態調節
装置としては、例えば図20,図21に示すようなもの
がある(実開平2−147065号公報参照)。
【0003】図20は、車両用シートのアクチュエータ
等の配置構成を示すフレーム構成の斜視図、図21は制
御ブロック図を示している。
【0004】この車両用シートは、図20のようにシー
トクッション1及びシートバック3からなっている。シ
ートクッション1及びシートバック3には、体圧センサ
5が設けられている。また、シートクッション1にはパ
ンアクチュエータ7によって駆動されるシートパン9が
設けられている。シートバック3にはランバーアクチュ
エータ11によって駆動されるランバーサポート13が
設けられている。前記体圧センサ5の出力信号は図21
のように制御装置15に入力されるようになっている。
制御装置15の出力信号は、前記両アクチュエータ7,
11に出力されるようになっている。
【0005】そして、各体圧センサ5が各部の体圧を検
出して制御装置15へ信号を入力する。制御装置15で
は、入力データから平均体圧を算出し、これを予め設定
された適正体圧値または乗員が入力した好みの体圧値と
比較してアクチュエータ7,11を制御する。こうし
て、アクチュエータ7,11は、各部の体圧を適正体圧
値に修正する方向へ作動する。更に、体圧センサ5の検
出値が常に適正体圧値と一致するようにフィードバック
制御が行なわれるようになっている。従って、乗員は常
時適正な体圧値によって着座することができ、乗員の疲
労軽減を図ることができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乗員が
シートに着座した時の体圧値はシートクッション1及び
シートバック3に対して分布しており、しかも、その分
布状態は乗員の体格、シートスライド位置、シートバッ
ク位置等の様々な条件に対して逐一変化するものとなっ
ている。従って、適正体圧値を予め正確に設定するのが
困難となっている。
【0007】また、乗員の好みによって体圧値を入力す
る場合でも、乗員の身体負荷、例えば大腿部の圧迫感等
で見た場合の最適な体圧値を必ずしも的確に選定できる
とは限らない。このため、検出した体圧値が適正体圧値
となるようにアクチュエータ7,11を制御したとして
も基準となる体圧値自体が不正確となりやすいため、的
確な制御ができない恐れがあった。
【0008】そこで、この発明は、乗員の身体負荷が最
小となるようにシートの姿勢を変更させる車両用シート
の状態調節方法及び状態調節装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、シートクッション及びシートバ
ックからなり、状態変更可能な車両用シートの状態調節
方法において、前記シートクッション及びシートバック
に着座した乗員の荷重中心位置を検出し、前記荷重中心
位置が、前記乗員の体格に応じて予め定められた最適荷
重中心位置となるように前記車両用シートの状態を変更
させることを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、図1のようにシートク
ッションCL1及びシートバックCL2からなり、状態
変更可能な車両用シートCL3と、前記車両用シートC
L3の状態を調節する状態調節手段CL4と、前記車両
用シートCL3の状態を検出する状態検出手段CL5
と、前記シートクッションCL1及びシートバックCL
2に着座した乗員の荷重中心位置を検出する荷重中心検
出手段CL6と、前記荷重中心位置が乗員の体格に応じ
て予め定められた最適荷重中心位置となるように前記車
両用シートCL3の状態を変更させるべく前記状態調節
手段CL4を制御する制御手段CL7とよりなることを
特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、請求項2記載の車両用
シートの状態調節装置であって、前記最適荷重中心位置
は、前記乗員の股関節回りのモーメントを最小にする位
置であることを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項2記載の車両用
シートの状態調節装置であって、前記最適荷重中心位置
は、前記乗員の股関節回りのモーメントと大腿部の圧迫
感との双方から定められていることを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれ
かに記載の車両用シートの状態調節装置であって、前記
車両用シートの状態は、シートクッション角度、シート
クッション高さ、シートバック角度のいずれかであるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項6の発明は、請求項5記載の車両用
シートの状態調節装置であって、前記シートクッション
角度、シートクッション高さ、シートバック角度の順に
調節することを特徴とする。
【0015】請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれ
かに記載の車両用シートの状態調節装置であって、前記
荷重中心検出手段は、前記シートクッション下部の前後
に設けた2つの荷重センサを有することを特徴とする。
【0016】請求項8の発明は、請求項2〜6のいずれ
かに記載の車両用シートの状態調節装置であって、前記
荷重中心検出手段は、前記乗員の踵下の床の荷重を検知
する荷重センサを有することを特徴とする。
【0017】請求項9の発明は、請求項1記載の車両用
シートの状態調節装置であって、前記乗員がペダルを踏
み込んだことを検出して信号を出力するペダル踏込量検
出手段を設け、前記制御手段は、前記ペダル踏込量検出
手段の出力信号があったとき、前記荷重中心位置が前記
最適荷重中心位置となるように前記状態調節手段を制御
することを特徴とする。
【0018】請求項10の発明は、請求項9記載の車両
用シートの状態調節装置であって、前記制御手段は、ペ
ダル踏込量検出手段の出力信号がないとき、前記最適荷
重中心位置をペダル踏み込み量に見合った量だけペダル
踏み込み時の最適荷重中心位置からずらすことを特徴と
する。
【0019】請求項11の発明は、請求項10記載の車
両用シートの状態調節装置であって、 車両の走行状態
がスポーツモードか通常走行モードかを区別するモード
区別手段を設け、前記制御手段は、スポーツモードのと
き、前記最適荷重中心位置をペダル踏み込み時の最適荷
重中心位置からずらすことを特徴とする。
【0020】
【作用】上記手段の請求項1の発明によれば、まず、車
両用シートに着座した乗員の荷重中心を検出し、この荷
重中心が乗員の体格に応じて予め定められた最適荷重中
心位置となるように車両用シートの状態を変更させるこ
とができる。
【0021】請求項2の発明によれば、シートクッショ
ン及びシートバックに着座した乗員の荷重中心を荷重中
心検出手段が検出する。そして、制御手段は荷重中心位
置が乗員の体格に応じて予め定められた最適荷重中心位
置となるように車両用シートの状態を変更させるようア
クチュエータを制御する。アクチュエータの駆動によっ
て車両用シートは状態変更を行なう。この時の車両用シ
ートの状態検出は、状態検出手段が行なう。従って、運
転者の身体負荷を軽減させるように車両用シートの状態
変更を行なうことができる。
【0022】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の作用に加え、最適荷重中心位置が乗員の股関節回りの
モーメントを最小にする位置であり、制御手段の制御に
よって荷重中心位置を乗員の股関節回りのモーメントを
最小にする位置とすることができる。
【0023】請求項4の発明では、請求項2の発明の作
用に加え、最適荷重中心位置は乗員の股関節回りのモー
メントと大腿部の圧迫感との双方から定めるため、制御
手段の制御によって荷重中心位置を乗員の股関節回りの
モーメントと大腿部の圧迫感との双方を減少させるよう
に制御することができる。
【0024】請求項5の発明では、請求項2〜4のいず
れかの発明の作用に加え、アクチュエータの駆動によっ
て状態変更する車両用シートの状態をシートクッション
角度、シートクッション高さ、シートバック角度のいず
れかにすることができる。
【0025】請求項6の発明では、請求項5の発明の作
用に加え、アクチュエータによってシートクッション角
度、及びシートバック角度、シートクッション高さの順
に調節することによって車両用シートの状態変更を行な
うことができる。
【0026】請求項7の発明では、請求項2〜6の発明
の作用に加え、シートクッション下部の前後に設けた2
つの荷重センサによって検出した荷重に基づいて荷重中
心を検出することができる。従って、この構造では、シ
ートクッション下部の前後に2つの荷重センサを設けれ
ばよく、構造が簡単である。
【0027】請求項8の発明では、請求項2〜6のいず
れかの発明の作用に加え、乗員の踵下の床の荷重を検知
する荷重センサからの検出値によって荷重中心を検出す
ることができる。従って、乗員の踵下の床に荷重センサ
を設けるだけでよい。
【0028】請求項9の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、ペダル踏込検出手段の出力信号があったと
き、荷重中心位置を最適荷重中心位置となるようにアク
チュエータを制御することができる。従って、ペダル踏
み込み時における乗員負荷に対応させることができる。
【0029】請求項10の発明では、請求項9の発明の
作用に加え、ペダル踏込量検出手段の出力信号がない
時、即ちペダルを踏み込まない時に最適荷重中心位置を
ペダル踏込量に見合った量だけペダル踏込時の最適荷重
中心からずらすことができる。従って、ペダル踏込時に
は乗員の荷重中心位置をペダル踏込時の最適荷重中心位
置に一致させることができる。
【0030】請求項11の発明では、請求項10の発明
の作用に加え、モード区別手段が車両の走行状態をスポ
ーツモードか通常走行モードかを区別する。そして、車
両が山道走行等のスポーツモードの走行をしている時、
最適荷重中心位置をペダル踏込時の最適荷重中心位置か
らペダル踏込量に見合った量だけずらすことができる。
従って、スポーツモードの走行を行なっている時、乗員
の荷重中心位置をペダル踏込時の最適荷重中心位置に一
致させることができる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0032】図2は、この発明の一実施例に係る車両用
シートの状態調節装置を示している。まず、車両用シー
トCL3は前記同様、シートクッション1(CL1)と
シートバック3(CL2)とからなっている。これらシ
ートクッション1及びシートバック3は状態変更が可能
なように構成されている。すなわち、前記シートクッシ
ョン1は状態調節手段CL4として前側が前部リフタ1
7により、後側が後部リフタ19によりシートスライド
レールアッパ21に支持されている。
【0033】前記前部リフタ17は前部リフタモータ2
3と前部リフタアーム25とからなっている。前部リフ
タモータ23は、前記スライドレールアッパ21に取付
けられている。前記前部リフタアーム25は前記シート
スライドレールアッパ21に回転自在に支持されると共
に、前記前部リフタモータ23に連動連結されている。
前部リフタアーム25の上端は、シートクッション1側
の前部リフタブラケット27に回転自在に支持されてい
る。前部リフタブラケット27には、荷重中心検出手段
CL6の一部を構成する荷重センサとして前部荷重セン
サ29が設けられている。従って、荷重中心検出手段C
L6としての前部荷重センサ29はシートクッション1
の下部の前側に設けられた構成となっている。
【0034】前記後部リフタ19も前部リフタ17と同
一構成であり、後部リフタモータ31、後部リフタアー
ム33からなり、後部リフタモータ31はシートスライ
ドレールアッパ21に取り付けられ、後部リフタアーム
33の上部は後部リフタブラケット35に支持され、後
部リフタブラケット35には後部荷重センサ37が開設
されている。前記後部荷重センサ37を設けることによ
って、シートクッション1の後部に荷重中心検出手段C
L6の一部を構成する荷重センサを設けた構成となって
いる。
【0035】そして、前記前、後部リフタモータ23,
31の同時駆動あるいは別々の調節駆動によってシート
クッション1の状態としてシートクッション角度、及び
シートクッション高さの状態変更が可能となっている。
【0036】前記シートスライドレールアッパ21の後
部にはシートバック支持アーム39が設けられている。
シートバック支持アーム39には、前記シートバック3
の下端が回転自在に支持されている。前記シートバック
3の下部回転軸はシートバック支持アーム39に取付け
られた状態調節手段CL4としてのシートバックモータ
41に連動連結されている。従って、シートバックモー
タ41の駆動によってシートバック3がシートバック支
持アーム39に対して回転し、シートバック3の状態と
してシートバック角度の調節が行なわれる構成となって
いる。
【0037】前記シートバック3のシートバック角度は
シートバック角センサ43で検出するようになってい
る。したがって、シートバック角センサ43は車両用シ
ートの状態を検出する状態検出手段CL5を構成してい
る。
【0038】前記シートスライドレールアッパ21は、
車体フロアFに取付けられたシートスライドレールロア
45に支持され、車体前後方向に移動調節ができるよう
に構成されている。シートスライドレールアッパ21の
前後移動は、スライドモータ47によって調節されるよ
うになっている。前記スライドレールロア45に対する
シートスライドレールアッパ21の前後位置、即ち車両
用シートの前後位置はスライドセンサ49によって検出
するようになっている。
【0039】前記前部リフタモータ23、後部リフタモ
ータ31、シートバックモータ41は、制御手段CL7
としてのコントローラ51によって制御されるようにな
っている。コントローラ51はシートクッション1及び
シートバック3に着座した乗員の荷重中心位置が乗員の
体格に応じて予め定められた最適荷重中心位置となるよ
うに車両用シートの状態を変更させるべく、前部リフタ
モータ23、後部リフタモータ31、及びシートバック
モータ41を制御する構成となっている。乗員の荷重中
心位置と最適荷重中心位置との関係は、後述する。
【0040】また、前記シートバックモータ41及びシ
ートスライドモータ47は手動命令スイッチ53によっ
て駆動命令できるように構成されている。
【0041】前記コントローラ51にはペダル踏込量検
出センサ(手段)55とモードスイッチ(モード区別手
段)57の信号が入力されるように構成されている。ペ
ダル踏込量検出センサ55は例えばアクセルペダルの踏
込量を検出してコントローラ51に検出信号を入力す
る。モードスイッチ57は通常モードかスポーツモード
かの選択を運転者がするもので、選択信号がコントロー
ラ51に入力されるようになっている。通常モードは一
般道の走行時における選択モードである。スポーツモー
ドは例えば山道を走行する時等のようにペダル踏込量が
大きい場合に選択されるものである。そして、コントロ
ーラ51の制御によって前部リフタモータ23、後部リ
フタモータ31及びシートバックモータ41が制御さ
れ、前記のようにシートクッション1の高さ及び角度、
シートバック3の角度が調節され、乗員の荷重中心位置
が最適荷重中心位置となるように車両用シートの状態が
変更されるのである。このような調節によって腸腰筋等
の股関節の屈筋群の筋力(筋負荷)が小さくなり、また
大腿部の圧迫感が減少して長時間走行時の筋疲労や大腿
部のしびれ等を抑制し、運転者の著しい疲労軽減を図る
ことができるのである。また、前記状態調節は、シート
クッション角度、シートクッション高さ、シートバック
角度の順に調節するものである。すなわち、車両用シー
トの角度の調節を先に行ない、乗員の違和感を軽減する
と共に、簡単な制御によって股関節回りの筋負荷等を著
しく軽減する。
【0042】なお、シートスライド位置とシートバック
角度とは手動命令スイッチ53による操作によって乗員
の好みのスライド位置や角度に合わせることができる。
【0043】ペダル踏込量検出センサ55とモードスイ
ッチ57とコントローラ51の関係は、後述する。
【0044】図3は、荷重中心位置の意義を説明するた
めのものであり、運転者が車両用シートに座った状態を
示している。ここで、各部の符号の説明をしておく。着
座した運転者の腸腰筋をL、大殿筋をK、股関節をN、
股関節回りのモーメントをM、重心Gにおける大腿の重
さ(重力)をg、荷重中心位置をCとしている。そし
て、着座時に運転者は通常腸腰筋L等の股関節Nの屈筋
群を使って股関節Nや大腿Sの姿勢を保持している。こ
の部分の筋力、筋負荷が大きいと長時間走行時は筋疲労
を引き起こす可能性がある。ここで、この筋は股関節回
りのモーメントMを発生するために作用していると考え
ることができ、筋負荷を軽減させるためには股関節回り
のモーメントMを小さくすれば良いといえる。大きく見
れば股関節回りのモーメントMは、大腿Sの重さ(重
力)gによるモーメントからシートクッション1で大腿
Sを支える力(反力)によるモーメントを引いたもので
あると考えることができる。この大腿Sの反力によるモ
ーメントはその反力の大きさに股関節Nから反力作用点
までの距離をかけたものである。ここで、反力の大きさ
は運転者の体格により差はあるものの、同じ運転者では
シートクッション1の状態を変えても大きくは変化しな
い。そこで、重要となるのが、反力の作用点位置であ
り、この発明の実施例では、この位置をシートクッショ
ン1の荷重中心位置Cで代用している。荷重中心位置C
は、前部荷重センサ29と後部荷重センサ37とで検知
したシートクッション位置の前、後部の荷重から以下の
式を用いて計算することができる。
【0045】 荷重中心位置C=前部荷重/(前部荷重+後部荷重) …(1) すなわち、図3において荷重中心位置Cは後部荷重セン
サ37側を0とし、前部荷重センサ29側を1とし、後
部荷重センサ37側を基準としている。
【0046】前記荷重中心位置Cと股関節回りのモーメ
ントMとの関係は図4に示されている。荷重中心位置C
は、ある位置までモーメントMが減る傾向にあり、位置
Cが一定以上、即ち、前部荷重センサ29側へ一定以上
に寄った場合に逆方向のモーメントがかかり大殿筋K等
の股関節伸筋群の負荷が増大することになる。ここで、
シートクッション1付近の運転者の状態を考える場合
に、前記の筋負荷以外に大腿部Sの圧迫も重要となる。
【0047】図5に荷重中心位置Cと大腿S部の圧迫感
との関係を示している。荷重中心位置Cがある一定以上
になると、圧迫感が急に増大する傾向にある。そして、
股関節回りのモーメントMと圧迫感とを合わせて荷重中
心位置と股関節回りの評価の関係を図6に示した。この
図6に示すように、荷重中心Cの中で前記モーメントM
と圧迫感とを最も低くする最適荷重中心位置が存在して
いる。このような最適荷重中心位置は乗員の体格に応じ
て求められるものであって、このようにして求めた最適
荷重中心位置を予め定められた荷重中心としてコントロ
ーラ51に記憶させておくのである。
【0048】そして、この発明の実施例では、シートク
ッション1及びシートバック3の状態を変化させ、検出
した運転者の荷重中心位置を最適荷重中心位置に一致さ
せるようにコントローラ51による制御を前記のように
して行ない、運転者の疲労を軽減するのである。
【0049】図7は、前記のようにして制御したときの
運転者の姿勢を示したものである。即ち、図7では、前
記のような制御によって変化させるパラメータとしてシ
ートクッション角度θ1 、シート高さH、シートバック
角度θ2 を示している。又、乗員の姿勢としてP1 ,P
2 ,P3 の3態様を示している。P1 が一般的な状態を
示している。P2 はシート高さが大きい場合を示してい
る。P3 はシートバック角度が大きい場合を示してい
る。この場合、各調節パラメータは機械的な制約から最
大値と最小値とをもっている。そして、シートクッショ
ン角度θ1 、シート高さH、シートバック角度θ2 の変
化と荷重中心位置の変化との関係を図8,図9及び図1
0に示している。この図8〜図10のように各パラメー
タのうち、変化させることで最も効果的に荷重中心位置
を変えることができるのは、シートクッション角度
θ1 、シート高さH、シートバック角度θ2 の順であ
る。従って、上記の制御において、角度θ1 、シート高
さH、シートバック角度θ2 の順に変化させて、荷重中
心位置を最適荷重中心位置に合わせるようにしている。
そして、前記制御においてパラメータが最大値または最
小値になったら次のパラメータに移るというロジックを
用いている。
【0050】次に、シート高さHを大きくした場合に問
題となるのが、図7で示すヘッドクリアランスhであ
る。シート高さHはヘッドクリアランスhがある一定の
最小値h1 以下にならないように制限する必要がある。
ヘッドクリアランスhは、シート高さHが同じでも運転
者の座高(=身長)により異なる。運転者の身長は図1
1に示すようなシートスライド位置と比例関係にあるた
め、シートスライド位置をスライド位置センサ49によ
って検知して身長を求め、その後シート高さHからヘッ
ドクリアランスhを推定するものである。そして、図9
に示したように、シート高さHの調節はヘッドクリアラ
ンスhが最小となるH1 よりも高くしないようにし、制
御中にH1 となったらシートバック角度θ2 の調節に移
るものである。
【0051】次に、アクセルペダル等のペダルの踏込と
最適荷重中心位置との関係を述べる。
【0052】図12は、アクセルペダル等のペダル59
を踏み込んだ時の乗員の下肢の状態を示している。ペダ
ル59を踏み込んだ時は大腿S部の位置がシートクッシ
ョン1方向(下方)に動くため、荷重中心位置は大きく
なる(シート前方向)。従って、コントローラ51はペ
ダル踏込量検出センサ55の出力信号があった時、荷重
中心位置が最適荷重中心位置となるように状態調節手
段、即ち前部リフタモータ23、後部リフタモータ31
及びシートバックモータ41を制御する。具体的には市
街地走行等の通常走行時(通常モード)はペダル踏込量
が小さく、荷重中心位置がほとんど変化しないが、山道
等を走行する時(スポーツモード)はペダル踏込量が大
きく、大腿S部がシートクッション位置から大きな圧迫
感を受けることとなる。このため、モードスイッチ57
によって運転者が通常モードがスポーツモードかを選択
し、スポーツモードの場合には最適荷重中心位置をペダ
ル踏込量に見合った量だけペダル踏み込み時の最適荷重
中心位置からずらすようにしている。
【0053】即ち、図13のようにペダルを踏み込んだ
時に最適荷重中心位置となるように、踏み込んでない時
はペダル踏込量に見合った量だけペダル踏み込み時の最
適荷重中心位置より小さく(後方向)しておくのであ
る。ここで、ペダル踏込量は運転者の走り方によって異
なるため、コントローラ51は前回のスポーツモードの
時の運転者の最大ペダル踏込量を記憶しておき、図13
の荷重中心位置の決定はこの記憶した最大ペダル踏込量
を基準として記憶するようにしている。なお、前記の場
合は走行状態区別手段としてモードスイッチ57を用い
たが、エンジン回転数、車速等、あるいはペダル踏込状
態の検出等によって通常走行モードかスポーツモードか
の区別を自動的にすることもできる。
【0054】次に、上記実施例の作用を図14,図1
5,図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0055】まず、図14のうちのフローは荷重中心
位置を検出するまでのものである。図14のは荷重中
心位置が最適荷重中心位置より小さい場合のシートクッ
ション角度及びシート高さを調節して荷重中心位置を最
適荷重中心位置とするフローである。
【0056】図15のは、荷重中心位置が最適荷重中
心位置より小さい場合にシートバック角度を調節するこ
とによって荷重中心位置を最適荷重中心位置とするフロ
ーである。
【0057】図16のは、荷重中心位置が最適荷重中
心位置より大きい場合にシートクッション角度及びシー
トクッション高さを調節することによって、荷重中心位
置を最適荷重中心位置とするフローである。同は同シ
ートバック角度を大きくすることによって荷重中心位置
を最適荷重中心位置とするフローである。
【0058】まず、運転者が乗車し、キースイッチがオ
ンになると、制御フローチャートは開始され、図14の
ステップS1においてシートバック角度、シートスライ
ド位置が運転者により調節されたか否かが判別される。
このステップS1は運転者がシートに着座して安定した
かどうかを判別するものである。したがって、シートバ
ック角度が調節されたと判断されれば、直ちにステップ
S3へ移行する。そうでなければ、ステップS2へ移行
し、フローが始められてから一定時間経過したか否かに
よってステップS1と同様の判断を行なう。従ってステ
ップS2で一定時間経過したと判断されればステップS
3へ移行する。
【0059】ステップS3では運転者のモードスイッチ
の選択がスポーツモードか通常モードかを検知し、スポ
ーツモードならば、前回操作のペダル踏込量最大値から
図13を用いてペダルを踏み込まない時の最適荷重中心
位置をペダルを踏み込んだ時の最適荷重中心位置からず
らす。これは前記のようにスポーツモードの時のペダル
踏込量の増大を考慮したものである。
【0060】次に、ステップS4では、シートクッショ
ン1の前、後部の荷重を前部荷重センサ29と後部荷重
センサ37とからの信号によって検知し、荷重中心位置
を前記(1)式によって計算する。
【0061】次に、ステップS5において、現在の荷重
中心位置が最適荷重中心位置かどうかを比較する。現在
の荷重中心位置が最適荷重中心位置となっていれば、こ
のフローは終了する。現在の荷重中心位置が最適荷重中
心よりも小さい(後方向)である場合にはステップS6
へ移行し、シートクッション1の前部高さが大きくなる
ように制御される。
【0062】次に、ステップS7においては、シートク
ッション1の前部高さが最大かどうかが判断される。こ
れは前記のようにシートクッション角度、シートクッシ
ョン高さ、シートバック角度の各調節パラメータは機械
的な制約から最大値と最小値を持つためパラメータが最
大値または最小値になったら次のパラメータに移るとい
うロジックを実行するために判断するものである。従っ
て、シートクッション1の前部高さが最大でなければス
テップS8へ移行し、最大となっていればステップS9
へ移行する。
【0063】ステップS8ではシートクッション1の前
部高さを大きくなる方へ制御しながら荷重中心位置を再
度計算するものである。そして、ステップS10へ移行
し、現在の荷重中心位置が大きくなったかどうかの判断
が行なわれる。シートクッション1の前部高さを大きく
しても荷重中心位置が大きくならなければステップS9
へ移行し、大きくなればステップS11へ移行する。
【0064】ステップS11では現在の荷重中心位置が
最適荷重中心位置よりも依然として小さいかどうかの判
断が行なわれる。現在の荷重中心位置が最適荷重中心位
置より小さくなければ、両者が一致したものとしてこの
フローは終了する。現在の荷重中心位置が最適荷重中心
位置よりも依然と小さければ前記ステップS6へ戻り、
同様の制御が繰り返される。
【0065】ステップS7及びステップS10での判断
によりステップS9へ移行すると、シートクッション1
の後部高さが大きくなる方へ制御される。そして、ステ
ップS12へ移行し、シートクッション1の後部高さが
最大かどうかの判断が行なわれる。この判断は前記ステ
ップS7と同一の判断を行なうものである。シートクッ
ション1の後部高さが最大でなければステップS13へ
移行し、すでに最大となっていればBから図15のシー
トバック角度の制御へ移行する。
【0066】図14のステップS12において、シート
クッション位置の後部高さが最大でなればステップS1
3へ移行し、ヘッドクリアランスのチェックを行なう。
このチェックはヘッドクリアランスが一定以上に小さく
ならないようにするためのものである。したがってヘッ
ドクリアランスが最小でなければシートクッション1の
後部高さを大きくすることが可能であるため、ステップ
S14へ移行し、ヘッドクリアランスが最小となってい
れば、シートクッション1の後部高さを大きくするとシ
ートクッション1の高さが高くなりすぎるため、Bから
図15のシートバック角の制御へ移行する。
【0067】図14のステップS14では、再度荷重中
心位置が計算され、ステップS15においてシートクッ
ション1の後部高さを大きくすることによって現在の荷
重中心位置が大きくなったかどうかの判断が行なわれ
る。現在の荷重中心位置が大きくなっていれば、シート
クッション1の後部高さを大きくすることによって変化
が現れたのでステップS16へ移行し、現在の荷重中心
位置が最適荷重中心位置よりも小さいかどうかが判断さ
れる。現在の荷重中心位置が最適荷重中心位置よりも小
さくないと判断されれば両者が一致したものとしてフロ
ーは終了する。現在の荷重中心位置が最適荷重中心位置
よりも依然として小さければ更にシートクッション1の
後部高さを大きくするため、ステップS9へ移行し、前
記の各ステップが再度繰り返される。
【0068】次に、Bから図15のシートバック角の制
御へ移行すると、ステップS17においてシートバック
角を小さくする方へ制御が行なわれる。次にステップS
18ではシートバック角度が最小がどうかの判断が行な
われる。この判断も前記図14のステップS7やステッ
プS12の判断と同一の判断を行なうものである。シー
トバック角度が最小でなければ更にシートバック角度を
小さくすることができるため、ステップS19へ移行す
る。又、シートバック角度が最小であれば各調節パラメ
ータが最大値または最小値となったものと判断され、こ
のフローは終了する。
【0069】ステップS19においては、ヘッドクリア
ランスが最小かどうかの判断が行なわれる。ステップS
20では、再度荷重中心位置が計算される。そして、ス
テップS21において、現在の荷重中心位置がシートバ
ック角度を小さくすることによって大きくなったかどう
かが判断される。現在の荷重中心位置が大きくならなけ
れば、シートバック角を更に小さくしても荷重中心位置
の変化はないため、フローは終了する。現在の荷重中心
位置が大きくなったと判断されれば、ステップS23へ
移行し、現在の荷重中心位置が最適荷重中心位置よりも
小さいかどうかが判断される。現在の荷重中心位置が最
適荷重中心位置より小さくないと判断されれば両者が一
致したものとしてフローは終了する。現在の荷重中心位
置が最適荷重中心位置よりも小さいと判断されれば、更
にシートバック角を小さくするためステップS17へ戻
り、前記の各ステップが繰り返される。
【0070】以上、図14,図15,図16ののフ
ローによって現在の荷重中心位置が最適荷重中心位置よ
りも小さい場合の制御を行なうのである。
【0071】次に、図14のステップS5において、現
在の荷重中心位置が最適荷重中心位置よりも大きいと判
断された場合には、Aから図16の、のフローが実
行される。この、のフローは前記図14,図15の
、のフローと対応し、上記のように、のフロー
が現在の荷重中心位置が最適荷重中心位置よりも小さい
場合のものであるのに対して、、が現在の荷重中心
位置が最適荷重中心位置よりも大きい場合のフローであ
る。従って、、のフローでの各調節の大小と、
のフローでの各調節の大小とが逆になっている。そし
て、のフローではシートクッションの高さが小さくな
り、のフローではシートバック角度が大きくなる方向
の制御であるため、ヘッドクリアランスの最小かどうか
の判断ステップは削除されている。
【0072】そして、、のフローは、のフロー
と基本的に同じであるため、、の各ステップ番号に
対して1桁繰上げた番号で対応させ、説明は省略する。
例えば、のステップS6は、のステップではS60
として対応させてある。
【0073】このような制御によりシートクッション1
及びシートバック3に着座した乗員の荷重中心位置が最
適荷重中心位置となり、乗員負荷を軽減して、疲労を著
しく抑制することができるのである。
【0074】図17は第2実施例を示している。この実
施例では、状態調節手段としての前部リフタ17及び後
部リフタ19を空気袋61,63、前後部エアポンプ6
5,67で構成している。前後部エアポンプ65,67
はコントローラ51によって制御されるようになってい
る。したがってコントローラ51の制御により前後部エ
アポンプ65,67が駆動され、空気袋61,63に適
宜エアが供給されることによりシートクッション1の角
度及び高さを調節することができ、上記第1実施例と同
様な作用効果を奏することができる。
【0075】また、この実施例では、第1実施例と異な
り、空気袋61,63へのエアの給排によって角度及び
高さを調節するため、シートクッション1がシートスラ
イドレールアッパ21に対して前後方向へ移動するよう
なことがなく、より正確な制御を行なうことができる。
【0076】図18は、第3実施例を示している。この
実施例では、乗員の踵下の床の荷重を検知することによ
って荷重中心を検出するようにしたものである。従っ
て、ペダル59を踏込む乗員の足の踵下に荷重中心検出
手段を構成する荷重センサ71が設けられている。荷重
センサ71の検出信号はコントローラ51に入力される
ようになっている。そして、荷重センサ71で検出され
る床反力と荷重中心位置との関係を図19に示してい
る。この場合、床反力が大きい程荷重中心位置は小さく
なる(シートクッション1の後方側)。但し、この関係
は運転者の体重に左右される。即ち、体重の大きい人の
荷重中心位置が大きい場合と、体重の小さい人の荷重中
心位置が小さい場合とで床反力が同じ値となることがあ
る。このため、運転者の体重により床反力と荷重中心位
置との関係を異なったものを用いる必要がある。
【0077】図19では、体重の大きい人、普通の人、
体重の小さい人に分けて3種類の床反力と荷重中心位置
との関係を設定している。尚、運転者の体重はシートバ
ック支持アーム39に対するシートバック3の取付け中
心点からペダル59に対する乗員の足69の踏込点まで
の距離rとし、シートスライド位置rとの関係におい
て、図11から体重に応じた床反力と荷重中心位置との
関係を求めるものである。
【0078】従って、この実施例においても、前記第1
実施例と同様な作用効果を奏することができる。又、荷
重センサ71を車体フロア側に1つ設けるだけでよく、
センサの数が少なく構造簡単で安価に製作することがで
きる。
【0079】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明によれば、乗員の荷重中心位置が最適荷重中心位置と
なり、股関節等の筋負荷を軽減することができる。従っ
て長時間運転に際しても疲労の増大を大きく抑制するこ
とができる。
【0080】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果を得るための装置を実現することができる。
【0081】請求項3の発明では、股関節回りのモーメ
ントを最小にし、股関節回りの筋負荷を著しく軽減する
ことができる。従って、長時間運転に際しても股関節回
りの疲労を大きく軽減することができる。
【0082】請求項4の発明では、請求項2の発明の効
果に加え、股関節回りの筋負荷と大腿部の圧迫感との双
方を著しく軽減し、長時間運転に際しても疲労を大きく
軽減することができる。
【0083】請求項5の発明では、請求項2〜4のいず
れかの発明の効果に加え、車両シートの状態をシートク
ッション角度、シートクッション高さ、シートバック角
度のいずれかによって調節することができ、簡単な制御
によって股関節回りの筋負荷等を著しく軽減することが
できる。
【0084】請求項6の発明では、請求項5の発明の効
果に加え、シートクッション角度、シートクッション高
さ、シートバック角度の順に調節することにより股関節
の筋負荷等の軽減に対して効果的に荷重中心位置を変え
ることができる。従って、より正確な制御を行なうこと
が可能となり、運転者の疲労を正確に軽減することがで
きる。
【0085】請求項7の発明では、請求項2〜6のいず
れかの発明の効果に加え、2つの荷重センサに基づい
て、荷重中心を検出することができ、荷重中心を正確に
検出することができる。従って、運転者の疲労を正確に
軽減することが可能となる。
【0086】請求項8の発明では、請求項2〜6のいず
れかの発明の効果に加え、乗員の踵下の荷重センサによ
って荷重中心を検出することができ、荷重センサの数が
減少し、構造が簡単となり安価な装置にすることができ
る。
【0087】請求項9の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、ペダル踏込時に荷重中心位置を最適荷重中心
位置とすることにより、ペダル踏込時のシートクッショ
ンからの反力を大幅に軽減することができる。従って、
ペダル操作に拘らず、大腿部の圧迫感等を大幅に軽減
し、乗員の疲労を大きく軽減することができる。
【0088】請求項10の発明では、請求項9の発明の
効果に加え、ペダルを踏み込んだ時にペダル踏込時の最
適荷重中心位置に乗員の荷重中心位置を一致させること
ができ、ペダルの踏込に拘らず、運転者の大腿部の圧迫
感等を著しく軽減し、運転者の疲労を大きく抑制するこ
とができる。
【0089】請求項11の発明では、山道走行等のスポ
ーツモードの走行を行なっている時にペダル踏込時の最
適荷重中心位置に乗員の荷重中心位置を一致させること
ができ、大腿部の圧迫感等を著しく軽減し乗員の疲労を
大きく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構成図である。
【図2】この発明の第1実施例に係るブロック図であ
る。
【図3】この発明の第1実施例に係る荷重中心位置等を
示す構成図である。
【図4】股関節回りのモーメントと荷重中心位置の関係
のグラフである。
【図5】大腿部の圧迫感と荷重中心位置との関係のグラ
フである。
【図6】股関節回りの総合評価と荷重中心位置との関係
のグラフである。
【図7】シートクッション角度等を変化させた状態を示
す図である。
【図8】荷重中心位置とシートクッション角度との関係
のグラフである。
【図9】荷重中心位置とシート高さとの関係のグラフで
ある。
【図10】荷重中心位置とシートバック角度との関係の
グラフである。
【図11】身長、体重とシートスライド位置との関係の
グラフである。
【図12】この発明の第1実施例に係り、ペダルの踏み
込みと最適荷重中心位置との関係を説明するブロック図
である。
【図13】荷重中心位置とペダル踏込量との関係のグラ
フである。
【図14】この発明の第1実施例に係るフローチャート
である。
【図15】この発明の第1実施例に係るフローチャート
である。
【図16】この発明の第1実施例に係るフローチャート
である。
【図17】この発明の第2実施例に係るブロック図であ
る。
【図18】この発明の第3実施例に係るブロック図であ
る。
【図19】荷重中心位置と床反力との関係のグラフであ
る。
【図20】従来例に係る装置の一部省略斜視図である。
【図21】従来例に係るブロック図である。
【符号の説明】
1 シートクッション 3 シートバック 17 前部リフタ(状態調節手段) 19 後部リフタ(状態調節手段) 29 前部荷重センサ(荷重中心検出手段) 37 後部荷重センサ(荷重中心検出手段) 41 シートバックモータ(状態調節手段) 43 シートバック角センサ(状態検出手段) 51 コントローラ(制御手段、荷重中心検出手段、状
態検出手段) 55 ペダル踏込量検出センサ(ペダル踏込量検出手
段) 57 モードスイッチ(走行状態区別手段) 59 ペダル 71 荷重センサ(荷重中心検出手段)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッション及びシートバックから
    なり、状態変更可能な車両用シートの状態調節方法にお
    いて、 前記シートクッション及びシートバックに着座した乗員
    の荷重中心位置を検出し、 前記荷重中心位置が、前記乗員の体格に応じて予め定め
    られた最適荷重中心位置となるように前記車両用シート
    の状態を変更させる車両用シートの状態調節方法。
  2. 【請求項2】 シートクッション及びシートバックから
    なり、状態変更可能な車両用シートと、 前記車両用シートの状態を調節する状態調節手段と、 前記車両用シートの状態を検出する状態検出手段と、 前記シートクッション及びシートバックに着座した乗員
    の荷重中心位置を検出する荷重中心検出手段と、 前記荷重中心位置が乗員の体格に応じて予め定められた
    最適荷重中心位置となるように前記車両用シートの状態
    を変更させるべく前記状態調節手段を制御する制御手段
    とよりなることを特徴とする車両用シートの状態調節装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両用シートの状態調節
    装置であって、 前記最適荷重中心位置は、前記乗員の股関節回りのモー
    メントを最小にする位置であることを特徴とする車両用
    シートの状態調節装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の車両用シートの状態調節
    装置であって、 前記最適荷重中心位置は、前記乗員の股関節回りのモー
    メントと大腿部の圧迫感との双方から定められているこ
    とを特徴とする車両用シートの状態調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の車両用
    シートの状態調節装置であって、 前記車両用シートの状態は、シートクッション角度、シ
    ートクッション高さ、シートバック角度のいずれかであ
    ることを特徴とする車両用シートの状態調節装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の車両用シートの状態調節
    装置であって、 前記シートクッション角度、シートクッション高さ、シ
    ートバック角度の順に調節することを特徴とする車両用
    シートの状態調節装置。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかに記載の車両用
    シートの状態調節装置であって、 前記荷重中心検出手段は、前記シートクッション下部の
    前後に設けた2つの荷重センサを有することを特徴とす
    る車両用シートの状態調節装置。
  8. 【請求項8】 請求項2〜6のいずれかに記載の車両用
    シートの状態調節装置であって、 前記荷重中心検出手段は、前記乗員の踵下の床の荷重を
    検知する荷重センサを有することを特徴とする車両用シ
    ートの状態調節装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の車両用シートの状態調節
    装置であって、 前記乗員がペダルを踏み込んだことを検出して信号を出
    力するペダル踏込量検出手段を設け、 前記制御手段は、前記ペダル踏込量検出手段の出力信号
    があったとき、前記荷重中心位置が前記最適荷重中心位
    置となるように前記状態調節手段を制御することを特徴
    とする車両用シートの状態調節装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の車両用シートの状態調
    節装置であって、 前記制御手段は、ペダル踏込量検出手段の出力信号がな
    いとき、前記最適荷重中心位置をペダル踏み込み量に見
    合った量だけペダル踏み込み時の最適荷重中心位置から
    ずらすことを特徴とする車両用シートの状態調節装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の車両用シートの状態
    調節装置であって、 車両の走行状態がスポーツモードか通常走行モードかを
    区別するモード区別手段を設け、 前記制御手段は、スポーツモードのとき、前記最適荷重
    中心位置をペダル踏み込み時の最適荷重中心位置からず
    らすことを特徴とする車両用シートの状態調節装置。
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