JPH08160643A - 電荷発生層用塗料、それを用いた電子写真用感光体及び電子写真用感光体の製造方法 - Google Patents

電荷発生層用塗料、それを用いた電子写真用感光体及び電子写真用感光体の製造方法

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JPH08160643A
JPH08160643A JP30616794A JP30616794A JPH08160643A JP H08160643 A JPH08160643 A JP H08160643A JP 30616794 A JP30616794 A JP 30616794A JP 30616794 A JP30616794 A JP 30616794A JP H08160643 A JPH08160643 A JP H08160643A
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charge generation
generation layer
melamine resin
resin
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Application number
JP30616794A
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English (en)
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Masatoshi Maeda
正寿 前田
Hitoshi Hisada
均 久田
Yoshinobu Murakami
嘉信 村上
Tetsuya Sato
徹哉 佐藤
Tsumugi Kobayashi
つむぎ 小林
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の電荷発生物質及びバインダー樹脂の組
み合わせにより、特に、半導体レーザ等の長波長光に対
して高感度を有し、画像欠陥、反転現像時における黒点
の少ない、高温高湿環境下でのかぶり状黒点や、繰り返
し使用時の電位低下が発生せず、さらに高諧調で解像力
にも優れた電子写真用感光体を得る。 【構成】 X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2
θ±0.2°)7.6°、10.3°、12.7°、1
6.3°、22.7°、24.3°、25.5°、及び
28.6°に強い回折ピークを示す結晶であるα型チタ
ニルフタロシアニンとポリビニルブチラール樹脂とi−
ブチル化メラミン樹脂を溶剤に分散させた電荷発生層用
塗料を用いて、浸漬塗工法により電荷発生層4を導電性
支持体2上に形成し塗工後に熱硬化を行う。電荷輸送層
用塗料を用いて電荷発生層4上に浸漬塗工し、電荷輸送
層5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電子写真用感光体の製造に用いる
電荷発生層用塗料、それを用いて得られる電子写真用感
光体及び感光体の製造方法に関するものであり、より詳
しくは高感度で、繰り返しに対して安定な改良された電
子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真用感光体として成膜の容
易性、安価で無公害であるなどの長所のため有機光導電
性物質を含有する有機感光体が開発され実用化されてい
る。特に半導体レーザーを光源に用いたレーザービーム
プリンタなどの光プリンタ、ファクシミリに適した長波
長領域に高い感度を有する有機感光体の発展がめざまし
い。その実用化されている有機感光体のほとんどが、電
荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有
する電荷輸送層とを積層してなる積層型有機感光体であ
り、機能分離の構成により材料の選択の自由度が一層拡
大され、帯電性、感度及び耐久性等の電子写真特性の大
幅な改善が図られてきた。
【0003】一方、複写業界では高画質化及び画像の編
集機能が要請され、そのため、デジタル方式の複写機や
プリンタ等の開発が進められ、特に、レーザービームプ
リンタ、普通紙ファクシミリなどの市場拡大が図られて
きた。そこで、それらのデジタル方式の記録装置に適し
た感光体の特性向上が望まれている。前記デジタル方式
の記録装置は、一般に画像信号により変調されたレーザ
光でドット状に露光することで感光体上にドット潜像を
形成し、これを反転現像して像を形成する。この時、前
記レーザ光としては、露光装置の単純化、小型化及び低
価格化が可能な半導体レーザ装置が好ましく用いられ、
その発振波長は750nm 以上の赤外領域とされている。従
って、用いられる感光体としては、少なくとも750〜850
nmの波長領域に高感度を有することが必要とされる。
【0004】ところで、前記機能分離型の感光体に用い
られる電荷発生物質としては、種々の有機染料または有
機顔料が提案されている。例えば、多環キノン顔料、ピ
リリウム染料、ピリリウム染料とポリカーボネートとの
共晶錯体、スクアリリウム顔料、フタロシアニン顔料、
アゾ顔料等が実用化されている。これらのうち、750nm
以上の長波長領域に主感度を有するものにチタニルフタ
ロシアニン顔料がある。このチタニルフタロシアニン顔
料は、特定の凝集構造もしくは結晶構造をもたせること
で、特に、長波長領域での高感度化を図ることが可能で
あり、その結晶型としては様々の結晶型のものが提案さ
れている。
【0005】例えば、特開昭59−4544号公報、特
開昭59−166959号公報、特開昭61−2392
48号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭6
2−275272号公報、特開昭63−366号公報、
特開昭63−198067号公報、特開平1−1706
6号公報、特開平2−267563号公報、特開平3−
54264号公報などに様々な結晶型についての記載が
あり、種々のチタニルフタロシアニン顔料について検討
がされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チタニ
ルフタロシアニンの結晶型によっては不安定なものが多
いため、帯電能、感度、繰り返し特性等の特性全般を満
足し、さらに、感度の点では一層の高感度のものが望ま
れている。特に、α型チタニルフタロシアニンは750nm
以上で高感度でかつ、安定な結晶型であるが、我々が検
討した結果、次のような問題が生じた。
【0007】第1に、α型チタニルフタロシアニン顔料
は顔料粒子が非常に小粒径であるために塗料としての分
散安定性が悪く、その塗料に用いるバインダー樹脂や溶
剤によっては、顔料凝集や沈降が生じ、それが塗工時の
ムラ、顔料凝集などの塗工欠陥の原因となり、感度低下
や画像欠陥などの特性劣化を引き起こす。
【0008】第2に、電荷発生層にα型チタニルフタロ
シアニンを用いた感光体では、反転現像時に微小な黒点
が発生し、画像欠陥を生じる場合があった。通常の電子
写真用感光体においては、設置された導電層と感光層と
の間の電気的接触は微視的には均一ではなく、例えば導
電層側からのキャリア注入が場所によって異なるため
に、感光体表面に保持される電荷分布に局所的な差異が
生じる。これは現像の後に、画像欠陥として顕在化し、
ポジ型現像方式においては黒字に白点、ネガ型の反転現
像方式においては白地に黒点となる。特に反転現像方式
における黒点は、地かぶりと同様に画像品質を著しく損
なう。この問題は、高感度化された前記α型チタニルフ
タロシアニン顔料を用いた場合に発生し易く、前記反転
現像方式における黒点の発生が顕著となる。特に、高温
高湿環境下においては、湿度の影響でキャリア注入が増
加するため、微小な黒点が無数に地かぶりの様に発生
し、画像品質が著しく低下した。
【0009】第1の問題点については、種々検討した結
果、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を
用いると良好であり、塗液の分散安定性を向上させるこ
とができるが、ポリビニルブチラール樹脂は、吸湿性が
大きいため第2の問題点である高温高湿環境下でのかぶ
り状黒点の発生が顕著であった。
【0010】一方、第2の問題点については、電荷発生
層のバインダー樹脂を熱硬化性樹脂にして、高耐湿性に
すれば改善できるが、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂などで
は第1の問題点である塗料での顔料の分散安定性が非常
に悪く、これら2つの問題を同時に解決する事が困難で
あった。
【0011】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
もので、特に750nm以上の長波長光に対して高感度であ
り、塗料中の顔料の分散安定性に優れ、画像欠陥、特
に、反転現像時における黒点が少なく、さらに、繰り返
しによる帯電電位の安定性に優れた電子写真用感光体、
それに用いる電荷発生層用塗料、及びその感光体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の電荷発生層用塗料は、導電性支持体上に電
荷発生層及び電荷輸送層とを積層してなる電子写真用感
光体の電荷発生層を形成するための電荷発生層用塗料で
あって、α型チタニルフタロシアニン、ポリビニルブチ
ラール樹脂及びメラミン樹脂とを溶剤中に分散させてな
ることを特徴とする。
【0013】次に本発明の電子写真用感光体は、導電性
支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層してなる電
子写真用感光体であって、前記電荷発生層が、前記本発
明の電荷発生層用塗料を用いて形成された後、熱硬化さ
れた電荷発生層であることを特徴とする。
【0014】次に本発明の電子写真用感光体の製造方法
は、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層
してなる電子写真用感光体の製造方法であって、前記電
荷発生層を、α型チタニルフタロシアニン、ポリビニル
ブチラール樹脂及びメラミン樹脂とを溶剤中に分散させ
てなる塗布液を用いて浸漬塗工法にて塗工したのち、熱
硬化することを特徴とする。
【0015】前記構成においては、α型チタニルフタロ
シアニンが、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角
(2θ±0.2°)7.6°、10.3°、12.7
°、16.3°、22.7°、24.3°、25.5
°、及び28.6°に回折ピークを示す結晶であること
が好ましい。
【0016】また前記構成においては、メラミン樹脂
が、i−ブチル化メラミン樹脂であることが好ましい。
また前記構成においては、ポリビニルブチラール樹脂と
メラミン樹脂の全量に対し、メラミン樹脂の混合比率が
10〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0017】また前記製造方法の構成においては、熱硬
化の硬化温度が110〜130℃の範囲であることが好
ましい。また前記製造方法の構成においては、熱硬化の
硬化時間が30〜90分の範囲であることが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の電荷発生層用塗料によれば、導電性支
持体上に電荷発生層及び電荷輸送層とを積層してなる電
子写真用感光体の電荷発生層を形成するための電荷発生
層用塗料であって、α型チタニルフタロシアニンとポリ
ビニルブチラール樹脂とメラミン樹脂、特にi−ブチル
化メラミン樹脂とを溶剤中に分散させ、または、メラミ
ン樹脂をバインダー樹脂全量に対して10〜50重量%
とすることにより、電荷発生層用塗料中のα型チタニル
フタロシアニン顔料の分散安定性を向上させ、塗工時に
おける局所的なムラや顔料凝集の発生を改善することが
できる。また、本発明の電子写真用感光体は、電荷発生
物質として、α型チタニルフタロシアニンを用いること
で、750nm以上の長波長領域で高感度の電子写真用感光
体を達成できる。さらに、本発明の電子写真用感光体及
びその製造方法によれば、電荷発生層のバインダー樹脂
として、ポリビニルブチラール樹脂に加えてメラミン樹
脂を用い、塗工後、熱硬化、特に硬化温度を110〜1
30℃に、又は硬化時間を30〜90分にすることで、
耐湿性を向上させて基板からの局所的なキャリア注入を
少なくし、かぶり状黒点を改善することができる。
【0019】さらに、本発明の電荷発生層用塗料、電子
写真用感光体及びその製造方法において、電荷発生剤と
してα型チタニルフタロシアニン、特にX線回折スペク
トルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、
10.3°、12.7°、16.3°、22.7°、2
4.3°、25.5°、及び28.6°に回折ピークを
示す結晶であるものを用い、バインダー樹脂としてポリ
ビニルブチラール樹脂とメラミン樹脂との特定の樹脂の
組み合わせを用いることによって、繰り返しによる帯電
電位の変動が少なく、非常に安定な特性となる。
【0020】このバインダー樹脂の組み合わせによる繰
り返し変動の少なくなる現象の理由は、α型チタニルフ
タロシアニンとポリビニルブチラール樹脂とメラミン樹
脂との3成分の系で、塗膜形成後、バインダー樹脂が部
分縮合するため、電荷発生層中の顔料の分散状態が均一
で、キャリア注入または暗減衰が少なくなるためである
と考えられる。
【0021】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を具体的に説明す
る。図1は本実施例の積層型電子写真用感光体の構成を
示した断面図である。図1において、積層型電子写真用
感光体1は、導電性支持体2上に有機感光層3を有し、
その有機感光層3が、電荷発生層4と、その上の電荷輸
送層5とを積層して形成されている。電荷発生層4は電
荷発生物質とバインダー樹脂とからなっている。
【0022】本実施例では、導電性支持体上に電荷発生
層と電荷輸送層とを積層してなる電子写真用感光体にお
いて、前記電荷発生層がα型チタニルフタロシアニンと
バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂とメラ
ミン樹脂を溶剤に分散させた塗布液を用いて形成され
る。
【0023】まず、電荷発生層4の形成方法について説
明する。電荷発生層4は、前記電荷発生層用塗料を用い
て、導電性支持体上に浸漬塗工法にて形成される。本実
施例に用いられるα型チタニルフタロシアニンは、X線
回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)
7.6°、10.3°、12.7°、16.3°、2
2.7°、24.3°、25.5°、及び28.6°に
強い回折ピークを示す結晶であり、公知の方法により合
成される。例えば、フタロニトリルと四塩化チタンとを
反応させ、ジクロルチタニウムフタロシアニンを得て、
それをアンモニアの存在化で熱水処理して加水分解し、
粗チタニルフタロシアニンを得る。この粗チタニルフタ
ロシアニンを必要に応じて洗浄後、溶剤処理によりα型
に結晶転移させる。この際、結晶転移の前に粗チタニル
フタロシアニンを乾式ミリング、アシッドペースティン
グなどで無定形または低結晶化させても良い。本実施例
に用いられるポリビニルブチラール樹脂は、酢酸ビニル
樹脂を鹸化、アセタール化することによって得られるも
ので、そのブチラール化度によって側鎖または末端に未
反応のヒドロキシル基、カルボキシル基を有しており、
これらが電荷発生物質である顔料の分散安定性や接着性
を向上させているものと考えられる。したがって、電荷
発生物質の分散安定性を考慮するとブチラール化度50
〜70%のものが好ましい。ブチラール化度が余りに小
さいものは水溶性となり、また余りに大きいものはチタ
ニルフタロシアニンなどの電荷発生物質との親和性が低
下するため好ましくない。このポリビニルブチラール樹
脂の分子量は、重合度200〜2000程度のものであ
れば良いが、分子量の余りに小さいものは電荷発生層の
膜強度が低下し、大きすぎるものは浸漬塗工して電荷発
生層を形成する際に膜形成が行いにくい。
【0024】本実施例に用いられるメラミン樹脂はn−
ブチルエーテル化メラミン樹脂やi−ブチルエーテル化
メラミン樹脂などのアルキルエーテル化メラミン樹脂で
あり、前記ポリビニルブチラール樹脂中に含まれる水酸
基との縮合反応により部分架橋することにより形成した
電荷発生層の耐溶剤性を向上することができる。本実施
例ではi−ブチル化メラミン樹脂を用いた。メラミン樹
脂の含有量は、ポリビニルブチラール樹脂との混合系に
おける親和性や、電荷発生物質の分散安定性の点で、バ
インダー樹脂全量の10〜50重量%であるのが好まし
い。
【0025】電荷発生層の膜厚は、特性上、0.1〜1
μm程度が好ましい。膜厚が薄すぎると電荷発生量が少
なく十分な感度が得られず、厚すぎると帯電性が低下し
たり、帯電性や感度の繰り返し安定性が損なわれる。
【0026】また、導電性支持体上に電荷発生層を形成
する場合、導電性支持体と電荷発生層の接着性向上また
は導電性支持体側からの電荷注入の防止のためにポリビ
ニルブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂やポリアミド樹脂
などからなる0.1〜1μmの層を設けてもよい。
【0027】電荷発生層用塗料の溶剤としては、バイン
ダー樹脂を溶解するものであればよく、具体的には、ア
ルコール類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素
類、ケトン類、エステル類、エーテル類などを用いるこ
とができるが、顔料の分散安定性の面から、α型チタニ
ルフタロシアニンを用いる場合はアルコール類、特に、
n−ブタノール、s−ブタノール、n−プロパノール、
i−プロパノールなどが良い。
【0028】電荷輸送層5は、電荷輸送物質とバインダ
ー樹脂により形成される。電荷輸送層に用いる電荷輸送
物質としては、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、
イミド基などの電子供与性基を有する化合物、アントラ
セン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物ま
たはそれらを含む誘導体、インドール、オキサゾール、
オキサジアゾール、カルバゾール、チアゾール、ピラゾ
リン、イミダゾール、トリアゾールなどの複素環化合物
またはそれらを含む誘導体などがあげられる。これらの
電荷輸送物質とバインダーを適当な溶剤に溶解し、浸漬
塗工法によって塗布、乾燥し電荷輸送層を形成するが、
電荷輸送物質が高分子化合物の場合はバインダー樹脂を
混合せずに単独で電荷輸送層を形成しても良い。電荷輸
送層の膜厚は、通常、5〜30μm程度が好ましい。
【0029】導電性支持体2は、公知の導電性を有する
材料であればよく、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の
金属材料や導電性プラスチック、またはヨウ化アルミニ
ウム、ヨウ化銅、酸化クロム、または酸化スズ等の金属
酸化物で被覆されたガラス等が用いられる。厚さも特に
限定されるものではなく、通常1mm程度のものが用い
られる。
【0030】(実施例1)フタロニトリルと四塩化チタ
ンから得た粗製チタニルフタロシアニンをアセトニトリ
ルにて処理してα型結晶とし、X線回折スペクトルにお
いてブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、10.3
°、12.7°、16.3°、22.7°、24.3
°、25.5°、及び28.6°に強い回折ピークを示
す結晶であるα型チタニルフタロシアニン(粒状で粒径
約0.05μm)10重量部とポリビニルブチラール樹
脂(積水化学工業株式会社製、商品名エスレックBL−
1)4重量部とi−ブチル化メラミン樹脂(大日本イン
キ化学工業製、商品名G821)1重量部、1−プロパ
ノール360重量部、ガラスビーズ(直径1mm)30
0重量部をガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナー
にて15時間分散して得たものを電荷発生層用塗料と
し、この塗液を用いて、浸漬塗工法によりアルミニウム
素管上に引き上げ速度100mm/分で電荷発生層を形
成した。塗工後に120℃で1時間の熱硬化を行った。
【0031】次いで、4−N,N−ジフェニルアミノ−
α−フェニルスチルベン5重量部とビフェニルポリカー
ボネート5重量部とをトルエン45重量部に溶解した電
荷輸送層用塗料を用いて、電荷発生層上に浸漬塗工し、
100℃にて1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層
を形成した。
【0032】このようにして得た電子写真用感光体ドラ
ムを用いて、高温高湿環境(33℃80%RH)下で4
500枚連続画像テストを行い、画像評価と表面電位測
定を行った。連続画像テスト評価は市販の普通紙ファク
シミリ(松下電送製、商品名B−77)を用い、画像評
価は初期と4500枚後の画像のかぶりをフォトボルト
メーター(MODEL 577)で測定した。この時、未使用の
紙の反射濃度と白ベタ画像の反射濃度との差をΔPVと
し、かぶりの程度を評価した。また、その時の帯電電位
を表面電位計(トレックジャパン株式会社製、モデル34
4)を用いて測定した。その評価結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2)実施例1の電荷発生層におい
て、バインダー樹脂としてi−ブチル化メラミン樹脂
(大日本インキ化学工業製、G821)の代わりに、よ
り低分子量のi−ブチル化メラミン樹脂(大日本インキ
化学工業製、商品名L145)を用いた以外は、実施例
1と同様にして導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送
層を形成し、実施例1と同様にして高温高湿環境下45
00枚連続画像テストによる画像と帯電電位の評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0035】(実施例3)また、実施例1において、電
荷発生層のバインダー樹脂としてポリビニルブチラール
樹脂(積水化学工業株式会社製、商品名エスレックBL
−1)4重量部を4.5重量部とし、i−ブチル化メラ
ミン樹脂(大日本インキ化学工業製、商品名G821)
1重量部を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様
にして導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を形成
し、実施例1と同様にして高温高湿環境下4500枚連
続画像テストによる画像と帯電電位の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0036】(実施例4)また、実施例1において、電
荷発生層のバインダー樹脂としてポリビニルブチラール
樹脂(積水化学工業株式会社製、商品名エスレックBL
−1)4重量部を2.5重量部とし、i−ブチル化メラ
ミン樹脂(大日本インキ化学工業製、商品名G821)
1重量部を2.5重量部とした以外は、実施例1と同様
にして導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を形成
し、実施例1と同様にして高温高湿環境下4500枚連
続画像テストによる画像と帯電電位の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0037】(比較例1)比較例として、実施例1にお
いて、電荷発生層のバインダー樹脂としてi−ブチル化
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業製、商品名G82
1)を用いず、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工
業株式会社製、商品名エスレックBL−1)のみ5重量
部とした以外は、実施例1と同様にして、導電性支持体
上に電荷発生層、電荷輸送層を形成し、実施例1と同様
にして高温高湿環境下4500枚連続画像テストによる
画像と帯電電位の評価を行った。その結果を表1に示
す。 (比較例2)また、実施例1において、電荷発生層のバ
インダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(積水化
学工業株式会社製、商品名エスレックBL−1)4重量
部を4.75重量部とし、i−ブチル化メラミン樹脂
(大日本インキ化学工業製、商品名G821)1重量部
を0.25重量部とした以外は、実施例1と同様にして
導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を形成し、実
施例1と同様にして高温高湿環境下4500枚連続画像
テストによる画像と帯電電位の評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、前記本発明の電荷発
生層用塗料によれば、α型チタニルフタロシアニンとポ
リビニルブチラール樹脂とメラミン樹脂、特にi−ブチ
ル化メラミン樹脂とを溶剤中に分散させ、または、メラ
ミン樹脂をバインダー樹脂全量に対して10〜50重量
%とすることにより、電荷発生層用塗料中のα型チタニ
ルフタロシアニン顔料の分散安定性を向上させ、塗工時
における局所的なムラや顔料凝集の発生を改善すること
ができる。
【0039】また、本発明の電子写真用感光体によれ
ば、電荷発生物質として、α型チタニルフタロシアニン
を用いることにより、750nm以上の長波長領域で高感度
の電子写真用感光体を提供できる。さらに、本発明の電
子写真用感光体及びその製造方法によれば、電荷発生層
のバインダー樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂に
加えてメラミン樹脂を用い、塗工後、熱硬化、特に硬化
温度を110〜130℃に、又は硬化時間を30〜90
分にすることにより、耐湿性を向上させて基板からの局
所的なキャリア注入を少なくし、かぶり状黒点を改善す
ることができる。
【0040】さらに、本発明の電荷発生層用塗料、電子
写真用感光体及びその製造方法によれば、電荷発生剤と
してα型チタニルフタロシアニン、特にX線回折スペク
トルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、
10.3°、12.7°、16.3°、22.7°、2
4.3°、25.5°、及び28.6°に回折ピークを
示す結晶であるものを用い、バインダー樹脂としてポリ
ビニルブチラール樹脂とメラミン樹脂との特定の樹脂の
組み合わせを用いることにより、繰り返しによる帯電電
位の変動が少なく、感光体の電子写真特性を格段に向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電子写真用感光体の構成断
面図。
【符号の説明】
1 電子写真用感光体 2 導電性支持体 3 感光層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 129/14 PFQ G03G 5/05 102 (72)発明者 佐藤 徹哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小林 つむぎ 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸
    送層とを積層してなる電子写真用感光体の電荷発生層を
    形成するための電荷発生層用塗料であって、α型チタニ
    ルフタロシアニン、ポリビニルブチラール樹脂及びメラ
    ミン樹脂とを溶剤中に分散させてなることを特徴とする
    電荷発生層用塗料。
  2. 【請求項2】 α型チタニルフタロシアニンが、X線回
    折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)
    7.6°、10.3°、12.7°、16.3°、2
    2.7°、24.3°、25.5°、及び28.6°に
    回折ピークを示す結晶である請求項1に記載の電荷発生
    層用塗料。
  3. 【請求項3】 メラミン樹脂が、i−ブチル化メラミン
    樹脂である請求項1に記載の電荷発生層用塗料。
  4. 【請求項4】 ポリビニルブチラール樹脂とメラミン樹
    脂の全量に対し、メラミン樹脂の混合比率が10〜50
    重量%の範囲である請求項1に記載の電荷発生層用塗
    料。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送
    層とを積層してなる電子写真用感光体であって、前記電
    荷発生層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電荷
    発生層用塗料を用いて形成された後、熱硬化された電荷
    発生層であることを特徴とする電子写真用感光体。
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送
    層とを積層してなる電子写真用感光体の製造方法であっ
    て、前記電荷発生層を、α型チタニルフタロシアニン、
    ポリビニルブチラール樹脂及びメラミン樹脂とを溶剤中
    に分散させてなる塗布液を用いて浸漬塗工法にて塗工し
    たのち、熱硬化することを特徴とする電子写真用感光体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 α型チタニルフタロシアニンが、X線回
    折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)
    7.6°、10.3°、12.7°、16.3°、2
    2.7°、24.3°、25.5°、及び28.6°に
    回折ピークを示す結晶である請求項6に記載の電子写真
    用感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 メラミン樹脂が、i−ブチル化メラミン
    樹脂である請求項6に記載の電子写真用感光体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 ポリビニルブチラール樹脂とメラミン樹
    脂の全量に対し、メラミン樹脂の混合比率が10〜50
    重量%の範囲にある請求項6に記載の電子写真用感光体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 熱硬化の硬化温度が110〜130℃
    の範囲である請求項6に記載の電子写真用感光体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 熱硬化の硬化時間が30〜90分の範
    囲である請求項6に記載の電子写真用感光体の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6444385B2 (en) 2000-04-10 2002-09-03 Kyocera Mita Corporation Electrophotosensitive material and method of producing the same
KR100497352B1 (ko) * 2002-03-07 2005-06-23 삼성전자주식회사 전자사진 정대전형 유기 감광체의 전하 발생층 형성용조성물 및 이로부터 형성된 전하 발생층을 채용한전자사진 정대전형 유기 감광체
US8568945B2 (en) 2008-11-26 2013-10-29 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, and image forming apparatus and process cartridge therefor using the photoreceptor
JP2014197187A (ja) * 2013-03-08 2014-10-16 三菱化学株式会社 感光層形成用塗布液の製造方法、該塗布液を用いて製造した電子写真感光体、画像形成装置及び電子写真カートリッジ

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