JPH08157045A - トップローラチェーン式搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トップローラチェーン搬送本体により水平面
に沿って搬送される板状ワークの姿勢が傾いていたとし
ても、一対の搬送ガイド部の入口部で詰まりなどのトラ
ブルを生じることなく、確実、円滑な搬送を行えるよう
にする。 【構成】 トップローラチェーン搬送本体１の幅方向の
両側に近接させて一対の搬送ガイド部５，５を設け、こ
の一対の搬送ガイド部５，５の搬入側近傍位置でトップ
ローラチェーン搬送本体１の幅方向両側に、搬入直前の
板状ワークＭを幅方向の両側から押圧してその搬送姿勢
を一対の搬送ガイド部５，５間に搬入可能な姿勢に矯正
する左右一対の出退自在な押圧板８，８を有するワーク
姿勢矯正機構６，６を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえばカラーベスト
のような屋根材あるいは壁材などの建材の生産工場にお
いて多用されるもので、建材が載置される下敷用板材の
ような板状ワークを搬送するためのトップローラチェー
ン式搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば屋根材の生産工場では、板状ワー
クとしての下敷用板材を順次水平面に沿って搬送すると
ともに、搬送方向の所定位置において、該下敷用板材上
に屋根材を受け取り載置させる工程がある。この下敷用
板材を搬送するために使用されているトップローラチェ
ーン式搬送装置は、図３に示すように、互いに平行状に
並設された２条の無端トップローラチェーン１０１，１
０１からなるトップローラチェーン搬送本体１０２と、
搬送方向の複数位置に昇降可能に配設されたストッパ１
０３…とを備えており、上記トップローラチェーン搬送
本体１０２上に載架されて水平面に沿って矢印ａ方向に
搬送される下敷用板材Ｍが所定位置に達すしたとき、上
記スットパ１０３…を上昇させて、該ストッパ１０３…
に下敷用板材Ｍの前端縁を当接させて一時停止させるよ
うに構成されている。

【０００３】ところで、上記下敷用板材Ｍはベニヤ板な
どで構成された比較的軽量物であるために、上記トップ
ローラチェーン搬送本体１０２におけるトップローラチ
ェーン１０１，１０１のトップローラが僅かに摩耗など
するだけでも横すべりして搬送姿勢に傾きを生じ、その
結果、搬送本体１０２からの脱落などを招き易い。そこ
で、一般には、板状ワークの横すべりに起因する搬送姿
勢の傾きや脱落を防止するために、上記トップローラチ
ェーン搬送本体１０２の幅方向両側に近接させて、搬送
方向に沿った一対のガイド部１０４，１０４を配置する
手段が採られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな構成の従来のトップローラチェーン式搬送装置にお
いては、下敷用板材Ｍが搬送ガイド部１０４，１０４間
に搬入されさえすれば、横すべりなどに起因する脱落な
どの発生を防いで、確実かつ順調な搬送を行えるもの
の、トップローラチェーン１０１，１０１のトップロー
ラの摩耗などにともなう横すべりによって上記下敷用板
材Ｍが搬送ガイド部１０４，１０４間に搬入可能な姿勢
よりも大きく傾いたり、あるいは、下敷用板材Ｍが上記
一対の搬送ガイド１０４，１０４間への搬入直前位置に
設けられているストッパ１０３に当接した際の反力で傾
き姿勢になったりすると、図３の鎖線で示すように、上
記搬送ガイド部１０４，１０４間への入口部付近で搬送
詰まりが発生し、以降の搬送が全く不可能になるという
問題があった。

【０００５】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、板状ワークの搬送姿勢に傾きがあっても、搬送詰ま
りなどのトラブルを発生することなく、確実かつ円滑な
搬送を行わせることができるトップローラチェーン式搬
送装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るトップローラチェーン式搬送装置は、
互いに並設された複数条の無端トップローラチェーンで
構成され板状ワークを水平面に沿って搬送するトップロ
ーラチェーン搬送本体の幅方向の両側に近接させて、上
記板状ワークの搬送方向に沿った一対の搬送ガイド部を
それぞれ設けるとともに、上記板状ワークの搬送方向の
複数位置に昇降変位可能なストッパを設けてなるトップ
ローラチェーン式搬送装置において、上記搬送ガイド部
への搬入側近傍位置で、上記トップローラチェーン搬送
本体の幅方向の両側部に、ストッパにより一時停止され
た板状ワークを幅方向の両側から押圧してその搬送姿勢
を上記一対の搬送ガイド部間に搬入可能な姿勢に矯正す
るようにワーク搬送方向に対して直交する方向に出退自
在な左右一対の押圧板を有するワーク姿勢矯正機構を設
けたものである。

【０００７】

【作用】本発明によれば、板状ワークの搬送姿勢が搬送
ガイド部ヘの搬入側において、トップローラチェーンの
トップローラの摩耗などに起因して搬送本体に対して横
ずれして傾いたり、あるいは、上記搬送ガイド部に搬入
される直前のストッパに当たった反力で傾き姿勢になっ
たとしても、上記搬送ガイド部への搬入側近傍位置に設
けたワーク姿勢矯正機構の左右一対の押圧板の突出動作
によって板状ワークの左右両側辺が幅方向の両側から押
圧されて、一対の搬送ガイド部間に搬入可能な姿勢に矯
正されるので、板状ワークが上記搬送ガイド部の入口部
で詰まるなどのトラブルの発生を招くことがなく、板状
ワークを確実、順調に搬送させることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。図１および図２はそれぞれ本発明の一実施例に
よるトップローラチェーン式搬送装置の要部の平面図お
よび縦断側面図であり、これら各図において、１はトッ
プローラチェーン搬送本体であり、これは互いに平行状
に並設された複数条、たとえば２条の無端のトップロー
ラチェーン２，２からなり、板状ワークとしてのベニヤ
板からなる長方形の下敷用板材Ｍを水平面に沿って矢印
ａ方向に搬送するように構成されている。なお、この下
敷用板材Ｍは、上記搬送方向の所定位置で屋根材などの
建材（図示せず）を受け取り載置するものである。

【０００９】３…は上記搬送方向の複数位置において、
上記トップローラチェーン２，２間にそれぞれ配設され
て昇降用シリンダ４…などを介して昇降変位可能に構成
された複数のストッパであり、下敷用板材Ｍが所定位置
に搬送された際に上昇変位させることにより該下敷用板
材Ｍの前端縁に当接させて、この下敷用板材Ｍを強制的
に一時停止させるものである。なお、このストッパ３
は、下敷用板材Ｍを一時停止させた際に該下敷用板材Ｍ
が搬送方向に対して傾かないように、下敷用板材Ｍの前
端縁に幅広い面で当たるように構成されている。

【００１０】５，５は上記トップローラチェーン搬送本
体１の幅方向の両側に近接させて、搬送方向に沿ってそ
れぞれ配置された一対の搬送ガイド部であり、搬送され
る下敷用板材Ｍの幅方向の側面に対して１０ｍｍ程度の
隙間ｇを存在させ、また、各ガイド部５，５の表面５
ａ，５ａは、機械加工により下敷用板材Ｍに対しての摩
擦抵抗が小さくなるように平滑化されている。

【００１１】上記一対の搬送ガイド部５，５への板状ワ
ーク搬入側近傍位置で、上記トップローラチェーン搬送
本体１の幅方向の両側部には、ワーク姿勢矯正機構６，
６がそれぞれ配置されている。上記ワーク姿勢矯正機構
６，６は、上記トップローラチェーン搬送本体１の側方
に配置されたエアシリンダ７，７と、このエアシリンダ
７，７のピストンロッド７ａ，７ａの先端に取り付けら
れて搬送方向に対して直交する方向に出退自在な左右一
対の押圧板８，８とを備えており、左右一対の押圧板
８，８を突出させて下敷用板材Ｍの左右両側辺を押圧す
ることにより、該下敷用板材Ｍの搬送姿勢を上記一対の
搬送ガイド部５，５間に搬入可能な姿勢に矯正するよう
に構成されている。なお、この押圧板８，８も最大突出
位置において板状ワークＭの幅方向の両側辺との間に１
０ｍｍ程度の隙間ｇが存在するように構成されていると
ともに、その表面も機械加工により、下敷用板材Ｍに対
する摩擦抵抗が小さくなるように平滑化されている。

【００１２】つぎに、上記構成の動作について説明す
る。下敷用板材Ｍの搬入時には、上記ワーク姿勢矯正機
構６，６における両エアシリンダ７，７の各ピストンロ
ッド７ａ，７ａは収縮され、これによって、押圧板８，
８は図１の鎖線で示す退避位置で待機しており、トップ
ローラチェーン２，２の摩耗などにより、上記下敷用板
材Ｍがトップローラチェーン搬送本体１上で傾いた状態
であっても、上記押圧板８，８間を通過可能である。

【００１３】上記下敷用板材Ｍの搬送時に、シリンダ
４，４を介してストッパ３，３を上昇変位させると、下
敷用板材Ｍの前端縁が上記ストッパ３に当接して一時停
止される。この一時停止時、上記エアシリンダ７，７の
各ピストンロッド７ａ，７ａを伸張させると、押圧板
８，８が図１の実線位置まで突出して傾き姿勢の下敷用
板材Ｍをその幅方向の両側辺から押圧する。これによっ
て、下敷用板材Ｍの姿勢が搬送方向に沿って真っ直ぐな
姿勢に矯正される。また、下敷用板材Ｍが上記搬送ガイ
ド部５，５に対して搬入直前のストッパ３に当接した際
の反力で傾いたとしても、上記押圧板８，８の押圧作用
によって上記傾きが矯正されるとともに、この押圧板
８，８が一対の搬送ガイド部５，５間に下敷用板材Ｍが
搬入させるまでの間の搬送ガイドの役目をすることにな
る。したがって、下敷用板材Ｍは適正姿勢で両搬送ガイ
ド部５，５間に搬入されるので、下敷用板材Ｍが入口部
で詰まるといったトラブルの発生を確実に防止すること
ができる。

【００１４】なお、上記実施例では、下敷用板材Ｍを搬
送するものを例に説明したが、下敷用板材Ｍに限らず、
他の軽量な板状ワークを搬送する場合でも、同様の効果
を奏するものである。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、トップ
ローラチェーン搬送本体の幅方向両側に近接して設けら
れた一対の搬送ガイド部の搬入側近傍位置にワーク姿勢
矯正機構を設けて、板状ワークの搬送姿勢を一対の搬送
ガイド部間に搬入可能な姿勢に矯正するようにしている
ので、トップローラチェーンのトップローラの摩耗に起
因する板状ワークの横すべり、あるいは、ストッパに当
接した際の衝撃反力などにより上記板状ワークが傾き姿
勢になった場合でも、上記搬送ガイド部の入口部で板状
ワークが詰まるなどのトラブルの発生を確実に防止する
ことができ、したがって、板状ワークを確実、円滑に搬
送することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるトップローラチェーン
式搬送装置の要部の平面図である。

【図２】同上実施例におけるトップローラチェーン式搬
送装置の要部の縦断側面図である。

【図３】従来のトップローラチェーン式搬送装置の要部
の平面図である。

【符号の説明】

１ トップローラチェーン搬送本体 ２ トップローラチェーン ３ ストッパ ５ 搬送ガイド部 ６ ワーク姿勢矯正機構 ８ 押圧板 Ｍ 下敷用板材（板状ワーク）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西浦 靖裕 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目２番47号 株式会社クボタ内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに並設された複数条の無端トップロ
   ーラチェーンで構成され板状ワークを水平面に沿って搬
   送するトップローラチェーン搬送本体の幅方向の両側に
   近接させて、上記板状ワークの搬送方向に沿った一対の
   搬送ガイド部をそれぞれ設けるとともに、上記板状ワー
   クの搬送方向の複数位置に昇降変位可能なストッパを設
   けてなるトップローラチェーン式搬送装置において、上
   記搬送ガイド部への搬入側近傍位置で、上記トップロー
   ラチェーン搬送本体の幅方向の両側部に、ストッパによ
   り一時停止された板状ワークを幅方向の両側から押圧し
   てその搬送姿勢を上記一対の搬送ガイド部間に搬入可能
   な姿勢に矯正するようにワーク搬送方向に対して直交す
   る方向に出退自在な左右一対の押圧板を有するワーク姿
   勢矯正機構を設けたことを特徴とするトップローラチェ
   ーン式搬送装置。