JPH08144485A - 木質系直貼り用床板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工後、床板間に突き上げ等が発生しにくい
木質系直貼り用床板を提供する。 【構成】 木質基板１１の裏面にシート状物１３が、表
面には化粧板１２が貼着された木質系直貼り用床板１０
において、木質基板１１の表面の少なくとも両側近部
に、短手方向に沿って細溝１４が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物等に用いる木質系
直貼り用床板に関する。

【０００２】

【従来の技術】木質基板を用いた直貼り用床板は、床下
地の凹凸を吸収するため、該木質基板の裏面に短手方向
に沿って複数の溝が所定間隔で形成されている。この溝
を設けることによって直貼り用床板に柔軟性を付与して
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記裏
面に複数の溝を有する木質基板を用いた木質系直貼り用
床板においては、溝のために床板の裏面側の拘束力が失
われ、周囲の湿度の変化に伴って床板の全体に谷反りが
発生し、施工後、隣り合う床板間に突き上げが発生する
問題があった。この問題を解決するために、木質基板の
溝形成面に捨張り板（バッカー）を貼着して表面の化粧
板とのバランスをとることも行われており、このように
捨張り板を設けると確かに谷反りの発生は防止できた
が、部分的な貼着ムラ（圧締ムラ）によって床板全体が
波打つように変形してしまうという問題が生じていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、施工後、
床板間に突き上げ等が発生しにくい木質系直貼り用床板
を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載の木質系直貼り用床板は、木質基板の裏面にシート
状物が、表面には化粧板が貼着された木質系直貼り用床
板において、前記木質基板の表面の少なくとも両側近部
に、短手方向に沿って細溝が形成されている。ここで、
前記木質基板には、合板、パーティクルボードあるいは
ＭＤＦ等の常用のものが用いられる。前記シート状物に
はポリエステル、ポリプロピレン等の不織布、ポリウレ
タン、合成ゴム等の発泡体等のように可撓性及びクッシ
ョン性を有するものが単体あるいは複合として用いられ
る。また、前記化粧板には、薄い合板やＭＤＦ等の表面
に突板、化粧紙、あるいは樹脂シートを貼着、着色塗装
を施したものを使用する。前記細溝は、前記木質基板の
短手方向に沿って、即ち長手方向とは直交する方向に、
例えば、鋸等によって形成される。ここで、木質基板が
合板の場合には繊維方向を考慮して床板全体に渡って形
成してもよい。パーティクルボードやＭＤＦの場合には
繊維方向がない（反りにくい）ので、木質基板の長手方
向の両端近くのみに、１又は２以上の細溝を形成するだ
けで突き上げは十分に防止される。

【０００５】

【作用】請求項１記載の木質系直貼り用床板において
は、木質基板の表面の少なくとも両側近部に、短手方向
に沿って細溝が形成されているので、施工後、周囲の湿
気の変化によって表面側に山反りが発生するので、これ
によって、木質系直貼り用床板の両側が下方に緩やかに
反って施工した床板間に突き上げが発生しにくい。

【０００６】

【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図１は本発明の一実施例に係る木質系直貼
り用床板の部分断面図である。

【０００７】図１に示すように、本発明の一実施例に係
る木質系直貼り用床板１０は、木質基板１１と、その表
裏に貼着された化粧板１２及びシート状物１３とを有し
ている。以下、これらについて説明する。

【０００８】前記木質基板１１は、厚さが１２ｍｍ（他
にも、例えば９、１５ｍｍ程度がある）で例えば１０×
９０ｃｍ程度の合板からなり、その表面には、１〜２ｃ
ｍ程度のピッチ、板厚の１／３の深さで細溝１４が形成
されている。この細溝１４の形成は、例えば、複数の丸
刃を前記ピッチで並置した丸鋸盤を通過させて形成する
こともできる。

【０００９】この細溝１４は、木質基板１１が合板の場
合には表面全体に形成するのが好ましいが、両側近部の
みであってもよい。また、木質基板１１の素材としてパ
ーティクルボードやＭＤＦを使用する場合には、繊維方
向がなく反りにくいので、木質基板１１の長手方向両側
部分に例えば２〜４本の細溝を短手方向に平行に形成す
るのみでも十分である。

【００１０】前記木質基板１１の裏面に貼着されている
シート状物１３は、例えば厚みが１〜３ｍｍ程度の発泡
ポリウレタンや、その他前述したようにクッション性を
有する材料からなって、床下地の凹凸を吸収し円滑にこ
の木質系直貼り用床板１０が載るようになっている。ま
た、前記化粧板１２は、厚みが０．５〜２ｍｍ程度で前
述したような素材からなっており、これによって木質系
直貼り用床板１０の装飾性を高めている。そして、木質
系直貼り用床板１０の周側面には、隣合う木質系直貼り
用床板１０を接合する周知の接合用凹部１５と接合用凸
部１６が形成されている。

【００１１】このような構成となった木質系直貼り用床
板１０を使用した結果、徐々に少しの山反りが発生して
長手方向の端部に突き上げ等が発生しなくなった。

【００１２】

【発明の効果】請求項１記載の木質系直貼り用床板は以
上の説明からも明らかなように、施工後、仮に反りが発
生しても山反りとなるので、隣り合う床板間に突き上げ
が発生しにくくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る木質系直貼り用床板の
部分断面図である。

【符号の説明】

１０ 木質系直貼り用床板 １１ 木質基板 １２ 化粧板 １３ シート状物 １４ 細溝 １５ 接合用凹部 １６ 接合用凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 木質基板の裏面にシート状物が、表面に
   は化粧板が貼着された木質系直貼り用床板において、 前記木質基板の表面の少なくとも両側近部に、短手方向
   に沿って細溝が形成されていることを特徴とする木質系
   直貼り用床板。