JPH08143663A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH08143663A
JPH08143663A JP6284634A JP28463494A JPH08143663A JP H08143663 A JPH08143663 A JP H08143663A JP 6284634 A JP6284634 A JP 6284634A JP 28463494 A JP28463494 A JP 28463494A JP H08143663 A JPH08143663 A JP H08143663A
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JP
Japan
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group
heat
polyamide
resin composition
weight
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JP6284634A
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Inventor
Tomohiro Hirata
知広 平田
Hiroyuki Kawakami
広幸 川上
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温硬化性及び保存安定性に優れた耐熱性ポ
リアミドイミド樹脂組成物を提供することを目的とす
る。 【構成】 (A)ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル
基をビニルエーテル類又はビニルチオエーテル類でブロ
ックした数平均分子量10000以上のポリアミドイミ
ド樹脂、(B)(A)のカルボキシル基と化学結合を形
成しうる反応性官能基を2個以上有する化合物及び
(C)熱潜在性触媒を含有してなる耐熱性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性樹脂組成物に係
り、さらに詳しくは低温硬化型の耐熱性樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドイミド樹脂は、顕著な耐熱
性、機械的及び電気的特性を示し、かつ耐薬品性、耐溶
剤性などに優れているため、エナメル線用ワニス、耐熱
塗料などをはじめとする各種基材のコート剤として広く
利用されている。しかしながら、これらの優れた特性を
得るためには、高温での硬化が必要であり、例えば、耐
熱塗料に使用する場合には、通常、250℃以上の高温
で硬化を行わなければならない。一方、耐熱塗料の分野
においては、生産性の向上や硬化時に生じる基材の寸法
変動を低減するために、硬化温度の低下が望まれてい
る。ポリアミドイミド樹脂の硬化温度を低下する手段と
して、従来、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、イソシアネートなどの添加が検討されているが、
ポリアミドイミド樹脂の残存カルボキシル基やイソシア
ネート基と室温でも一部反応する場合があり、一般に塗
料の保存安定性が悪くなり、使用範囲が限定されてしま
うという問題点があった。
【0003】他方、特開平4−80242号公報には、
プロトン酸基を有する化合物の活性プロトンを、ビニル
エーテル類又はビニルチオエーテル類でブロックした熱
潜在性酸触媒をアクリル樹脂溶液に添加することによっ
て、低温硬化性に優れる上、貯蔵安定性に優れる塗料が
得られることが開示されている。また、特開平4−21
8561号公報には、数平均分子量4000以下のポリ
カルボキシル化合物(例えば、アクリル樹脂)のカルボ
キシル基を酸触媒の存在でビニルエーテル化合物でブロ
ックしてなる潜在化カルボキシル化合物と、1分子中に
ブロック化カルボキシル基と加熱により化学結合を形成
しうる反応性官能基を2個以上有する化合物と熱潜在酸
触媒からなる熱硬化性組成物が低温硬化可能でかつ貯蔵
安定性を有することが開示されている。しかしながら、
上記の方法をポリアミドイミド樹脂に適用した例はな
く、さらにポリアミドイミド樹脂のような高分子量の樹
脂に対する適用についても何ら触れられていない。ま
た、プロトン酸基のビニルエーテル類又はビニルチオエ
ーテル類によるブロック化反応は、酸触媒の存在下にお
いて進行が顕著に見られるのであるが、酸触媒を用いた
場合、触媒の除去及び精製工程が必要となり、コスト面
で問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、密着性、低
温硬化性及び保存安定性に優れた耐熱性樹脂組成物を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
鋭意検討を重ねた結果、数平均分子量10000以上の
ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基をビニルエーテ
ル類又はビニルチオエーテル類でブロックすることによ
って上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(A)ポリアミドイ
ミド樹脂のカルボキシル基をビニルエーテル類又はビニ
ルチオエーテル類でブロックした数平均分子量1000
0以上のポリアミドイミド樹脂、(B)(A)のカルボ
キシル基と化学結合を形成しうる反応性官能基を2個以
上有する化合物及び(C)熱潜在性触媒を含有してなる
耐熱性樹脂組成物に関する。
【0007】本発明に用いるポリアミドイミド樹脂は、
その製造法については何ら制限はなく、例えば、特公昭
44−19274号公報等に示されている公知の製造法
によって製造され、具体例をあげれば、酸無水物基を有
する3価以上のポリカルボン酸又はその誘導体と芳香族
ジイソシアネート又は芳香族ジアミンとを極性溶媒中で
反応させて得られる。酸無水物基を有する3価以上のポ
リカルボン酸又はその誘導体としては、イソシアネート
基と反応しうるものであれば、特に制限はなく、例えば
一般式(I)又は(II)
【0008】
【化1】
【0009】(式中、Rは水素、アルキル基又はフェニ
ル基を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−又は
−O−を示す)で表される化合物が挙げられる。これら
のうち、一般的に耐熱性、コスト面などを考慮すれば、
トリメリット酸無水物が好ましい。酸無水物基を有する
3価以上のポリカルボン酸又はその誘導体の一部を、必
要に応じてピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無
水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−
2:3:5:6−テトラカルボン酸二無水物等のテトラ
カルボン酸二無水物、脂肪族若しくは芳香族二塩基酸な
どに置き換えてもよい。
【0010】芳香族ジイソシアネートとしては、例え
ば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、
4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)
プロパン〕ジイソシアネートなどが挙げられ、これらを
単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ
る。また、予め合成しておいたポリイソシアネートを用
いてもよく、経日変化を避けるために適当なブロック剤
で安定化したものを使用してもよい。
【0011】上記のポリカルボン酸又はその誘導体と芳
香族ジイソシアネートの使用量は、カルボキシル基又は
その誘導体基及び酸無水物基に対するイソシアネート基
の比が0.7〜1.1になるようにする選定するのが好
ましく、高分子量の樹脂を得るためには、カルボキシル
基又はその誘導体基及び酸無水物基に対するイソシアネ
ート基の比を1.0付近にすることが好ましい。また、
カルボキシル基末端ポリアミドイミド樹脂を得るために
は、0.7以上1.0未満にすることが好ましい。
【0012】反応は、80〜150℃の温度範囲で極性
溶媒の存在下に、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系よ
り除去しながら行われ、加熱縮合反応が進行する。反応
時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜
選択される。また、極性溶媒としては、化学的に不活性
な有機溶媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテル等を使用することがで
き、その使用量は、生成するポリアミドイミド樹脂の
1.0〜5.0倍(重量)であることが好ましい。
【0013】本発明に用いるポリアミドイミド樹脂は、
数平均分子量が10000以上のものであることが必要
である。数平均分子量が10000未満であると、硬化
性が低下する。また、ポリアミドイミド樹脂としては、
数平均分子量が10000〜50000で、酸価(KOHm
g/g)が20以上のものが好ましい。酸価が20未満で
は硬化性が低下し、数平均分子量が50000を超える
と、塗料の粘度が高くなり、塗装性が低下することがあ
る。なお、本明細書において数平均分子量は、試料15
0mgを秤量し、テトラヒドロフラン5mlに溶解した後、
高速液体クロマトグラフィーによって測定し、標準ポリ
スチレンの検量線を用いて換算した値である。
【0014】ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基を
ブロックするビニルエーテル類又はビニルチオエーテル
類としては、例えば、脂肪族ビニルエーテル化合物及び
脂肪族ビニルチオエーテル化合物、さらに具体的にはメ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n
−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、
2−エチルヘキシルビニルエーテルなど及びこれらに対
応するビニルチオエーテル、環状ビニルエーテル化合物
及び環状ビニルチオエーテル化合物、具体的には2,3
−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピランな
ど及びこれらに対応するビニルチオエーテル、トリメチ
ルビニロキシシラン化合物などが挙げられる。ブロック
剤としてのビニルエーテル類及びビニルチオエーテル類
の使用量は、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基に
対して当量〜当量の2倍量であることが好ましい。当量
未満であれば、保存安定性が劣り、当量の2倍量を超え
ると硬化性が低下する傾向がある。
【0015】ポリアミドイミド樹脂と上記のブロック剤
の反応は、酸触媒及び/又は熱潜在性触媒の存在下で行
う。ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して0.0
1〜10重量部の酸触媒及び/又は熱潜在性触媒の存在
下で室温〜150℃の温度で反応を行うことが好まし
い。酸触媒としては、硫酸、塩酸、三フッ化硼素などが
挙げられる。また、熱潜在性触媒としては、プロトン酸
を塩基で中和した化合物、リン酸エステル類、スルホン
酸エステル類などが挙げられ、これらを単独で又は2種
以上を組み合わせて使用することができる。熱潜在性触
媒は、(C)成分に用いられる化合物が用いられる。
【0016】ポリアミドイミド樹脂とブロック剤との反
応に酸触媒を用いると、ブロック化反応後に、触媒を中
和し精製する工程が必要となるが、熱潜在性触媒を用い
ると、ブロック化反応に使用した熱潜在性触媒が(A)
成分と(B)成分との熱硬化反応の際に再び熱潜在性触
媒として作用するため、触媒除去工程が不要となり、製
造コストの低減に寄与するため、熱潜在性触媒を用いる
のが好ましい。
【0017】本発明の樹脂組成物は、(B)成分とし
て、(A)成分のブロック化カルボキシル基が加熱によ
り遊離カルボキシル基に再生されたときに、これと反応
して化学結合を形成しうる反応性官能基を2個以上有す
る化合物を含有する。この化合物における反応性官能基
としては、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、イ
ソシアネート基、ブロック化イソシアネート基及びオキ
サゾリン基が挙げられ、これらの中から少なくとも1種
が選択される。
【0018】反応性官能基としてエポキシ基を有する化
合物の具体例としては、油化シェルエポキシ(株)製エピ
コート815、825、827、828、834、10
01、1004、1007、1009等のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、エピコート152、154、日本
化薬(株)製EPPN−201、ダウケミカル社製DEN
−438等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、日
本化薬(株)製EOCN−102S、103S、104S
等のo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、油化シェ
ルエポキシ(株)製EPON1031S、チバガイギー社
製アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製デナコール
EX−611、EX−614、EX−614B、EX−
622、EX−512、EX−521、EX−421、
EX−411、EX−321等の多官能性エポキシ樹
脂、東都化成(株)製YH−434、三菱ガス化学(株)製
TETRAD−X、TETRAD−C、日本化薬(株)製
GAN、住友化学(株)製ELM−120等のアミン型エ
ポキシ樹脂、チバガイギー社製アラルダイトPT810
等の複素環含有エポキシ樹脂、UCC社製ERL423
4、4299、4221、4206等の脂環式エポキシ
樹脂などのエポキシ基含有化合物が挙げられる。
【0019】また、反応性官能基がアミノ基である化合
物としては、日立化成工業(株)製ML−20、ML−2
8、ML−522、ML−523等のメラミン樹脂など
のアミノ基含有化合物が挙げられる。さらに、反応性官
能基がヒドロキシル基である化合物としては、脂肪族ポ
リオール類、フェノール類などのヒドロキシ基含有化合
物などが挙げられ、反応性官能基がイソシアネート基で
ある化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,4−テ
トラメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネ
ートなどのイソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0020】反応性官能基がブロック化イソシアネート
基である化合物としては、住友バイエルウレタン(株)製
デスモジュールCTステーブル、BL−3175、BL
−4165などのブロック化イソシアネート基含有化合
物、さらに、反応性官能基がオキサゾリン基である化合
物としてはは、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、
5,5’−ジメチル−2,2’−ビスオキサゾリン、
4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビスオ
キサゾリン等のオキサゾリン基含有化合物が挙げられ
る。
【0021】(B)成分としては、上記のような化合物
から1種又は2種以上を使用することができるが、硬化
性及び保存安定性から1種を用いることが好ましい。ま
た、(B)成分の使用量は、(A)成分の100重量部
に対して1〜50重量部の範囲が好ましい。この使用量
がポリアミドイミド樹脂100重量部に対して1重量部
より少ないと硬化性が低下し、50重量部より多いと硬
化物の基材への密着性や硬化物の耐摩耗性が低下するこ
とがある。(B)成分の使用量は、(A)成分の100
重量部に対して2〜20重量部であることがより好まし
く、この範囲において殊に、低温硬化性が良好で、基材
への密着性及び耐摩耗性に優れた硬化物が得られる。
【0022】前記のように、(A)成分の製造の際にブ
ロック化反応の触媒として熱潜在性触媒を用いた場合に
は、この熱潜在性触媒を(C)成分として用いてもよ
い。この熱潜在性触媒は、保存安定性及び低温硬化性か
ら60〜180℃で酸触媒活性を示す化合物であること
が好ましい。
【0023】熱潜在性触媒としては、例えば、スルホン
酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル
類をアンモニア、エチルアミン等のアミンで中和した化
合物などのプロトン酸を塩基で中和した化合物;リン酸
を第一級又は第二級アルコールでエステル化したリン酸
エステル類;さらには、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸等を第一級又は第二級アルコールでエステル化
したスルホン酸エステル類、例えば、キングインダスト
リー社製ネイキュア2500X、X−47−110、3
525、リン酸n−プロピル、リン酸2−エチルヘキシ
ル、リン酸n−オクチル、p−トルエンスルホン酸n−
プロピル、p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシ
ル、p−トルエンスルホン酸n−オクチルなどが挙げら
れ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができ
る。(C)成分としての熱潜在性触媒の配合量は、
(A)成分の100重量部に対して0.01〜10重量
部の範囲とすることが好ましい。
【0024】本発明になる耐熱性樹脂組成物は、主とし
て耐熱塗料として使用されるが、それ以外の用途、例え
ば、エナメル線用ワニス、電気絶縁用含浸ワニス、注型
ワニス、マイカ、ガラスクロス等の基材と組み合わせた
シート用ワニス、MCL積層板用ワニス、摩擦材料用ワ
ニスなどとして使用することができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。
【0026】比較例1 攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リッ
トルの四つ口フラスコにN−メチル−2−ピロリドン7
03g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
281.7g(1.13モル)及び無水トリメリット酸
213.1g(1.11モル)を仕込み、130℃まで
昇温する。約6時間反応させたところ、数平均分子量2
3000、酸価20KOHmg/gの樹脂が得られた。この樹
脂をN−メチル−2-ピロリドン80重量部及びキシレン
20重量部の混合溶媒で希釈し、不揮発分25重量%の
ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。
【0027】比較例2 比較例1で得られたポリアミドイミド樹脂組成物の樹脂
分100重量部に対して、無水トリメリット酸9.0重
量部を添加し、90℃まで昇温した。約1時間反応させ
たところ、数平均分子量24000、酸価108KOHmg/
g、不揮発分28重量%のポリアミドイミド樹脂組成物
を得た。
【0028】比較例3 比較例1で得られたポリアミドイミド樹脂組成物の樹脂
分100重量部に対してデナコールEX−321(ナガ
セ化成工業(株)製商品名、3官能エポキシ樹脂、エポキ
シ当量145)10重量部をN−メチル−2−ピロリド
ン80重量部及びキシレン20重量部の混合溶媒で希釈
して不揮発分25重量%にした溶液を添加し、不揮発分
25重量%の変性ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。
【0029】比較例4 比較例1で得られたポリアミドイミド樹脂組成物の樹脂
分100重量部に対してn−ブチルビニルエーテル7.
1重量部とリン酸2−エチルヘキシル0.1重量部を添
加し、95℃まで昇温した。混合物の酸価が10以下と
なったところで反応を終了し、不揮発分25重量%のカ
ルボキシル基がブロックされたポリアミドイミド樹脂組
成物を得た。
【0030】比較例5 比較例2で得られたポリアミドイミド樹脂組成物の樹脂
分100重量部に対してn−ブチルビニルエーテル3
6.6重量部とリン酸2−エチルヘキシル0.1重量部
を添加し、比較例4と全く同様の操作を行い、不揮発分
28重量%のカルボキシル基がブロックされたポリアミ
ドイミド樹脂組成物を得た。
【0031】実施例1 比較例4で得られたカルボキシル基がブロックされたポ
リアミドイミド樹脂組成物の樹脂分100重量部に対し
てデナコールEX−321(ナガセ化成工業(株)製商品
名、3官能エポキシ樹脂、エポキシ当量145)10重
量部をN−メチル−2−ピロリドン80重量部及びキシ
レン20重量部の混合溶媒で希釈して不揮発分25重量
%にした溶液を添加し、不揮発分25重量%の耐熱性樹
脂組成物を得た。
【0032】実施例2 比較例5で得られたカルボキシル基がブロックされたポ
リアミドイミド樹脂組成物の樹脂分100重量部に対し
てデナコールEX−321(ナガセ化成工業(株)製商品
名、3官能エポキシ樹脂、エポキシ当量145)10重
量部をN−メチル−2−ピロリドン80重量部及びキシ
レン20重量部の混合溶媒で希釈して不揮発分25重量
%にした溶液を添加し、不揮発分28重量%の耐熱性樹
脂組成物を得た。
【0033】上記の比較例及び実施例で得られたポリア
ミドイミド樹脂組成物及び耐熱性樹脂組成物の特性を下
記の方法で測定し、結果を表1に示した。 (1)硬化性 上記の樹脂組成物を寸法20×50mmの鋼板上に膜厚が
40μmとなるように塗布した後、180℃で60分間
硬化させた。これをN−メチル−2−ピロリドンに40
℃で2時間浸漬した際の抽出率を評価した。 (2)保存安定性 上記の樹脂組成物を60℃で7日放置後の粘度変化率で
評価した(B型粘度計で測定)。
【0034】(3)密着性 上記の樹脂組成物をアルミニウム板上に膜厚が20μm
になるように塗布した後、180℃で60分間硬化さ
せ、1%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬後のクロスカッ
ト残率(5回剥離法)で評価した。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示した結果から、本発明の耐熱性樹
脂組成物は、低温硬化性、保存安定性及び密着性に優れ
ていることが分かる。すなわち、比較例1、2、4及び
5と実施例1及び2とを比較すると、実施例1及び2は
硬化性及び密着性が著しく向上しており、一方で保存安
定性の低下は小である。また、比較例3と実施例1及び
2を比較すると、実施例1及び2は同等の硬化性及び密
着性を有すると同時に、はるかに優れた保存安定性を有
する。
【0037】
【発明の効果】本発明の耐熱性樹脂組成物は、相反特性
である低温硬化性と保存安定性の両方に優れ、しかも密
着性に優れているため、耐熱塗料をはじめとする各種塗
料に有用である。特に、本発明の耐熱性樹脂組成物を耐
熱塗料として使用した場合、硬化温度を低下できるの
で、生産性の向上と表面基材としてアルミニウム等の軽
量基材を使用した場合、その硬度低下防止及び寸法安定
性の向上を期待できる。さらに、ポリアミドイミド樹脂
のカルボキシル基のブロック化反応に熱潜在性触媒を使
用すれば、酸触媒を使用した場合に必要な中和及び精製
工程が不要となり、しかもその熱潜在性触媒がその後の
硬化反応用の触媒としても作用するため、製造コストが
削減される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/42 5/521 C08L 79/08 LRB

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミドイミド樹脂のカルボキ
    シル基をビニルエーテル類又はビニルチオエーテル類で
    ブロックした数平均分子量10000以上のポリアミド
    イミド樹脂、(B)(A)のカルボキシル基と化学結合
    を形成しうる反応性官能基を2個以上有する化合物及び
    (C)熱潜在性触媒を含有してなる耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分の反応性官能基がエポキシ
    基、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、ブ
    ロック化イソシアネート基及びオキサゾリン基の中から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の耐熱性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱潜在性触媒がプロトン酸を塩基で中和
    した化合物、リン酸エステル類及びスルホン酸エステル
    類から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記
    載の耐熱性樹脂組成物。
JP6284634A 1994-11-18 1994-11-18 耐熱性樹脂組成物 Pending JPH08143663A (ja)

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JP (1) JPH08143663A (ja)

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