JPH08138790A - コネクタモジュール及びそれを使用するモジュール型コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相手コネクタと嵌合可能な電気コネクタを単
位とする多極のモジュール型コネクタ及びそのためのコ
ネクタモジュールを提供すること。 【構成】 電気コネクタ組立体即ちモジュール型コネク
タ10は単位となる電気コネクタ20a 、20b 及びフレーム
30を含む。電気コネクタ20a 、20b はロック用アーム23
及びリブ24を含む。ロック用アーム23は電気コネクタ20
a 、20b が単独で相手コネクタと嵌合すべく係止壁22を
有するリブ24及びロック用アーム23には溝27、29が形成
される。一方フレーム30の内壁には溝27、29と相補形状
をなすレール35が形成される。電気コネクタ20a 、20b
はレール35に案内されフレーム30の側方から挿入され、
その後カバー38、39により固定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はモジュール型コネクタ、
特に自動車等に使用される多極のモジュール型コネクタ
及びその一部を構成する単位（モジュール）となる電気
コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車等のハーネスの一部に、ワイヤ同
士を電気接続するか、或いはハーネスの端でワイヤと基
板上の回路とを相互接続する１対の電気コネクタが使用
される。この電気コネクタの各々は電気端子と絶縁ハウ
ジングとを含み、その製造工程は多くの場合、あらかじ
めワイヤと接続された電気端子を自動装置によりハウジ
ング内に挿入配置する工程を含む。

【０００３】近年自動車の電気配線はより複雑化してお
り、電気コネクタは多極化される傾向にある。このよう
な多極の電気コネクタの１対を相互に嵌合させるには大
きな嵌合力が必要とされる。従って嵌合には通常ねじ又
はレバー等を使用した倍力機構が利用される。しかしな
がら、このような多極の電気コネクタの製造における端
子挿入の工程は、装置が複雑になる、端子の位置合わせ
が難しく端子挿入の不良が出やすい、或いは１箇所の不
良で全体が無駄になってしまい経済的に不利である等の
問題をかかえていた

【０００４】このような問題を解決すべくカセット式電
気コネクタ組立体が使用される。カセット式電気コネク
タ組立体の例は意匠公報第833,251 号或いは実開平5-94
967号公報等に記載される。これらの電気コネクタ組立
体は比較的極数の少ない、即ち少数の電気端子を具える
電気コネクタの単位（モジュール）を枠状の絶縁ハウジ
ングに係止させて組立体を構成し、その組立体を相手の
組立体又は電気コネクタと嵌合させる構成を有する。

【０００５】

【発明の解決すべき課題】しかしながら、上述の公報に
記載される如きカセット式電気コネクタ組立体の各単位
となるコネクタモジュールは、特定の絶縁ハウジングへ
取付可能であるのみであり、汎用性に欠けるものであっ
た。即ち各単位は相手コネクタと嵌合できず、各単位を
独立の電気コネクタとして使用できなかった。従って使
用の際により汎用性のある単位コネクタ、及びそれを使
用する組立体を提供することが望まれていた。

【０００６】

【課題解決のための手段】本発明は、複数のコンタクト
を有する略矩形状ハウジングを具えるコネクタモジュー
ルにおいて、前記ハウジングには相手コネクタのハウジ
ング内壁の係合部にラッチ係合するロック用アームを有
し、更に前記ハウジングの対向する２面には横方向に略
直線状に延びるリブが形成されていることを特徴とす
る。

【０００７】更に本発明は、略矩形状のコネクタハウジ
ングの対向する２面にリブを有する複数のコネクタモジ
ュールと、該コネクタモジュールのリブを受けるレール
が形成され、前記複数のコネクタモジュールが摺動的に
挿入される複数のモジュール受部を有するフレームとを
具え、前記複数のコネクタモジュールが装着された前記
フレームを相手コネクタに一括嵌合することを特徴とす
る。

【０００８】本発明のモジュール型コネクタによれば各
単位となる電気コネクタはロック用アームを有し、これ
により相手コネクタと嵌合可能となるよう形成される。
更に各電気コネクタはフレームへの取付手段を有する。
フレームへの取付手段はリブと該リブに形成される溝と
からなる。フレームは取付手段に対して相補形状を成す
受容部が形成されるモジュール受部を有し、電気コネク
タモジュールはこのモジュール受部に収容される。

【０００９】

【実施例】以下に添付図面を参照して本発明のモジュー
ル型コネクタ及びそれに使用されるコネクタモジュール
の好適実施例を詳細に説明する。図１には本発明の電気
コネクタ組立体（モジュール型コネクタ）10及びそれと
嵌合する相手電気コネクタ50が示される。電気コネクタ
組立体10は単位となる電気コネクタ（コネクタモジュー
ル）20a 、20b 、及びそれらを支持固定するフレーム30
を含む。

【００１０】単位となる電気コネクタ20a 、20b の各々
は複数のキャビティ21a 、21b 内に電気コンタクトを収
容配置する。電気コンタクトは図中では省略する。電気
コネクタ20a 、20b の各々は係止壁22を伴うロック用ア
ーム23を有し、更に嵌合面の端近傍にリブ24を有する。
好適実施例ではリブ24は電気コネクタ20a 、20b の頂面
25及び底面26より上下に突出するよう形成される。リブ
24にはリブ24を分割する位置に溝27が形成される。溝27
はリブ24に沿って電気コネクタ20a 、20b の幅方向にわ
たって形成される。更にロック用アーム23のレバー部28
は頂面25側に形成されるリブ24の間に配置され、溝27と
略一直線状に位置合わせされる溝29を具える。

【００１１】フレーム30は図１の如く単位の電気コネク
タ20a 、20b を両側方より挿入して収容可能に構成され
る。フレーム30はその中央に位置してねじによる倍力嵌
合手段31を含む基部32と、基部32から外側方に向けて略
平行に延びる頂壁33及び底壁34とを含む。図示の如く基
部32、頂壁33及び底壁34は略Ｈ字状に形成され、モジュ
ール受部49、頂壁33及び底壁34の内面にはレール（リブ
受容部）35を構成する。レール35は電気コネクタ20a 、
20b のリブ24を受容可能な形状寸法に形成される。一側
の底壁34の端部及びその対角位置の頂壁33の端部にはヒ
ンジ部46を介してカバー38、39が夫々一体的に形成され
る。カバー38、39の各々には後述の如く電気コネクタ20
a 、20b を支持するための舌片40が形成される。また頂
壁33の端部及び底壁34の端部にはカバー固定用突起43が
形成される。更に頂壁33の外面には仮係止用突起44が形
成される。仮係止用突起44は相手電気コネクタ50の仮係
止アーム53と係合し、後述の如く嵌合の際に電気コネク
タ組立体10を仮係止させる。

【００１２】電気コネクタ組立体10は以下の如く組立て
られる。電気コネクタ20a 、20b はフレーム30の側方
（夫々矢印Ａ、Ｂの方向）から挿入され、基部32の側面
45に接する位置に置かれる。挿入は電気コネクタ20a 、
20b のリブ24がレール35に案内されて行われる。その後
カバー38、39はヒンジ部46により旋回して閉じられ、カ
バー38、39の凹部47が突起43と係合して固定される。こ
のとき、カバー38、39の舌片40は電気コネクタ20a 、20
b の側面を弾性的に内方へ即ち基部32へ向けて押し付
け、電気コネクタ20a 、20b の各々を支持する。

【００１３】組立られた電気コネクタ組立体10は相手電
気コネクタ50と嵌合されて電気接続される。図１では相
手側コネクタ50の電気コンタクトも省略される。相手側
コネクタ50は電気コネクタ組立体10中の単位となる電気
コネクタ20a 、20b の各々に対応する位置にコネクタ受
容壁51a 、51b を有し、更に電気コネクタ組立体10のね
じ31に対応するねじ受容孔52を有する。嵌合の第１段階
において電気コネクタ組立体10は電気コネクタ20a 、20
b とコネクタ受容壁51a 、51b とが位置合せされ同時に
ねじ31とねじ受容孔52が位置合わせされて、仮係止用突
起44と相手コネクタの仮係止アーム53が係合され仮係止
位置に仮止めされる。その後嵌合の第２段階でねじ31が
ねじ受容孔52内にねじ締めされて完全嵌合される。

【００１４】一方上述の如く単位となる電気コネクタ20
a 、20b の各々はロック用アーム23を有する。図２の如
く電気コネクタ20a はキャップ型の相手電気コネクタ60
と嵌合可能である。嵌合時にはロック用アーム23の係止
壁22が相手電気コネクタ60内壁上部の突起（図示せず）
と係合する。また嵌合の解除はロック用アーム23のレバ
ー部28を押してロック用アーム23を撓ませることにより
成される。電気コネクタ20b についても同様の嵌合及び
その解除が行われる。

【００１５】図３には本発明の電気コネクタ組立体即ち
モジュール型コネクタの他の実施例を示す。電気コネク
タ組立体110 は同一形状寸法の単位となる電気コネクタ
（コネクタモジュール）120a乃至120cを複数段重ねて配
置可能なフレーム130 を含む。フレーム130 はフレーム
本体131 とカバー部材132 とを有する。フレーム本体13
1 とカバー部材132 とは係合手段である突起133 及び係
合孔134 により一体的に組立可能である。

【００１６】フレーム本体131 は頂壁141 、底壁136 、
側壁139 、及び柱状部137 とを有し、これらにより側方
からコネクタモジュールを受容するモジュール受部149
を構成する。頂壁141 及び底壁136 の内面、及び柱状部
137 の上下面にはフレーム30におけるものと類似のレー
ル（リブ受容部）135 が形成される。

【００１７】単位となる電気コネクタ120a、120b、120c
は複数が略同一形状、寸法に形成される。電気コネクタ
120a、120b、120cは図１中の電気コネクタ20a と略同一
形状、寸法でありロック用アーム123 、リブ124 を有
し、リブ124 及びロック用アーム123 のレバー部128 に
は夫々溝127 、129 が形成される。溝127 、129 及び上
述のレール135 の形状寸法は両者が相互に噛み合うよう
設定される。

【００１８】即ち組立時には単位となる電気コネクタ12
0a、120b、120cが、溝127 、129 とレール135 とを位置
合わせしてフレーム本体131 の一側方より挿入される。
電気コネクタ120a、120b、120cの挿入後カバー部材132
がフレーム本体131 に取付けられる。カバー部材132 は
図１の電気コネクタ組立体10のカバー38、39の具える舌
片40と略類似の舌片140 を有する。各舌片140 は各電気
コネクタ120a、120b、120cの対応位置に形成され、カバ
ー部材132 がフレーム本体131 に取付けられるとき、各
電気コネクタ120a、120b、120cを側壁139 の内面に押圧
して支持する。

【００１９】フレーム130 は更に外壁139 、頂壁141 及
び底壁136 との外面に仮係止突起142 を有し、更に頂壁
141 、底壁136 の外面に円柱形状のカム作動用ポスト13
8 を有する。

【００２０】嵌合相手となる電気コネクタ150 は、電気
コンタクト、ハウジング151 及びハウジング151 に対し
て旋回可能に取付けられるレバー152 を含む。電気コン
タクトは図中では省略される。ハウジング151 及びレバ
ー152 の各々にはカム作動用ポスト138 を受容可能な寸
法のスロット153 、154 が形成される。またハウジング
151 の側壁156 内面、頂壁157 内面及び、底壁158 内面
には頂溝154 が形成され、更に溝154 の各々の内部には
突起155 が形成される。

【００２１】電気コネクタ120a、120b、120cがフレーム
130 に組付けられた電気コネクタ組立体110 は、相手電
気コネクタ150 との嵌合の際にまず仮係止突起142 と突
起155 との係合により仮係止位置に固定される。このと
きカム作動用ポスト138 はスロット153 、154 内の嵌合
側の端近傍に位置する。その後レバー152 が旋回運動さ
れ、レバー152 のスロット154 がカム作動用ポスト138
をスロット153 の内方へ向けて引き込み、電気コネクタ
組立体110 を正規の（最終）嵌合位置へと移動させる。
これにより電気コネクタ組立体110 と相手電気コネクタ
150 との電気的接続が完成される。

【００２２】また、上述の如く単位となる電気コネクタ
120a、120b、120cは、電気コネクタ20a と略同一の形状
であり、ロック用アーム123 を有するので、図２に示す
如く相手のキャップ型電気コネクタと嵌合可能である。

【００２３】上述の電気コネクタ組立体10、110 によれ
ば電気コネクタ20a 、20b 、120a、120b、120cはレール
溝に側方から挿入され固定される。従って、組立て作業
が比較的容易であると共に嵌合方向に加わる力に対して
十分な対抗力を有し、単位となる電気コネクタ20a 、20
b 、120a、120b、120cがフレーム30、130 から外れてし
まう虞れもない。

【００２４】以上の如く本発明の好適実施例を示した
が、これはあくまでも例示的なものであり、本発明を制
限するものではない。本発明の要旨を逸脱することなく
様々な変形、変更が可能である。例えば、電気コネクタ
20a 、20b 及び電気コネクタ120a、120b、120cのロック
用アーム23、123 のレバー部28、128 には必ずしも溝2
9、129 が形成される必要はない。その場合には、電気
コネクタ組立体10、110 内の電気コネクタ20a 、20b 、
120a、120b、120cはロック用アーム23、123 が各々のコ
ネクタの内方へ向けて撓んだ状態で夫々フレーム30、13
0 内に支持されるか、又はフレームのレールにロック用
アーム23、123 に対応する凹部が形成される。

【００２５】また、電気コネクタ20a 、20b 、120a、12
0b、120cのリブ24は各コネクタの高さ方向に延びるよう
側壁に形成されても良い。この場合フレームは各コネク
タを高さ方向に挿入可能に形成される。

【００２６】

【発明の効果】本発明のモジュール型コネクタに使用さ
れる、単位となる電気コネクタ即ちコネクタモジュール
は、単独で相手と嵌合し独立のコネクタとして使用でき
る。即ち、電気コネクタは相手コネクタと通常の嵌合を
させて使用可能であると共にフレーム内に収容され多極
の電気コネクタ組立体を構成可能である。従って電気コ
ネクタは広い汎用性を有し、経済的な面からも優れてい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適実施例のモジュール型コネクタを
相手電気コネクタと共に示す分解斜視図。

【図２】図１のモジュール型コネクタに使用されるコネ
クタモジュールを相手電気コネクタと共に示す斜視図。

【図３】本発明の第２の好適実施例のモジュール型コネ
クタを相手電気コネクタと共に示す分解斜視図。

【符号の説明】

10 、110 電気コネクタ組立体（モジュール型コネ
クタ） 20a、20b 、120a、120b、120c 電気コネクタ
（コネクタモジュール） 21a、21b キャビティ 23 、123 ロック用アーム 24 、124 リブ 30 、130 フレーム 35 、135 リブ受容部（レール） 49 、149 モジュール受部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のコンタクトを有する略矩形状ハウ
   ジングを具えるコネクタモジュールにおいて、 前記ハウジングには相手コネクタのハウジング内壁の係
   合部にラッチ係合するロック用アームを有し、 更に前記ハウジングの対向する２面には横方向に略直線
   状に延びるリブが形成されていることを特徴とするコネ
   クタモジュール。
2. 【請求項２】 略矩形状のコネクタハウジングの対向す
   る２面にリブを有する複数のコネクタモジュールと、 該コネクタモジュールのリブを受けるレールが形成さ
   れ、前記複数のコネクタモジュールが摺動的に挿入され
   る複数のモジュール受部を有するフレームとを具え、 前記複数のコネクタモジュールが装着された前記フレー
   ムを相手コネクタに一括嵌合することを特徴とするモジ
   ュール型コネクタ。