JPH08136498A - 携帯型bod測定装置 - Google Patents

携帯型bod測定装置

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JPH08136498A
JPH08136498A JP6272687A JP27268794A JPH08136498A JP H08136498 A JPH08136498 A JP H08136498A JP 6272687 A JP6272687 A JP 6272687A JP 27268794 A JP27268794 A JP 27268794A JP H08136498 A JPH08136498 A JP H08136498A
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bod
sensor
liquid
temperature
portable
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JP6272687A
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English (en)
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Kenji Ikeda
建志 池田
Naho Ooshima
奈穂 大島
Naohisa Kako
尚久 加古
Yasushi Takahashi
泰 高橋
Masaru Muranaka
勝 村中
Sumio Akita
澄男 秋田
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Nakano Vinegar Co Ltd
Original Assignee
Nakano Vinegar Co Ltd
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 微生物を固定化した微生物膜及び酸素電極を
組み合わせたBODセンサ1と、測定容器内の液体に酸
素含有気体を供給するチューブを接続したエアーポンプ
60と、該チューブの先端を前記BODセンサに固定す
る電極スタンド3と、温度センサ2を有し、前記酸素電
極の出力から演算して被測定液体のBODを表示する演
算回路70とからなり、前記電極スタンド3が前記BO
Dセンサ1の検知部の下方より酸素含有気体を供給する
構造を備えてなる携帯型BOD測定装置。 【効果】 バッチ型であるため、フローセル型の測定装
置で必要とする電磁弁及び液送ポンプは不要である。ま
た、恒温水槽等によるBODセンサ及び測定容器内の液
体の加熱を行わず、かつBODセンサの検知部の下方よ
り酸素含有気体を供給する構造を備えた電極スタンドに
より撹拌機も必要としない。このため、装置をコンパク
トに構成でき、携帯性に優れたものとすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物化学的酸素要求量
(BOD)を微生物膜及び酸素電極を組み合わせたBO
Dセンサで簡易かつ迅速に測定する装置の携帯化に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、BODの測定は日本工業規格に定
められた方法(工業排水試験方法JIS K−0102
−1993)に従って行われているが、この方法は測定
に5日間を要するなどの問題点があり、このため従来よ
りBODを迅速に測定する装置として微生物膜及び酸素
電極を組み合わせたBODセンサが開発されている。こ
のBODセンサを用いた測定装置に関しては、(1)洗浄
液及び/又は被測定液体を測定の都度測定容器に入れ、
恒温水槽等を用いてBODセンサ及び測定容器内の液体
を一定温度として微生物の活性を一定にし、エアーポン
プにより測定容器内の液体中に空気を送り込んで溶存酸
素を飽和状態にし、測定容器内の液体を撹拌子で撹拌し
て被測定液体中の基質消費による検知部近傍の液体の濃
度勾配を防ぐことにより、BODを測定するバッチ型の
測定装置があり(例えば、特公昭58−30537号公
報)、(2)更には、測定容器の容量を小さくし、BOD
センサの検知部に連続的に洗浄液及び/又は被測定液体
を供給することで撹拌を不要にしたフローセル型の測定
装置がある(例えば、特開平5−137597号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロー
セル型の測定装置(2) では、BODセンサ及び測定容器
内の液体を一定温度にするとともに洗浄液及び/又は被
測定液体を正確に一定量測定容器に供給しなければ誤差
を生じるため、温度制御を行い、洗浄液及び/又は被測
定液体を一定時間毎に選択供給し、流量も一定にしてお
く必要がある。このため、電源にて駆動するヒータ、電
磁弁及び液送ポンプを使用することになり、体格及び重
量が大きくなり、携帯性に優れた装置を構築するのは困
難である。
【0004】一方、バッチ型の測定装置(1) では、電磁
弁及び液送ポンプは不要であるが、温度制御を行い、洗
浄液及び/又は被測定液体を撹拌する必要があるため、
装置本体とは別に恒温水槽及び撹拌機を使用することに
なり、使用機器が多く、移動性が甚だ悪いという問題が
ある。しかるに、排水など被測定液体は多種の場所に存
在するため、装置自体を被測定液体がある場所に搬入し
て測定を行えることが望ましい。このためには、コンパ
クトで移動性に優れていることが望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願第一の発明は、微生
物を固定化した微生物膜及び酸素電極を組み合わせたB
ODセンサと、測定容器内の液体に空気、酸素ガス等の
酸素含有気体を供給するチューブを接続したエアーポン
プと、該チューブの先端を前記BODセンサに固定する
電極スタンドと、温度センサを有し、前記酸素電極の出
力から演算して被測定液体のBODを表示する演算回路
とからなり、前記電極スタンドが前記BODセンサの検
知部の下方より酸素含有気体を供給する構造を備えてな
る携帯型BOD測定装置である。
【0006】本願第二の発明は、前記温度センサが前記
BODセンサに近接し、前記酸素電極の検知信号を前記
温度センサの検知信号によって補正する温度補正手段を
備えたことを特徴とする携帯型BOD測定装置である。
本発明において、微生物膜に使用する微生物としては、
BODの測定に利用できるものであれば特に制限はな
く、例えばクレブシエラ(Klebsiella)属、ハンセヌラ(H
ansenula) 属、クロストリジウム(Clostridium) 属、エ
シェリヒア(Eschrichia)属、バチルス(Bacillus)属に属
する微生物が挙げられ、好ましくはクレブシエラ属に属
する微生物が挙げられる。
【0007】クレブシエラ属に属する微生物としては、
例えば、クレブシエラ・オキシトカ12092(Klebsie
lla oxytoca 12092) (FERM BP-3616) 、クレブシエラ・
オキシトカ JCM1665 (Klebsiella oxytoca JCM
1665) 、クレブシエラ・プランティコラ JCM725
1 (Klebsiella planticola JCM7251) 、クレブシエラ
・オザエナエ JCM1663 (Klebsiella ozaenae J
CM1663) 、クレブシエラ・テリゲナ JCM1687
(Klebsiella terrigena JCM1687) 等が挙げられる。
【0008】前記微生物の固定化法には通常用いられる
方法が使用でき、例えばメンブランフィルター等の膜に
微生物を固定化すると固定化微生物膜を作製することが
できる。微生物の固定化に使用する膜は、試料溶液中の
酸素、有機物等の溶解成分が通過でき、かつ、微生物を
固定化することができる親水性の多孔質膜であればよ
く、例えばアセチルセルロース膜、ニトロセルロース膜
等が適している。また、膜の平均細孔径は微生物の大き
さに応じて決定される。例えば、クレブシエラ・オキシ
トカ12092の場合、平均細孔径が0.65μm以上3μ
m以下、好ましくは0.65μmの膜を用いると微生物の漏
出がなく安定した固定化微生物膜が得られる。
【0009】本発明に用いるBODセンサは前記微生物
膜と酸素電極とからなり、微生物膜は着脱可能なキャッ
プ等により酸素電極に密着固定されており、膜の交換が
容易にできる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の携帯型BOD測定装置の原理
構成図の一例を示すものであり、図2はその要部拡大図
を示す。この携帯型BOD測定装置100は、BODセ
ンサ1と、温度センサ2と、電極スタンド3と、機枠5
0と、機枠50に固定して配置されたエアーポンプ60
及び演算回路70と、エアーポンプ60と電極スタンド
3とを接続するチューブ61とを備える。洗浄液及び/
又は被測定液体を入れる測定容器4に温度センサ2及び
電極スタンド3を備えたBODセンサ1を投入すること
により、BODの測定がなされる。
【0011】BODセンサ1は、円筒状のキャップ11
と、該キャップ11内に先端検知部21が突出してはめ
込まれた酸素電極12とキャップ11を検知部21側よ
り外嵌する着脱可能な押さえリング13と、該押さえリ
ング13とキャップ11とに外周部を挟まれ、検知部2
1に接触して配された、微生物を固定化した微生物膜1
4を有する。
【0012】微生物膜14は、クレブシエラ属に属する
微生物、クレブシエラ・オキシトカ12092株を使用
し、ゲル化材としてアルギン酸に無機カルシウム塩を混
合したものを使用して固定化し、乾燥状態にして保存し
た親水性の多孔質膜(アセチルセルロース膜)を使用し
た。この乾燥状態の微生物膜14を洗浄液(例えば、リ
ン酸緩衝液)中に室温(例えば15〜30℃)で一晩浸
漬し、BODセンサに取り付けることで、乾燥菌の活性
化の必要なく、BODの測定が可能となる。その後、非
測定時には微生物膜14をBODセンサ1から取り外し
て洗浄液中に低温(例えば1〜5℃)で保管し、再び測
定する際には保管した微生物膜14をBODセンサ1に
取り付けることで、微生物膜14の活性化の必要なく、
BODの測定が可能である。この方法にて測定及び保管
することにより、雑菌等による微生物膜14の汚れが防
がれ、微生物膜14の寿命が延びるのと同時に、BOD
センサ1自体についても非測定時には洗浄液に浸漬して
おく必要がなくなり、雑菌等による汚れが少なくなり、
装置の維持管理が容易となる。
【0013】酸素電極12は、一端が偏平な球面となっ
ており、その中心部に検知部(酸素電極球面)21が設
けられ、他端には棒状の電極端子22が突設されてい
る。この電極端子22を介して、一端部の内径が径大と
なっている円筒状の柄15にはめられている。柄15の
内部には、酸素電極12の電極端子22が差し込まれる
コンセント23が収納されており、コンセント23の他
端にはケーブル24が接続されている。
【0014】温度センサ2の位置は、BODセンサ1に
近接し、測定容器4内の液体に接触可能な場所であれば
どこでもよいが、本実施例では移動の便を考え、柄15
の側部に切り欠き部25を設け、この切り欠き部25に
温度センサ2を収納固定し、BODセンサ1と一体型に
している。温度センサ2の出力は酸素電極12の出力と
ともに、ケーブル24を通して演算回路70に送られ
る。
【0015】電極スタンド3は、その下部に基部31、
その上部にネジ部32、基部31とネジ部32とを連結
する2本の支持部33からなり、BODセンサ1をその
検知部を垂直下方に向けて直立状態に保持している。ネ
ジ部32は、キャップ11に螺合して押さえリング13
を締結し、微生物膜14を押さえリング13とキャップ
11との外周部で挟み、検知部21に接触して配させて
いる。
【0016】基部31の側面には、空気、酸素ガス等の
酸素含有気体を供給するチューブ61の先端を導入して
固定するエアー導入口62が設けられている。このエア
ー導入口62は、BODセンサ1の検知部に臨んで基部
31の上面に設けられたエアー供給口63とつながり、
貫通穴を形成している。エアーポンプ60により送られ
た空気、酸素ガス等の酸素含有気体はチューブ61、エ
アー導入口62を経て、エアー供給口63より気泡とな
って排出される。エアー供給口63の位置は、このエア
ー供給口63より排出される気泡がBODセンサ1の検
知部に接触する位置であればよいが、本実施例では均一
かつ迅速に撹拌するのに最も好ましい位置である基部3
1の上面の中央部に設けている。
【0017】測定容器4は、温度センサ2及び電極スタ
ンド3を備えたBODセンサ1を投入でき、かつ、この
BODセンサ1を投入した際に、BODセンサ1に取り
付けられた微生物膜14及び温度センサ2が測定容器4
内に入れた液体に接触する容量・形状のものであればよ
いが、本実施例では使用する液体を極力少なくする観点
から、底面積が小さく、背の高い200ml容量の透明
ガラス製のトールビーカーを用いている。このトールビ
ーカーに洗浄液及び/又は被測定液体を約100ml入
れ、測定に供している。
【0018】エアーポンプ60により供給される空気、
酸素ガス等の酸素含有気体の流量は、少なくはBODセ
ンサ1の検知部近傍の液体の溶存酸素を飽和状態として
一様に撹拌する量があればよく、多くは測定容器4より
液体があふれ出ない量であればよい。この流量は測定容
器4に入れた液体の液量により変わるが、液量を100
mlとする場合、100〜1500ml/分であれば、
測定値に誤差は生じない。また、エアーポンプ60に接
続したチューブ61は、前記の流量が得られるものであ
れば使用可能である。なお、非測定時には微生物膜14
をBODセンサ1から取り外すため、空気、酸素ガス等
の酸素含有気体の供給が不要となり、エアーポンプ60
の電源を切ることで消費電力を少なくすることができ、
携帯化、小型化、長寿命化が可能となった。
【0019】以上の構成により、本発明では、BODセ
ンサの検知部近傍の液体を一様に撹拌することができる
ため、撹拌機によって液体を一様に撹拌する必要がなく
なり、装置をコンパクトに構成できる。次に、酸素電極
12の出力から演算して被測定液体のBODを表示する
演算回路70について説明する。
【0020】演算回路70のハードの構成は、BOD表
示のための演算プログラムその他作動プログラムを記憶
したメモリを有するワンチップ型のマイクロコンピュー
タ71、酸素電極12の出力電流を電圧に変換して増幅
するアンプ72、温度センサ2に対して分圧回路を構成
した複数の抵抗器等から温度信号を得るための温度検出
回路73、アンプ72、温度検出回路73の信号を選択
するアナログマルチプレクサ74、アナログマルチプレ
クサ74の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器
75、BOD測定のための操作指示や異常報知のための
ブザー76、操作又は動作の表示のためのLCD(液晶
表示装置)77、演算回路70の操作のための複数の操
作スイッチ78からなり、電池又は商業電源にて駆動す
る。
【0021】演算回路70は、被測定液体のBODに応
じて出力される酸素電極12からの電圧値に基づいて、
BODを算出して表示するものであるが、微生物膜14
内の微生物の活性が周辺温度等の雰囲気温度の影響を受
けてしまうため、酸素電極12からの電圧値からBOD
を算出する際に、微生物の活性に基づいた温度補正を行
うようにしている。そのため、BODセンサ1の柄15
に温度検知のための温度センサ2が備えられている。
【0022】BODは、用いている微生物膜14及び電
極スタンド3その他に基づいて予め設定された換算用デ
ータにより、予め準備した25mg/lの標準液によっ
て校正された酸素電極12の電圧値Vsから一義的に決
まる。ここで、電圧値VsはBODセンサ1の温度が3
0℃における場合を前提として設定されたものであるた
め、温度センサ2によって検知された温度Tにおける試
料について、酸素電極12の電圧値Vtが与えられた場
合には、BODの算出に用いられる電圧値は、実際には
温度補正のための変数Aにより、Vs=Vt/Aの関係
で補正された電圧値Vsが用いられる。
【0023】この温度補正のための変数Aは、次に示す
温度補正式で温度Tの2次式により決定される。 A=0.00044(T+22.8)2 −0.23 この温度補正式は、検知される温度Tが、10〜40
℃、好ましくは20〜35℃の範囲で成り立つように設
定されたものである。なお、10〜40℃の温度範囲外
では温度補正ができないためエラーとなる。即ち、10
℃未満では微生物の活性が小さくなって測定のために必
要な精度が得られなくなるためであり、40℃を越える
と微生物が死滅してBODに対する出力が得られなくな
るためである。
【0024】以下、携帯型BOD測定装置を用いたBO
Dの測定方法、及び酸素電極12からの電圧値よりBO
Dを算出する方法を説明する。始めに、校正モードにお
いて、リン酸緩衝液等の洗浄液を入れた測定容器4に温
度センサ2及び電極スタンド3を備えたBODセンサ1
を投入して、操作スイッチ78の測定開始ボタンを押
す。
【0025】測定開始ボタンを押すと、安定待ち状態と
なり、酸素電極12からの電圧値が安定する(例えば、
1分間の電圧値の変動が±0.2%以内)まで待つ。酸
素電極12からの電圧値は、図3に示す説明図上でW〜
Xの曲線を描く。電圧値が安定すると、ブザー76が鳴
り、定量状態となり、ベースラインを描く状態になる
(図3のX〜Y)。この状態で定量開始ボタンを押し
(図3のY)、測定容器4内の洗浄液の中に、予め準備
しておいた標準液(例えば、測定容器4内で混合希釈さ
れた後のBODが25mg/lとなるグルコース−グル
タミン酸混合液)を注入する。
【0026】その後、一定時間(6分間)経過すると、
電圧値は標準液のBOD(この場合25mg/l)に応
じたピーク値まで低下する(図3のP)。このとき、再
びブザー76が鳴り、定量終了とともに洗浄状態にな
る。この状態で測定容器4内の標準液を捨て、BODセ
ンサ1及び測定容器4を洗浄液で洗浄すると、電圧値が
上昇し、続けて次の測定が可能となる。
【0027】マイクロコンピュータ71は、定量終了時
のベースラインの推定値を直線XYの延長線上の点Zか
ら求めた電圧値をVzとし、定量終了時(図3のP)の
電圧値をVpとして、Vt=Vz−Vpを計算する。続
いて、このVtをその時検知された温度センサ2からの
温度Tに基づいて補正し、30℃における25mg/l
における電圧値V1として記憶する。
【0028】測定モードにおいては、標準液の代わりに
BODが不明な排水等の被測定液体を用いて、校正モー
ドの場合と同様に測定開始ボタンを押し、その後はブザ
ー76の報知に応じて標準液の場合と同様に測定容器4
内に洗浄液及び被測定液体を入れ、定量開始ボタンを押
し、酸素電極12からの電圧値Vtを測定する。測定さ
れた電圧値Vtは、同時に検知される温度Tに基づいて
30℃における電圧値Vsに温度補正され、この電圧値
Vsと校正された標準液の電圧値V1とによって所定の
換算用データに基づいてBODが算出される。
【0029】校正については、以上に記述した1種類の
濃度の標準液を用いる方法の他に、濃度の異なる2種類
以上の標準液を用いる方法をとることができる。例え
ば、25mg/lと50mg/lの2種類の標準液を用
いる場合、25mg/lを測定したときの電圧値をV
1、50mg/lを測定したときの電圧値をV2とし
て、所定の換算用データに基づいて排水等の被測定液体
のBODを算出することができる。
【0030】BODが25mg/lの被測定液体を種々
の温度条件下で測定した場合の測定値及び誤差につい
て、本発明による温度補正したものを、温度補正しない
ものと比較してその測定時の温度とともに表1に示す。
【0031】
【表1】 ここで、明らかなように、温度補正しない場合には温度
による測定値の誤差(測定値と真値25mg/lとの差
の絶対値)が最大18.5mg/lと大きいのに対し
て、温度補正する場合には最大でも4.9mg/lと誤
差が非常に小さくなる。
【0032】本発明の携帯型BOD測定装置を用いて、
BODが25mg/lの標準液及び愛知県半田市の食品
工場処理水の20倍希釈液を測定したときの電圧値の実
測チャートを図4に示す。図3に示した説明図どおりの
波形が連続して描かれ、食品工場処理水の20倍希釈液
のBOD測定値は6.1mg/lと表示された。従っ
て、食品工場処理水のBODは前記の表示値に20倍を
乗じて122mg/lであることが判った。
【0033】以上のとおり、本発明では、温度補正式を
用いてBODを測定できるため、ヒータ等によってBO
Dセンサ又は測定容器内の液体を一定温度に維持する必
要がない。従って、恒温水槽等を必要とせず、装置をコ
ンパクトに構成でき、携帯性に優れたものにすることが
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明の携帯型BOD測定装置は、バッ
チ型であるため、フローセル型の測定装置で必要とする
電磁弁及び液送ポンプは不要である。また、恒温水槽等
によるBODセンサ及び測定容器内の液体の加熱を行わ
ず、かつBODセンサの検知部の下方より酸素含有気体
を供給する構造を備えた電極スタンドにより撹拌機も必
要としない。このため、装置をコンパクトに構成でき、
携帯性に優れたものとすることができる。
【0035】本願第二の発明に係る携帯型BOD測定装
置では、微生物膜における微生物の活性状態が温度によ
って変化しても、温度センサの検知信号に基づいて酸素
電極の検知信号を測定時の活性状態に応じて補正し、補
正された酸素電極の検知信号に基づいてBODを算出す
ることができる。このため、BODセンサや測定容器内
の液体の温度を一定にするための加熱装置や温度制御の
ための装置が不要になる。従って、BOD測定装置の小
型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯型BOD測定装置の構成を示す原
理構成図である。
【図2】BODセンサを含む測定器の要部拡大図であ
る。
【図3】本発明によるBODの測定時の酸素電極からの
電圧値の経時変化を示す説明図である。
【図4】本発明の携帯型BOD測定装置を用いてBOD
が25mg/lの標準液及び食品工場処理水の20倍希
釈液を続けて測定したときの電圧値の実測チャートであ
る。
【符号の説明】
100 携帯型BOD測定装置 1 BODセンサ 2 温度センサ 3 電極スタンド 4 測定容器 11 キャップ 12 酸素電極 13 押さえリング 14 微生物膜 15 柄 21 検知部 24 ケーブル 31 基部 32 ネジ部 33 支持部 50 機枠 60 エアーポンプ 61 チューブ 62 エアー導入口 63 エアー供給口 70 演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/46 341 N (72)発明者 村中 勝 愛知県半田市西新町16 (72)発明者 秋田 澄男 愛知県名古屋市瑞穂区高田町1−23−3

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を固定化した微生物膜及び酸素電
    極を組み合わせたBODセンサと、測定容器内の液体に
    酸素含有気体を供給するチューブを接続したエアーポン
    プと、該チューブの先端を前記BODセンサに固定する
    電極スタンドと、温度センサを有し、前記酸素電極の出
    力から演算して被測定液体のBODを表示する演算回路
    とからなり、前記電極スタンドが前記BODセンサの検
    知部の下方より酸素含有気体を供給する構造を備えてな
    る携帯型BOD測定装置。
  2. 【請求項2】 前記温度センサが前記BODセンサに近
    接し、前記酸素電極の検知信号を前記温度センサの検知
    信号によって補正する温度補正手段を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の携帯型BOD測定装置。
JP6272687A 1994-11-07 1994-11-07 携帯型bod測定装置 Pending JPH08136498A (ja)

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