JPH08135311A - 断熱サッシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下枠における断熱ブリッジ材の紫外線等によ
る劣化及び室内側形材の室外側露出面からの熱の出入り
を防止しつつ、コストの低減及び排水性や清掃性の向上
が図れる断熱サッシを提供する。 【構成】 内外の障子３，４が装着されるサッシ枠１の
少なくとも下枠１ｄを内障子３が位置する室内側の形材
１ｘと外障子４が位置する室外側の形材１ｙに分割して
これら両形材１ｘ，１ｙを断熱ブリッジ材１０を介して
結合し、上記下枠１ｄ上にその長手方向に沿って上記断
熱ブリッジ材１０及び上記室内側形材１ｘの室外側露出
部分を覆うべく閉位置の上記外障子４に対応する部分を
除いて低熱伝導性カバー材２５を設ける。従って、上記
カバー材２５により下枠１ｄにおける断熱ブリッジ材１
０の紫外線等による劣化及び室内側形材１ｘの室外側露
出面からの熱の出入りを防止しつつコストの低減及び排
水性や清掃性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、断熱性の向上を図った
断熱サッシに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の断熱サッシとしては、例えば実
開昭５５−５６８７２号公報及び実開昭６２−１７５８
９号公報に開示されたものが知られている。これらの断
熱サッシは、サッシ枠及びこれに開閉自在に取付けられ
る内外の障子の框をそれぞれ室内側と室外側の形材に分
割して各対の形材を断熱材を介して結合した構成になっ
ている。

【０００３】従って、上記断熱サッシによれば、熱伝導
率のよいサッシ枠及び障子の框が断熱材により室内側と
室外側に熱的に遮断されるので、冬場に、サッシ枠及び
障子の框の室内側が冷えたり、結露を生じたりすること
が低減される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た断熱サッシにおいては、上記下枠の断熱材が直射日光
や紫外線を受けやすいため、断熱材の劣化が進行しやす
い。また、下枠の室内側形材における室外側露出部分か
ら熱の出入りを生じる問題がある。このような問題を解
消するために、上記下枠の断熱材及び室内側形材の室外
側露出面をカバー材で覆うことも考えられるが、カバー
材を下枠の全長に亘って設けた場合、コストの増大を招
くと共に下枠上の排水性や清掃性の低下を招きやすいと
いった新たな問題を生じる。

【０００５】本発明の目的は、下枠における断熱ブリッ
ジ材の紫外線等による劣化及び室内側形材の室外側露出
面からの熱の出入りを防止しつつ、コストの低減及び排
水性や清掃性の向上が図れる断熱サッシを提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１に係る発明の断熱サッシは、内外の障子が装
着されるサッシ枠の少なくとも下枠を内障子が位置する
室内側の形材と外障子が位置する室外側の形材に分割し
てこれら両形材を断熱ブリッジ材を介して結合すると共
に、上記下枠上にその長手方向に沿って上記断熱ブリッ
ジ材及び上記室内側形材の室外側露出部分を覆うべく閉
位置の上記外障子に対応する部分を除いて低熱伝導性材
料からなるカバー材を設けてなることを特徴としてい
る。

【０００７】また、請求項２に係る発明の断熱サッシ
は、内外の障子が装着されるサッシ枠の少なくとも下枠
を内障子が位置する室内側の形材と外障子が位置する室
外側の形材に分割してこれら両形材を断熱ブリッジ材を
介して結合する共に、該断熱ブリッジ材の上面部を上記
下枠の室内側形材及び室外側形材の断熱ブリッジ材に連
続する部分と略同一面に形成し、上記下枠上にその長手
方向に沿って上記断熱ブリッジ材及び上記室内側形材の
室外側露出部分を覆うべく閉位置の上記外障子に対応す
る部分を除いて低熱伝導性材料からなるカバー材を着脱
可能に設けてなることを特徴としている。

【０００８】

【作用】請求項１に係る発明の断熱サッシにおいては、
カバー材が下枠の全長でなく閉位置の外障子に対応する
部分を除いて、上記下枠上にその長手方向に沿って上記
断熱ブリッジ材及び上記室内側形材の室外側露出部分を
覆うように設けられているため、下枠における断熱ブリ
ッジ材の紫外線等による劣化及び室内側形材の室外側露
出面からの熱の出入りを防止することができると共に、
コストの低減及び排水性や清掃性の向上が図れる。すな
わち、カバー材の長さが短くなる分、製造コストの低減
が図れ、下枠上のカバー材の設けられていない部分から
雨水等の排水やごみ等の掃き出しを容易に行うことが可
能となる。

【０００９】また、請求項２に係る発明の断熱サッシに
おいては、断熱ブリッジ材の上面部が下枠の上面部と略
同一面に形成され、カバー材が下枠の全長でなく閉位置
の外障子に対応する部分を除いて、上記下枠上にその長
手方向に沿って上記断熱ブリッジ材及び上記室内側形材
の室外側露出部分を覆うように着脱可能に設けられてい
るため、請求項１に係る発明の断熱サッシよりも更に排
水性及び清掃性の向上が図れる。

【００１０】

【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。図１、図２ないし図４において、１は建
物の躯体２の開口に取付けられる断熱サッシのサッシ枠
で、このサッシ枠１は左右の縦枠１ａ，１ｂと、上枠１
ｃ及び下枠１ｄとをネジ止めにより方形に組立て構成さ
れている。また、上記サッシ枠１内には内外二枚の障子
３，４が引き違い式に開閉自在に取付けられると共に、
サッシ枠１の最室外側に網戸５が水平移動可能に取付け
られている。

【００１１】上記内障子３及び外障子４は、左右の戸先
框６ａ，７ａ及び召合せ框６ｂ，７ｂと、上框６ｃ，７
ｃ及び下框６ｄ，７ｄとをネジ止めにより方形に組立て
なる框６，７と、これら框６，７内にガスケット８を介
して装着されたガラス９とから主に構成され、そのガラ
ス９として断熱性のよい複層ガラスが用いられている。
なお、本実施例の断熱サッシは、サッシ枠１が建物の躯
体２から略半分だけ室外側に突出させて取付けられる半
外付けサッシとして構成されている。

【００１２】上記サッシ枠１の両縦枠１ａ，１ｂ、上枠
１ｃ及び下枠１ｄ、上記内障子３の戸先框６ａ、召合せ
框６ｂ、上框６ｃ及び下框６ｄ、並びに上記外障子４の
召合せ框７ｂを除く戸先框７ａ、上框７ｃ及び下框７ｄ
は、それぞれ室内側と室外側の形材１ｘと１ｙ，６ｘと
６ｙ，７ｘと７ｙに分割され、各対の形材１ｘと１ｙ，
６ｘと６ｙ，７ｘと７ｙが断熱ブリッジ材１０，１１を
介して結合されている。上記形材１ｘと１ｙ，６ｘと６
ｙ，７ｘと７ｙは、金属材例えばアルミニウム合金の押
出し形材からなっている。また、上記断熱ブリッジ材１
０，１１は耐熱性、耐候性、断熱性等に優れた硬質樹脂
材例えば塩化ビニル（ＰＶＣ）からなっている。断熱ブ
リッジ材１０，１１は、断面略Ｉ字等の板状に形成さ
れ、対の形材１ｘと１ｙ，６ｘと６ｙ，７ｘと７ｙ間に
形材１ｘと１ｙ，６ｘと６ｙ，７ｘと７ｙのカシメ加工
によって結合されている。また、断熱ブリッジ材１０，
１１は二重に設けられていて強度の向上が図られてい
る。

【００１３】本実施例のサッシ枠１の両縦枠１ａ，１
ｂ、上枠１ｃ及び下枠１ｄに設けられた断熱ブリッジ材
１０は、内障子３と外障子４の略中間位置に略同一平面
上に配置され、製造・組立の容易化及び強度の向上が図
られている。また、上記断熱ブリッジ材１０における縦
枠１ａ，１ｂ及び下枠１ｄの内側に配置される断熱ブリ
ッジ材１０ａ，１０ｂ，１０ｃは、縦枠１ａ，１ｂ及び
下枠１ｄの内面部、具体的には室内側形材及び室外側形
材の断熱ブリッジ材に連続する部分と面一ないし略同一
面になるように形成され、縦枠１ａ，１ｂと下枠１ｄの
断熱ブリッジ材１０ａと１０ｃ，１０ｂと１０ｃ間に生
じる隙間の防止及び下枠１ｄ上の排水性及び清掃性の向
上が図られている。上記断熱ブリッジ材１０ａ，１０
ｂ，１０ｃは、具体的には図５に示すように幅方向中央
部が上げ底状に形成されており、その上面部には形材１
ｘ，１ｙのカシメ結合部の気密性ないし水密性の向上を
図るために軟質樹脂材例えば非移行性エラストマーから
なるシール材層１４が設けられている。

【００１４】一方、本実施例の外障子４の召合せ框７ｂ
は、断熱ブリッジ材を有しない内外一体の形材例えばア
ルミニウム合金の押出し形材により形成され、非断熱構
造になっている。これは上記外障子４の召合せ框７ｂの
室内側露出面積が小さく、熱的影響が少ないことに基づ
くものである。従って、上記外障子４の召合せ框７ｂは
そのままでもよいが、本実施例では熱的影響を更に少な
くするために、例えば図３に拡大図示するように内障子
３の召合せ框６ｂの端面には内外障子３，４の全閉状態
で外障子４の召合せ框７ｂの内端部と面一状になる硬質
樹脂材製の召合せ用カバー材１２が取付けられると共
に、この召合せ用カバー材１２には外障子４の召合せ框
７ｂの室内側露出面に接触してこれを覆う軟質樹脂材製
の気密材１３が一体的に設けられる等の断熱処理がなさ
れている。

【００１５】上記サッシ枠１における下枠１ｄの上面部
には内障子３及び外障子４の戸車２２を案内する下部レ
ール２３ａ，２３ｂが形成され、上枠１ｃの下面部には
下部レール２３ａ，２３ｂと対向する上部レール２４
ａ，２４ｂが形成されている。そして、断熱ブリッジ材
１０の直接室外に露出することによる劣化（紫外線等に
よる劣化）及びサッシ枠１の室外に露出した部分からの
熱的影響（熱の出入り）を防止するために、下枠１ｄの
上面部には断熱ブリッジ材１０及び室内側形材１ｘの室
外側露出面である内側下部レール２３ａの室外面を覆う
ように低熱伝導性材料例えば塩化ビニル（ＰＶＣ）から
なる下枠用カバー材２５が外障子４で隠れた部分を除く
長手方向略半分に亘って着脱可能に取付けられている。
なお、上記下枠用カバー材２５を形成する低熱伝導性材
料としては、上記以外の樹脂材、木材等も適用可能であ
る。

【００１６】更に具体的に説明すると、下枠１ｄは図６
に拡大図示するように内側下部レール２３ａから断熱ブ
リッジ材１０ｃの室外側カシメ結合部にかけて断面略Ｌ
字状に形成され、上記断熱ブリッジ材１０ｃの室外側カ
シメ結合部から一段下がって形成された部分に外側下部
レール２３ｂが形成されている。上記下枠用カバー材２
５は上記下枠１ｄの断面略Ｌ字状の部分に対応するよう
に断面略Ｌ字状に形成され、その垂直部２５ａの裏面下
部には内側下部レール２３ａの下端部に形成された第１
の係合溝１５に係合する第１の係合片１６が形成される
と共に、水平部２５ｂの外縁部下部には室外側形材１ｙ
における断熱ブリッジ材１０ｃの室外側カシメ結合部の
下端部に形成された第２の係合溝１７に係合する第２の
係合片１８が形成されている。これにより下枠１ｄ上面
部の清掃時や下枠用カバー材２５の交換時等に下枠用カ
バー材２５の取外け取外しが容易にできるようになって
いる。また、上記第１及び第２の係合溝１５，１７は、
ごみ等が溜まりにくいように下向き或いは側方に向いて
形成されている。なお、上記下枠用カバー材２５は、裏
面に突起１９を設けることにより下枠１ｄとの間に断熱
空間２０が形成されている。

【００１７】上記下枠用カバー材２５は、図４に示すよ
うに下枠上の一端（右端）から閉位置の外障子４の召合
せ框７ｂの下部までの長さに形成されており、その召合
せ框７ｂの下部には図７に示すように上記下枠用カバー
材２５との間の隙間をシールするための樹脂材製のフィ
ン状の召外下部気密材２１が設けられている。上記上枠
１ｃの下面部には断熱ブリッジ材１０、外側上部レール
２４ｂの室内面及び内側上部レール２４ａの室外面を覆
うように樹脂材製の上枠用カバー材２６が長手方向全長
に亘って取付けられている。また、内障子３が当接する
側の縦枠１ａの内面部には断熱ブリッジ材１０及び室外
側に露出した室内側形材１ｘの一部を覆うように樹脂材
製の縦枠用カバー材２７が取付けられている。なお、内
障子３及び外障子４にはサッシ枠１との間等をシールす
るための各種の気密材が取付けられている（図示省
略）。

【００１８】以上のように構成された断熱サッシにおい
ては、サッシ枠１、内障子３の框６及び外障子４の召合
せ框７ｂを除く框７をそれぞれ室内側と室外側の形材１
ｘと１ｙ，６ｘと６ｙ，７ｘと７ｙに分割し、各対の形
材１ｘと１ｙ，６ｘと６ｙ，７ｘと７ｙを断熱ブリッジ
材１０，１１を介して結合して断熱構造としたので、断
熱性の向上が図れる。また、上記外障子４の室内側露出
面積が小さく、熱的影響の少ない召合せ框７ｂを一体の
形材により形成したので、非断熱構造でありながら断熱
性を損うことがなく、その室内側及び室内側の形材、断
熱ブリッジ材及びそのカシメ結合工程が不要になり、召
合せ框７ｂを一工程で一体の形材として製造することが
でき、その分だけ加工工数及び断熱樹脂材の使用量を削
減でき、製造コストの低減が図れ、強度の向上も図れ
る。

【００１９】特に、上記下枠１ｄ上にその長手方向に沿
って上記断熱ブリッジ材１０ｃ及び上記室内側形材１ｘ
の室外側露出部分を覆うように下枠用カバー材２５が設
けられているため、下枠１ｄにおける断熱ブリッジ材１
０ｃの紫外線等による劣化及び室内側形材１ｘの室外側
露出面からの熱の出入りを防止することができ、下枠１
ｄの耐久性及び断熱性の向上が図れる。この場合、上記
下枠用カバー材２５が下枠１ｄの全長でなく閉位置の外
障子４に対応する部分を除く範囲ないし領域に設けられ
ているため、カバー材２５の長さが短くなる分だけ製造
コストの低減が図れると共に、下枠１ｄ上のカバー材２
５の設けられていない部分から雨水等の排水やごみ等の
掃き出しを容易に行うことができ、排水性及び清掃性が
向上する。また、上記下枠１ｄの断熱ブリッジ材１０ｃ
の上面部が下枠１ｄの上面部と略同一面に形成されると
共に、下枠用カバー材２５が下枠１ｄに着脱可能に取付
けられているため、断熱ブリッジ材１０ｃ上に雨水等が
溜まりにくく、しかもカバー材２５を取外して下枠１ｄ
の上面部を容易に清掃することができ、更に排水性及び
清掃性の向上が図れる。

【００２０】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変形
等が可能である。例えば、下枠１ｄの断熱ブリッジ材１
０ｃは下枠１ｄの上面部と略同一面に形成されているこ
とが好ましいが、ある程度の排水性及び清掃性があれば
必ずしも略同一面に形成されていなくてもよい。また、
下枠用カバー材２５は下枠１ｄに着脱可能に設けられて
いることが好ましいが、必ずしも下枠１ｄに着脱可能に
設けられていなくてもよい。更に、下枠用カバー材２５
は下枠１ｄとの間に断熱空間２０が形成されていること
が好ましいが、必ずしも断熱空間２０が形成されていな
くてもよい。上記実施例の断熱サッシは、外障子４の召
合せ框７ｂを一体の形材からなる非断熱構造にしてある
が、この召合せ框７ｂを戸先框７ａと同様に断熱構造に
してもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。

【００２２】（１）請求項１に係る発明の断熱サッシに
よれば、カバー材が下枠の全長でなく閉位置の外障子に
対応する部分を除いて、上記下枠上にその長手方向に沿
って上記断熱ブリッジ材及び上記室内側形材の室外側露
出部分を覆うように設けられているため、下枠における
断熱ブリッジ材の紫外線等による劣化及び室内側形材の
室外側露出面からの熱の出入りを防止することができる
と共に、コストの低減及び排水性や清掃性の向上が図れ
る。

【００２３】（２）請求項２に係る発明の断熱サッシに
よれば、断熱ブリッジ材の上面部が下枠の室内側形材及
び室外側形材の断熱ブリッジ材に連続する部分と略同一
面に形成され、カバー材が下枠の全長でなく閉位置の外
障子に対応する部分を除いて、上記下枠上にその長手方
向に沿って上記断熱ブリッジ材及び上記室内側形材の室
外側露出部分を覆うように着脱可能に設けられているた
め、請求項１に係る発明の断熱サッシよりも更に排水性
及び清掃性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る断熱サッシの一実施例を示す縦断
面図である。

【図２】断熱サッシの正面図である。

【図３】断熱サッシの外障子における召合せ框の室内側
露出面を気密材により断熱した状態を示す部分的断面図
である。

【図４】断熱サッシの横断面図である。

【図５】下枠等の内側に設けられる断熱ブリッジ材の拡
大断面図である。

【図６】カバー材が設けられた下枠の部分的拡大断面図
である。

【図７】外障子の召合せ框の下部に設けられた召外下部
気密材を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ サッシ枠 ３ 内障子 ４ 外障子 １ｄ 下枠 １ｘ 室内側の形材 １ｙ 室外側の形材 １０ 断熱ブリッジ材 ２５ 下枠用カバー材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内外の障子が装着されるサッシ枠の少な
   くとも下枠を内障子が位置する室内側の形材と外障子が
   位置する室外側の形材に分割してこれら両形材を断熱ブ
   リッジ材を介して結合すると共に、上記下枠上にその長
   手方向に沿って上記断熱ブリッジ材及び上記室内側形材
   の室外側露出部分を覆うべく閉位置の上記外障子に対応
   する部分を除いて低熱伝導性材料からなるカバー材を設
   けてなることを特徴とする断熱サッシ。
2. 【請求項２】 内外の障子が装着されるサッシ枠の少な
   くとも下枠を内障子が位置する室内側の形材と外障子が
   位置する室外側の形材に分割してこれら両形材を断熱ブ
   リッジ材を介して結合すると共に、該断熱ブリッジ材の
   上面部を上記下枠の室内側形材及び室外側形材の断熱ブ
   リッジ材に連続する部分と略同一面に形成し、上記下枠
   上にその長手方向に沿って上記断熱ブリッジ材及び上記
   室内側形材の室外側露出部分を覆うべく閉位置の上記外
   障子に対応する部分を除いて低熱伝導性材料からなるカ
   バー材を着脱可能に設けてなることを特徴とする断熱サ
   ッシ。