JPH08134764A - 不織布複合シート - Google Patents

不織布複合シート

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JPH08134764A
JPH08134764A JP6279201A JP27920194A JPH08134764A JP H08134764 A JPH08134764 A JP H08134764A JP 6279201 A JP6279201 A JP 6279201A JP 27920194 A JP27920194 A JP 27920194A JP H08134764 A JPH08134764 A JP H08134764A
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JP
Japan
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sheet
fibers
nonwoven fabric
paper sheet
pulp
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JP6279201A
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English (en)
Inventor
Yosuke Kudo
洋輔 工藤
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い捨て手拭き、ウェットティシュ、ワイパ
ー、使い捨て雑巾等に好適で、強度が高く、吸水性と吸
油性に優れる不織布複合シートの提供。 【構成】 多数の連続長繊維フィラメントが集積されて
なるスパンボンド不織布の片面に、熱可塑性樹脂を細孔
を通じて吐出し、高温、高速ガスで微細繊維化し、さら
に該不織布のもう一方の面に木材パルプを湿式抄紙して
得られる紙シートを積層後、該紙シートの表面または紙
シートとメルトブローシートの両面から高圧水柱流を施
すことにより、パルプ繊維、微細繊維および長繊維とが
三次元的に絡合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使い捨て手拭き、ウェ
ットティシュ、ワイパー、使い捨て雑巾等に好適な吸水
性と吸油性に優れた不織布複合シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭用または工業用拭き布として
は布ウエス、紙ワイパー、各種不織布ワイパーが使用さ
れている。布ウエスの原料は家庭内で不用になった衣
料、インテリア、寝袋などの廃品回収物であり、供給が
不安定であるとか混繊、混紡が多く不均質で品質が不安
定である等の欠点があり、紙または不織布ワイパーが重
用されている。
【0003】ワイパーに要求される性能のうち吸液特性
は最も重要な性能の一つであり、ワイパー用素材として
は、木材パルプ、木綿等の天然繊維、レーヨン、キュプ
ラ等のセルロース系再生繊維および種々の化学繊維が用
いられる。これらの繊維のうち天然繊維とセルロース系
再生繊維は一般に親水性であり吸水性が高いことからセ
ルロース系繊維のみにより湿式抄紙した紙ワイパーや水
流絡合法によりシート化した不織布ワイパーが使用され
ている。
【0004】一方、ポリプロピレン、ポリエチレン等の
ポリオレフィン系やポリエステル系の合成繊維は疎水性
でありこれらを使用したワイパーは吸水性には劣るが吸
油性に優れ油吸着用として用いられている。このように
ワイパー用素材には親水性素材や疎水性素材の双方が用
いられる。またこれら両素材を複合化したワイパーや製
法の組み合わせによるワイパーも用いられている。
【0005】特願平5ー84309号には、スパンボン
ド不織布の表面にメルトブローシートと木材パルプシー
トを順次積層し、木材パルプシート面よりスパンボンド
シート面に向けて高圧水柱流を施すことにより一体化し
た吸水性とともに吸油性に優れた不織布複合シートと、
スパンボンド不織布の表面に木材パルプシートとメルト
ブローシートとを順次積層し、メルトブローシート面よ
りスパンボンド不織布に向かって高圧水柱流を施すこと
により一体化した吸水性とともに吸油性に優れた不織布
複合シートが提案されている。しかしながら、この方法
によって製造した前者の複合シートは、熱可塑性の微細
繊維からなり吸油性に優れたメルトブローシートが木材
パルプシートとスパンボンドシートとの間に積層される
ためメルトブローシートが本来持っている優れた吸油特
性が十分発揮されないという欠点があった。メルトブロ
ーにより製造される微細繊維はスパンボンドにより製造
される繊維に比べ繊維径が著しく小さく、一般的にはメ
ルトブロー繊維の繊維径はスパンボンド繊維の繊維径に
対しおよそ10分の1である。したがって繊維の比表面
積はメルトブロー繊維のほうがおよそ100倍大きく、
双方の繊維が同一樹脂で作られていた場合には油の吸着
能力はメルトブローの方が著しく大きくなるのである。
【0006】さらに、この方法によって製造した後者の
複合シートは、吸水性の高い木材パルプシートが疎水性
の高いスパンボンドシートとメルトブローシートとによ
って挟まれて積層されていることにより吸水性が不十分
であることが判った。木材パルプと熱可塑性微細繊維と
は水流絡合により三次元的に複雑に絡み合うことによ
り、積層体表面にもパルプ繊維の一部が露出しており該
パルプ繊維の吸液性によりある程度の吸水性を発揮する
が、木材シートのもつ飽和吸水量に至るまでに長時間を
要するという欠点が見いだされた。
【0007】一方、特願平5ー128656号には、メ
ルトブローシートと木材パルプシートを積層し、木材パ
ルプシート側から高圧水柱流を施すことにより一体化し
た後、絡合シート中の熱可塑性繊維を部分的に軟化また
は溶融させることにより、間隔をおいた点接着区域を設
けた不織布複合シートが提案されている。しかしなが
ら、この複合シートは、木材パルプシートとメルトブロ
ーシートが表に露出しており、それぞれが本来所持して
いる吸水性と吸油性を十分に発揮できるが、複合シート
の引張強度や引裂強度で示されるように外部からの物理
的な力に弱く、更に湿潤状態における強度低下が大きい
ため、強度が要求される用途には適さないことが判っ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明等者は、かかる
現状に鑑み、前記の欠点、即ち木材パルプシートのもっ
ている優れた吸水特性と熱可塑性微細繊維からなるメル
トブローシートのもっている優れた吸油特性とを十分生
かし得ないという課題および前記木材パルプシートとメ
ルトブローシートとの複合シートでは強度が劣るという
課題を解決しようとして種々研究を行った。その結果、
強度の優れるスパンボンド不織布の表面にメルトブロー
シートが積層され、前記スパンボンド不織布の反対面に
は木材パルプを湿式抄紙して得られる紙シートが積層さ
れ、紙シートの表面または紙シートとメルトブローシー
トの両面から高圧水柱流が施されて構成される複合シー
トが、前記欠点を有効に解決でき、吸水性と吸油性に優
れることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明
の目的は、スパンボンド不織布の別々の片面に、それぞ
れ熱可塑性微細繊維からなるメルトブローシートと紙シ
ートを積層してなる複合シートであって、使い捨て手拭
き、ウェットティシュ、ワイパー、使い捨て雑巾等に好
適で、強度が高く、吸水性と吸油性に優れる不織布複合
シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の連続長
繊維フィラメントが集積されてなるスパンボンド不織布
の片面に、熱可塑性樹脂を細孔を通じて吐出し、高温、
高速ガスで微細繊維化し、これをシート状に捕集して作
製したメルトブローシートが積層され、さらに該不織布
のもう一方の面に木材パルプを湿式抄紙して得られる紙
シートを積層後、該紙シートの表面または紙シートとメ
ルトブローシートの両面から高圧水柱流を施すことによ
り、パルプ繊維、微細繊維および長繊維とが三次元的に
絡合してなることを特徴とする不織布複合シートであ
る。
【0010】本発明においては、連続長繊維フィラメン
トが集積されてなるスパンボンド不織布として、従来公
知の長繊維不織布を準備する。ここで長繊維としては、
従来公知の長繊維を使用することができ、例えばポリオ
レフィン系長繊維、ポリエステル系長繊維、ポリアミド
系長繊維等を挙げることができる。本発明において長繊
維を使用する理由は、長繊維よりなるスパンボンド不織
布は、繊維間が絡合あるいは接着されている場合、引張
強度や引裂強度のような物理的な強度および形態安定性
に優れているからである。また、長繊維の繊度は、1〜
8デニール、好ましくは1〜4デニールである。長繊維
の繊度が8デニールを越えると、長繊維不織布の柔軟性
が劣り、さらに単位面積当たりの繊維数が減少するため
に、地合いを悪化させるので適さない。逆に長繊維の繊
度が1デニール未満になると、長繊維の製造条件が厳密
になって、長繊維、ひいてはスパンボンド不織布を高速
で製造しがたくなるので適さない。
【0011】長繊維からなるスパンボンド不織布の目付
は、5〜30g/m2である。長繊維シートの目付が30g/
m2を越えると、紙シートおよびメルトブローシートとの
積層体に高圧水柱流を施した場合に、紙シートを形成す
るパルプ繊維やメルトブローシートを形成する微細繊維
と、長繊維との絡合が不十分となり複合シートとした時
に各層間の接着力が低くなって、剥がれ易くなる。その
上、スパンボンド不織布上に直接、微細繊維からなるメ
ルトブローシートを形成する場合には、スパンボンド不
織布の通気性が低いので、スパンボンド不織布を通して
ガスの吸引が不十分となり、結果としてノズル孔から吐
出した樹脂を微細繊維化するための高温、高速のガスに
よって形成された微細繊維がスパンボンド不織布上に捕
捉されにくくなって、空中に舞い上がり、シートの形成
が困難になるために適さない。逆に、長繊維シートの目
付が5g/m2未満になると、長繊維シートの強度が低下
し、そのため複合化後のシート強度が低下するので適さ
ない。
【0012】本発明においてはメルトブロー法によって
作製したメルトブローシートが使用されるが、このメル
トブロー法によるメルトブローシートの製造方法は、従
来公知の技術を利用することができ、例えば、特開昭4
9ー10258号公報、特開昭49ー48921号公報等
に開示されている方法が好適に用いられる。本発明にお
いては、熱溶融した熱可塑性樹脂を細孔を通じて吐出
し、高温、高速ガスで微細繊維化して熱可塑性の微細繊
維とし、これをシート状に捕集して作製したメルトブロ
ーシートが用いられる。本発明でメルトブローシートを
使用する理由は、メルトブローシートは微細繊維から形
成されているために、シート単位体積当たりの繊維数が
極めて多く、他の基材と複合した場合に、均一で緻密な
美しい表面を有するシートが得られるからであり、さら
に、微細繊維により微細な汚れや塵の除去が可能なばか
りでなく、高い比表面積により高い油の吸着能力を発揮
するからである。
【0013】微細繊維を得るための熱可塑性樹脂として
は、従来公知のものを使用することができ、特に限定す
るものではないが、例えばポリオレフィン系、ポリエス
テル系、ポリアミド系等の樹脂を、単独または混合して
使用することができる。メルトブロー繊維の繊維径は1
〜10μm、好ましくは1〜5μmの範囲である。繊維
径が10μmを越えると繊維径が大きいため、微細な塵
や汚れの拭き取り性が十分でなく、メルトブローシート
の単位体積当たりの繊維数が少なくなるために、油の吸
着能力も低くなる。また、繊維径が1μm未満になると
生産性が著しく低下して生産コストが上昇し、使い捨て
の拭き布としては使用できなくなるので適さない。メル
トブローシートの目付は、3〜80g/m2、好ましくは5
〜60g/m2の範囲である。メルトブローシートの目付が
80g/m2を越えると、スパンボンド不織布および紙シー
トと積層後に高圧水柱流を施した場合、高圧水柱流がメ
ルトブローシートを貫通しメルトブローシートの微細繊
維とスパンボンド不織布の長繊維とが絡合しうる程の運
動量を与え難く、結果的に複合シートとしての一体性に
欠けることになる。逆に、メルトブローシートの目付が
3g/m2未満では、メルトブローシートのハンドリング性
が低下するばかりでなく、油の吸着能力が不十分となり
拭き布として適さない。
【0014】本発明に使用する紙シートは、公知の木材
パルプを湿式抄紙して得られる。紙シートの坪量はJI
S P-8124に示された方法で測定した坪量が10〜
100g/m2の範囲である。紙シートの坪量が10g/m2
満では、パルプ繊維の絶対量が少なく、得られる複合シ
ートに十分な吸水性や保水性を与え難くなる。逆に、紙
シートの坪量が100g/m2を越えると、パルプ繊維の絶
対量が多過ぎて、紙シートに高圧水柱流を施しても、1
本1本のパルプ繊維にメルトブロー繊維や長繊維と絡合
し得る程度の運動量を与え難くなるので適さない。更に
パルプの絶対量が多すぎると、得られる複合シートの柔
軟性が低下するばかりでなく、多数のパルプ繊維の吸脱
水により、放置された環境の湿度変化によって、シート
にカールが発生する恐れが生じ好ましくない。
【0015】紙シートを構成するパルプ繊維としては、
針葉樹および広葉樹木材をクラフト法、サルファイト
法、ソーダ法、ポリサルファイド法等で蒸解した化学パ
ルプ繊維を主体にグランドウッドパルプ繊維、サーモメ
カニカル繊維等の機械パルプ繊維を晒あるいは未晒の状
態で混合して使用することができる。紙シートには高圧
水柱流を施す関係上、繊維長の大きいパルプ繊維が好ま
しいが、繊維長の小さいパルプ繊維も併用することがで
きる。その一例を示せば、針葉樹パルプ繊維と広葉樹パ
ルプ繊維の重量配合比は、針葉樹パルプ繊維:広葉樹パ
ルプ繊維=100〜20:0〜80の範囲である。広葉
樹パルプ繊維が80%を越えると、高圧水柱流によるパ
ルプの消失量が増加するばかりでなく、絡合後のシート
の柔軟性が低下する。
【0016】本発明に使用される紙シートのJIS P
8118により測定される密度は、0.20〜0.65g
/cm3、好ましくは0.20〜0.60g/cm3である。紙シ
ートの密度が0.65g/cm3を越えると、高圧水柱流を施
した場合に、パルプの運動が抑制され、長繊維とパルプ
繊維との絡合が十分でなくなるばかりでなく、結合後の
シートの柔軟性が低下するので適さない。密度が低すぎ
ると、高圧水柱流の処理を施す際にパルプ繊維の飛散に
よる表面性の悪化や断紙が生じ易く好ましくない。 一
方、紙シートの湿潤引張強度は、紙シートの表面から高
圧水柱流を施す場合は重要であり、JIS P 813
5による25mm幅の試験片について測定した湿潤引張
強度は0.04〜1.50Kgfの範囲である。
【0017】湿潤強度が1.50Kgfを越えると高圧
水柱流を紙シート表面から施しても紙シートを構成する
パルプ繊維が単離し難く、繊維同士の絡合が不十分とな
り、更に得られる複合シートの柔軟性が失われるので好
ましくない。逆に、湿潤引張強度が0.04Kgf未満
では高圧水柱流による処理を施す際に、紙シートが破壊
され、部分的に偏ったり、皺が発生するので不適であ
る。適当な湿潤引張強度を得るために、抄紙により紙シ
ートを得る際に、例えば、ポリアミド・エピクロルヒド
リン樹脂、およびその変性物、ポリアミン・エピクロル
ヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の湿潤紙力増
強剤を添加しても良い。
【0018】スパンボンド不織布の表と裏にそれぞれメ
ルトブローシートと紙シートが別々に積層される際の目
付あるいは坪量の重量比は、スパンボンド不織布の目
付、メルトブローシートの目付およびJIS P 81
24に示された方法で測定した紙シートの坪量の重量比
が、メルトブローシート:スパンボンド不織布:紙シー
ト=0.15〜8:1:1〜16の範囲から適宜選択し
て用いられる。メルトブローシートとスパンボンド不織
布との比が0.15:1において、メルトブローシート
の比がこの値より小さくなると複合シート中のメルトブ
ロー繊維の相対量が低下し、メルトブロー繊維による寄
与が大きい油吸着能力が低くなるので適さない。
【0019】逆に、メルトブローシートと長繊維シート
との比が8:1において、メルトブローシートの比がこ
の値より大きくなると、複合シート中に占める高価なメ
ルトブローシートの相対量が増加し、シートの製造コス
トが上昇するために適さない。 一方、スパンボンド不
織布と紙シートの重量比が1:1において、スパンボン
ド不織布の比がこの値より大きくなると、複合シート中
の紙パルプの相対量が低下し、製造コストの上昇および
吸水性と保水量が低下するので拭き布として適さない。
逆に、スパンボンド不織布と紙シートの比が1:16
において、スパンボンド不織布の比がこの値より小さく
なると、パルプの絶対量が多過ぎ、得られる複合シート
がごわごわになって、シートの柔軟性が損なわれるので
適さない。
【0020】以上述べたようにしてメルトブローシート
/スパンボンド不織布/紙シートの順に積層して三層構
成とした後、紙シートの表面からメルトブローシートの
側へ一方向のみ、あるいは続けてその反対方向のメルト
ブローシートの側から紙シートの側へ向かって、小さな
ノズル孔から高圧力で噴出された高圧水柱流を貫通する
ように施す。高圧水柱流は、積層体の表と裏の両方向か
ら施す方が積層体の一体化が十分に進み、複合シートと
しての形態安定性が優れるが、2回の高圧水柱流による
処理によって積層体から脱落してしまう繊維量も多くな
るというマイナス面を有する。一方向のみの高圧水柱流
による処理で得られた不織布複合シートであっても、拭
き布として使用するに耐え得る形態安定性は得られる
が、2方向から処理した場合より形態安定性は低い。
【0021】高圧水柱流は、微細な直径のノズル孔、例
えば0.01〜3mmの範囲を通して、20〜150K
g/cm2 の範囲の高圧で水を噴出させて得られる。こ
の水柱流を紙シート側から積層体に施すと、高圧水柱流
は接触した面の紙シートを破壊し、紙シートを構成する
パルプ繊維を単離させるとともに、パルプ繊維、スパン
ボンド不織布を構成する長繊維、およびメルトブローシ
ートを構成する熱可塑性微細繊維に曲げ、ねじれ等の変
形を起こさせ、さらにパルプ繊維やメルトブロー繊維に
運動エネルギーを与え、これらの繊維にランダムな運動
を生じさせる。その結果、これらの複合作用によって、
パルプ繊維、長繊維、メルトブロー微細繊維の3種類の
繊維が絡み合い、積層物が絡合一体化するのである。
【0022】3層構成からなる積層体に、2方向から高
圧水柱流処理を施す場合は、まず紙シート側より処理し
パルプ繊維を主として長繊維と絡合した後に、その反対
面から処理する方が望ましい。先にメルトブロー側から
高圧水柱流で処理すると、メルトブロー微細繊維と長繊
維との絡合に水柱流のエネルギーが消費され、その結果
パルプ繊維と長繊維との絡合が不十分のため2回目の高
圧水柱流を処理する前に紙シートの形態が崩れ紙シート
面が乱れる。
【0023】メルトブローシートは、予め作製してリー
ルに巻取ったものが使用できるが、別の絡合の方法とし
て、熱可塑性樹脂を細孔を通じて吐出し、高温、高速ガ
スで微細繊維化し、得られた繊維を直接スパンボンド不
織布上に捕集して作製してもよく、その場合、メルトブ
ローシートとスパンボンド不織布の接合も行われるの
で、その後、その一体化シートのスパンボンド不織布の
面に紙シートを積層して、反転させて紙シートの側から
2回目の高圧水柱流による絡合処理を施しても良い。メ
ルトブローシートとスパンボンド不織布からなる積層体
に高圧水柱流を施し、2層間の絡合一体化を行うとしっ
かりした一体化が達成できる。
【0024】以上のようにして得られた不織布複合シー
トは、メルトブロー繊維、長繊維およびパルプ繊維とが
絡合一体化し、良好なシート強度、吸水性および吸油性
を有し、拭き布、吸油シート、吸液シート、包装材料等
として好適に使用できるのである。拭き布として使用す
る場合には、所望に応じて、界面活性剤、水やプロピレ
ングリコールのような湿潤剤、アルコール類、パラ安息
香酸エステル等の抗菌剤、防かび剤、香料等の薬剤が付
与され、使い捨て手拭き、ウエットティシュ、使い捨て
雑巾、おしぼり、ワイパー等として使用される。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろん本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例、比較例中の%は特に断わ
らない限り重量%を示す。
【0026】実施例1 ポリプロピレン長繊維からなる連続フィラメントが集積
されてなり、且つこのポリプロピレン長繊維相互間が自
己融着された点接着区域を多数持つスパンボンド不織布
を準備した。この不織布を構成する長繊維の繊度は、
2.2デニールであり、目付は12g/m2であった。この
不織布の片面(表)に、ポリプロピレン樹脂を加熱溶融
後、細孔を通じて吐出し、高温、高速ガスで微細繊維化
し、これをシート状に捕集して作製したメルトブロー微
細繊維からなるシートを積層した。このメルトブローシ
ートを構成する微細繊維の平均繊維径は2μmであり、
目付は10g/m2であった。
【0027】このメルトブローシートシートの反対側、
即ちスパンボンド不織布のもう一方の面(裏)に、フリ
ーネスが660mlCSF(カナダ標準ろ水度)の針葉
樹晒クラフトパルプを原料とし、パルプ絶乾重量当りポ
リアミド・エピクロルヒドリン樹脂(WS570、日本
PMC社製)を0.1%添加して湿式抄紙して得られた
紙シートを積層した。この紙シートのJIS P 81
24に示される方法で測定した坪量は40g/m2、J
IS P 8135に示される方法で測定した湿潤引張強
度は0.15kgf/25mm、JIS P 8121に
示される方法で測定した密度は0.45g/cm3であっ
た。配合重量比は、メルトブローシート:スパンボンド
不織布:紙シート=0.83:1:3.33であった。
【0028】以上の如くして紙シートが上に位置し、ス
パンボンド不織布が真ん中に、メルトブローシートが下
に位置するように積層した積層体を、金網で形成された
移送コンベア上に載置した。ついで、この積層体を20
m/分の速度で移送させながら、孔径0.15mmのノ
ズル孔が1mm間隔で並んで設けてある高圧水柱流の噴
出装置を用いて、紙シート表面から50kg/cm2
水圧で高圧水柱流を施した。このようにして、紙シート
を構成しているパルプ繊維、スパンボンド不織布を構成
している長繊維およびメルトブローシートを構成してい
るメルトブロー微細繊維とを絡合させ三者が一体化され
た不織布複合シートを得た。
【0029】実施例2 実施例1で得られた不織布複合シートを、反転しメルト
ブロー繊維シートを上にして実施例1と同様にしてメル
トブローシートの側から50kg/cm2の水圧で高圧
水柱流を施し、不織布複合シートを得た。
【0030】比較例1 実施例1で用いたスパンボンド不織布、メルトブローシ
ートおよび紙シートを、紙シートが上に位置し、メルト
ブローシートを真ん中にしてスパンボンド不織布が下に
位置するように積層した積層体とし、実施例1と同様に
して紙シートの上から50kg/cm2の水圧の高圧水
柱流を施し、繊維が絡合し、一体化された不織布複合シ
ートを得た。
【0031】比較例2 実施例1で用いたスパンボンド不織布、メルトブローシ
ートおよび紙シートを、メルトフローシートが上に位置
し、紙シートを真ん中にしてスパンボンド不織布が下に
位置するように積層した積層体とし、実施例1と同様に
して紙シートの上から50kg/cm2の水圧の高圧水
柱流を施し、繊維が絡合し、一体化された不織布複合シ
ートを得た。
【0032】実施例1〜2および比較例1〜2で得られ
た不織布複合シートを下記の試験方法で試験し、その品
質を評価した。 試験方法 (1)引張強度:JIS P 8113に示された方法
に準じた。 (2)吸収性 スウェーデン標準規格 SIS251228に記載の吸
収性試験機を用い、液体に20KPaを与えて試料に液
体を吸収させて連続的に吸収量を測定した。液体として
はつぎのものを使用した。 吸水性試験:0.9%生理食塩水 吸油性試験:日清サラダ油(日清製油製) 吸水性試験においては、実施例1、2および比較例1は
紙シート面を液体に接触させ、比較例2はメルトブロー
シート面を液体に接触させた。吸油性試験においては、
実施例1、2および比較例2はメルトブローシート面を
液体に接触させ、比較例1はスパンボンド不織布面を液
体に接触させた。水あるいは油の吸収量は、時間ととも
に増加し、ついには平衡に達するが、全吸収量(試料絶
乾重量当りの液体吸収量:g/g)の80%に当る吸収
量(g)を時間(秒)で除したものを吸収速度とした。
得られた結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から分かるように、三層から構成され
る不織布複合シートは、引張り強度はいずれも大差がな
く優れており、本発明の複合シートは水と油に対する吸
収性が優れ(実施例1および2)、拭き布の素材として
優れている。これに対し従来の複合シートは、引張り強
度と水に対する吸収性は優れるが、油に対する吸収性に
劣り(比較例1)、逆に油に対する吸収性は優れても、
水に対する吸収性が悪く(比較例2)、強度があって柔
軟性に優れるという不織布の有する特性は備えていて
も、水と油の両方に対する吸収性の優れたものではな
い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、強度の
優れたスパンボンド不織布を使用しているために、複合
化後のシート強度が高く、水に濡れても強度低下が小さ
いばかりでなく、吸油能力が高い多数の微細繊維からな
るメルトブローシートと吸水能力の高い紙シートとをス
パンボンド不織布の両面に積層し、高圧水柱流で一体化
された構成を有するので、柔軟性を備え、吸水性と吸油
性がともに優れた不織布複合シートを提供するという効
果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続長繊維フィラメントが集積さ
    れてなるスパンボンド不織布の片面に、熱可塑性樹脂を
    細孔を通じて吐出し、高温、高速ガスで微細繊維化し、
    これをシート状に捕集して作製したメルトブローシート
    が積層され、さらに該不織布のもう一方の面に木材パル
    プを湿式抄紙して得られる紙シートを積層後、該紙シー
    トの表面または紙シートとメルトブローシートの両面か
    ら高圧水柱流を施すことにより、パルプ繊維、微細繊維
    および長繊維とが三次元的に絡合してなることを特徴と
    する不織布複合シート。
JP6279201A 1994-11-14 1994-11-14 不織布複合シート Pending JPH08134764A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003299593A (ja) * 2002-04-09 2003-10-21 Av Ovo:Kk ウェットティッシュ
KR100426667B1 (ko) * 1995-11-17 2004-09-01 유니챰 가부시키가이샤 일회용닦아내기용구
JP2008080667A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Daio Paper Corp 衛生薄葉用紙
JP2015042382A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 矢野運送有限会社 吸油シート
JP2021088791A (ja) * 2019-12-06 2021-06-10 日本製紙クレシア株式会社 複合型不織布およびその製造方法

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