JPH08132419A - 窯業系建築板の製造方法 - Google Patents

窯業系建築板の製造方法

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JPH08132419A
JPH08132419A JP27196594A JP27196594A JPH08132419A JP H08132419 A JPH08132419 A JP H08132419A JP 27196594 A JP27196594 A JP 27196594A JP 27196594 A JP27196594 A JP 27196594A JP H08132419 A JPH08132419 A JP H08132419A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形能率を損なわずに減圧脱水効果を高め
る。 【構成】 複数の下型18のキャビティ21にフィルタ
パッド30を敷いた状態で成形材料25を注入して、減
圧脱水によりフィルタパッド30上の成形材料25を予
備脱水し、予備脱水を終了した下型18を順次プレス成
形位置へスライドさせると共に、当該プレス成形位置で
キャビティ21内の成形材料25を引き続き減圧脱水し
つつ上型12を下降させてプレス成形する。予備脱水を
終了した下型18をプレス成形位置へスライドさせる際
に、ガイドレール33をカム34により上昇させて、下
型18のローラ37をガイドレール33に乗せて持ち上
げることで、下型18を架台17から浮かせた状態にし
て、下型18を簡単にスライドできるようにする。プレ
ス成形時には、ガイドレール33を下降させて下型18
をプレス台板57に載置した状態に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スラリー化された成形
材料を下型のキャビティに注入し、減圧脱水しつつ上型
を下降させて窯業系建築板をプレス成形する窯業系建築
板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリート製品の成形方法
として、成形を効率良く行うために、例えば特公平6−
75860号公報に示すように、キャビティ内の成形材
料を減圧脱水装置により減圧脱水しつつ上型を下降させ
てプレス成形する脱水成形方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、この脱水
成形方法を窯業系建築板の成形に適用しようと試みてい
るが、次のような問題が生じている。即ち、従来の脱水
成形方法に用いられる成形材料は、セメントに粗骨材を
配合したもので、成形材料内部の濾水性が良く、濾過抵
抗が比較的小さいのに対し、住宅の外壁に貼り付けられ
る窯業系建築板の成形に用いられる成形材料は、セメン
ト等の無機水硬性微粒子材料にパルプ,有機合成繊維等
の繊維質材料と水を混合してスラリー化したもので、き
めが細かいため、粗骨材を配合した成形材料と比較し
て、成形材料内部の濾水性が悪く、濾過抵抗が大きい。
このため、成形材料を減圧脱水しても、脱水速度が遅
く、十分な脱水を行うには、長い脱水時間を必要とし
て、成形能率が悪くなってしまう。しかも、脱水が不十
分な状態で上型を下降させてプレス成形すると、上型の
周囲から水分の多い成形材料が漏れ出して、歩留が悪く
なってしまう。
【0004】また、上述した特公平6−75860号公
報に示された脱水成形方法では、減圧脱水装置の上面に
濾布を張って、その濾布上で成形材料を脱水してプレス
成形するため、濾布の目詰りが早く、成形作業中に成形
装置を停止して濾布を張り替える作業を行わなければな
らず、成形装置の稼働率も悪くなってしまい、これも成
形能率を悪くする原因となる。
【0005】更に、プレス成形後に上型と一緒に持ち上
げた成形物をプレス板によりパレット上に押し落として
移送するため、成形物の表面に傷が付きやすく、歩留り
が悪くなるという欠点もある。
【0006】このような事情を考慮し、本発明の第1の
目的は、成形能率を損なわずに十分な減圧脱水を行うこ
とができるようにすることであり、更に、本発明の第2
の目的は、成形物の取り出し・移送工程における成形物
の傷付きを防止できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の請求項1の窯業系建築板の製造方法
は、スラリー化された成形材料を下型のキャビティに注
入し、減圧脱水しつつ上型を下降させて窯業系建築板を
プレス成形する方法であって、複数の下型をスライド移
動可能に設けると共に、各下型の下部に、前記キャビテ
ィ内の成形材料を減圧脱水する減圧脱水装置を設け、前
記各下型のキャビティ内にフィルタパッドを敷いた状態
で成形材料を注入して、前記減圧脱水装置により前記フ
ィルタパッド上の成形材料を予備脱水し、予備脱水を終
了した下型を順次プレス成形位置へスライドさせると共
に、当該プレス成形位置で下型のキャビティ内の成形材
料を前記減圧脱水装置により引き続き減圧脱水しつつ前
記上型を下降させてプレス成形するものである。
【0008】更に、請求項2では、前記複数の下型にロ
ーラを設けると共に、このローラに対応してガイドレー
ルを昇降可能に設け、予備脱水を終了した下型をプレス
成形位置へスライドさせる際に、前記ガイドレールを上
昇させて前記ローラを前記ガイドレールに乗せて持ち上
げることで、前記下型を架台から浮かせた状態にし、こ
の状態で、前記下型を前記ガイドレールに沿って前記プ
レス成形位置へスライドさせ、プレス成形時に、前記ガ
イドレールを下降させて前記下型をプレス台板に載置し
た状態に戻してプレス成形する。
【0009】また、請求項3では、前記上型の下面全周
に、空気吸入及びシール兼用のU溝状ゴム部材をその溝
開口を内側に向けて取り付けると共に、このU溝状ゴム
部材の上面部に形成された空気吸入口を、前記上型に形
成された貫通孔を通して外部の空気吸入装置に連通さ
せ、プレス成形時に、前記空気吸入装置により前記U溝
状ゴム部材の溝を通して前記キャビティ内の上部の空気
を吸入しながらプレス成形し、プレス成形が進むに従っ
て、前記U溝状ゴム部材の下面部が押しつぶされて前記
空気吸入口が前記U溝状ゴム部材の下面部で閉塞された
状態になるようにしたものである。
【0010】また、第2の目的を達成するために、請求
項4では、前記キャビティからプレス成形物を取り出す
際に、前記プレス成形物を前記フィルタパッドと共に前
記上型に空気吸引力により吸着して取り出して、フィル
タパッド分離工程へ移送し、このフィルタパッド分離工
程で、前記プレス成形物の上面に軟質スポンジ製の湾曲
形状の吸着パッドを宛がって空気吸引力により吸着する
ことで、前記プレス成形物を前記吸着パッドの湾曲形状
に沿って一時的に変形させて、前記プレス成形物を前記
フィルタパッドから分離するものである。
【0011】
【作用】本発明の請求項1によれば、複数の下型のキャ
ビティ内にフィルタパッドを敷いた状態で成形材料を注
入して、減圧脱水装置によりフィルタパッド上の成形材
料を予備脱水し、予備脱水を終了した下型を順次プレス
成形位置へスライドさせると共に、当該プレス成形位置
で下型のキャビティ内の成形材料を減圧脱水装置により
引き続き減圧脱水しつつ上型を下降させてプレス成形す
る。従って、窯業系建築板の成形に用いる成形材料の濾
過抵抗が大きいという事情があっても、プレス成形と並
行して、他の下型で予備脱水を減圧脱水装置により行う
ことで、成形能率を損なわずに成形材料を十分に減圧脱
水することができる。
【0012】しかも、各下型のキャビティ内にフィルタ
パッドを敷いた状態で成形材料を注入し、このフィルタ
パッド上で成形材料の減圧脱水・プレス成形を行うた
め、減圧脱水装置の上面に成形材料を載せる濾布を張る
必要が無く、従来の面倒な濾布の張替え作業が不要とな
る。本発明で濾布の役割を果たすフィルタパッドは、キ
ャビティ内に敷くだけで良く、成形能率を損なうことが
ない。
【0013】また、請求項2では、予備脱水を終了した
下型をプレス成形位置へスライドさせる際に、ガイドレ
ールを上昇させて、下型のローラをガイドレールに乗せ
て持ち上げることで、下型を架台から浮かせた状態にす
る。この状態では、下型のローラをガイドレールに沿っ
て転動させることで、簡単に下型をプレス成形位置へス
ライドさせることができる。プレス成形時には、ガイド
レールを下降させて下型をプレス台板に載置した状態に
戻してプレス成形する。これにより、プレス圧力をプレ
ス台板で受け支えることができる。
【0014】一方、請求項3では、前記上型の下面全周
に、空気吸入及びシール兼用のU溝状ゴム部材をその溝
開口を内側に向けて取り付けると共に、このU溝状ゴム
部材の上面部に形成された空気吸入口を、前記上型に形
成された貫通孔を通して外部の空気吸入装置に連通さ
せ、プレス成形時に、前記空気吸入装置により前記U溝
状ゴム部材の溝を通して前記キャビティ内の上部の空気
を吸入しながらプレス成形する。これにより、キャビテ
ィ内の上部の余分な水分が空気と一緒に吸い出されて、
キャビティ内の上部側からも減圧脱水が行われ、脱水率
が高められる。
【0015】この際、プレス成形が進むに従って、U溝
状ゴム部材の下面部が押しつぶされて空気吸入口がU溝
状ゴム部材の下面部で閉塞された状態になり、空気の吸
入が自動的に停止される。これにより、キャビティ内の
上部の成形材料を吸い出してしまうことを防止できると
共に、プレス成形終了後には、プレス成形物をフィルタ
パッドと共に上型に空気吸引力により吸着して取り出す
ことができる。
【0016】また、請求項4では、キャビティからプレ
ス成形物を取り出す際に、前記プレス成形物を前記フィ
ルタパッドと共に前記上型に空気吸引力により吸着して
取り出して、フィルタパッド分離工程へ移送する。この
移送は、プレス成形物の下面にフィルタパッドを付けた
ままの状態で行うため、プレス成形物の下面がフィルタ
パッドで保護され、傷が付くことがない。そして、フィ
ルタパッド分離工程でプレス成形物の上面に軟質スポン
ジ製の湾曲形状の吸着パッドを宛がって空気吸引力によ
り吸着することで、プレス成形物を吸着パッドの湾曲形
状に沿って一時的に変形させて、プレス成形物を前記フ
ィルタパッドから分離する。この際、プレス成形物の上
面に宛がう吸着パッドは、軟質スポンジで形成されてい
るので、プレス成形物の上面に傷を付けることなく、プ
レス成形物をフィルタパッドから分離することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。まず、成形装置全体の構成を説明する。プレス
本体ベース11には、上型12を上下動させるための一
対のプレスシリンダ13が取り付けられている。上型1
2は、プレスシリンダ13のロッド14に固定された型
ホルダ15に装着されている。
【0018】一方、基礎16上には、上型12の下方を
通過するように架台17が設置され、この架台17上に
例えば2個の下型18が載置されている。各下型18
は、左右の鏡板19と前後の側板20(図2及び図3参
照)によってキャビティ21を構成している。下型18
の側板20は、図2及び図3に示すように、側板押え金
型40によって押え付けられ、側板押え金型40は、押
え金型用シリンダ41によって型締め・型開きの動作を
行うようになっている。
【0019】各下型18の底部には、図3に示すよう
に、空気を吸い出すためのサクションボックス22(減
圧脱水装置)が設けられている。このサクションボック
ス22の上面部には多数の通水孔24が形成され、この
通水孔24を通してキャビティ21内の成形材料25が
減圧脱水される。サクションボックス22の側面上部に
は吸気口26が形成され、この吸気口26にエアホース
27を介して外部の真空ポンプ(図示せず)に接続され
ている。また、サクションボックス22の他方の側面の
下端部には排水口28が形成され、この排水口28に排
水ホース29を介して外部の排水ポンプ(図示せず)に
接続されている。
【0020】上記サクションボックス22の上面(つま
りキャビティ21の底面)には、成形材料25を濾過す
るためのフィルタパッド30が敷かれている。このフィ
ルタパッド30は、金属又はプラスチック製の網目状芯
材31に濾布又はキャンバス製のフィルタ材32を巻き
付けるように装着したものである(図4参照)。
【0021】次に、下型18を架台17に沿ってスライ
ドさせるための構成を説明する。図1及び図3に示すよ
うに、架台17には、2本のガイドレール33がそれぞ
れ複数のカム34により上下動可能に設けられている。
各カム34は、レール上下動作用シリンダ36によって
駆動される。ガイドレール33に対応して、各下型18
の両側面下部にはローラ37が回転自在に設けられ、ガ
イドレール33を上昇させたときに、下型18のローラ
37をガイドレール33に乗せて持ち上げることで、下
型18を架台17(又はプレス台板57)から浮かせた
状態にして、下型18をガイドレール33に沿って自由
にスライドさせることができる状態にする。この状態
で、下型スライド用シリンダ38により下型18を押し
て(又は引っ張って)、予備脱水位置(I)又は(III)
とプレス成形位置(II)との間をスライドさせる。
【0022】一方、上型12の下面には、図5及び図6
に示すように、プレス成形用の凹凸模様柄が形成されて
いる。この上型12の下面全周には、空気吸入及びシー
ル兼用のU溝状ゴム部材43がその溝開口を内側に向け
て取り付けられている。このU溝状ゴム部材43の上面
部の4隅部と長辺中央に形成された空気吸入口44が上
型12に形成された貫通孔45とエアホース46(図1
参照)を介して外部の空気吸入装置(図示せず)に接続
され、プレス成形時に、U溝状ゴム部材43の溝を通し
てキャビティ21内の上部の空気を吸入しながらプレス
成形するようになっている。
【0023】プレス成形終了後は、プレス成形物50を
フィルタパッド30と共に上型12に空気吸引力により
吸着してキャビティ21から取り出して、図8(a)に
示すようにコンベア51に乗せてフィルタパッド分離工
程へ移送する。このフィルタパッド分離工程で、プレス
成形物50をフィルタパッド30から分離するフィルタ
パッド分離装置52は、次のような構成となっている。
【0024】即ち、図8(b)に示すように、上下動可
能に設けられたサクションボックス53がエアホース5
4を介して高圧ブロワー(図示せず)に接続されてい
る。一方、サクションボックス53の下面には軟質スポ
ンジ製の湾曲形状の吸着パッド55が接着等により取り
付けられ、サクションボックス53の下面全体に形成さ
れた多数の吸入孔を通して吸着パッド55の下面に吸込
み圧力を作用させ、この吸込み圧力により、図8(c)
に示すようにプレス成形物50を湾曲変形させてフィル
タパッド30から分離するようになっている。分離後
は、エアホース54をバルブ(図示せず)の切替えによ
り高圧ブロワーから圧縮空気源に切り替え、吸着パッド
55へ圧縮空気を送って、吸着を解除する。
【0025】以上のように構成した成形装置を用いて窯
業系建築板を製造する工程を説明する。全工程の概要は
図9に図示されている。図1において、(I)と(III)
の位置が予備脱水位置であり、(II)の位置がプレス成
形位置である。予備脱水位置(I)で予備脱水が終了し
た下型18は、プレス成形位置(II)へスライドされ、
これに伴って、プレス成形位置(II)の下型18が予備
脱水位置(III)へ押し出される。プレス成形を1回行う
ごとに、スライド方向を前回とは反対にして、下型18
をスライドして、プレス成形を連続的に行う。
【0026】予備脱水位置(I)又は(III)では、所定
量の成形材料25が材料供給装置(図示せず)からキャ
ビティ21内に投入される。この際、予めキャビティ2
1の底面にフィルタパッド30が敷かれ、このフィルタ
パッド30上に成形材料25が落下する。尚、成形材料
25は、セメント等の無機水硬性微粒子材料にパルプ,
有機合成繊維等の繊維質材料と水を混合してスラリー化
したものである。
【0027】キャビティ21内への成形材料25の投入
後、キャビティ21の下部のサクションボックス22内
を空気を真空ポンプ(図示せず)で吸い出すことによっ
て、サクションボックス22内を減圧し、成形材料25
の水分をフィルタパッド30を通して通水孔24からサ
クションボックス22内に吸い出す。吸い出された水
は、排水口28からサクションボックス22の外部へ排
出される。
【0028】このようにして予備脱水位置(I)又は
(III)で、キャビティ21内の成形材料25を予備脱水
している間に、プレス成形位置(II)で、下型18を下
降させてプレス成形を実行する。このプレス成形位置
(II)でも、引き続き減圧脱水し、脱水率を高める。更
に、このプレス成形時に、下型18下面のU溝状ゴム部
材43の溝を通してキャビティ21内の上部の空気を吸
入しながらプレス成形する。これにより、キャビティ2
1内の上部の余分な水分が空気と一緒に吸い出されて、
キャビティ21内の上部側からも減圧脱水が行われ、脱
水率が効果的に高められる。
【0029】この際、プレス成形が進んでキャビティ2
1内の上部の空気の吸入が進むに従って、プレス圧力と
キャビティ21内の圧力低下によりU溝状ゴム部材43
の下面部が押しつぶされて空気吸入口44がU溝状ゴム
部材43の下面部で閉塞された状態になり、空気の吸入
が自動的に停止される。これにより、キャビティ21内
の上部の成形材料25を吸い出してしまうことを防止す
る。プレス成形終了後には、プレス成形物50をフィル
タパッド30と共に上型12に空気吸引力により吸着し
て取り出し、コンベア51に乗せてフィルタパッド分離
工程へ移送する。この移送は、プレス成形物50の下面
にフィルタパッド30を付けたままの状態で行うため、
プレス成形物50の下面がフィルタパッド30で保護さ
れ、傷が付くことがない。
【0030】一方、プレス成形物50がフィルタパッド
30と共に上型12に吸着されて取り出されると、予備
脱水位置(I)又は(III)で予備脱水が終了した下型1
8がプレス成形位置(II)へ次のようにしてスライドさ
れる。まず、レール上下動作用シリンダ36によってカ
ム34を駆動してガイドレール33を上昇させる。これ
により、下型18のローラ37をガイドレール33に乗
せて持ち上げて、下型18を架台17から浮かせ、下型
18をガイドレール33に沿って自由にスライドできる
状態にする。この状態で、下型スライド用シリンダ38
により下型18を押して(又は引っ張って)、予備脱水
位置(I)又は(III)の下型18をプレス成形位置(I
I)へスライドさせ、これに連動して、プレス成形位置
(II)の下型18を予備脱水位置(III)又は(I)へス
ライドさせる。
【0031】このスライドが完了すると、カム34を元
の位置へ戻してガイドレール33を下降させ、予備脱水
位置(I)又は(III)の下型18を架台17に載置する
と共に、プレス成形位置(II)の下型18をプレス台板
57上に載置して、プレス圧力をプレス台板57で受け
支えるようにする。この後は、上述した予備脱水とプレ
ス成形とを並行して行うことで、予備脱水しながらプレ
ス成形を連続して行う。従って、窯業系建築板の成形に
用いる成形材料25の濾過抵抗が大きいという事情があ
っても、プレス成形中に、他の下型18で予備脱水を行
うことで、成形能率を損なわずに成形材料25を十分に
減圧脱水することができる。
【0032】しかも、各下型18のキャビティ21内に
フィルタパッド30を敷いた状態で成形材料25を注入
し、このフィルタパッド30上で成形材料25の減圧脱
水・プレス成形を行うため、従来のように減圧脱水装置
の上面に成形材料を載せる濾布を張る必要が無く、従来
の面倒な濾布の張替え作業が不要となる。この実施例
で、濾布の役割を果たすフィルタパッド30は、キャビ
ティ21内に敷くだけで良く、成形能率を損なうことが
ない。
【0033】一方、フィルタパッド分離工程では、図8
に示すように、プレス成形物50の上面に軟質スポンジ
製の湾曲形状の吸着パッド55を宛がって高圧ブロワー
の空気吸引力により吸着することで、プレス成形物50
を吸着パッド55の湾曲形状に沿って一時的に変形させ
て、プレス成形物50をフィルタパッド30から分離す
る。この際、プレス成形物50の上面に宛がう吸着パッ
ド55は、軟質スポンジで形成されているので、プレス
成形物50の上面に傷を付けることなく、プレス成形物
50をフィルタパッド30から分離することができる。
【0034】このようにしてフィルタパッド30から分
離されたプレス成形物50は、図9に示すように硬化・
養生工程、乾燥・切断工程、塗装工程を経て製品とな
る。一方、フィルタパッド30は、洗浄装置を経由する
か又は経由しないでプレス成形工程へ返送され、予備脱
水位置(I)又は(III)の下型18内に敷き込まれる。
【0035】尚、上記実施例では、2個の下型18を用
いて予備脱水とプレス成形とを並行して行うようにした
が、3個以上の下型18を用いて、複数の下型18で予
備脱水を行いながら他の1個の下型18を用いてプレス
成形するようにしても良く、下型18の数が多くなれ
ば、予備脱水時間も長く取ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の窯業系建築板の製造方法によれば、複数の
下型のキャビティ内にフィルタパッドを敷いた状態で成
形材料を注入して、フィルタパッド上の成形材料を予備
脱水し、予備脱水を終了した下型を順次プレス成形位置
へスライドさせてプレス成形するようにしたので、窯業
系建築板の成形に用いる成形材料の濾過抵抗が大きいと
いう事情があっても、プレス成形と並行して、他の下型
で予備脱水を行うことで、成形能率を損なわずに成形材
料を十分に減圧脱水することができる。これにより、上
型の周囲から水分の多い成形材料が漏れ出すことを防止
することができて、歩留を良くすることができる。しか
も、各下型のキャビティ内に敷いたフィルタパッド上で
成形材料の減圧脱水・プレス成形を行うため、従来のよ
うに減圧脱水装置の上面に成形材料を載せる濾布を張る
必要が全く無く、従来の面倒な濾布の張替え作業が不要
となる。
【0037】また、請求項2では、予備脱水を終了した
下型をプレス成形位置へスライドさせる際に、ガイドレ
ールを上昇させて、下型のローラをガイドレールに乗せ
て持ち上げることで、下型を架台から浮かせた状態にす
るようにしたので、簡単に下型をプレス成形位置へスラ
イドさせることができる。しかも、プレス成形時にはガ
イドレールを下降させて下型をプレス台板に載置した状
態に戻してプレス成形するので、プレス圧力をプレス台
板で受け支えることができ、安定したプレス成形が可能
である。
【0038】一方、請求項3では、上型の下面全周に、
空気吸入及びシール兼用のU溝状ゴム部材をその溝開口
を内側に向けて取り付け、プレス成形時に、U溝状ゴム
部材の溝を通してキャビティ内の上部の空気を吸入しな
がらプレス成形するようにしたので、キャビティ内の上
部の余分な水分を空気と一緒に吸い出すことができて、
キャビティ内の上部側からも減圧脱水を行うことがで
き、脱水率を一層高めることができる。しかも、プレス
成形が進むに従って、U溝状ゴム部材の下面部が押しつ
ぶされて空気吸入口がU溝状ゴム部材の下面部で閉塞さ
れた状態になるので、キャビティ内の上部の成形材料を
吸い出してしまうことを防止できると共に、プレス成形
終了後には、プレス成形物をフィルタパッドと共に上型
に吸着して取り出すことができる。
【0039】また、請求項4では、キャビティからプレ
ス成形物を取り出してフィルタパッド分離工程へ移送す
る作業を、プレス成形物の下面にフィルタパッドを付け
たままの状態で行うため、プレス成形物の下面をフィル
タパッドで保護することができて、プレス成形物の傷付
きを防ぐことができる。そして、フィルタパッド分離工
程でプレス成形物の上面に軟質スポンジ製の湾曲形状の
吸着パッドを宛がって空気吸引力により吸着すること
で、プレス成形物を吸着パッドの湾曲形状に沿って一時
的に変形させて、プレス成形物をフィルタパッドから分
離するので、フィルタパッドの分離作業を自動化できる
と共に、軟質スポンジ製の吸着パッドによりプレス成形
物の上面に傷を付けることなく、プレス成形物をフィル
タパッドから分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す成形装置の正面図
【図2】成形装置の平面図
【図3】図1のA−A線に沿って示す拡大断面図
【図4】フィルタパッドの斜視図
【図5】上型の斜視図
【図6】(a)は図5のB−B断面図、(b)は図5の
C−C断面図
【図7】(a)はU溝状ゴム部材の空気吸入口部分の拡
大断面図、(b)はU溝状ゴム部材の他の部分の拡大断
面図
【図8】フィルタパッド分離工程を説明する工程図で、
(a)は分離前の状態を示す図、(b)は吸着パッドを
プレス成形物の上面に宛がったときの状態を示す図、
(c)は吸着パッドにプレス成形物を吸着してフィルタ
パッドから分離したときの状態を示す図
【図9】窯業系建築板の製造工程を示す工程図
【符号の説明】
12…上型、17…架台、18…下型、21…キャビテ
ィ、22…サクションボックス(減圧脱水装置)、24
…通水孔、25…成形材料、26…吸気口、28…排水
口、30…フィルタパッド、33…ガイドレール、34
…カム、36…レール上下動作用シリンダ、37…ロー
ラ、38…下型スライド用シリンダ、43…U溝状ゴム
部材、44…空気吸入口、45…貫通孔、50…プレス
成形物、51…コンベア、52…フィルタパッド分離装
置、53…サクションボックス、55…吸着パッド、5
7…プレス台板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラリー化された成形材料を下型のキャ
    ビティに注入し、減圧脱水しつつ上型を下降させて窯業
    系建築板をプレス成形する方法であって、 複数の下型をスライド移動可能に設けると共に、各下型
    の下部に、前記キャビティ内の成形材料を減圧脱水する
    減圧脱水装置を設け、 前記各下型のキャビティ内にフィルタパッドを敷いた状
    態で成形材料を注入して、前記減圧脱水装置により前記
    フィルタパッド上の成形材料を予備脱水し、 予備脱水を終了した下型を順次プレス成形位置へスライ
    ドさせると共に、当該プレス成形位置で下型のキャビテ
    ィ内の成形材料を前記減圧脱水装置により引き続き減圧
    脱水しつつ前記上型を下降させてプレス成形することを
    特徴とする窯業系建築板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の下型にローラを設けると共
    に、このローラに対応してガイドレールを昇降可能に設
    け、 予備脱水を終了した下型をプレス成形位置へスライドさ
    せる際に、前記ガイドレールを上昇させて前記ローラを
    前記ガイドレールに乗せて持ち上げることで、前記下型
    を架台から浮かせた状態にし、この状態で、前記下型を
    前記ガイドレールに沿って前記プレス成形位置へスライ
    ドさせ、 プレス成形時に、前記ガイドレールを下降させて前記下
    型をプレス台板に載置した状態に戻してプレス成形する
    ことを特徴とする請求項1に記載の窯業系建築板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記上型の下面全周に、空気吸入及びシ
    ール兼用のU溝状ゴム部材をその溝開口を内側に向けて
    取り付けると共に、このU溝状ゴム部材の上面部に形成
    された空気吸入口を、前記上型に形成された貫通孔を通
    して外部の空気吸入装置に連通させ、 プレス成形時に、前記空気吸入装置により前記U溝状ゴ
    ム部材の溝を通して前記キャビティ内の上部の空気を吸
    入しながらプレス成形し、 プレス成形が進むに従って、前記U溝状ゴム部材の下面
    部が押しつぶされて前記空気吸入口が前記U溝状ゴム部
    材の下面部で閉塞された状態になることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の窯業系建築板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記キャビティからプレス成形物を取り
    出す際に、前記プレス成形物を前記フィルタパッドと共
    に前記上型に空気吸引力により吸着して取り出して、フ
    ィルタパッド分離工程へ移送し、 このフィルタパッド分離工程で、前記プレス成形物の上
    面に軟質スポンジ製の湾曲形状の吸着パッドを宛がって
    空気吸引力により吸着することで、前記プレス成形物を
    前記吸着パッドの湾曲形状に沿って一時的に変形させ
    て、前記プレス成形物を前記フィルタパッドから分離す
    ることを特徴とする請求項3に記載の窯業系建築板の製
    造方法。
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