JPH0812927A - 熱硬化性塗料組成物 - Google Patents

熱硬化性塗料組成物

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JPH0812927A
JPH0812927A JP6145856A JP14585694A JPH0812927A JP H0812927 A JPH0812927 A JP H0812927A JP 6145856 A JP6145856 A JP 6145856A JP 14585694 A JP14585694 A JP 14585694A JP H0812927 A JPH0812927 A JP H0812927A
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JP
Japan
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curing agent
isocyanate
weight
tmxdi
coating film
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Application number
JP6145856A
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Inventor
Yoshihiro Kimura
嘉宏 木村
Satoshi Owada
聡 大和田
Minoru Nagai
実 永井
Yoshinori Narita
義則 成田
Masataka Muramatsu
正隆 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温硬化性を向上すると共に、良好な外観
性、耐候性を有し、しかも耐酸性雨性に優れた塗膜を得
る。 【構成】 水酸基含有アクリル樹脂と、イソシアネート
成分としてm−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト(m−TMXDI)を含むブロックイソシアネートと
を必須成分とする。このm−TMXDIは、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)等と他のイソシアネート
化合物と合わせて用いることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性塗料組成物に関
するものであり、特に、耐酸性雨性等に優れ、自動車の
上塗り塗料等として好適な熱硬化性塗料組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の上塗り塗膜は、耐候性等だけ
でなく、光沢等の仕上り外観性が特に優れていることが
要求される。このため、この種の上塗り塗料には、従来
から一般に、水酸基を含有するアクリル樹脂をベースと
した熱硬化性塗料が用いられている。
【0003】ところが、近年、森林が枯れるなど、酸性
雨による被害が社会的にも深刻な問題となっており、外
部環境に晒される自動車等の上塗り塗膜についても、こ
の酸性雨による劣化が問題となってきている。特に、上
記の水酸基含有樹脂をベースとした熱硬化性塗料の塗膜
は、残存するまたは新たに生成した親水性の水酸基を保
有するため、酸性雨に触れると、シミ、変色等が発生し
たり、更には、塗膜の破壊へと進行する場合がある。
【0004】そこで、最近、例えば特開平2−2428
67号公報にみられるように、そのような水酸基含有ア
クリル樹脂をベースとする塗料に、ブロックイソシアネ
ートを硬化剤として添加した熱硬化性塗料組成物が開発
されている。そして、この熱硬化性塗料組成物によれ
ば、これを焼付硬化した際、解離したイソシアネート化
合物が塗膜中の水酸基と反応することによって、それを
減少または消滅させると共に、高い架橋密度の硬化塗膜
を形成する。このため、形成された塗膜は耐酸性雨性、
耐水性に優れると共に、耐擦傷性にも優れている。
【0005】なお、このような水酸基含有アクリル樹脂
をベースとし、ブロックイソシアネートを硬化剤として
添加した耐酸性雨性等に優れた熱硬化性塗料組成物に関
しては、その他にも、特開平2−145666号公報、
特開平3−172638号公報、特開平4−13016
8号公報、特開平4−170482号公報、特開平4−
246483号公報、特開平4−246483号公報、
特開平5−25431号公報、特開平5−202335
号公報、特開平5−295322号公報、等において開
示されている。
【0006】そして、前掲の特開平2−242867号
公報を含めてこれらの公報に記載のものでは、ブロック
イソシアネートのイソシアネート成分として、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(水添M
DI)等の環状脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族系
イソシアネートが使用されており、この芳香族系イソシ
アネートとして具体的に挙げられているのは、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,
4−または2,6−トリレンジイソシアネート、m−ま
たはp−キシリレンジイソシアネート、m−またはp−
フェニレンジイソシアネートである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、前記の
公報等で開示されている水酸基含有アクリル樹脂と、硬
化剤としてのブロックイソシアネートとを必須成分とし
て含有する熱硬化性塗料組成物は、解離したイソシアネ
ートが樹脂中の水酸基と反応することにより、耐酸性雨
性、その他に非常に優れた塗膜を形成することができる
ものであった。
【0008】しかしながら、それらにおいて使用されて
いるブロックイソシアネートは、いずれも解離温度が比
較的高いものである。そのために、それら従来の熱硬化
性塗料組成物は比較的高い温度条件での焼付処理が必要
であり、例えば、120℃×30分のような生産性向上
等のために一般に採用されている比較的低温度短時間の
焼付条件では、硬化不足となる傾向にあり、塗膜の耐酸
性雨性等を十分に確保することができなかった。
【0009】そこで、本発明は、塗膜形成時の焼付温度
が比較的低温度でも十分に硬化することができ、また、
耐酸性雨性等を十分に確保できる熱硬化性塗料組成物の
提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、主に硬化
剤としてのブロックイソシアネートに着目して検討を重
ねた結果、そのイソシアネート成分の少なくとも一部と
してm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを用
いることによって、上記の課題が効果的に解決できるこ
とを見出した。
【0011】即ち、本発明にかかる熱硬化性塗料組成物
は、水酸基含有アクリル樹脂と、イソシアネート成分と
してm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m
−TMXDI)を含むブロックイソシアネートとを必須
成分とするものである。
【0012】以下、本発明にかかる熱硬化性塗料組成物
について、更に詳細に説明する。
【0013】本発明において、水酸基含有アクリル樹脂
は1分子中に水酸基を2個以上含有するもので、アクリ
ル系単量体を必須成分として、一般に水酸基含有ビニル
単量体とその他のビニル単量体との共重合によって得る
ことができる。
【0014】水酸基含有ビニル単量体としては、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸・メタク
リル酸の炭素数2〜24のヒドロキシアルキルエステル
類、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロ−ルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミ
ド、N−ジヒドロキシエチルメタクリルアミド等のアク
リル酸・メタクリル酸の炭素数1〜12のヒドロキシア
ルキドアミド類、等が挙げられる。そして、これらの水
酸基含有ビニル単量体は、それぞれ単独で、または適宜
組合わせて使用することができる。
【0015】その他のビニル単量体としては、メチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、2−エチルブチルアクリレート等のアクリル酸
の炭素数1〜24のアルキルエステル類、メチルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシ
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のメタ
クリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル類、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカル
ボキシル基含有ビニル単量体、グリシジルメタクリレー
ト等のグリシジル基含有ビニル単量体、スチレン、ビニ
ルトルエン、等が挙げられる。これらのビニル単量体に
ついても、それぞれ単独で、または2種以上を適宜組合
わせて使用することができる。
【0016】そして、これらの単量体から得られた水酸
基含有アクリル樹脂は、その数平均分子量が1000〜
15000、水酸基価が50〜200、酸価が5〜50
程度であることが一般に好ましい。
【0017】次に、本発明において硬化剤として使用さ
れるブロックイソシアネートは、m−テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート(m−TMXDI)をイソシア
ネート成分の少なくとも一部として含むものである。こ
のm−TMXDIは解離作用に優れ、このため、これを
イソシアネート成分として含むブロックイソシアネート
を使用することによって、熱硬化性塗料組成物の低温硬
化性を向上することができる。そして、このm−TMX
DIは、そのような低温硬化性を十分に向上するため
に、イソシアネート成分の全体に対して、実用上一般に
10重量%以上の割合で使用することができ、より好ま
しくは、20重量%以上の割合で使用することができ
る。
【0018】したがって、このm−TMXDIは、ブロ
ックイソシアネートのイソシアネート成分として単独で
使用することもできるが、他の任意のイソシアネート化
合物の1種または2種以上と合わせて使用することもで
きる。そのようなイソシアネート化合物としては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート類、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、2,4−または2,6−トリレン
ジイソシアネート(TDI)、m−またはp−キシリレ
ンジイソシアネート、m−またはp−フェニレンジイソ
シアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート類、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)、水添MDI、水添TDI等の環状脂肪族ジイソ
シアネート類、等を挙げることができる。しかし、m−
TMXDIは焼付硬化時の非黄変性に若干劣る傾向があ
るため、m−TMXDIと合わせて使用するイソシアネ
ート化合物は、それらの中でも非黄変性が優れているI
PDI、水添MDI、水添TDI等の環状脂肪族ジイソ
シアネート類、MDI、TDI、m−またはp−キシリ
レンジイソシアネート、m−またはp−フェニレンジイ
ソシアネート等が好ましく、最も好ましいのはIPDI
である。そしてこの場合、非黄変性を十分なものとする
ためには、そのIPDI等は30重量%以上の割合で使
用されることが好ましく、したがって、m−TMXDI
とIPDI等との割合は、前者10〜70重量%に対し
て後者30〜90重量%が好ましい。これによって、組
成物の低温硬化性を十分に向上することができると共
に、焼付硬化時の非黄変性も十分なものとすることがで
きる。
【0019】本発明において、このm−TMXDI、ま
たこれに合わせて使用されるイソシアネート化合物は、
それ自体としても、或いは、ビューレット体またはイソ
シアヌレート体としても使用でき、更には、多価アルコ
ール等とのアダクト体としても使用することができる。
そして、これらのイソシアネート化合物は、その遊離の
イソシアネート基をブロック剤によって部分的にまたは
完全にブロックしたブロックイソシアネートとして使用
される。ここで、ブロック剤としてはメチルエチルケト
ンオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサンオキシ
ム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム
等のオキシム類、アルコール類、フェノール類、ラクタ
ム類、等が挙げられる。そして、このようにブロック剤
でブロックしたm−TMXDIを含むブロックイソシア
ネートは、硬化剤として従来と同様に水酸基含有アクリ
ル樹脂に対して一般にその25〜120重量%の割合
で、またはイソシアネート基と水酸基との当量比で一般
に0.5〜2.0の割合で、好ましくは0.8〜1.2
の割合で使用することができる。
【0020】なお、本発明では硬化剤として以上のよう
なブロックイソシアネートを必須成分とするが、硬化剤
としては、前掲の公報に開示されているように、アルキ
ルエーテル化メラミン樹脂等のアミノ樹脂を合わせて用
いることもできる。また、ブロックイソシアネートの硬
化剤として作用を促進するために硬化触媒を用いること
もでき、また望ましいことでもある。そして、そのよう
な硬化触媒としては任意のものを使用できるが、有機錫
とカルボン酸との塩である有機錫系化合物を用いること
が特に好ましい。ここで、有機錫としてはメチル、ブチ
ル、オクチル等のアルキル錫が好ましく、更にはジアル
キル錫が好ましい。また、カルボン酸としてはラウリン
酸等の脂肪族モノカルボン酸、マレイン酸、フタル酸、
等が好ましい。そこで、特に好ましい有機錫系化合物と
しては、例えば、ジ−n−ブチル錫ジラウリレート等が
挙げられる。
【0021】また、本発明の熱硬化性塗料組成物におい
て、溶剤としては、従来と同様の任意のものを使用する
ことができる。例えば、ブタノール、プロパノール等の
アルコール系溶剤、エチレングリコールモノブチルエー
テル等のエーテル系溶剤、ソルベッソ100等の炭化水
素系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチ
ルケトン等のケトン系溶剤、キシレン、トルエン等の芳
香族系溶剤、等である。これらの溶剤は、それぞれ単独
で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0022】更に、本発明の熱硬化性塗料組成物には、
その具体的用途等に応じて、有機系顔料或いは無機系顔
料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を適宜配合することが
できる。
【0023】有機系顔料としてはアゾ系、フタロシアニ
ン系等の顔料または染料を挙げることができ、また、無
機系顔料としては一般の着色顔料、体質顔料と共に、メ
タリック粉末、防錆顔料等が挙げられる。これらの顔料
は、必要に応じて任意に使用することができる。
【0024】紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール
等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、ジフェ
ニルアクリレート等のアクリレート系化合物、p−オク
チル−フェニルサリシレート等のサリシレート系化合
物、2−ヒドロキシ−ナフトフェノン、ニッケル−ビス
オクチルフェニルスルフィド等のその他の化合物が挙げ
られ、これらは1種または2種以上組合わせて使用する
ことができる。
【0025】この紫外線吸収剤は単独で使用することも
できるが、好ましくは、酸化防止剤と合わせて使用する
ことができる。そして、酸化紡糸剤としては、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート等のヒンダードアミン系、フェノール
系、スルフィド系の化合物を挙げることができる。
【0026】また、シリコーンやその他の有機高分子等
の表面調整剤、シリカ粉末等のタレ止め剤、増粘剤等
も、必要に応じて適宜用いることができる。更に、必要
があれば、水酸基を含有するポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂等の他の水酸基含有樹脂、或いは水酸基を含有し
ない樹脂を、ビヒクル成分として水酸基含有アクリル樹
脂に加えて使用することもできる。
【0027】
【作用】本発明においては、ブロックイソシアネートの
イソシアネート成分としてm−テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート(m−TMXDI)が含まれ、このm
−TMXDIが120℃程度の低い温度で解離するため
に、塗膜形成時の焼付温度が比較的低温度でも、十分に
硬化した塗膜を形成することができる。また、塗膜が十
分に硬化することによって、耐酸性雨性等を十分に確保
することができる。
【0028】なお、m−TMXDIの解離作用が優れて
いるのは、そのイソシアネート基がジメチル化された3
級の炭素に結合していることと関連するものと思われ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的に説明する。
【0030】〔クリヤー塗料の調製:実施例1〜4、比
較例1,2〕本発明の熱硬化性塗料組成物を上塗りクリ
ヤー塗料として適用し、図1に示す配合(重量部)で実
施例1〜4のクリヤー塗料を調製した。また、比較のた
めに、比較例1,2のクリヤー塗料を合わせて調製し
た。
【0031】ここで、これらのクリヤー塗料は水酸基含
有アクリル樹脂と、ブロックイソシアネートからなる硬
化剤A,B,Cと、硬化触媒とを配合したもので、この
アクリル樹脂、硬化剤、及び硬化触媒はそれぞれ以下の
組成または成分からなる。
【0032】アクリル樹脂は、スチレン20重量部/n
−ブチルメタアクリレート37重量部/ブチルアクリレ
ート18重量部/ヒドロキシエチルメタクリレート23
重量部/アクリル酸2重量部及びアゾイソブチルニトリ
ル(AIBN)2重量部を、混合溶剤n−ブタノール/
キシレン(3/7)中に120℃で4時間かけて滴下し
反応させた後、AIBN1重量部を5分毎に均等に加え
ながら2時間保持し、更に1時間保持することによって
得たものである。そして、このアクリル樹脂(ワニス)
は、重量平均分子量12000、水酸基価100、酸価
15を有し、また固形分60%である。
【0033】硬化剤Aは、m−テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート(m−TMXDI)のアダクト体を、
ブロック剤としてメチルエチルケトンオキシム(MEK
O)を用いてブロックしたブロックイソシアネートから
なる(武田薬品工業(株)製タケネートXB−77−M
9)。
【0034】また、硬化剤Bは、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)のアダクト体を、ブロック剤として
MEKOを用いてブロックしたブロックイソシアネート
からなる(ダイセルヒュルス社製 VESTANAT
B−1358A)。
【0035】なお、硬化剤Cは、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)を同様にMEKOでブロックした
ブロックイソシアネートである。
【0036】硬化触媒は、ジ−n−ブチル錫ジラウリレ
ートの50%の溶液からなる(三共有機合成(株)製
SCAT−2L)。
【0037】図1のように、実施例1〜4及び比較例
1,2はアクリル樹脂の配合をほぼ一定として、硬化剤
の種類と配合を種々に変えたものである。即ち、実施例
1は硬化剤A(m−TMXDI)のみを使用し、37重
量部配合したものである。また、実施例2〜4では硬化
剤A(m−TMXDI)と硬化剤B(IPDI)とを併
用し、実施例2では硬化剤A:26重量部/硬化剤B:
12重量部、実施例3では硬化剤A:18重量部/硬化
剤B:20重量部、実施例4では硬化剤A:4重量部/
硬化剤B:35重量部、それぞれ割合を変えて配合した
ものである。これらに対して、比較例1は硬化剤B(I
PDI)のみを33重量部配合したものであり、また、
比較例2は硬化剤C(HDI)のみを29重量部配合し
たものである。
【0038】硬化触媒は実施例及び比較例共に、1重量
部配合されている。
【0039】なお、この種の上塗りクリヤー塗料には紫
外線吸収剤と酸化防止剤とを添加することが普通である
が、ここではこれらは配合されていない。これらを配合
する場合には、例えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤であるチヌビン900(チバガイギー社製)、ヒ
ンダードアミン系の酸化防止剤であるチヌビン292
(チバガイギー社製)を使用することができ、それぞれ
0.6重量%程度の割合で配合される。また、表面調整
剤を添加することも好ましく、例えば、シリコーン系の
レベリング剤であるBYK−300(BYK社製)を
0.2重量%程度使用することができる。
【0040】〔塗装板の作成〕上記実施例1〜4及び比
較例1,2のクリヤー塗料を用いて、自動車の外板の塗
装の場合と同様の塗装方法で試験用塗装板を作成した。
【0041】先ず、リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ
0.8mmのダル鋼板上にエポキシ系カチオン電着塗装を
施し、これに中塗り塗料を塗装し、乾燥焼付した後、水
研、脱脂して上塗り塗装の準備を行った。
【0042】そして、この準備された塗装板にメタリッ
クベース塗料を乾燥塗膜の厚さが15μmとなるように
塗布した後、ウェットオンウェットで、実施例1〜4及
び比較例のクリヤー塗料を乾燥塗膜の厚さが30μmと
なるようにそれぞれ塗布し、次いで、セッティング後、
120℃×30分及び140℃×30分の2種類の加熱
条件で塗膜の焼付乾燥を行った。
【0043】なお、前記メタリックベース塗料は次の配
合からなるものである。アクリル樹脂(大日本インキ工
業(株)製、アクリディックA−332)4.5重量
部、メラミン樹脂(大日本インキ工業(株)製、スーパ
ーベッカミンL−117−60)27.3重量部、アル
ミフレーク(東洋アルミ(株)製、アルペースト716
0N)5.7重量部、シンナー{酢酸エステル/トルエ
ン/ソルベッソ100(40/40/20)}62.5
重量部。
【0044】〔塗膜の評価試験〕以上のように形成した
実施例1〜4と比較例1,2のクリヤー塗料の塗膜につ
いて、その光沢、各焼付温度における鉛筆硬度、耐溶剤
性、耐水性、及び焼付黄変性、耐候性、耐酸性をそれぞ
れ試験し、評価を行った。その結果を図1に示す。
【0045】なお、それぞれの試験方法と評価の基準は
以下のとおりである。また、光沢、焼付黄変性、耐候
性、及び耐酸性については、120℃×30分の焼付条
件での塗膜について行った。 光沢:20°で鏡面反射率を測定した。 鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.2に準拠し
て、鉛筆硬度を測定した。 耐溶剤性:キシレン・ラビングテストを行い、キシレン
をしみ込ませたガ−ゼで塗膜の上を10回ラビングし、
塗膜表面を観察して以下の基準で評価した。 ○:異常なし □:僅かに傷がつく △:変色する ×:塗膜が溶解する 耐水性:40℃の温水中に塗装板を240時間浸漬し、
塗膜表面を観察して以下の基準で評価した。 ○:異常なし □:マイクロブリスタが発生する △:ブリスタが発生する、或いは変色する ×:白化する 焼付黄変性:焼付後の塗膜表面を観察して以下の基準で
評価した。 ○:異常なし □:僅かな変色が認められる △:黄変が認められる ×:かなりの黄変が認められる 耐候性:SWOMを使用して2000時間の促進耐候性
試験を行い、塗膜表面を観察して以下の基準で評価し
た。 ○:異常なし ×:クラック、或いは著しい変色、光沢低下が生じる 耐酸性:塗膜上に40%硫酸水溶液を0.5mlスポッ
ト状に滴下し、50℃で30分間放置した後、水洗し、
塗膜表面を観察して以下の基準で評価した。 ○:異常なし □:変色等はないが、スポット部分に僅かな凹みが生じ
る。
【0046】〔試験結果と考察〕図1の試験結果に示さ
れるように、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート(m−TMXDI)をイソシアネート成分とする硬
化剤Aを少なくとも一部使用した実施例1〜4の塗膜
は、十分な光沢を持ち、優れた外観性を有すると共に、
耐候性にも優れたものである。また、耐酸性、即ち耐酸
性雨性に関しても、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)をイソシアネート成分とする硬化剤B、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)をイソシアネート成
分とする硬化剤Cをそれぞれ使用した従来技術に相当す
る比較例1,2と対比しても、十分に優れている。
【0047】しかし、実施例1〜4の効果は、特にその
低温硬化性に現れている。即ち、塗膜の硬化性に関する
鉛筆硬度、耐溶剤性、及び耐水性において、比較例1は
140℃の焼付条件では硬化性がほぼ十分であるが、1
20℃の焼付条件では特に耐溶剤性と耐水性が不十分で
あり、また、比較例2は140℃の焼付条件でも特に耐
溶剤性が不十分である。これに対して、実施例1〜4
は、硬化剤Aの配合が比較的少ない実施例4では僅かに
不十分な傾向が見られるものの、120℃の焼付条件で
良好な結果を示している。そしてこの結果から、硬化剤
としてm−TMXDIをイソシアネート成分とするブロ
ックイソシアネートを使用することによって、低温硬化
性が向上されることが分かる。
【0048】ただ、硬化剤Aのみを使用した実施例1、
及び硬化剤Aを比較的多い割合で使用した実施例2に
は、焼付黄変性の傾向が見られる。しかし、この焼付時
の黄変性は、実施例3のように、非黄変性に優れた硬化
剤Bを比較的多く混合して用いることによって解消でき
ることが分かる。このため、焼付時の黄変性が特に問題
となるクリヤー塗料の場合には、実施例3のような配合
が好ましい。
【0049】以上、本発明の熱硬化性塗料組成物を特に
自動車の上塗りクリヤー塗料として適用した実施例につ
いて説明したが、本発明の熱硬化性塗料組成物はこの用
途に限定されるものではなく、例えば、着色塗料として
各種物品の塗装に用いることもできる。また、本発明の
熱硬化性塗料組成物は風雨に晒される自動車や屋外建造
物等の上塗り塗料として特に好適なものであるが、中塗
り塗料または下塗り塗料としても適用することができ、
更には、必要に応じて、屋内物品用の塗料としても適用
することができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる熱硬化性
塗料組成物は、水酸基含有アクリル樹脂と、イソシアネ
ート成分としてm−テトラメチルキシリレンジイソシア
ネート(m−TMXDI)を含むブロックイソシアネー
トとを必須成分とするものである。
【0051】したがって、硬化剤としてのブロックイソ
シアネートのイソシアネート成分の少なくとも一部にm
−TMXDIを用いたので、低温硬化性を向上すること
ができ、例えば、120℃程度の焼付温度によって、耐
水性、耐溶剤性等に優れる十分に硬化した塗膜を形成す
ることができる。また、それと共に、良好な外観性と耐
候性を有し、しかも耐酸性雨性に優れた塗膜を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例と比較例のクリヤー塗料
の配合と、その塗膜の評価試験の結果を示す表図であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】また、硬化剤Bは、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)のイソシアヌレート体を、ブロック
剤としてMEKOを用いてブロックしたブロックイソシ
アネートからなる(ダイセルヒュルス社製 VESTA
NAT B−1358A)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】硬化触媒は、ジ−n−ブチル錫脂肪酸塩
50%の溶液からなる(三共有機合成(株)製 SCA
T−2L)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 実 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 成田 義則 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 村松 正隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有アクリル樹脂と、 イソシアネ−ト成分としてm−テトラメチルキシリレン
    ジイソシアネートを含むブロックイソシアネートとを必
    須成分とすることを特徴とする熱硬化性塗料組成物。
JP6145856A 1994-06-28 1994-06-28 熱硬化性塗料組成物 Pending JPH0812927A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005225907A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005225907A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法

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