JPH081285A - 非晶質金属薄帯の製造用ノズル - Google Patents
非晶質金属薄帯の製造用ノズルInfo
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- JPH081285A JPH081285A JP13756094A JP13756094A JPH081285A JP H081285 A JPH081285 A JP H081285A JP 13756094 A JP13756094 A JP 13756094A JP 13756094 A JP13756094 A JP 13756094A JP H081285 A JPH081285 A JP H081285A
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- cooling roll
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Abstract
(57)【要約】
【目的】冷却ロールの高速回転で生じる連れ回り気流の
影響を低減し、表面状態の優れた非晶質金属薄帯の製造
を可能とするノズルの提供を目的としている。 【構成】タンディッシュからの溶融金属を高速回転する
冷却ロール表面上に供給し、そこに湯溜りを形成する噴
射スリットと、該噴射スリットを囲む耐火材とからなる
非晶質金属薄帯の製造用ノズルにおいて、上記高速回転
する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通溝を、上記耐
火材の中に、該耐火材の下面から上方で、且つノズル幅
方向に設けた。
影響を低減し、表面状態の優れた非晶質金属薄帯の製造
を可能とするノズルの提供を目的としている。 【構成】タンディッシュからの溶融金属を高速回転する
冷却ロール表面上に供給し、そこに湯溜りを形成する噴
射スリットと、該噴射スリットを囲む耐火材とからなる
非晶質金属薄帯の製造用ノズルにおいて、上記高速回転
する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通溝を、上記耐
火材の中に、該耐火材の下面から上方で、且つノズル幅
方向に設けた。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質金属薄帯の製造
装置に関し、詳しくは、溶融金属を高速回転下にある冷
却ロール表面上に噴射し、急冷凝固させることにより非
晶質金属薄帯を製造する際に用いる溶融金属噴射用ノズ
ルの形状に係わる。
装置に関し、詳しくは、溶融金属を高速回転下にある冷
却ロール表面上に噴射し、急冷凝固させることにより非
晶質金属薄帯を製造する際に用いる溶融金属噴射用ノズ
ルの形状に係わる。
【０００２】
【従来の技術】非晶質金属薄帯の製造方法としては、溶
融金属をノズルを通して高速回転下にある冷却ロールの
表面上に噴射し、そこに湯溜り（以下、パドルという）
を形成させ、該パドルから冷却ロール表面上にその回転
方向へ流出する溶融金属を、該冷却ロールの抜熱作用に
より急冷凝固させる方法が一般的である。そして、上記
ノズルとして、以前は丸形一孔式のものが使用されてい
たが、孔のサイズを大きくしても最大２ｍｍ幅程度の薄
帯しか製造できない、あるいは薄帯の幅方向で表面状態
が異なり、品質の良いものが得られない等の問題があっ
た。
融金属をノズルを通して高速回転下にある冷却ロールの
表面上に噴射し、そこに湯溜り（以下、パドルという）
を形成させ、該パドルから冷却ロール表面上にその回転
方向へ流出する溶融金属を、該冷却ロールの抜熱作用に
より急冷凝固させる方法が一般的である。そして、上記
ノズルとして、以前は丸形一孔式のものが使用されてい
たが、孔のサイズを大きくしても最大２ｍｍ幅程度の薄
帯しか製造できない、あるいは薄帯の幅方向で表面状態
が異なり、品質の良いものが得られない等の問題があっ
た。
【０００３】そこで、従来より上記ノズルの形状に関し
て多くの研究が行われ、例えば、特開昭５３−１３３５
３１号公報で開示された「複数個のノズル孔を有するノ
ズル」、又は特開昭５７−１７１５５０号公報で開示さ
れた「多孔ノズルの断面を矩形状としたノズル」が提案
されている。現在はさらに一歩改善され、断面が矩形状
の一孔ノズルを用い、幅広（例えば２００ｍｍ以上）く
長尺で、且つ表面状態の比較的良好な薄帯が製造できる
ようになっている。
て多くの研究が行われ、例えば、特開昭５３−１３３５
３１号公報で開示された「複数個のノズル孔を有するノ
ズル」、又は特開昭５７−１７１５５０号公報で開示さ
れた「多孔ノズルの断面を矩形状としたノズル」が提案
されている。現在はさらに一歩改善され、断面が矩形状
の一孔ノズルを用い、幅広（例えば２００ｍｍ以上）く
長尺で、且つ表面状態の比較的良好な薄帯が製造できる
ようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術で述べたノズルは、薄帯幅方向での板厚偏差の低
減には有効であるが、表面状態に関してはまだ十分に満
足できない。その理由は冷却ロールは高速で回転してい
るため、連れ回り気流（主に空気）を起こすことに原因
がある。すなわち、該連れ回り気流が上記パドルに衝突
することによって、該パドルが振動し、薄帯表面にトラ
ップされる気流が存在して、薄帯の表面状態が今一歩良
好にならないという問題が存在するのである。
来技術で述べたノズルは、薄帯幅方向での板厚偏差の低
減には有効であるが、表面状態に関してはまだ十分に満
足できない。その理由は冷却ロールは高速で回転してい
るため、連れ回り気流（主に空気）を起こすことに原因
がある。すなわち、該連れ回り気流が上記パドルに衝突
することによって、該パドルが振動し、薄帯表面にトラ
ップされる気流が存在して、薄帯の表面状態が今一歩良
好にならないという問題が存在するのである。
【０００５】本発明は、かかる事情を鑑み、冷却ロール
の高速回転で生じる連れ回り気流の影響を低減し、表面
状態の優れた非晶質金属薄帯の製造を可能とするノズル
の提供を目的としている。
の高速回転で生じる連れ回り気流の影響を低減し、表面
状態の優れた非晶質金属薄帯の製造を可能とするノズル
の提供を目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】発明者は、前記問題点を
解決するため、冷却ロールの連れ回り気流をできるだけ
前記パドルに到達させない方法の研究に鋭意努力した。
本発明は、その研究成果を具現化したものであり、タン
ディッシュからの溶融金属を高速回転する冷却ロール表
面上に供給し、そこに湯溜りを形成する噴射スリット
と、該噴射スリットを囲む耐火材とからなる非晶質金属
薄帯の製造用ノズルにおいて、上記高速回転する冷却ロ
ールの連れ回り気流を流す流通溝を、上記耐火材の中
に、該耐火材の下面から上方で、且つノズル幅方向に設
けたことを特徴とする非晶質金属薄帯の製造用ノズルで
ある。また、本発明は、上記流通溝を、上記噴射スリッ
トより冷却ロール回転方向上流側の上記耐火材鉛直面に
平行して設けたことを特徴とする請求項１記載の非晶質
金属薄帯の製造用ノズルであり、上記流通溝を、上記噴
射スリットより冷却ロール回転方向の上流側で上記耐火
材の中に、上記冷却ロール回転方向の下流側に対して平
面で見てくの字（以下、単にくの字）に折曲げた形状と
したことを特徴とする請求項１記載の非晶質金属薄帯の
製造用ノズルでもある。さらに、本発明は、タンディッ
シュからの溶融金属を高速回転する冷却ロール表面上に
供給し、そこに湯溜りを形成する噴射スリットと、該噴
射スリットを囲む耐火材とからなる非晶質金属薄帯の製
造用ノズルにおいて、上記噴射スリットを、上記冷却ロ
ール回転方向の下流側に対してくの字に中央部で折曲
げ、上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流が通過
する該冷却ロール上の面積を広めたことを特徴とする非
晶質金属薄帯の製造用ノズルであり、あるいは上記噴射
スリットより冷却ロール回転方向上流側の耐火材の中
に、該冷却ロール回転方向の下流側に対してくの字形状
の上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流を流す流
通溝を、該耐火材の下面から上方で、且つノズル幅方向
に設けたことを特徴とする請求項４記載の非晶質金属薄
帯の製造用ノズルであっても良い。実際のノズル製作に
対しては、本発明は、上記くの字形状は、その中央部で
折曲り、該折曲り点の両側部分が直線であることを特徴
とする請求項３、４及び５のいずれかに記載の非晶質金
属薄帯の製造用ノズルであると好都合である。
解決するため、冷却ロールの連れ回り気流をできるだけ
前記パドルに到達させない方法の研究に鋭意努力した。
本発明は、その研究成果を具現化したものであり、タン
ディッシュからの溶融金属を高速回転する冷却ロール表
面上に供給し、そこに湯溜りを形成する噴射スリット
と、該噴射スリットを囲む耐火材とからなる非晶質金属
薄帯の製造用ノズルにおいて、上記高速回転する冷却ロ
ールの連れ回り気流を流す流通溝を、上記耐火材の中
に、該耐火材の下面から上方で、且つノズル幅方向に設
けたことを特徴とする非晶質金属薄帯の製造用ノズルで
ある。また、本発明は、上記流通溝を、上記噴射スリッ
トより冷却ロール回転方向上流側の上記耐火材鉛直面に
平行して設けたことを特徴とする請求項１記載の非晶質
金属薄帯の製造用ノズルであり、上記流通溝を、上記噴
射スリットより冷却ロール回転方向の上流側で上記耐火
材の中に、上記冷却ロール回転方向の下流側に対して平
面で見てくの字（以下、単にくの字）に折曲げた形状と
したことを特徴とする請求項１記載の非晶質金属薄帯の
製造用ノズルでもある。さらに、本発明は、タンディッ
シュからの溶融金属を高速回転する冷却ロール表面上に
供給し、そこに湯溜りを形成する噴射スリットと、該噴
射スリットを囲む耐火材とからなる非晶質金属薄帯の製
造用ノズルにおいて、上記噴射スリットを、上記冷却ロ
ール回転方向の下流側に対してくの字に中央部で折曲
げ、上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流が通過
する該冷却ロール上の面積を広めたことを特徴とする非
晶質金属薄帯の製造用ノズルであり、あるいは上記噴射
スリットより冷却ロール回転方向上流側の耐火材の中
に、該冷却ロール回転方向の下流側に対してくの字形状
の上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流を流す流
通溝を、該耐火材の下面から上方で、且つノズル幅方向
に設けたことを特徴とする請求項４記載の非晶質金属薄
帯の製造用ノズルであっても良い。実際のノズル製作に
対しては、本発明は、上記くの字形状は、その中央部で
折曲り、該折曲り点の両側部分が直線であることを特徴
とする請求項３、４及び５のいずれかに記載の非晶質金
属薄帯の製造用ノズルであると好都合である。
【０００７】
【作用】本発明では、タンディッシュからの溶融金属を
高速回転する冷却ロール表面上に供給し、そこに湯溜り
を形成する噴射スリットと、該噴射スリットを囲む耐火
材とからなる非晶質金属薄帯の製造用ノズルにおいて、
上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通
溝を、上記耐火材の中に、該耐火材の下面から上方で、
且つノズル幅方向に設けるようにしたので、該冷却ロー
ルの起こす連れ回り気流の大部分はパドルに衝突する前
にノズルの幅方向に流れるようになる。その結果、パド
ルに生じる振動やガスのトラップが減少し、表面状態の
優れた薄帯が製造されるようになる。上記連れ回り気流
のパドルへ衝突する量が減少する理由は、冷却ロール表
面とノズル耐火材下面との間隔は０．１ｍｍ以下と狭い
が、そこに広い空間を設けることによって気流のロール
回転方向への通過抵抗を高めたためである。
高速回転する冷却ロール表面上に供給し、そこに湯溜り
を形成する噴射スリットと、該噴射スリットを囲む耐火
材とからなる非晶質金属薄帯の製造用ノズルにおいて、
上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通
溝を、上記耐火材の中に、該耐火材の下面から上方で、
且つノズル幅方向に設けるようにしたので、該冷却ロー
ルの起こす連れ回り気流の大部分はパドルに衝突する前
にノズルの幅方向に流れるようになる。その結果、パド
ルに生じる振動やガスのトラップが減少し、表面状態の
優れた薄帯が製造されるようになる。上記連れ回り気流
のパドルへ衝突する量が減少する理由は、冷却ロール表
面とノズル耐火材下面との間隔は０．１ｍｍ以下と狭い
が、そこに広い空間を設けることによって気流のロール
回転方向への通過抵抗を高めたためである。
【０００８】また、本発明では、上記流通溝を、上記噴
射スリットより冷却ロール回転方向上流側の上記耐火材
鉛直面に平行して設けたことを特徴とする請求項１記載
の非晶質金属薄帯の製造用ノズルであり、上記流通溝
を、上記噴射スリットより冷却ロール回転方向の上流側
で上記耐火材の中に、上記冷却ロール回転方向の下流側
に対してくの字に折曲げた形状としたことを特徴とする
請求項１記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズルとするこ
とで、上記効果を一段と促進できるようになる。
射スリットより冷却ロール回転方向上流側の上記耐火材
鉛直面に平行して設けたことを特徴とする請求項１記載
の非晶質金属薄帯の製造用ノズルであり、上記流通溝
を、上記噴射スリットより冷却ロール回転方向の上流側
で上記耐火材の中に、上記冷却ロール回転方向の下流側
に対してくの字に折曲げた形状としたことを特徴とする
請求項１記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズルとするこ
とで、上記効果を一段と促進できるようになる。
【０００９】さらに、本発明は、タンディッシュからの
溶融金属を高速回転する冷却ロール表面上に供給し、そ
こに湯溜りを形成する噴射スリットと、該噴射スリット
を囲む耐火材とからなる非晶質金属薄帯の製造用ノズル
において、上記噴射スリットを、上記冷却ロール回転方
向の下流側に対してくの字に中央部で折曲げ、上記高速
回転する冷却ロールの連れ回り気流が通過する該冷却ロ
ール上の面積を広めたことを特徴とする非晶質金属薄帯
の製造用ノズルであり、あるいは上記噴射スリットより
冷却ロール回転方向上流側の耐火材の中に、該冷却ロー
ル回転方向の下流側に対してくの字形状の上記高速回転
する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通溝を、該耐火
材の下面から上方で、且つノズル幅方向に設けたことを
特徴とする請求項４記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズ
ルとすることで、パドルの形状自体を上記衝突気流がパ
ドル側端方向に逃げ易くし、上記発明と同じ効果を達成
できるようにした。そして、本発明では、上記くの字形
状は、その中央部で折曲り、該折曲り点の両側部分が直
線であることを特徴とする請求項３、４及び５のいずれ
かに記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズルとすること
で、実際にノズルを製作する便宜を図っている。
溶融金属を高速回転する冷却ロール表面上に供給し、そ
こに湯溜りを形成する噴射スリットと、該噴射スリット
を囲む耐火材とからなる非晶質金属薄帯の製造用ノズル
において、上記噴射スリットを、上記冷却ロール回転方
向の下流側に対してくの字に中央部で折曲げ、上記高速
回転する冷却ロールの連れ回り気流が通過する該冷却ロ
ール上の面積を広めたことを特徴とする非晶質金属薄帯
の製造用ノズルであり、あるいは上記噴射スリットより
冷却ロール回転方向上流側の耐火材の中に、該冷却ロー
ル回転方向の下流側に対してくの字形状の上記高速回転
する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通溝を、該耐火
材の下面から上方で、且つノズル幅方向に設けたことを
特徴とする請求項４記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズ
ルとすることで、パドルの形状自体を上記衝突気流がパ
ドル側端方向に逃げ易くし、上記発明と同じ効果を達成
できるようにした。そして、本発明では、上記くの字形
状は、その中央部で折曲り、該折曲り点の両側部分が直
線であることを特徴とする請求項３、４及び５のいずれ
かに記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズルとすること
で、実際にノズルを製作する便宜を図っている。
【００１０】以下、実施例において、図１〜８に基づ
き、本発明の内容を説明する。
き、本発明の内容を説明する。
【００１１】
【実施例】溶融金属にＦｅ−Ｓｉ−Ｂ系合金を選び、幅
２５０ｍｍ，厚み３５μｍの非晶質金属薄帯を本発明に
係る種々のノズルを用いて製造した。図８は、、従来の
実施状況を示す装置全体の縦断面図である。図８におい
て、上記溶融金属１が、高速回転下にある冷却ロール２
の表面上に石英ガラス製ノズル３より噴射されると、冷
却ロール２と上記ノズル３の間に湯溜り（パドル）４が
生成され、その後該パドルから溶融金属は冷却ロールの
回転方向に流出すると共に、順次急冷、凝固され、非晶
質の金属薄帯７となる。その際、大気中で鋳造されるの
で、従来は冷却ロールの連れ回り気流５（主に空気）が
発生して、それがパドル４に衝突し、該パドル４は振動
すると共に、製造中の薄帯７と冷却ロール２との間にエ
ア溜り６が生成されていた。その結果、該エア溜りが薄
帯７の表面状態を悪くしていたのである。
２５０ｍｍ，厚み３５μｍの非晶質金属薄帯を本発明に
係る種々のノズルを用いて製造した。図８は、、従来の
実施状況を示す装置全体の縦断面図である。図８におい
て、上記溶融金属１が、高速回転下にある冷却ロール２
の表面上に石英ガラス製ノズル３より噴射されると、冷
却ロール２と上記ノズル３の間に湯溜り（パドル）４が
生成され、その後該パドルから溶融金属は冷却ロールの
回転方向に流出すると共に、順次急冷、凝固され、非晶
質の金属薄帯７となる。その際、大気中で鋳造されるの
で、従来は冷却ロールの連れ回り気流５（主に空気）が
発生して、それがパドル４に衝突し、該パドル４は振動
すると共に、製造中の薄帯７と冷却ロール２との間にエ
ア溜り６が生成されていた。その結果、該エア溜りが薄
帯７の表面状態を悪くしていたのである。
【００１２】そこで、本発明では、まず図１に示すノズ
ルを提案、使用した。図１は、請求項１〜３に関する本
発明に係るノズル３の縦断面を、図２は図１のＡ矢視、
図３は図１のＢ矢視を示す図である。従来の図８と比較
すると、本発明の図１、２、３ではノズル先端耐火材の
中に、下面側から上方に向けて、冷却ロールの連れ回り
気流が流れる流通溝を設けた点が異なっている。図１に
示すように、該流通溝９は、溶融金属１の噴射スリット
８より冷却ロール２回転方向上流側の耐火材１０の鉛直
面に平行に設けられ、それによって冷却ロールの連れ回
り気流５はノズル幅方向に逃げるため（図３参照）、パ
ドル４に衝突する冷却ロールの連れ回り気流量が低減さ
れ、パドルの振動も減少した。その結果、パドル振動に
よって生成されるエア溜りの量６が低減され、製造した
薄帯７の表面状態は非常に良くなった。
ルを提案、使用した。図１は、請求項１〜３に関する本
発明に係るノズル３の縦断面を、図２は図１のＡ矢視、
図３は図１のＢ矢視を示す図である。従来の図８と比較
すると、本発明の図１、２、３ではノズル先端耐火材の
中に、下面側から上方に向けて、冷却ロールの連れ回り
気流が流れる流通溝を設けた点が異なっている。図１に
示すように、該流通溝９は、溶融金属１の噴射スリット
８より冷却ロール２回転方向上流側の耐火材１０の鉛直
面に平行に設けられ、それによって冷却ロールの連れ回
り気流５はノズル幅方向に逃げるため（図３参照）、パ
ドル４に衝突する冷却ロールの連れ回り気流量が低減さ
れ、パドルの振動も減少した。その結果、パドル振動に
よって生成されるエア溜りの量６が低減され、製造した
薄帯７の表面状態は非常に良くなった。
【００１３】次に、図４は、本発明に係るノズル３の別
態様を示すもので、図１のＡ−Ａ矢視に対応する。そこ
では、溶融金属１の噴射スリット８そのものが、上記冷
却ロール２回転方向の下流側に対してくの字に中央部で
折り曲げた形状になっている。そのため、パドル４に衝
突する上記連れ回り気流５は、ノズル耐火物１０下面で
その幅方向に逃げ易くなり、上記とほぼ同等の効果が生
じるのである。上記凹形状は、折曲がり点が曲率を有し
ていても良いが、図４に示すように、長辺から５°〜１
０°傾いた場合結果が良好であった。図５に、図４のノ
ズル３での上記連れ回り気流５の流れを示す。
態様を示すもので、図１のＡ−Ａ矢視に対応する。そこ
では、溶融金属１の噴射スリット８そのものが、上記冷
却ロール２回転方向の下流側に対してくの字に中央部で
折り曲げた形状になっている。そのため、パドル４に衝
突する上記連れ回り気流５は、ノズル耐火物１０下面で
その幅方向に逃げ易くなり、上記とほぼ同等の効果が生
じるのである。上記凹形状は、折曲がり点が曲率を有し
ていても良いが、図４に示すように、長辺から５°〜１
０°傾いた場合結果が良好であった。図５に、図４のノ
ズル３での上記連れ回り気流５の流れを示す。
【００１４】最後に、図６は、噴射スリット８がくの字
形状の上記ノズル３に、さらに上記連れ回り気流５を逃
がす流通溝９を、ノズル耐火材１０の下面に追加して設
けたものである（図１のＡ−Ａ矢視に対応）。また、図
７は、図６のノズルを用いた場合の上記連れ回り気流５
の流れを示している。したがって、上記効果が一段と促
進されたことは説明を要しない。図６及び図７で明らか
なように、この場合の流通溝９は直線状であるが、それ
を前記のくの字形状としてさらに効果が高まった。な
お、前記の３つの実施例は、溶融金属１の鋳造を大気雰
囲気中で行ったが、その雰囲気は不活性ガス等の場合も
あり、本発明に係るノズル３は使用雰囲気を限定するも
のではない。
形状の上記ノズル３に、さらに上記連れ回り気流５を逃
がす流通溝９を、ノズル耐火材１０の下面に追加して設
けたものである（図１のＡ−Ａ矢視に対応）。また、図
７は、図６のノズルを用いた場合の上記連れ回り気流５
の流れを示している。したがって、上記効果が一段と促
進されたことは説明を要しない。図６及び図７で明らか
なように、この場合の流通溝９は直線状であるが、それ
を前記のくの字形状としてさらに効果が高まった。な
お、前記の３つの実施例は、溶融金属１の鋳造を大気雰
囲気中で行ったが、その雰囲気は不活性ガス等の場合も
あり、本発明に係るノズル３は使用雰囲気を限定するも
のではない。
【００１５】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、高速
回転下にある冷却ロール表面上に溶融金属を噴射して形
成したパドルが、冷却ロールの連れ回り気流によって乱
され、製造した薄帯の表面状態が低下することを減少さ
せることができた。
回転下にある冷却ロール表面上に溶融金属を噴射して形
成したパドルが、冷却ロールの連れ回り気流によって乱
され、製造した薄帯の表面状態が低下することを減少さ
せることができた。
【図１】本発明に係るノズルの縦断面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ矢視図である。
【図４】本発明に係るノズルの別態様を示す図であり、
図１のＡ−Ａ矢視図に対応する部分を示す図である。
図１のＡ−Ａ矢視図に対応する部分を示す図である。
【図５】図４のノズルを用いた場合の冷却ロールの連れ
回り気流の流れを示す図である。
回り気流の流れを示す図である。
【図６】図４のノズルに、冷却ロールの連れ回り気流を
流す流通溝を追加したものを示す図であり、図１のＡ−
Ａ矢視図に対応する。
流す流通溝を追加したものを示す図であり、図１のＡ−
Ａ矢視図に対応する。
【図７】図６のノズルを用いた場合の上記連れ回り気流
の流れを示す図である。
の流れを示す図である。
【図８】従来のノズルを用いた非晶質金属薄帯の製造状
況を示す縦断面図である。
況を示す縦断面図である。
１ 溶融金属 ２ 冷却ロール ３ ノズル ４ 湯溜り（パドル） ５ 連れ回り気流 ６ ガス溜り ７ 非晶質金属薄帯（薄帯） ８ 噴射スリット ９ 流通溝 １０ 耐火材
フロントページの続き (72)発明者 中川 健次 千葉市中央区川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 佐藤 邦昭 千葉市中央区川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内
Claims (6)
- 【請求項１】 タンディッシュからの溶融金属を高速回
転する冷却ロール表面上に供給し、そこに湯溜りを形成
する噴射スリットと、該噴射スリットを囲む耐火材とか
らなる非晶質金属薄帯の製造用ノズルにおいて、 上記高速回転する冷却ロールの連れ回り気流を流す流通
溝を、上記耐火材の中に、該耐火材の下面から上方で、
且つノズル幅方向に設けたことを特徴とする非晶質金属
薄帯の製造用ノズル。 - 【請求項２】 上記流通溝を、上記噴射スリットより冷
却ロール回転方向上流側の上記耐火材鉛直面に平行して
設けたことを特徴とする請求項１記載の非晶質金属薄帯
の製造用ノズル。 - 【請求項３】 上記流通溝を、上記噴射スリットより冷
却ロール回転方向の上流側で上記耐火材の中に、上記冷
却ロール回転方向の下流側に対してくの字に折曲げた形
状としたことを特徴とする請求項１記載の非晶質金属薄
帯の製造用ノズル。 - 【請求項４】 タンディッシュからの溶融金属を高速回
転する冷却ロール表面上に供給し、そこに湯溜りを形成
する噴射スリットと、該噴射スリットを囲む耐火材とか
らなる非晶質金属薄帯の製造用ノズルにおいて、 上記噴射スリットを、上記冷却ロール回転方向の下流側
に対してくの字に中央部で折曲げ、上記高速回転する冷
却ロールの連れ回り気流が通過する該冷却ロール上の面
積を広めたことを特徴とする非晶質金属薄帯の製造用ノ
ズル。 - 【請求項５】 上記噴射スリットより冷却ロール回転方
向上流側の耐火材の中に、該冷却ロール回転方向の下流
側に対してくの字形状の上記高速回転する冷却ロールの
連れ回り気流を流す流通溝を、該耐火材の下面から上方
で、且つノズル幅方向に設けたことを特徴とする請求項
４記載の非晶質金属薄帯の製造用ノズル。 - 【請求項６】 上記くの字形状は、その中央部で折曲
り、該折曲り点の両側部分が直線であることを特徴とす
る請求項３、４及び５のいずれかに記載の非晶質金属薄
帯の製造用ノズル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13756094A JPH081285A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 非晶質金属薄帯の製造用ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13756094A JPH081285A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 非晶質金属薄帯の製造用ノズル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH081285A true JPH081285A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15201581
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13756094A Withdrawn JPH081285A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 非晶質金属薄帯の製造用ノズル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH081285A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103433444A (zh) * | 2013-08-28 | 2013-12-11 | 青岛云路新能源科技有限公司 | 一种生产非晶薄带的弧形喷嘴 |
-
1994
- 1994-06-20 JP JP13756094A patent/JPH081285A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103433444A (zh) * | 2013-08-28 | 2013-12-11 | 青岛云路新能源科技有限公司 | 一种生产非晶薄带的弧形喷嘴 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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