JP2856960B2 - 進行磁場と静磁場による鋼スラブの連続鋳造方法 - Google Patents

進行磁場と静磁場による鋼スラブの連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造によって得ら
れる鋼スラブの表面および内部品質を改善することを可
能とすることができるようにした進行磁場と静磁場によ
る鋼スラブの連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、幅広の鋼板の製造に用いられるス
ラブの如き鋼片の連続鋳造においては、溶鋼を収容した
タンディッシュと連続鋳造鋳型との間の溶鋼流路とし
て、通常耐火物製の浸漬ノズルが使用されている。この
浸漬ノズルは、特にアルミナキルド鋼の連続鋳造時にノ
ズル内面にアルミナが付着し易いため、鋳造時間の経過
に伴い溶鋼流路が狭められ、所望の溶鋼流量を得ること
ができない問題が存在した。
【0003】このため、通常は溶鋼の供給する間中、ノ
ズル内にアルゴンなどの不活性ガスを供給してこれに対
処していたが、不活性ガスの供給速度が大きい場合に
は、該ガスが鋳型内の浴面に浮上できずに図1(a)、
(b)中で示す凝固シェルaにトラップされるため、最
終製品で欠陥となることがあり、また不活性ガスを単に
吹込むだけでは、ノズル詰まりの回避効果は十分ではな
く、ノズル交換の頻繁な取り替え作業を必要とし、とく
に、図4(a)、(b)に示すように浸漬ノズル2の先
端部に左右対称吐出口5を備えた2孔ノズル形式の浸漬
ノズル2においては、吐出口の左右の非対称な閉塞によ
り品質低下を招く問題があった。
【0004】このような問題を解決する試みとしては、
アルミナと低融点の化合物を作る CaOを含有するノズル
を用いる試みもあるが、まだ十分な効果は得られていな
い。この他に特開昭60-92064号公報には、ノズル内の溶
融金属流に直流磁場を作用させて溶融金属流を層流化す
ることによりノズル閉塞を抑制する溶融金属の注入方法
が開示されているが、溶融金属流が鋳型内の溶融金属ク
レータの奥深くまで流下するので、随伴する介在物が浮
上できずに凝固シェルにトラップされる恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造における上述
したような問題を解消し、内部品質の良好な鋼スラブを
得ることができる進行磁場と静磁場による連続鋳造方法
を提案することがこの発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】炭素濃度が500ppm以下に
なる、主にAlで脱酸したアルミキルド鋼を用いて連続鋳
造の際におけるノズル詰まりについて種々調査、検討を
重ねた結果、溶鋼中の酸素濃度を 30ppm以下、より好ま
しくは 20ppm以下に調整し、浸漬ノズルのノズル本体の
先端を解放して溶鋼の吐出口としたストレートノズルを
用いるとノズル詰まりがほとんどないことが明らかとな
った。また、このようなストレートノズルにおいては、
溶鋼の吐出流速が鋳型の出側(下方)に向かうため、溶
鋼中の介在物やガス気泡などがクレータの奥深くまで侵
入する恐れが存在するが、介在物等の侵入防止のために
は連鋳鋳型に、該鋳型の長辺壁に直交し、鋳型の上方に
向かって移動する進行磁場を作用させる進行磁場発生装
置を配置して下方に向かう吐出流に制動を加えることが
極めて有効であるとの知見を得た。さらに連鋳鋳型内の
溶鋼の湯面においても静磁場を加えることにより湯面の
変動を抑え、湯面での流動も均一化できることが明らか
となった。同時に進行磁場の下方においても静磁場を用
いることにより、下降流を均一化でき、これによって下
降流が減衰し気泡および介在物が少なくなることが明ら
かとなった。
【0007】この発明は、上記の知見に立脚するもので
あり、その要旨とするところは下記の通りである。すな
わち、この発明は、タンディッシュから溶鋼を、各一対
の鋳型短辺壁と鋳型長辺壁との組み合わせからなる連続
鋳造鋳型内に上記タンディッシュとつながるノズル本体
の先端を解放したストレート浸漬ノズルを通して供給し
つつ鋼スラブを連続鋳造するにあたり、上記鋳型長辺壁
の背面幅中央域に進行磁場発生器を配置すると共に、上
記進行磁場発生器の上方に当たる湯面の位置および下方
位置に鋳型長辺壁の全幅に静磁場発生器を配置し、上記
ストレート浸漬ノズルの吐出口近傍に上記進行磁場発生
器の磁極領域に位置させた状態で上記ストレート浸漬ノ
ズルからの吐出溶鋼流に鋳型長辺壁と直交し、上方に向
かい移動する進行磁場を作用して制動を加え、かつその
進行磁場の上方に当たる湯面位置で鋳型長辺壁と直交す
る静磁場を加えて湯面を沈静化する一方、上記進行磁場
の下方位置で鋳型長辺壁と直交する静磁場を加えて溶鋼
の下降流を均一化することを特徴とする進行磁場と静磁
場による鋼スラブの連続鋳造方法であり、本発明では溶
鋼の注入過程で、溶鋼酸素濃度が 20ppm以下と特に低い
場合にはストレート浸漬ノズル内に不活性ガスを吹き込
むことを省略できる。
【0008】さて図1(a)、(b)はこの発明の実施
に用いて好適な連続鋳造装置の要部の構成を示し、図に
おける番号1は一対の短辺壁1aと長辺壁1bからなる
連鋳鋳型、2はタンディッシュとつながるストレート浸
漬ノズルであって、このストレート浸漬ノズル2はノズ
ル本体の先端部を解放して溶鋼のストレート吐出口4と
した構造になっている。また、3は連鋳鋳型1の長辺壁
1bの背面にて配置されストレート浸漬ノズル2からの
吐出溶鋼流に鋳型の長辺壁1bと直交し、上方に向かっ
て移動する進行磁場を作用させる進行磁場発生器であ
る。6は連鋳鋳型1の長辺壁1bの背面にて配置され、
ストレート浸漬ノズル2からの吐出溶鋼流に、鋳型の長
辺壁1bと直交し、湯面上部及び湯面下部を通る静磁場
を作り出す静磁場発生器である。7も連鋳鋳型1の長辺
壁1bの背面にて配置され、ストレート浸漬ノズル2か
らの吐出溶鋼流に、鋳型の長辺壁1bと直交し、湯面上
部及び湯面下部を通る静磁場を作り出す静磁場発生器で
ある。
【0009】
【作 用】溶鋼の吐出口5が左右対称になる図4
(a)、(b)に示すような2孔式浸漬ノズル2は、ノ
ズルから噴出させた溶鋼流がクレータの奥深くまで流入
することを防ぐ構造をとることによって、注入溶鋼中の
介在物や気泡が凝固シェルにトラップされないようにな
っている。但し、吐出口からの流れが短辺部で反転流と
なるため、モールドパウダーの巻込みが発生することが
確認されている。しかし、このような構造になる浸漬ノ
ズルは、前述したように、特に吐出口近傍においてアル
ミナ等が付着し易く、ノズル詰まりを起こし易い。
【0010】本発明において、浸漬ノズルをノズル本体
の先端が解放されたストレート吐出口4を有する構造に
なる図2(a)、(b)に示すようなストレート浸漬ノ
ズル2を用い、図1(a)、(b)に示すように連鋳鋳
型1内へ供給する溶鋼に対して、連鋳鋳型1に配置した
進行磁場発生器3の磁極領域で制動を加えつつ静磁場発
生器6で湯面を沈静化するようにし、かつ静磁場発生装
置7で溶鋼の下降流を均一化することによって鋳造を行
ったことにより、アルミナ付着に起因したノズル詰まり
を起こすような不具合はなく、したがって所望の速度で
溶鋼を鋳型内に注入しても介在物が溶鋼の奥深くまで侵
入したり、溶鋼の上昇流が浴面のパウダを巻き込むよう
なこともない。
【0011】また、溶鋼中の酸素濃度を 30ppm、好まし
くは 20ppm以下とすると、それだけアルミナが減少する
ので、ストレートノズルへの不活性ガスの吹込みを省略
しても吐出口へのアルミナの付着を著しく減少させるこ
とができる。
【0012】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する。 実施例1 2ストランド連鋳機を用いて、酸素濃度28〜32ppm の低
炭アルミキルド鋼を本発明の浸漬ノズルを用いて3チャ
ージの連続鋳造実験を行った。このときの鋳造条件を以
下に示した。
【0013】 鋳造鋳型のサイズ :厚み方向 200mm 幅方向 1500mm 高さ方向 800mm タンディッシュでのスーパーヒート:約30℃ 鋳造速度 : 1.7m/min 一方のストランドにストレート浸漬ノズルを用いて静磁
場と進行磁場をかけて鋳造実験を行い、他方のストラン
ドには比較として従来の2孔型浸漬ノズルを用いて鋳造
実験を行った。静磁場及び進行磁場の強度及びその発生
器は以下の通りである。
【0014】 静磁場発生器 :幅方向 1700mm 高さ方向 200mm 最大磁束密度 0.4T(テスラ) *上部、下部とも同様の特性を持つ発生器を使用。 進行磁場発生 :幅方向 700mm 高さ方向 400mm 最大磁束密度 0.3T(テスラ) 進行磁場速度 1.5m/sec その結果、ノズル内に10l/min のノズル詰まり防止用
のガスを吹き込んだ従来の2孔型の浸漬ノズルを用いた
連続鋳造においてはノズル吐出口近傍に最大で10mm厚み
になるアルミナ付着物の層が認められたが、この発明に
従う連続鋳造においては、アルゴンガスをノズル内に吹
き込まなかったにもかかわらず、アルミナの付着層の厚
さは吐出口の開孔部において平均 1.5mmであり、ノズル
詰まりが極めて少ないことが明らかとなった。
【0015】実施例2 実施例1と同等の条件でかつガス吹きを両ストランドで
行うことなく、連続鋳造実験を行った。このときの鋳造
速度は 1.7m/min で実施例1と変わらずに行った。ま
た、取鍋精錬を十分に行うことによって溶鋼中の酸素濃
度を15〜20ppmに落として実験を行った。
【0016】その結果、2孔型浸漬ノズルでは3チャー
ジ目注湯末期近くでノズル詰まりのために所定の注入速
度が達成できず、鋳造速度が低下した。しかし、本発明
の鋳造実験では注入速度が低下することはなく、よって
鋳造速度も低下することはなかった。両ノズルを実験終
了後に回収して、その詰まり状況を比較したところ、本
発明の方法を用いて鋳造を行ったノズルは、やはり平均
1.5mm以下のアルミナが付着しているのみであった。他
方従来の2孔型浸漬ノズルを使用した場合は吐出口部に
アルミナ付着が発生し、同時に両吐出口部において詰ま
り方が一様ではなく、吐出流が不均一になっていたこと
が明らかとなった。
【0017】実施例3 さらに鋳造条件を実施例1と同様として、連続鋳造実験
を行った。鋳造速度は1.9m/min とし、一方のストラ
ンドにはストレートノズルで静磁場を湯面と吐出口より
溶鋼が噴出した下部について発生させ、進行磁場は加え
ずに鋳造を行った。他方のストランドには従来の2孔型
浸漬ノズルを使用した。双方ともガス吹きを使用して鋳
造を行った。
【0018】このときノズルからの吐出流は静磁場発生
装置7によってせき止められ、従来型の2孔型浸漬ノズ
ルと同様の水平方向の流れとなり、両短辺壁で発生した
凝固シェルを洗うため、凝固が発達せず、凝固不均一が
発生し、さらに得られたスラブの品質も良くなかった。
これに対して実施例1、2ではストレートノズルを用い
ても進行磁場を用いることによって安定した鋳造が可能
となっている。
【0019】実施例4 また鋳造条件を実施例1と同様として、一方のストラン
ドはストレートノズルを用いて鋳型上部の湯面に静磁場
を加えず、ノズル吐出口部に進行磁場を加え、進行磁場
の下方部に静磁場を加えて鋳造を行った。他方のストラ
ンドにはストレートノズルを用いて静磁場を湯面と進行
磁場の下部に加えて、進行磁場もノズル吐出口部に加え
て実験を行った。双方とも鋳造速度は 1.7m/min で行
った。双方のストランドでノズル詰まりは発生しなかっ
たが、但し、湯面に静磁場を加えなかった連鋳スラブに
ついては以下に示すようにモールドパウダー起因の欠陥
が部分的に存在している。これは、静磁場をかけていな
いことにより湯面が不安定になったために発生したと考
えられた。
【0020】実施例5 鋳造条件を実施例1と同様として、一方のストランドは
ストレートノズルを用いてノズル吐出口より溶鋼の噴出
している下部に静磁場を加えず、ノズル吐出口部に進行
磁場を加えて鋳造を行った。他方のストランドにはスト
レートノズルを用いて静磁場を湯面と進行磁場の下部に
加えて、進行磁場もノズル吐出口部に加えて実験を行っ
た。双方とも鋳造速度は 1.7m/min で行った。双方の
ストランドでノズル詰まりは発生しなかった。
【0021】さらに実施例の結果をまとめて図3に示し
た。図3は冷延板の単位面積あたりの表面の欠陥を平均
で示したものである。図3の(a)において、本発明に
より鋳造された鋼スラブより得られた冷延材の欠陥率が
非常に小さいことが明らかである。この理由は連続鋳造
用鋳型における磁場の適用によって溶鋼の注入流がクレ
ーターの奥深くまで侵入することがないためであると考
えられる。
【0022】また実施例2における本発明の結果が実施
例1の本発明例よりも良好なのは、溶鋼の酸素濃度が低
く、また膨れ性の欠陥の主因となるノズル詰まり防止用
の不活性ガスの吹き込みを行っていないためである。こ
の実施例2では従来例の2孔型浸漬ノズルを使用した冷
延板についてもある程度の良い結果が得られているが、
前述したように2孔の中、1孔がほぼ全閉に近い状態に
まで詰まりが発生し、偏流を生じており、そのため冷延
板でも欠陥にばらつきが生じていた。そのため、この冷
延板は高品位鋼には使用できない状態であった。
【0023】また、ノズル詰まりが生じたために鋳造速
度が落ち、生産性が極端に低下しており、そのため工程
として使用することは困難である。また図3の(b)に
は、実施例3で連続鋳造を行ったスラブを同様に熱間及
び冷間圧延し、冷延板としてその表面欠陥率を比較した
結果を示した。この結果より、比較例では従来例の連鋳
方法よりは若干欠陥が減少しているがほぼ同程度の表面
欠陥となっている。これは従来例のノズルが鋳造するに
したがってノズル詰まりが発生し、溶鋼が鋳型内で偏流
を起こしているためと考えられる。進行磁場を加えるこ
となく鋳造したストランドでも同様の流れが発生してい
ると考えられるが、ノズル詰まりがないだけ表面欠陥が
少ないと考えられる。
【0024】さらに図3の(c)において、実施例4で
連続鋳造を行って得られた鋼スラブを同様に熱間圧延
後、冷間圧延を行って冷延板としたときの表面欠陥率を
示した。この結果、実施例1、2で得られたストレート
ノズルの欠陥率より良くないことが確認できた。そのた
めこの原因を知るべく、冷延板の欠陥をさらに詳細に調
査してみると欠陥の増加した部分にモールドパウダーの
巻き込みによる欠陥が生じていることが明らかとなっ
た。これは連続鋳造鋳型内の湯面に静磁場をかけずに鋳
造した結果であると考えられる。
【0025】図3の(d)では、実施例5で製造したス
ラブを同様に熱間圧延後、冷間圧延を行って冷延板とし
たときの冷延板の全幅における表面欠陥発生率を示し
た。静磁場を印加した鋳片を圧延した冷延板のほうが表
面欠陥発生率が低いことが明らかである。下部に静磁場
のないストランドで製造されたスラブの冷延板が、他の
ストランドで製造されたスラブの冷延板に比較して表面
欠陥発生率にばらつきが生じたのは鋳型内での溶鋼の下
降流が均一ではないためと考えられる。
【0026】よってこれらの実験結果より次のことが言
える。ストレートノズルの吐出口部に進行磁場を用いる
ことによってノズル詰まりがない連続鋳造が達成可能と
なり、そのことによって生産性が向上され、加えて重要
なことにはノズル詰まりがないことによって溶鋼流れの
偏流を抑えることが可能となり、清浄なスラブを製造す
ることが可能となった。
【0027】かつ連続鋳造鋳型内の湯面に静磁場を加え
ることによって湯面の変動を抑えることができ、またノ
ズル吐出口下部に静磁場を加えることによって均一な溶
鋼の下降流を得ることができることによってモールドパ
ウダーの巻き込みのないさらに清浄な鋼スラブを製造可
能とした。なおこの本発明で磁場が重要な役割を果たし
ているが、この磁場の領域においては以下のようにする
ことによりさらに良好な効果を得ることができる。まず
進行磁場に関して、それはノズルの先端部を含み、これ
よりも下方に適用することである。特にノズル先端部の
吐出口部に磁場との隙間が存在した場合、ノズルと磁場
の間隙から溶鋼の吐出流が噴出し、あたかも従来の2孔
型浸漬ノズルのような効果を発生し、溶鋼流は水平方向
の流れが発生してしまう。この溶鋼流れは鋳型短辺壁に
衝突し、該短辺壁に沿って深く下降し、短辺壁側の凝固
シェルを洗うことになり、鋳片の清浄性に関して非常に
良くない。
【0028】また静磁場に関しては溶鋼の湯面部を含む
ような領域で湯面全面を覆うように静磁場を発生させる
ことが重要である。例えば溶鋼の湯面に静磁場が加わら
ずに単に湯面下部にのみ磁場を発生させた場合には、湯
面下の流れを制動することは可能でも溶鋼の湯面の変動
は抑えることはできないため、湯面変動による湯面のモ
ールドパウダー巻き込みが発生してしまう。
【0029】さらにノズル吐出口の溶鋼の噴出している
下部には連鋳鋳型を全面にわたって覆うように静磁場を
発生させる必要性が存在する。これが一部でも欠けた場
合、そこに溶鋼の流れが集中し、均一な下降流が達成で
きず、品質が悪化する。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に従えば、安
定して連続鋳造が可能となり、品質及び生産性の向上を
図ることが可能となる。特に静磁場と進行磁場を併用す
ることで従来では得られなかった良質の連鋳スラブを得
ることが可能となった。また、溶鋼の酸素濃度が低い場
合には、ノズル詰まり防止用のガス吹きをすることなし
に連続鋳造することが可能であることが確認でき、同時
にガスによる製品欠陥をなくすことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続鋳造装置を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係るストレート浸漬ノズルを示す図面
である。
【図3】実施例の結果を表面欠陥発生率(指数)につい
て示す比較図である。
【図4】従来例に係る2孔型の浸漬ノズルを示す図面で
ある。
【符号の説明】
1 連鋳鋳型 1a 短辺壁 1b 長辺壁 2 浸漬ノズル 3 進行磁場発生器 4 ストレートノズル吐出口 5 左右対称吐出口 6 静磁場発生器 7 静磁場発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 久生 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平2−284750(JP,A) 特開 平2−89544(JP,A) 特開 平1−266949(JP,A) 特開 昭64−66055(JP,A) 特開 昭56−160862(JP,A) 特開 昭63−154246(JP,A) 特開 昭63−119959(JP,A) 特開 昭62−130752(JP,A) 特開 平5−96345(JP,A) 特開 平5−77009(JP,A) 特開 平5−77006(JP,A) 特開 平4−313447(JP,A) 特開 平2−284749(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10 350 B22D 11/10 330 B22D 11/04 311 B22D 27/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュから溶鋼を、各一対の鋳
    型短辺壁と鋳型長辺壁との組み合わせからなる連続鋳造
    鋳型内に上記タンディッシュとつながるノズル本体の先
    端を解放したストレート浸漬ノズルを通して供給しつつ
    鋼スラブを連続鋳造するにあたり、上記鋳型長辺壁の背
    面幅中央域に進行磁場発生器を配置すると共に、上記進
    行磁場発生器の上方に当たる湯面の位置および下方位置
    に鋳型長辺壁の全幅に静磁場発生器を配置し、上記スト
    レート浸漬ノズルの吐出口近傍に上記進行磁場発生器の
    磁極領域に位置させた状態で上記ストレート浸漬ノズル
    からの吐出溶鋼流に鋳型長辺壁と直交し、上方に向かい
    移動する進行磁場を作用して制動を加え、かつその進行
    磁場の上方に当たる湯面位置で鋳型長辺壁と直交する静
    磁場を加えて湯面を沈静化する一方、上記進行磁場の下
    方位置で鋳型長辺壁と直交する静磁場を加えて溶鋼の下
    降流を均一化することを特徴とする進行磁場と静磁場に
    よる鋼スラブの連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 酸素濃度が 20ppm以下の溶鋼を用いて浸
    漬ノズル内に不活性ガスを吹き込まない請求項1記載の
    方法。
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US7448431B2 (en) 2003-04-11 2008-11-11 Jfe Steel Corporation Method of continuous steel casting

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