JPH08128467A - フローティングキャリパ型のディスクブレーキ - Google Patents

フローティングキャリパ型のディスクブレーキ

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JPH08128467A
JPH08128467A JP7107904A JP10790495A JPH08128467A JP H08128467 A JPH08128467 A JP H08128467A JP 7107904 A JP7107904 A JP 7107904A JP 10790495 A JP10790495 A JP 10790495A JP H08128467 A JPH08128467 A JP H08128467A
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JP
Japan
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caliper
disc
length
elastic member
elastic
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JP7107904A
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Inventor
Hiroyuki Maeda
宏之 前田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動解除時に、ディスクとアウターパッドと
の間に第2間隙が確実に形成され、車両の走行時に引き
ずりトルクを生ずることが防止され、車両の燃費が向上
すると共に、摺動に伴う異音が解消するディスクブレー
キの提供。 【構成】 サポート4とキャリパ5との間に、アウター
パッド14の摩耗量に応じて係合位置が次第に変化する
弾性部材18,28a,28bを介在させ、制動時に
は、弾性部材18,28a,28bを弾性変形させなが
らキャリパ5を他方向に移動させ、制動解除時には、弾
性部材の弾性的な復帰変形によつてキャリパ5を第1長
さL1 よりも短い第2長さL2 だけ一方向に復帰移動さ
せ、制動解除時に、ディスク1とインナーパッド10と
の間に第1間隙Δを形成し、ディスク1とアウターパッ
ド14との間に第2間隙δを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フローティングキャリ
パ型のディスクブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】フローティングキャリパ型
のディスクブレーキは、車両の非回転部に固定したサポ
ートと、サポートに摺動自在に支持したキャリパとを備
え、キャリパの後腕のシリンダ部に摺動自在に嵌合する
ピストンに当接するインナーパッドと、キャリパの前腕
に支持するアウターパッドとで、車輪と共に回転するデ
ィスクを挟圧し、制動トルクを生ずる。この種のディス
クブレーキにあつては、ディスクと各パッドとの制動解
除時の間隙は、次のようにして確保している。すなわ
ち、シリンダ部とピストンとの間にゴム質弾性体からな
るシールリングを介装させ、制動時のピストンの一方向
への突出移動は、シールリングの弾性変形によつて許容
させ、制動解除時には、シールリングの弾性的な復帰変
形によつてピストンを復帰移動させる。両パッドが摩耗
すれば、その摩耗量に応じてシールリングのピストンと
の係合位置が次第に変化し、ピストンが一方向へ次第に
突出移動する。これにより、ブレーキペダルの踏み込み
量、ひいてはブレーキ作動液量を一定に保つと共に、デ
ィスクとインナーパッドとの間に所定間隙を形成する。
制動解除時のディスクとアウターパッドとの間の間隙
は、回転するディスクにアウターパッドが蹴られること
によつて、アウターパッドが遠ざけられるようにキャリ
パと共に移動して形成される。その際、キャリパがサポ
ートに対して若干摺動する。
【0003】しかしながら、このような従来のフローテ
ィングキャリパ型のディスクブレーキにあつては、ディ
スクとインナーパッドとの間の所定間隙は、シールリン
グの弾性変形によつて確実に形成されるが、ディスクと
アウターパッドとの間の間隙は、確実には形成されない
傾向にある。このため、車両の走行時において、常時、
アウターパッドがディスクに摺動して引きずりトルクを
生ずることとなり、車両の燃費の悪化の原因になると共
に、摺動に伴う異音を生ずるという技術的課題がある。
このような不具合は、ディスクの製作及び取付け精度が
高まる程、顕在化する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、次の通りである。請求項1の発明の構成は、車両の
非回転部に固定するサポート4と、サポート4にフロー
ティング自在に支持するキャリパ5と、キャリパ5の後
腕5aのシリンダ部6に摺動自在に嵌合するピストン8
によつて押し出されるインナーパッド10と、キャリパ
5の前腕5bに支持されるアウターパッド14と、シリ
ンダ部6とピストン8との間に介装され、両パッド1
0,14の摩耗量に応じて係合位置が次第に変化するシ
ールリング12とを備え、制動時には、シールリング1
2を弾性変形させながらピストン8を一方向に突出さ
せ、キャリパ5をサポート4に対して他方向に移動させ
て、インナーパッド10とアウターパッド14とで車輪
と共に回転するディスク1を挟圧し、制動トルクを生じ
させ、制動解除時には、シールリング12の弾性変形に
よつてピストン8を第1長さL1 だけ他方向に復帰移動
させ、ディスク1とインナーパッド10との間に間隙を
形成するフローティングキャリパ型のディスクブレーキ
であつて、前記サポート4とキャリパ5との間に、アウ
ターパッド14の摩耗量に応じて係合位置が次第に変化
する弾性部材18,28a,28bを介在させ、制動時
には、弾性部材18,28a,28bを弾性変形させな
がらキャリパ5を他方向に移動させ、制動解除時には、
弾性部材18,28a,28bの弾性的な復帰変形によ
つてキャリパ5を前記第1長さL1 よりも短い第2長さ
2 だけ一方向に復帰移動させ、制動解除時に、ディス
ク1とインナーパッド10との間に第1間隙Δを形成
し、ディスク1とアウターパッド14との間に第2間隙
δを形成することを特徴とするフローティングキャリパ
型のディスクブレーキである。請求項2の発明の構成
は、サポート4とキャリパ5との間に、キャリパ5のフ
ローティングを支持する直動ベアリング24を介在させ
ることを特徴とする請求項1のフローティングキャリパ
型のディスクブレーキである。
【作用】
【0005】請求項1の発明によれば、制動時にピスト
ン8を一方向に突出させれば、インナーパッド10がデ
ィスク1に押付けられ、その反力によつてキャリパ5が
他方向に移動し、アウターパッド14がディスク1の他
側面に押付けられる。その際、弾性部材18,28a,
28bが第2長さL2 だけ弾性変形する。アウターパッ
ド14が所定量を越えて摩耗している場合には、キャリ
パ5とサポート4との相対的な移動量が所定範囲を越え
て大きくなるため、弾性部材18,28a,28bのサ
ポート4又はキャリパ5側との係合位置が、アウターパ
ッド14の摩耗量に応じて次第に変化する。一方、両パ
ッド10,14が所定量を越えて摩耗している場合に
は、シールリング12のピストン8(又はキャリパ5)
との係合位置が、摩耗量に応じて次第に変化する。
【0006】次いで、制動解除時には、シールリング1
2が弾性的に復帰変形し、ピストン8が第1長さL1
け他方向に復帰移動し、インナーパッド10とディスク
1の一側面との間に間隙が形成される。同時に、係合状
態の弾性部材18,28a,28bが弾性的に復帰変形
する。これにより、キャリパ5を一方向に第2長さL2
だけ復帰移動させ、アウターパッド14とディスク1と
の間に第2間隙δを形成する。この第2間隙δは、弾性
部材18,28a,28bの弾性的な復帰変形量である
第2長さL2 と一致している。
【0007】制動解除時にキャリパ5が一方向に復帰移
動する第2長さL2 は、アウターパッド14の摩耗量の
如何を問わず、第1長さL1 よりも小さく設定されてい
る。しかして、制動解除時に、アウターパッド14とデ
ィスク1との間に第2間隙δが形成された状態で、イン
ナーパッド10とディスク1との間に第1間隙Δが確実
に形成され、ディスク1と両パッド10,14との引き
ずりがそれぞれ確実に防止される。
【0008】請求項2の発明によれば、サポート4に対
するキャリパ5のフローティングが、直動ベアリング2
4によつて円滑になされる。このため、弾性部材18,
28a,28bの弾性的な復帰変形量に基づき、キャリ
パ5が一方向に第2長さL2だけ正確に復帰移動する。
その結果、制動解除時に、アウターパッド14とディス
ク1との間に第2間隙δが確実に形成される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1〜図6は、本発明の1実施例を示す。
図中において符号1は円板状のディスクを示し、車両の
車輪(図示せず)と一体に回転する部材、例えばホイー
ル、アクスルシャフトのフランジ部等にボルト・ナット
によつて固定され、車輪と共に回転する。一方、車両の
非回転部(図示せず)、例えばナツクル、車軸管等に
は、サポート4が堅固に固設されている。このサポート
4には、ディスク1を跨ぐキヤリパ5が一方向(ディス
ク1の回転軸線方向(図1上で左右方向))に摺動自在
(フローティング自在)に支持され、キヤリパ5の後腕
5a(ディスク1の回転軸線方向の一端部)には、一個
のシリンダ部6が形成されている。このキヤリパ5は、
ディスク1の回転方向の両側部に形成した耳部15,1
5の穴部15aに、サポート4に平行に固設したピン1
6がそれぞれ摺動自在に嵌合しているので、一対のピン
16に案内されてディスク1の回転軸線方向に移動す
る。
【0010】キヤリパ5の後腕5aに形成したシリンダ
部6には、図2〜図4に示すシールリング12を介装し
て、ピストン8を前記回転軸線方向の摺動自在に嵌合さ
せてあり、ピストン8には、インナーパツド10が押出
し可能に当接している。また、キヤリパ5の前腕5b
(前記回転軸線方向の他端部)には、アウターパッド1
4が当接支持されている。なお、このアウターパッド1
4は、着脱自在な結合手段、例えばボルトによつて前腕
5bに一体的に取付けることもできる。しかして、制動
時には、図4に示すようにシールリング12を弾性変形
させながらピストン8を一方向に突出させて、インナー
パッド10とアウターパッド14とでディスク1を挟圧
し、制動トルクを生じさせ、制動解除時には、シールリ
ング12の弾性的な復帰変形によつてピストン8を図4
に示す第1長さL1 だけ復帰移動させ、ディスク1とイ
ンナーパッド10との間に図2に示す第1間隙Δを形成
することができる。
【0011】サポート4に固設した一対のピン16は、
図1に示すようにそれぞれサポート4を貫通させた軸部
材16aと、軸部材16aに螺着するブッシュ16bと
からなり、ブッシュ16bの外周面がキヤリパ5の穴部
15aを摺動する。24は、ブッシュ16bと穴部15
aとの間の移動部に介在させた直動ベアリング(リニア
モーションベアリング)であり、サポート4に対するキ
ャリパ5の摺動抵抗を軽減させて、キャリパ5に円滑な
移動を与える機能を有する。20,21は、それぞれキ
ヤリパ5の耳部15,15とブッシュ16bの各端部と
の間を覆うシーリングブーツである。
【0012】そして、サポート4の各ピン16、具体的
には各ブッシュ16bとキヤリパ5の耳部15,15と
の間であつて、直動ベアリング24を避けた位置とし
て、図1,図5に示すように弾性部材18を介在させ
る。弾性部材18は、ゴム質弾性体(ゴム又はエラスト
マー)によつて環状に形成され、各ピン16にそれぞれ
複数個配置してあり、制動時には、弾性変形しながらキ
ャリパ5の他方向への移動を許容させ、制動解除時に、
キヤリパ5に一方向への復帰移動を与えるように機能す
る。すなわち、制動解除時には、図6に示す状態から弾
性部材18が弾性的に復帰変形し、キャリパ5を一方向
に第2長さL2 だけ移動させ、制動解除状態でディスク
1とアウターパッド14との間に図2に示す第2間隙δ
を形成する。一方、アウターパッド14が摩耗している
場合には、制動時に、アウターパッド14の摩耗量に応
じてキャリパ5が他方向に大きく移動し、弾性部材18
のピン16との密着係合位置が次第に変化する。
【0013】具体的には図1,図5に示すようにキヤリ
パ5の耳部15,15に複数個の環状溝22を形成し、
各環状溝22に弾性部材18の外周部を埋め込み、各弾
性部材18の内周面をピン16の外周面に弾性的に密着
させてある。図5に示すように環状溝22の内周部に
は、浅い環状溝部22aが形成され、浅い環状溝部22
a内で弾性部材18の弾性変形を許容すると共に、ピン
16による穴部15aの摺動案内を緻密に行うようにな
つている。ここで、弾性部材18の弾性的な復帰変形
量、つまり制動解除時にキャリパ5を一方向に移動させ
る第2長さL2 は、シールリング12の弾性的な復帰変
形量である第1長さL1 よりも小さく設定され、第1長
さL1 の1/5〜4/5の範囲、好ましくは1/2に設
定する。各ピン16とキヤリパ5の耳部15,15との
間に、ディスク1の回転軸線方向に複数個の弾性部材1
8を配置するのは、キヤリパ5の重量に応じて大きな弾
性的復帰力を発生させるためであり、キヤリパ5を一方
向に復帰移動させることが可能であれば、各ピン16に
1個の弾性部材18のみを配置することもできる。
【0014】次に上記実施例の作用について説明する。
車両走行時に、図外のブレーキペダルを踏み込んでシリ
ンダ部6に圧液(ブレーキ作動液)を供給すれば、ピス
トン8と共にインナーパッド10が一方向に押し出さ
れ、車輪と共に回転するディスク1の一側面にインナー
パッド10が押付けられる。その際、シールリング12
が第1長さL1 だけ弾性変形する。両パッド10,14
が所定量を越えて摩耗している場合は、その摩耗量に応
じてピストン8がシールリング12に対して移動する。
従つて、ピストン8の復帰長さは、常にシールリング1
2の弾性的な復帰変形量である第1長さL1 と一致する
ことになる。
【0015】一方、インナーパッド10がディスク1に
押付けられれば、その反力によつてキャリパ5が他方向
に移動し、前腕5bに当接するアウターパッド14がデ
ィスク1の他側面に押付けられる。このキャリパ5の移
動に際しては、各ピン16に対して穴部15aが摺動す
る。これにより、ディスク1ひいては車輪が制動を受け
る。両パッド10,14に生ずる制動トルクは、直接
(又はピン16及びキヤリパ5を介して)サポート4に
伝えられて支持されるようになつている。
【0016】そして、制動に際して各ピン16に対して
穴部15aが摺動することにより、各弾性部材18が図
6に示すように第2長さL2 だけ弾性変形する。アウタ
ーパッド14が所定量を越えて摩耗している場合には、
ピン16と穴部15aとの相対的な移動量が所定範囲を
越えて大きくなるため、キャリパ5及び各弾性部材18
が各ピン16に対して他方向に移動し、各弾性部材18
の各ピン16との密着係合位置がアウターパッド14の
摩耗量に応じて次第に変化する。
【0017】次いで、シリンダ部6から圧液を排出させ
て制動を解除すれば、シールリング12が弾性的に復帰
変形し、ピストン8が第1長さL1 だけシリンダ部6内
に没入するように他方向に復帰移動し、インナーパッド
10とディスク1の一側面との間に間隙が形成される。
同時に、各弾性部材18が弾性的に復帰変形する。これ
により、キャリパ5を一方向に第2長さL2 だけ復帰移
動させ、アウターパッド14とディスク1との間に第2
間隙δを形成する。この第2間隙δは、弾性部材18の
弾性的な復帰変形量である第2長さL2 と一致してい
る。ブッシュ16bと穴部15aとの間の移動部に直動
ベアリング24を介在させたので、各弾性部材18の弾
性的な復帰変形に基づき、キャリパ5がサポート4に対
して円滑に移動することとなり、キャリパ5の一方向へ
の第2長さL2 の復帰移動が確実になされる。
【0018】そして、制動解除時にキャリパ5が一方向
に復帰移動する第2長さL2 は、第1長さL1 よりも小
さく設定されている。しかして、制動解除時に、アウタ
ーパッド14とディスク1との間に第2間隙δが形成さ
れた状態で、インナーパッド10とディスク1との間に
第1間隙Δが確実に形成され、ディスク1と両パッド1
0,14との引きずりがそれぞれ確実に防止される。第
2長さL2 を第1長さL1 の1/5〜4/5の範囲に設
定すれば、第1,第2間隙Δ,δが引きずりを防止する
上で適当に形成され、第2長さL2 を第1長さL1 の1
/2に設定すれば、第1,第2間隙Δ,δが同一に形成
され、引きずりが更に良好に防止される。なお、弾性部
材18は、内周部を各ピン16に固定し、外周部をキヤ
リパ5の穴部15aに密着させても、同様の作用が得ら
れる。
【0019】図7〜図9には、弾性部材の他の構造例を
示し、サポート4の各ピン16とキヤリパ5の耳部1
5,15の穴部15aとの間に配設する弾性部材28
a,28bは、それぞればね鋼によつて製作されてい
る。各ピン16とキヤリパ5の耳部15,15との間に
は、液密を維持する必要がないので、ゴム質弾性体に代
えてばね鋼製の弾性部材28a,28bを使用すること
が可能である。一方の弾性部材28aはサポート4の各
ピン16にそれぞれ所定間隔で固着され、他方の弾性部
材28bはキヤリパ5の耳部15,15に1個固着され
ている。弾性部材28a,28bは、制動解除時にキャ
リパ5を第2長さL2 だけ一方向に復帰移動させ、ディ
スク1とアウターパッド14との間に第2間隙δを形成
する機能を有する。しかして、各弾性部材28a,28
bは、環状に形成され、一方の弾性部材28aの外周部
と他方の弾性部材28bの内周部とが所定幅で係合可能
であり、かつ、それぞれの弾性変形が容易なように、周
方向の所定間隔でスリット28c,28dを形成してあ
る。従つて、係合する弾性部材28a,28bは、それ
ぞれのスリット28c,28dの間が弾性変形する。
【0020】そして、一方の弾性部材28aの間隔は、
制動時に他方の弾性部材28bと必ず弾性的係合を行う
と共に、他方の弾性部材28bとの弾性的係合に伴うキ
ャリパ5の復帰移動量、つまり係合する弾性部材28
a,28bの弾性的な復帰変形量である第2長さL
2 が、アウターパッド14の摩耗量の如何を問わず、シ
ールリング12の弾性的な復帰変形量である第1長さL
1 よりも小さくなるように設定され、第1長さL1 の1
/5〜4/5の範囲、好ましくは1/2を中心として形
成されるように設定される。
【0021】しかして、この構造例によれば、制動時
に、インナーパッド10がディスク1に押付けられ、そ
の反力によつてキャリパ5が他方向に移動し、アウター
パッド14がディスク1の他側面に押付けられる。この
キャリパ5の移動に際しては、各ピン16に対して穴部
15aが摺動すると共に、弾性部材28a,28bが図
8に示すように第2長さL2 だけ弾性変形する。アウタ
ーパッド14が所定量を越えて摩耗している場合には、
ピン16と穴部15aとの相対的な移動量が所定範囲を
越えて大きくなるため、他方の弾性部材28bが、一方
の弾性部材28aの1個を乗り越えて他方向に移動し、
次位の弾性部材28aと弾性的に係合する。かくして、
他方の弾性部材28bの一方の弾性部材28aひいては
各ピン16に対する係合位置が、アウターパッド14の
摩耗量に応じて次第に変化する。
【0022】次いで、制動解除時には、シールリング1
2が弾性的に復帰変形し、ピストン8が第1長さL1
け他方向に復帰移動し、インナーパッド10とディスク
1の一側面との間に間隙が形成される。同時に、係合状
態の各弾性部材28a,28bが弾性的に復帰変形す
る。これにより、キャリパ5を一方向に第2長さL2
け復帰移動させ、アウターパッド14とディスク1との
間に第2間隙δを形成する。この第2間隙δは、係合状
態の弾性部材28a,28bの弾性的な復帰変形量であ
る第2長さL2 と一致している。
【0023】そして、制動解除時にキャリパ5が一方向
に復帰移動する第2長さL2 は、アウターパッド14の
摩耗量の如何を問わず、第1長さL1 よりも小さく設定
されている。しかして、制動解除時に、アウターパッド
14とディスク1との間に第2間隙δが形成された状態
で、インナーパッド10とディスク1との間に第1間隙
Δが確実に形成され、ディスク1と両パッド10,14
との引きずりがそれぞれ確実に防止される。第2長さL
2 を第1長さL1 の1/5〜4/5の範囲に設定すれ
ば、第1,第2間隙Δ,δが引きずりを防止する上で適
当に形成され、第2長さL2 を第1長さL1 の1/2を
中心として形成されるように設定すれば、第1,第2間
隙Δ,δがほぼ同一に形成され、引きずりが更に良好に
防止される。
【0024】なお、弾性部材28a,28bは、一方の
弾性部材28aの間隔と同一又は異なる間隔で他方の弾
性部材28bを複数個設け、係合する各弾性部材28
a,28bの合力により、制動解除時におけるキャリパ
5の一方向への復帰移動量(第2長さL2 )を設定する
こともできる。更には、対向する弾性部材28a,28
bは、一方を突起として形成し、他方のみに弾性変形を
与えることも可能である。
【0025】ところで、上記実施例にあつては、各弾性
部材18,28a,28bをサポート4の各ピン16と
キヤリパ5の耳部15,15との間に配設し、キヤリパ
5を、弾性部材18,28a,28bを介してサポート
4に摺動自在に支持したが、サポート4とキャリパ5と
の間にピン16及び耳部15,15に代えて専用の別部
材を配設し、この別部材の間に各弾性部材18,28
a,28bを介装して、上記実施例と同様の作用を得る
ことも可能である。また、本発明は、キヤリパ5がサポ
ート4の溝部に対して摺動する形式のフローティングキ
ャリパ型のディスクブレーキに対しても、同様に適用が
可能である。これらの場合には、弾性部材18,28
a,28bの形状は環状に限定されず、矩形その他の形
状を与えることも可能である。
【0026】更に、キヤリパ5の耳部15,15にゴム
質弾性体からなる弾性部材18を取付けた状態で、各ピ
ン16をキヤリパ5の穴部15aに弾性部材18を若干
圧縮させながら挿入する際、ピン16の挿入先端部に弾
性部材18の内周部が衝突し、弾性部材18が損傷を受
ける恐れがある。そこで、各ピン16の挿入先端部の周
縁に、図5に示すように面取り部16cを予め形成して
おくことができる。これにより、弾性部材18は、その
周縁部が面取り部16cに案内されて次第に圧縮を受け
ながら各ピン16の所定位置に配置される。かくして、
弾性部材18をほとんど損傷させることなく、所定量だ
け弾性的に圧縮させて、穴部15aとピン16との間に
組付けることができる。
【0027】なお、本発明は、キヤリパ5の重量が作用
した状態での引きずりトルクを解消する目的で、制動解
除時に、弾性部材18,28a,28bの弾性的な復帰
変形によつてキャリパ5を第2長さL2 だけ一方向に復
帰移動させ、ディスク1とアウターパッド14との間に
第2間隙δを形成するものであり、サポート4とキャリ
パ5との間に直動ベアリング24を介在させることから
も分かるように、図5に示すようにキャリパ5の耳部1
5,15と各ピン16との間に隙間を形成し、キャリパ
5を可及的に浮動(フローティング)可能としてサポー
ト4に支持すればよい。従つて、例えば車両用のフロー
ティングキャリパ型のディスクブレーキにおいて、少な
くとも車両のバウンド・リバウンド時以外の常態にてサ
ポート4自体と非接触となるように、キヤリパ5を弾性
部材18,28a,28bによつて支持すれば、直動ベ
アリング24を省略することが可能である。
【0028】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るフローティングキャリパ型のディスクブレ
ーキによれば、制動解除時に、ディスクと両パッドとの
間にそれぞれ間隙が確実に形成される。その結果、車両
の走行時において、特にアウターパッドがディスクに常
時摺動して引きずりトルクを生ずることが防止され、車
両の燃費が向上すると共に、摺動に伴う異音が解消する
ので、ディスクブレーキとしての商品価値が著しく向上
する。上記効果は、ディスクの製作及び取付け精度が高
まり、回転するディスクにアウターパッドが蹴られ難く
なる程、良好に得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係るフローティングキャ
リパ型のディスクブレーキを一部切開して示す図。
【図2】 同じく断面図。
【図3】 同じくシールリングを示す断面図。
【図4】 同じくシールリングの作用説明図。
【図5】 同じく弾性部材を示す断面図。
【図6】 同じく弾性部材の作用説明図。
【図7】 他の構造例に係る弾性部材を示す断面図。
【図8】 同じく弾性部材の作用説明図。
【図9】 同じく弾性部材の半部を示す図。
【符号の説明】
1:ディスク、4:サポート、5:キャリパ、5a:後
腕、5b:前腕、6:シリンダ部、8:ピストン、1
0:インナーパッド、12:シールリング、14:アウ
ターパッド、18,28a,28b:弾性部材、24:
直動ベアリング、L1 :第1長さ、L2 :第2長さ、
Δ:第1間隙、δ:第2間隙。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の非回転部に固定するサポート
    (4)と、サポート(4)にフローティング自在に支持
    するキャリパ(5)と、キャリパ(5)の後腕(5a)
    のシリンダ部(6)に摺動自在に嵌合するピストン
    (8)によつて押し出されるインナーパッド(10)
    と、キャリパ(5)の前腕(5b)に支持されるアウタ
    ーパッド(14)と、シリンダ部(6)とピストン
    (8)との間に介装され、両パッド(10,14)の摩
    耗量に応じて係合位置が次第に変化するシールリング
    (12)とを備え、制動時には、シールリング(12)
    を弾性変形させながらピストン(8)を一方向に突出さ
    せ、キャリパ(5)をサポート(4)に対して他方向に
    移動させて、インナーパッド(10)とアウターパッド
    (14)とで車輪と共に回転するディスク(1)を挟圧
    し、制動トルクを生じさせ、制動解除時には、シールリ
    ング(12)の弾性変形によつてピストン(8)を第1
    長さ(L1 )だけ他方向に復帰移動させ、ディスク
    (1)とインナーパッド(10)との間に間隙を形成す
    るフローティングキャリパ型のディスクブレーキであつ
    て、前記サポート(4)とキャリパ(5)との間に、ア
    ウターパッド(14)の摩耗量に応じて係合位置が次第
    に変化する弾性部材(18,28a,28b)を介在さ
    せ、制動時には、弾性部材(18,28a,28b)を
    弾性変形させながらキャリパ(5)を他方向に移動さ
    せ、制動解除時には、弾性部材(18,28a,28
    b)の弾性的な復帰変形によつてキャリパ(5)を前記
    第1長さ(L1 )よりも短い第2長さ(L2 )だけ一方
    向に復帰移動させ、制動解除時に、ディスク(1)とイ
    ンナーパッド(10)との間に第1間隙(Δ)を形成
    し、ディスク(1)とアウターパッド(14)との間に
    第2間隙(δ)を形成することを特徴とするフローティ
    ングキャリパ型のディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 サポート(4)とキャリパ(5)との間
    に、キャリパ(5)のフローティングを支持する直動ベ
    アリング(24)を介在させることを特徴とする請求項
    1のフローティングキャリパ型のディスクブレーキ。
JP7107904A 1994-09-07 1995-04-07 フローティングキャリパ型のディスクブレーキ Pending JPH08128467A (ja)

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JP23951794 1994-09-07
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