JPH08127590A - 3´−グルコシルアデノシン誘導体 - Google Patents

3´−グルコシルアデノシン誘導体

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JPH08127590A
JPH08127590A JP22145995A JP22145995A JPH08127590A JP H08127590 A JPH08127590 A JP H08127590A JP 22145995 A JP22145995 A JP 22145995A JP 22145995 A JP22145995 A JP 22145995A JP H08127590 A JPH08127590 A JP H08127590A
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JP
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solvent
derivative
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Application number
JP22145995A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Hotoda
仁 穂戸田
Masakatsu Kaneko
正勝 金子
Masaaki Takahashi
正明 高橋
Kazuhiko Tanzawa
和比古 丹沢
Hideji Takahashi
秀次 高橋
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 InsP3 受容体に作用してCa2+濃度を上
昇させる活性を有するアデノホスチン類の新規な合成中
間体を提供することを目的とする。 【解決手段】 式(I)で示されるアデノホスチン中間
体化合物。 【化1】 (式中、R1 及びR2 はアシル基;R3 及びR5 は置換
可ベンジル基、トリアルキルシリル基、アルコキシアル
キル基、アルコキシアルコキシアルキル基;R4 は置換
基可トリフェニルメチル基、トリアルキルシリル基;R
6 、R7 及びR8 はアシル基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イノシトール1,4,
5−トリスホスフェート(InsP3)受容体に作用して
細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させる活性を有する
アデノホスチン(adenophostin)類の合成における重要
中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】Ca2+が細胞内情報伝達物質として神経
伝達や筋収縮及び細胞の増殖、分化に重要であることは
広く認められている。この細胞内へのCa2+の動員に、
イノシトール1,4,5−トリスホスフェート(Ins
3)は重要な役割を有している(Nature, 341 巻, 197-
205 頁(1989年))。すなわち、InsP3 は細胞膜のリ
ン脂質より生体内で生成し(同誌 312巻、 315〜321 頁
(1984年)、生成されたInsP3 は小胞体に存在する
InsP3 受容体に結合し(同誌 342巻、32〜38頁(19
89年)、その結果小胞体に貯蔵されているCa2+濃度を
上昇させる(同誌342巻、87〜89頁(1989年)。
【0003】本発明者の高橋らは、InsP3 と同様に
InsP3 受容体に作用してCa2+濃度を上昇させる活
性を有する化合物として、式(II)のアデノホスチン
(Adenophostin)類をPenicillium brevicompactum SAN
K 11991 及びSANK 12177株の培養物より見い出した〔特
開平5−194580号公報、J. Antibiot. 47 巻、 95
-100頁(1994年)〕。
【0004】
【化3】
【0005】(式中、Rが水素原子を表すものはアデノ
ホスチンAであり、Rがアセチル基のものはアデノホス
チンBである) しかしながら、上記特開平5−194580号公報に記
載の醗酵法によってアデノホスチン類を大量生産するこ
とは困難であるので、本発明者らはアデノホスチン類の
全合成を試みた。
【0006】アデノホスチン類は上記式(II)に示すよ
うに、アデノシンの3´水酸基がグルコースにα配位で
グリコシル結合した特徴的な構造を有しているが、これ
までアデノシンの3´水酸基がグルコースによってグリ
コシル化された化合物の化学合成については知られてい
ない。F.W. Lichtenthalerらはリボヌクレオシドの5´
水酸基のグリコシル化について報告し〔Angew. Chem, 9
0 巻, 819-821 頁(1978年)〕、また鈴木らはアデノシ
ンの酵素的なグリコシル化によって5´水酸基がグリコ
シル化された化合物が優先的に得られることを報告して
いる(ビタミン、44巻、 196〜 200(1971年)が、いず
れもアデノシンの3´水酸基のグリコシル化ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアデノホスチ
ン類の全合成を可能にする中間体として有用、かつ、新
規な3´−水酸基がグリコシル化されたアデノシン誘導
体を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意研究の結果、アデノシンの3´水酸
基がグルコシル化された式(I)の化合物の合成に成功
し、これを中間体としてアデノホスチン類の全合成を可
能にした。
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
アシル基を表し、R3 及びR5 は同一又は異なって、置
換基を有していてもよいベンジル基、トリアルキルシリ
ル基、アルコキシアルキル基又はアルコキシアルコキシ
アルキル基を表し、R4 は置換基を有していてもよいト
リフェニルメチル基又はトリアルキルシリル基を表し、
6 、R7 及びR8 は同一又は異なってアシル基を表
す〕 上記式中、R1 及びR2 のアシル基としては、アルカノ
イル基、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、ペンタノイル、ピバロイルのようなC2
8 のアルキルカルボニル基;クロロアセチル、ジクロ
ロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチ
ルのようなハロゲン化アルキルカルボニル基;メトキシ
アセチルのようなアルコキシアルキルカルボニル基、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルのようなハ
ロゲン化アルコキシカルボニル基、並びに芳香族アシル
基、例えばベンゾイル、ブロモベンゾイル、クロロベン
ゾイル;トリメチルベンゾイル、トルオイル;アニソイ
ル、ニトロベンゾイル、2−(メトキシカルボニル)ベ
ンゾイルのようなハロゲン、低級アルキル、低級アルコ
キシ、ニトロ又は低級アルコキシカルボニルが置換して
いてもよいベンゾイル基、R1 とR2 が一緒になって示
すフタロイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル及び
ベンゾイルである。
【0011】R3 及びR5 の置換基を有していてもよい
ベンジル基としては、ベンジル、4−ブロモベンジル、
4−クロロベンジル、4−フェニルベンジル、メトキシ
ベンジル、ジメトキシベンジル、ニトロベンジルのよう
なハロゲン、フェニル、低級アルコキシ又はニトロが置
換していてもよいベンジル等が;トリアルキルシリル基
としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソ
プロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、
メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリル
等が;アルコキシアルキル基としては、メトキシメチ
ル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキ
シメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチル、ベン
ジルオキシメチル等が;アルコキシアルコキシアルキル
基としては、2−メトキシエトキシメチル、2−エトキ
シエトキシメチル等が挙げられる。好ましいR3 及びR
5 はベンジル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベン
ジル、3,4−ジメトキシベンジル、t−ブチルジメチ
ルシリル、2−メトキシエトキシメチル及びメトキシメ
チルである。
【0012】R4 の置換基を有してもよいトリフェニル
メチル基としては、トリフェニルメチル、4−メトキシ
トリフェニルメチル、4,4’−ジメトキシトリフェニ
ルメチル、4,4’,4”−トリメトキシトリフェニル
メチル、4−シアノトリフェニルメチルのような低級ア
ルコキシ又はシアノが置換していてもよいトリフェニル
メチル基が挙げられ;トリアルキルシリル基としては前
記R3 及びR5 で例示したものが挙げられる。好ましい
4 はトリフェニルメチル、4−メトキシトリフェニル
メチル、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル及び
t−ブチルジメチルシリルである。
【0013】R6 、R7 及びR8 のアシル基としては、
前記R1 及びR2 で例示したものが挙げられ、好ましく
はアセチル及びベンゾイルである。
【0014】式(I)のうち好ましい化合物は表1〜表
5に例示することができ、対応するR1 及びR2 がアセ
チルである化合物及び/又は対応するR6 、R7 及びR
8 がベンゾイルである化合物も等しく好ましい。表中、
及び下記参考例におけるR1〜R8 の略語は次の基を表
す。
【0015】Bz=ベンゾイル Ac=アセチル Bn=ベンジル PNBn=4−ニトロベンジル MPM=4−メトキシベンジル DMPM=3,4−ジメトキシベンジル TBDMS=t−ブチルジメチルシリル MEM=2−メトキシエトキシメチル MOM=メトキシメチル Tr=トリフェニルメチル MMTr=4−メトキシトリフェニルメチル DMTr=4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】上記表中、本発明の中間体として最も好ま
しい化合物は、次の化合物番号のものである。1、2、
6、7、11、12、41、42、46、47、51、
52、61、62、63、67、68、69、73、7
4、75、85、86、87、91、92、93、9
7、98、99、109、121、133、134、1
35、136及び137。
【0022】式(I)の化合物は、アデノシン誘導体
(III)にグルコース誘導体(IV)を縮合させることによ
り製造される。
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R1 乃至R8 は前述のものと同意
義を表し、Xは脱離基を表す) 脱離基としては、アルカノイルオキシ基、イミドエーテ
ル基、アルキルチオ基又はハロゲン原子が挙げられ、こ
れら脱離基の種類により、次の好適な反応条件を選択し
て実施することができる。
【0025】Xがアルカノイルオキシ基である場合は、
例えばアセチルオキシ基であり、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素溶媒中、
活性化剤としてFeCl3 等のルイス酸の存在下に、−
20〜50℃で1時間〜1日間反応させる。
【0026】Xがイミドエーテル基である場合は、例え
ばトリクロロアセトイミドエーテル基、N−メチルアセ
トイミドエーテル基であり、エーテル、ニトロメタンの
ような溶媒中で、活性化剤としてトシル酸又はトリメチ
ルシリルトリフレートのような酸触媒の存在下に−20
〜50℃で1〜24時間反応させる。
【0027】Xがアルキルチオ基である場合は、例えば
メチルチオ基であり、エーテル;1,2−ジクロロエタ
ン、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素又はト
ルエンのような芳香族炭化水素溶媒中で、活性化剤とし
てメチルトリフレート、臭化第二銅とBu4 NF、又は
銀トリフレートと臭素とテトラメチル尿素の存在下に、
−20〜50℃で1時間〜5日間反応させる。
【0028】Xがフッ素原子である場合は、ベンゼン、
アセトニトリルのような溶媒中で、活性化剤としてSn
Cl2 、又はAgBF4 と(シクロペンタジエニル)2
rCl2 の存在下に、−20〜50℃で1〜48時間反
応させる。
【0029】Xが塩素又は臭素原子である場合は、ジク
ロロメタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水
素、DMF、エーテル、ニトロメタンのような溶媒中
で、活性化剤としてHgBr2 、Ag2 CO3 、銀トリ
フレートとコリジン、Et4 NBr、又はAgClO4
とコリジンの存在下に、さらに必要に応じてモレキュラ
シーブを使用して−50〜100℃で5時間〜7日間反
応させる。
【0030】反応終了後、反応液をセライトを用いてろ
過し、濾液をクロロホルム等の不活性有機溶剤で希釈
し、0.01N HCl、5%NaHCO3 水、飽和食塩
水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶剤を留
去することにより目的物を得ることができる。
【0031】必要に応じて、シリカゲルクロマトグラフ
ィーを用いて精製することもできる。
【0032】上記(III) の化合物は、R3 及びR4 の種
類により、次のA−1乃至4の方法で製造される。
【0033】(A−1法)R3 が置換基を有していても
よいベンジル基であり、R4 が置換基を有していてもよ
いトリフェニルメチル基又はトリアルキルシリル基であ
る化合物(III −1)は次の反応式に示す方法で製造さ
れる。
【0034】
【化6】
【0035】ここに原料の化合物(1−1)において、
3 がベンジルである化合物は、J.Org. Chem. 37, 339
8 (1972)に、R3 が4−メトキシベンジルである化合
物は、Chem. Lett. 189 (1982)に、またR3 が3,4−
ジメトキシベンジルである化合物は、Chem. Lett. 1005
(1986)に記載されている方法により製造できる。
【0036】第1工程は、それ自体3工程からなり、化
合物(1−1)に、ピリジン中、トリメチルシリルク
ロリドと−20〜50℃で、30分〜5時間反応させ、
この反応混合物にベンゾイルクロリド又はアセチルク
ロリド等を、−20〜50℃で、30分〜10時間反応
させ、次にこの反応混合物に少量の水を加え、−20
〜50℃で5分〜2時間反応させる。
【0037】反応終了後、溶剤を留去し、残渣に塩化メ
チレンのような不活性溶剤を加え、5%NaHCO3
水、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶
媒を留去することにより目的物を得ることができる。
【0038】必要に応じて、シリカゲルクロマトグラフ
ィーを用いて精製することもできる。
【0039】第2工程は、ピリジン又はDMF等の溶媒
中で化合物(1−2)にトリチルクロリド、4−メトキ
シフェニルジフェニルメチルクロリド、ジ(4−メトキ
シフェニル)フェニルメチルクロリド、t−ブチルジメ
チルシリルクロリド等を0〜100℃で30分〜7日間
反応させる。また、必要に応じて、イミダゾール類を活
性化剤として共存させてもよい。
【0040】反応終了後、少量の水を加え、溶媒を留去
する。残渣に酢酸エチルのような溶剤を加え、5%Na
HCO3 水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を留去することにより行うことができる。
【0041】必要に応じて、シリカゲルクロマトグラフ
ィーを用いて精製することもできる。
【0042】(A−2法)R3 がトリアルキルシリル基
であり、R4 が置換基を有していてもよいトリフェニル
メチル基である化合物(III −2)は、次の反応式に示
す方法で製造される。
【0043】
【化7】
【0044】第3工程及び第4工程は、アデノシン(1
−3)を原料としてそれぞれ第1工程及び第2工程と同
様の反応条件でR1 、R2 及びR4 を導入し、第5工程
は、ピリジン又はDMF等の溶媒中で化合物(1−5)
にt−ブチルジメチルシリルクロリド等を−20〜50
℃で1時間〜5日間反応させてR3 を導入する。また、
第5工程では必要に応じて、イミダゾール類を活性化剤
として共存させてもよい。
【0045】(A−3法)R3 及びR4 がトリアルキル
シリル基である化合物(III −3)は、次の反応式に示
す方法で製造される。
【0046】
【化8】
【0047】第6工程は、ピリジン又はDMF等の溶媒
中で化合物(1−4)にt−ブチルジメチルシリルクロ
リド等を−20〜50℃で1〜7日間反応させる。ま
た、必要に応じて、イミダゾール類を活性化剤として共
存させてもよい。
【0048】(A−4法)R3 がアルコキシアルキル基
又はアルコキシアルコキシアルキル基であり、R4 が置
換基を有していてもよいトリフェニルメチル基又はトリ
アルキルシリル基である化合物(III −4)は、次の反
応式に示す方法で製造される。
【0049】
【化9】
【0050】第7工程は、ピリジン中で化合物(1−
4)にテトライソプロピルジシロキサンジクロリドを−
20〜50℃で2時間〜3日間反応させる。
【0051】第8工程は、ジクロロメタン等の溶媒中で
化合物(1−6)にジイソプロピルエチルアミンのよう
な塩基の存在下にメトキシメチルクロリド又はメトキシ
エトキシメチルクロリド等を−20〜50℃で5時間〜
5日間反応させ、R3 を導入する。
【0052】第9工程は、THF溶媒中で化合物(1−
7)にテトラブチルアンモニウムフロリド等を−20〜
50℃で10分間〜5日間反応させる。
【0053】第10工程は、化合物(1−8)に第2工
程と同様の条件で反応させることによりR4 を導入す
る。
【0054】他方の原料である式(IV)の化合物は、X
の脱離基の種類により、次のB−1〜5の方法で製造さ
れる。
【0055】(B−1法)Xがアルカノイルオキシ基で
ある化合物(IV−1)は、次の反応式で示す方法で製造
される。
【0056】
【化10】
【0057】第11工程は、出発物質がペンタアセチル
グルコース(2−1)である場合には、J. Am. Chem. S
oc. 74, 1498 (1952) に公知の方法で実施される。第1
1工程は、溶媒を使用せずに化合物(2−1)にピペリ
ジンを25±5℃で5分〜2時間作用させる。
【0058】第12工程は、化合物(2−2)に置換基
を有していてもよいベンジルブロミド又はクロリド、t
−ブチルジメチルシリルクロリド、メトキシエトキシメ
チルクロリド又はメトキシメチルクロリド等を、Ag2
O、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下
に−20〜50℃で10時間〜10日間反応させる。第
13工程は、アセトン−水−酢酸の混合溶媒中で化合物
(2−3)を還流下に1分間〜1時間処理する。
【0059】第14工程は、ピリジン溶媒中で化合物
(2−4)に無水酢酸等を−20〜50℃で1時間〜2
日間反応させる。
【0060】(B−2法)Xがイミドエーテル基である
化合物(IV−2)は、次の反応式で示す方法で製造され
る。
【0061】
【化11】
【0062】第15工程は、ジクロロメタン溶媒中で、
水素化ナトリウムのような塩基の存在下に、化合物(2
−4)にトリクロロアセトニトリル等を−20〜50℃
で5分間〜10時間反応させる。
【0063】(B−3法)Xがアルキルチオ基である化
合物(IV−3)は、次の反応式で示す方法で製造され
る。
【0064】
【化12】
【0065】第16工程は、無水酢酸を用いて第14工
程と同様に実施される。
【0066】第17工程は、クロロホルム、1,2−ジ
クロロエタンのようなハロゲン化炭化水素溶媒中で、化
合物(2−5)にBu3 SnSMe等を−20〜50℃
で1〜24時間反応させる。
【0067】(B−4法)Xがフッ素原子である化合物
(IV−4)は、次の反応式で示す方法で製造される。
【0068】
【化13】
【0069】第18工程は、THF、ジクロロメタンの
ような溶媒中で、化合物(2−4)にEt2 NSF3
−20〜50℃で1〜24時間反応させる。
【0070】(B−5法)Xが塩素又は臭素原子である
化合物(IV−5)は、次の反応式で示す方法で製造され
る。
【0071】
【化14】
【0072】第19工程は、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、酢酸のような溶媒中で、化合物(2−5)にHB
r、TiBr4 、HCl、TiCl4 等を0〜100℃
で1〜24時間反応させる。
【0073】本発明の式(I)の化合物は、例えば次の
反応式に示す方法によりアデノホスチンAを合成するこ
とができる。具体的には後記参考例を参照のこと。
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】
【実施例1】 (1)2´−O−(4−メトキシベンジル)−N,N−
ジベンゾイルアデノシン(1) 2´−O−(4−メトキシベンジル)アデニン〔H. Tak
aku et al., Chem. Lett., 189 (1982)〕2.022g
(5.22mmol)をピリジンと共沸させて乾燥した後
に、ピリジン50mlに溶解して氷水浴中で撹拌した。こ
れに塩化トリメチルシラン3.39ml(26.1mmol)
を加えて30分間撹拌した後に、塩化ベンゾイル3.1
3ml(26.1mmol)を加え、室温で撹拌した。2時間
後に、氷水浴中で冷却しながら水5mlを加えた。20分
後に溶媒を留去し、残渣を塩化メチレン200mlに溶か
し、5%NaHCO3 水200mlで2回洗浄してから有
機層をMgSO4 で乾燥させた。溶媒を留去した後に、
残渣を200g(230−400mesh)のシリカゲルカラ
ムにアプライし、1〜3%メタノール−塩化メチレンで
溶出して目的物0.846g を得た。単離しきれなかっ
た目的物を含む分画を60g(230−400mesh)のシ
リカゲルカラムに再度アプライして、1%メタノール−
塩化メチレンで溶出して目的物(1)0.9939g を
得た。したがって目的物の合計1.8399g(59%)
を得た。
【0077】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ: 8.51(s,
1H, H-8); 8.06(s, 1H, H-2); 7.87(d, J=7.26Hz, 4H,
Bz); 7.52(t, J=7.26Hz, 2H, Bz); 7.38(t, J=7.26Hz,
4H,Bz); 6.98(d, J=8.58Hz, 2H, MPM); 6.76(d, J=8.58
Hz, 2H, MPM); 5.91(d, J=7.26Hz, 1H, H-1'); 5.52(d,
J=11.21Hz, 1H, OH); 4.87(dd, J=7.26Hz, J=4.62Hz,
1H, H-2'); 4.52-4.32(m, 4H, H-3', H-4', PhCH2 ); 3.
95-3.65(m, 2H, H-5'); 3.75(s, 3H, CH3 O); 2.60(brs,
1H, OH). IR(CHCl3): 3300, 3000, 2925, 1705, 1599, 1579 MS: m/z 596(〔M+H 〕+) (2)2´−O−(4−メトキシベンジル)−5´−O
−(4−メトキシフェニルジフェニルメチル)−N,N
−ジベンゾイルアデノシン(2) 化合物(1)0.9939g(1.669mmol)をピリジ
ンと共沸させて乾燥した後に、ピリジン20mlに溶か
し、4−メトキシフェニルジフェニルメチルクロリド
0.773g(2.5mmol) を加えて室温で攪拌した。6
6時間後に水1mlを加えて反応を停止させ、溶媒を留去
した。残渣を酢酸エチル100mlに溶かし、5%NaH
CO3 水100mlで2回洗浄した後に、MgSO4 で乾
燥した。溶媒を留去した後に,100g(70−230
mesh)のシリカゲルカラムにアプライし、ヘキサン
−酢酸エチル(1:1、v/v)で溶出して目的物
(2)1.3206g(91%)を得た。
【0078】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ: 8.55(s,
1H, H-8); 8.14(s, 1H, H-2); 7.88-6.75(m, 28H, Ar);
6.13(d, J=4.62Hz, 1H, H-1'); 4.75-4.59(m, 3H, H-
2', PhCH2 ); 4.35-4.30(m, 1H, H-3'); 4.24-4.20(m, 1
H, H-4'); 3.77(s, 3H, CH3 O); 3.76(s, 3H, CH3 O); 3.
50-3.28(m, 2H, H-5'); 2.61(d, J=5.28Hz, 1H, OH). IR(CHCl3): 3000, 2925, 1700, 1599, 1575, 1510 FAB-MS: m/z 868(〔M+H 〕+) (3)2´−O−(4−メトキシベンジル)−5´−O
−(4−メトキシフェニルジフェニルメチル)−3´−
O−(3″,4″、6″−トリ−O−アセチル−2″−
O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−N,N−
ジベンゾイルアデノシン(3) 化合物(2)347mg(0.4mmol)と3,4,6−ト
リ−O−アセチル−2−O−ベンジル−α−D−グルコ
ピラノシルブロミド〔S. Brennan et al., J.Chem. So
c. (C) 1742 (1970)〕550.7mg(1.2mmol)をク
ロロホルム4mlに溶かし、モレキュラーシーブ(4A)
2g と、2,4,6−トリメチルピリジン160μl
(1.2mmol)及びAgClO4 249mg(1.2mmo
l)を加えて、室温で撹拌した。24時間後にセライト
でろ過し、クロロホルム100mlで希釈し、0.01N
HCl、5%NaHCO3 水、飽和食塩水の100mlづ
つで洗浄した後に、MgSO4 で乾燥した。溶媒を留去
した後に残渣を100g(70−230mesh)のシリカゲ
ルカラムにアプライし、ヘキサン−酢酸エチル(3:
2、v/v)で溶出して目的物(3)240.5mg(48
%)を得た。
【0079】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ: 8.37(s,
1H, H-8); 8.03(s, 1H, H-2); 7.87-6.67(m, 33H, Ar);
6.09(d, J=6.60Hz, 1H, H-1'); 5.45(t, J=9.24Hz, 1
H, H-3"); 5.37(d, J=3.30Hz, 1H, H-1"); 5.04-4.98
(m, 2H, H-2', H-4"); 4.66-4.32(m, 6H, H-3', H-4',
PhCH2 ); 4.15-4.08(m, 2H, H-6"); 3.89(m, 1H, H-5");
3.77(s, 3H, CH3 O); 3.72(s, 3H, CH3 O); 3.62-3.57(m,
1H, H-2"); 3.57-3.27(m, 2H, H-5'); 2.01(m, 9H, A
c). IR(KBr): 3062, 3032, 2937, 1752, 1706, 1600, 1576 FAB-MS: m/z 1246(〔M+H 〕+)
【0080】
【実施例2】 (1)N,N−ジベンゾイルアデノシン(5) アデノシン(4)5.34g(20mmol)をピリジンで
共沸して乾燥させた後に、ピリジン200mlに溶かし、
氷水浴中で撹拌した。塩化トリメチルシラン15.6ml
(120mmol)を加えて30分間撹拌した後に、塩化ベ
ンゾイル14.4ml(120mmol)を加え、氷水浴をは
ずして2時間撹拌した。反応後、再び氷水浴中で撹拌
し、水20mlを加えて撹拌した。30分後に溶媒を留去
し、残渣を水200mlに溶かし、酢酸エチル100mlづ
つで4回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去した後に、残渣を400g(70−230mesh)の
シリカゲルカラムにアプライし、3〜6%メタノール−
塩化メチレンで溶出して、目的物(5)7.84g(8
2%)を得た。
【0081】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ:8.60(s,
1H, H-8); 8.18-7.32(m, 11H, Ph,H-6); 5.89(d, 1H, J
=6.60Hz, H-1'); 4.90-4.82(m, 1H, H-2'); 4.34(d, 1
H, J=4.62Hz, H-3'); 4.29(s, 1H, H-4'); 3.95-3.65
(m, 2H, H-5') .(2)5´−O−(4−メトキシフェニルジフェニルメ
チル)−N,N−ジベンゾイルアデノシン(6) 化合物(5)4.277g(8.99mmol)をピリジン
90mlに溶かし、4−メトキシフェニルジフェニルメチ
ルクロリド4.167g(13.49mmol)を加えて室
温で撹拌した。20時間後に水2mlを加えて、10分間
撹拌した後に溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル300
mlに溶かし、5%NaHCO3 水300mlづつで3回洗
浄した後に、Na2 SO4 で乾燥した。溶媒を留去した
後に、残渣を150g(70−230mesh)のシリカゲ
ルカラムにアプライし、ヘキサン−酢酸エチル(1:
2、v/v)で溶出して、目的物(6)5.19g(77
%)を得た。
【0082】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ:8.60(s,
1H, H-8); 8.32(s, 1H, H-2); 7.87-6.73(m, 24H, Ph);
6.01(d, 1H, J=5.69MHz, H-1'); 5.10(brs, 1H, OH);
4.83-4.78(m, 1H, H-2'); 4.41-4.35(m, 2H, H-3', H-
4'); 3.76(s, 3H, CH3O); 3.50-3.23(m, 2H, H-5'); 2.
97(brs, 1H, OH). IR(KBr): 3436, 3060, 2933, 1706, 1599, 1576, 1510,
1449 MS: m/z 748 (〔M+H 〕+) (3)2´−O−(t−ブチルジメチルシリル)−5´
−O−(4−メトキシフェニルジフェニルメチル)−
N,N−ジベンゾイルアデノシン(7) 化合物(6)2.905g(3.885mmol)をピリジ
ン8mlに溶かし、t−ブチルジメチルシリルクロリド
1.756g(11.65mmol)を加え、室温で撹拌し
た。2日後に酢酸エチル300mlで希釈し、5%NaH
CO3 水200mlづつで2回洗浄した後に、MgSO4
で乾燥した。溶媒を留去した後に、残渣を300g(7
0−230mesh)のシリカゲルカラムにアプライし、ヘ
キサン−酢酸エチル(7:3、v/v)で溶出して、目的物
(7)0.8755gを得た。
【0083】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ:8.56(s,
1H, H-8); 8.26(s, 1H, H-2); 7.87-6.79(m, 24H, Ph);
6.07(d, 1H, J=5.45Hz, H-1'); 5.01-4.96(m, 1H, H-
2');4.35-4.25(m, 2H, H-3', H-4'); 3.77(s, 3H, CH
3O); 3.56-3.33(m, 2H, H-5');2.66(d, 1H, J=3.85Hz,
OH); 0.82(s, 9H, tBu); -0.03(s, 3H, CH3 -Si); -0.21
(s, 3H, CH3 -Si). IR(KBr): 3538, 3061, 2952, 2930, 2858, 1708, 1600,
1576, 1510, 1449 MS: m/z 862 (〔M+H 〕+)(4)2´−O−(t−ブチルジメチルシリル)−5´
−O−(4−メトキシフェニルジフェニルメチル)−3
´−O−(3″,4″,6″−トリ−O−アセチル−
2″−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−
N,N−ジベンゾイルアデノシン(8) 化合物(7)86mg(0.1mmol)と3,4,6−トリ
−O−アセチル−2−O−ベンジル−α−D−グルコピ
ラノシルブロミド〔S. Brennan et al., J. Chem. Soc.
(C) 1742 (1970)〕138mg(0.3mmol)をクロロホ
ルム1mlに溶かし、モレキュラーシーブ(4A)0.5
gと2,4,6−トリメチルピリジン40μl (0.3
mmol)及びAgClO4 62mg(0.3mmol)を加え
て、室温で撹拌した。5日後にセライトでろ過し、クロ
ロホルム50mlで希釈し、0.01N HCl、5%Na
HCO3 水及び飽和食塩水のそれぞれ50mlづつで洗浄
した後に、MgSO4 で乾燥した。溶媒を留去した後
に、残渣を20g(70−230mesh)のシリカゲルカ
ラムにアプライし、ヘキサン−酢酸エチル(2:1、v/
v)で溶出して目的物(8)43.6mg(35%)を得
た。
【0084】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ:8.48(s,
1H, H-8); 8.11(s, 1H, H-2); 7.86-6.78(m, 29H, Ph);
6.01(d, 1H, J=6.33Hz, H-1'); 5.48(t, 1H, J=9.68H
z, H-3"); 5,46(d, 1H, J=3.77Hz, H-1"); 5.19-5.14
(m, 1H, H-2'); 5.00(t, 1H, J=9.68Hz, H-4"); 4.75
(d, 1H, J=11.67Hz, PhCH); 4.57(d, 1H, J=11.67Hz, P
hCH); 4.45-4.30(m, 2H, H-3', H-4'); 4.18-4.08(m, 2
H, H-6"); 3.95-3.85(m, 1H, H-5"); 3.77(s, 3H, CH
3O); 3.66-3.60(m, 2H, H-2", H-5'a); 3.40-3.33(m,1
H, H-5'b); 2.01(s, 3H, Ac); 1.99(s, 3H, Ac); 1.98
(s, 3H, Ac); 0.72(s, 9H, tBu); -0.13(s, 3H, CH3 -S
i); -0.31(s, 3H, CH3 -Si). IR(KBr): 3062, 3033, 2953, 2931, 2858, 1752, 1703,
1600, 1576, 1510, 1450 MS: m/z 1240(〔M+H 〕+)
【0085】
【参考例1】 (1)2´−O−(4−メトキシベンジル)−3´−O
−(3″,4″,6″−トリ−O−アセチル−2″−O
−ベンジル−α−D−グルコピラノシル)−N,N−ジ
ベンゾイルアデノシン(9) 実施例1で得られた化合物(3)240mg(0.192
mmol)をクロロホルム75mlに溶かし、氷水浴中で撹拌
した。ここにトリフルオロ酢酸1.5mlを加え、10分
間撹拌した後に、5%NaHCO3 水100mlを加え
た。有機層を5%NaHCO3 水100mlで洗浄した後
に、MgSO4 で乾燥した。溶媒を留去した後に、残渣
を60g(70−230mesh)のシリカゲルカラムにアプ
ライし、酢酸エチル−ヘキサン[(1:1、v/v)及び
(2:1、v/v)]で溶出して目的物(9)129.3mg
(69%)を得た。
【0086】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ: 8.40(s,
1H, H-8); 7.90(s, 1H, H-2); 7.88-6.64(m, 19H, Ar);
5.94(d, J=8.17Hz, 1H, H-1'); 5.61-5.45(m, 3H, H-
1", H-3", OH); 5.03-4.93(m, 2H, H-2', H-4"); 4.73-
3.62(m, 12H, H-3', 4', 5',2", 5", 6", PhCH 2); 3.69
(s, 3H, CH3 O); 2.12(s, 3H, Ac); 2.04(s, 6H, Ac). IR(KBr): 2937, 1750, 1712, 1600, 1579, 1514 FAB-MS: m/z 974(〔M+H 〕+) (2)3′−O−(3″,4″,6″−トリ−O−アセ
チル−2″−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシ
ル)−N,N−ジベンゾイルアデノシン(10) 化合物(9)126mg(0.129mmol)を塩化メチレ
ン1.3mlに溶かし、水0.14mlと2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン50mg
(0.22mmol)を加えて室温で撹拌した。41時間後
に不溶物をろ過し、塩化メチレンで洗浄した。ろ液と洗
浄液を合わせて5%NaHCO3 水と飽和食塩水100
mlづつで洗浄し、MgSO4 で乾燥した。溶媒を留去し
た後に、残渣を20g(70−230mesh)のシリカゲル
カラムにアプライし、酢酸エチル−ヘキサン(2:1、
v/v)で溶出して、目的物(10)88.3mg(80%)
を得た。
【0087】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ: 8.59(s,
1H, H-8); 8.10(s, 1H, H-2); 7.90-7.25(m, 15H, Ar);
5.79(d, J=7.59Hz, 1H, H-1'); 5.70(d, J=10.88Hz, 1
H, OH); 5.54(t, J=9.73Hz, 1H, H-3"); 5.05-4.95(m,
3H, H-2', 1", 4"); 4.72(d,J=11.55Hz, 1H, PhCH 2);
4.61(d, J=11.55Hz, 1H, PhCH2 ); 4.43(d, J=5.28Hz,1
H, H-3'); 4.32-3.70(m, 8H, H-4', 5', 2", 5", 6", O
H); 2.08(s, 3H, Ac);2.07(s, 3H, Ac); 2.05(s, 3H, A
c). IR(KBr): 3468, 2935, 1751, 1713, 1600, 1578 FAB-MS: m/z 854(〔M+H 〕) (3)5′−O−〔ジ(4−メトキシフェニル)フェニ
ルメチル〕−3′−O−〔6″−O−ジ(4−メトキシ
フェニル)フェニルメチル−2″−O−ベンジル−α−
D−グルコピラノシル〕−N−〔ジ(4−メトキシフェ
ニル)フェニルメチル〕アデノシン(11) 化合物(10)87.5mg(0.102mmol)をピリ
ジン1mlに溶かし、29%アンモニア水4mlを加えて室
温で撹拌した。26時間後に溶媒を留去し、ピリジンに
よる共沸を3回行った。残渣をピリジン2mlに溶かし、
ジ(4−メトキシフェニル)フェニルメチルクロリド1
21mg(0.359mmol)を加えて室温で撹拌した。9
時間後に溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル100mlに溶
かして、5%NaHCO3 水100mlづつで3回洗浄し
た。Na2 SO4 で乾燥後、溶媒を留去し、残渣を20
g(70−230mesh)のシリカゲルカラムにアプライ
し、0.5〜2%メタノール−塩化メチレンで溶出して
目的物(11)99.4mg(68%)を得た。
【0088】1H-NMR(270MHz, 6mg in 0.5ml of CDCl3,
TMS)δ: 7.96(s, 1H, H-8); 7.83(s, 1H, H-2); 7.37-
6.66(m, 44H, Ar); 6.06(d, J=6.93Hz, 1H, H-1'); 4.8
2-3.10(m, 35H, H-2', 3', 4', 5', 1", 2", 3", 4",
5", 6", CH 3O, OH, PhCH 2). IR(KBr): 3412, 2929, 1607, 1509, 1465 FAB-MS: m/z 1426(〔M+H 〕+) (4)5′−O−〔ジ(4−メトキシフェニル)フェニ
ルメチル〕−2′−O−(O,O´−キシリルホスホ
ノ)−3´−O−〔2″−O−ベンジル−3″,4″−
O−ビス(O,O´−キシリルホスホノ)−6″−O−
〔ジ(4−メトキシフェニル)フェニルメチル〕〕−N
−〔ジ(4−メトキシフェニル)フェニルメチル〕アデ
ノシン(12) 化合物(11)58.5mg(0.041mmol)に1H−
テトラゾール20mg(0.287mmol)を加え、ピリジ
ンと共沸させて乾燥した。残渣をアセトニトリル1mlに
溶かし、2−ジエチルアミノ−1,3,2−ベンゾジオ
キサホスフェパン〔Y. Watanabe et al., Tetrahedron
Lett,, 31, 255 (1990) 〕を加え、室温で撹拌した。3
0分後に反応液を−40℃に冷却し、アセトニトリル1
mlに溶かしたメタクロロ過安息香酸64mg(0.369
mmol)を加えて、室温にもどしながら20分間撹拌し
た。反応液を塩化メチレン100mlで希釈した後に、1
0%Na225 水、0.01N HCl及び5%Na
HCO3 水の100mlづつで洗浄し、Na2 SO4 で乾
燥した。溶媒を留去し、残渣を10g(70−230mes
h)のシリカゲルカラムにアプライし、0.5〜1.5
%メタノール−塩化メチレンで溶出して目的物(12)
75.9mg(93%)を得た。
【0089】1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS)δ: 7.94(s,
1H, H-8); 7.88(s, 1H, H-2); 7.50-6.65(m, 56H, Ar);
6.42(d, J=6.94Hz, 1H, H-1'); 5.91(m, 1H, H-2');
5.48-4.13(m, 21H, H-3', 4', 5', 1", 3", 4", PhC
H2 ); 3.75-3.24(m, 22H, H-2", 5", 6", CH3 O). IR(KBr): 2928, 1607, 1509, 1465 FAB-MS: m/z 1972(〔M+H 〕+) (5)アデノホスチンA(13) 化合物(12)36.4mg(0.0184mmol)を80
%酢酸3mlに溶かし、1時間放置した後に溶媒を留去
し、エタノールで数回共沸した。残渣をエタノール3ml
と水1mlに溶かし、Pd−黒3mgを加えて、水素雰囲気
下(1気圧)で撹拌した。24時間後に、セライトでろ
過し、希アンモニア水とエタノールで洗い込んだ。ろ液
と洗浄液を合わせて溶媒を留去し、残渣を水と酢酸エチ
ル20mlづつで分液して水層を濃縮した後に凍結乾燥し
てアデノホスチンA(13)12.2mg(92%)を得
た。
【0090】1H-NMR(270MHz, D2O, 内部標準としてDOH
(4.7ppm) )δ:8.22(s, 1H, H−8);
8.11(s, 1H, H−2); 6.19(d,
J=6.4Hz, 1H, H−1’); 5.27
(d, J=3.3Hz, 1H, H−1”);
5.18(m, 1H, H−2’); 4.55
(m, 1H, H−3’); 4.43−4.32
(m, 2H, H−4’, H−3”); 3.96
−3.60(m, 7H, H−5’, 2”,
4”, 5”, 6”). IR(KBr): 3174, 1656, 140
2, 1044, 939 FAB−MS: m/z 668([M−H]);
m/z 670([M+H]
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹沢 和比古 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 高橋 秀次 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造式(I)で示されるアデノホス
    チン類中間体化合物。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なってアシル基を表
    し、R3 及びR5 は同一又は異なって、置換基を有して
    いてもよいベンジル基、トリアルキルシリル基、アルコ
    キシアルキル基又はアルコキシアルコキシアルキル基を
    表し、R4 は置換基を有していてもよいトリフェニルメ
    チル基又はトリアルキルシリル基を表し、R6 、R7
    びR8 は同一又は異なってアシル基を表す)
  2. 【請求項2】R1 及びR2 はベンゾイル基又はアセチル
    基を表し、R3 及びR5 は同一又は異なって、ベンジル
    基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、
    3,4−ジメトキシベンジル基、t−ブチルジメチルシ
    リル基、メトキシメチル基又は2−メトキシエトキシメ
    チル基を表し、R4 はトリフェニルメチル基、4−メト
    キシトリフェニルメチル基、4,4’−ジメトキシトリ
    フェニルメチル基又はt−ブチルジメチルシリル基を表
    し、R6 、R7 及びR8 はベンゾイル基又はアセチル基
    を表す、請求項1の化合物。
  3. 【請求項3】式(III)で示されるアデノシン誘導体に式
    (IV)で示されるグルコース誘導体を縮合させる請求項
    1のアデノホスチン中間体化合物(I)の製造法。 【化2】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なってアシル基を表
    し、R3 及びR5 は同一又は異なって、置換基を有して
    いてもよいベンジル基、トリアルキルシリル基、アルコ
    キシアルキル基又はアルコキシアルコキシアルキル基を
    表し、R4 は置換基を有していてもよいトリフェニルメ
    チル基又はトリアルキルシリル基を表し、R6 、R7
    びR8 は同一又は異なってアシル基を表し、Xは脱離基
    を表す)
JP22145995A 1994-09-07 1995-08-30 3´−グルコシルアデノシン誘導体 Pending JPH08127590A (ja)

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