JPH0812668B2 - 手書き校正方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、文書を手書き校正記号を使用して編集する
文書処理装置に係り、特に、入力手順や入力終了指示を
意識することなく多様な校正記号を入力し、対話的に編
集処理を行うのに好適な文書編集方式に関する。

〔発明の背景〕

従来、文書の手書き校正記号による編集システムとし
ては、例えば、情報処理Vol.15 No.6,p419〜427（197
4）に記載されているように、１ストロークの校正記号
を編集対象位置に記入することにより、オンラインで対
話的に編集作業を行えるシステムが知られている。しか
し、校正記号が１ストロークに制限されており、また、
編集対象領域指定ができず、１文字単位の編集となる
等、使いにくい面があつた。

また、情報処理学会第28回全国大会予稿集4N−11に記
載されているように、閉曲線と１本の曲線の組み合わせ
を校正記号として使用し、オフラインで編集を行うシス
テムがあるが、日常紙上で使用する校正記号でないこと
や、オフラインのため、対話的に編集作業を行うことは
できなかつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、文書処理ワークステーション、ワー
ドプロセッサ等の文書処理システムにおいて、校正記号
を複数のストロークの組合せで定義する場合に、その組
合せ関係に自由度を持たせ、且つ、処理の高速化を図り
得る手書き校正方法を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明は、複数のストロークの組合により定義される
各種校正記号を、各校正記号毎にそれぞれ構成する複数
のストロークの組合せ関係を予め保持し、座標入力装置
から入力されたストロークをストローク単位に認識し、
この認識されたストロークが、前記予め保持された組合
せ関係中のどの校正記号に対応するものか判定し、上記
認識及び判定処理を、所定時間ストローク入力が無い状
態が検出されるまで繰返し実行し、前記組合せ関係を満
足する校正記号を認識し、この認識された校正記号に対
応する校正処理を実行するようにしたことに特徴があ
る。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図〜第７図により説明
する。

（１）実施例の概要 本実施例は、手書きで文字あるいは図形を入力し、編
集出力する文書作成装置である。第１図は本実施例のブ
ロツクダイアグラムである。タブレツト等の座標入力装
置１によつて手書き入力された文字，図形，校正記号の
座標情報ａは、文字・図形・要素記号認識部２に送ら
れ、オンラインで認識される。文字・図形・要素記号認
識部２は座標情報をもとに入力文字，図形及び校正記号
の構成要素を認識するもので、種々の方法が知られてい
る。例えば、文字認識は特開昭58−123117、図形認識は
テレビジヨン学会技術報告IPA64−３に記載された方法
がある。

文字・図形入力の際には、認識結果ｂは文字・図形デ
ータ生成部３に送られ、文字や図形を実際に表示するた
めの表示データｃを生成し、これが、文字・図形データ
記憶部６に記載される。文字・図形データ記憶部６に記
憶された文字・図形データｈは、表示装置７によつてそ
の都度表示される。

一方、編集の際には、文字・図形・要素記号認識部２
は入力座標情報ａをもとに校正記号を、その構成要素単
位に認識し、認識結果ｄを校正記号認識部４に送る。校
正要素の認識は、文字・図形認識技術を用いる校正記号
認識部４では、複数の構成要素の組み合わせを所定の構
成条件成立の時１つの校正記号として認識し、認識結果
に対応する編集コマンドｅを文字・図形編集処理部５に
出力する。校正記号認識部４の処理の詳細については後
述する。

文字・図形編集処理部５は、文字・図形データ記憶部
６に記憶されている文字・図形データｆを取り込み、入
力された編集コマンドｅに対応する処理を実際に行い、
編集処理された文字・図形データｇを文字・図形データ
記憶部６に出力する。編集処理された文字・図形データ
ｈは、表示装置７によつてその都度表示される。

以上のような，入力、編集作業により対話的に文書を
作成する。

（２）校正記号認識 校正記号認識部４における校正記号認識の処理につい
て、第２図，第３図を用いて説明する。

第２図は本実施例の認識対象手書き校正記号である。
文字列削除は１ストロークｋより、領域指定なし消去は
２ストロークl,mより、領域指定付き消去は３ストロー
クl,m,nより、領域指定無し移動は２ストロークo,pよ
り、領域指定付き移動は３ストロークo,p,qより、拡大
・縮小は４ストロークr,s,t,uより、文字列訂正は３ス
トロークv,w,x及び訂正文字列y_n（ｎ＝1,2,…）より構
成される。

以上のように、各校正記号は、１つまたは複数のスト
ローク（構成要素）及び訂正文字列の組み合わせであ
る。これらの構成要素をその表わす意味により、処理の
内容を示すコマンド記号成分、処理対象領域を示すエリ
ア指定部分、ソースとデステイネーシヨンの関係を示す
引き出し線、訂正文字列の４種に分類する。移動を例に
とれば、ストロークｏはコマンド記号、ストロークｐは
引き出し線、ストロークｑはエリア指定である。ただ
し、校正記号によつては、４種の構成要素全てを必要と
しない。

第３図は校正記号認識処理の流れを示したものであ
る。本実施例では、１ストローク入力毎に、該ストロー
クを校正記号の構成要素として認識し、その組み合わせ
を１校正記号として認識する。この際、後述する構成要
素フラグを使用して、校正記号成立の判断を行う。校正
記号が成立したならば、実際に編集処理を行う。

まず、構成要素フラグを初期化する（処理41）入力ス
トロークはストローク毎に構成要素として認識され（処
理43）、認識結果に従つて構成要素フラグを更新する
（処理44）。この処理の詳細については後述する。処理
43,処理44を一定時間無しとなるまで繰り返す。

一定時間入力が存在しない場合、校正記号の入力終了
と判断し（処理42）、既入力構成要素全体がいかなる校
正記号を構成するかの判断（処理45）を、構成要素フラ
グにより行う。判断の詳細については後述する。該当す
る校正記号が存在しない時は最初の処理に戻る。存在す
る場合には実際に校正記号に対応する編集処理を行い
（処理46）、編集作業を続ける場合は最初の処理に戻
る。

（３）構成要素の認識 第２図に示した校正記号は、前述のようにコマンド記
号、引き出し線、エリア指定、訂正文字列の４種に分類
されるが、入力ストロークが、各校正記号のどの構成要
素の候補になるかを示したのが第４図である。ただし、
第４図では、消去及び移動については領域指定有りと無
しで、別の校正記号として扱つている。

ここで、認識率向上のため、同一入力ストロークを各
校正記号毎に最適に構成要素と見なす。例えば、文字列
削除のコマンド記号に当たるストロークは、移動の場合
には引き出し線の候補として処理される。エラーは、当
該校正記号のいかなる構成要素とも見なし得ないことを
示す。

本実施例では、前述のように、１ストローク入力毎に
構成要素として認識し、この認識結果に従い、各校正記
号の構成要素フラグを更新する。構成要素フラグは、第
５図に示すように、各校正記号毎に、コマンド記号、引
き出し線、エリア指定、訂正文字列、エラーの４種を割
り当てる。第５図に示した数字は初期値で、各校正記号
の構成要素数と一致させる。また、エラーフラグは全て
「０」とする。

構成要素フラグ更新の手順を第６図に示す。まず、入
力ストロークの認識結果が、１番目の校正記号（文字列
削除）のどの構成要素にあたるかを第４図により知る
（処理442）。次に、対応する構成要素フラグをデイク
リメント（−１）する（処理443）。以下、同様の処理
を全ての校正記号について行う。

（４）校正記号の認識 前述のように本実施例では、校正記号入力終了の判断
を、ストローク入力後の無入力時間によつて行い、その
後校正記号の認識を行うが、この処理について第７図に
より説明する。入力終了の時点で入力校正記号の全構成
要素が過不足なく入力されていれば、対応する構成要素
フラグは全て０となることを利用し、これを校正要素成
立の条件とする。

まず、１番目の校正記号に対応する構成要素フラグが
全て０かどうかを判定し（処理452）、そうでなければ
次の校正記号について同様の判定を行う。全て０であれ
ば、入力校正記号が合理的かの判断（処理456）を行
う。これは認識結果を確認するもので、例えば、消去の
場合、入力２線分が交わつていれば合理的、離れていれ
ば不合理とする。校正記号として不合理であれば次の校
正記号の成立判断に移る。合理的ならば、この校正記号
が成立するものとする（処理457）。全ての校正記号に
ついて成立しない時は、該当校正記号は存在しないもの
とする（処理458）。成立した場合には、前述のよう
に、実際に対応する編集処理を行う。

（５）本実施例の効果 上記本発明の一実施例によれば以下の効果がある。

第１に、本実施例はオンライン手書き文字・図形認識
処理を有し、また、これを校正記号入力の際も使用して
いるため、オンラインで手書き文字及び図形を入力で
き、入力と並行して対話的に手書き校正記号を使用して
編集作業が行える。

第２に、校正記号認識の際、その校正要素単位に認識
後、入力構成要素群が所定の校正条件を満たす場合に全
体を１校正記号として認識するため、使用者は校正記号
の入力手順を考慮する必要がない。

第３に、一定時間入力無しであれば、自動的に校正記
号入力終了と判定し、編集処理を実行するため、使用者
は編集実行の指示をする必要がない。

第４に、１入力ストロークを、各校正記号に対し最適
な校正要素として認識するため、校正記号の誤認識が少
ない。

第５に、校正記号の構成要素数は自由に設定できるた
め、日常使用している校正記号をそのまましようでき、
使用者は日常紙上で行つているのと同様の編集作業が行
える。

（６）本発明の他の実施例 次に、本発明の他の実施例を述べる。上記本発明の一
実施例では、文字・図形入力もオンラインで行うが、入
力装置としスキヤナを使用すれば、既に書かれた文書の
編集を行うことも可能である。

また、一実施例では７種の校正記号を使用したが、校
正記号の種類は自由に設定してよい。また、構成要素を
４種としたが、使用する校正記号によつて自由に変えて
よい。

一実施例では、一定時間入力無しの時、自動的に校正
記号入力終了と判断して編集処理を実行するが、使用者
が編集実行の指示をしてもよい。また、１つの校正記号
が他の校正記号をそつくり含むことがなければ、構成要
素フラグが全て「０」となると同時に、対応する編集処
理を実行しても良い。

〔発明の効果〕

本発明によれば、異なる校正記号間で、それを構成す
るストローク（構成要素）が相互に共通する部分を有し
ている場合においても、それぞれ異なる校正記号として
認識できるため、校正記号を複数のストロークの組合せ
で定義する場合に、その組合せ関係に自由度を持たせる
ことが可能となり、且つ、所定時間ストローク入力が無
い状態が検出されるまで、ストローク単位の認識及び判
定が繰返し行われるので、処理の高速化も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロツクダイアグラム、第
２図，第４図，第５図は本発明の一実施例の具体的な説
明のための図、第３図、第６図，第７図は本発明の一実
施例の処理の説明のための流れ図である。 １…座標入力装置、２…文字・図形・要素記号認識部、
３…文字・図形データ生成部、４…校正記号認識部、５
…文字・図形編集処理部、６…文字・図形データ記憶
部、７…表示装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正嶋 博 茨城県日立市幸町３丁目１番１号 株式会 社日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−155675（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−20039（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−229684（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−80478（ＪＰ，Ａ) 情報処理、25〔８〕（昭59−８−15) Ｐ．869−874

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】手書き校正記号を入力する座標入力装置
   と、文字または図形を表示するデータを蓄える記憶手段
   と、当該データを処理する計算機と、文字または図形を
   表示する表示手段を備えたものにおける手書き校正方法
   において、 複数のストロークの組合せにより定義される各種校正記
   号を、各校正記号毎にそれを構成する複数のストローク
   の組合せ関係を予め保持し、 前記座標入力装置から入力されたストロークをストロー
   ク単位に認識し、 前記認識されたストロークが、前記予め保持された組合
   せ関係中のどの校正記号に対応するものか判定し、 前記認識及び判定処理を、所定時間ストローク入力が無
   い状態が検出されるまで繰返し実行し、 前記組合せ関係を満足する校正記号を認識し、認識され
   た校正記号に対応する校正処理を実行することを特徴と
   する手書き校正方法。