JPH08119892A - ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法

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JPH08119892A
JPH08119892A JP6262403A JP26240394A JPH08119892A JP H08119892 A JPH08119892 A JP H08119892A JP 6262403 A JP6262403 A JP 6262403A JP 26240394 A JP26240394 A JP 26240394A JP H08119892 A JPH08119892 A JP H08119892A
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JP
Japan
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reaction
acid catalyst
acid
catalyst
compound
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JP6262403A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Imamura
今村  哲夫
Tatsuo Shirahata
辰夫 白幡
Naoto Yasaka
直登 八坂
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸触媒を用いるヒドロキシペルオキシド類の
分解によるヒドロキシ芳香族化合物とアセトンの製造に
おいて、ヒドロキシアセトンの副生を極力抑制して、目
的とするヒドロキシ芳香族化合物を高収率で得ることが
できる方法を提案する。 【構成】 一般式(1) Ar―(C(CH3)2―OOH)n (1) (Arはフェニル基または置換フェニル基、nは1、2
または3)で表されるヒドロペルオキシド類を、金属水
酸化物または金属酸化物を硫酸処理した後焼成して得ら
れる固体酸触媒の存在下で酸分解して、一般式(2) Ar―(OH)n (2) (Arおよびnは前記と同じ)で表されるヒドロキシ芳
香族化合物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂、農薬、染
料、医薬等の製造のための中間体として有用であるヒド
ロキシ芳香族化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシ芳香族化合物の工業的な製造
方法の一つとして、ヒドロペルオキシド類を酸触媒の存
在下で分解して製造する方法が知られている。この方法
においては、従来、酸触媒としては一般に硫酸が用いら
れているが、硫酸以外にも種々の酸触媒が既に提案され
ている。
【0003】例えば、特開昭50−50311号公報に
は、酸触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸を用い
る方法が提案されている。これ以外にも、例えば米国特
許第4,898,995号には、スルホン酸基を含有するイオン
交換樹脂が提案されており、ヨーロッパ特許第125,065
号には、種々のゼオライト類が提案されている。また米
国特許第4,267,380号には、塩化スズ、塩化アンチモ
ン、四フッ化イオウ、四フッ化ケイ素、六フッ化タング
ステン等のルイス酸触媒が提案されており、米国特許第
4,267,379号には、三フッ化ホウ素や三フッ化ホウ素エ
ーテラート等のルイス酸触媒も提案されている。
【0004】酸触媒を用いるヒドロペルオキシド類の分
解によれば、ヒドロキシ芳香族化合物と共にケトン類が
併産される。前記一般式(1)で表されるヒドロペルオ
キシド類を酸分解すれば、ケトン類としてアセトンが併
産される。その際、従来の方法によれば、生成したアセ
トンと原料のヒドロペルオキシド類との反応によってヒ
ドロキシアセトンを副生しやすく、このため上述したよ
うな従来の酸触媒を用いたヒドロペルオキシド類の分解
によるヒドロキシ芳香族化合物とアセトンの製造方法で
は、工業製造上次のような問題が生じている。
【0005】第1の問題は、ヒドロキシ芳香族化合物お
よびアセトンの収率低下である。第2の問題は、ヒドロ
キシアセトンが水溶性であるために廃水の汚染をもたら
すことである。第3の問題は、ヒドロキシ芳香族化合物
の種類によっては、ヒドロキシアセトンが製品中に混入
して、その純度低下をもたらすことである。さらに第4
の問題は、ヒドロペルオキシド類の分解生成物に可溶な
酸触媒の場合には、その分離除去のためにアルカリ化合
物、例えば水酸化ナトリウム等を使用して中和除去しな
ければならないことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸触媒を用
いるヒドロペルオキシド類の分解によるヒドロキシ芳香
族化合物の製造において、上述したような従来の方法に
おける問題を解決するためになされたものであって、ヒ
ドロキシアセトンの副生を極力抑制して、高収率でヒド
ロキシ芳香族化合物を得ることができ、しかも酸触媒の
分離除去にあたってアルカリ化合物を用いる必要はな
く、例えば流動床反応器を用いた場合はろ過または沈降
分離等で容易に分離除去することができ、固定床反応器
を用いた場合は反応液を直ちに精製系へ送ることができ
るヒドロキシ芳香族化合物の製造方法を提案することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次のヒドロキシ
芳香族化合物の製造方法である。(1)一般式(1)
【化3】 (式中、Arはフェニル基または置換フェニル基、nは
1、2または3を示す。)で表されるヒドロペルオキシ
ド類を酸触媒の存在下で酸分解して、一般式(2)
【化4】 (式中、Arおよびnは前記と同じである。)で表され
るヒドロキシ芳香族化合物を製造する方法において、前
記酸触媒として、金属水酸化物または金属酸化物を硫酸
処理した後焼成して得られる固体酸触媒を用いることを
特徴とするヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。 (2)ヒドロペルオキシド類がクメンヒドロペルオキシ
ド、シメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンジヒドロペルオキシドまたはトリイソプロピルトリヒ
ドロペルオキシドであることを特徴とする上記(1)記
載のヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。 (3)金属水酸化物または金属酸化物がチタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、鉄およ
びアルミニウムからなる群から選ばれる金属の水酸化物
または酸化物であることを特徴とする上記(1)または
(2)記載のヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。 (4)金属水酸化物または金属酸化物がチタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、鉄およ
びアルミニウムからなる群から選ばれる金属を2種以上
混合した複合化合物の水酸化物または酸化物であること
を特徴とする上記(1)または(2)記載のヒドロキシ
芳香族化合物の製造方法。 (5)固体酸触媒は、酸強度がハメット酸度関数でH0
<−12であり、イオウ分含有量が0.5〜10重量%
であることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいず
れかに記載のヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。
【0008】本発明の方法において、前記一般式(1)
中のnは1、2または3を示すため、Arはn価のフェ
ニル基または置換フェニル基を示す。nが1であると
き、Arの具体例としては、例えばフェニル基のほか、
トリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニ
ル基、ジイソプロピルフェニル基、フェニルフェニル
基、メトキシフェニル基、フェノキシフェニル基等の置
換フェニル基などをあげることができる。またnが2で
あるとき、Arの具体例としては、例えばフェニレン基
のほか、メチルフェニレン基、イソプロピルフェニレン
基等の置換フェニレン基などをあげることができる。ま
たnが3であるとき、Ar具体例としてベンゼントリル
基などをあげることができる。
【0009】従って、本発明の方法において好ましく用
いることができる前記一般式(1)で表されるヒドロペ
ルオキシド類としては、例えばクメンヒドロペルオキシ
ド、シメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンモノヒドロペルオキシド、トリイソプロピルベンゼン
モノヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンジヒ
ドロペルオキシド、トリイソプロピルベンゼンジヒドロ
ペルオキシド、トリイソプロピルベンゼントリヒドロペ
ルオキシド等をあげることができる。前記一般式(1)
で表されるこれらのヒドロペルオキシド類は、対応する
イソプロピル置換芳香族化合物を空気または分子状酸素
で酸化することによって製造することができる。
【0010】本発明の方法において製造される前記一般
式(2)で表されるヒドロキシ芳香族化合物としては、
用いるヒドロペルオキシド類に応じて、例えばフェノー
ル、クレゾール、イソプロピルフェノール、ジイソプロ
ピルフェノール、レゾルシン(レゾルシノール)、ヒド
ロキノン、イソプロピルレゾルシン、フロログリシン
(フロログルシノール)等をあげることができる。
【0011】本発明の方法では、ヒドロペルオキシド類
を酸触媒の存在下に酸分解するに際し、その酸触媒とし
て、金属水酸化物または金属酸化物を硫酸処理した後焼
成して得られる固体酸触媒を用いる。ここで、金属水酸
化物または金属酸化物としてはチタン、ジルコニウム、
ハフニウム、ゲルマニウム、スズおよび鉛の周期律表第
IV族の金属、ならびに鉄およびアルミニウムからなる群
から選ばれる金属などの水酸化物または酸化物を用いる
ことができる。この他にも、これらの金属を2種以上混
合した複合化合物の水酸化物または酸化物を用いること
もできる。
【0012】本発明においては、上記固体酸触媒は、ヒ
ドロペルオキシド分解速度が大きいため、精製したもの
を用いるのが一般的であるが、場合によっては未精製の
ものを用いてもよい。未精製のものの具体例としては、
例えばその含水物等をあげることができる。上記のよう
な固体酸触媒の調製方法としては、特公昭59−618
1号、または「触媒」Vol.31 No.7 P.512〜518(1989)な
どに記載されている方法があげられる。
【0013】具体的には、前記金属水酸化物または金属
酸化物を0.01〜5規定、好ましくは0.1〜3規定
の硫酸水溶液に接触させた後乾燥し、350〜800
℃、好ましくは400〜700℃の温度で焼成すること
により固体酸触媒を製造することができる。なお金属水
酸化物を用いた場合は焼成時に脱水されて、硫酸処理し
た金属酸化物が得られる。
【0014】このようにして得られる固体酸触媒は、酸
強度がハメットの酸度関数で、通常H0<−12であ
り、またイオウ分含有量が通常0.5〜10重量%であ
る。従って本発明で使用する固体酸触媒としては、酸強
度がハメットの酸度関数でH0<−12であり、イオウ
分含有量が0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5
重量%の物性を有するものが好ましい。
【0015】ヒドロペルオキシド類からヒドロキシ芳香
族化合物を製造するに際には、従来の方法では一般的に
硫酸を酸触媒として使用しているが、硫酸はハメットの
酸度関数がH0=−11.9であるため、本発明で使用
する固体酸触媒は強い酸度を有している。また硫酸はブ
レンステット酸点のみを有しているのに対して、本発明
で使用する固体酸触媒は、硫酸イオンと金属酸化物の相
互作用により、ブレンステット酸点およびルイス酸点の
2種の酸点を有していると思われる。
【0016】本発明において、固体酸触媒は上記により
得られた粉末状のものをそのまま使用することもできる
が、ハニカム状または粒状等の形状を有する担体に担持
させるか、または触媒自体をこのような形状に成形し
て、固定床触媒として用いたり、あるいはアセトン、ク
メンなど、反応に不活性な溶媒でスラリー状として反応
系内に加え、流動床触媒として用いるのが好ましい。
【0017】本発明の方法において、ヒドロペルオキシ
ド類の酸分解反応はバッチ式で行うこともできるが、工
業的には連続式で行うことが好ましい。反応器として
は、固体酸触媒をスラリー状態で用いてヒドロペルオキ
シド類と接触させる流動床式流通反応器、または固定床
式流通反応器のいずれをも採用することができる。ただ
し、ヒドロペルオキシド類の酸分解反応は発熱反応であ
るため、反応塔内の反応液を冷却する必要があり、例え
ば反応塔内部に冷却管を備えた方式、反応塔の外周に冷
媒を流すためのジャケットを備えた方式、反応時に併産
されるアセトンの蒸発潜熱を利用して反応熱を除去する
方式、あるいは原料のヒドロペルオキシド類を反応媒
体、反応生成液またはこれらの両者で希釈する方式など
を採用する必要がある。
【0018】また反応熱の除熱と生成したアセトンの分
離を同時に行う反応蒸留方式にて、反応を行うこともで
きる。この時、反応で生成するアセトンは反応熱にて気
化され、反応塔上部に取り付けた蒸留塔の塔頂より抜き
出す。この場合、反応温度は塔頂圧力およびアセトンの
還流比により調節する。従って、反応圧力は反応液の組
成、反応温度により、減圧、常圧、加圧全ての範囲から
適切な条件を選ぶ必要がある。
【0019】流動床式流通反応器を用いてヒドロペルオ
キシド類の酸分解反応を行う場合、固体酸触媒の使用量
は、通常反応混合物中の濃度として20重量ppm〜10
重量%であり、好ましくは100重量ppm〜2重量%で
ある。最適の使用量は、固体酸触媒の種類、反応溶媒の
種類、反応温度、反応系内の水分量、反応時間等によっ
て異なる。
【0020】例えば固定床で連続式に反応を行う場合、
図1に示すような循環ループを有する反応器を使用する
方法がある。図1において、反応器1は反応塔2内に固
定床からなる触媒床3を形成し、反応塔2の上端部およ
び下端部を循環ループ4で連絡し、また反応塔2の外周
部に冷却機能のあるジャケット5を形成している。図1
の反応器1を用いて反応を行うには、ヒドロペルオキシ
ド類を原料供給路6から反応塔2に導入して、触媒床3
内を上向流で通液し、酸分解反応を行う。この際反応温
度は、ジャケット5に冷却液7を通液することと、反応
塔2の上部から取出した反応液の一部を循環ループ4を
通して原料を希釈することで一定に維持する。一方反応
生成物は生成物取出路8から系外に取出す。
【0021】本発明において、反応は反応溶媒を用いな
いで行うこともできるが、反応溶媒を用いて行うのが好
ましい。反応溶媒としては、本発明による方法の反応条
件下で安定な化合物を用いることができ、例えばアセト
ン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、クメン等の芳香
族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族
炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シ
クロオクタン等の脂環式炭化水素;ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;フェノール、ク
レゾール等のフェノール類などがあげられる。これらの
反応溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合
して用いてもよい。本発明において反応溶媒を用いる場
合は、その使用量は、ヒドロペルオキシド類に対して、
通常0.1〜5重量倍が適当である。
【0022】反応を流動床式または固定床式のいずれで
行う場合であっても、反応温度は、通常20℃〜150
℃、好ましくは40℃〜140℃、反応時間は、通常
0.1分間〜1.5時間、好ましくは0.5分間〜30
分間の範囲であり、反応圧力は減圧、常圧、加圧のいず
れでもよい。
【0023】反応終了後は、反応を流動床式で行った場
合は反応混合物からろ過、沈降分離等によって容易に固
体酸触媒を除去することができる。さらに蒸留、晶析等
により精製することによって、ヒドロキシ芳香族化合物
を単離することができる。また反応を固定床式で行った
場合は、反応生成液は直ちに精製系へ送ることができ、
蒸留、晶析等により精製することによって、ヒドロキシ
芳香族化合物を単離することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。各例中、ppmは重量基準である。 参考例1 クメンを炭酸ナトリウム水溶液の存在下に70〜115
℃で空気酸化し、次いで油水分離、濃縮して、表1に示
す組成のクメンヒドロペルオキシド溶液を調製した。
【0025】
【表1】
【0026】参考例2 水酸化ジルコニウムを1規定の硫酸水溶液に1昼夜浸し
た後乾燥し、650℃で焼成して、固体酸触媒(硫酸処
理酸化ジルコニウム触媒)を調製した。得られた固体酸
触媒の酸強度はハメットの酸度関数でH0<−14.
5、イオウ含有量は2.0重量%であった。
【0027】参考例3 水酸化チタンを1規定の硫酸水溶液に1昼夜浸した後乾
燥し、550℃で焼成して、固体酸触媒(硫酸処理酸化
チタン触媒)を調製した。得られた固体酸触媒の酸強度
はハメットの酸度関数でH0<−13.8、イオウ含有
量は1.9重量%であった。
【0028】参考例4 水酸化鉄を0.5規定の硫酸水溶液に1昼夜浸した後乾
燥し、500℃で焼成して、固体酸触媒(硫酸処理酸化
鉄触媒)を調製した。得られた固体酸触媒の酸強度はハ
メットの酸度関数でH0<−13.4、イオウ含有量は
1.2重量%であった。
【0029】実施例1 撹拌機、水コンデンサー、温水ジャケット、温度検出
器、原料導入管、触媒導入管および反応混合物抜出管を
備えたホールドアップ容量60mlのステンレス鋼製一槽
型連続反応器に、参考例1で調製したクメンヒドロペル
オキシド溶液を120g/時間の速度で、アセトンを4
0g/時間の速度で、また参考例2で得られた得られた
固体酸触媒をスラリー状として1.0重量%含有するア
セトン溶液を12g/時間の速度で、それぞれ加えた。
この方法において、反応混合物中のジルコニウム金属と
しての濃度は270ppmであった。このようにして、反
応液の温度を75℃に保持しつつ、滞留時間20分とし
て連続式で反応を行った。
【0030】連続的に抜き出した反応混合物を5μm径
の焼結金属フィルターでろ過して固体酸触媒を除去した
後、フェノールとヒドロキシアセトンをガスクロマトグ
ラフィーで定量分析したところ、フェノールの収率(原
料のクメンヒドロペルオキシドとジクミルペルオキシド
の合計モル数に対する収率、以下、同じ。)は97モル
%であり、ヒドロキシアセトンの副生量(フェノールに
対する重量比、以下、同じ)は320ppmであった。
【0031】実施例2、3および比較例1〜5 実施例1において、参考例2の固体酸触媒に代えて、参
考例3または参考例4で得た固体酸触媒、あるいは表2
に示す触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして反応
および分析を行った。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】 *1 フェノールに対する重量比
【0033】実施例4および比較例6〜7 実施例1において、原料のヒドロペルオキシドとしてシ
メンヒドロペルオキシドのシメン溶液を用い、比較例で
は表3に示す触媒を用いた以外は、実施例1と同様にし
て反応および分析を行った。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】 *1 クレゾールに対する重量比
【0035】実施例5、比較例8および比較例9 実施例1において、原料のヒドロペルオキシドとしてm
−ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドのm−
ジイソプロピルベンゼン溶液を使用し、比較例では表4
に示す触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして反応
および分析を行った。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】 *1 レゾルシンに対する重量比
【0037】実施例6、比較例9および比較例10 実施例1において、原料のヒドロペルオキシドとして
1,3,5−トリイソプロピルベンゼントリヒドロペル
オキシドの1,3,5−トリイソプロピルベンゼン溶液
を使用し、比較例では表5に示す触媒を用いた以外は、
実施例1と同様にして反応および分析を行った。結果を
表5に示す。
【0038】
【表5】 *1 フロログリシンに対する重量比
【0039】実施例7 撹拌機、水コンデンサー、温水ジャケット、温度検出
器、原料導入管、触媒導入管および反応混合物抜出管を
備えたホールドアップ容量100mlのステンレス鋼製流
動床式槽型反応器に、参考例1で調製したクメンヒドロ
ペルオキシド溶液を連続供給し、また反応液中のアセト
ン濃度が40重量%となるようにアセトンを連続供給し
た。固体酸触媒としては参考例2で調製したものを使用
し、反応混合物中の固体酸触媒の濃度は5重量%とし
た。反応液の温度を80℃に保持しつつ、滞留時間を2
7分として連続式で反応を行った。反応器から5μm径
の焼結金属フィルターを通じて反応液のみを連続的に抜
き出した。反応液組成をガクスクロマトグラフィーで定
量分析した。結果を表6に示す。
【0040】
【表6】 フェノールの収率は98モル%、また表6のその他の成
分の分析結果から、ヒドロキシアセトンの副生量は対フ
ェノール当たり200ppmであった。
【0041】比較例12 実施例7において、固体酸触媒の代わりに硫酸を用い、
その濃度を0.5重量%とした以外は、実施例7と同様
にして反応および分析を行った。その結果、フェノール
の収率は97モル%、ヒドロキシアセトンの副生量は対
フェノール当たり9000ppmであった。
【0042】実施例8 図1に示した反応器を用いてヒドロキシ芳香族化合物を
製造した。すなわち、加熱/冷却が可能な容量200ml
の循環ループを有する反応塔2に、ペレット状の固体酸
触媒(硫酸処理酸化ジルコニウム触媒)80mlを充填して
形成した固定床の触媒床3に、参考例1で調製したクメ
ンヒドロペルオキシド溶液を50g/時間で上向流で通
液した。触媒床3はジャケットを循環する液体によって
設定温度を維持した。反応塔の圧力を窒素にて10kg/
cm2Gに保ち、循環ループの流量を450g/時間に設
定した。
【0043】液状生成物の流出物を集め、ガスクロマト
グラフィーで定量分析した。結果を表7に示す。
【表7】 フェノール収率は97モル%、また表7のその他の成分
の分析結果から、ヒドロキシアセトンの副生量は対フェ
ノール当たり210ppmであった。
【0044】比較例13、14 実施例8において、固体酸触媒の代わりに表8に示す触
媒を表8に示す量で用いた以外は、実施例8と同様にし
て反応および分析を行った。結果を表8に示す。
【表8】 *1 フェノールに対する重量比 *2 ロームアンドハース社製 *3 東ソー社製
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、酸触媒を用いるヒドロペルオキシド類の酸分解によ
るヒドロキシ芳香族化合物の製造において、酸触媒とし
て、金属水酸化物または金属酸化物を硫酸処理した後焼
成して得られる固体酸触媒を用いることによって、ヒド
ロキシアセトンの副生を極力抑制して、高収率でヒドロ
キシ芳香族化合物を得ることができる。しかも酸触媒の
分離除去にあたってアルカリ化合物を用いる必要はな
く、例えば流動床反応器を用いた場合はろ過または沈降
分離等で容易に分離除去することができ、固定床反応器
を用いた場合は反応液を直ちに精製系へ送ることができ
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を固定床により連続式で行う
場合に好適に使用することができる循環ループを有する
反応器を示す系統図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 反応塔 3 触媒床 4 循環ループ 5 ジャケット 6 原料供給路 7 冷却液 8 生成物取出路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Arはフェニル基または置換フェニル基、nは
    1、2または3を示す。)で表されるヒドロペルオキシ
    ド類を酸触媒の存在下で酸分解して、一般式(2) 【化2】 (式中、Arおよびnは前記と同じである。)で表され
    るヒドロキシ芳香族化合物を製造する方法において、 前記酸触媒として、金属水酸化物または金属酸化物を硫
    酸処理した後焼成して得られる固体酸触媒を用いること
    を特徴とするヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロペルオキシド類がクメンヒドロペ
    ルオキシド、シメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピ
    ルベンゼンジヒドロペルオキシドまたはトリイソプロピ
    ルトリヒドロペルオキシドであることを特徴とする請求
    項1記載のヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属水酸化物または金属酸化物がチタ
    ン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、スズ、
    鉛、鉄およびアルミニウムからなる群から選ばれる金属
    の水酸化物または酸化物であることを特徴とする請求項
    1または2記載のヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属水酸化物または金属酸化物がチタ
    ン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、スズ、
    鉛、鉄およびアルミニウムからなる群から選ばれる金属
    を2種以上混合した複合化合物の水酸化物または酸化物
    であることを特徴とする請求項1または2記載のヒドロ
    キシ芳香族化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 固体酸触媒は、酸強度がハメット酸度関
    数でH0<−12であり、イオウ分含有量が0.5〜1
    0重量%であることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかに記載のヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。
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