JPH08117554A - ごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法 - Google Patents
ごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法Info
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- JPH08117554A JPH08117554A JP6255031A JP25503194A JPH08117554A JP H08117554 A JPH08117554 A JP H08117554A JP 6255031 A JP6255031 A JP 6255031A JP 25503194 A JP25503194 A JP 25503194A JP H08117554 A JPH08117554 A JP H08117554A
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Abstract
工場からの高温の排ガス中の水銀を安価に且つ特別な装
置を使用することなく高効率で除去しうる方法を提供す
ることを主な目的とする。 【構成】1.ごみ焼却工場からの排ガスをバグフィルタ
ーを通過させて有害物質を除去するに先立ち、ごみ焼却
工場で捕集された飛灰を排ガス中に散布することを特徴
とするごみ焼却工場からの排ガス中の水銀除去方法。
2.ごみ焼却工場からの排ガスをバグフィルターを通過
させて有害物質を除去するに先立ち、塩化カルシウムと
吸着能物質とを排ガス中に散布することを特徴とするご
み焼却工場からの排ガス中の水銀除去方法。
Description
ス中の水銀蒸気および水銀化合物の除去方法に関する。
却工場で発生する排ガス中に含まれる水銀などの有害物
質の除去方法としては、湿式法および乾式法がある。
は、ごみ焼却炉からの高温の排ガス(200〜300℃
程度)を触媒脱硝装置に導いて脱硝処理した後、スクラ
バーなどにおいて排ガスとアルカリ水溶液とを接触さ
せ、排ガス中の有害物質を水に吸収させて除去するもの
である。しかしながら、この方法によれば、排ガス中の
水銀および水銀化合物のうち、水溶性である塩化第二水
銀(HgCl2)は、捕捉できるものの、非水溶性であ
る金属水銀(Hg0)は捕捉できない。また、水銀化合
物を吸収したスクラバー廃水を処理して、水銀を除去す
るための廃水処理設備が別途必要となるので、工程管理
を厳重にする必要があり、且つコスト高となる難点があ
る。
は、基本的には、ごみ焼却炉からの高温の酸性ガスなど
の排ガス中に消石灰(Ca(OH)2)を散布すること
により消石灰と排ガス中の有害物質とを反応させ、反応
生成物をダストともにバグフィルターにより除去する方
法である。しかしながら、この方法では、水銀と消石灰
とは反応しないので、水銀を除去するためには、消石灰
散布後の200℃程度の排ガス中に活性炭を散布し、活
性炭に吸着された水銀を活性炭とともにバグフィルター
により除去しなければならない。従って、高価な活性炭
を多量に使用する必要があり、コスト高となる。また、
活性炭は、180℃以上の高温では、吸着能力が著しく
低下するので、焼却炉からの高温の排ガス中にそのまま
活性炭を散布することは不適であり、排ガスの温度低下
を待って散布を行わなければならないが、この場合に
は、バッグフィルター通過後に行われる200℃以上で
の触媒脱硝反応が良好に行われなくなる。
は、「塩化カルシウムを担持せしめた活性炭を有効成分
とする水銀蒸気捕集剤」を開示している。ここに開示さ
れた水銀蒸気捕集剤は、活性炭を塩化カルシウム溶液に
浸漬した後、乾燥することにより得られるものである。
ここに開示された方法は、ガス中の水銀の除去という点
においては、上記の乾式法の一例であると考えられる。
本発明者は、ここに開示された水銀蒸気捕集剤をごみ焼
却炉からの排ガス中の水銀除去に適用することを試み
た。しかしながら、塩化カルシウムを担持した活性炭
は、ごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去には、十分な
効果を発揮せず、実用には供し得ないことが判明した。
その理由は明確ではないが、恐らくごみ焼却炉からの排
ガス中に必ず含まれているダスト(含有量0.5〜20
g/Nm3程度)が活性炭の微細孔を塞ぐので、活性炭
に吸着された塩化カルシウムが十分にその作用を発揮で
きず、目的とする水銀蒸気の吸着除去が阻害されるため
であると推測される。
銀のみならず、ダストをも含有するごみ焼却炉からの高
温の排ガス中の水銀を安価に且つ特別な装置を使用する
ことなく高効率で除去しうる方法を提供することを主な
目的とする。
従来技術の現状を考慮しつつ鋭意研究を進めた結果、偶
然にも、湿式法排ガス処理を行うごみ焼却炉から得られ
る飛灰の1種である電気集塵灰(EP灰)とごみ焼却炉
からの高温の排ガスとを接触させる場合には、排ガス中
に含まれる水銀を高い除去率で除去されることを見出し
た。
結果、上記の飛灰に含まれる各種の成分の中でも、特に
塩化カルシウム(CaCl2)と炭素系吸着能物質とが
相乗的に作用しあって、上記の様な顕著な水銀除去効果
を発揮することを見出した。
されたものであり、下記の様なごみ焼却炉乃至焼却工場
からの排ガス中の水銀除去方法を提供するものである; 1.ごみ焼却炉からの排ガスをバグフィルターを通過さ
せて有害物質を除去するに先立ち、ごみ焼却炉で捕集さ
れた塩化カルシウムと吸着能物質とを含む飛灰を排ガス
中に散布することを特徴とするごみ焼却炉からの排ガス
中の水銀除去方法。
ターを通過させて有害物質を除去するに先立ち、塩化カ
ルシウムと吸着能物質とを排ガス中に散布することを特
徴とするごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法。
説明する。
として示す。図2と図3との対比から明らかな様に、一
見したところでは、本発明方法は、従来の乾式法の改良
である様にも見受けられる。しかしながら、本発明方法
が従来技術と根本的に異なる点は、焼却炉からの高温の
水銀含有排ガスに対し、塩化カルシウム(CaCl2)
と炭素系吸着能物質とを含むごみ焼却炉からの飛灰(E
P灰、サイクロン灰など)或いは塩化カルシウムと炭素
系吸着能物質とを接触させる乃至散布することにある。
法において、焼却炉からの高温の排ガスは、反応塔にお
いてスラリー状のCa(OH)2を散布された後、冷却
されることなく、EP灰が散布される。排ガスに対する
EP灰の散布量は、特に限定されず、排ガス中の水銀濃
度、EP灰中の主要有効成分である塩化カルシウム含有
量と炭素系吸着能物質含有量とで定まる水銀除去能など
に応じて、バグフィルターを通過後の排ガス中の水銀濃
度が所定値以下になる量を設定すればよい。因みに、E
P灰は、電気集塵機の集塵部から回収される微小な粉体
(通常1〜150μm程度)であり、従来廃棄物として
処分されていたものである。
炭素成分が、高温下で活性化されることにより形成され
た多孔質の高比表面物質(比表面積は100〜500g
/g程度と推測される)であり、構造的に活性炭に類似
する物質である。但し、EP灰中では、炭素系吸着能物
質と塩化カルシウムとは、ほぼ単なる混合状態にあり、
前者が後者を吸着した状態とはなっていないものと推測
される。何故ならば、炭素系吸着物質が塩化カルシウム
を吸着している場合には、特公昭46−22334号に
関連して述べた様に、排ガス中の水銀除去能が極めて低
くなるからである。
えて、炭素系吸着能物質と塩化カルシウムとを焼却炉か
らの高温の排ガスに対し散布しても良い。炭素系吸着能
物質と塩化カルシウムとは、混合物として散布しても良
く、或いは別々に散布しても良い。また、塩化カルシウ
ムは、水溶液として散布し、煙道中で粉体化させて供給
することも可能である。炭素系吸着能物質としては、活
性炭、活性コークスなどが挙げられる。炭素系吸着能物
質と塩化カルシウムの粒径などは、特に限定されるもの
ではないが、通常0.05〜1mm程度とすることが好
ましい。また、炭素系吸着能物質は、800〜1500
m2/g程度の比表面積を有していることが好ましい。
本発明においては、炭素系吸着能物質に代えて、シリカ
ゲル、ゼオライトなどの無機系の吸着能物質を使用する
こともできる。無機系の吸着能物質を使用する場合の粒
径および比表面積も、炭素系吸着能物質の場合と同様で
よい。吸着能物質としては、炭素系吸着能物質がより好
ましい。
用する場合には、排ガスのダスト中に含まれるCaCl
2と未燃焼の多孔質の炭素成分も、水銀の除去に貢献す
ることが見出された。すなわち、乾式法の排ガスのダス
ト中に含まれるCaCl2と未燃焼の多孔質炭素成分
は、それだけでは、恐らく量が少ないためと思われる
が、水銀の除去に対して、ほとんど効果を示さない。し
かるに、炭素系吸着能物質と塩化カルシウムとを導入す
る場合には、ダスト中のCaCl2と未燃焼の多孔質炭
素成分も、水銀除去能を発揮するので、炭素系吸着能物
質と塩化カルシウムの使用量を理論量よりも低減させる
ことができる。
よび水銀化合物は、バグフィルター上に形成されるEP
灰(または塩化カルシウムと吸着能物質)を含むフィル
ターケーキ層中に捕捉される。
される。
により、ごみ焼却炉からの排ガス中の金属水銀を高い効
率で除去できる。
がない。
温の排ガス中の塩化第二水銀のみならず、金属水銀をも
除去することができる。
特徴とするところをより一層明確にする。
中の水銀蒸気の除去効果を確認した。
排ガスをライン1からヒータにより350℃に加熱され
た予熱管3を経て、フィルター7を備え、ヒータにより
200℃に加熱保持されたガラス管5に供給した。2つ
の管の温度は、熱電対による温度測定結果により調整さ
れた。フィルター7では、ごみ焼却工場で回収された電
気集塵機灰(EP灰)が約5mmの厚さに粉体層(フィ
ルターケーキ層)を形成していた。
スを水銀分析用吸収液9、ガスメーター11および吸引
ポンプ13を経て系外に取り出した。
水銀除去性能を測定した結果を表1に示す。
場合にも、高温で優れた水銀除去能を発揮することが明
らかである。
−1からのEP灰中の炭素含有量(これは、炭素系吸着
能物質の量にほぼ相当すると考えられる)は、4.7%
であり、塩化カルシウム含有量は、6.7%であった。
また、このEP灰の熱灼減量(可燃性物質の含有量)は
5.3%であった。
さらに増量剤としてカオリンを加えた配合物)を使用す
る以外は実施例1と同様にして、模擬排ガスに対する水
銀除去率を測定した。
のため、塩化カルシウムおよび活性炭をそれぞれ単独で
使用する場合の結果を併せて示す。
する場合にも、本発明が優れた効果を発揮することが明
らかである。
し、温度条件を150〜300℃の範囲で段階的に変え
る以外は実施例1と同様にして、模擬排ガスに対する水
銀除去率を測定した。
較のため、活性炭を使用する場合の結果を曲線IIとし
て併せて示す。
は、温度の如何に関わらず、活性炭に比して、はるかに
優れた水銀除去効果を発揮する。
を図6にフローを示す本発明方法により、処理した。ご
み焼却工場からの排ガスの詳細は、以下の通りである。
ス温度=200℃、ダスト濃度=5g/Nm3、塩酸ガ
ス濃度=800ppm、消石灰噴霧量=3倍当量比、排
ガス中の水銀濃度=0.2mg/Nm3、Hg0:HgC
l2=20:80(重量比) 図6において、バグフィルター上流の煙道中の排ガスに
活性炭(平均粒径約0.2mm、比表面積約1200m
2/g)と塩化カルシウム(平均粒径約0.1mm)と
をそれぞれ噴霧し、バグフィルター表面に活性炭5%と
塩化カルシウム5%とを含む厚さ約5mmの飛灰層を形
成させた。噴霧時間は、バグフィルター堆積飛灰の払い
落とし間隔である1時間の前半30分間とした。
化カルシウム8.8kg/時間とを使用して、水銀除去
率91.4%を達成することができた。
用する場合にも、上記と同様の結果が得られた。
炭のみを噴霧する場合には、水銀除去率85%を達成す
るために、活性炭35kg/時間を必要とした。
のEP灰を水洗して、塩化カルシウムを洗浄水中に除去
した後、残存物(以下EP炭素成分という;これは、炭
素系吸着能物質にほぼ相当すると考えられる)を乾燥し
た。
し、乾燥して、塩化カルシウムを含む乾固物(以下EP
乾固物という)を得た。
合物(以下復元EP灰という)を調製した。
素成分、EP乾固物および復元EP灰をそれぞれ使用し
て、模擬排ガスの処理を行った。結果を表3に示す。な
お、表3には、参考のため、焼却工場B−1からのEP
灰を使用した結果を表1から転載してある。
水銀除去率が半減し、EP乾固物単独では水銀除去率が
極めて低いのに対し、EP炭素成分とEP乾固物との混
合物である復元EP灰を使用する場合には、当初のEP
灰と同様の優れた水銀除去効果が達成できることを示し
ている。従って、これらの結果は、EP灰による水銀除
去効果は、主に炭素成分と塩化カルシウムとにより達成
されるものであることを証明している。
ートである。
ートである。
である。
線図である。
グラフである。
トである。
炭素成分が、高温下で活性化されることにより形成され
た多孔質の高比表面物質(比表面積は100〜500m
2 /g程度と推測される)であり、構造的に活性炭に類
似する物質である。但し、EP灰中では、炭素系吸着能
物質と塩化カルシウムとは、ほぼ単なる混合状態にあ
り、前者が後者を吸着した状態とはなっていないものと
推測される。何故ならば、炭素系吸着物質が塩化カルシ
ウムを吸着している場合には、特公昭46−22334
号に関連して述べた様に、排ガス中の水銀除去能が極め
て低くなるからである。
Claims (2)
- 【請求項1】ごみ焼却炉からの排ガスをバグフィルター
を通過させて有害物質を除去するに先立ち、ごみ焼却炉
で捕集された塩化カルシウムと吸着能物質とを含む飛灰
を排ガス中に散布することを特徴とするごみ焼却炉から
の排ガス中の水銀除去方法。 - 【請求項2】ごみ焼却炉からの排ガスをバグフィルター
を通過させて有害物質を除去するに先立ち、塩化カルシ
ウムと吸着能物質とを排ガス中に散布することを特徴と
するごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6255031A JP2654545B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | ごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6255031A JP2654545B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | ごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08117554A true JPH08117554A (ja) | 1996-05-14 |
JP2654545B2 JP2654545B2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=17273221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6255031A Expired - Fee Related JP2654545B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | ごみ焼却炉からの排ガス中の水銀除去方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2654545B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104353325A (zh) * | 2014-11-12 | 2015-02-18 | 上海锅炉厂有限公司 | 一种电站锅炉烟气脱汞的装置及方法 |
CN105688651A (zh) * | 2016-01-28 | 2016-06-22 | 华中科技大学 | 锅炉烟气的脱汞吸附方法以及废弃混凝土的再生方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04197423A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-17 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 排ガス中の亜酸化窒素除去方法 |
-
1994
- 1994-10-20 JP JP6255031A patent/JP2654545B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH04197423A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-17 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 排ガス中の亜酸化窒素除去方法 |
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CN104353325A (zh) * | 2014-11-12 | 2015-02-18 | 上海锅炉厂有限公司 | 一种电站锅炉烟气脱汞的装置及方法 |
CN105688651A (zh) * | 2016-01-28 | 2016-06-22 | 华中科技大学 | 锅炉烟气的脱汞吸附方法以及废弃混凝土的再生方法 |
CN105688651B (zh) * | 2016-01-28 | 2019-04-12 | 华中科技大学 | 锅炉烟气的脱汞吸附方法以及废弃混凝土的再生方法 |
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JP2654545B2 (ja) | 1997-09-17 |
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