JP3189032B2 - ゴミ焼却炉からの排ガスの処理方法 - Google Patents

ゴミ焼却炉からの排ガスの処理方法

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尚夫 伊藤
朗 西村
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大阪市
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ焼却炉からの
排ガスの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴミ焼却炉からの排ガス中の水銀
などの有害物質の除去処理方法としては、湿式法と乾式
法とがある。
【0003】湿式法は、図1にフローチャートとして示
す様に、ゴミ焼却炉から電気集塵機を通過した高温の排
ガス(200〜300℃程度)を触媒脱硝装置に導いて脱硝処
理した後、スクラバーなどの洗浄装置において、排ガス
とアルカリ水溶液とを接触させ、排ガス中の有害物質を
水に吸収させて除去するものである。しかしながら、こ
の湿式方法においては、排ガス中の水銀および水銀化合
物の中、水溶性である塩化第二水銀(HgCl2)は、捕捉
できるものの、非水溶性である金属水銀(Hg0)は、捕
捉できない。また、水銀化合物を吸収したスクラバー廃
水を処理して、水銀を除去するための廃水処理設備が別
途必要となるので、工程管理を厳重に行う必要があり、
且つコスト高となる難点がある。
【0004】乾式法は、図2にフローチャートとして示
す様に、ゴミ焼却炉からの高温の排ガスに消石灰(Ca
(OH)2)の微粉末を散布して、消石灰と排ガス中の酸
性ガス(SOx、HClなど)とを反応させた後、排ガス中に
活性炭微粉末を散布して、ガス中の金属水銀を吸着除去
し、次いで、上記の反応生成物と水銀を吸着した活性炭
微粉末とをバグフィルターにより除去している。この方
法は、スクラバー廃水の処理を必要としない点では、湿
式法に比して、有利ではあるが、特有の欠点をも有して
いる。すなわち、消石灰は、塩化第二水銀に対しては高
い除去率を示すが、金属水銀の除去率は低い。従って、
金属水銀の吸着除去のために、高価な活性炭を多量に使
用する必要があり、コスト高となる。また、活性炭は、
180℃以上の温度では、吸着能力が著しく低下するの
で、消石灰散布後の高温の排ガス中にそのまま活性炭を
散布することは極めて不利であり、排ガスの温度低下を
待って散布を行わなければならないが、触媒脱硝を行う
場合には、バグフィルター通過後に行われる200℃以上
での触媒脱硝反応が阻害されることになる。さらに、多
量の消石灰散布により形成されるバグフィルター捕集灰
の処理経費が高いことも、乾式法の大きな難点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、水
銀を含有するゴミ焼却炉からの排ガスを高価な設備を使
用することなく安価に且つ高効率で除去しうる方法を提
供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の現状に留意しつつ鋭意研究を重ねた結果、バ
グフィルターに堆積したゴミ焼却炉からの飛灰(BF堆
積灰)とゴミ焼却炉排ガスとを接触させる場合には、B
F堆積灰が極めて高度の水銀吸着能を発揮して、排ガス
中に含まれる水銀が高い除去率で除去されることを見出
した。また、バグフィルターを通過した排ガスは、水銀
を実質的に含まないので、スクラバーなどの洗浄装置に
より洗浄するだけで、排ガス中の有害物質を水に吸収さ
せて、その除去精製を行い得ることをも、見出した。
【0007】すなわち、本発明は、下記のゴミ焼却炉か
らの排ガスの処理方法を提供するものである: 1.ゴミ焼却炉からの排ガスを焼却炉飛灰が堆積したバ
グフィルターにそのまま送って金属水銀を除去した後、
処理ガスを排ガス洗浄装置で洗浄して酸性ガスを除去す
ることを特徴とするゴミ焼却炉からの排ガス処理方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、後記の実施例1および
2に要約される新規な知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0009】以下図面を参照しつつ、本発明をさらに詳
細に説明する。
【0010】本発明方法の概要をフローチャートとして
図3に示す。本発明方法においては、焼却炉からの高温
の排ガスは、バグフィルターに送られる。バグフィルタ
ーには、予め飛灰(消石灰を散布しない状態での焼却炉
飛灰)が堆積されている。この状態で水銀含有排ガスと
バグフィルターに堆積した飛灰とが接触すると、排ガス
中の水銀が飛灰に捕捉され、排ガスから除去される。本
発明においては、排ガス温度が200℃程度の高温のまま
でも、十分な水銀除去率が得られ、排ガス温度が低温に
なると、水銀除去率はさらに改善される。
【0011】水銀を除去された排ガスは、スクラバーな
どの公知の排ガス洗浄装置により洗浄され、酸性ガス
(SOx、HClなど)が除去される。洗浄排水は、凝集沈殿
処理法などの公知の排水処理法により処理される。
【0012】処理を終えた排ガスは、煙突から大気中に
放出される。
【0013】なお、焼却炉からの飛灰の組成が所定値
(塩化カルシウムとして3%以上、炭素系吸着能物質と
して3%以上)を下回る場合、或いはBF堆積灰のふる
い落とし促進のための助剤などの薬剤散布のために、B
F堆積灰中の有効成分が所定値に達しない場合には、塩
化カルシウムの散布或いは水酸化カルシウムを排ガスに
添加して排ガス中のHClとの反応により、BF堆積灰中
に塩化カルシウムを形成させても良く、不足する炭素系
吸着能物質を補うために活性炭を補給しても良い。
【0014】
【発明の効果】飛灰を有効利用することにより、水銀除
去のための薬剤が不要となる。或いはこの様な薬剤を使
用する場合にも、その使用量を減少させることができ
る。
【0015】200℃以上の高温においても、塩化第二水
銀のみならず、金属水銀をも高い除去率で除去できる。
【0016】酸性ガス処理のための消石灰の散布を行わ
ないので、バグフィルター灰の生成量が大幅に減少す
る。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0018】なお、金属水銀を含有するが、その他の不
純成分を含有しない模擬排ガスを使用する以下の実施例
においては、水銀除去後のガスからの酸性ガスの洗浄除
去処理および洗浄排水の処理は、示していないが、これ
らの後処理は、すでに確立されている常法により、容易
に行いうるところである。
【0019】実施例1 本発明において、高温における飛灰による高い金属水銀
除去能は、飛灰に含まれる塩化カルシウムと炭素系吸着
能物質(未燃焼の多孔質炭素成分からなり、比表面積10
0〜500m2/g程度で、活性炭に類似する吸着特性を有して
いる)とにより発揮されるものである。
【0020】これらの含有率と水銀除去率との関係をよ
り一層明確にするために、疑似BF堆積灰による水銀除
去を下記の要領で行った。
【0021】カオリン(不活性物質)に塩化カルシウム
と炭素系吸着能物質に代替する活性炭(比表面積約800m
2/g)とを等量の割合で添加して疑似BF堆積灰を調製
し、図4に示す装置を使用して、高温ガス中の水銀除去
効果を確認した。
【0022】金属水銀0.15mg/Nm3を含む模擬排ガスをラ
イン1からヒーターにより350℃に加熱された予熱管3
を経て、フィルター7を備え、ヒーターにより200℃に
加熱保持されたガラス管5に供給した。予熱管3および
ガラス管5の温度は、熱電対により温度測定を行いつ
つ、調整した。フィルター7では、上記で調製した模擬
BF堆積灰により、約5mmの厚さの粉体層(フィルター
ケーキ層)を形成させた。この状態で、フィルター7を
出た模擬排ガスを水銀分析用吸収液9、ガスメーター1
1および吸引ポンプ13を経て系外に取り出した。
【0023】水銀除去効果を図5に示す。塩化カルシウ
ムと活性炭の各含有量が5%の場合には、約80%という
高い水銀除去率が達成されている。
【0024】実施例2 飛灰(消石灰を散布しない場合のBF堆積灰に相当す
る)による水銀除去能を明らかにするために、下記の要
領で排ガス中の水銀除去を行った。
【0025】ゴミ焼却炉で採取した飛灰(消石灰は散布
していない)と消石灰とを所定の割合で配合した混合物
を疑似BF堆積灰に代えて使用する以外は実施例1と同
様にして、水銀含有模擬排ガスの処理を行った。
【0026】結果を図6に示す。消石灰が水銀除去に殆
ど効果を発揮しないのに対し、飛灰が優れた水銀除去効
果を発揮することが明らかである。
【0027】なお、各混合物中の塩化カルシウムと炭素
の含有量を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例3 バグフィルター上の飛灰層の厚さを種々変化させる以外
は実施例1と同様にして、水銀含有模擬排ガスの処理を
行った。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示す結果から明らかな様に、本発明
方法においては、BF堆積灰の層厚が3mm程度以上であ
れば、十分な水銀除去効果を得ることができる。
【0032】実施設のバグフィルターの通常の運転で
は、BF堆積灰は、5〜15mm程度の厚さとなるので、
実施設においても、十分な水銀除去率が得られることが
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴミ焼却炉からの排ガスの公知の湿式処理方法
を示すフローチャートである。
【図2】ゴミ焼却炉からの排ガスの公知の乾式処理方法
を示すフローチャートである。
【図3】本発明によるゴミ焼却炉からの排ガスの処理方
法を示すフローチャートである。
【図4】実施例1による高温排ガス中の水銀除去処理で
使用した装置を示すフローチャートである。
【図5】実施例1における水銀除去効果を示すグラフで
ある。
【図6】実施例2における水銀除去効果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1…排ガス導入ライン 3…予熱管 5…ガラス管 7…フィルター 9…水銀分析用吸収液 11…ガスメーター 13…吸引ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 53/81 (72)発明者 藤川 輝昭 大阪府大阪狭山市大野台2−16−10 (56)参考文献 特開 平7−328378(JP,A) 特開 平7−139719(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/88

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴミ焼却炉からの排ガス処理方法におい
    て、焼却炉飛灰が堆積したバグフィルターにゴミ焼却炉
    からの排ガスを処理することなく送って金属水銀を除去
    した後、処理ガスを排ガス洗浄装置で洗浄して酸性ガス
    を除去することを特徴とするゴミ焼却炉からの排ガス処
    理方法。
  2. 【請求項2】焼却炉飛灰の組成が、塩化カルシウムとし
    て3%以上および炭素系吸着能物質として3%以上を含む
    ものであること特徴とする請求項1に記載の排ガス処理
    方法。
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