JPH081170A

JPH081170A - 循環温水器

Info

Publication number: JPH081170A
Application number: JP6160587A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Yamada; 繁山田; Zensaku Yamaguchi; 善作山口
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1994-06-20
Filing date: 1994-06-20
Publication date: 1996-01-09

Abstract

(57)【要約】【目的】濾過材として２価３価鉄塩脂質複合体を利用
することにより、循環温水器の小型化を可能とすると共
に保守及び管理が容易な循環温水器を提供することを目
的とする。【構成】温水を循環させる循環ポンプ２と、循環温水
を浄化する濾過槽５とを備え、濾過材Ｃとして２価３価
鉄塩脂質複合体と磁鉄鉱石と石灰石とを濾過槽５に充填
した循環温水器Ａの吸込み・吹出しユニットＢを浴槽内
に固定し、循環温水中の体の汚れ等の有機物を２価３価
鉄塩脂質複合体から溶出する２価３価鉄塩により凝集さ
せ、この凝集体を浴槽内に設置されたトップフィルタ１
３で捕捉して浄化処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、循環温水器の濾過材と
して２価３価鉄塩脂質複合体を利用することにより、循
環温水器の小型化を可能とすると共に、その保守及び管
理を容易にする循環温水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の循環温水器においては、温水中の
髪の毛やタオルの糸屑、体の汚れ（アカ等）の一部等を
フィルタで取り除き、さらに体の汚れ等の有機物は微生
物による分解浄化あるいは活性炭等に吸着させるなどし
て、温水の浄化処理を行っている。

【０００３】この場合、微生物による浄化方法は、濾過
槽内に酸化ケイ素を主成分とする活性石や焼結濾過材を
充填し、これらを微生物の担体として用いる。また、吸
着による浄化処置では、活性炭や目の細かいフィルタに
より有機物を捕捉している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、微生物による
浄化方法では、前述の濾過材を微生物の担体となるに充
分な量で濾過槽内に充填する必要があり、例えば４人家
族の浴室に使用される家庭用循環温水器では約２〜３ｋ
ｇの濾過材が必要となり、この濾過材を充填した濾過槽
が循環温水器の機械本体のかなりの体積を占めていた。

【０００５】また、従来の循環温水器では、微生物が濾
過材に活着するまでの期間は体の汚れ等の有機物を充分
に分解することができないために、循環温水器の使用開
始時期に浴槽内の温水に濁りが生じることがあった。

【０００６】さらに、微生物の濾過材への活着状態をコ
ントロールすることができないために、循環温水器の使
用に際して悪臭が伴うという事態も生じていた。

【０００７】一方、吸着による浄化方法では、活性炭や
目の細かいフィルタ等が有機物を捕捉する際にそれらの
体積や表面積が有機物の捕捉性能に影響するので、所定
の浄化効率を得るには循環温水器の機械本体のかなりの
体積を占めるだけの量の活性炭やフィルタ等を用いる必
要があった。また、所定の浄化効率を維持するために
は、１〜２ケ月に一回程度の頻度で定期的に濾過材の洗
浄を行い、さらに定期的に濾過材の交換も行う必要があ
った。

【０００８】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
小型化が可能で、さらにその保守管理作業の省力化を図
ることができる循環温水器を提供することを目的とする
ものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、温水を循環させる循環ポンプと、温水を浄
化する濾過槽とを具備する循環温水器において、前記濾
過槽は２価３価鉄塩脂質複合体を含む濾過材を槽内に充
填したことを特徴とする循環温水器を提供する。

【００１０】この場合、濾過材は更に磁鉄鉱石又は磁鉄
鉱石を主体とする加工石や石灰石又は石灰石を主体とす
る加工石を含むことが好ましく、また、磁鉄鉱石類を濾
過槽内の温水流入側に、石灰石類を濾過槽内の温水流出
側に充填することが好ましい。

【００１１】なお、上記２価３価鉄塩脂質複合体は球状
体であることが好適である。

【００１２】

【作用】本発明の循環温水器は、特に家庭用浴槽の温水
を浄化するために有効に使用され、この浴槽と連結して
該浴槽内の温水を循環温水器の循環ポンプの作動により
上記濾過槽内に導入し、この濾過槽内の濾過材によって
温水を浄化し、浄化された温水を上記浴槽に返送するも
のであるが、本発明の循環温水器は、その濾過槽に充填
された濾過材として２価３価鉄塩脂質複合体を利用した
ことにより、従来の微生物や吸着による浄化方法とは全
く異なる方法で温水の浄化を行うものである。

【００１３】つまり、濾過槽に設けられた２価３価鉄塩
脂質複合体は、温水中に微量の２価３価鉄塩を溶出す
る。そして、溶出した２価３価鉄塩により温水中の微生
物は繁殖や生存を抑制され、その結果、体の汚れ等の有
機物は分解されずに温水中で凝集して沈殿する。沈殿し
た有機物は、例えば浴槽内に設けられたフィルタにより
容易に捕捉され、これにより循環温水器における温水の
浄化が行われる。

【００１４】この場合、濾過材として２価３価鉄塩脂質
複合体と共に磁鉄鉱石類を使用することにより、温水中
に２価３価鉄塩を溶出し易くすることができるものであ
る。即ち、磁鉄鉱石類が発生する電磁波により、２価３
価鉄塩脂質複合体から２価３価鉄塩が温水中へと溶出す
ることが容易となる。特に、磁鉄鉱石類を２価３価鉄塩
脂質複合体より温水入側となるように濾過槽内に充填す
ることにより、電磁波による２価３価鉄塩の溶出容易化
の効果がより効率良く得られる。

【００１５】また、濾過材として更に石灰石類を充填さ
せることにより、石灰石類の主成分である炭酸カルシウ
ムに含まれるカルシウムが、温水中に溶出した２価３価
鉄塩を安定させる役割を果たす。特に、石灰石類を２価
３価鉄塩脂質複合体より温水出側となるように濾過槽内
に充填することにより、２価３価鉄塩脂質複合体間を通
過した２価３価鉄塩を含有する温水が石灰石類の間を通
過するので、温水中の２価３価鉄塩の安定化の作用はよ
り効率良く得られる。

【００１６】なお、２価３価鉄塩脂質複合体を球状化す
ることにより、２価３価鉄塩脂質複合体とこれらの間を
通過する温水との接触面積が大きくなり、２価３価鉄塩
の温水中への溶出を容易にする。さらに、濾過材を洗浄
する時には、２価３価鉄塩脂質複合体同士が接触する
が、この接触による２価３価鉄塩脂質複合体の損傷を防
止する。また、２価３価鉄塩脂質複合体をほぼ同じ大き
さの球状体とすれば、磁鉄鉱石等の他の濾過材と混合し
て使用する場合に、各濾過材が片寄るということがなく
なる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。

【００１８】図１は本実施例に係る循環温水器Ａの一部
破断斜視図である。この循環温水器Ａは、家庭用の浴槽
に利用される公知の構造のもので、循環パイプ１にその
上流側（温水流入側）から下流側（温水流出側）に向け
て、順次温水を循環させる循環ポンプ２、温水を紫外線
殺菌する紫外線殺菌装置３、洗浄時の排水を自動切換す
る五方弁４、温水を浄化する濾過槽５、温水を所定温度
に加熱する加熱装置（ヒータ）６を介装してなるもので
あり、これら部材はケーシング７内に収納されている。
なお、このケーシング７の表面部には、循環温水器Ａの
ＯＮ−ＯＦＦ及び浴槽内の温水の温度設定等を行うコン
トロールパネル８が配設されており、図示しない電源コ
ードが延出している。また、９は排水管である。

【００１９】前記循環パイプ１は、温水の循環経路を形
成するものであり、その温水流入側端部１ａ及び温水流
出側端部１ｂはそれぞれケーシング７の外側に延出さ
れ、これら両端部１ａ，１ｂはそれぞれ吸込・吹出しユ
ニットＢと連結されている。このユニットＢは、該ユニ
ットＢを浴槽の内壁に取り付けるための吸着盤１１と浴
槽内の温水を吸込むアジャストパイプ１２の上部に取り
付けられたトップフィルタ１３と、上記循環パイプ１の
温水流出側端部１ｂより該ユニットＢ内に送り込まれた
温水を浴槽内に吹き出すジェットノズル１４とを備えて
いる。

【００２０】前記の構成の循環温水器Ａは、これを設置
する浴室の構造に合わせて、浴槽まわりのスペースに固
設したり、浴槽の側壁上端部に固定した人口ボードの上
に載置する等して浴槽付近に設置し、アジャストパイプ
１２の吸込み口が浴槽の底付近となるように吸込み・吹
出しユニットＢを吸着盤１１により温水が満たされた浴
槽の内壁に固定し、電源コードを電源に接続する。そし
て、コントロールパネル８により浴槽内の温水の温度等
の条件を設定して、循環温水器Ａを稼働させる。

【００２１】本実施例の循環温水器Ａによる温水の浄化
方法について以下に説明すると、まず、コントロールパ
ネル８でスイッチＯＮとすることにより循環ポンプ２が
稼働し、浴槽内の温水はアジャストパイプ１２からトッ
プフィルタ１３を経て吸込み・吹出しユニットＢ内に吸
い込まれる。このとき、トップフィルタ１３により温水
中の髪の毛や糸くずや砂や一部のアカ等が取り除かれ
る。その後、温水は循環パイプ１の温水流入側端部１ａ
から循環温水器Ａへと送り込まれ、紫外線殺菌装置３を
通過する際に殺菌される。次いで、濾過槽５に送り込ま
れて浄化処理が施される。

【００２２】なお、濾過槽４内を通過した温水は、さら
にヒータ６へと送られて所定温度に加熱され、五方弁５
を通じて吸込み・吹出しユニットＢに返送され、ジェッ
トノズル１４から浴槽内に吹き出される（温水の循環経
路は図中の矢印参照）。

【００２３】ここで、ヒータ６はコントロールパネル８
の温度設定による信号を受けて温度制御を行う図示しな
い水温センサを備え、この水温センサにより水温が５０
℃以上にならないように制御されている。

【００２４】而して、本実施例の循環温水器Ａにあって
は、その濾過槽５内に２価３価鉄塩脂質複合体を濾過材
Ｃとして充填してなるものである。ここで、本実施例で
使用する２価３価鉄塩脂質複合体は、多孔質のセラミッ
クを焼成し、これを２価３価鉄塩（Ｆｅ₂Ｆｅ₃Ｃｌ₅な
ど）の希薄溶液（例えば２×１０^-12ｍｏｌ／ｌ程度）
に浸したものを、人体の細胞成分である中性脂質の上に
載せたものである。この２価３価鉄塩脂質複合体は、特
に球状であることが好ましいが、２価３価鉄塩脂質複合
体は完全な球状体である必要はなく、通常、球状体と認
められる程度で良い。球状体の２価３価鉄塩脂質複合体
は、その平均球径が５〜１０ｍｍのものを使用すると好
適である。

【００２５】この場合、濾過材Ｃは、２価３価鉄塩脂質
複合体に加え、磁鉄鉱石又は磁鉄鉱石を主体とする加工
石（磁鉄鉱石類）、及び石灰石又は石灰石を主体とする
加工石（石灰石類）の１種又は２種以上を含むことが好
適である。このような磁鉄鉱石類、石灰石類を充填する
場合、これらは２価３価鉄塩脂質複合体と混合状態で充
填してもよいが、特に磁鉄鉱石類は濾過槽内の温水流入
側に充填し、石灰石類は温水流出側に充填することが好
ましく、とりわけ磁鉄鉱石類と石灰石類とで２価３価鉄
塩脂質複合体をサンドウイッチするように充填すること
が有効である。なお、磁鉄鉱石は１０ｍｍ前後程度の大
きさに粉砕したものを使用することが好ましく、そし
て、石灰石は、炭酸カルシウムの純度が９９．０１重量
％以上で、大きさが磁鉄鉱石と同程度のものを使用する
ことが好ましい。

【００２６】前記２価３価鉄塩脂質複合体、磁鉄鉱石及
び石灰石の使用量は特に制限されず、適宜選定し得る
が、例えば浴槽中の湯水が２００リットル程度の家庭用
浴槽の場合、２価３価鉄塩脂質複合体約３０ｇ、磁鉄鉱
石１００ｇ及び石灰石５５ｇ程度とすることができる。

【００２７】なお、上述したように、磁鉄鉱石に替えて
磁鉄鉱石を主体とする加工石を使用しても良く、その場
合には、加工石の充填量は磁鉄鉱石の重量に換算して同
量となる量とする。また、石灰石の加工石についても同
様である。

【００２８】このように循環温水器Ａの濾過槽５内に濾
過材Ｃとして２価３価鉄塩脂質複合体を充填しているこ
とにより、上述したように浴槽内の温水を循環温水器Ａ
内に循環させてその濾過槽５で温水の浄化を行う際、濾
過槽５に設けられた２価３価鉄塩脂質複合体は、温水中
に微量の２価３価鉄塩を溶出する。そして、溶出した２
価３価鉄塩により温水中の微生物は繁殖や生存を抑制さ
れ、その結果、体の汚れ等の有機物は分解されずに温水
中で凝集して沈殿する。沈殿した有機物は、上記トップ
フィルタ１３により容易に捕捉され、これにより循環温
水器における温水の浄化が行われる。この場合、磁鉄鉱
石類を併用し、特に２価３価鉄塩脂質複合体よりも温水
流入側になるように充填することにより、磁鉄鉱石類が
発生する電磁波により２価３価鉄塩脂質複合体から２価
３価鉄塩が温水中へ溶出することが容易になると共に、
石灰石類を併用し、特に２価３価鉄塩脂質複合体より温
水流出側になるように充填することにより、石灰石類の
主成分である炭酸カルシウムが温水中に溶出した２価３
価鉄塩を安定化させる。

【００２９】即ち、濾過槽５内に充填された２価３価鉄
塩脂質複合体は、磁鉄鉱石類の発生する電磁波下に、そ
の温水中に２価３価鉄塩を溶出する。そして、温水中に
溶出した２価３価鉄塩は、石灰石の間を通過する際に、
石灰石により安定化し、温水中の微生物の繁殖や生存を
抑制する。そのため、循環前にはトップフィルタ１３で
捕捉されなかった体の汚れ等の有機物は、濾過槽５内を
通過することにより温水中で分解されずに凝集して、循
環温水と共に浴槽内へと送られて沈殿し、トップフィル
タ１３により捕捉される。

【００３０】またこの場合、上記２価３価鉄塩脂質複合
体を球状化することにより、２価３価鉄塩脂質複合体と
これらの間を通過する温水との接触面積が大きくなり、
２価３価鉄塩の温水中への溶出を容易にする。さらに、
濾過材を洗浄する時には、２価３価鉄塩脂質複合体同士
が接触するが、この接触による２価３価鉄塩脂質複合体
の損傷を防止する。また、２価３価鉄塩脂質複合体をほ
ぼ同じ大きさの球状体とすれば、磁鉄鉱石等の他の濾過
材と混合して使用する場合に、各濾過材が片寄るという
ことがなくなる。

【００３１】上述した実施例の装置の保守及び管理につ
いては、トップフィルタ１３は通常の循環温水器と同様
に適宜行い、濾過材Ｃは３ケ月〜半年に一回程度の割合
で洗浄すれば良く、濾過材Ｃの定期交換は不要である。
なお、トップフィルタ１３は吸込み・吹出しユニットＢ
から取り外して洗浄し、濾過材Ｃはパネルコントロール
８の操作により上記濾過槽５及び五方弁４に付設された
スパイラル自動洗浄撹拌機構１０を稼働させて洗浄し、
洗浄水を排水管９で排出することができる。

【００３２】本実施例の循環温水器Ａによれば、濾過材
Ｃとして使用する２価３価鉄塩脂質複合体から溶出する
２価３価鉄塩により有機物等を凝集、沈殿させてトップ
フィルタ１３に捕捉させて温水の浄化を行うので、濾過
槽５内部の汚れが少なくなり循環温水器Ａの掃除が容易
である。また、濾過材Ｃの定期的な交換をせず、洗浄頻
度を少なくしても所定の浄化効率を得ることができる。

【００３３】また、磁鉄鉱石の発生する電磁波や石灰石
に含まれるカルシウムにより２価３価鉄塩脂質複合体に
よる浄化機能は向上し、濾過材Ｃ全体としての濾過槽５
内への充填量は従来の循環温水器に比べて大幅に減少さ
せることができ、小型の循環温水器Ａを得ることができ
る。その上、初期溶出段階で２価３価鉄塩が安定した溶
出速度を得るまでに要する時間は、循環ポンプ２を２０
リットル／分で稼働させた場合で約１〜２日であり、従
来の循環温水器に比べて浄化の初期安定化を図ることが
できたものである。

【００３４】なお、本発明は上記実施例に制限されず、
例えば紫外線殺菌装置３や五方弁４はその配設を省略し
得、またヒータ６と循環パイプ１の温水流出側端部１ｂ
との間に別途フィルタを介装して、前記凝集物をこのフ
ィルタで捕捉して、浴槽内に凝集物が送り込まれないよ
うにしてもよく、その他の構成についても本発明の要旨
の範囲内で種々変更して差し支えない。

【００３５】

【発明の効果】本発明の循環温水器によれば、温水中に
溶出した２価３価鉄塩により、従来の浄化方法とは全く
異なる方法で温水の浄化を行う構成としたので、微生物
の活着に関連して生じていた循環温水の濁りや悪臭の問
題がなくなる。

【００３６】また、本発明の循環温水器によれば、濾過
材として使用する２価３価鉄塩脂質複合体から温水中に
溶出する２価３価鉄塩により有機物等を凝集、沈殿させ
て温水の浄化を行うので、濾過材自体の汚れが減少す
る。従って、濾過材の定期的な交換は不要となり、洗浄
回数も減少する。そして、温水中に溶出した２価３価鉄
塩により温水中の微生物の繁殖や生存を抑制するので、
濾過槽内部の汚れが少なくなる。一方、体の汚れ等の有
機物は凝集、沈殿させて浴槽内のフィルタ等により捕捉
するので、濾過槽内部の掃除が必要となる回数は減少
し、清掃作業も簡単になり、循環温水器の維持及び管理
が容易化される。また、２価３価鉄塩脂質複合体の充填
量は従来の濾過材に比べて少量で良く、循環温水器を小
型化することができる。

【００３７】本発明のうち請求項２記載の循環温水器で
は、磁鉄鉱石類により２価３価鉄塩の温水中への溶出を
容易化する構成としたので、前述の効果がより効率良く
得ることができると共に、初期段階における２価３価鉄
塩の温水中への溶出が安定する時間が短縮されて浄化の
初期安定化が図れる。また、２価３価鉄塩脂質複合体の
充填量を減少させることができ、循環温水器をより小型
化することが可能となる。

【００３８】本発明のうち請求項３記載の循環温水器で
は、磁鉄鉱石類が２価３価鉄塩脂質複合体より温水入側
となる構成としたので、磁鉄鉱石類による前記効果をよ
り効率良く得ることができ、循環温水器の小型化がさら
に容易となる。

【００３９】本発明のうち請求項４記載の循環温水器で
は、温水中に溶出した２価３価鉄塩を石灰石類により安
定化する構成としたので、前述の２価３価鉄塩による温
水の浄化効果等の効果の効率が向上し、２価３価鉄塩脂
質複合体の充填量をさらに減少することができる。

【００４０】本発明のうち請求項５記載の循環温水器で
は、石灰石類が２価３価鉄塩脂質複合体より温水出側と
なる構成としたので、カルシウムによる２価３価鉄塩が
溶出した温水の安定化の効果がより効率良く得られ、循
環温水器をより小型化することができる。

【００４１】本発明のうち請求項６記載の循環温水器で
は、２価３価鉄塩脂質複合体を球状体としたので、２価
３価鉄塩の温水中への溶出効率が向上し、２価３価鉄塩
脂質複合体の充填量は減少する。また、濾過材洗浄時の
２価３価鉄塩脂質複合体の損傷防止により、循環温水器
の維持及び管理はさらに容易となる。さらに、２価３価
鉄塩脂質複合体をほぼ同じ大きさの球状体とすれば、磁
鉄鉱石等の他の濾過材と混合して使用する際の各濾過材
の片寄りがなくなり、磁鉄鉱石等による効果をより効率
良く得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の循環温水器の一部破断斜視図であ
る。

【符号の説明】

Ａ循環温水器Ｃ濾過材１循環パイプ２循環ポンプ５濾過槽６ヒータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０２Ｆ 1/32 Ｆ２４Ｈ 9/00 ＷＢ０１Ｄ 29/08 ５４０Ａ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】温水を循環させる循環ポンプと、温水を
浄化する濾過槽とを具備する循環温水器において、前記
濾過槽は２価３価鉄塩脂質複合体を含む濾過材を槽内に
充填したことを特徴とする循環温水器。
【請求項２】前記濾過材は、磁鉄鉱石又は磁鉄鉱石を
主体とする加工石を含むことを特徴とする請求項１記載
の循環温水器。
【請求項３】前記磁鉄鉱石又は磁鉄鉱石を主体とする
加工石は、前記濾過槽内で前記２価３価鉄塩脂質複合体
より温水入側に充填されたことを特徴とする請求項２記
載の循環温水器。
【請求項４】前記濾過材は、石灰石又は石灰石を主体
とする加工石を含むことを特徴とする請求項１乃至３の
いずれか１項記載の循環温水器。
【請求項５】前記石灰石又は石灰石を主体とする加工
石は、前記濾過槽内で前記２価３価鉄塩脂質複合体より
温水出側に充填されたことを特徴とする請求項４記載の
循環温水器。
【請求項６】前記２価３価鉄塩脂質複合体は球状体で
あることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項記
載の循環温水器。