JPH08116092A - 半導体発光素子およびその製法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製法

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JPH08116092A
JPH08116092A JP21562595A JP21562595A JPH08116092A JP H08116092 A JPH08116092 A JP H08116092A JP 21562595 A JP21562595 A JP 21562595A JP 21562595 A JP21562595 A JP 21562595A JP H08116092 A JPH08116092 A JP H08116092A
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compound semiconductor
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Yukio Shakuda
幸男 尺田
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 格子定数の不整合や熱膨張係数の相違に基づ
く結晶欠陥や転位の発生を極力抑え、かつ、劈開するこ
とができる半導体発光素子およびその製法を提供する。 【解決手段】 GaAs、InAs、GaP、InPな
どのIII −V族化合物半導体基板3のAsまたはP原子
を最表面とする主面に、チッ化ガリウム系化合物半導体
4〜9を積層して発光素子を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体発光素子およ
びその製法に関する。さらに詳しくは、青色発光に好適
なチッ化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体発光素
子およびその製法に関する。
【0002】ここにチッ化ガリウム系化合物半導体と
は、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物または
III 族元素のGaの一部がAl、Inなど他のIII 族元
素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部が
P、Asなど他のV族元素と置換した化合物からなる半
導体をいう。
【0003】また、半導体発光素子とは、pn接合また
はpinなどダブルヘテロ接合を有する発光ダイオード
(以下、LEDという)、スーパルミネッセントダイオ
ード(SLD)または半導体レーザダイオード(LD)
などの光を発生する半導体素子をいう。
【0004】
【従来の技術】従来青色のLEDは赤色や緑色に比べて
輝度が小さく実用化に難点があったが、近年チッ化ガリ
ウム系化合物半導体を用い、Mgをドーパントした低抵
抗のp型半導体層がえられたことにより、輝度が向上し
脚光をあびている。
【0005】従来のチッ化ガリウム系のLEDは、たと
えば図5に示されるような構造になっている。このLE
Dを製造するには、まずサファイア(Al2 3 単結
晶)基板21に400〜700℃の低温で有機金属化合
物気相成長法(以下、MOCVD法という)によりキャ
リアガスH2 とともに有機金属化合物ガスであるトリメ
チルガリウム(以下、TMGという)およびアンモニア
(NH3 )を供給し、GaNからなる低温バッファ層2
2を0.01〜0.2μm程度形成し、ついで700〜
1200℃の高温で同じガスを供給し同じ組成のn型の
GaNからなる高温バッファ層23を2〜5μm程度形
成する。
【0006】ついで前述のガスにさらにトリメチルアル
ミニウム(以下、TMAという)のガスを供給してn型
のAlx Ga1-x N(0<x<1)からなるn型クラッ
ド層24を0.1〜0.3μm程度形成し、ダブルヘテ
ロ接合形成のためのn型クラッド層を形成する。これら
のn型層を形成するには、SiH4 などの原料ガスを同
時に導入する。
【0007】つぎに、クラッド層の組成よりAlの量を
減らしInの量を多くしてバンドギャップエネルギーが
クラッド層のそれより小さくなる材料、たとえばGay
In1-y N(0<y≦1)からなる活性層25を形成す
る。
【0008】ついで、n型クラッド層の形成と同じ原料
ガスにさらにp型不純物としてのMgまたはZnのため
のビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、Cp
2 Mgという)またはジメチル亜鉛(以下、DMZnと
いう)の有機金属化合物ガスを加えて反応管に導入し、
p型Alx Ga1-x Nからなるp型クラッド層26を形
成する。
【0009】さらにキャップ層27とするため、前述と
同様のガスを供給してp型のGaN層を気相成長させ
る。
【0010】そののち、SiO2 などの保護膜を半導体
の成長層表面全面に設け、400〜800℃、20〜6
0分間程度のアニールを行い、p型層であるキャップ層
27およびp型クラッド層26の活性化を図る。ついで
保護膜を除去したのちn型の電極を形成するため、レジ
ストを塗布しパターニングして、図5に示されるよう
に、成長した各半導体層の一部をアルゴンガスおよび塩
素ガス雰囲気でのドライエッチングを行ってn型GaN
からなる高温バッファ層23を露出させる。ついでA
u、Alなどの金属膜をスパッタリングなどにより形成
して両電極28、29を形成し、ダイシングすることに
よりLEDチップを形成している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のチッ化ガリウム
系化合物半導体を用いた半導体発光素子は裏面側がサフ
ァイア基板で絶縁体であるため、裏面側の電極をとるた
めにエッチングなどの複雑なプロセスが必要となる。
【0012】また、サファイア基板は高温に耐えること
ができ、比較的種々の結晶面に合わせることができるた
め有利に用いられているが、サファイア基板とチッ化ガ
リウム系化合物半導体結晶との格子定数はそれぞれ4.
758Åと3.189Åで相当異なり、さらに熱膨脹係
数も異なるため、図6のAに示されるように、サファイ
ア基板と接するバッファ層に転位や結晶欠陥が発生し、
その結晶欠陥が動作層であるチッ化ガリウム系化合物半
導体単結晶層にも進展し動作領域が狭くなるとともに、
半導体層の光学的品質も低下するという問題がある。
【0013】さらに、サファイア基板を劈開することは
できず、前述の構造では劈開により半導体発光素子チッ
プを製造することができないため、半導体レーザのよう
に端面が精度のよい平行な2つの鏡面を必要とするデバ
イスには不向きであるという問題がある。
【0014】本発明はこのような問題を解決し、格子定
数の不整合や熱膨張係数の相違に基づく結晶欠陥や転位
の発生を極力抑えた半導体発光素子およびその製法を提
供することを目的とする。
【0015】本発明のさらに他の目的は半導体レーザの
ように端面に平行な2つの鏡面を必要とする半導体発光
素子にもチッ化ガリウム系化合物半導体を用いて劈開に
より端面の鏡面をうることができる半導体発光素子およ
びその製法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子
は、III-V族化合物半導体基板上に積層されたチッ化ガ
リウム系化合物半導体層を構成要素とする。
【0017】前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、
前記III-V族化合物半導体のV族の原子を最表面とした
基板上に積層されることにより、界面での格子整合が好
ましいものとなる。
【0018】前記III-V族化合物半導体基板がガリウム
ヒ素であると、バッファ層にガリウムを含む構造の半導
体発光素子のために好ましい。
【0019】前記III-V族化合物半導体基板がインジウ
ムヒ素であると、バッファ層にインジウムを含む構造の
半導体発光素子のために好ましい。
【0020】前記III-V族化合物半導体基板がガリウム
リンであると、バッファ層にガリウムを含む、または発
光波長が550nm以上の半導体発光素子のために好ま
しい。
【0021】前記III-V族化合物半導体基板がインジウ
ムリンであると、バッファ層にインジウムを含む構造の
半導体発光素子のために好ましい。
【0022】前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、
p型層およびn型層を含む複数の層であり、かつ発光の
ための活性層を有することが、簡単に発光素子を実現す
るための構造として好ましい。
【0023】前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、
バッファ層、下部クラッド層、活性層、上部クラッド
層、キャップ層からなることが、発光素子が実現するた
めの構造として好ましい。
【0024】前記バッファ層がn型Gaz In1-z
(0<z≦1)、前記下部クラッド層がn型Alx Ga
1-x N(0<x<1)、前記活性層がGay In1-y
(0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga
1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNで
あると、ダブルヘテロ構造を有する発光素子を実現する
ために好ましい。
【0025】本発明の半導体発光素子の製法は、III-V
族化合物半導体基板を用意する工程、前記III-V族化合
物半導体基板の主面上にチッ化ガリウム系化合物半導体
バッファ層を積層する工程、前記バッファ層上にチッ化
ガリウム系化合物半導体からなる下部クラッド層、活性
層、上部クラッド層およびキャップ層を結晶格子を整合
させて順次積層する工程、前記キャップ層上および前記
III-V族化合物半導体基板の裏面に電極を形成する工
程、および素子ごとにチップを劈開する工程を有する。
【0026】前記バッファ層を積層する工程は、低温に
より低温バッファ層を形成する工程と、それに続いて高
温で高温バッファ層を形成する工程であることが、クラ
ッド層や活性層の結晶欠陥や転位の発生を防止する上で
好ましい。
【0027】前記バッファ層がn型Gaz In1-z
(0<z≦1)、前記下部クラッド層がn型Alx Ga
1-x N(0<x<1)、前記活性層がGay In1-y
(0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga
1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNで
あることが、ダブルヘテロ構造を有する発光素子を実現
するために好ましい。
【0028】前記III-V族化合物半導体基板が、V族の
原子を最表面とする面を主面として用意されていること
が、界面での良好な格子整合のために好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明の半導体発光素子を製法に従って説明する。図1は本
発明の半導体発光素子の製法の一実施形態の工程断面説
明図、図2〜4は本発明の半導体発光素子の具体的な実
施例の断面説明図である。
【0030】まず、図1(a)に示されるように、Ga
As基板、InAs基板、GaP基板もしくはInP基
板などのIII-V族化合物半導体基板3を用意する。いず
れの基板3を用いるときも主面は(111)面を使用
し、また、最表面にV族原子、すなわちAsもしくはP
が露呈した状態とする(以下、(111)A面とい
う)。このような基板をうるには、X線回折で(11
1)面方向を決定して、(111)面に平行に切断し、
表面の原子半径が大きい方の面が(111)A面である
ため、表面をトンネル電流顕微鏡で観察して(111)
A面が基板表面になるように加工することによりえられ
る。
【0031】つぎに図1(b)に示されるように、この
基板3を反応炉内に配設し、チッ化ガリウム系化合物半
導体Alv Gaw In1-v-w N(0≦v<1、0<w≦
1、0<x+w≦1)からなる低温バッファ層4を0.
01〜0.2μm程度、高温バッファ層5を2〜5μm
程度設ける。チッ化ガリウム系化合物半導体を成長させ
て直接クラッド層や活性層となるチッ化ガリウム系化合
物半導体単結晶としようとすると、格子不整合に基づく
結晶欠陥や転位が発生してしまうが、低温バッファ層4
および高温バッファ層5を設けることで、クラッド層や
活性層は、きれいな結晶状態でえられるが、高温バッフ
ァ層5はクラッド層の一部とすることもできる。この低
温バッファ層4は、MOCVD法によって400〜70
0℃で、多結晶膜として0.01〜0.2μm成長させ
られるものである。これに続いて、700〜1200℃
の高温で高温バッファ層5が成長させられる。この高温
バッファ層5を成長する際に低温で多結晶膜として成長
した低温バッファ層4も単結晶化し、高温バッファ層5
と整合化される。
【0032】つぎに図1(c)に示されるように、n型
クラッド層6、ノンドープまたはn型もしくはp型の活
性層7、p型クラッド層8、キャップ層9を順次形成す
る。クラッド層6、8は通常0.1〜2μm程度の厚さ
に形成され、活性層7は0.02〜0.2μm程度の厚
さに形成される。活性層7は結晶欠陥や転位が発生しえ
ない程度に非常に薄く形成されるが、クラッド層は薄く
するのに限界があり、厚いため、これらが異種材料で構
成されると歪みが入り易く、高温バッファ層5とともに
厚い層は同じ組成の材料で形成されることが好ましい。
【0033】前述のクラッド層などの半導体層でn型層
にするためには、Si、Ge、Sn、TeなどをSiH
4 、GeH4 、SnH4 、TeH4 などのガスとして反
応ガス内に混入することによりえられる。またp型層を
形成するためには、MgやZnをCp2 MgやDMZn
の有機金属ガスとして原料ガスに混入することによりp
型層とすることができる。このp型層はキャップ層9上
にSiO2 などからなる保護膜を設けて400〜800
℃でアニール処理をすることにより、または電子線を照
射することによりMgと化合したH(キャリヤガスとし
てのH2 や反応ガスであるNH3 ガスのHが化合する)
を切り離してMgを動き易くし、低抵抗化することがで
きる。
【0034】この例では、活性層7の両側をp型層とn
型層の両クラッド層6、8により挟むダブルヘテロ接合
構造とされ、クラッド層6、8は活性層7のバンドギャ
ップエネルギーより大きなバンドギャップエネルギーを
有する材料で構成されている。前述のAlv Gaw In
1-v-w Nの材料でバンドギャップエネルギーを大きくす
るには、vを大きくし、1−v−wを小さくすることに
よりえられる。このようなバンドギャップエネルギーを
有するクラッド層6、8でサンドイッチ構造とすること
により、活性層に注入されたキャリアが発光層である活
性層とクラッド層のあいだにできるエネルギー障壁で閉
じ込められるため、単純な同一材料でpn接合を作った
ホモ接合構造より発光再結合の確立が格段に向上し、発
光効率も高くなる。しかし本発明の製法はこのようなダ
ブルヘテロ接合構造に限定されることはなく、ホモ接合
やヘテロ接合のpn接合でも成長する半導体層の組成を
変えるだけで同様に適用される。また、半導体レーザで
ストライプ溝を形成することにより屈折率導波構造とす
る半導体発光素子なども同様に製造できる。なお、キャ
ップ層9は電極との接触抵抗を減少させるためのもの
で、0.2〜2μm程度の厚さに形成される。
【0035】つぎに、前述のように、半導体層の表面に
SiO2 、Si3 4 、GaAs、InPなどの保護膜
を設けて400〜800℃で20〜60分間程度のアニ
ール処理を行うか、保護膜を設けないで、直接表面から
3〜20kV程度の加速電圧の電子線照射をする。その
結果、p型層のドーパントであるMgとHとの結合が切
られ、活性化が達成され、p型層の低抵抗化が図られ
る。
【0036】ついで、Au、Alなどの電極材料を蒸着
やスパッタ法などにより成膜し、裏面側には全面に下部
(n側)電極11が形成され、表面側はLEDのばあい
は発光領域を確保するため、または半導体レーザのばあ
いは電流注入領域を規制するため、中心部のみパターニ
ングして上部(p側)電極10が形成され、そののち各
チップに劈開することにより、図1(d)に斜視図で示
されるように半導体発光素子チップが形成される。
【0037】この半導体発光素子チップをリードフレー
ムに載置し、ワイヤボンディングしたのちエポキシ樹脂
でモールドすることによりLEDが完成する。
【0038】本発明によれば、チッ化ガリウム系化合物
半導体層を成長するための基板として、GaAs基板、
InAs基板、GaP基板もしくはInP基板などのII
I-V族化合物半導体基板を用いるため、半導体成長層と
基板との格子定数や熱膨張係数は非常に近くなり、界面
での格子欠陥や転位は発生しにくい。とくに、従来用い
られていたサファイア基板と比べて、熱膨脹係数はGa
Nに近くなるので、製造工程中の熱処理による格子の歪
みの発生率が著しく低下する。
【0039】これらの基板の主面としては、従来のサフ
ァイア基板のC面にも最も近い面が選ばれ、かつ、最表
面がV族の原子となる状態で用いることにより、チッ化
ガリウム系化合物半導体層とのあいだに格子不整合が発
生し難く、かつ、それに基因して動作層とするチッ化ガ
リウム系化合物半導体単結晶層にまで転位や結晶欠陥が
広がり難くなる。最表面がV族の原子であると、基板表
面のチッ化が行われやすく、積層されるチッ化ガリウム
系化合物半導体層の結晶面が規則正しく揃い易くなる。
【0040】さらに、バッファ層とクラッド層の1μm
以上に厚く形成される層の半導体単結晶層の組成を同じ
にすることにより、きれいな劈開面がえられ、鏡面がえ
られ易くなる。
【0041】また、バッファ層のIII 族原子と同じ原子
を含む基板材料を使えばバッファ層と基板との界面の歪
が小さいという効果もある。
【0042】
【実施例】つぎに、さらに具体的な発光素子により本発
明を詳細に説明する。
【0043】実施例1 図2は本発明の製法により製造したチッ化ガリウム系化
合物半導体を用いたダブルヘテロ接合LEDの断面説明
図である。チッ化ガリウム系化合物半導体としてAlv
Gaw In1-v-w N(0≦v<1、0<w≦1、0<v
+w≦1)を用い、Al、Ga、Inの比率を変えるこ
とによりダブルヘテロ接合を形成したものである。
【0044】まず、前述の図1(a)に示されるような
50〜500μmの厚さに形成されたGaAs、InA
s、GaPまたはInPからなる基板の表面に400〜
700℃の低温でn型Alv Gaw In1-v-w N(0≦
v<1、0<w≦1、0<v+w≦1、たとえばv=
0、w=1)からなる低温バッファ層4を0.01〜
0.2μm程度MOCVD法により成長し、ついで70
0〜1200℃の高温で低温バッファ層4と同じ組成の
n型Alv Gaw In1-v-w Nからなる高温バッファ層
5を2〜5μm程度の厚さに設けた。さらに700〜1
200℃でn型Alx Gay In1-x-y N(0<x<
1、0<y<1、0<x+y≦1、v≦x、たとえばx
+y=1)からなるn型クラッド層6を0.1〜2μm
程度の厚さに設け、ノンドープのAlp Gaq In
1-p-q N(0≦p<1、0<q≦1、0<p+q<1、
p<x、1−p−q>1−x−y、たとえばp=0)か
らなる活性層7を0.02〜0.1μm程度の厚さに成
長させ、さらにp型Alx Gay In1-x-y Nからなる
p型クラッド層8を0.1〜2μm程度成長させた。そ
の上にAlr Gas In1-r-s N(0≦r<1、0<s
≦1、0<r+s≦1、r≦x)からなるキャップ層9
を0.2〜2μm程度の厚さ設ける。
【0045】前記構造で、両クラッド層6、8は同じ組
成で、かつ、これらの層は活性層7の組成よりバンドギ
ャップエネルギーが大きい組成で形成されている。すな
わち、Alの量を多くして、Inの量を少なくすること
によりバンドギャップエネルギーの大きい材料がえら
れ、バンドギャップエネルギーの大きい材料からなるク
ラッド層6、8によりバンドギャップエネルギーが小さ
い材料からなる活性層7がサンドイッチされる構造にな
っており、活性層に注入されたキャリアをエネルギー障
壁で閉じ込め、発光効率を高くしている。
【0046】そののち前述のように電子線照射によりp
型層の低抵抗化を図り、電極を形成して劈開することに
より0.5カンデラ(cd)の輝度のダブルヘテロ接合
の青色LEDがえられた。
【0047】本実施例によれば、バンドギャップエネル
ギーの小さい材料からなる活性層をサンドイッチ構造と
するダブルヘテロ接合としているため、発光効率を高め
ることができるとともに、クラッド層やバッファ層など
の厚い半導体層は同じ組成の材料で構成し、異なる組成
の半導体層は結晶欠陥が生じない程度の薄さに形成され
ているため、欠陥のない膜質の優れた半導体層がえら
れ、さらに劈開が容易となる。
【0048】実施例2 本実施例は半導体レーザの実施例で、図3に断面説明図
が示されるように、各層の形成および電極の形成までは
実施例1と全く同様に形成し、電極形成後に上部電極1
1の両側のキャップ層9およびp型クラッド層8の上部
をエッチングしてメサ型形状にしたものである。このよ
うな構造にすることにより電流を活性層の中心部だけに
集中させることができ、しかも劈開により端面が鏡面に
なっているため、端面で反射させて発振させることがで
き、出力が0.2mWの青色半導体レーザがえられた。
【0049】実施例3 本実施例はpn接合のLEDの実施例で、図4にその断
面説明図が示されるように、GaAs基板、InAs基
板、GaP基板もしくはInP基板などのなかから選ば
れたIII-V族化合物半導体基板3にn型GaNからなる
低温バッファ層4を0.01〜0.2μm程度、n型G
aNからなる高温バッファ層5を2〜5μm程度の厚さ
だけ実施例1と同様の条件で成長し、そののちn型Al
t Ga1-t N(0≦t<1)からなるn型層12を0.
1〜1μm程度、p型Inu Ga1-u N(0≦u<1)
からなるp型層(活性層)13を0.1〜1μm程度、
それぞれ成膜し、ついでp型Alz Ga1-z N(0≦z
<1)からなるキャップ層14を成膜し、p型層13に
3〜20kVの加速電圧で電子線照射をし、アニールを
行ったのち、下部(n側)電極11および上部(p側)
電極10を形成し、ヘテロ接合のpn接合LEDを製造
した。このヘテロ接合構造とすることによりホモ接合の
pn接合LEDよりも発光効率が増大し、0.2カンデ
ラ(cd)の輝度の青色LEDがえられた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、基板が絶縁基板でない
ため、下部側の電極を基板の裏面に形成すればよく、従
来のように上面側からエッチングして下部の導電型層を
露出させて電極を形成する必要がない。そのため、ドラ
イエッチング工程が不要になり、構造プロセスが簡単に
なるとともにエッチング時に発生しやすいコンタミネー
ションによる抵抗に基因する特性劣化も生じない。
【0051】基板材料の特性として、ガリウムヒ素は、
バッファ層にガリウムを含む構造、インジウムヒ素は、
バッファ層にインジウムを含む構造、ガリウムリンは、
550nm以上の波長の発光素子、またはバッファ層に
ガリウムを含む構造、インジウムリンは、バッファ層に
インジウムを含む構造の各半導体発光素子で特性のすぐ
れた発光素子がえられる。
【0052】基板となる化合物半導体結晶の格子定数な
どが近いため整合しやすく、結晶欠陥や転位の発生を防
止できる。その結果、半導体層が高品質になり、素子の
発光効率や寿命が向上する。また、クラッド層などの厚
い層と同種の結晶が揃うことになり容易に劈開すること
ができ、簡単に鏡面をうることができる。その結果、青
色の半導体レーザも容易にうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体発光素子の一実施形態を製造工
程に従って示す図である。
【図2】本発明の半導体発光素子の一実施例のLEDの
断面説明図である。
【図3】本発明の半導体発光素子の他の実施例の半導体
レーザの断面説明図である。
【図4】本発明の半導体発光素子のさらに他の実施例の
LEDの断面説明図である。
【図5】従来のGaN系LEDの断面説明図である。
【図6】従来のサファイア基板上に形成されたバッファ
層に発生する転位の状況を説明する図である。
【符号の説明】
3 基板 4 低温バッファ層 5 高温バッファ層 6 n型クラッド層 7 活性層 8 p型クラッド層 12 n型層 13 p型層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III-V族化合物半導体基板上に積層され
    たチッ化ガリウム系化合物半導体層を構成要素とする半
    導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記チッ化ガリウム系化合物半導体層
    が、前記III-V族化合物半導体のV族の原子を最表面と
    する面を主面とした基板上に積層されている請求項1記
    載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記III-V族化合物半導体基板が、ガリ
    ウムヒ素である請求項1または2記載の半導体発光素
    子。
  4. 【請求項4】 前記III-V族化合物半導体基板が、イン
    ジウムヒ素である請求項1または2記載の半導体発光素
    子。
  5. 【請求項5】 前記III-V族化合物半導体基板が、ガリ
    ウムリンである請求項1または2記載の半導体発光素
    子。
  6. 【請求項6】 前記III-V族化合物半導体基板が、イン
    ジウムリンである請求項1または2記載の半導体発光素
    子。
  7. 【請求項7】 前記チッ化ガリウム系化合物半導体層
    が、p型層およびn型層を含む複数の層であり、かつ、
    発光のための活性層を有する請求項1、2、3、4、5
    または6記載の半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記チッ化ガリウム系化合物半導体層
    が、バッファ層、下部クラッド層、活性層、上部クラッ
    ド層、キャップ層からなる請求項1、2、3、4、5、
    6または7記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記バッファ層がn型Gaz In1-z
    (0<z≦1)、前記下部クラッド層がn型Alx Ga
    1-x N(0<x<1)、前記活性層がGayIn1-y
    (0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga
    1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNで
    ある請求項8記載の半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 III-V族化合物半導体基板を用意する
    工程、前記III-V族化合物半導体基板の主面上にチッ化
    ガリウム系化合物半導体バッファ層を積層する工程、前
    記バッファ層上にチッ化ガリウム系化合物半導体からな
    る下部クラッド層、活性層、上部クラッド層およびキャ
    ップ層を結晶格子を整合させて順次積層する工程、前記
    キャップ層上および前記III-V族化合物半導体基板の裏
    面に電極を形成する工程、および素子ごとにチップを劈
    開する工程、からなる半導体発光素子の製法。
  11. 【請求項11】 前記バッファ層を積層する工程は、低
    温により低温バッファ層を形成する工程と、それに続い
    て高温で高温バッファ層を形成する工程とからなる請求
    項10記載の半導体発光素子の製法。
  12. 【請求項12】 前記バッファ層がn型Gaz In1-z
    N(0<z≦1)、前記下部クラッド層がn型Alx
    1-x N(0≦x<1)、前記活性層がGay In1-y
    N(0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx
    1-x N(0≦x<1)、前記キャップ層がp型GaN
    である請求項10または11記載の半導体発光素子の製
    法。
  13. 【請求項13】 前記III-V族化合物半導体基板が、V
    族の原子を最表面とする面を主面として用意されている
    請求項8、9または10記載の半導体発光素子の製法。
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