JPH08113988A - 外壁パネル等の構造部材のシーリング構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外壁パネルの目地の止水効果を十分なものと
する。 【構成】 上下の外壁パネル１の内面１Ｂ側の対向面３
ｂ、４ｂのうち、上側の対向面３ｂにチューブ状の第１
のシール材１０を、下側の対向面４ｂに帯状の第２のシ
ール材２０を装着し、第２のシール材２０に第１のシー
ル材１０を弾性変形させて密着させる。第１のシール材
１０の弾性変形が一様となり、安定した密着状態が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば多数並設され
て外壁を構成する外壁パネル等の構造部材の目地の止水
を施すにあたって好適なシーリング構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ビル等の建造物においては、カー
テンウォール等の外壁パネルを鉛直面に沿って多数並設
して外壁を構成する手法が採られている。外壁パネル
は、一般に長方形状あるいは正方形状をなす石板やコン
クリートパネル等が用いられる。このように多数の外壁
パネルにより構成される外壁においては、パネル間の目
地の止水すなわちシーリング構造が肝要である。

【０００３】図３は従来のシーリング構造の例を示して
いる。図中１はプレキャスト製のコンクリート版からな
る外壁パネルであり、外壁パネル１が鉛直面に沿って多
数並べられて外壁２が構成される。上下方向に対向する
外壁パネル１の対向面３、４により形成される外壁の目
地は、外壁パネル１の外面１Ａ側から内面１Ｂ側に向か
って屈曲して迷路状に立ち上がり、雨水が内部に侵入し
にくい構造になっている。さて、この場合には、外面１
Ａ側の水平な対向面３ａ、４ａの間に一次シーリング
が、また、内面１Ｂ側の水平な対向面３ｂ、４ｂの間に
二次シーリングが設けられて止水が施されている。

【０００４】一次シーリングは、ゴム等のシール材５の
外面側にパテ６をコーキングした構造となっており、二
次シーリングは、一方（この場合上方）のパネル１の対
向面３ｂにゴム等の弾性部材からなるチューブ状のシー
ル材７を装着しておき、据付けによってシール材７が下
のパネル１の対向面４ｂに液密的に密着する構造になっ
ている。また、二次シーリングとしては、図４に示すよ
うに、シール材７を双方に装着し、このシール材７が互
いにつぶれ合って液密的に密着する構造も採用されてい
る。すなわち、１つのシール材７を外壁パネル１自体に
密着させるか、上下２つのシール材７を互いに密着させ
るかのいずれかの構造がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記二次シーリングの
構造のうち、１つのシール材７を外壁パネル１自体に密
着させる構造は、施工性が良いという利点はあるが、シ
ール材７が密着するパネルの対向面４ｂの仕上げ状況つ
まり平滑度によって止水効果が左右される。対向面４ｂ
に塗料を塗って平滑化を図っても、十分な止水効果を得
るには至らない。また、上下２つのシール材７どうしを
密着させるものは、上下のシール材７が均等に、かつ上
下対称の形状につぶれれば問題ないのだが、実際の施工
状態においては上下均等につぶれにくく、しかもねじれ
が生じたりして密着状態が損なわれ良好な止水構造が得
られない場合があった。

【０００６】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、密着性（追従性）に優れた十分な止水効果が得
られる外壁パネル等の構造部材のシーリング構造を提供
することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、互いに対向する外壁パネル
等の構造部材の一方の対向面に、弾性変形可能な膨出タ
イプの第１のシール材を装着し、他方の対向面に、平板
状の第２のシール材を装着し、両シール材を互いに液密
的に密着させることを特徴としている。

【０００８】

【作用】本発明によれば、第２のシール材が平板状であ
るからこの第２のシール材に密着する第１のシール材の
弾性変形の状態が一様となり、このため密着状態が安定
して十分な止水効果が得られる。また、第１のシール材
を第２のシール材に密着させる際に、第１のシール材の
弾性変形に第２のシール材がねじれ等の悪影響を与えな
いので施工性が良い。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図１は、図３と同様の、プレキャスト製のコン
クリート版からなる外壁パネル（構造部材）１が鉛直面
に沿って上下に並べられた外壁２の一部を示している。
外壁パネル１の対向面３、４により形成される外壁２の
目地は、外壁パネル１の外面１Ａ側から内面１Ｂ側に向
かって屈曲して迷路状に立ち上がっている。外面１Ａ側
の水平な対向面３ａ、４ａの間には、シール材５および
パテ６からなる従来通りの一次シーリングがなされてい
る。そして、内面１Ｂ側の水平な対向面３ｂ、４ｂの間
には、本発明に係る二次シーリングが設けられている。

【００１０】二次シーリングは、一方（この場合上方）
の外壁パネル１の対向面３ｂにゴム等の弾性部材からな
るチューブ状の第１のシール材１０が装着され、他方
（この場合下方）の外壁パネル１の対向面４ｂに、平板
状の第２のシール材２０が装着され、これらシール材１
０、２０が互いに液密的に密着した構造となっている。

【００１１】第１のシール材１０は図３のシール材７と
同様の構成であり、自由状態ではチューブ状の状態が保
たれる膨出タイプのものである。第２のシール材２０
は、同じくゴム等の弾性部材からなるもので、薄い帯状
に成形され、表面が平滑に仕上げられている。そして、
外壁パネル１の据付け状態で、第１のシール材１０が弾
性変形によりややつぶれて第２のシール材２０に圧接し
ており、これにより液密的に密着している。なお、第２
のシール材２０としては、図２に示すように、断面形状
がやや凸に湾曲する山形に形成されたものでもよい。

【００１２】本実施例のシーリング構造によれば、第１
のシール材１０を弾性変形させて第２のシール材２０に
密着させるものであり、第２のシール材２０は平板状で
あるから第１のシール材１０の弾性変形の状態が一様と
なり、このため密着状態が安定し十分な止水効果が得ら
れる。また、施工時に第１のシール材１０を第２のシー
ル材２０に密着させる際に、第１のシール材１０の弾性
変形に第２のシール材２０が悪影響を与えないので、施
工性が良好である。また、２つの第１のシール材１０を
対向させて密着させる構成とは異なり、片方を平板状の
第２のシール材２０とすることにより、コストの上昇が
抑えられる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の外壁パネル
等の構造部材のシーリング構造によれば、互いに対向す
る外壁パネル等の構造部材の一方の対向面に、弾性変形
可能な膨出タイプの第１のシール材を装着し、他方の対
向面に、平板状の第２のシール材を装着し、両シール材
を互いに液密的に密着させることを特徴とするもので、
第２のシール材に密着する第１のシール材の弾性変形の
状態が一様となるので密着状態が安定し、その結果十分
な止水効果が得られるとともに、施工性が良好でコスト
の上昇も抑えられるといった効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のシーリング構造の一実施例を示す断
面図である。

【図２】 同実施例の第２のシール材の変形例を示す断
面図である。

【図３】 従来のシーリング構造の一例を示す断面図で
ある。

【図４】 同他の例を示す断面図である。

【符号の説明】

１…外壁パネル（構造部材）、３ｂ、４ｂ…対向面、１
０…第１のシール材、２０…第２のシール材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数並設されて外壁を構成する外壁パネ
   ル等の構造部材の目地の止水を施すシーリング構造であ
   って、 互いに対向する構造部材の一方の対向面に、弾性変形可
   能な膨出タイプの第１のシール材を装着し、他方の対向
   面に、平板状の第２のシール材を装着し、両シール材を
   互いに液密的に密着させることを特徴とする外壁パネル
   等の構造部材のシーリング構造。