JPH08109449A - 磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板及びその製造方法ならびに該鋼板を用いたモータコア - Google Patents

磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板及びその製造方法ならびに該鋼板を用いたモータコア

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JPH08109449A
JPH08109449A JP9890095A JP9890095A JPH08109449A JP H08109449 A JPH08109449 A JP H08109449A JP 9890095 A JP9890095 A JP 9890095A JP 9890095 A JP9890095 A JP 9890095A JP H08109449 A JPH08109449 A JP H08109449A
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flux density
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steel sheet
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Tomoyuki Abe
智之 阿部
Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Tsutomu Kaido
力 開道
Takeshi Kubota
猛 久保田
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Nippon Steel Corp
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  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電気機器鉄心材料として使用され
る磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板及
びその製造方法及びそのコアを提供する。 【構成】 熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍により、熱延板
の結晶粒径を100μm以上に大きくするという製造プ
ロセスの工夫と、微量添加元素であるNiの積極的活用
との組み合わせが磁束密度を高くし、かつ鉄損を低くす
ることに有効であることを見いだした。本発明はこれら
知見に基づいてなされた製品及びその製造方法ならびに
そのコアである。 【効果】 本発明によれば、磁束密度が高く、かつ鉄損
が低い無方向性電磁鋼板及びコアが得られ、電気機器の
効率化、小型化に伴い、その鉄心材料として用いられる
無方向性電磁鋼板に対する要望に十分に答えることがで
き、その工業的効果は非常に大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器鉄心材料とし
て使用される磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性
電磁鋼板及びその製造方法ならびに該電気機器に使用さ
れる高磁束密度無方向性電磁鋼板を使用したモータコア
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の高効率化は、世界的な
電力・エネルギー節減の動きの中で強く要望されてい
る。また、電気機器の小型化で、磁性材料の高磁束密度
化の要望が高まっている。このため、回転機、及び中小
型変圧器などの鉄心材料に広く使用されている無方向性
電磁鋼板においても、高磁束密度化及び低鉄損化の要望
がますます強くなってきている。
【0003】従来の無方向性電磁鋼板では、鉄損を低く
する手段として、一般に固有抵抗増加による渦電流損低
下の観点から、SiあるいはAl等の含有量を高める方
法が用いられてきた。しかし、この方法では、磁束密度
の低下を免れることができないという本質的な問題があ
った。
【0004】また、単にSiあるいはAlの含有量を高
めるのみだけでなく、Cの低減、Sの低減、あるいは、
特開昭58−15143号公報に記載されているよう
な、Bの添加等の成分的な処理や、仕上げ焼鈍前の冷延
圧下率を高くすること、仕上げ焼鈍温度を高くすること
などの製造プロセス的な工夫がなされてきたが、いずれ
も鉄損の低下を図ることができても、磁束密度の向上に
ついてはそれほどの効果が無く、磁束密度が高く、かつ
鉄損が低い無方向性電磁鋼板を製造する要請に応えるこ
とができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明は磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼
板及びその製造方法ならびにこの鋼板を用いたモータコ
アを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、製造プロ
セス条件の工夫と、組み合わせによる微量添加元素の積
極的活用により、高磁束密度、かつ低鉄損の無方向性電
磁鋼板が得られないかとの観点から鋭意検討を重ねてき
た。その結果、鋼にNiを少量含有させ、かつ熱延板焼
鈍もしくは自己焼鈍により熱延板の結晶粒径をある一定
値以上に大きくすることにより、磁束密度を高くし、か
つ鉄損を低くできることを究明した。
【0007】Niを含有することを示す発明として、特
開平3−281758号公報、特開平5−186833
号公報、特開平5−186834号公報があげられる。
特開平3−281758号公報では、Al+Si:2〜
5%を含有することを開示している。Si及びAlは飽
和磁束密度を下げる働きがあるので、この程度含有して
しまうと、本質的に磁束密度の高い電磁鋼板をつくるこ
とができない。また、製造方法も、脱炭を前提としてい
るため、製造コストが非常に高くなる。
【0008】Niが無方向性電磁鋼板に含まれる例とし
て、特開昭63−317627号公報、特開平1−13
9721号公報がある。これらはいずれもMn量を1%
以上とし、MnとNiの相乗効果により特性を改善する
ことを目的としており、この技術により製造された鋼板
では磁束密度が十分ではない。その他、耐食性や、高抗
張力という特性を得る目的で、無方向性電磁鋼板にNi
を添加した特開平5−255817号公報、特開昭64
−226号公報があるが、いずれもCr,Mo等を耐食
性及び鋼板強度の向上を目的として複合添加するもので
あって、本発明とは成分範囲及び目的が異なっている。
このように、従来の技術では、磁束密度が十分ではな
い。
【0009】また、特開平5−186833号公報、特
開平5−186834号公報は、仕上げ焼鈍をγ域で行
い、かつ焼鈍サイクルに工夫を凝らすことにより{11
1}/{100}方位の比を小さくすることを目的とし
た製造方法に関する発明が提案されているが、Niを強
度集合組織改善に積極的に利用しているのではなく、単
にMn,Cr,Moと同様に強度を高めるために用いて
いるだけである。
【0010】さらに、コアに電磁鋼板が使用されている
技術の例は以下に見られる。特開平4−361508号
公報では、コアに表面粗度Rmax で3.5μm以上で板
間に含浸材を挿入し、Si:4.9〜7.1wt%の低
磁歪材料を用いることにより磁歪によるコア振動を抑制
することを特徴としている。また、特開平4−3681
03号公報では、コアの一部にSi:4.5〜7wt%
の低磁歪材料を用いることにより磁歪によるコア全体の
振動を抑制することを特徴としている。上記二つの技術
は6.5%前後という高Siを含有することから飽和磁
化が低くなり、本質的に磁束密度を高めることができな
い。
【0011】また、特開平6−45131号公報では、
幅方向の磁気特性が長さ方向よりも優れている材料を用
いることを特徴としているが、これを満たす材料の製造
にはコストがかかる。このように以上の技術では安価に
高磁束密度電磁鋼板を得ることができない。
【0012】これに対して、本発明では、Si+Alが
2%未満の本質的に磁束密度の高い鋼に、Niを微量添
加して、Niを集合組織改善に積極的に利用する事によ
り、安価に高磁束密度、かつ低鉄損の無方向性電磁鋼板
が得ることができる。すなわち、熱延板焼鈍もしくは自
己焼鈍により、熱延板の結晶粒径を100μm以上に大
きくするという製造プロセスの工夫と、微量添加元素で
あるNiの積極的活用との組み合わせが磁束密度を高く
し、かつ鉄損を低くすることに有効であることを見いだ
したのである。
【0013】本発明はこれら知見に基づいてなされたも
のであり、その第一の要旨は、重量%で、C :0.0
10%以下、 Si:0.1%以上1.9%未満、
Mn:0.1%以上1%未満、 Al:0.1%以上
1.9%未満、Si+Al:2%未満、 Ni:
0.1%以上3%以下、を含有し、残部Fe及び不可避
不純物元素よりなり、C方向のB50値が、下記(1)
式で規定されるB50cal (C)の値よりも大きいこと
を特徴とする磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性
電磁鋼板にある。 B50cal (C)=6.500×10-3×Ni−1.350×10-2 ×(Mn+0.116)2 −5.590×10-3×(Si+2.406)2 −0.055×Al+1.797・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0014】本発明の第二の要旨は、重量%で、C :
0.010%以下、 Si:0.1%以上1.9%
未満、Mn:0.1%以上1%未満、 Al:0.1%
以上1.9%未満、Si+Al:2%未満、 N
i:0.1%以上3%以下、残部Fe及び不可避不純物
元素よりなり、L+CのB50値が、下記(2)式で規
定されるB50cal (L+C)の値よりも大きいことを
特徴とする磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電
磁鋼板にある。 B50cal (L+C)=2.221×10-2×Ni−1.350×10-2 ×(Mn+0.116)2 −5.590×10-3×(Si+2.406)2 −0.055×Al+1.805・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0015】本発明の第三の要旨は、Ni:1%を超
え、3%以下を含有することを特徴とする第一の要旨ま
たは第二の要旨の磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方
向性電磁鋼板にある。
【0016】また、本発明の第四の要旨は、前記成分を
含有する鋼を、熱間圧延後、熱延板焼鈍もしくは自己焼
鈍を施して熱延板の平均粒径を100μm以上にし、次
いで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を
し、連続焼鈍することを特徴とする磁束密度が高く、か
つ鉄損が低い無方向性電磁の製造方法にある。
【0017】本発明の第五の要旨は、電磁鋼板を使用し
た回転機のステータ及び/またはロータのコアにおい
て、重量%で、C :0.01%以下、 Si:
0.1%以上2.0%以下、Al:2.0%以下、
Mn:1%以下、Ni:0.1%以上3%以下、
残部Fe及び不可避不純物元素よりなる電磁鋼板を用い
ることにより、コア特性を大幅に改善し、高磁束密度か
つ低コストのコアを得ることにある。
【0018】以下に本発明の詳細を説明する。まず、本
発明の限定理由について述べる。Cは、鉄損を高める有
害な成分で、磁気時効の原因となるので、0.010%
以下とする。Siは周知のように鉄損を低下させるのに
有効な元素であり、この効果を得るためには0.1%以
上含有させる必要がある。一方、その含有量が増えると
前述のように磁束密度が低下し、また、圧延作業性が劣
化し、さらにはコスト高ともなるので1.9%未満とす
る。
【0019】Mnも固有抵抗を高めて鉄損を下げる効果
があるが、その効果を得るためには0.1%以上含有さ
せる必要がある。一方、本発明に必要不可欠なNiはフ
ェライト・オーステナイト変態温度を下げる元素である
ため、Mn含有量が増えすぎると、Niと相まって、フ
ェライト・オーステナイト変態温度が下がりすぎて、無
方向性電磁鋼板の仕上げ焼鈍の一般条件であるフェライ
ト域での仕上げ焼鈍が長時間必要となり、生産性が劣化
する。また、製鋼での作業性を劣化させ、さらにはコス
ト高にもなるので、1%未満とする。
【0020】AlはSiと同様に、固有抵抗を高めて鉄
損を低減させる効果があるため、0.1%以上含有させ
る必要があり、また、Al含有量が増えると、Siと同
様に磁束密度が低下するため、1.9%未満とする。上
記のようにAl及びSiは、本質的に磁束密度を下げる
元素であるので、Si+Alは2%未満とする。
【0021】Niは、0.1%以上含有することで、磁
束密度を高くし、かつ鉄損を低くする作用を奏すること
ができる。一方、この含有量が増えると、コスト的に製
造が困難になるので、3%以下とする。上記成分以外は
鉄及び不可避不純物元素である。
【0022】本発明の特徴とするNiの作用及び、熱延
板の平均結晶粒径との関係について以下に説明する。ま
ず、Niの作用についてであるが、表1に示した成分
(熱延板の成分で示した。)の鋼のスラブを熱間圧延
後、850℃で2.5分の熱延板焼鈍を行い、次いで、
0.50mm厚みに冷間圧延した後、850℃で30秒間
連続仕上げ焼鈍を施し、その後、エプスタイン試料に剪
断し、750℃で2時間歪み取り焼鈍を行い、磁気特性
を測定したその結果を表2に示す。尚表1中T−Al,
T−NのTはTotalの略である。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表2より、Niを0.1%以上添加したN
o.2の試料は、Niを添加しなかったNo.1よりも鉄
損値が低く、磁束密度(B50値)も高い。Niの添加
量を増やすに従って、鉄損値が低く、磁束密度(B50
値)も高くなり、この傾向はNi量3%まで続くことを
実験により確認した。
【0026】No.1,No.3の試料の仕上げ焼鈍後の集
合組織を図2(a),(b)に示す。図2より、(b)
図のNo.3の試料は、(a)図のNo.1の集合組織に比
べ、{111}強度が極度に弱まり、{110}強度が
極度に強まることがわかる。このように、Niには集合
組織を改善する効果があるため、磁気特性が大幅に改善
される。ところで、表2より、Niの範囲はNi:1.
0%よりも多く、3.0%以下の場合に磁束密度(B5
0値)が1.78T以上という大きな値になり、特性の
向上が顕著となる。そのため、Ni:1.0%よりも多
く、3.0%以下の範囲が最適となる。
【0027】以上より、本発明の特徴は、Niを添加す
ることにより、集合組織を大幅に改善し、磁束密度が高
く、鉄損が低い無方向性電磁鋼板を製造することにあ
る。そして、このNi添加の効果は、以下に示すよう
に、熱延板の結晶粒径をある一定以上に成長させること
によってはじめて享受される。
【0028】図1は、上述のNo.2〜7の試料を熱延条
件を変化させることにより、その結晶粒径を変化させた
ときの、熱延板結晶粒径と、製品板の磁気特性の関係に
ついて、示したものである。尚、冷間圧延以降の条件
は、上述の場合と同様で、つまり、0.50mm厚みに冷
間圧延した後、850℃で30秒間連続仕上げ焼鈍を施
し、その後、エプスタイン試料に剪断し、750℃で2
時間歪み取り焼鈍を行い、磁気特性の測定を行った。図
1から明らかなように、熱延板の平均結晶粒径が、10
0μm以上の場合に著しく磁気特性が向上し、高磁束密
度かつ低鉄損が達成できることがわかる。
【0029】次に、表1に示した成分の鋼のスラブを熱
間圧延後、800℃で1分の熱延板焼鈍を行い、次い
で、0.50mm厚みに冷間圧延した後、800℃で30
秒間連続仕上げ焼鈍を施し、その後、エプスタイン試料
に剪断し、750℃で2時間歪み取り焼鈍を行い、磁束
密度(B50値)を測定した。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】表3に、C方向及びL+Cの磁気特性につ
いて示し、詳細を以下の通りに示す。C方向のB50に
ついては、Niが0.00wt%の時のC方向の磁束密
度(B50値)の実測値は1.719T、また、計算値
は1.737Tで、(1)式による磁束密度(B50
値)の計算値が実測値よりも0.018T大きくなって
いる。一方、Ni:0.10wt%以上では、(1)式
による磁束密度(B50値)の計算値よりも、C方向の
磁束密度(B50値)の実測値が大きくなる。
【0032】L+C特性についても、Niが0.00w
t%の時のL+Cの磁束密度(B50値)の実測値は
1.733T、また、計算値は1.745Tで、(2)
式による磁束密度(B50値)の計算値が実測値よりも
0.012T大きくなっている。一方、Ni:0.10
wt%以上では、(2)式による磁束密度(B50値)
の計算値よりも、L+C方向の磁束密度(B50値)の
実測値が大きくなる。これらのことは、Niの添加によ
り、集合組織が大幅に改善され、磁束密度が改善された
ことを意味する。
【0033】(1)式,(2)式は、多くの実験データ
に基づいて設定したものであり、それぞれC方向及びL
+Cの磁束密度(B50値)の最低限度を計算する。す
なわち本発明において、Ni添加によって得られる磁束
密度(B50値)は、(1)式及び(2)式で表される
値よりも大きな値で得られることを意味する。(1)
式,(2)式中の、Ni,Mn,Si,Alは、各元素
のwt%を示す。尚、本発明中の磁束密度の指標をB5
0値で代表させて考えることとする。
【0034】以下、本発明の製造方法について説明す
る。前記成分からなる鋼は、転炉あるいは電気炉などで
溶製され、連続鋳造あるいは造塊後、分塊圧延によりス
ラブとされる。次いで、熱間圧延後、熱延板焼鈍もしく
は自己焼鈍を施して、熱延板の平均結晶粒径を100μ
m以上にする。熱延板の平均結晶粒径が100μm未満
では、既に図1で説明したように、Niの添加効果が少
なく、磁束密度を高くし、かつ鉄損を低くする作用が少
ない。次いで、1回の冷間圧延または中間焼鈍をはさん
で2回以上の冷間圧延により、所定の板厚にされ、再結
晶及び結晶粒成長のための連続仕上げ焼鈍を施す。本発
明の鋼板をモータコアに使用することにより、モータの
励磁電流を減少させることができる。
【0035】
【実施例1】表4に示したような成分の鋼を、熱間圧延
後、同表に示す熱処理条件で熱延板焼鈍し、次いで0.
50mm厚みに冷間圧延した後、850℃で、30秒間連
続仕上げ焼鈍を施し、その後、エプスタイン試料に剪断
し、750℃×2時間の歪み取り焼鈍を行い、磁気特性
を測定した。その結果も併せて表4に示す。このよう
に、本発明により、著しく磁束密度が高く、かつ鉄損が
低い無方向性電磁鋼板の製造が可能であることが明白で
ある。
【0036】
【実施例2】Niを含有するコアを用いた場合、コアの
励磁電流を測定することにより、コア性能を評価するこ
とを目的に、インナーコアを励磁コアとした時の磁化力
と、アウターコアに発生する磁束密度を測定し、その結
果を図3に示した。その際、アウターコアとインナーコ
アの空隙は1mmとし、磁化力100Oeでの発生磁束密
度を測定した。その結果、Niを0.1%含有したコア
では、含有しなかった場合に比較してアウターコアに発
生する磁束密度が大幅に増加している。Niの含有量が
増加するに従って、発生する磁束密度がNi量3%まで
増加している。従って、本発明のコアを用いることによ
り、励磁電流を一定にした場合、コアの高磁束密度化が
実現でき、モータの小型化、高出力化、高効率化に対応
できる。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、磁束密
度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板が得られ、
またこのような本発明材をモータコアに使用すれば、モ
ータの励磁電力を減少させることができる。その結果、
電気機器の効率化、小型化に伴い、その鉄心材料として
用いられる無方向性電磁鋼板に対する要望に十分に答え
ることができ、その工業的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】上述のNo.2〜7の試料を熱延条件を変化させ
ることにより、その結晶粒径を変化させたときの、熱延
板結晶粒径と、製品板の磁気特性の関係について示す。
【図2】(a)はNo.1の試料、(b)はNo.3の試料
について仕上げ焼鈍後の集合組織を示す。
【図3】Niを含有するコアを用いた場合、インナーコ
アを励磁コアとした時の磁化力と、アウターコアに発生
する磁束密度を測定した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 猛 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.010%以下、 Si:0.1%以上1.9%未満、 Mn:0.1%以上1%未満、 Al:0.1%以上1.9%未満、 Si+Al:2%未満、 Ni:0.1%以上3%以下、残部Fe及び不可避不純
    物元素よりなり、C方向のB50値が、下記(1)式で
    規定されるB50cal (C)の値よりも大きいことを特
    徴とする磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁
    鋼板。 B50cal (C)=6.500×10-3×Ni−1.350×10-2 ×(Mn+0.116)2 −5.590×10-3×(Si+2.406)2 −0.055×Al+1.797・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.010%以下、 Si:0.1%以上1.9%未満、 Mn:0.1%以上1%未満、 Al:0.1%以上1.9%未満、 Si+Al:2%未満、 Ni:0.1%以上3%以下、残部Fe及び不可避不純
    物元素よりなり、L+CのB50値が、下記(2)式で
    規定されるB50cal (L+C)の値よりも大きいこと
    を特徴とする磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性
    電磁鋼板。 B50cal (L+C)=2.221×10-2×Ni−1.350×10-2 ×(Mn+0.116)2 −5.590×10-3×(Si+2.406)2 −0.055×Al+1.805・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
  3. 【請求項3】 重量%でNi:1%超,3%以下を含有
    することを特徴とする請求項1または2記載の磁束密度
    が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは2または3に記載の組
    成を有する鋼を、熱間圧延後、熱延板焼鈍もしくは自己
    焼鈍を施して熱延板の平均粒径を100μm以上にし、
    次いで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を
    し、連続焼鈍することを特徴とする磁束密度が高く、か
    つ鉄損が低い無方向性電磁の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは2または3に記載の組
    成を有する鋼を、回転機のステータ及び/またはロータ
    のコアに用いることを特徴とする高磁束密度電磁鋼板を
    使用したモータコア。
JP9890095A 1994-08-18 1995-04-24 磁束密度が高く、かつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板及びその製造方法ならびに該鋼板を用いたモータコア Withdrawn JPH08109449A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6743304B2 (en) 2000-12-11 2004-06-01 Nippon Steel Corporation Non-oriented electrical steel sheet with ultra-high magnetic flux density and production method thereof

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