JPH08109333A - 改質された樹脂類の製造方法及びその用途 - Google Patents

改質された樹脂類の製造方法及びその用途

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JPH08109333A
JPH08109333A JP18722295A JP18722295A JPH08109333A JP H08109333 A JPH08109333 A JP H08109333A JP 18722295 A JP18722295 A JP 18722295A JP 18722295 A JP18722295 A JP 18722295A JP H08109333 A JPH08109333 A JP H08109333A
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resin
group
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resins
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JP18722295A
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Inventor
Tetsuya Oishi
哲也 大石
Kazuo Sugazaki
和男 菅崎
Hitoshi Suzuki
仁 鈴木
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明によりノルボルネンカルボグアナミ
ン、これの誘導体等に代表されるノルボルネニル基含有
化合物を用い加熱反応せしめることを特徴とする改質さ
れた樹脂類の製造方法、更にはこれらとエポキシド類と
の反応によるエポキシ変性樹脂類の製造法、これらの改
質された樹脂類等の利用による難燃化方法、熱安定化方
法、相溶化方法、表面改質方法が提供され、又、上記改
質された樹脂類等を含有する被覆用樹脂組成物、接着剤
用樹脂組成物が提供される。 【効果】本発明の製造方法等は、材料の劣化等を惹起し
難く且つ難燃性、熱安定性、相溶性等に優れた官能基の
導入等ができ、これ等の利用により、チャー生成能等が
良好な難燃材料、成形物の熱劣化等が遅い熱安定性材
料、異なる樹脂等の混和性等に優れた新素材、接着性、
被覆性等に優れた表面改質された材料等が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂、ゴム類、ワ
ックス類、油類等の樹脂類の改質、具体的には、かかる
樹脂類の難燃性、熱安定性、相溶性、接着性、被覆性、
染色性等表面特性、電気特性等の向上及び改質をせしめ
るのに有用な方法、及びそれらの用途に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂類は、電気的性質、機械的
性質、加工性等に優れた特性を有し、建築用材料、電気
用材料、自動車等車輌用材料、繊維用材料、機器材料、
家庭用品等の広範囲の産業分野において使用されてい
る。
【0003】しかしながら、これらの樹脂類は、極めて
燃え易く、広範囲な使用にともない火災における有力な
発生源あるいは燃料源となることが著しく増加し、産業
資材として高い安全性の要求も高く、樹脂類の難燃性、
耐熱性等の性能が十分でない、熱、光等により劣化を惹
起し易く熱安定性等が実用上十分でない、濡れ性、接着
性、被覆性、染色性等の表面特性が不良のため用途に著
しい制約がある等の欠陥を有する。
【0004】又、かかる樹脂類の用途の多様化に伴い、
要求される性能、特性の高度化は著しく、要求を満足す
る新種の樹脂類を開発し個々に対応していくのは技術
的、経済的に著しく制約を受けている。かかる樹脂類の
既特性を損うことなく性能の向上、付与等の要求が望ま
れ、樹脂類の改質、複合化による新素材の開発は産業上
において極めて重要な課題である。
【0005】A.従来、かかる樹脂類の性質を向上、付
与せしめる方法として、新規な原料、合成、重合技術等
を用い、新種の樹脂類を提供する方法、既に得られてい
る樹脂類を用いて各種性能を向上、付与させ改質せしめ
る方法等が知られている。
【0006】前者の方法においては、要求を満足する新
種の樹脂類を創出することが実用上難しい或いは技術的
に極めて困難であるばかりでなく、経済的にも著しい制
約がある等の欠陥を有する。
【0007】一方、後者の方法においては、樹脂類が容
易に入手でき、特性が把握できていること等の優れた点
を有し、これらの樹脂類への官能基の導入反応等による
改質方法が経済的、技術的に優れ、多くの提案がなされ
ている。
【0008】かかる改質方法として、官能基を有する反
応剤等を用いて変性反応等を行う方法が知られている
が、かかる官能基が樹脂類の特殊な構造を有する末端位
置にのみに結合したり、官能基量に著しい制約がある等
のために、改質を十分に行うことが難しいこと、かかる
官能基を用いての改質、変性が難しい、更には殆ど有用
でない等の欠陥を有する。
【0009】又、ポリオレフィン樹脂等の官能基を含有
しない樹脂類に無水マレイン酸、アクリル酸等の反応剤
とBPO等の過酸化物とを共に用いて官能基を導入、更
にこれを用いる変性反応等により改質を行う方法等も知
られている。かかる改質方法は、改質、改質二次変性と
して用い易いカルボキシル基等の官能基を導入すること
ができること、製造方法が比較的容易であること等の利
点を有するが、過酸化物の併用を要するため、かかる樹
脂類の分解等による分子量の著しい低下、着色、変質等
を惹起すること、官能基数を多量に導入することが難し
く樹脂類の改質に制約があること、熱安定性、耐熱性等
の低下を惹起し、更にはかかる官能基の離脱により樹脂
類の分解が著しく促進すること、用いる反応剤自身の重
合等による反応物が生成し易く樹脂類の物性等の低下を
惹起し易いこと等の欠陥を有する。
【0010】更には、改質、性能付与等に優れている官
能基等を導入することが著しく難しく、かかる官能基等
を含有する改質剤の添加等の方法も用いられるが、かか
る樹脂類の物性、特性等の低下を惹起し易い等の欠陥を
有する。
【0011】これらの公知の改質方法は未だ実用上不十
分であり、技術的、経済的に著しく制約を受けていた。
【0012】本発明者らは、かかる樹脂類の改質方法に
おける上記欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、公知の
方法とは構造、特性を全く異にする化合物と樹脂類と
を、特定の反応条件下にて反応を行うことにより、官能
基を多量に導入しても改質された樹脂類の分子量の低
下、物性の低下、変質等を惹起し難いこと、導入官能基
量を広範囲にわたり選定することができ、改質、性能付
与等を制御し易いこと、過酸化物等を併用する必要がな
く、改質反応条件、工程が簡易であり、副反応による樹
脂類の分解等による変質が見られないこと、改質、性能
付与等に優れた官能基を含有する化合物等を添加混合す
ることなく樹脂類に結合導入することができるため、か
かる樹脂類の物性等を損ない難いこと、カルボキシル
基、アミノ基、二重結合基等の官能基を含有しない樹脂
類についても官能基導入等の改質、性能付与等を行うこ
とができること、熱等による劣化を惹起し難い、更には
耐熱性を著しく向上させる官能基の結合導入を行うこと
ができること、難燃性、相溶性、濡れ性、接着性、被覆
性、染色性等の表面特性、電気特性、成形性等を向上せ
しめる官能基の結合導入による改質、性能付与等を行う
ことができること等の優れた特徴を有する改質された樹
脂類の製造方法を提供することができることを見出し
た。
【0013】更には、上記の方法で得られる改質された
樹脂類とエポキシド類とを特定の反応条件下で反応を行
うことにより、上記のごとき優れた特徴を有するばかり
でなく、かかる樹脂類の濡れ性、被覆性、接着性、染色
性、耐薬品性等の表面特性、電気特性、成形性、異なる
樹脂類との相溶性、分散性等のより一層優れた、広範囲
の改質を行うことができる等の点にも優れた、エポキシ
変性樹脂類の製造法をも提供することができることを見
出し、本発明に到達した。
【0014】B.又、かかる樹脂類の難燃性を向上すべ
く種々の方法が提案され、例えば、難燃化剤を添加する
方法、樹脂類製造時に難燃性付与原料(含ハロゲンモノ
マー等)を用い樹脂類骨格に組み込む方法等が提案され
ている。
【0015】これらの方法の中、前者の樹脂類に対して
難燃化剤を添加する方法が一般的に多く用いられ、かか
る難燃化剤として、ハロゲン含有化合物、リン含有化合
物、無機系化合物、窒素含有化合物等が知られている。
【0016】これらの公知の難燃化剤において、ハロゲ
ン含有化合物を用いた場合、一般に耐熱性が不良であ
る、昇華、ブリード等が発生し易い、三酸化アンチモン
と共用しないと効果が得難いことが多い、火災時に極め
て有害なハロゲン含有ガスを大量に排出する等の欠点を
有する。リン含有化合物を用いた場合には、単独では効
果が小さい、ハロゲン含有化合物と併用することが多く
上述した欠点を有する等の欠陥を有する。又、無機系化
合物を用いた場合、三酸化アンチモン等のように稀少資
源のため、原料入手、価格等に問題があったり、水酸化
アルミニウム等のように効果が小さく大量添加が必要で
あり、比重増大、物性、成型性等の低下、含有水分によ
り耐熱性が悪化する等の欠陥を有する。更に、窒素含有
化合物を用いた場合、トリアジン系に代表されるが、成
型時に昇華、ブリード等が発生し易い、製造が難しく原
料費が高い、かかる添加剤の混合により樹脂類の物性、
特性等の低下を惹起し易い、かかる添加剤の経時に伴う
消失、分散、混和性不良等により難燃効果の低下が著し
い、かかる添加剤を多量に必要とする為かかる樹脂類の
特性、物性を著しく損なう等の欠陥を有する。
【0017】後者の方法においては、難燃性付与原料と
して臭素、リン等を含有する原料を用い、製造時に樹脂
類に組込む方法が知られ、難燃性の有効成分の消失、分
散不良等による効果の低下が少ない、かかる樹脂類の物
性、特性等を維持し易い等の点に優れ有用である。しか
しながら、かかる難燃性付与原料の製造が難しいこと、
原料費が高いこと、樹脂類の製造に適した原料の入手に
著しい制約があり、更には技術的にも得ることが殆ど難
しいこと、樹脂類の製造上の制約によりかかる難燃性付
与原料を結合導入することが著しく難しい、あるいは全
くできない等の為要求される樹脂類を提供することに著
しい制約があること、かかる原料の熱安定性が不良の為
得られる樹脂類の熱安定性、耐熱性等が劣ること、火災
時等に大量の有害ガスが排出すること等の欠陥を有す
る。
【0018】これらの公知の樹脂類の難燃化方法は未だ
実用上不十分であり、技術的、経済的に著しく制約を受
けていた。
【0019】本発明者らは、かかる樹脂類の難燃化方法
における上記欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、上記
の方法で得られる改質された樹脂類、エポキシ変性樹脂
類を用いることにより、難燃付与成分が樹脂類に導入結
合している為、かかる成分の分散、混和性の不良等がな
く、かかる樹脂類の難燃性を著しく向上させることがで
きること、メラミン等の難燃剤添加方法に比して昇華、
ブリード等の発生が見られないこと、チャーの生成等が
極めて良好であり油滴、溶融物の垂れ、落下が著しく少
ないこと、有害ガスの排出が殆どないこと、かかる樹脂
類の優れた特性、物性等を損なわないこと、難燃付与成
分の結合導入が製造上難しい樹脂類に対してもかかる官
能基を容易に結合導入させることができること、樹脂類
の製造後にかかる官能基を結合導入でき、製造が簡易で
あり且つ安価に得られること等の優れた樹脂類の難燃化
方法を提供することができることを見出し、更には、上
記した樹脂類とリン類、イソシアヌル酸類、シアヌル酸
類、アミノ基含有化合物等とを併用することにより、一
層向上した難燃性が得られる樹脂類の難燃化方法を提供
することができることを見出し、本発明に到達した。
【0020】C.かかる樹脂類は、熱、光、その他外部
からのエネルギーの供給、更には酸素、重金属類の存在
により脆化、分解、着色等が起こりやすく、樹脂類の長
期耐熱性、耐候性が不十分であり、更には熱時安定性が
不良の為、成形加工性に制約が大きく、成形加工性向上
のための他樹脂類ブレンド等を必要とし、樹脂類の特
性、物性等を損なう等それらの樹脂類が優れた特性を有
するにも拘わらず産業上の利用が制約されていた。従
来、これらを改善すべく種々の提案がなされているが、
上記の欠点を克服するためには未だ不充分であり、はな
はだしい場合にはその優れた特性をも失われ全く実用に
供しないものもある。
【0021】かかる従来の熱安定化方法の具体例として
は、例えば、ベンゾエート類、アミン類、アリールフォ
スフォニックジアミド類、有機フォスファイト、ヒンダ
ードフェノール、メラミン、ベンゾグアナミン、フタロ
グアナミン、スピログアナミン類等の熱安定化剤を添加
せしめてなる樹脂類組成物の熱安定化方法(特公昭51
−47739等)等が提案されている。
【0022】しかしながら、これらの方法は、耐紫外線
性、耐候性等が劣り変色等が著しいこと、高温時の成形
加工を行う場合、着色、変色等が著しいこと、熱安定性
効果が未だ充分でないこと、これらの熱安定化剤自身が
加工時等において熱分解を受け易く、熱安定性効果が著
しく不良であり、更に高温成形加工を要する樹脂類等に
ついては全く効果がないこと、熱安定化剤の添加混合に
よるため熱安定化剤の経時にともなう消失、ブリード等
の分散不良により効果が著しく低下し、更には全く失わ
れること等の欠陥を有し、これらの樹脂類の熱安定化方
法は未だ実用上不充分であり、技術的、経済的に著しく
制約を受けていた。
【0023】本発明者らは、かかる樹脂類の熱安定化方
法における上記欠陥を鑑みて鋭意検討した結果、上記し
た製造方法により特定の官能基を結合導入せしめて得ら
れる改質された樹脂類、エポキシ変性樹脂類を用いるこ
とにより、耐紫外線性、耐候性、熱安定性、耐熱性が著
しく改良され、熱安定化成分が樹脂類に結合導入されて
いるため分散、混和性等の不良がなく、かかる効果が著
しく優れている、比較的高温下での長時間の使用に際し
て劣化が抑制され、かかる樹脂類自身が高温でも分解し
難く長期耐熱性が優れている、熱安定化成分の消失が極
めて少ない為熱安定性効果の低下を惹起し難く、取扱
い、物性、特性等の保持に優れている、銅等の重金属イ
オンによる樹脂類の分解劣化を著しく抑制する、高温に
て成形加工を行う場合にも樹脂類の熱劣化、着色、変色
が少なく、更にはかかる樹脂類の5%熱時減量等の温度
が著しく改良され、熱安定性、耐熱性が著しく向上して
高温成形加工が極めて容易になり、例えば、従来技術で
は高温成形加工性に著しい制約があったポリフェニレン
エーテル樹脂等において、成形性改良剤等が不用となり
安価で且つ優れた物性、特性を有する新素材を提供する
ことができる等の優れた樹脂類の熱安定化方法を提供す
ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0024】D.また、かかる樹脂類は、優れた特性を
有し広範囲の産業分野において使用されているが、樹脂
類のかかる特性を損うことなく、各種性能の向上、新し
い性能を付与させる樹脂類の改質方法として、ポリマー
アロイ化方法が各種提案されている。
【0025】従来、かかる樹脂類のポリマーアロイ化方
法として、樹脂類自体に改質、性能付与せしめて行う方
法、相溶化剤等の第3成分を添加する方法等が提案され
ている。
【0026】前者の方法においては、樹脂類の相溶性、
溶解性が優れていること、改質された樹脂類の性能等が
均質なものが得やすいこと等に優れ有用である。しかし
ながら、樹脂類の改質反応が難しい、改質時の樹脂類の
分子量低下、着色、変質等により特性が低下する等の欠
陥を有する。又、後者の方法においては、第3成分の含
有により樹脂類の耐熱性、耐候性、耐水性、特性等が低
下する、相溶化剤の製造工程が煩雑である、製造コスト
が高い、かかる第3成分の分散不良等により樹脂類の性
能等が均質なものが得難い、更には優れた物性、特性の
改質された樹脂類が得難い等の欠陥を有する。
【0027】本発明者らは、かかる樹脂類の相溶化方法
における上記欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、上記
の方法で得られた改質された樹脂類、エポキシ変性樹脂
類を用いることにより、異種の樹脂類間の相溶化、樹脂
類の溶融性に優れ、又耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品
性等に優れ、更には製造が簡易、製造コストが安価であ
る樹脂類の相溶化方法を提供することができることを見
出し、本発明に到達した。
【0028】E.更に、かかる樹脂類は、電気的性質、
機械的性質、加工性等に優れた特性を有し、広範囲の産
業分野において用いられているが、用途の多様化、高度
化等に伴い異種材料との複合化による性質の向上が強く
望まれている。かかる樹脂類における表面の被覆性、異
種材料等との接着性、濡れ性、染色性、撥水撥油性、耐
溶剤性等の表面改質、帯電性、導電性等の電気特性、更
に、かかる材料に有用な被覆用樹脂組成物、接着剤用樹
脂組成物の開発は、産業上重要な課題になっている。
【0029】従来、かかる樹脂類の表面改質方法とし
て、かかる表面を酸化剤、コロナ放電等による表面改質
方法、添加剤を含有せしめて行う表面改質方法等が提案
されている。前者の方法においては、成形加工等の後に
表面処理を行うため処理工程が著しく煩雑になる、種々
の形状物に処理を行うことが難しい、改質効果が実用上
十分でない等の欠陥を有する。また、後者の方法におい
ては、添加剤の経時等による消失により効果が短期に著
しく低下する、かかる樹脂類と添加剤との相溶性、溶解
性不良を惹起し易く十分な表面改質効果が得られない等
の欠陥を有し、これらの樹脂類の表面改質方法は、未だ
実用上十分でなく、技術的、経済的に著しく制約を受け
ていた。
【0030】本発明者らは、かかる樹脂類の表面改質方
法における上記欠陥を克服すべく鋭意検討した結果、上
記の方法で得られた改質された樹脂類、エポキシ変性樹
脂類を用いることにより、かかる樹脂類の濡れ性、被覆
性、接着性、染色性、撥水撥油性等の表面特性、帯電
性、導電性等の電気特性を著しく向上させることができ
る、樹脂類自体の改質ができるため高温安定性、不揮発
性に優れ、表面改質化成分の消失等による効果の低下を
惹起し難い、各種形状物に対し良好な均質な表面改質を
行うことができる、接着性、被覆性、染色性等の表面特
性に著しい制約を有するポリプロピレン樹脂等のポリオ
レフィン樹脂、ポリオレフィン繊維を著しく改質するこ
とができる等の点に優れた樹脂類の表面改質方法を提供
することができ、更に、かかる樹脂類に対し極めて有用
である、上記した樹脂類を用いてなる被覆用樹脂組成
物、接着剤用樹脂組成物を提供することができることを
見出し、本発明に到達した。
【0031】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明により
(イ) 樹脂類と、式(1)
【0032】
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 およびR9 は水素原子、炭素数1〜4個を有するア
ルキル基及びフェニル基からなる群より選ばれる種であ
り、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8
およびR9 は同じ種でも異なった種でもよく、Yは置換
基を有することもあるトリアジニル基、アミド基、カル
ボキシレート基、オキサゾリニル基、オキシカルボニル
基、ウレタン基、シアヌル酸エステル基、エーテル基、
カルバモイル基、カルボニル基からなる群より選ばれる
基であることを示す)で表わされる基を少なくとも1個
有するノルボルネニル基含有化合物の中から選ばれる少
なくとも1種とを温度200℃〜450℃の範囲で反応
を行なわしめることを特徴とする改質された樹脂類の製
造方法、(ロ) 式(1)におけるノルボルネニル基含
有化合物が、式(2)
【0033】
【化7】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 およびR9 は式(1)と同じ意味を示し、、
10 、R11 、R12 およびR13 は水素原子および炭素
数1個以上を有する基からなる群より選ばれる種である
ことを示し、R10 、R1 1 、R12 およびR13 は同じ種
でも異なった種でもよい〕で表わされる化合物である上
記(イ)項記載の製造方法、(ハ) 式(1)における
ノルボルネニル基含有化合物が、式(2)のR10
11、R12 およびR13 からなる群の少なくとも1種が
水素原子である化合物と、場合により共縮合可能な化合
物とともに、アルデヒド類とを付加縮合反応させること
により得られる平均付加縮合度が1より大きい縮合物で
ある上記(イ)項記載の製造方法、(ニ) 式(1)に
おけるノルボルネニル基含有化合物が、式(2)の
10、R11、R12 およびR13 からなる群の少なくとも
1種が水素原子である化合物と場合により共縮合可能な
化合物とともに、アルデヒド類とを付加縮合反応させ、
次いで炭素数1〜20個を有するアルコール類の中から
選ばれる少なくとも1種とをエーテル化反応させ、場合
により同時に縮合反応させることにより、得られる平均
付加縮合度が1より大きいエーテル化縮合物である上記
(イ)項記載の製造方法、(ホ) 式(1)におけるY
がアミド基であるノルボルネニル基含有化合物が、炭素
数1個以上を有するアミン類と5−ノルボルネン−2−
カルボニルハライドとの反応物の中より選ばれる少なく
とも1種である上記(イ)項記載の製造方法、(ヘ)
式(1)におけるYがカルボキシレート基であるノルボ
ルネニル基含有化合物が、炭素数4個以上を有するアル
コール類と5−ノルボルネン−2−カルボニルハライド
との反応物の中より選ばれる少なくとも1種である上記
(イ)項記載の製造方法、(ト) 式(1)におけるY
がオキサゾリニル基であるノルボルネニル基含有化合物
が、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2−イル)−2−オキサゾリンである上記(イ)項記載
の製造方法、(チ) 式(1)におけるYがアミド基で
あるノルボルネニル基含有化合物が、炭素数1個以上を
有するカルボン酸類と2−(ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2−イル)−2−オキサゾリンとの反
応物の中より選ばれる少なくとも1種である上記(イ)
項記載の製造方法、(リ) 上記(ロ)〜(ニ)項の何
れかに記載の改質された樹脂類と、エポキシド類の中か
ら選ばれる少なくとも1種とを反応せしめることを特徴
とするエポキシ変性樹脂類の製造法、(ヌ) 上記
(ロ)〜(ニ)項記載の改質された樹脂類及び(リ)項
記載のエポキシ変性樹脂類からなる群より選ばれる少な
くとも1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の
難燃化方法、(ル) 上記(ロ)〜(ニ)項記載の改質
された樹脂類及び(リ)項記載のエポキシ変性樹脂類か
らなる群より少なくとも1種の樹脂類を用いることを特
徴とする樹脂類の熱安定化方法、(ヲ) 上記(イ)項
記載の改質された樹脂類及び(リ)項記載のエポキシ変
性樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂
類と、異なる1種以上の樹脂類とを相溶化せしめること
を特徴とする樹脂類の相溶化方法、(ワ) 上記(ロ)
〜(ニ)項記載の改質された樹脂類及び(リ)項記載の
エポキシ変性樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも
1種の樹脂類を用いることを特徴とする樹脂類の表面改
質方法、(カ) 上記(ロ)〜(ニ)項記載の改質され
た樹脂類及び(リ)項記載のエポキシ変性樹脂類からな
る群より選ばれる少なくとも1種の樹脂類を含有するこ
とを特徴とする被覆用樹脂組成物、(ヨ) 上記(ロ)
〜(ニ)項記載の改質された樹脂類及び(リ)項記載の
エポキシ変性樹脂類からなる群より選ばれる少なくとも
1種の樹脂類を含有することを特徴とする接着剤用樹脂
組成物が提供される。
【0034】
【発明の実施の形態】
A. 本発明に係わるノルボルネニル基含有化合物にお
いて、[式(1)]中のR1 、R2 、R3 、R4
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、水素原子、炭素
数1〜4個を有するアルキル基及びフェニル基からなる
群より選ばれる種であり、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は同じ種でも異なった
種でもよく、その個数、位置、立体配置は特に制限され
るものではないが、水素原子、メチル基およびフェニル
基の中から選ばれる種からなるノルボルネニル基含有化
合物が原料の入手し易さ、製造、精製等工程の簡便さ等
から好ましく、特に水素原子であることが好ましい。
又、かかるノルボルネニル基含有化合物は、式(1)で
表わされる基を少なくとも1個有するものであるが、か
かる基の個数は、使用目的等により適宜選定することが
できるが、かかる化合物の入手し易さ等により、通常1
〜10個、好ましくは1〜5個、更に好ましくは1また
は2個である。かかる基を2個以上有する場合、かかる
基は同じ基でも異なった基でもよいが、かかる化合物の
入手し易さ等から同じ基であることが好ましい。
【0035】式(1)におけるYは、置換基を有するこ
ともあるトリアジニル基、アミド基、カルボキシレート
基、オキサゾリニル基、オキシカルボニル基、ウレタン
基、シアヌル酸エステル基、エーテル基、カルバモイル
基、カルボニル基であるが、原料の入手し易さ、得られ
る改質された樹脂類への特性付与等から、置換基を有す
ることもあるトリアジニル基、アミド基、カルボキシレ
ート基、オキサゾリニル基が好ましく、更にトリアジニ
ル基がより好ましい。
【0036】本発明に係わるノルボルネニル基含有化合
物の具体例としては、2−(4,6−ジアミノ−1,
3,5−トリアジン−2−イル)−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン(ノルボルネンカルボグアナミ
ン)、2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン−2−イル)−7−メチル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−5−エン、2−メチル−2−(4,6−ジアミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプテン、2−カルバモイル−5−ノ
ルボルネン、N−エチル−5−ノルボルネン−2−カル
ボキシアミド、N−フェニル−5−ノルボルネン−2−
カルボキシアミド、1,6−ビス(5−ノルボルネン−
2−カルボキシアミド)−ヘキサン、4,4’−ビス
(5−ノルボルネン−2−カルボキシアミド)−ジフェ
ニルエーテル、1,4−ビス(5−ノルボルネン−2−
カルボキシアミド)−ベンゼン、安息香酸2−(5−ノ
ルボルネン−2−カルボキシアミド)−エチルエステ
ル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸オクチルエステ
ル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸ベンジルエステ
ル、1,6−ビス(5−ノルボルネン−2−カルボン
酸)ヘキサメチレンジエステル、5−ノルボルネン−2
−カルボン酸メチルエステル、2−メチルー5−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプテン−2−カルボン酸ブチルエス
テル、2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2
−イル)−2−オキサゾリン、安息香酸(5−ノルボル
ネン−2−イル)エステル、イソフタル酸ビス(5−ノ
ルボルネン−2−イル)ジエステル、5−ノルボルネン
−2−メタノール・アクリレート、5−ビシクロ[2.
2.1]ヘプテンー2−イルアセテート、2−ベンジル
オキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−イ
ルーフェニルケトン、5−ノルボルネン−2−イルメチ
ルケトン、5−ノルボルネン−2−カルボニルクロライ
ド、式(2)で表されるノルボルネンカルボグアナミン
類、これらのN−モノ置換ノルボルネンカルボグアナミ
ン誘導体、N,N’−ジ置換ノルボルネンカルボグアナ
ミン誘導体、N,N’,N”−トリ置換ノルボルネンカ
ルボグアナミン誘導体、N,N’,N”,N”’−テト
ラ置換ノルボルネンカルボグアナミン誘導体等、2−ヒ
ドロキシ−5−ノルボルネン、2−アミノ−5−ノルボ
ルネン等と有機イソシアナート類、カルボン酸類、塩化
シアヌル酸類等との反応により得られる誘導体、式
(2)で表されるノルボルネンカルボグアナミン類とア
ルデヒド類との付加縮合物、更にアルコール類とエーテ
ル化反応せしめて得られるエーテル化縮合物等が挙げら
れ、好ましくは、式(2)で表される化合物、5−ノル
ボルネン−2−カルボニルハライドとアミン類、アルコ
ール類との反応により得られる誘導体、2−(ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)−2−オ
キサゾリンとモノカルボン酸、ジカルボン酸等のカルボ
ン酸類との反応により得られる誘導体、式(2)で表さ
れる化合物とアルデヒド類との付加縮合物、更にアルコ
ール類とエーテル化反応せしめて得られるエーテル化縮
合物であるが、これらに限定されるものではない。
【0037】本発明に係わるノルボルネニル基含有化合
物は、公知の方法で得ることができ、炭素数1〜4個を
有するアルキル基、フェニル基を有することもあるシク
ロペンタジエン類、例えばシクロペンタジエン、ジシク
ロペンタジエン、1ーメチルシクロペンタジエン、2ー
メチルシクロペンタジエン、5ーメチルシクロペンタジ
エン、メチルシクロペンタジエン・ダイマー、5ーエチ
ルシクロペンタジエン、1−エチルー3ーメチルシクロ
ペンタジエン、3−イソプロピルー1ーメチルシクロペ
ンタジエン、5−イソプロピルシクロペンタジエン、
1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、
1,2,4−トリフェニルシクロペンタジエン、1,4
−ジフェニルシクロペンタジエン等、好ましくはシクロ
ペンタジエンと不飽和化合物、例えば(メタ)アクリル
酸、βーフェニルアクリル酸、(メタ)アクリル酸エス
テル、酢酸ビニル、クロトンアルデヒド、メチルビニル
ケトン、ビニルフェニルケトン等とを反応させて製造す
る方法、更には、これらのノルボルネニル基含有化合物
用い水添反応、酸化、還元反応、エステル化反応、エス
テル交換反応、ハロゲン化、ウレタン化反応等をせしめ
て製造する方法等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0038】上記した式(1)におけるYが置換基を有
することもあるトリアジニル基であるノルボルネニル基
含有化合物としては、式(2)にて表わされる化合物が
特に有用であるが、かかる化合物は、例えば2−シアノ
−5−ノルボルネンとジシアンジアミドとの閉環反応に
よる方法、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エステル
とビグアニド類との閉環反応による方法等により得るこ
とができ、かかる方法は極めて有用である。
【0039】又、上記した式(1)におけるYがアミド
基であるノルボルネニル基含有化合物は、例えば、炭素
数1個以上を有するアミン類と5−ノルボルネン−2−
カルボニルハライドとの公知のアミド化反応による方法
により得ることができ、特に有用である。
【0040】かかるアミン類としては、炭素数1個以上
を有するアミノ基、イミノ基を1個以上有する化合物で
あれば有用であり、脂肪族、脂環族、芳香族、複素環族
アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチル
アミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニ
リン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノメチ
ルシクロヘキサン、2,5−ジアミノメチルノルボルナ
ン、1,4−ジアミノベンゼン等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0041】又、上記した式(1)におけるYがアミド
基であるノルボルネニル基含有化合物は、例えば、炭素
数1個以上を有するカルボン酸類と2−(ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)−2−オ
キサゾリンとの公知の開環反応による方法でも得ること
もでき、かかる方法も有用である。かかるカルボン酸類
としては、カルボキシル基1個以上を有する脂肪族、脂
環族、芳香族カルボン酸類、例えば、プロピオン酸、シ
クロヘキシルカルボン酸、安息香酸、アジピン酸、イソ
フタル酸等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0042】上記した式(1)におけるYがカルボキシ
レート基であるノルボルネニル基含有化合物は、例え
ば、炭素数4個以上を有するアルコール類と5−ノルボ
ルネン−2−カルボニルハライドとのエステル化反応に
よる方法、上記したアルコール類と5−ノルボルネン−
2−カルボン酸メチルエステルとのエステル交換反応に
よる方法等の公知の方法により得ることができ、かかる
方法は極めて有用である。
【0043】かかるアルコール類としては、水酸基1個
以上を有する脂肪族、脂環族、芳香族アルコール類、例
えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロ
ヘキノール、ベンジルアルコール、1,6ヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0044】更に、上記した式(1)にて表わされる基
を有するノルボルネニル基含有化合物は、例えば、2−
ヒドロキシ−5−ノルボルネンとカルボン酸類、イソシ
アナート類等との反応、2−ヒドロキシ−5−ノルボル
ネンのナトリウムアルコラートと置換基を有することも
あるハロゲン化シアヌル酸類、ハロゲン化アルキルとの
反応、5−ノルボルネン−2−カルボニルハライドとア
ンモニア、有機カドミウム化合物との反応等公知の方法
により得ることができ、Yがオキシカルボニル基、ウレ
タン基、シアヌル酸エステル基、エーテル基、カルバモ
イル基、カルボニル基等である化合物を提供することが
できる。
【0045】更には、本発明に係わるノルボルネニル基
含有化合物において、式(2)で表される化合物及びこ
れらの化合物とアルデヒド類の付加縮合物、更には、ア
ルコール類とエーテル化反応せしめて得られるエーテル
化縮合物は、これらを用いて得られる改質された樹脂類
が難燃性、熱安定性、相溶性、表面改質性、被覆性、接
着性、添加剤等との混和性、補強材等との密着性、染色
性、電気特性等の改質に優れている、高温加工時等にお
ける変色、変質が惹起し難い、耐候性、耐熱性等に優れ
長期にわたり改質効果を保持することができる、反応性
に優れたアミノ基を有する為これを用いて反応せしめて
各種の変性、改質を行うことができる等の優れた点を有
するため、特に好ましい。
【0046】本発明に係わるノルボルネニル基含有化合
物[式(2)]において、R10、R 11、R12 およびR
13 は水素原子および炭素数1個以上を有する基からな
る群より選ばれる種であり、R10 、R 11、R12 およ
びR13 は同じ種でも異なった種でもよく、その個数、
位置、立体配置等は特に制限されるものではないが、か
かる炭素数1個以上を有する基としては、炭素数1個以
上を有し水酸基、エステル基、エーテル基、カルボキシ
ル基、カルボニル基、アミド基、イミド基、ニトロ基、
スルホン酸基、スルホン酸アミド基、アミノ基、イミノ
基、不飽和基等の官能基、分枝鎖等を有することもある
脂肪族基、脂環族基、芳香族基、複素環族基が有用であ
る。
【0047】かかる具体例としては、例えば水素原子、
メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、2−エチ
ルヘキシル、オクタデシル、アリル、オレイル、4−メ
チルシクロヘキシル、フェニル、o−トリル、α−ナフ
チル、ベンジル、βーフェネチル、o−メトキシカルボ
ニルフェニル、、p−エトキシカルボニルフェニル、メ
トキシメチル、ブトキシメチル、ステアリルオキシメチ
ル、4−メトキシフェニル、テトラヒドロフルフリル、
2−(1−ピペラジニル)エチル、2−(ピペラジノ)
エチル、2−(モルホリノ)エチル、2−(1−ピロリ
ジニル)エチル、2−ピリジニル、メチロール、2−ヒ
ドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロ
キシブチル、5−ヒドロキシペンチル、12−ヒドロキ
シドデシル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロ
ペニル、1−(1−ヒドロキシプロピル)−3−ペンテ
ニル、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル、1−(2
−ヒドロキシエチル)−4−オキサヘキル、4−ヒドロ
キシシクロヘキシル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヒ
ドロキシナフチル、4−(ヒドロキシメチル)フェニ
ル、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル、3−ヒド
ロキシピリジン−2−イル、8−ヒドロキシキノリン−
4−イル等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0048】本発明に係わるノルボルネニル基含有化合
物[式(2)]の具体例としては、2−(4,6−ジア
ミノー1,3,5−トリアジン−2−イル)ービシクロ
[2.2.1]ヘプター5−エン、2−(4,6−ジア
ミノー1,3,5−トリアジン−2−イル)ー3−メチ
ルービシクロ[2.2.1]ヘプター5−エン、2−
(4,6−ジアミノー1,3,5−トリアジン−2−イ
ル)ー7−メチルービシクロ[2.2.1]ヘプター5
−エン、2−(4,6−ジアミノー1,3,5−トリア
ジン−2−イル)ー3−フェニルービシクロ[2.2.
1]ヘプター5−エン、2−(4,6−ジアミノー1,
3,5−トリアジン−2−イル)ー7−イソプロピルー
ビシクロ[2.2.1]ヘプター5−エン、2−(4,
6−ジアミノー1,3,5−トリアジン−2−イル)ー
4−エチルー6−メチルービシクロ[2.2.1]ヘプ
ター5−エン、2−(4,6−ジアミノー1,3,5−
トリアジン−2−イル)ー1,4−ジフェニルービシク
ロ[2.2.1]ヘプター5−エン、これらのN−モノ
(ジ/トリ/テトラ)置換−ノルボルネンカルボグアナ
ミン類、例えばN−ヒドロキシメチルーノルボルネンカ
ルボグアナミン、N−ヒドロキシメチルー3−メチルー
ノルボルネンカルボグアナミン、N−(2−ヒドロキシ
エチル)ーノルボルネンカルボグアナミン、N−(5−
ヒドロキ−3−オキサペンチル)ーノルボルネンカルボ
グアナミン、N−メトキシメチルーノルボルネンカルボ
グアナミン、N−ブトキシメチルーノルボルネンカルボ
グアナミン、N−ステアリロキシメチルーノルボルネン
カルボグアナミン、N−エチルーノルボルネンカルボグ
アナミン、N−オクチルーノルボルネンカルボグアナミ
ン、N−シクロヘキシルーノルボルネンカルボグアナミ
ン、N−フェニルーノルボルネンカルボグアナミン、N
−(2−モルホリノエチル)ーノルボルネンカルボグア
ナミン、式(2)で表される化合物とアルデヒド類との
付加縮合物、更にアルコール類とエーテル化反応せしめ
て得られるエーテル化縮合物等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0049】上記した式(2)で表されるN−置換ノル
ボルネニル基含有化合物及びこれらの縮合物の製造に用
いられるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒ
ド、パラホルム、ヘキサメチレンテトラミン、メチルヘ
ミホルマール、ブチルヘミホルマール、ホルムアルデヒ
ド重亜硫酸ソーダ付加物等のホルムアルデヒド類、グリ
オキザール、アセトアルデヒド、トリメチロールアセト
アルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフ
ラール、フタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が
挙げられ、好ましくはホルムアルデヒド類、グリオキザ
ール、より好ましくはホルムアルデヒド水溶液、パラホ
ルムであるが、これらに限定されるものではない。又、
アルデヒド類の使用量は、上記したノルボルネニル基含
有化合物[式(2)]及び場合により用いられる共縮合
可能な化合物からなるアミノ化合物1モルに対して、通
常、0.5〜20モル、より好ましくは0.7〜10モ
ルである。
【0050】又、これらの縮合物の製造においてエーテ
ル化反応させるのに用いられる上記アルコール類として
は、炭素数1〜20個を有する飽和又は不飽和脂肪族ア
ルコール、脂環族アルコール、エーテル基を有するアル
コール、芳香族基を有するアルコール等が有用であり、
例えばメチルアルコール、iso −プロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−
エチルヘキシルアルコール、n−ノニルアルコール、n
−オクタデシルアルコール、n−エイコシルアルコー
ル、シクロヘキシルアルコール、シクロヘキセニルアル
コール、4−メチルヘキシルアルコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ベンジルアルコール等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0051】本発明に係わる縮合物におけるノルボルネ
ニル基含有化合物[式(2)]の使用比率は、所望の性
能により適宜選定することができるが、樹脂類への溶解
性、分散性が良好であり且つ優れた難燃性、熱安定性、
相溶性、添加剤との混和性、表面改質性、被覆性、接着
性、染色性、電気特性、成形性、耐溶剤性、耐候性、耐
衝撃性、耐摩耗性等を有する改質された樹脂類を得るた
めには、上記したノルボルネニル基含有化合物[式
(2)]及び場合により用いられる共縮合可能な化合物
からなるアミノ化合物中40重量%以上の量であること
が好ましく、更には60重量%以上であることがより好
ましい。
【0052】更に、これらの縮合物の製造において、上
記した如く場合により共縮合可能な化合物を用いること
ができるが、かかる共縮合可能な化合物としては、例え
ばメラミン、N−メチルメラミン、ベンゾグアナミン、
アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、
シクロヘキセンカルボグアナミン、ノルボルナンカルボ
グアナミン、CTU-グアナミン、アジポグアナミン、ジシ
アンジアミド、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、アルキ
ルチオ尿素、グアニジン、ウレタン、フェノール、p−
メチルフェノール、ノニルフェノール、レゾール、アニ
リン、テトラメチレンジアミン、フルフラール、フルフ
リルアルコール、p−トルエンスルホン酸アミド、o−
トルエンスルホン酸アミド、ベンゼンスルホン酸アミ
ド、テトラリンスルホン酸アミド、カルボン酸アミド、
スルフリルアミド、ジアミド窒化リン低重合体等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。かかる化
合物の使用量は、本発明に係わるノルボルネニル基含有
化合物[式(2)]を用いる意義を損なわない範囲であ
ればよく、アミノ化合物中60重量%未満の量であるこ
とが好ましい。
【0053】上記したノルボルネニル基含有化合物[式
(2)]のN−メチロール化物類は、例えば溶媒中、必
要により塩基性化合物の存在下で、pH 8.0〜13.0、好ま
しくはpH 8.5〜11.5、反応温度30℃以上、好ましくは40
〜80℃の条件下にて行う時、反応は急速に且つ円滑に進
み、上記の少なくとも1個のHOCH2 基を有する化合物を
得ることができるが、更に、高度にメチロール化された
N−メチロール化物類を得る場合には、水、アルコール
類の量を低減させて行うと高純度で且つ収率よく得るこ
とができるが、過度に低減を行うと攪拌効果の低下、反
応温度の不均一化等を招き、円滑な反応を阻害する為好
ましくなく、かかる反応を円滑に行わしめる為、水と実
質的に不溶であり反応を阻害しない溶媒、例えば芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、脂肪
族エーテル等の存在下に行う方法、アミン類、例えば脂
環族アミン、脂肪族アミン、芳香族アミン、アンモニア
等の助剤を、アルデヒド類に対し0.01〜10モル%添加し
て行う方法等が有用であるが、場合により適宜選択する
ことができ、これらの方法に限定されるものではない。
【0054】上記したノルボルネニル基含有化合物[式
(2)]のエーテル化物類は、例えば、上記で得られる
N−メチロール化物類をpH2〜4の酸性条件下に40〜80
℃の温度で、エーテル化反応を行わしめる上記したアル
コール類存在下にて1〜8時間反応させることにより得
ることができるが、特に反応系中の水分量をできるかぎ
り低減させ、反応仕込モル比をN−メチロール化物類1
モルに対し上記したアルコール類を10モル以上にて行
うことが好ましい。
【0055】又、本発明に係わる縮合物を得る方法は、
特に制限されるものではないが、上記したアミノ化合物
とアルデヒド類を、水、アルコール類、芳香族化合物類
等の1種又は2種以上の溶媒を用いて攪拌混合した混合
液を、pH 8.0以下あるいはpH13.0以上の条件下に40〜 1
00℃の温度にて反応を行わしめることにより得ることが
できる。
【0056】更に、上記したエーテル化縮合物は、例え
ば上記の方法で得られるN−メチロール化物類又はこれ
らの縮合物をpH 1.0〜 5.0の酸性条件下に50〜 120℃の
温度にてエーテル化反応を行わしめる上記したアルコー
ル類存在下にてエーテル化反応あるいはエーテル化反応
と縮合反応を同時に行わしめることにより得ることがで
きるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0057】又、上記したノルボルネニル基含有化合物
[式(2)]及びこれらの縮合物、エーテル化縮合物
を、硬化剤、例えば鉱酸類、カルボン酸類、スルホン酸
類、これらのアンモニウム塩、金属と硝酸、硫酸、リン
酸等の酸との水溶性金属塩等の製造条件下でプロトンを
放出、あるいは形成する化合物等を用いて、縮合度を大
きくした縮合物、硬化物、ポリマー微粒子等も同様に有
用である。
【0058】本発明の製造方法において、上記したノル
ボルネニル基含有化合物の樹脂類に対する使用量は、使
用目的等により適宜選定することができるが、通常樹脂
類に対して0.01〜60重量%、好ましくは0.01
〜40重量%である。かかるノルボルネニル基含有化合
物を大量に使用した場合においても、改質された樹脂類
の着色、分子量の著しい低下等による物性の低下、変質
が極めて惹起し難い為、広範囲に極めて有用である。
【0059】本発明に係わる改質された樹脂類の製造方
法は、樹脂類と上記したノルボルネニル基含有化合物と
を温度200〜450℃の範囲で反応せしめて行われる
が、かかる反応の温度範囲は、使用されるノルボルネニ
ル基含有化合物の種類により異なり、上記した(ロ)〜
(チ)項記載のノルボルネニル基含有化合物を用いる
時、温度230〜450℃の範囲で反応せしめて行われ
るが、好ましくは240〜400℃、更に好ましくは2
50〜400℃の範囲である。上記した(ロ)〜(チ)
項記載のノルボルネニル基含有化合物を用いる時、23
0℃より低い場合には、反応が著しく遅く、収率が著し
く低いため好ましくなく、上限温度については樹脂類の
劣化等が惹起し難い範囲の温度であればよく、通常、4
50℃、好ましくは400℃以下の温度である。尚、か
かる反応温度が、原料樹脂類の混練、成形加工時の使用
温度範囲を越える場合にあっても、かかる改質された樹
脂類の有する極めて優れた熱安定性、耐熱性により熱劣
化等の変質、着色等を惹起し難く、反応を収率よく進め
ることができ、優れた特性、物性を有する改質された樹
脂類を得ることができる。
【0060】又、上記した反応は、溶媒存在下あるいは
不存在下にて行うことができ、原料、製造条件等により
溶媒を適宜選定して用いることができるが、溶媒不存在
下にて行うことが好ましい。
【0061】かかる反応方法は、特に制限はなく、バッ
チ式反応系、連続式反応系等いずれの形態でもよく、公
知の溶液法、溶融法、樹脂類の加工工程等で反応せしめ
る方法(リアクティブプロセシング)等が適用可能であ
り、場合により適宜選定することができるが、かかる樹
脂類と上記したノルボルネニル基含有化合物とを、溶剤
を存在させずに窒素雰囲気下、混練機、例えば単軸、二
軸スクリュー等の押出機、加熱ロール、バンバリミキサ
ー、ニーダー等にて混練し、反応を行った後あるいは反
応を行いながら押出す方法は、極めて短時間かつ複雑な
工程を要せずに1段階の押出処理等で行うことができ、
連続一貫して改質された樹脂類を得ることができる等の
点に優れている為、好ましい。
【0062】又、上記した反応の系は、常圧下あるいは
密閉容器中にて自然発生圧力下、加圧下あるいは減圧下
にて行うことができ、必要により適宜選定することがで
きるが、反応系中のシクロペンタジエン等の発生ガスの
脱ガス等のため常圧あるいは減圧下にてベント口等を設
置して反応を行うことが好ましい。
【0063】更には、かかる製造方法において、反応触
媒、開始剤等の添加を要しないが、過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイル、過酸化ジクミル等の有機過酸化物を
開始剤として場合により添加し用いることもでき、本発
明の意義を損なわない範囲で適宜選定することができ
る。しかしながら、かかる開始剤を用いる時、かかる樹
脂類の分子量の低下等による機械的性質、電気特性等の
性能の低下、熱劣化、変色、変質、耐熱性、熱安定性の
低下等を惹起しやすい欠陥を有する為、これらの使用は
著しい制約を有し、用いないことが好ましい。本発明の
製造方法は、かかる開始剤等の添加を要せずに樹脂類の
改質を行うことができ、これらの欠陥を有さない為極め
て優れたものである。
【0064】本発明に係わる樹脂類としては、炭化水素
基を含有する樹脂類であればいずれも有用であり、かか
る樹脂類の分子量は、樹脂、ゴム類の如き高分子量材料
のものからワックス類、油類の如き低分子量材料のもの
まで、更に溶融粘度、ムーニー粘度が高粘度材料から低
粘度材料のものまで有用であり、使用目的に応じて適宜
選択することができる。かかる改質された樹脂類の製造
方法は、かかる樹脂類の製造時に導入結合させることが
難しい官能基、官能基量を導入結合させ改質を行うこと
ができるため、樹脂、ゴム類の如き高分子量材料、官能
基を含有しない樹脂類、例えばポリオレフィン樹脂、E
Pゴム、EPDM、EOR等のオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー、炭化水素系合成ワックス、炭化水素油等に
は、特に有用である。
【0065】本発明に係わる樹脂類としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム類、これらのブレンド品、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体、ゴム変性重合体等
の変成された樹脂、天然樹脂、ワックス類、油類等が有
用である。
【0066】かかる樹脂類の具体例としては、樹脂、例
えばポリスチレン、スチレンと他の単量体〔例えば無水
マレイン酸、α−メチルスチレン、ブタジエン、アクリ
ロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル等〕との二
元、三元共重合体、ゴム変性ポリスチレン、ゴム変性ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム変性スチレン
−無水マレイン酸共重合体等のポリスチレン樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブチン、ポリ−3−メ
チルブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、EPDM等のポリオレフィン樹
脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト等の(メタ)アクリル樹脂、ナイロン4、ナイロン
6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン612、共
重合ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ク
ロル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エー
テル、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体、これらの末端がキャッ
プされたポリフェニレンエーテル樹脂、これらをスチレ
ン樹脂、ポリアミド樹脂等により変成した樹脂等のポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、塩化ビニルと他の単
量体〔例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、スチ
レン、イソブチレン、塩化ビニリデン、無水マレイン
酸、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、塩素
化プロピレン、(メタ)アクリル酸エステル等〕との二
元、三元共重合体、ポリ臭化ビニル、臭素化ポリエチレ
ン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、四フッ
化エチレンプロピレン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリアミドイミド、ポリイミド樹脂、ポリエーテル
イミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテ
ルサルホン、ポリサルホン樹脂、ポリアミンサルホン、
ポリカーボネート、液晶(ポリエステル)ポリマー、環
状ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
アリレート、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂及びこれ
らの樹脂のブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共
重合体、ゴム変性重合体等の熱可塑性樹脂、ジアリルフ
タレート、ジアリル−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート等のジアリルフタレート樹脂、マレイン酸(フマ
ル酸)含有ポリエステル−スチレン系樹脂等の不飽和ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、アミノ系樹脂
及びこれらの樹脂のブレンド品、ゴム類等により変性さ
れた樹脂等の熱硬化性樹脂、石油樹脂、DCPD樹脂、
セルロース粉末、酢酸セルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、ポリグルタミン酸、ポリテルペン等の天然樹脂、
これらの変性樹脂等が挙げられる。
【0067】更に、かかる樹脂類の具体例として、ゴム
類、例えばSBR、BR、IR、EPゴム、EPDMゴ
ム、NBR、EOR、クロロプレンゴム、IIR、ウレ
タンゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、水素化ニトリ
ルゴム、ポリエーテル系ゴム、フッ素ゴム、四フッ化エ
チレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、プロ
ピレンオキサイドゴム、エチレン・アクリルゴム、液状
ゴム、ノルボルネンゴム、スチレン系熱可塑性エラスト
マー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系
熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラス
トマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−
ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑
性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱
可塑性エラストマー等の合成ゴム、天然ゴム等、ワック
ス類、例えばパラフィンワックス、ミクロクリスタリン
ワックス、三井ハイワックス800P、400P、10
0P、410P、220P、110P、NL800、N
L500、NL100[三井石油化学(株)製]等のポ
リエチレン系ワックス、同NP055、NP105、N
P805[三井石油化学(株)製]等のポリプロピレン
系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成
ワックス、カルナバロウ、カンショロウ、パームロウ、
木ロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、モンタンワックス等の天然ワ
ックス等、油類、例えば炭化水素油、シリコーンオイ
ル、潤滑油、天然油脂、更には、これらのブレンド品、
変成品等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0068】本発明の製造方法により、樹脂類に各種の
官能基を導入することができる為、上記の方法で得られ
た改質された樹脂類を用いて更に変性反応を行い改質を
進めることも有用である。式(2)で表わされるノルボ
ルネニル基含有化合物を用いて得られる改質された樹脂
類は、反応性に優れた活性アミノ基を有し、アルデヒド
類、エポキシド類、カルボン酸(無水物)類、イソシア
ナート類、オキサゾリン類、シラン類、シランカップリ
ング剤等、好ましくはエポキシド類との変性反応により
改質を進めることができ、各種の優れた材料を提供する
ことができ好ましい。
【0069】本発明に係わるエポキシ変性樹脂類の製造
法において、上記したノルボルネニル基含有化合物[式
(2)]を用いて得られる改質された樹脂類とエポキシ
ド類とを特定の反応条件下にて反応せしめることによ
り、かかる樹脂類の被覆性、接着性、濡れ性、染色性、
撥水撥油性、耐溶剤性、補強材等との密着性等の表面特
性が著しく改質される、異なる樹脂類との相溶性、分散
性がより一層良好となる、かかる樹脂類が高温安定性、
不揮発性に優れ昇華、ブリード等の発生が少ない、製造
が簡易である等の点に優れ、更に、異なる樹脂類との相
溶化剤等として物性が改良された新素材を得ることがで
きる優れた樹脂類の改質方法を提供することができる。
【0070】本発明に係わるエポキシド類としては、エ
ポキシ基を1個以上有する化合物であれば広く用いるこ
とができ、脂肪族基、脂環族基、複素環族基を有する化
合物等特に制限はない。
【0071】かかるエポキシド類の具体例としては、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフ
ェノールA、ハロゲン化ビスフェノールS等の骨格を有
するビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型ハロゲン化エポキシ樹
脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、炭素数1〜40個を有
するαーオレフィンエポキシド、シクロヘキセンオキシ
ド、シクロペンタジエンモノオキシド、ブタジエンジオ
キシド、エポキシ化亜麻仁油、スチレンエポキシド、メ
チルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、
アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、4,4−ジ
(1,2−エポキシエチル)ジフェニルエーテル、レゾ
ルシンのジグリシジルエーテル、フロログリシンのジグ
リシジルエーテル、p−アミノフェノールのトリグリシ
ジルエーテル、テトラグリシジルービスー(アミノフェ
ニル)メタン、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、
1,3,5−トリ(1,2−エポキシエチル)ベンゼ
ン、2,2,4,4−テトラグリシドキシベンゾフェノ
ン、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、2−エチ
ルヘキシルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールのポリグリシジ
ルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、商品名「セロキサイド
#2000」、「セロキサイド#2021」、「セロキ
サイド#3000」、「セロキサイド#4000」[ダ
イセル化学工業(株)]等の脂環族エポキシ樹脂、商品
名「エピコート#1100L」[油化シェルエポキシ
(株)]、芳香族アミン系ジグリシジルエーテル、ヒダ
ントインエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレー
ト等の複素環族エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アク
リレート等のエポキシ基含有ビニル単量体と共重合可能
な化合物との重合物、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、飽和ポリエステル
樹脂等をエピクロルヒドリン、グリシドール等で変性し
て得られるエポキシ基含有樹脂等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0072】本発明に係わるエポキシド類の使用量は、
場合により適宜選定することができるが、通常、上記の
改質された樹脂類中のトリアジン結合アミノ基1当量に
対しエポキシド類中のエポキシ基0.1〜5.0当量と
なる割合であり、好ましくは0.2〜3.0当量の割合
である。
【0073】本発明に係わるエポキシ変性樹脂類の製造
法は、上記の方法で得られる改質された樹脂類とエポキ
シド類とを加熱反応せしめて行われるが、かかる加熱反
応の温度は、150℃以上、好ましくは150〜400
℃、更に好ましくは150〜350℃で行われる。かか
る反応温度が、150℃より低い場合には、反応が著し
く遅く収率が著しく低いため好ましくなく、温度は15
0℃以上であればよいが、樹脂類の劣化等が惹起し難い
範囲の温度であればよく、通常、350℃以下で行うこ
とが好ましい。又、上記した反応及び反応系は、上記し
た改質された樹脂類の製造方法におけると同様にして溶
液法、ラテックス法、溶融法、リアクティブプロセシン
グ等により行うことができ、場合により適宜選定するこ
とができるが、上記した改質された樹脂類の製造後、連
続し同じ系にて溶剤を存在させずに窒素雰囲気下混練
機、例えば、単軸、二軸スクリュー押出機、加熱ロー
ル、バンバリミキサー、ニーダー等にて混練し、溶融加
熱反応を行った後あるいは行いながら押出す方法は、上
記と同様の優れた点を有し好ましい。
【0074】更に、上記のエポキシ変性樹脂類の製造法
において、オクチル酸錫等の有機酸金属塩、イミダゾー
ル類、ノボラック型フェノール樹脂等の反応促進剤を場
合により適宜選定し用いることもできる。
【0075】本発明に係わる改質された樹脂類及びエポ
キシ変性樹脂類は、難燃性、熱安定性、耐熱性、耐衝撃
性、高強度・高弾性、樹脂相溶性、耐屈曲・疲れ性、耐
摩耗性、耐引裂性、寸法安定性、応力緩和性、制振性、
耐熱・寒性、耐溶剤(油、水)性、耐候性、光沢、屈折
率変化、自己潤滑性、可塑性、ガスバリアー性等の物
性、接着性、ガラス繊維等補強剤との密着性、滑り性、
鍍金性、塗料等の被覆性、樹脂類及びこれらの繊維類の
染色性、ブロッキング防止性、制電性、導電性、帯電
性、耐トラッキング性等の電気特性、流動性、収縮性、
熱溶融強さ、フロー成形性、結晶性、配向性、作業性等
の成形加工性、省資源、代用等経済性等の改質、改良に
優れ、建築用機材、インテリア製品、バス、トイレ等住
宅用機材、インスツルメントパネル、ピラー、メータク
ラスター、ドアートリム、アームレスト、デフロスター
ガーニッシュ、コンソールボックス、ポケットデッキ、
バンパー、サイドシルガーニッシュ、カウルトップガー
ニッシュ、ホイールカバー、スポイラー、ヘッドランプ
インナーパネル等自動車等車両の内、外装等用機材、長
短ガラス繊維等強化成形材料、レジスト材料、電気絶縁
材等電気部品、トナー等電子写真用材料、繊維用材料、
繊維・紙加工材、ホットメルト用接着剤、粘着剤、自動
車・家電用塗料、防汚、耐食用塗料、粉体塗料、トラフ
ィックペイント、ホットメルト用接着剤、粘着剤、産業
資材等の構造用接着剤等接着剤、IC封止材、ゴム改質
材、光学材料、皮革処理剤、農業用資材、医薬用機材、
包装材、容器等食品用機材、テント、布、衣類等繊維
類、歯車、パッキング等工学機材、配管、タンク等防
汚、耐食用機材、耐熱用機材、保温、保冷用材料、油類
改質材、難燃材、界面活性剤、腐食・酸化防止剤等とし
て産業上極めて広範囲な用途に有用な材料を提供するこ
とができる優れたものである。
【0076】B. 本発明に係わる樹脂類の難燃化方法
において、上記した(ロ)〜(ニ)項記載の改質された
樹脂類及び(リ)項記載のエポキシ変性樹脂類からなる
改質樹脂類の使用量は、樹脂類中の全量あるいは部分量
でもよく適宜選定することができるが、かる樹脂類中に
トリアジン核の重量として2〜40重量%であり、好ま
しくは4〜30重量%の量である。2重量%未満の場合
は十分な難燃性改良効果が得難く、40重量%を越える
場合には、この樹脂類の成形性が不良になったり、樹脂
類の劣化が起こる等により物性の低下をきたし好ましく
ない。
【0077】上記した樹脂類の難燃化方法においては、
リン単体及びリン原子を含有する化合物からなる群から
選ばれたリン類を本発明に係わる改質樹脂類とともに樹
脂類に包含せしめて用いる時、難燃性効果を一層向上さ
せるという相乗効果を付与することができ、特に好まし
い。これは、燃焼材料表面において比較的揮発性が低い
難燃性被膜の形成をより容易にするばかりでなく、チャ
ー生成をより一層促進させてチャー層を増加させ、燃焼
表面への酸素の拡散の防止、材料部から可燃性ガスの発
生の抑制、材料部への熱伝導の減少等の働きによりかか
る優れた相乗効果を生ずるものと思われる。
【0078】かかるリン類としては、例えば赤リン等の
リン単体、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン
酸、リン酸塩、ポリリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸
塩等のリン系酸類、リン酸トリエステル、ポリリン酸エ
ステル、酸性リン酸エステル及びこれらの塩等のリン酸
エステル類、亜リン酸トリエステル、亜リン酸ジエステ
ル等の亜リン酸エステル類、ホスホン酸エステル、酸性
ホスホン酸エステル及びこれらの塩等のホスホン酸エス
テル類、ホスフィン、ホスフィンオキサイド、ホスホニ
ウム塩等のホスフィン類、更にはジアルキルチオリン酸
及びこれらの塩等の含硫黄リン化合物等が有用である
が、これらに限定されるものではない。
【0079】かかるリン系酸類としては、例えばリン
酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、亜リン
酸、ホスホン酸等の酸、更に、これらをアンモニア、ア
ミン、アルカリ金属、アルカリ土類金属等塩基により一
部又は全部を中和して得られる塩、リン酸アンモニウ
ム、リン酸エチレンジアミン塩、リン酸ソーダ、リン酸
カルシウム、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ソー
ダ、トリポリリン酸アンモニウム、トリポリリン酸ソー
ダ、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ソーダ、亜リ
ン酸アンモニウム、亜リン酸カルシウム、ホスホン酸ア
ンモニウム等が挙げられ、一般式(NH4)m+2 m
3m+1(式中、mは5より大きい整数を示す)で表わされ
るポリリン酸アンモニウムが好ましいが、これらに限定
されるものではない。
【0080】上記した一般式(NH4)m+2 m
3m+1(式中、mは5より大きい整数を示す)で表わされ
るポリリン酸アンモニウムにおいて、難燃性効果、樹脂
類の物性等の点から、mは水溶解度を小さくするために
十分に大きいことが好ましく、mが50より大きい整数
である塩が特に好ましく、実際上メタホスフェート(N
4PO3 m に対応するものである。
【0081】かかるポリリン酸アンモニウムの例として
は、商品名「エキソリット(Exolit)263」、
「エキソリット(Exolit)422」(ヘキスト社
製)、商品名「ホスチェック(Phoscheck)P
/30」(モンサント・ケミカル・カンパニー製)等が
挙げられる。
【0082】かかるリン酸エステル類としては、例えば
トリメチルホスフェート、トリn−ブチルホスフェー
ト、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフ
ェート、トリオレイルホスフェート、トリス(ブトキシ
エチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレンジフェ
ニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホ
スフェート、イソプロピルジフェニルホスフェート、2
−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ステアリル
ジフェニルホスフェート、オレイルジフェニルホスフェ
ート、ブチルジクレジルホスフェート、ラウリルジクレ
ジルホスフェート、ジフェニル−2−メタクロイルオキ
シエチルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホ
スフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェー
ト、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェー
ト、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ト
リス(トリブロモフェニル)ホスフェート等のリン酸ト
リエステル、モノ/ジメチルアシッドホスフェート、モ
ノ/ジエチルアシッドホスフェート、モノブチルアシッ
ドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェー
ト、モノ/ジウラリルアシッドホスフェート、モノ/ジ
ステアリルアシッドホスフェート、モノ/ジオレイルア
シッドホスフェート、モノ/ジ2−クロロエチルアシッ
ドホスフェート、モノ/ジブトキシエチルアシッドホス
フェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、
ジブチルピロホスフェート、モノ/ジフェニルアシッド
ホスフェート、モノ/ジクレジルアシッドホスフェー
ト、モノ/ジキシレニルアシッドホスフェート等の酸性
リン酸エステル、ジメチルホスフェート・アンモニウム
塩、エチルホスフェート・アンモニウム塩、ジn−ブチ
ルホスフェート・アンモニウム塩、ジブトキシエチルホ
スフェート・トリエタノールアミン塩、ジオクチルホス
フェート・モルホリン塩、モノn−ブチルホスフェート
・ソーダ塩、ジフェニルホスフェート・アンモニウム
塩、ジフェニルホスフェート・メラミン塩、ジフェニル
ホスフェート・ピペラジン塩、フェニルホスフェート・
アンモニウム塩、ジクレジルホスフェート・エチレンジ
アミン塩、クレジルホスフェート・ソーダ塩、ジキシレ
ニルホスフェート・メラミン塩等の酸性リン酸エステル
のアンモニア、アミン、メラミン、アルカリ金属、アル
カリ土類金属塩等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0083】かかる亜リン酸エステル類としては、例え
ばトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、
トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオ
レイルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ト
リフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、ビス(ノニルフェニル)ジノニルフェニルホス
ファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホス
ファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェ
ニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソ
オクチルホスファイト、テトラフェニルジプロピレング
リコールジホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコー
ル)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、フェニル・4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェ
ニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラ
ホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4′−イソ
プロピリデンジフェニルホスファイト、水添ビスフェノ
ールA・ホスファイトポリマー、ペンタエリスリトール
・水添ビスフェノールA・トリフェニルホスファイト重
縮合物、テトラ(トリデシル)−4,4′−n−ブチリ
デンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジ
ホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)1,4
−シクロヘキサンジメチレンホスファイト、ビス(オク
チルフェニル)・ビス〔4,4′−n−ブチリデンビス
(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)〕1,6−
ヘキサンジオールホスファイト、テトラ(トリデシル)
−1,1,3−トリス(2′−メチル−5′−t−ブチ
ル−4′−オキシフェニル)ブタンジホスファイト等の
亜リン酸トリエステル、ジメチルハイドロジェンホスフ
ァイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジ(2
−エチルヘキシル)ハイドロジェンホスファイト、ジラ
ウリルハイドロジェンホスファイト、ジオレイルハイド
ロジェンホスファイト、ジフェニルハイドロジェンホス
ファイト等の亜リン酸ジエステル等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0084】かかるホスホン酸類としては、例えばメチ
ルホスホン酸ジメチル、エチルジエチルホスホノアセテ
ート、ビニルホスホン酸ビス(2−クロロエチル)、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホ
スホン酸ジエチル、ブチルホスホン酸ジブチル、ヒドロ
キシメチルホスホン酸ジ−2−エチルヘキシル、2−エ
チルヘキシルホスホン酸ジ−2−エチルヘキシル、フェ
ニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジアリ
ル、フェニルホスホン酸ジオクチル、フェニルホスホン
酸ジナフチル等のホスホン酸ジエステル、2−エチルヘ
キシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシル、フェニルホ
スホン酸モノオクチル等の酸性ホスホン酸エステル、2
−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルア
ンモニウム塩、フェニルホスホン酸モノオクチル・トリ
エタノールアミン塩、2−エチルヘキシルホスホン酸モ
ノ2−エチルヘキシル・メラミン塩、フェニルホスホン
酸モノオクチル・ソーダ塩等のホスホン酸エステル塩等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0085】かかるホスフィン類としては、例えばトリ
エチルホスフィン、トリn−オクチルホスフィン、トリ
ス(2−シアノエチル)ホスフィン、トリス(3−ヒド
ロキシプロピル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、トリp−トリルホス
フィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィ
ン、9−ホスファビシクロ〔3.3.1〕,〔4.2.
1〕ノナン(混合物)、ビス(1,2−ジフェニルホス
フィノ)エタン、ビス(1,4−ジフェニルホスフィ
ノ)ブタン、ジフェニル−p−スチリルホスフィン、ジ
フェニルホスフィナスクロライド、ビス(ジフェニルホ
スフィノ)フェロセン等のホスフィン、トリエチルホス
フィンオキサイド、トリn−オクチルホスフィンオキサ
イド、トリス(2−シアノエチル)ホスフィンオキサイ
ド、トリス(3−カルボキシエチル)ホスフィンオキサ
イド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオ
キサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホス
フィンオキサイド、テトラn−ブチルホスホニウムブロ
マイド、トリn−ブチルアリルホスホニウムブロマイ
ド、エチレンビストリス(2−シアノエチル)−ホスホ
ニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブ
ロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、ト
リn−オクチルエチルホスホニウムブロマイド、テトラ
n−ブチルホスホニウムO,O−ジエチルホスホロジチ
オエート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウ
ムサルフェート、テトラn−ブチルホスホニウムヨーダ
イド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、ト
リエチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラn−
ブチルホスホニウムクロライド、トリn−ブチルテトラ
デシルホスホニウムクロライド、トリス(2−シアノエ
チル)アリルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフ
ェニルホスホニウムクロライド、ビス(トリフェニルホ
スフィン)イミニウムクロライド等のホスホニウム塩等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0086】かかる含硫黄リン化合物としては、例えば
ジメチルホスフォロジチオエート、ジn−プロピルホス
フォロジチオエート、ジエチルホスフォロジチオエート
・アンモニウム塩、ジn−プロピルホスフォロジチオエ
ート・メラミン塩、ジメチルホスフォロジチオエート・
ソーダ塩、トリラウリルトリチオホスファイト、トリス
(ラウリル−2−チオエチル)ホスファイト、ジフェニ
ル・ビス[4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブ
チル−5−メチルフェニル)〕チオジエタノ−ルジホス
ファイト、トルフェニルホスフィンサルファイド、トリ
ス(2−シアノエチル)ホスフィンサルファイド、トリ
n−ブチルホスフィンサルファイド等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0087】本発明に係わるリン類の使用量は、かかる
樹脂類に対し5〜40重量%であり、好ましくは10〜
30重量%である。使用量が5重量%未満の場合には、
難燃性改良の相乗効果が十分でなく、一方、40重量%
を越える場合は、物性の低下を惹起する等の影響がでる
ため実用的に好ましくない。
【0088】また、かかるリン類は、かかる樹脂類中に
上記した改質樹脂類の成分と別々に存在していても、あ
るいは、これらの一部又は全部が上記した改質樹脂類と
塩類を形成して含有していてもよい。塩類、例えばリン
酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、酸性ポリリン
酸アンモニウム、酸性リン酸エステル、酸性ホスホン酸
エステル等の上記した改質樹脂類との生成塩等の態様で
含有している場合には、難燃性向上の相乗効果がより優
れ好ましい。
【0089】また、上記した改質樹脂類は、特定のイソ
シアヌル酸類および/又はシアヌル酸類と併用し樹脂類
に含有せしめて樹脂類の難燃化方法として用いる時、か
かる樹脂類の難燃性を一層向上させることができ、好ま
しい。
【0090】すなわち、かかる特定のイソシアヌル酸類
及びシアヌル酸類として、式(3)
【0091】
【化8】 (式中、R14 、R15 およびR16 は、水素原子、炭素
数1〜3個を有するアルキル基、炭素数1〜3個を有す
るオキシアルキル基、フェニル基又はグリシジル基を示
し、R14 、R15 およびR16 は同種でも異なった種で
もよい)で表わされるイソシアヌル酸類、及び式(4)
【0092】
【化9】 〔式中、R14 、R15 およびR16 は式(3)と同じ意
味を示す〕で表わされるシアヌル酸類が挙げられる。
【0093】本発明に係わるイソシアヌル酸類は、式
(3)で表わされる化合物であり、R 14、R15 および
16 は、水素原子、炭素数1〜3個を有するアルキル
基、炭素数1〜3個を有するオキシアルキル基、フェニ
ル基およびグリシジル基からなる群より選ばれる1種で
あり、R14 、R15 およびR16は同じ種でも異なった種
でもよく、かかるイソシアヌル酸類の具体例としては、
例えばイソシアヌル酸、メチルイソシアヌレート、トリ
メチルイソシアヌレート、トリエチルイソシアヌレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、フェニルイソシアヌレート、ジフェニルイソシアヌ
レート、トリフェニルイソシアヌレート、ジメチルフェ
ニルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアネート
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0094】また、本発明に係わるシアヌル酸類は、式
(4)で表わされる化合物であり、R14、R15 および
16 は式(3)と同じ意味を示し、かかるシアヌル酸
類の具体例としては、例えばシアヌル酸、メチルシアヌ
レート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレ
ート、トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌレート、
フェニルシアヌレート、ジフェニルシアヌレート、トリ
フェニルシアヌレート、ジメチルフェニルシアヌレー
ト、トリグリシジルシアヌレート等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0095】本発明に係わるイソシアヌレート酸類およ
びシアヌル酸類合計量の使用比率(トリアジン核当量
比)は、上記した改質樹脂類中のトリアジン核当量に対
し0.01〜5、好ましくは0.1〜3であり、使用比
率が0.01より少ない場合には併用効果が十分でな
く、一方、5を越える場合は、物性の低下を惹起する等
の影響がでるため実用的に好ましくない。
【0096】また、かかるイソシアヌル酸類およびシア
ヌル酸類は、かかる樹脂類中に上記した改質樹脂類等の
成分と別々に存在し含有していても、あるいは、これら
の一部又は全部を上記した改質樹脂類等と塩類を形成、
反応させて含有していてもよい。塩類、例えばイソシア
ヌル酸と上記した改質樹脂類との生成塩、反応物、例え
ばトリグリシジルシアヌレートと上記した改質樹脂類と
の反応物等を形成し含有している場合には、難燃性効
果、耐熱性等がより優れ好ましい。
【0097】かかる塩類としては、例えば予め上記した
イソシアヌル酸、上記した改質樹脂類を溶媒存在下/不
存在下にて溶解又は分散させ加熱反応させて得られる塩
等が有用であり、上記した改質樹脂類中のトリアジン核
に対しイソシアヌル酸を等当量あるいは数倍当量反応さ
せて得られる塩、これらの反応塩混合物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0098】また、上記した改質樹脂類は、アミノ基含
有化合物と併用し材料に含有せしめて樹脂類の難燃化方
法として用いる時、かかる材料の難燃性を一層向上させ
ることができ、好ましい。
【0099】かかるアミノ基含有化合物は、炭素数2個
以上の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、複素環族基を有
するものであるが、好ましくは炭素数2個以上の脂肪族
基、脂環族基、複素環族基を有するものであり、更に好
ましくは、
【0100】
【化10】 を有する化合物、ジシアンジアミド、グアニジン及びこ
れらとホルムアルデヒド等のアルデヒド類あるいはエポ
キシ化合物との反応物である。
【0101】かかるアミノ基含有化合物の具体例として
は、例えば1,2−エチレンジアミン、1,3−ジアミ
ノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ブチ
レンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリ
アルキレンポリアミン、シクロヘキシルアミン、シクロ
ヘキシルジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、アニリン、ベンジルアミン、フルフリルア
ミン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−
(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−アミノエ
チル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ピペラ
ジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N,N′
−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ジシアンジア
ミド、グアニジン、尿素、ポリアミド樹脂、これらとホ
ルムアルデヒド等のアルデヒド類との反応物、例えばエ
チレンジアミン−ホルムアルデヒド(1/1)反応物、
ピペラジン−ホルムアルデヒド(1/1)反応物、ペン
タメチレンヘキサミン、これらの塩等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0102】本発明に係わるアミノ基含有化合物の使用
量は、かかる樹脂類に対し0.01〜10重量%であ
り、好ましくは0.05〜5重量%である。使用量が
0.01重量%未満の場合には、難燃性改良の相乗効果
が十分でなく、一方、10重量%を超える場合には物性
の低下を惹起する影響がでるため実用的に好ましくな
い。更に、本発明に係わる樹脂類の難燃化方法におい
て、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫
黄系酸化防止剤、光安定剤等の添加剤を併用することに
より、かかる樹脂類の熱安定性等を向上させることもで
き、使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0103】かかるフェノール系酸化防止剤としては、
公知の化合物、例えば2,6−ジ−t−ブチルーp−ク
レゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ
−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート等のモノフェノール系化合物、2,
2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス
−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチリデンビス−(3−メチルー6−ジ−t−ブ
チルフェノール)等のビスフェノール系化合物、1,
1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,
3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェ
ニル )ブチリックアシッド]グリコールエステル等の
高分子型フェノール系化合物等が挙げられる。これらの
使用量は、かかる樹脂類に対して0.001〜2.0重
量%であり、好ましくは0.05〜1.0重量%であ
る。
【0104】かかるアミン系酸化防止剤としては、公知
の化合物、例えばフェニル−1−ナフチルアミン、フェ
ニル−2−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p
−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−ト
リメチル−1,2−ジヒドロキシキノリン、ジオクチル
イミノジベンジル、ジエタノールアミン、トリイソプロ
パノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン、
N,N′−ジフェニルエチレンジアミン、トリエチルテ
トラミン、トリデシルアミンの酸化エチレン4モル付加
物、ヘキサデシルアミンの酸化エチレン20モル付加物
等が挙げられる。この使用量は、かかる樹脂類に対して
0.02〜5.0重量%である。
【0105】かかる硫黄系酸化防止剤としては、公知の
化合物、例えばジラウリル−3,3′−チオ−ジ−プロ
ピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオ−ジ−プロ
ピオネート、ジステアリル−3,3′−チオ−ジ−プロ
ピオネート、2−メチルメルカプトベンゾイミダゾー
ル、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリ
ル−チオプロピオネート)等が挙げられる。この使用量
は、かかる樹脂類に対して0.01〜4.0重量%であ
り、好ましくは0.05〜2.0重量%である。かかる
光安定剤としては、公知の化合物、例えばベンゾフェノ
ン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ
ール系化合物、ベンゾエート系化合物、蓚酸アニリド系
化合物、シアノアクリレート系化合物、有機ニッケル系
化合物、ヒンダードアミン系化合物等等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0106】更には、造核剤、例えば4−t−ブチル安
息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸等、金属不活性化
剤、例えばオキザニリド、ジカルボン酸ジヒドラジド、
サリチル酸ヒドラジド等、遊離基促進剤、例えば2,3
−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン〔商品名インタ
ロックスCC DFB(ペロキシド・ケミー・G.m.
b.H製造)〕、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニ
ルヘキサン〔商品名インタロックスCC DFH(ペロ
キシド・ケミー・G.m.b.H製造)〕、2,3−ジ
メチル−2,3−ジフェニルヘキサン等を適宜選択して
用いることができる。
【0107】本発明に係わる樹脂類の難燃化方法におい
て、かかる樹脂類の製造法には特に制限はなく、通常か
かる樹脂類に粉末状添加物を混合する際に用いられる製
造法が適用可能である。例えば、熱可塑性樹脂等の場
合、樹脂のペレットあるいはパウダーと添加剤を常温で
予め混合した後、押出機、加熱ロール、ニーダー等を用
い溶融混合し成形する製造法、添加剤を高濃度に含む樹
脂類を予め製造しておき、これと通常の樹脂類を溶融混
練後成形する製造法等、また熱硬化性樹脂等の場合、硬
化前のモノマー、プレポリマーあるいはこれらに補強材
料を添加してなるドープ、コンパウンド中に、本発明に
係わる必須成分を添加し混練後成形する製造法等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0108】本発明に係わる樹脂類の難燃化方法におい
て、本発明の効果を損なわない範囲において、他の添加
剤、例えば、可塑剤、染顔料、分散剤、有機キレート化
剤、安定剤、発泡剤、防曇剤、艶消し剤、表面処理剤、
螢光剤、防黴剤、殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
三酸化アンチモン、メタホウ酸バリウム、二酸化ジルコ
ニウム、酸化鉛、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、硫
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム
塩、塩化シアヌル/アミン類の反応物、メラミン誘導体
等のトリアジン核含有化合物等公知の難燃剤、難燃助
剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属
塩、ビスアミド等の滑剤、スルホン酸類、第四アンモニ
ウム塩、多価アルコールエステル、アルキルアミド、ア
ルキルアミン、導電性カーボンブラック等の帯電防止
剤、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材、タルク、クレ
ー、焼成クレー、雲母、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、二硫化モリブデ
ン、グラファイト等の充填剤、造核剤、加工助剤、離型
剤、他の重合体等を必要に応じて包含させることができ
る。本発明の樹脂類の難燃化方法においては、リン単体
及びリン原子を含有する化合物からなるリン類より選ば
れる少なくとも1種を成分として含有せしめることが好
ましく、リン類としては、赤リン、リン酸、ポリリン
酸、亜リン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリリン酸塩、
亜リン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル類、亜リン
酸エステル類、ホスホン酸エステル類、ホスフィン類及
び含硫黄リン化合物であることがより好ましく、ポリリ
ン酸塩が、一般式(NH4)m+2 m 3m +1(式中、mは
5より大きい整数を示す)で表わされるポリリン酸アン
モニウムであることが更に好ましい。また、式(3)及
び(4)で表わされるイソシアヌル酸類及びシアヌル酸
類より選ばれる少なくとも1種を成分として含有するこ
とが好ましい。
【0109】また、アミノ基含有化合物より選ばれる少
なくとも1種を成分として含有することが好ましく、ア
ミノ基含有化合物が、
【0110】
【化11】 を有する化合物、ジシアンジアミド、グアニジン及びこ
れらとアルデヒド類又はエポキシ化合物との反応物であ
ることがより好ましい。
【0111】更に、上記したリン類及びアミノ基含有化
合物を成分として含有せしめることが特に好ましい。
【0112】また、樹脂類が、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、熱可塑性エラストマーであることが好ましく、熱
可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ
アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
熱可塑性エラストマーがオレフィン系熱可塑性エラスト
マーであることがより好ましい。
【0113】更に、かかるポリオレフィン樹脂の中にお
いてもポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂は、難燃
化がきわめて困難であり、従来技術ではトリアジン系化
合物、リン系化合物等の添加剤を多量に必要とする為、
かかる添加剤の混和性の不良、物性の著しい低下等を惹
起する欠陥を有するが、一方、本発明に係わる改質され
た樹脂を用いる時、かかる樹脂にアミノトリアジニル基
が導入結合されている為これらの欠陥を著しく改良する
ことができ、本発明に係わる難燃化方法は、かかる樹脂
に対して特に有用である。
【0114】C. 本発明に係わる樹脂類の熱安定化方
法は、上記した(ロ)〜(ニ)項記載の改質された樹脂
類及び(リ)項記載のエポキシ変性樹脂類からなる群よ
り選ばれる少なくとも1種を含有せしめることにより、
樹脂類の熱安定性、耐紫外線性、長期耐熱性、耐候性等
が著しく改良される、高温加工時の樹脂の熱劣化、着
色、変色が少なく、優れた成型物等を提供することがで
きる、上記の改質された樹脂類が高温安定性、不揮発性
に優れ、取扱い等に優れ、更には銅等の重金属イオンに
よる樹脂類の分解劣化を著しく抑制することができ、優
れた樹脂類の改質方法を提供することができる。
【0115】更には、かかる樹脂類の1%、5%熱時減
量の温度等が著しく改良される為高温加工が容易とな
り、各種の成形加工ができる。例えば、ポリフェニレン
エーテル樹脂は、高温における熱時物性等が優れている
にも拘わらず、高温成形加工時に分解、ゲル化等を惹起
し、成形性が著しく不良の為、従来、ポリスチレン樹脂
等の樹脂類とのブレンド併用により成形加工性を向上さ
せる方法等が用いられ、該樹脂が本来有している優れた
熱時特性等を阻害され、場合によっては全く生かすこと
ができない。本発明に係わる改質された樹脂類は、かか
る熱安定性が著しく向上し、高温成形加工が可能となり
他樹脂とのブレンド等が極めて少量、あるいは不用とな
る等、安価で且つ優れた特性を有する新素材を提供する
こともできる。
【0116】本発明に係わるの樹脂類の熱安定化方法に
おいて、上記した改質された樹脂類及びエポキシ変性樹
脂類からなる改質樹脂類の使用量は、樹脂類中の全量あ
るいは部分量でもよく適宜選定することができるが、樹
脂類中にトリアジン核の含有量として0.01〜10重
量%、好ましくは0.02〜5重量%の量である。0.
01重量%より少ない場合には、熱、光等に対する十分
な安定性改良の効果が得難く、又、10重量%より多い
場合には、安定性改良の効果は特には向上しないばかり
か、経済的にも好ましくない。
【0117】本発明の樹脂類の熱安定化方法の対象とし
うる樹脂類としては前記した難燃化方法の対象樹脂類が
ほぼ同様に挙げられる。また、本発明に係わる樹脂類の
熱安定化方法には前記したフェノール系酸化防止剤、ア
ミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、光安定剤、造核
剤、他の添加剤等の添加剤を前記の量と同量程度併用す
ることによりまた以下に示すホスファイト系酸化防止剤
を併用することにより、本発明に係わる安定性改良の効
果を一層向上させることもでき、使用目的に応じて適宜
選択することができる。
【0118】なお、ホスファイト系酸化防止剤として
は、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスフ
ァイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、
フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルアシド
ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−
エチルヘキシル)ホスファイト、トリブチルホスファイ
ト、ジラウリルアシドホスファイト、ジトリデシルペン
タエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホス
ファイト、フェニル・4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、トリ
ラウリルトリチオホスファイト、トリス(ラウリル−2
−チオエチル)ホスファイト、ジフェニル・ビス〔4,
4′−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチ
ルフェノール)〕チオジエタノールジホスファイト、ビ
ス(ネオペンチルグリコール)1,4−シクロヘキサン
ジメチレンホスファイト、水素化−4,4′−イソプロ
ピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチ
ルフェニル)・ビス〔4,4′−n−ブチリデンビス
(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)〕1,6−
ヘキサンジオールジホスファイト、テトラトリデシル−
4,4′−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−
メチルフェノール)ジホスファイト、テトラトリデシル
−1,1,3−トリス(2′−メチル−5′−t−ブチ
ル−4′−オキシフェニル)ブタンジホスファイト、テ
トラ(C12-15 混合アルキル)4,4′−イソプロピリ
デンジフェニルジホスファイト等が挙げられる。これら
の使用量は、樹脂類に対し0.01〜10重量%が好ま
しい。
【0119】又、本発明に係わる樹脂類の熱安定化方法
において、かかる樹脂類の製造方法、他の添加剤の使用
は前記した樹脂類の難燃化方法におけると同様にして行
うことができるが、これらに限定されるものではない。
【0120】上記した本発明に係わる樹脂類の熱安定化
方法において、かかる樹脂類は熱可塑性樹脂、熱可塑性
エラストマー、合成ワックスであることが好ましく、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー及び炭化水素系合成ワ
ックスからなる群より選ばれる少なくとも1種であるこ
とがより好ましく、またポリオレフィン樹脂としてポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びエチレン−プロ
ピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種
であることが更に好ましい。
【0121】D. 本発明に係わる樹脂類の相溶化方法
は、上記(イ)項記載の改質された樹脂類及び(リ)項
記載のエポキシ変性樹脂類からなる群より選ばれる少な
くとも1種の樹脂類と、異なる2種以上の樹脂類とを相
溶化せしめることにより、異なる樹脂類の相溶性、分散
性が著しく改良されるばかりでなく物性が改良され新素
材が提供できる、高温加工時の樹脂類の熱劣化、着色、
変色が少ない、かかる材料が高温安定性、不揮発性に優
れ、昇華、ブリード等の発生が少なく取扱い、製造が簡
易である、溶解パラメーター差が大きい異なる樹脂類間
の相溶性、分散性をも改良される為かかる樹脂類の種類
の幅広い選択ができ各種の新素材を提供することができ
る、かかる材料は元の樹脂類の分解、ゲル化等による分
子量低下、変質等が殆どない為かかる樹脂類の特性等を
維持し易く優れた新素材が得られやすい等の点に優れ、
更には相溶化して得られる材料の熱安定性等も改良さ
れ、優れた樹脂類の改質方法を提供することができる。
【0122】本発明に係わる樹脂類の相溶化方法におい
て、上記した改質された樹脂類及びエポキシ変性樹脂類
の使用量は、相当する種の樹脂類の全量あるいは部分量
でもよく、場合により適宜選定することができる。改質
された樹脂類の使用量は、通常、相当する種の樹脂類中
に上記したノルボルネニル基含有化合物の反応残基の含
有量として0.1〜30重量%であり、場合により適宜
選定することができるが、0.1重量%より少ない場合
には十分な相溶性改良の効果が得難く、また30重量%
より多い場合には改良効果は特には向上しないばかり
か、経済的にも好ましくない。また、エポキシ変性樹脂
類の使用量は、通常、相当する種の樹脂類中に上記した
エポキシド類の反応残基の含有量として0.1〜40重
量%、好ましくは0.5〜30重量%であり、場合によ
り適宜選定することができるが、0.1重量%より少な
い場合には十分な相溶性改良の効果が得難く、また40
重量%より多い場合には改良効果は特には向上しないば
かりか、樹脂類の特性の低下等を惹起し易く、好ましく
ない。
【0123】本発明に係わる樹脂類の相溶化方法におい
て、上記した改質された樹脂類及びエポキシ変性樹脂類
からなる群より選ばれる少なくとも1種と異なる1種以
上の樹脂類とを含有せしめる方法、改質された樹脂類及
びエポキシ変性樹脂類からなる群より選ばれる異なる2
種以上を含有せしめる方法等が有用であるが、これらに
限定されるものではない。
【0124】尚、本発明に係わる改質された樹脂類は、
各種の官能基を含有する材料を提供することができる為
これらを用い更に改質を進めることができ、これらを上
記した改質された樹脂類等と同様に本発明に係わる相溶
化方法において用いることができる。式(2)で表わさ
れるノルボルネニル基含有化合物を用いて得られる改質
された樹脂類は、反応性に優れた活性アミノ基を有し、
上記したエポキシド類のみならず、無水マレイン酸変性
ポリプロピレン樹脂等のカルボン酸(無水物)類、ポリ
ウレタン樹脂等のイソシアネート類、スチレンー2−ビ
ニル−2−オキサゾリン共重合体等のオキサゾリン類、
テレフタルカルバルデヒド等のアルデヒド類等との変性
反応により改質を進めることができる為好ましく、これ
らは上記した改質された樹脂類等と同様に本発明に係わ
る相溶化方法において有用である。
【0125】本発明に係わる樹脂類の相溶化方法の対象
としうる樹脂類としては、前記した改質された樹脂類の
製造方法の対象樹脂類がほぼ同様に挙げられるが、ポリ
オレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エラストマーが好まし
い。異なる2種以上の樹脂類の具体例としては、例えば
ポリオレフィン樹脂とポリアミド樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、飽
和ポリエステル樹脂等との異種二元、多元樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアラミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂等との異
種二元、多元樹脂、エラストマーとポリオレフィン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、飽和ポリエステル樹
脂等との異種二元、多元樹脂、飽和ポリエステル樹脂及
びそれ以外の樹脂等の異種二元、多元樹脂が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0126】また、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法
において、上記した改質された樹脂類及びエポキシ変性
樹脂類の製造方法とかかる異なる樹脂類との相溶化方法
とを併行して行う方法、改質された樹脂類及びエポキシ
変性樹脂類を別途に得た後、これらを用い異なる樹脂類
等と相溶化する方法等が有用であり、場合により適宜選
定することができるが、これらの方法に限定されるもの
ではない。
【0127】更に、かかる材料を製造する方法には特に
制限はなく、通常かかる樹脂類の相溶化方法において用
いられる溶液法、ラテックス法、溶融法等が適用可能で
あり、例えば樹脂類のペレットあるいはパウダーを常温
で予め混合した後、混練機、例えば、単軸、二軸スクリ
ュー等の押出機、加熱ロール、バンバリミキサー、ニー
ダー等を用いて溶融混合し成形する方法等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0128】また、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法
には、前記したフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化
防止剤、硫黄系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止
剤、光安定剤、造核剤、他の添加剤等の添加剤を前記の
量と同量程度併用することもでき、使用目的に応じて適
宜選定することができる。
【0129】E. 本発明に係わる樹脂類の表面改質方
法は、上記(ロ)〜(二)項記載の改質された樹脂類及
び(リ)項記載のエポキシ変性樹脂類からなる群より選
ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることにより、か
かる樹脂類の濡れ性、接着性、被覆性、染色性、撥水撥
油性、耐溶剤性等が改良される、低分子量の添加剤でな
く高分子量の樹脂類自体の改質、変成ができるため高温
安定性、不揮発性に優れ、経時、熱等による改質成分の
消失等による効果の低減が惹起し難い、更には、樹脂類
との相溶性不良等による改質成分の分離、消失が惹起し
難い、表面の濡れ性を使用目的に応じて適宜選定するこ
とができる等の点に優れた樹脂類の改質方法を提供する
ことができる。
【0130】本発明に係わる樹脂類の表面改質方法は、
接着性、被覆性、染色性等の表面特性に著しい制約を有
するポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂に特に
有用である。かかる樹脂は、優れた物性、特性を有しな
がらかかる重大な欠点をがあるため用途に著しい制約を
有していたが、上記の方法によりこれらの欠点を克服し
より広い用途への展開が可能となった。
【0131】更に、ポリプロピレン繊維は、軽い、強
い、暖かい、乾き易い等の優れた特性を有するが、染色
性が著しく不良であるという重大な表面特性の欠陥を有
するため用途に著しい制約がある。
【0132】かかる染色性改良方法として、該改質剤の
添加、マレイン酸変性ポリプロピレン繊維の利用等多く
の提案されているが、かかる方法は、十分な染色性が得
られないこと、改質剤の分散、相溶性が不十分であるこ
と、耐熱性が著しく低下すること、耐候性が不良である
こと等の欠陥を有する。
【0133】本発明に係わる樹脂類の表面改質方法は、
染色性を著しく改良する官能基を必要な量だけかかる樹
脂類に結合導入することができるため、染色性に優れて
いる、分散、相溶性の不安がない、耐熱性、耐候性が優
れている、樹脂類の分子量低下等の変質、熱劣化等が著
しく少ない等、染色性の改質に極めて優れている。
【0134】かかる改質された繊維の製造、染色方法
は、公知の紡糸方法、染料、染色条件、ソーピング法等
により行うことができ、かかる改質された繊維には、ア
ミノトリアジニル基が結合導入されているため、酸性染
料等の染料が有用であるが、これらに制限されるもので
はない。
【0135】尚、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法
において、式(2)で表されるノルボルネニル基含有化
合物を用いて得られる改質された樹脂類から提供される
樹脂類表面には、反応性に優れた活性アミノ基が著しく
顕在する為、この樹脂類表面をアルデヒド類、エポキシ
ド類、カルボン酸(無水物)類、イソシアナート類、オ
キサゾリン類、クロロシラン、アルコキシシラン、シラ
ザン、特殊シリル剤等のシラン類、ビニルシラン、エポ
キシシラン、含フッ素シラン等のシランカップリング剤
等により反応処理せしめて更に表面を改質することもで
き、かかる方法も極めて有用である。
【0136】更には、被覆用、接着剤用樹脂組成物中
に、上記(ロ)〜(ニ)項記載の改質された樹脂類及び
(リ)項記載のエポキシ変性樹脂類からなる群より選ば
れる少なくとも1種の樹脂類を用いることにより、かか
る樹脂類と良好な相溶性を有するセグメントを含有する
ため材料との密着性に優れている、耐溶剤性、耐水性等
が良好である等の点に優れ、良好な被覆性を有する被覆
用樹脂組成物、又、かかる樹脂類と良好な相溶性を有す
るセグメントと、他基材との接着性に優れたセグメント
とを併せ持つ為、かかる材料に良好な接着性を有する、
各種材料を用いた複合材を提供することができる等の点
に優れ、良好な接着性を有する接着剤用樹脂組成物をも
提供することができる。
【0137】本発明に係わる樹脂類の表面改質方法にお
いて、改質された樹脂類及びエポキシ変成樹脂類の使用
量は、かかる樹脂類の全量あるいは部分量でもよく、こ
れらの混合あるいは単独にても有用であり、エポキシ変
性樹脂類を用いると、各種材料との接着性を使用目的に
より適宜選定し優れた表面改質を行うことができる為特
に好ましい。例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレ
ン樹脂等の樹脂類において、通常、物性等の改良のため
オレフィン系熱可塑性エラストマー等ゴム類と併用され
るが、これらの濡れ性、接着性、被覆性等の表面特性を
改質せしめる時に、上記した改質された樹脂及び改質さ
れたゴム類の両方、あるいは何れか一方を、全量あるい
は部分量用いる等の方法よりかかる表面特性の改質を行
うことができるが、使用目的等により適宜選定すること
ができる。
【0138】かかる改質された樹脂類の使用量は、通
常、相当する種の樹脂類中に上記したノルボルネニル基
含有化合物の反応残基の含有量として0.1〜30重量
%であり、場合により適宜選定することができるが、
0.1重量%より少ない場合には十分な表面改質の効果
が得難く、また30重量%より多い場合には改良効果は
特には向上しないばかりか、樹脂類の特性の低下等を惹
起し易く、更には、経済的にも好ましくない。
【0139】又、エポキシ変性樹脂類の使用量は、通
常、相当する種の樹脂類中に上記したエポキシド類の反
応残基の含有量として、0.1〜30重量%であり、場
合により適宜選定することができるが、0.1重量%よ
り少ない場合には十分な表面改質の効果が得難く、また
30重量%より多い場合には、かかる樹脂類の特性の低
下等を惹起し易く、好ましくない。
【0140】又、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法
において、かかる樹脂類の製造方法、他の添加剤の使用
は前記した樹脂類の難燃化方法におけると同様にして行
うことができるが、これらに限定されるものではない。
【0141】又、上記した被覆用樹脂組成物おいて、改
質された樹脂類及びエポキシ変性樹脂類の使用量は、か
かる樹脂組成物の全量あるいは部分量でもよく、これら
の混合あるいは単独にても有用であるが、エポキシ変性
樹脂類は各種樹脂類との密着性、耐溶剤性、耐水性等に
著しく優れた被覆性能を有するため特に好ましい。更に
は、エポキシド類としてビスフェノールーA、ビスフェ
ノールーF、ナフタレン骨格を有する化合物を用いて得
られるエポキシ変性樹脂類が好ましい。
【0142】又、上記した接着剤用樹脂組成物おいて、
改質された樹脂類及びエポキシ変性樹脂類の使用量は、
かかる樹脂組成物の全量あるいは部分量でもよく、これ
らの混合あるいは単独にても有用であり、エポキシ変性
樹脂類は各種材料との接着性に著しく優れているため特
に好ましい。更には、エポキシド類としてビスフェノー
ル−A、ビスフェノールーF、ナフタレン骨格を有する
化合物を用いて得られるエポキシ変性樹脂類は、広範囲
な素材との接着性に優れ、特に好ましい。
【0143】更に、かかる接着剤用樹脂組成物は、溶剤
型、無溶剤型、ホットメルト型接着剤等の固形溶融使用
タイプ、粘着剤等の室温流動タイプ等いずれの態様でも
よく、使用目的等により適宜選定することができる。
【0144】以上に記載した本発明に係わる改質された
樹脂類等の製造方法並びにその利用においてそれぞれ次
のような発明の効果をもたらす。
【0145】本発明に係わる改質された樹脂類の製造方
法は、上記したノルボルネニル基含有化合物と樹脂類と
を特定の条件下にて反応を行うことにより、分子量、物
性等を損なわずに改質することができる、難燃性、熱安
定性、耐熱性、相溶性、濡れ性、接着性、被覆性、染色
性等の表面特性、成形特性、電気特性、光沢等の改質に
優れた官能基を結合導入することができる優れたもので
ある。更に、本発明のエポキシ変性樹脂類の製造法は、
上記した特定の改質された樹脂類とエポキシド類とを特
定の条件下にて反応を行うことにより、製造が簡易であ
り、樹脂類の濡れ性、被覆性、接着性、染色性等の表面
特性、成形特性、電気特性等を著しく改質せしめる、異
なる樹脂類間の相溶性、分散性をより一層良好ならしめ
る樹脂類を提供できる等に優れたものであり、樹脂類の
より広い用途等への展開が可能となり、産業上極めて優
れた発明である。
【0146】本発明に係わる樹脂類の難燃化方法は、上
記したノルボルネニル基含有化合物[式(2)]及びこ
れらの縮合物、エーテル化縮合物を用いて得られる改質
された樹脂類、エポキシ変性樹脂類を用いることによ
り、樹脂類の難燃性を著しく向上させることができる方
法である。メラミン等の難燃剤添加方法に比して昇華、
ブリード等の発生が見られないこと、難燃性付与成分が
樹脂類に結合導入している為かかる成分の経時にともな
う消失、ブリード等の分散不良等が惹起し難いため長期
に亘り効果を維持することができ、かかる樹脂類の難燃
性を著しく向上させ、更には特性、物性を損なわないこ
と、チャー生成等が極めて良好であり油滴、溶融物の垂
れ、落下が著しく少ないこと、更には燃焼時に極めて有
害なガス等の排出が見られないこと等の樹脂類の難燃性
改良の効果に優れたものであり、更には、上記した材料
とリン類、イソシアヌル酸類、シアヌル酸類、アミノ基
含有化合物とを併用することにより、相乗効果により一
層向上した難燃性が得られる樹脂類の難燃化方法を提供
することができ、樹脂類のより広い用途への展開等が可
能となり、産業上極めて優れた発明である。
【0147】また、本発明に係わる樹脂類の熱安定化方
法は、上記したノルボルネニル基含有化合物[式
(2)]及びこれらの縮合物、エーテル化縮合物を用い
て得られる改質された樹脂類、エポキシ変性樹脂類を用
いることにより、耐紫外線性、熱安定性、耐熱性等が著
しく改良され、高温時の成形加工を行う場合にも熱劣
化、着色、変色が少なく熱安定性、耐熱性が改良され、
比較的高温下での長時間の使用に際して劣化が抑制され
物性の保持が著しく改善される、熱安定性付与成分が樹
脂類に結合導入されている為経時にともなう消失、ブリ
ード等の分散不良等が惹起し難いため長期に亘り効果を
維持することができ、且つかかる効果が著しく優れてい
る等熱、光等に対する安定性効果が著しく且つ効果を長
期に示し、副次的に弊害を誘発することがないこと、更
には、銅等の重金属イオンにより樹脂類の分解劣化が促
進させる欠点を著しく抑制すること、熱安定性、耐熱性
が著しく向上し高温成形加工が極めて容易になり、優れ
た特性を有する新素材を提供することができる等の樹脂
類の熱安定性改良の効果に著しく優れたものであり、樹
脂類のより広い用途等への展開が可能となり、産業上極
めて優れた発明である。
【0148】更に、本発明に係わる樹脂類の相溶化方法
は、上記した改質された樹脂類、エポキシ変性樹脂類を
含む異なる2種以上の樹脂類に用いることにより、異な
る樹脂類の相溶性、分散性が著しく改良されるばかりで
なく、耐衝撃性、剛性、難燃性、耐熱性、耐薬品性、バ
リヤー性、真珠光沢、成形加工性、接着性、被覆性等の
新しい性質が付与された新素材が提供できる、高温加工
時の樹脂類の着色、変色が少ない、かかる材料が高温安
定性、不揮発性に優れ、昇華、ブリード等の発生が少な
く接着性、電気特性等に優れ、取扱い、製造が簡易であ
る、溶解パラメーター差が大きい異なる樹脂類間の相溶
性、分散性をも改良される為かかる樹脂類の種類の幅広
い選択ができる、かかる材料は元の樹脂類の分解等によ
る分子量低下、変質等が殆どない為かかる樹脂類の特性
等を維持し易い、相溶化せしめる異なる樹脂類自身を用
いて改質された樹脂類、エポキシ変性樹脂類を得ること
ができ相溶化のための低分子量化合物等の第三成分の使
用を要しないため極めて優れた新素材を提供できる、更
には相溶化して得られる材料の熱安定性、耐水性、耐薬
品性等も改良することができるものであり、樹脂類のよ
り広い用途への展開等が可能となり、産業上極めて優れ
た発明である。
【0149】又、本発明に係わる樹脂類の表面改質方法
は、上記した改質された樹脂類及びエポキシ変性樹脂類
からなる改質樹脂類を用いることにより、樹脂類の濡れ
性、接着性、被覆性、染色性、撥水撥油性等の表面特性
を著しく向上させることができる、表面改質剤等の第三
成分の使用を要しないため表面改質化成分の消失等によ
る効果の低下を惹起し難く、かかる樹脂類の物性も低下
し難い、成形後等に表面改質を行う必要がない為各種形
状物に対し良好な均質な表面改質を行うことができる、
特に、接着性、被覆性、染色性等の表面特性に著しい制
約を有するポリオレフィン樹脂等の樹脂類にかかる官能
基を結合導入して、かかる樹脂、繊維類の表面特性を著
しく改質することができる等の優れた点を有するもので
ある。
【0150】更に、本発明は、上記した改質材料を用い
てなる被覆用樹脂組成物、接着剤用樹脂組成物を提供す
ることができ、かかる被覆用樹脂組成物は、樹脂類との
密着性に優れ、耐溶剤性、耐水性等にも優れたものであ
り、接着剤用樹脂組成物は、かかる樹脂類と良好な相溶
性を有するセグメントと他基材との接着性に優れたセグ
メントとを併せ持つ為各種材料との接着性が優れ、新素
材をも提供することができるものであり、樹脂類のより
広い用途への展開が可能となり、産業上極めて優れた発
明である。
【0151】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例により詳細に
説明する。但し、これらの参考例、実施例記載は、本発
明の範囲をこれらのみに限定されるものではない。 参考例1 ノルボルネンカルボグアナミンーホルムアルデヒド縮合
物の合成:2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリ
アジン−2−イル)ービシクロ[2.2.1]ヘプタ−
5−エン(以下、ノルボルネンカルボグアナミンと略
す)203.0g(1モル)に、37%ホルマリン溶液
243.2g(3.0モル)を加え、混合攪拌しながら
20%苛性カリ水溶液でpH10.5に調整した。この
混合物を温度70℃にて1時間攪拌しながら加熱した。
加熱終了後、この反応混合物に20%硝酸水溶液を加え
てpH2.0に調整した。更に、この反応混合物を温度
70℃にて攪拌しながら加熱すると徐々に白濁し、3時
間加熱反応を行った。加熱終了後、この反応混合物を2
0%苛性カリ水溶液でpH8.0に調整した後、沈澱物
を濾別した。これを蒸留水で十分に洗浄後、減圧乾燥し
て白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、平均
付加縮合度が3.8の縮合物であった。 参考例2 ノルボルネンカルボグアナミンーホルムアルデヒド縮合
物の合成:ノルボルネンカルボグアナミン203.0g
(1モル)に、37%ホルマリン溶液243.2g
(3.0モル)を加え、混合攪拌しながら20%苛性カ
リ水溶液でpH10.5に調整した。この混合物を温度
70℃にて30分間攪拌しながら加熱した。加熱終了
後、この反応混合物に20%硝酸水溶液を加えてpH
4.0に調整した。更に、この反応混合物を温度60℃
にて攪拌しながら加熱すると徐々に白濁し、1時間加熱
反応を行った。加熱終了後、この反応混合物を20%苛
性カリ水溶液でpH7.0に調整した。この反応混合物
にベンゼン200gを加えて加熱し、脱ベンゼンを行っ
た後、沈澱物を濾別した。これを蒸留水で十分に洗浄
後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析
した結果、平均付加縮合度が1.6の縮合物であった。 参考例3 ノルボルネンカルボグアナミンのエーテル化縮合物の合
成:ノルボルネンカルボグアナミン203.0g(1モ
ル)に、パラホルムアルデヒド(80%品)131.3
g(3.5モル)及びn−ブタノール500mlを加
え、混合攪拌しながら20%苛性カリ水溶液でpH1
1.0に調整した。この混合物を温度60℃にて30分
間攪拌しながら加熱した後、20%硝酸水溶液を加えて
pH3.0に調整した。更に、この反応混合物を還流温
度条件下にて還流脱水を行いながら3時間攪拌しながら
加熱した。加熱終了後、この反応混合物を20%苛性カ
リ水溶液でpH8.0に調整した後、沈澱物の濾過を行
った。この溶液から脱溶剤をして樹脂状物を得て分析し
た結果、ブチルエーテル基を含有する平均付加縮合度
2.3のエーテル化縮合物であった。 参考例4 エポキシ化ポリフェニレンエーテル樹脂の合成:攪拌
機、挿入口を装着した2リットルオートクレーブに、ポ
リフェニレンエーテル樹脂(数平均分子量21000)
20g及びエピクロルヒドリン1リットルを仕込み、系
内を窒素にて置換した後、徐々に100℃まで昇温し
た。内温を100℃に保ちながら攪拌して溶解させた。
次いで、これに10%苛性ソーダ水溶液5ccを加えた
後、内温100℃にて5時間反応を行った。反応終了
後、エピクロルヒドリン残量を減圧溜去し、得られた固
形分にクロロホルムを加え溶解させた。この溶液の不溶
分を濾別除去後、メタノールー水系混合溶媒を加え析出
した沈澱物を濾別した。この沈澱物を上記混合溶媒にて
十分洗浄後、減圧乾燥してエポキシ化ポリフェニレンエ
ーテル樹脂を得た。これを分析した結果、エポキシ当量
24000のものであった。 実施例1 改質されたポリプロピレン樹脂の製造:ポリプロピレン
樹脂三井ノーブレンJS−G〔三井東圧化学(株)製〕
100重量部、ノルボルネンカルボグアナミン10重量
部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部を
ヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施
した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィ
ードし、260℃で10分間滞留する条件下で混練反応
を行い、次いでペレット化した。
【0152】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱
物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、
減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した
結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)
骨格4.9重量%が結合した改質されたポリプロピレン
樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペ
クトル分析結果を下記に示す。
【0153】 元素分析 C H N 測定値: 83.1 % 13.8 % 3.1 % 赤外線吸収スペクトル分析 NH2に基ずく吸収 3320 、 3150 cm-1 C=Nに基ずく吸収 1630 、 1550 cm-1トリアシ゛ン 核に基ずく吸収 815 cm-1 実施例2 改質されたポリプロピレン樹脂の製造:実施例1におけ
るノルボルネンカルボグアナミン10重量部の代わり
に、同上化合物25重量部を用いる以外は、実施例1と
同様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
【0154】このペレットを用いて実施例1と同様にし
て溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後
分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリ
アジン)骨格10.9重量%が結合した改質されたポリ
プロピレン樹脂であった。この固形分の元素分析結果を
下記に示す。
【0155】又、このペレットのMI値を測定した結
果、1.8であった。一方、比較例として、上記のポリ
プロピレン樹脂のみを同様に混練して得たものは、MI
値2.3であり、本発明に係わる該製造方法は、樹脂類
の分子量の低下、変色等を極めて惹起し難い優れたもの
であった。
【0156】 元素分析 C H N 測定値: 80.1 % 13.0 % 6.9 % 実施例3 改質されたポリプロピレン樹脂の製造:実施例1におけ
るポリプロピレン樹脂三井ノーブレンJS−G〔三井東
圧化学(株)製〕の代わりに、MI値100の低重合度ポリ
プロピレン樹脂を用いる以外は、実施例1と同様に混練
反応を行い、次いでペレット化した。
【0157】このペレットを用いて実施例1と同様にし
て溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥後
分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリ
アジン)骨格4.9重量%が結合した改質されたポリプ
ロピレン樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下
記に示す。
【0158】 元素分析 C H N 測定値: 83.2 % 13.7 % 3.1 % 比較例1 ポリプロピレン樹脂の改質試験:実施例1におけるノル
ボルネンカルボグアナミン10重量部の代わりに、2−
(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イ
ル)ービシクロ[2.2.1]ヘプタン10重量部を用
いる以外は、実施例1と同様にして混練反応を行い、次
いでペレット化した。
【0159】このペレットを用いて実施例1と同様にし
て溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥
後、元素分析、赤外線吸収スペクトル分析した結果、
(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格の
含有、結合は見られず、原料ポリプロピレン樹脂と同じ
であり、原料ポリプロピレン樹脂は改質されていなかっ
た。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
【0160】 元素分析 C H N 測定値: 85.6 % 14.4 % 0.0 % 比較例2 ポリプロピレン樹脂の改質試験:ポリプロピレン樹脂三
井ノーブレンJS−G〔三井東圧化学(株)製〕100
重量部、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水
物10重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.
1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素
シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押
出機にフィードし、混練温度240℃で10分間滞留す
る条件下で混練反応を行い、次いでペレット化した。
【0161】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメタノールを注ぎ、析出した沈澱物を濾
別した。これをメタノールで十分洗浄後、減圧乾燥して
白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸収スペクトル
分析した結果、カルボキシル基及び同無水物に基づく吸
収(1710、1770、1785、1860cm-1等)
が見られず、ポリプロピレン樹脂は全く改質されていな
かつた。
【0162】又、上記における混練温度240℃の代わ
りに、混練温度260℃または280℃にて混練反応を
行う以外は、上記と同様にして混練反応、処理、分析を
行った結果、これらの混練条件下においてもポリプロピ
レン樹脂は全く改質されていなかつた。 比較例3 ポリプロピレン樹脂の改質試験:比較例2における5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物10重量部
の代わりに、無水マレイン酸10重量部を用いる以外
は、比較例2と同様にして混練反応を行い、次いでペレ
ット化した。
【0163】このペレットを用いて比較例2と同様にし
て処理を行い白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸
収スペクトル分析した結果、カルボキシル基及び同無水
物に基づく吸収(1710、1770、1785、18
60cm-1等)が見られず、ポリプロピレン樹脂は全く改
質されていなかった。 実施例4 改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例2における
ポリプロピレン樹脂三井ノーブレンJS−G〔三井東圧
化学(株)製〕の代わりに、ポリエチレン樹脂ハイゼッ
クス6200BP〔三井石油化学(株)製]を用いる以
外は、実施例1と同様に混練反応を行い、次いでペレッ
ト化した。
【0164】このペレットを用いて実施例1と同様にし
て溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥
後、元素分析、赤外線吸収スペクトル分析した結果、
(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格1
1.3重量%が結合した改質されたポリエチレン樹脂で
あった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
【0165】 元素分析 C H N 測定値: 79.8 % 13.0 % 7.2 % 実施例5 改質されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造:極限粘
度[η]が0.42であるポリ2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル100重量部、ノルボルネンカ
ルボグアナミン10重量部及びジラウリルチオジプロピ
オネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合
した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸ス
クリュー式押出機にフィードし、310℃で10分間滞
留する条件下で混練反応を行い、次いでペレット化し
た。
【0166】このペレットをクロロホルムで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱
物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、
減圧乾燥して黄色固形分を得た。この固形分を分析した
結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)
骨格4.9重量%が結合した改質されたポリフェニレン
エーテル樹脂(改質前樹脂中に窒素分0.1重量%含
有)であった。この固形分の元素分析結果を下記に示
す。
【0167】又、このペレットの分子量をGPCにて測
定した結果、上記の混練反応前の原料ポリフェニレンエ
ーテル樹脂とほぼ同じであり、本発明に係わる該製造方
法は、樹脂類の分子量の変化、変色等を極めて惹起し難
い優れたものであった。 元素分析 C H N 測定値: 77.8 % 6.6 % 3.2 % 実施例6 改質されたポリスチレン樹脂の製造:ポリスチレン樹脂
トーポレックス570−02〔三井東圧化学(株)製〕
100重量部、ノルボルネンカルボグアナミン5重量部
及びトリスー(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−
ブチルフェニル)ブタン0.1重量部をヘンシェルミキ
サーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベ
ント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、250
℃で15分間滞留する条件下で混練反応を行い、次いで
ペレット化した。
【0168】このペレットをクロロホルムで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱
物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、
減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した
結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)
骨格2.5重量%が結合した改質されたポリスチレン樹
脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペク
トル分析結果を下記に示す。
【0169】 元素分析 C H N 測定値: 90.7 % 7.7 % 1.6 % 赤外線吸収スペクトル分析 NH2に基ずく吸収 3310 、 3160 cm-1 C=Nに基ずく吸収 1630 、 1550 cm-1トリアシ゛ン 核に基ずく吸収 818 cm-1 実施例7 改質された飽和ポリエステル樹脂の製造:飽和ポリエス
テル樹脂テイジンPBT樹脂TRB−H〔帝人(株)
製〕100重量部、ノルボルネンカルボグアナミン10
重量部及びトリスー(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン0.1重量部をヘンシェ
ルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した20
mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、
260℃で15分間滞留する条件下で混練反応を行い、
次いでペレット化した。
【0170】このペレットをジクロロエタンで溶解さ
せ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過
した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した
沈澱物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄
後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析
した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン)骨格4.3重量%が結合した改質された飽和ポリエ
ステル樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸
収スペクトル分析結果を下記に示す。
【0171】 元素分析 C H N 測定値: 64.5 % 5.5 % 2.7 % 赤外線吸収スペクトル分析 NH2に基ずく吸収 3320 、 3160 cm-1 C=Nに基ずく吸収 1630 、 1550 cm-1トリアシ゛ン 核に基ずく吸収 816 cm-1 実施例8 改質されたポリアミド樹脂の製造:ポリアミド樹脂東洋
紡ナイロンT−802〔東洋紡績(株)製〕100重量
部及びノルボルネンカルボグアナミン10重量部をヘン
シェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した
20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィード
し、250℃で15分間滞留する条件下で混練反応を行
い、次いでペレット化した。
【0172】このペレットをm−クレゾールで溶解さ
せ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過
した後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した
沈澱物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄
後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析
した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン)骨格4.8重量%が結合した改質されたポリアミド
樹脂であった。この固形分の元素分析結果を下記に示
す。
【0173】 元素分析 C H N 測定値: 62.5 % 9.5 % 14.7 % 実施例9 改質されたポリメタクリル樹脂の製造:ポリメタクリル
樹脂パラペットHR〔協和ガス化学工業(株)製〕10
0重量部及びノルボルネンカルボグアナミン10重量部
をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを
施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフ
ィードし、260℃で15分間滞留する条件下で混練反
応を行い、次いでペレット化した。
【0174】このペレットをメチルエチルケトンで溶解
させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾
過した後、この濾液にメタノールを注ぎ、析出した沈澱
物を濾別した。これをメタノールで十分洗浄後、減圧乾
燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、
(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格
4.7重量%が結合した改質されたポリメタクリル樹脂
であった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
【0175】 元素分析 C H N 測定値: 55.4 % 6.9 % 3.0 % 実施例10 改質されたEPゴムの製造:EPゴムJSR EP01
P〔日本合成ゴム(株)製〕100重量部及びノルボル
ネンカルボグアナミン10重量部を、窒素シールを施し
たベント付きニーダー式混練機にフィードし、240℃
ー30分間条件下で混練反応を行い、次いで混練物を取
りだした。
【0176】この混練物を熱キシロールで溶解させ、メ
ンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、固形分を濾別
した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、減圧乾燥
して白色固形分を得た。この固形分を分析した結果、
(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格
4.4重量%が結合した改質されたEPゴムであった。
この固形分の元素分析結果を下記に示す。
【0177】 元素分析 C H N 測定値: 83.4 % 13.8 % 2.8 % 実施例11 改質されたPPワックスの製造:PPワックス三井ハイ
ワックスNP055〔三井石油化学(株)製〕100重
量部及び参考例1の方法で得られたノルボルネンカルボ
グアナミンの縮合物20重量部を、窒素シールを施した
ベント付きニーダー式混練機にフィードし、260℃ー
20分の条件下で混練反応を行い、次いで混練物を取り
だした。
【0178】この混練物を熱キシロールで溶解させ、メ
ンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、樹脂状物を分
別した。この処理操作を2回繰り返した後、この樹脂状
物を減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析
した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン)骨格8.8重量%が結合した改質されたPPワック
スであった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
【0179】 元素分析 C H N 測定値: 81.3 % 13.1 % 5.6 % 実施例12〜16 改質されたポリプロピレン樹脂の製造:実施例1におけ
るノルボルネンカルボグアナミンの代わりに表ー1に示
すノルボルネニル基含有化合物を用いる以外は、実施例
1と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化し
た。
【0180】このペレットを用いて実施例1と同様にし
て溶剤処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥
後、N含有量(元素分析)を行った。その結果を表ー1
に示す。
【0181】表ー1に示した如く、本発明に係わるノル
ボルネニル基含有化合物を用い反応させることにより改
質されたポリプロピレン樹脂を簡易に且つ収率よく製造
できる優れたものであった。
【0182】
【表1】 実施例17 改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂
レクストロンJ79−4F25〔日石化学(株)製〕1
00重量部、ノルボルネンカルボグアナミン20重量部
及びジラウリルチオプロピオネート0.1重量部をヘン
シェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した
20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィード
し、280℃で10分間滞留する条件下で混練反応を行
い、次いでペレット化した。このペレットを熱キシロー
ルで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μ
m)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注
ぎ、析出した沈澱物を濾別した。これをメチルセロソル
ブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この
固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,
5−トリアジン)骨格9.1重量%が結合した改質され
たポリエチレン樹脂であった。この固形分の元素分析結
果を下記に示す。
【0183】 元素分析 C H N 測定値: 80.9 % 13.3 % 5.8 % 実施例18 改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂
ハイゼックス6200BP〔三井石油化学(株)製]1
00重量部、5−ノルボルネン−2−カルボニルクロラ
イドとイソフタル酸との反応物(2/1モル比)5重量
部及びジラウリルチオプロピオネート0.1重量部ヘン
シェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した
20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィード
し、260℃で10分間滞留する条件下で混練反応を行
い、次いでペレット化した。
【0184】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にm−クレゾールを注ぎ、析出した沈澱物
を濾別した。これをm−クレゾールで十分洗浄後、減圧
乾燥して白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸収ス
ペクトル分析した結果、エステル結合、フェニル骨格を
有する改質されたポリエチレン樹脂であった。 実施例19 改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂
ハイゼックス6200BP〔三井石油化学(株)製]1
00重量部、5−ノルボルネン−2−カルボニルクロラ
イドとジアミノジフェニルエーテルとの反応物(2/1
モル比)5重量部及びジラウリルチオプロピオネート
0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、
窒素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー
式押出機にフィードし、260℃で10分間滞留する条
件下で混練反応を行い、次いでペレット化した。
【0185】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にm−クレゾールを注ぎ、析出した沈澱物
を濾別した。これをm−クレゾールで十分洗浄後、減圧
乾燥して白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸収ス
ペクトル分析した結果、アミド結合、フェニル骨格を有
する改質されたポリエチレン樹脂であった。 実施例20 改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例19におけ
る5−ノルボルネン−2−カルボニルクロライドとジア
ミノジフェニルエーテルとの反応物(2/1モル比)の
代わりに、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2−イル)−2−オキサゾリンと安息香酸との反
応物(1/1モル比)を用いる以外は、実施例19と同
様にして混練反応を行い、次いでペレット化した。
【0186】このペレットを用いて実施例19と同様に
して溶剤処理を行った。この得られた固形分を赤外線吸
収スペクトル分析した結果、アミド結合、エステル結
合、フェニル骨格を有する改質されたポリエチレン樹脂
であった。 実施例21 改質されたパラフィンワックスの製造:パラフィンワッ
クス155〔日本精蝋(株)製]100重量部、ノルボ
ルネンカルボグアナミン10重量部及びジラウリルチオ
プロピオネート0.1重量部を、ベント、攪拌機及び冷
却機を装着した500mlオートクレーブに投入した。
この系中を窒素にて置換した後、内温250℃にて30
分間攪拌しながら反応を行った。反応終了後、樹脂状物
の反応混合物を取り出した。 この樹脂
状物を熱トルエンで溶解させ、メンブランフィルター
(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチル
セロソルブを注ぎ、樹脂状物を分別した。この処理操作
を2回繰り返した後、この樹脂状物を減圧乾燥して白色
固形分を得た。この固形分を分析した結果、(4,6−
ジアミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.7重量%
が結合した改質されたパラフィンワックスであった。こ
の固形分の元素分析結果を下記に示す。
【0187】 元素分析 C H N 測定値: 83.2 % 13.8 % 3.0 % 実施例22 EP変性ポリプロピレン樹脂の製造:実施例1の方法で
得られた改質されたポリプロピレン樹脂のペレット10
0重量部及びエポキシ樹脂エピコート#1009[油化
シェルエポキシ(株)製]20重量部をミキサーで十分
混合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二
軸スクリュー式押出機にフィードし、260℃で10分
間滞留する条件下で混練反応を行い、次いでペレット化
した。
【0188】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱
物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、
減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した
結果、ビスフェノールA骨格を有するEP変性ポリプロ
ピレン樹脂であった。この固形分の元素分析、赤外線吸
収スペクトル分析結果を下記に示す。
【0189】 元素分析 C H N 測定値: 82.2 % 13.0 % 2.7 % 赤外線吸収スペクトル分析フェニル 核に基ずく吸収 1603 、 1500 cm-1 実施例23 EP変性EPゴムの製造:実施例10の方法で得られた
改質されたEPゴムの混練物100重量部及びエポキシ
樹脂エピコート#1004[油化シェルエポキシ(株)
製]10重量部をミキサーで十分混合した後、窒素シー
ルを施したベント付きニーダー式押出機にフィードし、
230℃ー30分の条件下で混練反応を行い、次いで混
練物を取り出した。
【0190】この混練物を熱キシロールで溶解させ、メ
ンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、樹脂状物を分
別した。この処理操作を2回繰り返した後、この樹脂状
物を減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析
した結果、ビスフェノールA骨格を有するEP変性EP
ゴムであった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペ
クトル分析結果を下記に示す。
【0191】 元素分析 C H N 測定値: 82.8 % 13.3 % 2.6 % 赤外線吸収スペクトル分析フェニル 核に基ずく吸収 1603 、 1501 cm-1 実施例24 EP変性PPワックスの製造:実施例11の方法で得ら
れた改質されたPPワックスの混練物100重量部及び
エポキシ樹脂エピコート#1010[油化シェルエポキ
シ(株)]20重量部をミキサーで十分混合した後、窒
素シールを施したベント付きニーダー式押出機にフィー
ドし、230℃ー20分の条件下で混練反応を行い、次
いで混練物を取り出した。
【0192】この混練物を熱キシロールで溶解させ、メ
ンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルエチルケトンを注ぎ、樹脂状物を
分別した。この処理操作を2回繰り返した後、この樹脂
状物を減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分
析した結果、ビスフェノールA骨格を有するEP変性P
Pワックスであった。この固形分の元素分析、赤外線吸
収スペクトル分析結果を下記に示す。
【0193】 元素分析 C H N 測定値: 80.7 % 12.5 % 5.0 % 赤外線吸収スペクトル分析フェニル 核に基ずく吸収 1601 、 1500 cm-1 実施例25 EP変性ポリエチレン樹脂の製造:実施例4の方法で得
られた改質されたポリエチレン樹脂のペレット100重
量部及びp−ベンジルフェニルグリシジルエーテル10
重量部をミキサーで十分混合した後、窒素シールを施し
た20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィー
ドし、230℃で20分間滞留する条件下で混練反応を
行い、次いでペレット化した。
【0194】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にメチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱
物を濾別した。これをメチルセロソルブで十分洗浄後、
減圧乾燥して白色固形分を得た。この固形分を分析した
結果、フェニル骨格を有するEP変性ポリエチレン樹脂
であった。この固形分の元素分析、赤外線吸収スペクト
ル分析結果を下記に示す。
【0195】 元素分析 C H N 測定値: 79.8 % 12.6 % 6.7 % 赤外線吸収スペクトル分析フェニル 核に基ずく吸収 1600 、 1502 cm-1 実施例26 EP変性ポリプロピレン樹脂の製造:実施例1の方法で
得られた改質されたポリプロピレン樹脂のペレット10
0重量部及び参考例4の方法で得られたエポキシ化ポリ
フェニレンエーテル樹脂のペレット20重量部をミキサ
ーで十分混合した後、窒素シールを施した20mmφベン
ト付き二軸スクリュー式押出機にフィードし、280℃
で10分間滞留する条件下で混練反応を行い、次いでペ
レット化した。
【0196】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にクロロホルムを注ぎ、析出した沈澱物を
濾別した。これをクロロホルムで十分洗浄後、減圧乾燥
して固形分を得た。この固形分を熱キシロールに再溶融
させた後、メチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱物を
濾別し、上記と同様に処理して固形分を得た。この固形
分を分析した結果、ポリフェニレンエーテル樹脂骨格を
有するEP変性ポリプロピレン樹脂であった。この固形
分の元素分析結果を下記に示す。
【0197】 元素分析 C H N 測定値: 82.8 % 13.0 % 2.8 % 実施例27 実施例2の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹
脂のペレット99重量部、ジラウリルチオジプロピオネ
ート0.6重量部及びペンタエリスリチルーテトラキス
[3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]0.4重量部からなるポリプロ
ピレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより210℃
−6分の条件で混練し、次いで押出機にて混練しペレッ
ト化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/1
6インチの燃焼性測定用試験片を作成した。
【0198】この試験片を用い、米国Under Wr
iters Laboratories Inc.のS
ubject94に示された垂直燃焼試験法に準拠し試
験を行った結果、レベルV−1であり、燃焼時の溶融落
下物はなく且つ燃焼物の形状保持状態が良く、上記した
ポリプロピレン樹脂組成物は優れた難燃性を有するもの
であった。 実施例28 実施例1の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹
脂のペレット80重量部、ポリリン酸アンモニウム「エ
キソリット422」(ヘキスト社製)19重量部、ジラ
ウリルチオジプロピオネート0.6重量部及びペンタエ
リスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジーt−ブチ
ルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.4
重量部からなるポリプロピレン樹脂組成物を、実施例2
7と同様にして試験片を作成した。
【0199】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て燃焼性試験を行った結果、レベルV−0であり且つ燃
焼物の形状保持状態が良好であった。更に、本発明に係
わる改質されたポリプロピレン樹脂とリン類とを併用す
ると、相乗効果により難燃性改良が一層向上することが
分かり、上記したポリプロピレン樹脂組成物は優れた難
燃性を有するものであった。 実施例29〜32 実施例4の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂
のペレット85重量部、表−2に示すリン類15重量部
からなるポリエチレン樹脂組成物を、ミキシングロール
により180℃−6分の条件で混練し、次いで押出機に
て混練しペレット化した。これを、実施例27と同様に
して、燃焼測定用試験片を作成し、試験を行った。その
結果を表−2に示す。
【0200】表ー2に示した如く、本発明に係わる改質
されたポリエチレン樹脂とリン類とを併用すると難燃性
改良が一層向上し、難燃性に優れていることが分った。
【0201】
【表2】 実施例33 実施例8の方法で得られた改質されたポリアミド樹脂の
ペレットを用い、これを射出成形機で成形を行い、厚さ
1/16インチの燃焼性測定用試験片を作成した。
【0202】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−1であり、且つチャー
形成性に優れた燃焼物の形状保持状態が良く、上記した
改質されたポリアミド樹脂は優れた難燃性を有するもの
であった。 実施例34 実施例8の方法で得られた改質されたポリアミド樹脂の
ペレット96重量部及びイソシアヌル酸4重量部からな
るポリアミド樹脂組成物をミキサーで十分混合し、次い
でシリンダー温度260℃に設定された押出機にて混練
しペレット化した。これをを射出成形機で成形を行い、
厚さ1/16インチの燃焼性測定用試験片を作成した。
【0203】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−0であり、且つ燃焼物
の形状保持状態が良好であった。更に、本発明に係わる
改質されたポリアミド樹脂とイソシアヌル酸類を併用す
ると、相乗効果により難燃性改良が一層向上することが
分かり、上記したポリアミド樹脂組成物は優れた難燃性
を有するものであった。 実施例35 実施例7の方法で得られた改質されたポリエステル樹脂
のペレット93重量部及びトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート7重量部からなるポリエステル樹
脂組成物をミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温
度280℃に設定された押出機にて混練しペレット化し
た。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/16イン
チの燃焼性測定用試験片を作成した。
【0204】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−0であり、且つ燃焼物
の形状保持状態が良好であった。更に、本発明に係わる
改質されたポリエステル樹脂とイソシアヌル酸類を併用
すると、相乗効果により難燃性改良が一層向上すること
が分かり、上記したポリエステル樹脂組成物は優れた難
燃性を有するものであった。 実施例36 実施例24の方法で得られたEP変性PPワックス30
重量部とシアヌル酸5重量を熱ロールにて予め混合し
た。次いで、これにエポキシ樹脂エピコート#828
[油化シェルエポキシ(株)製]40重量部及びメチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸25重量部を加え熱ロールに
て混合してエポキシ樹脂組成物を得た。これを注型板に
注入し硬化させて、厚さ1/16インチの燃焼性測定用
試験片を作成した。
【0205】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−0であり、且つ燃焼物
の形状保持状態が良好であった。
【0206】実施例34〜36に示した如く、本発明に
係わる樹脂類の難燃化方法は、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂等広い範囲の樹脂において優れた難燃性を示し、更
に本発明に係わる改質された樹脂類及び/又はEP変性
樹脂類とイソシアヌル酸類、シアヌル酸類とを併用する
と、相乗効果により難燃性改良が一層向上することが分
かった。 実施例37 実施例5の方法で得られた改質されたポリフェニレンエ
ーテル樹脂45重量部、実施例6の方法で得られた改質
されたポリスチレン樹脂30重量部、イソシアヌル酸1
0重量部およびポリリン酸アンモニウム「エキソリット
422」(ヘキスト社製)15重量部からなるポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物をヘンシェルミキサーで混合
した後、押出機にて混練ペレット化した。これを射出成
形機で成形を行い、厚さ1/16インチの燃焼性測定用
試験片を作成した。
【0207】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−0であり、且つ燃焼物
の形状保持状態が良く、上記したポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物は優れた難燃性を有するものであった。 実施例38 実施例5におけるノルボルネンカルボグアナミン10重
量部の代わりに、同20重量部を用いる以外は、実施例
5と同様にして混練反応を行った。次いでペレット化
し、改質されたポリフェニレンエーテル樹脂を得た。
又、実施例6におけるノルボルネンカルボグアナミン5
重量部の代わりに、同15重量部を用いる以外は、実施
例6と同様にして混練反応を行った。次いでペレット化
し、改質されたポリスチレン樹脂を得た。
【0208】この改質されたポリフェニレンエーテル樹
脂20重量部、この改質されたポリスチレン樹脂67重
量部、トリフェニルホスフェート9重量部および硫酸ア
ンモニウム4重量部からなるポリスチレン樹脂組成物を
ミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度250℃
に設定された押出機にて混練しペレット化した。これを
射出成形機で成形を行い、厚さ1/16インチの燃焼性
測定用試験片を作成した。
【0209】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−0であり、且つ燃焼物
の形状保持状態が良く、上記したポリスチレン樹脂組成
物は優れた難燃性を有するものであった。 実施例39〜47 実施例1の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹
脂のペレット78重量部、ポリリン酸アンモニウム「エ
キソリット422」(ヘキスト社製)18重量部、表−
3に示すアミノ基含有化合物3重量%、ジラウリルチオ
プロピオネート0.6重量部及びペンタエリスリチルー
テトラキス[3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]0.4重量部からな
るポリプロピレン樹脂組成物を、実施例27と同様の手
順で処理及び試験を行った。その結果を表−3に示す。
【0210】表−3に示した如く、本発明に係わる樹脂
類の難燃化方法において、本発明に係わる改質された樹
脂類からなる組成物は、自消性が著しく優れ且つ燃焼物
の形状保持状態が良く、更に、リン類及びアミノ基含有
化合物を併用すると、相乗効果により難燃性がより一層
改良されることが分かった。
【0211】
【表3】 実施例48 改質されたポリフェニレンエーテル樹脂の熱安定性試
験:実施例5の方法で得られた改質されたポリフェニレ
ンエーテル樹脂を用い、熱重量測定(TG)を空気雰囲
気、昇温速度10℃/分の条件下で行った結果、質量減
少率5重量%時の温度は434℃であった。
【0212】一方、実施例5おいて用いた原料ポリフェ
ニレンエーテル樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量
測定を行った結果、質量減少率5重量%時の温度は40
1℃であった。 実施例49 改質されたポリスチレン樹脂の熱安定性試験:実施例6
の方法で得られた改質されたポリスチレン樹脂を用い、
実施例48におけると同条件下にて熱重量測定を行った
結果、質量減少率5重量%時の温度は334℃であっ
た。
【0213】一方、実施例6おいて用いた原料ポリスチ
レン樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行っ
た結果、質量減少率5重量%時の温度は299℃であっ
た。 実施例50 改質されたポリメタクリル樹脂の熱安定性試験:実施例
9の方法で得られた改質されたポリメタクリル樹脂を用
い、実施例48におけると同条件下にて熱重量測定を行
った結果、質量減少率5重量%時の温度は303℃であ
った。
【0214】一方、実施例9おいて用いた原料ポリメタ
クリル樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行
った結果、質量減少率5重量%時の温度は285℃であ
った。 実施例51 改質されたポリプロピレン樹脂の熱安定性試験:実施例
1の方法で得られた改質されたポリプロビレン樹脂を用
い、実施例48におけると同条件下にて熱重量測定を行
った結果、質量減少率5重量%時の温度は283℃であ
った。
【0215】一方、実施例1おいて用いた原料ポリプロ
ピレン樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行
った結果、質量減少率5重量%時の温度は267℃であ
った。 実施例52 改質されたポリエチレン樹脂の熱安定性試験:実施例1
7の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂を用
い、実施例48におけると同条件下にて熱重量測定を行
った結果、質量減少率5重量%時の温度は385℃であ
った。
【0216】一方、実施例17おいて用いた原料ポリエ
チレン樹脂を用い、上記と同条件下にて熱重量測定を行
った結果、質量減少率5重量%時の温度は297℃であ
った。実施例48〜52に示した如く、本発明に係わる
改質された樹脂類は、未改質の樹脂類に比して熱質量減
少率5重量%の温度が著しく向上し、熱安定性が著しく
改良されたものであった。 実施例53 改質されたポリフェニレンエーテル樹脂の熱安定性試
験:実施例5の方法で得られた改質されたポリフェニレ
ンエーテル樹脂を用い、このペレットをクロロホルムに
溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μm)に
て濾過してクロロホルム不溶分を得た。次に、このクロ
ロホルム不溶分を熱メチルセロソルブに注ぎ、上記と同
様に濾過して不溶固形分を得た。この不溶固形分を減圧
乾燥し、この重量を測定した結果、不溶固形分は改質さ
れたポリフェニレンエーテル樹脂に対し0.05重量%
であった。
【0217】尚、実施例5において用いた混練前の原料
ポリフェニレンエーテル樹脂を上記と同様に処理した結
果、不溶固形分は該樹脂に対し0.03重量%であっ
た。
【0218】上記した如く、本発明に係わる改質された
ポリフェニレンエーテル樹脂は、高温加熱下での混練、
成形加工後においても不溶固形分が著しく少なく且つ混
練前の原料樹脂とほぼ同程度であり、混練、成形加工時
の熱安定性が著しく優れていた。 比較例4 ポリフェニレンエーテル樹脂の熱安定性試験:実施例5
におけるノルボルネンカルボグアナミン10重量部を除
く以外は、実施例5におけると同様にして混練を行い、
次いでペレット化した。
【0219】このペレットを実施例53におけると同様
に処理し、不溶固形分の重量測定をした結果、不溶固形
分は該混練樹脂に対し4.61重量%であった。
【0220】上記した如く、未改質のポリフェニレンエ
ーテル樹脂は、高温加熱下での混練、成形加工に伴い不
溶固形分が著しく増加して熱安定性が不良であり、成形
加工等に著しい制約を有するものであった。 実施例54 ポリフェニレンエーテル樹脂の熱安定性試験:極限粘度
〔η〕が0.58であるポリ2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル成分42重量部、実施例6の方法
で得られた改質されたポリスチレン樹脂52重量部及び
水添SBSゴム成分6重量部からなるポリフェニレンエ
ーテル樹脂からなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物
をミキサーで混合し、次いでシリンダー温度280℃に
設定された二軸押出機にて溶融混練しペレット化した。
これをシリンダー温度280℃に設定した射出成形機で
厚さ1/8インチのアイゾット衝撃強さ測定用試験片を
作成した。この試験片を130℃に設定した熱風循環恒
温槽中に200時間放置し、エージング試験を行った。
エージング試験前後のアイゾット衝撃強さをASTM
D256に基づき測定し、その結果を表−4に示す。 比較例5 実施例54における実施例6の方法で得られた改質され
たポリスチレン樹脂の代わりに、同上の改質前のポリス
チレン樹脂を用いる以外は、実施例54と同様の手順で
処理及び試験を行った。その結果を表−4に示す。
【0221】
【表4】 (注1) ( )内の数字はエージング前後のアイゾット衝撃強さの保持率を% で示す。 実施例55〜56 ポリフェニレンエーテル樹脂の熱安定性試験:実施例5
4におけるポリフェニレンエーテル樹脂組成物に、下記
の添加剤を加える以外は、実施例54と同様の手順で処
理及び試験を行った。その結果を表−5に示す。
【0222】
【表5】 (注1) ポリフェニレンエーテル樹脂に対する重量%を示す。 実施例57 ポリエチレン樹脂の熱安定性試験:ポリエチレン樹脂ハ
イゼックス6200BP[三井石油化学(株)製]94
重量部、銅微粉末1重量部及び実施例4の方法で得られ
た改質されたポリエチレン樹脂5重量部からなるポリエ
チレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより160℃
−6分の条件で混練し、次いで150℃、200kg/
cm2 の条件で5分間圧縮成型しシートフィルムを得
た。
【0223】このシートフィルムを用い、温度150℃
に設定したホットパックオーブンで空気雰囲気下、加熱
劣化促進試験を行った。この試験片が変色した時点を劣
化開始時とし、この時までの時間により樹脂組成物の熱
安定性を判定した。その結果を表−6に示す。
【0224】尚、上記のポリエチレン樹脂組成物におい
て、実施例4の方法で得られた改質されたポリエチレン
5重量部を添加しない以外は、上記と同様の手順で処理
及び試験を行い、その結果を「比較例−6」として表−
6に示す。
【0225】
【表6】 実施例58 ポリプロピレン樹脂の熱安定性試験:ポリプロピレン樹
脂三井ノーブレンJS−G[三井東圧化学(株)製]9
4重量部、銅微粉末1重量部及び実施例1の方法で得ら
れた改質されたポリプロピレン樹脂5重量部からなるポ
リプロピレン樹脂組成物を、ミキシングロールにより2
10℃−6分の条件で混練し、次いで190℃、200
kg/cm2 の条件で5分間圧縮成型しシートフィルム
を得た。
【0226】このシートフィルムを用い、実施例57と
同様の手順で処理及び試験を行い、その結果を表−7に
示す。
【0227】尚、上記のポリプロピレン樹脂組成物にお
いて、実施例1の方法で得られた改質されたポリプロピ
レン樹脂5重量部を添加しない以外は、上記と同様の手
順で処理及び試験を行い、その結果を「比較例−7」と
して表−7に示す。
【0228】
【表7】 実施例59 ポリフェニレンエーテル樹脂−ポリアミドイミド樹脂二
元系の相溶化試験:実施例5の方法で得られた改質され
たポリフェニレンエーテル樹脂ペレット80重量部、ポ
リアミドイミド樹脂トーロン4203T[アモコ社製]
20重量部をヘンシェルミキサーで混合し、次いでシリ
ンダー温度330℃に設定された二軸スクリュー型押出
機にて溶融混練しペレット化した。
【0229】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり、且つほぼ径
2.7μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例60 ポリフェニレンエーテル樹脂−EPゴム二元系の相溶化
試験:実施例5の方法で得られた改質されたポリフェニ
レンエーテル樹脂ペレット70重量部及び実施例10の
方法で得られた改質されたEPゴム30重量部をヘンシ
ェルミキサーで混合し、次いでシリンダー温度330℃
に設定された二軸スクリュー型押出機にて溶融混練しペ
レット化した。
【0230】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり、且つほぼ径
1.6μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例61 ポリアミド樹脂−ポリフェニレンエーテル樹脂−ポリス
チレン樹脂三元系の相溶化試験:実施例5の方法で得ら
れた改質されたポリフェニレンエーテル樹脂ペレット4
5重量部、ポリスチレン樹脂50重量部、水添SBSゴ
ム5重量部からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサーで
混合し、次いでシリンダー温度300℃に設定された二
軸押出機にて溶融混練しペレット化した。このペレット
50重量部を微粉砕後、これに実施例8の方法で得られ
た改質されたポリアミド樹脂50重量部を加え、この樹
脂組成物をヘンシェルミキサーで混合し、次いでシリン
ダー温度280℃に設定された二軸スクリュー型押出機
にて溶融混練しペレット化した。
【0231】この三元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径
1.6μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例62 ポリフェニレンエーテル樹脂−ポリプロピレン樹脂二元
系の相溶化試験:極限粘度[η]が0.42であるポリ
2,6−ジメチル−1,4−フェニレエーテル80重量
部及び実施例26の方法で得られたEP変性ポリプロピ
レン樹脂20重量部をミキサーで混合し、次いでシリン
ダー温度330℃に設定された二軸スクリュー型押出機
にて溶融混練しペレット化した。
【0232】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり、且つほぼ径
1.1μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例63 飽和ポリエステル樹脂−ポリプロピレン樹脂二元系の相
溶化試験:飽和ポリエステル樹脂テイジンPBT樹脂T
RB−H[帝人(株)製]80重量部及び実施例2の方
法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂20重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、次いでシリンダー温度
260℃に設定された二軸スクリュー型押出機にて溶融
混練しペレット化した。
【0233】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径
2.3μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例64 ポリアミド樹脂ーポリプロピレン樹脂二元系の相溶化試
験:ポリアミド樹脂東洋紡ナイロンT−802[東洋紡
績(株)製]70重量部、ポリプロピレン樹脂三井ノー
ブレンJS−G[三井東圧化学(株)製]30重量部、
5−ノルボルネン−2−カルボニルクロライドとヘキサ
メチレンジアミンとの反応物(2/1モル比)3重量部
及びジラウリルチオプロピオネート0.1重量部をヘン
シェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施した
20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィード
し、250℃にて20分間滞留する条件下で混練反応を
行い、次いでペレット化した。
【0234】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり、且つほぼ径
0.6μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例65 ポリフェニレンエーテル樹脂ーポリアミド樹脂二元系の
相溶化試験:極限粘度[η]が0.42であるポリ2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル80重量
部、ポリアミド樹脂東洋紡ナイロンT−802[東洋紡
績(株)製]20重量部及び参考例2の方法で得られた
ノルボルネンカルボグアナミンーホルムアルデヒド縮合
物3重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒
素シールを施した20mmφベント付き二軸スクリュー式
押出機にフィードし、280℃にて20分間滞留する条
件下で混練反応を行い、次いでペレット化した。
【0235】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり、且つほぼ径
0.5μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。
【0236】実施例59〜65に示した如く、本発明に
係わる樹脂類の相溶化方法において、本発明の改質され
た樹脂類を用いることにより、異なる樹脂類の相溶化が
著しく向上することが分かった。 実施例66 ポリアミド樹脂−ポリプロピレン樹脂二元系の相溶化試
験:ポリアミド樹脂東洋紡ナイロンT−802[東洋紡
績(株)製]70重量部及び実施例22の方法で得られ
たEP変性ポリプロピレン樹脂ペレット30重量部をヘ
ンシェルミキサーで混合し、次いでシリンダー温度22
0℃に設定された二軸スクリュー型押出機にて溶融混練
しペレット化した。
【0237】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径
1.1μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。 実施例67 ポリスチレン樹脂−ポリエチレン樹脂二元系の相溶化試
験:ポリスチレン樹脂トーポレックス570−02[三
井東圧化学(株)製]80重量部及び実施例25の方法
で得られたEP変性ポリエチレン樹脂ペレット20重量
部をヘンシェルミキサーで混合し、次いでシリンダー温
度230℃に設定された二軸スクリュー型押出機にて溶
融混練しペレット化した。
【0238】この二元樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察
した結果、樹脂溶融構造が海島構造をとり且つほぼ径
2.7μmに制御された球状物が均一に分散したもので
あり、相溶性が優れたものであった。
【0239】実施例66、67に示した如く、本発明に
係わる樹脂類の相溶化方法において、本発明のEP変性
樹脂類を用いることにより、異なる樹脂類の相溶化が著
しく向上することが分かった。 比較例8 実施例66における実施例22の方法で得られたEP変
性ポリプロピレン樹脂ペレットの代わりにポリプロピレ
ン樹脂三井ノーブレンJS−G[三井東圧化学(株)
製]を用いる以外は、実施例66と同様の手順で処理
し、ペレット化された樹脂組成物を得た。
【0240】この樹脂組成物を電子顕微鏡にて観察した
結果、樹脂溶融構造が海島構造をとるが、全く制御され
ていない径5〜100μmの広い範囲にわたる球状物、
長円球状物が分散したものであり、相溶化が極めて不良
であった。 実施例68 改質されたポリプロピレン樹脂の表面ぬれ性試験:実施
例1の方法で得られたポリプロピレン樹脂ペレットを熱
キシロールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径
1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソ
ルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これをメチル
セロソルブで十部洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得
た。次に、この固形分を温度220℃、プレス圧力50
kg/cm2 −5分の条件にてプレス成形をし、厚さ1mmの
成形板を得た。
【0241】この成形板を用い、ぬれ性試験用「ぬれ指
数標準液」[和光純薬(株)製]を綿棒にて帯状に塗布
し、表面ぬれ性試験を行った結果、36dyne/cm(23
±2℃)の標準液を塗布しても、経時後も最初の塗布さ
れた帯状のままであり、表面が濡れたたままの状態であ
った。
【0242】一方、実施例1において用いられた原料ポ
リプロピレン樹脂ペレットを用い、上記と同条件で成形
板を作成した。この成形板を用い、上記と同様にして表
面ぬれ性試験を行った結果、32dyne/cm(23±2
℃)の標準液を塗布してもすぐ玉状になり、全く濡れな
かった。
【0243】上記した如く、本発明に係わる改質された
ポリプロピレン樹脂は、未改質のポリプロピレン樹脂に
比して表面ぬれ性が著しく良好であった。 比較例9 ポリプロピレン樹脂組成物の表面ぬれ性試験:ポリプロ
ピレン樹脂三井ノーブレンJS−G[三井東圧化学
(株)製]100重量部、アジポグアナミン10重量部
及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘ
ンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施し
た20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィー
ドし、230℃で10分間滞留する条件下で混練し、次
いでペレット化してポリプロピレン樹脂組成物を得た。
【0244】次いで、このペレットを用い実施例68お
けると同様にして成形板を作成し、表面ぬれ性試験を行
った。その結果、該成形板は32dyne/cm(23±2
℃)の標準液を塗布しても表面は濡れず、未改質のポリ
プロピレン樹脂と同程度であり、表面ぬれ性は優れなか
った。 実施例69 改質されたポリプロピレン樹脂組成物の被覆性試験:ポ
リプロピレン樹脂三井ノーブレンBJ5H[三井東圧化
学(株)製]48重量部、実施例1の方法で得られた改
質されたポリプロピレン樹脂22重量部、EPゴムJS
R EP01P[日本合成ゴム(株)製]22重量部、
粉砕されたEPDMゴム JSR EP33[日本合成
ゴム(株)製]8重量部及びイルガノックス1010
[チバガイギー(株)製]0.05重量部をヘンシェル
ミキサーで十分混合し、次いでシリンダー温度210℃
に設定した二軸スクリュー型押出機にて混練しペレット
化した。これを射出成形機で成形を行い、厚さ1/8イ
ンチの塗装用試験板を作成した。 この試験板を用い、
表面を洗浄乾燥し、オレスターQ186[三井東圧化学
(株)製、不揮発分50%]100重量部、オレスター
NP2000[三井東圧化学 (株)製、不揮発分75
%]18重量部からなる二液硬化型ポリウレタン樹脂を
膜厚15μmに塗布した後、80℃−50分の条件にて
硬化させた。
【0245】該塗装試験板の塗膜は、ハジキ、フクレ等
は見られず、且つ密着性試験(ゴバン目のテープ剥離試
験)において剥離は全く見られず、極めて良好であっ
た。 実施例70 改質されたポリプロピレン樹脂組成物の被覆性試験:ポ
リプロピレン樹脂三井ノーブレンBJ5H[三井東圧化
学(株)製]48重量部、同JS−G[三井東圧化学
(株)製]22重量部、実施例10の方法で得られた改
質されたEPゴム22重量部、粉砕されたEPDMゴム
JSR EP33[日本合成ゴム(株)製]8重量部
及びイルガノックス1010[チバガイギー(株)製]
0.05重量部を用い、実施例69におけると同様にし
て試験板を作成し、該試験板に塗装を行った。
【0246】該塗装試験板の塗膜は、ハジキ、フクレ等
は見られず、且つ密着性試験(ゴバン目のテープ剥離試
験)において剥離は全く見られず、極めて良好であっ
た。
【0247】比較例10 ポリプロピレン樹脂組成物の被覆性試験:実施例69に
おける実施例1の方法で得られた改質されたポリプロピ
レン樹脂20重量部の代わりに、ポリプロピレン樹脂三
井ノーブレンJS−G[三井東圧化学(株)製]を用い
る以外は実施例69におけると同様にして試験板を作成
し、この試験板に塗装を行った。
【0248】該塗装試験板の塗膜は、密着性試験(ゴバ
ン目剥離試験)において完全に剥離し、被覆性が著しく
不良であった。
【0249】実施例69、70に示した如く、本発明に
係わる改質された樹脂類を用いる時、このポリプロピレ
ン樹脂組成物の被覆性は、未改質の組成物に比し極めて
優れたものであつた。 実施例71 実施例22の方法で得られたEP変性ポリプロピレン樹
脂ペレット80重量部及び実施例23の方法で得られた
EP変性EPゴム20重量部をミキサーで十分混合し、
次いでシリンダー温度240℃に設定した二軸スクリュ
ー型押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形
機で成形を行い、厚さ1/8インチの塗装用試験板を作
成した。
【0250】この試験板を用い、ウレタン塗料オレスタ
ーM83−42CX[三井東圧化学(株)製]を膜厚2
4μmに塗布した後、80℃−5時間の条件にて硬化さ
せた。
【0251】該試験板の塗膜は、ハジキ、フクレ等は見
られず、且つ密着性試験(ゴバン目のテープ剥離試験)
でも剥離は見られず、極めて良好であった。 実施例72 実施例4の方法で得られた改質されたポリエチレン樹脂
ペレット80重量部及び実施例10の方法で得られた改
質されたEPゴム20重量部をミキサーで十分混合し、
次いでシリンダー温度250℃に設定した二軸スクリュ
ー型押出機にて混練しペレット化した。これを射出成形
機で成形を行い、厚さ1/8インチの引張りせん断強さ
測定用試験片を作成した。
【0252】次いで、エポキシ樹脂コニシボンド「クィ
ックメンダー」[コニシ(株)製]主剤50重量部及び
硬化剤50重量部を混合してなる接着剤組成物を用い
て、上記の試験片と鉄金属試験片とを100℃−24時
間の条件下で接着し、JISK 6850に準拠した試
験体を作成した。
【0253】この試験体を用い、引張りせん断強さをJ
IS K 6850に準拠し測定した結果、41 Kgf/
cm2の接着強さであり、良好な接着性を示した。 実施例73 実施例22の方法で得られたEP変性ポリプロピレン樹
脂ペレットを、シリンダー温度240℃に設定した射出
成形機で成形を行い、厚さ1/8インチの引張りせん断
強さ測定用試験片を作成した。
【0254】次いで、この試験片を用い、実施例72に
おけると同様の手順にて試験体を作成し、引張りせん断
強さを測定した結果、87Kgf/cm2の接着強さを示し、
極めて良好な接着性を示した。
【0255】尚、上記したEP変性ポリプロピレン樹脂
の代わりに、この改質/EP変性をしない元のポリプロ
ピレン樹脂を用いる以外は、上記と同様の手順にて試験
体を作成し、引張りせん断強さを測定した。その結果、
8Kgf/cm2の接着強さであり、かかる材料の接着性は著
しく不良であった。
【0256】実施例69〜73に示した如く、本発明に
係わる樹脂類の表面改質方法において、本発明の改質さ
れた/EP変性樹脂類を用いることにより、被覆性、接
着性等の表面特性が著しく改良されることが分かった。 実施例74 ポリプロピレン樹脂の表面改質試験:実施例68の方法
で得られた改質されたポリプロピレン樹脂成形板を用
い、この表面にシランカッフリング剤フェニルトリクロ
ロシランを、窒素雰囲気下、室温−1時間の条件で塗布
し反応を行った。次に、この塗装成形板表面をトルエン
にて洗浄後、熱風乾燥した。
【0257】この塗装成形板を用い、X線光電子分光分
析(ESCA)を行った結果、該表面のSi2P/C1S
ペクトルが著しく大きく、該表面が改質されていた。 実施例75 改質されたポリプロピレン樹脂の染色性試験:実施例1
の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹脂ペレッ
トを熱キシロールで溶解させ、メンブランフィルター
(孔径1.0μm)にて濾過した後、この濾液にメチル
セロソルブを注ぎ、析出した沈殿物を濾別した。これを
メチルセロソルブで十部洗浄後、減圧乾燥して白色固形
分を得た。更に、この固形分を用い、樹脂温度250
℃、滞留時間10分、巻取り速度500m/分の条件に
て紡糸し、延伸を行って該樹脂の繊維を得た。
【0258】次に、この繊維を、30%酢酸にてpH5
に調整された酸性染料AmirylBlue E−PR
L[住友化学(株)製]の5%溶液に、浴比1:40、
90℃−60分間の条件にて浸漬染色を行った。更に、
これをエマール40パウダー[花王(株)製]の2g/
リットル溶液で浴比1:30、60℃−5分の条件にて
ソーピングを行い染色試験を行った。
【0259】この改質されたポリプロピレン樹脂より得
られた繊維の染色性を肉眼で判定した結果、良好であ
り、染色性が著しく改質されていた。 比較例11 ポリプロピレン樹脂の染色性試験:実施例75における
実施例1の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹
脂の代わりに、実施例1において用いられた原料ポリプ
ロピレン樹脂三井ノーブレンJS−G[三井東圧化学
(株)製]を用いる以外は、実施例75と同様にして該
樹脂の繊維を得、これの染色試験を行った。
【0260】このポリプロピレン樹脂より得られた繊維
の染色性を肉眼で判定した結果、著しく不良であった。 実施例76 エポキシ基含有樹脂アルマテックス#7610[三井東
圧化学(株)製]80重量部、実施例11の方法で得ら
れた改質されたPPワックス12重量部及び1,4−ビ
ス(4,6−ジアミノーsートリアジンー2ーイル)ー
シクロヘキサン8重量部を、シリンダー温度110℃に
設定したニーダー式混練機にフィード、混練し、固形状
樹脂を得た。この固形状樹脂を粗粉砕機にて粗粉砕し、
ついでアトマイザーで微粉砕した。これを150メッシ
ュ篩にて篩分けし、パス品を粉体被覆用樹脂組成物とし
て試験に用いた。この組成物を用いて、リン酸亜鉛化成
処理ダル鋼板に約50ミクロンの膜厚になるように静電
気塗装し、210℃−30分の条件にて加熱処理した。
【0261】この加熱処理した塗装鋼板の塗膜は、塗膜
平滑性(目視判定)が良好であり、n−ブタノールを含
浸させた布で塗膜表面を50回ラビングしても塗膜の剥
離は見られず、更に密着性試験(ゴバン目テープ剥離)
でも剥離は見られず、良好な塗膜であった。 実施例77 エポキシ樹脂エポキー815[三井東圧化学(株)製]
85重量部及び実施例22の方法で得られたEP変性P
Pワックス15重量部をミキサーで十分混合して、被覆
用樹脂組成物を作成した。この組成物を亜鉛メッキ鋼板
に塗布後、160℃−20分の条件で加熱硬化させた。
【0262】この塗装鋼板の塗膜は、塗膜平滑性(目視
判定)が良好であり、n−ブタノールを含浸させた布で
塗膜表面を50回ラビングしても塗膜の剥離は見られ
ず、更に密着性試験(ゴバン目テープ剥離)でも剥離は
見られず、良好な塗膜であった。
【0263】実施例76、77に示した如く、本発明に
係わる被覆用樹脂組成物において、本発明の改質された
/EP変性樹脂類を用いることにより、塗膜平滑性、密
着性等の被覆性が著しく良好なものであった。 実施例78 実施例3の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹
脂ペレット30重量部、実施例10の方法で得られた改
質されたEPゴム30重量部及び実施例11の方法で得
られた改質されたPPワックス40重量部をミキサーで
十分混合し、次いでシリンダー温度200℃に設定した
二軸スクリュー型押出機にフィードし混練して、接着剤
用樹脂組成物を作成した。
【0264】この樹脂組成物を用い、180℃に設定し
たホットメルト用塗装ガンにて、ポリプロピレン樹脂三
井ノーブレンJS−G[三井東圧化学(株)製]の厚さ
1/8インチ試験板とアルミニウム製金属試験板とに塗
布接着し、JIS K 6850に準拠した試験体を作
成した。
【0265】この試験体を用い、引張りせん断強さをJ
IS K 6850に準拠し測定した結果、48 Kgf/
cm2の接着強さであり、良好な接着性を示した。 実施例79 エポキシ樹脂エピコート#828[油化シェルエポキシ
(株)製]80重量部及び実施例24の方法で得られた
EP変性PPワックス20重量部をミキサーで十分混合
した後、これに4,4’−ジアミノジフェニルメタン3
0重量部を加え混合して、接着剤用樹脂組成物を作成し
た。
【0266】この樹脂組成物を用い、ポリプロピレン樹
脂三井ノーブレンJS−G[三井東圧化学(株)製]の
厚さ1/8インチ試験板と鉄製金属試験板とを120℃
ー6時間の条件下で接着し、JIS K 6850に準
拠した試験体を作成した。この試験体を用い、引張りせ
ん断強さをJIS K 6850に準拠し測定した結
果、96 Kgf/cm2の接着強さであり、良好な接着性を
示した。
【0267】実施例78、79に示した如く、本発明に
係わる接着剤用樹脂組成物において、本発明の改質され
た/EP変性樹脂類を用いることにより、異種材料の接
着性等が著しく改良されることが分かった。
【0268】
【発明の効果】本発明の製造方法等は、樹脂類の劣化等
を惹起し難く且つ難燃性、熱安定性、相溶性、表面改質
性等に優れた官能基の導入結合等ができ、これ等の利用
により、チャー生成能等が良好な難燃材料、成形物の熱
劣化等が遅い熱安定性材料、異なる樹脂類等の混和性等
に優れた新素材、接着性、被覆性、ぬれ性、染色性等に
優れた表面改質された材料、被覆用樹脂組成物、接着剤
用樹脂組成物等が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】本発明に係わる改質された樹脂類及びエポ
キシ変性樹脂類は、難燃性、熱安定性、耐熱性、耐衝撃
性、高強度・高弾性、樹脂相溶性、耐屈曲・疲れ性、耐
摩耗性、耐引裂性、寸法安定性、応力緩和性、制振性、
耐熱・寒性、耐溶剤(油、水)性、接着性、ガラス繊維
等補強剤との密着性、滑り性、鍍金性、塗料等の被覆
性、帯電性、耐トラッキング性等の電気特性、流動性、
収縮性、熱溶融強さ、フロー成形性、結晶性、配向性、
作業性等の成形加工性、省資源、代用等経済性等の改
質、改良に優れ、建築用機材、インテリア製品、バス、
トイレ等住宅用機材、インスツルメントパネル、ピラ
ー、メータクラスター、ドアートリム、アームレスト、
デフロスターガーニッシュ、コンソールボックス、ポケ
ットデッキ、バンパー、サイドシルガーニッシュ、カウ
ルトップガーニッシュ、ホイールカバー、スポイラー、
ヘッドランプインナーパネル等自動車等車両の内、外装
等用機材、長短ガラス繊維等強化成形材料、レジスト材
料、電気絶縁材等電気部品、トナー等電子写真用材料、
繊維用材料、繊維・紙加工材、自動車・家電用塗料、防
汚、耐食用塗料、粉体塗料、トラフィックペイント、樹
脂類及びこれらの繊維類の染色性、ブロッキング防止
性、制電性、導電性、性、ホットメルト用接着剤、粘着
剤、産業資材等の構造用接着剤等接着剤、IC封止材、
ゴム改質材、光学材料、皮革処理剤、農業用資材、医薬
用機材、包装材、容器等食品用機材、テント、布、衣類
等繊維類、歯車、パッキング等工学機材、配管、タンク
等防汚、耐食用機材、耐熱用機材、保温、保冷用材料、
油類改質材、難燃材、界面活性剤、腐食・酸化防止剤等
として産業上極めて広範囲な用途に有用な材料を提供す
ることができる優れたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0182
【補正方法】変更
【補正内容】
【0182】
【表1】 実施例 17 改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂
レクストロンJ79−4F25〔日石化学(株)製〕1
00重量部、ノルボルネンカルボグアナミン20重量部
及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重量部をヘ
ンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シールを施し
た20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機にフィー
ドし、280℃で10分間滞留する条件下で混練反応を
行い、次いでペレット化した。このペレットを熱キシロ
ールで溶解させ、メンブランフィルター(孔径1.0μ
m)にて濾過した後、この濾液にメチルセロソルブを注
ぎ、析出した沈澱物を濾別した。これをメチルセロソル
ブで十分洗浄後、減圧乾燥して白色固形分を得た。この
固形分を分析した結果、(4,6−ジアミノ−1,3,
5−トリアジン)分の元素分析結果を下記に示す。骨格
9.1重量%が結合した改質されたポリエチレン樹脂で
あった。この固形分の元素分析結果を下記に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0183
【補正方法】変更
【補正内容】
【0183】 元素分析 C H N 測定値: 80.9 % 13.3 % 5.8 % 実施例18 改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂
ハイゼックス6200BP〔三井石油化学(株)製]1
00重量部、5−ノルボルネン−2−カルボニルクロラ
イドとベンジルアルコールとの反応物(1/1モル比)
5重量部及びジラウリルチオジプロピオネート0.1重
量部ヘンシェルミキサーで十分混合した後、窒素シール
を施した20mmφベント付き二軸スクリュー式押出機に
フィードし、260℃で10分間滞留する条件下で混練
反応を行い、次いでペレット化した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0184
【補正方法】変更
【補正内容】
【0184】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にm−クレゾールを注ぎ、析出した沈澱物
を濾別した。これをm−クレゾールで十分洗浄後、減圧
乾燥して白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸収ス
ペクトル分析した結果、エステル結合、フェニル骨格を
有する改質されたポリエチレン樹脂であった。 実施例19 改質されたポリエチレン樹脂の製造:ポリエチレン樹脂
ハイゼックス6200BP〔三井石油化学(株)製]1
00重量部、5−ノルボルネン−2−カルボニルクロラ
イドと4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとの反応
物(2/1モル比)5重量部及びジラウリルチオジプロ
ピオネート0.1重量部をヘンシェルミキサーで十分混
合した後、窒素シールを施した20mmφベント付き二軸
スクリュー式押出機にフィードし、260℃で10分間
滞留する条件下で混練反応を行い、次いでペレット化し
た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0185
【補正方法】変更
【補正内容】
【0185】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にm−クレゾールを注ぎ、析出した沈澱物
を濾別した。これをm−クレゾールで十分洗浄後、減圧
乾燥して白色固形分を得た。この固形分を赤外線吸収ス
ペクトル分析した結果、アミド結合、フェニル骨格を有
する改質されたポリエチレン樹脂であった。 実施例20 改質されたポリエチレン樹脂の製造:実施例19におけ
る5−ノルボルネン−2−カルボニルクロライドと4、
4’−ジアミノジフェニルエーテルとの反応物(2/1
モル比)の代わりに、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2−イル)−2−オキサゾリンと安息
香酸との反応物(1/1モル比)を用いる以外は、実施
例19と同様にして混練反応を行い、次いでペレット化
した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0186
【補正方法】変更
【補正内容】
【0186】このペレットを用いて実施例19と同様に
して溶剤処理を行った。この得られた固形分を赤外線吸
収スペクトル分析した結果、アミド結合、エステル結
合、フェニル骨格を有する改質されたポリエチレン樹脂
であった。 実施例21 改質されたパラフィンワックスの製造:パラフィンワッ
クス155〔日本精蝋(株)製]100重量部、ノルボ
ルネンカルボグアナミン10重量部及びジラウリルチオ
ジプロピオネート0.1重量部を、この系中を窒素にて
置換した後、内温250℃にて30分間攪拌しながら反
応を行った。反応終了後、樹脂状物の反応混合物を取り
出した。この樹脂状物を熱トルエンで溶解させ、メンブ
ランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した後、こ
の濾液にメチルセロソルブを注ぎ、樹脂状物を分別し
た。得た。この固形分を分析した結果、(4,6−ジア
ミノ−1,3,5−トリアジン)骨格4.7重量%が結
合した改質されたパラフィンワックスであった。この固
形分の元素分析結果を下記に示す。この処理操作を2回
繰り返した後、この樹脂状物を減圧乾燥して白色固形分
をベント、攪拌機及び冷却機を装着した500mlオー
トクレーブに投入した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0196
【補正方法】変更
【補正内容】
【0196】このペレットを熱キシロールで溶解させ、
メンブランフィルター(孔径1.0μm)にて濾過した
後、この濾液にクロロホルムを注ぎ、析出した沈澱物を
濾別した。これをクロロホルムで十分洗浄後、減圧乾燥
して固形分を得た。この固形分を熱キシロールに再溶解
させた後、メチルセロソルブを注ぎ、析出した沈澱物を
濾別し、上記と同様に処理して固形分を得た。この固形
分を分析した結果、ポリフェニレンエーテル樹脂骨格を
有するEP変性ポリプロピレン樹脂であった。この固形
分の元素分析結果を下記に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0209
【補正方法】変更
【補正内容】
【0209】この試験片を用い、実施例27と同様にし
て試験を行った結果、レベルV−0であり、且つ燃焼物
の形状保持状態が良く、上記したポリスチレン樹脂組成
物は優れた難燃性を有するものであった。 実施例39〜47 実施例1の方法で得られた改質されたポリプロピレン樹
脂のペレット78重量部、ポリリン酸アンモニウム「エ
キソリット422」(ヘキスト社製)18重量部、表−
3に示すアミノ基含有化合物3重量部ジラウリルチオ
ジプロピオネート0.6重量部及びペンタエリスリチル
ーテトラキス[3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]0.4重量部から
なるポリプロピレン樹脂組成物を、実施例27と同様の
手順で処理及び試験を行った。その結果を表−3に示
す。

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂類と、式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 およびR9 は水素原子、炭素数1〜4個を有するア
    ルキル基及びフェニル基からなる群より選ばれる種であ
    り、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8
    およびR9 は同じ種でも異なった種でもよく、Yは置換
    基を有することもあるトリアジニル基、アミド基、カル
    ボキシレート基、オキサゾリニル基、オキシカルボニル
    基、ウレタン基、シアヌル酸エステル基、エーテル基、
    カルバモイル基、カルボニル基からなる群より選ばれる
    基であることを示す)で表わされる基を少なくとも1個
    有するノルボルネニル基含有化合物の中から選ばれる少
    なくとも1種とを温度200℃〜450℃の範囲で反応
    を行なわしめることを特徴とする改質された樹脂類の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 式(1)におけるR1 、R2 、R3 、R
    4 、R5 、R6 、R 7 、R8 およびR9 が水素原子であ
    る請求項1記載の改質された樹脂類の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(1)におけるノルボルネニル基含有
    化合物が、式(2) 【化2】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 およびR9 は式(1)と同じ意味を示し、、
    10 、R11 、R12 およびR13 は水素原子および炭素
    数1個以上を有する基からなる群より選ばれる種である
    ことを示し、R10 、R1 1 、R12 およびR13 は同じ種
    でも異なった種でもよい〕で表わされる化合物である請
    求項1記載の改質された樹脂類の製造方法。
  4. 【請求項4】 式(1)におけるノルボルネニル基含有
    化合物が、式(2)のR10 、R11 、R12 およびR13
    からなる群の少なくとも1種が水素原子である化合物
    と、場合により共縮合可能な化合物とともに、アルデヒ
    ド類とを付加縮合反応させることにより得られる平均付
    加縮合度が1より大きい縮合物である請求項1記載の改
    質された樹脂類の製造方法。
  5. 【請求項5】 式(1)におけるノルボルネニル基含有
    化合物が、式(2)のR10 、R11 、R12 およびR13
    からなる群の少なくとも1種が水素原子である化合物と
    場合により共縮合可能な化合物とともに、アルデヒド類
    とを付加縮合反応させ、次いで炭素数1〜20個を有す
    るアルコール類の中から選ばれる少なくとも1種とをエ
    ーテル化反応させ、場合により同時に縮合反応させるこ
    とにより、得られる平均付加縮合度が1より大きいエー
    テル化縮合物である請求項1記載の改質された樹脂類の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 式(1)におけるYがアミド基であるノ
    ルボルネニル基含有化合物が、炭素数1個以上を有する
    アミン類と5−ノルボルネン−2−カルボニルハライド
    との反応物の中より選ばれる少なくとも1種である請求
    項1記載の改質された樹脂類の製造方法。
  7. 【請求項7】 式(1)におけるYがカルボキシレート
    基であるノルボルネニル基含有化合物が、炭素数4個以
    上を有するアルコール類と5−ノルボルネン−2−カル
    ボニルハライドとの反応物の中より選ばれる少なくとも
    1種である請求項1記載の改質された樹脂類の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 式(1)におけるYがオキサゾリニル基
    であるノルボルネニル基含有化合物が、2−(ビシクロ
    [2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)−2−オ
    キサゾリンである請求項1記載の改質された樹脂類の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 式(1)におけるYがアミド基であるノ
    ルボルネニル基含有化合物が、炭素数1個以上を有する
    カルボン酸類と2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
    5−エン−2−イル)−2−オキサゾリンとの反応物の
    中より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の改
    質された樹脂類の製造方法。
  10. 【請求項10】 反応を、温度230〜450℃の範囲
    で行う請求項1記載の改質された樹脂類の製造方法。
  11. 【請求項11】 反応をリアクティブプロセシングによ
    り行う請求項1記載の改質された樹脂類の製造方法。
  12. 【請求項12】 樹脂類が、樹脂、ゴム類、ワックス類
    及び油類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    請求項1記載の改質された樹脂類の製造方法。
  13. 【請求項13】 樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1
    2記載の改質された樹脂類の製造方法。
  14. 【請求項14】 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹
    脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹
    脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂及びポリスチレ
    ン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請
    求項13記載の改質された樹脂類の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項3〜5の何れかに記載の改質さ
    れた樹脂類と、エポキシド類の中から選ばれる少なくと
    も1種とを反応せしめることを特徴とするエポキシ変性
    樹脂類の製造法。
  16. 【請求項16】 反応を、温度150〜400℃の範囲
    で行う請求項15記載のエポキシ変性樹脂類の製造法。
  17. 【請求項17】 反応を、リアクティブプロセシングに
    より行う請求項15記載のエポキシ変性樹脂類の製造
    法。
  18. 【請求項18】 請求項3〜5記載の改質された樹脂類
    及び請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴
    とする樹脂類の難燃化方法。
  19. 【請求項19】 リン単体及びリン原子を含有する化合
    物からなるリン類より選ばれる少なくとも1種を成分と
    して含有せしめることを特徴とする請求項18記載の難
    燃化方法。
  20. 【請求項20】 リン類が、赤リン、リン酸、ポリリン
    酸、亜リン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリリン酸塩、
    亜リン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル類、亜リン
    酸エステル類、ホスホン酸エステル類、ホスフィン類及
    び含硫黄リン化合物である請求項19記載の難燃化方
    法。
  21. 【請求項21】 ポリリン酸塩が、一般式(NH4)m+2
    m 3m+1(式中、mは5より大きい整数を示す)で表
    わされるポリリン酸アンモニウムである請求項20記載
    の難燃化方法。
  22. 【請求項22】 式(3) 【化3】 (式中、R14、R15 およびR16 は、水素原子、炭素数
    1〜3個を有するアルキル基、炭素数1〜3個を有する
    オキシアルキル基、フェニル基又はグリシジル基を示
    し、R14、R15 およびR16は同じ種でも異なった種で
    もよい)で表わされるイソシアヌル酸類、及び 式
    (4) 【化4】 〔式中、R14、R15 およびR16は式(3)と同じ意味
    を示す〕で表わされるシアヌル酸類の中から選ばれる少
    なくとも1種を成分として含有せしめることを特徴とす
    る請求項18記載の難燃化方法。
  23. 【請求項23】 アミノ基含有化合物を成分として含有
    せしめることを特徴とする請求項18記載の難燃化方
    法。
  24. 【請求項24】 アミノ基含有化合物が、 【化5】 で表わされる基の中から選ばれる少なくとも1種を含有
    する化合物、ジシアンジアミド、グアニジン及びこれら
    の化合物とアルデヒド類との反応物からなる群より選ば
    れる少なくとも1種である請求項23記載の難燃化方
    法。
  25. 【請求項25】 リン類及びアミノ基含有化合物を成分
    として含有せしめることを特徴とする請求項18記載の
    難燃化方法。
  26. 【請求項26】 請求項3〜5記載の改質された樹脂類
    及び請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴
    とする樹脂類の熱安定化方法。
  27. 【請求項27】 樹脂類がポリオレフィン樹脂、ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル
    樹脂、ポリスチレン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラス
    トマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請
    求項26記載の熱安定化方法。
  28. 【請求項28】 請求項1記載の改質された樹脂類及び
    請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群より選
    ばれる少なくとも1種の樹脂類と、異なる1種以上の樹
    脂類とを相溶化せしめることを特徴とする樹脂類の相溶
    化方法。
  29. 【請求項29】 請求項1記載の改質された樹脂類及び
    請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群より選
    ばれる異なる少なくとも2種の樹脂類を相溶化せしめる
    ことを特徴とする樹脂類の相溶化方法。
  30. 【請求項30】 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリ
    フェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリ
    アミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹
    脂、ポリエーテルスルホン及び熱可塑性エラストマーか
    らなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項28
    記載の相溶化方法。
  31. 【請求項31】 樹脂類が、ポリオレフィン樹脂、ポリ
    フェニレンエーテル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリ
    アミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹
    脂、ポリエーテルスルホン及び熱可塑性エラストマーか
    らなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項29
    記載の相溶化方法。
  32. 【請求項32】 請求項3〜5記載の改質された樹脂類
    及び請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の樹脂類を用いることを特徴
    とする樹脂類の表面改質方法。
  33. 【請求項33】 樹脂類の被覆性を改質することを特徴
    とする請求項32記載の表面改質方法。
  34. 【請求項34】 樹脂類の接着性を改質することを特徴
    とする請求項32記載の表面改質方法。
  35. 【請求項35】 樹脂類の染色性を改質することを特徴
    とする請求項32記載の表面改質方法。
  36. 【請求項36】 樹脂類がポリオレフィン樹脂である請
    求項32記載の表面改質方法。
  37. 【請求項37】 請求項3〜5記載の改質された樹脂類
    及び請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の樹脂類を含有することを特
    徴とする被覆用樹脂組成物。
  38. 【請求項38】 請求項3〜5記載の改質された樹脂類
    及び請求項15記載のエポキシ変性樹脂類からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の樹脂類を含有することを特
    徴とする接着剤用樹脂組成物。
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