JPH08109291A - 難燃性樹脂組成物およびこれを用いた難燃性積層体 - Google Patents

難燃性樹脂組成物およびこれを用いた難燃性積層体

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JPH08109291A
JPH08109291A JP24378494A JP24378494A JPH08109291A JP H08109291 A JPH08109291 A JP H08109291A JP 24378494 A JP24378494 A JP 24378494A JP 24378494 A JP24378494 A JP 24378494A JP H08109291 A JPH08109291 A JP H08109291A
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flame
sheet
retardant
resin composition
weight
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JP24378494A
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Motoyuki Miyoshi
元之 三好
Susumu Dojima
進 道島
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】ポリエチレン系樹脂30〜50重量%およびエ
チレン−酢酸ビニル共重合体70〜50重量%からなる
マトリックス樹脂100重量部に対し、水酸化アルミニ
ウムが250〜500重量部、飽和脂肪酸が0.3〜2
5重量部配合されてなる難燃性樹脂組成物、および、こ
の難燃性樹脂組成物を成形してなる芯材シートの両面
に、金属シートが接合されてなる難燃性積層体。 【効果】調製およびシートへの成形が容易で、かつ、可
撓性に優れ曲げ加工性の良い芯材シート用の難燃性樹脂
組成物、および、優れた難燃性と曲げ加工性とを兼ね備
えた難燃性積層体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性樹脂組成物、お
よびこれを用いた難燃性積層体に関する。さらに詳しく
は、水酸化アルミニウムが高充填されているにもかかわ
らず良好な溶融流動性を有する難燃性樹脂組成物、およ
びこの難燃性樹脂組成物を成形して得られた芯材シート
の両面に金属シートが接合されてなり、優れた曲げ加工
性を有し、内装用または外装用の建材等として好適な難
燃性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン等の合成樹脂よりなる芯材
シートの両面にアルミニウムシート等の金属シートを接
合して、金属シート/合成樹脂シート/金属シートの構
造とされた積層体は、表面は金属シートの特性を有し、
全体としては軽量であり、また、合成樹脂シートに比べ
てはるかに優れた曲げ加工性等の機械的性質や耐熱性を
有することから、建材等の各種用途に広く使用されてい
る。しかしながら、この構造の積層体は、両表面が金属
シートで覆われていることから合成樹脂シートに比べる
と難燃性が向上しているものの、合成樹脂シート(芯材
シート)が露出している端部には問題がある。即ち、こ
の端部が炎に曝された場合には合成樹脂シートの樹脂が
溶融し、次いでこれに着火し、炎が拡大していくという
欠点を有している。従って、この種の積層体が有する上
記の問題を解決するには、合成樹脂シート自体の難燃性
を向上させることが必要であり、従来より各種の方法が
試みられている。
【0003】合成樹脂の難燃化対策の一つとして、合成
樹脂中にハロゲン化合物等の難燃化剤を配合する方法が
知られている。この方法は、難燃化が達成されるという
点では有効であるものの、燃焼時に黒煙や有毒ガスが発
生する等の別の問題を有し、満足できる方法とはいえな
い。
【0004】また、難燃化のための別の対策として、合
成樹脂中に無機物の粉末等を配合する方法が知られてい
る。そして、この方法においては、無機物の粉末とし
て、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、タルク
等、さらには、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム等を使用することが知られている。この方法では、無
機物の充填により、燃焼に際しての発熱量を下げると同
時に黒煙の発生を抑え、かつ、樹脂の溶融滴下を防止す
ることにより難燃化を計るものであるが、無機物を極め
て多量に充填しないと十分な効果は達成できない。具体
的には、充填する無機物の種類やその形状にもよるが、
通常、合成樹脂100重量部に対し、300重量部もし
くはそれ以上の量を充填しない限り、十分な難燃性を付
与することがきない。
【0005】しかしながら、ポリエチレン等の合成樹脂
中に多量の無機物粉末を配合する場合には、均一な充填
(分散)が困難であるばかりでなく、得られる樹脂組成
物には、溶融流動性が悪いためシートへの成形が極めて
困難であり、また、得られるシートは可撓性に劣り曲げ
加工の際に破断する等の問題があった。このような理由
から、ポリエチレン等の合成樹脂中に無機物が単に高度
に充填されただけの樹脂組成物は、一応の難燃性は有し
ていても、上記の問題点を解決しない限り、優れた難燃
性と曲げ加工性とを兼ね備えた金属シート/合成樹脂シ
ート/金属シートなる構造とされた3層構造の積層体を
製造するときの芯材シート用の原料樹脂組成物には適さ
ない。
【0006】このような背景から、従来より、均一組成
物の調製およびシートへの成形が容易で、かつ、可撓性
に優れ曲げ加工性の良い芯材シート用の難燃性樹脂組成
物、および、このような難燃性樹脂組成物を成形してな
る芯材シートの両面に金属シートが接合された構造の難
燃性積層体の開発が強く望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来か
らの技術課題を解決しようとするものであり、均一組成
物の調製およびシートへの成形が容易で、かつ、可撓性
に優れ曲げ加工性の良い芯材シート用の難燃性樹脂組成
物、および、この難燃性樹脂組成物を成形してなる芯材
シートの両面に金属シートが接合されてなる難燃性積層
体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレン系樹
脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体とが特定の割合で配
合されてなるマトリックス樹脂に、水酸化アルミニウム
を従来考えられなかった範囲で高充填した合成樹脂組成
物であっても、これに特定量の飽和脂肪酸を添加した難
燃性樹脂組成物は、その調製およびシートへの成形が容
易で、かつ、この難燃性樹脂組成物を成形して得られる
シートは、曲げ加工性が良く前記3層構造の難燃性積層
体用の芯材シートに適するとの知見を得、本発明を完成
したものである。
【0009】しかして、本発明においては、上記課題を
解決するため次のような手段を講じている。即ち、請求
項1に記載の難燃性樹脂組成物においては、ポリエチレ
ン系樹脂30〜50重量%およびエチレン−酢酸ビニル
共重合体70〜50重量%からなるマトリックス樹脂1
00重量部に対し、水酸化アルミニウムが250〜50
0重量部、飽和脂肪酸が0.3〜25重量部配合されて
なる組成物にするという手段を講じている。
【0010】また、請求項3記載の難燃性積層体におい
ては、請求項1記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる
芯材シートの両面に、金属シートが接合されてなる積層
体にするという手段を講じている。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。先ず、
本発明に係る難燃性樹脂組成物について説明する。本発
明の難燃性樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂30〜5
0重量%およびエチレン−酢酸ビニル共重合体70〜5
0重量%からなる混合樹脂組成物をマトリックス樹脂と
して使用する。
【0012】本発明においてポリエチレン系樹脂とは、
エチレンの単独重合体、および、エチレンと他のα−オ
レフィン、例えばプロピレン、ブテン−1等、とを重合
させたエチレン/α−オレフィン共重合体をいう。マト
リックス樹脂用のポリエチレン系樹脂としては、従来か
ら知られているエチレンの単独重合体(低密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、
エチレン/α−オレフィン共重合体、またはこれらの混
合物を用いることができが、そのメルトフローインデッ
クスは0.1〜30g/10minであるものが好まし
い。これらの中では、メルトフローインデックスが0.
3〜30g/10minであるエチレンの単独重合体が
特に好ましい。
【0013】本発明においてエチレン−酢酸ビニル共重
合体とは、エチレンと酢酸ビニルをモノマー成分とする
共重合体であって、通常、エチレン成分を95〜25重
量%、酢酸ビニル成分を5〜75重量%含有するもので
ある。好ましくは酢酸ビニル成分を10〜50重量%含
有する。共重合処方としては、ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体、またはこれらの混合物が挙げられる。ま
たそのメルトフローインデックスは0.5〜20g/1
0minのものが好ましい。
【0014】マトリックス樹脂におけるポリエチレン系
樹脂の割合が30重量%未満であるときには、得られる
難燃性樹脂組成物は、その機械的強度、特に引張り強度
が弱く、また、ポリエチレン系樹脂の割合が50重量%
を超えるときには、得られる難燃性樹脂組成物は、高温
における粘度が低下し、ドリッピングし易く難燃性が劣
る傾向を示すので好ましくない。このような理由によ
り、マトリックス樹脂におけるポリエチレン系樹脂の割
合は、35〜45重量%が特に好ましい。
【0015】本発明の難燃性樹脂組成物は、上記マトリ
ックス樹脂100重量部に対し、水酸化アルミニウムが
250〜500重量部、飽和脂肪酸が0.3〜25重量
部配合されてなる点に大きな特徴を有する。
【0016】上記水酸化アルミニウムは、マトリックス
樹脂に難燃性を付与する機能を果たし、従来より樹脂に
対する充填材として使用されている水酸化アルミニウム
を使用することができる。水酸化アルミニウムとして
は、ギブサイト型、ベーマイト型、またはバイヤライト
型等の各種結晶構造のものが知られており、これらのう
ち、例えば、重量平均粒子径が2〜80μmの範囲のも
のを好適に使用することができる。
【0017】この水酸化アルミニウムは、マトリックス
樹脂100重量部に対し、250〜500重量部配合さ
れる。水酸化アルミニウムを上記範囲で含有する組成物
は、これをシート状に成形することにより難燃性の芯材
シートとすることができる。具体的にはASTM E8
4の合格レベル(燃焼熱が6000BTU/ft2
下)の芯材シートを与え、このような芯材シートの両面
に金属シートが接合されてなる積層体は、JIS A1
321に規定する準不燃グレードの難燃性積層体とな
る。
【0018】前記飽和脂肪酸は、上記水酸化アルミニウ
ムを高濃度に含有するマトリックス樹脂に良好な溶融流
動性を付与するとともに、これをシート状に成形して得
られるシートの可撓性を向上させる機能を果たす。この
飽和脂肪酸は、特にその種類は限定されるものではな
く、任意のものを使用できる。上記の機能を効果的に付
与できるという点からは、アルキル基の炭素数が4〜2
2の範囲のものが好ましい。好ましい飽和脂肪酸の例と
しては、ステアリン酸、イソステアリン酸、酪酸、カプ
リン酸、カプロン酸、ラウリン酸、およびオレイン酸を
挙げることができ、中でもステアリン酸が好ましい。
【0019】この飽和脂肪酸は、マトリックス樹脂10
0重量部に対し、0.3〜25重量部配合される。飽和
脂肪酸の上記配合割合が0.3重量部未満であるときに
は、十分な溶融流動性を付与することができず、またシ
ートの可撓性も不十分となる。他方、25重量部を超え
て配合しても、その機能発現に限界があり、また、マト
リックス樹脂中に均一に相溶させることが困難となるの
で、配合量の上限は25重量部に止めるのがよい。
【0020】本発明の難燃性樹脂組成物は、水酸化アル
ミニウムを高濃度に含有するにもかかわらず可撓性に優
れ、これをJIS K7203に準拠した曲げ試験に供
した場合、たわみ(d)が試験片の高さ(h)の1.5
倍、またはそれ以上に達するまで試験片が破壊しない程
度に優れた曲げ加工性を示す。ここで、試験片が破壊し
ないとは、表面引張り、表面圧縮、および層間剪断等に
よるクラック発生や破断が観察されないことをいう。
【0021】本発明の難燃性樹脂組成物には必要に応
じ、その性質を損なわない範囲において、合成樹脂用添
加剤として通常に用いられるステアリン酸カルシウム等
の滑材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、可塑剤、
分散剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤、接着性付与
剤、発泡剤等を適宜添加することができる。
【0022】本発明の難燃性樹脂組成物は、良好な溶融
流動性を有しているので、特別な混合機や混練機を用い
たり、特別の条件を採用することなく容易に、成形加工
に適した均一組成物とすることができる。具体的には、
前記の各原料樹脂、水酸化アルミニウム、および飽和脂
肪酸の各所定量をドライブレンドした後、この混合物を
従来公知の各種溶融混練法で使用される2本ロールミ
ル、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等によって
混練りすることによって容易に得ることができる。
【0023】おな、難燃性樹脂組成物を上記の方法で得
る場合、飽和脂肪酸は、マトリックス樹脂等と一緒に直
接配合することもできるが、予め水酸化アルミニウムに
所定量を付着させておく方法も採用できる。この方法を
採る場合には、例えば、飽和脂肪酸のアルコール溶液を
調製し、これを水酸化アルミニウムに含浸または散布し
た後、乾燥して得られたものを使用すればよい。この場
合、水酸化アルミニウム100重量部に対する飽和脂肪
酸の付着量がほぼ0.1〜10重量部の範囲となるよう
に、上記アルコール溶液の濃度または含浸量を調節する
のがよい。
【0024】本発明の難燃性樹脂組成物は、溶融押出機
を用いる押出成形により容易にシート状に成形でき、得
られたシートは、金属シート/難燃性樹脂(芯材シー
ト)/金属シートの構造とされた難燃性積層体を製造す
る際の芯材シートとして好適に使用することができる。
また、本発明の難燃性樹脂組成物を成形して得られるシ
ートは、優れた可撓性を有しているので、ロール状に巻
取ることもできるとともに、これを芯材シートとする上
記構造の難燃性積層体は、優れた曲げ加工性を有する。
場合によっては、芯材シートに電子線等の電離性放射線
を照射することによって架橋せしめることもできる。
【0025】次に、本発明に係る難燃性積層体について
説明する。本発明の難燃性積層体は、上述した本発明の
難燃性樹脂組成物を成形してなるシートを芯材とし、こ
の芯材シートの両面に金属シートが接合されてなる構造
を有する。芯材シートの両面に接合される上記金属シー
トは、特に制限はなく、アルミニウム、鉄、ステンレ
ス、チタン−鉄合金等よりなるものが使用される。中で
もアルミニウムシートが好ましい。アルミニウムは軽量
であるため、本発明の難燃性積層体の特徴を一層発揮さ
せることができ好ましい。特に難燃性積層体の外表面に
位置する面に耐食加工を施したアルミニウムシートは、
耐久性に優れている点でも、最も好ましい金属シートの
一種である。
【0026】本発明の難燃性積層体を構成する芯材シー
トおよび金属シートそれぞれの厚み、および難燃性積層
体の総厚みは、特に限定されるものではない。芯材シー
トの厚みは、通常1〜6mm、好ましくは2〜5mmと
し、この芯材シートの両面に接合される金属シート1枚
の厚みは、通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜
0.6mmとするのがよい。また、難燃性積層体の総厚
みは、2〜6mmであるものが好ましい。芯材シートお
よび金属シートそれぞれの厚み、および難燃性積層体の
総厚みは、この積層体の用途、要求される強度、曲げ加
工性等に応じ、それぞれ上記範囲の中から適宜選ぶこと
ができる。
【0027】本発明の難燃性積層体は、前記本発明の難
燃性樹脂組成物を成形してなる芯材シートの両面に、例
えば熱プレスによる熱圧着接合、接着剤を用いる接着接
合、接着性樹脂フィルムを介在させる熱溶着接合等の従
来より公知の方法を用い、金属シートを接合することに
より容易に製造することができる。特に、ロール状に巻
取られた芯材シートは、これをロール状に巻取られた金
属シートと組合わせて用いると、連続長尺の難燃性積層
体を生産性よく製造することができるうえ、製造工程の
管理も容易である。
【0028】本発明の難燃性積層体は、難燃性および曲
げ強度を兼ね備えた特定の樹脂シートを芯材として用い
ているので、金属/樹脂/金属という基本構造に基づく
軽量性に加え、高度の難燃性に有し、かつ、曲げ加工性
にも優れている。
【0029】
【実施例】次に、本発明を、実施例および比較例により
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えな
い限りこれらの例の記載により限定されるものではな
い。なお、以下の記載において、「部」および「%」
は、特に記載のない限り重量基準である。
【0030】また、実施例および比較例において、用い
たポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(「E
VA」と略記する。)、および水酸化アルミニウムは、
それぞれ次の略号で示している。 ポリエチレン: HY430;高密度ポリエチレン、MI=0.8、三菱
化成(株)製 BS004;高密度ポリエチレン、MI=0.35、三
菱化成(株)製 JT200;高密度ポリエチレン、MI=20、三菱化
成(株)製 JU080;高密度ポリエチレン、MI=11、三菱化
成(株)製 F 100;低密度ポリエチレン、MI=0.4、三菱
化成(株)製 F 131;低密度ポリエチレン、MI=1.3、三菱
化成(株)製 EVA: V401S;酢酸ビニル含有量=20%、MI=15、
三菱油化(株)製 V403E;酢酸ビニル含有量=15%、MI=0.
5、三菱油化(株)製 水酸化アルミニウム: A−3011;平均粒径=15.3μm、DOP吸油率
=28%、アルコア化成(株)製
【0031】実施例1〜実施例8 高密度ポリエチレン、EVA、水酸化アルミニウム、ス
テアリン酸、酸化防止剤(イルガノックスX1010、
チバガイギー社製、商品名)、およびステアリン酸カル
シウムを、表1〜表4の配合割合の欄に記載の処方に従
ってドライブレンドした後、2本ロールミルを用い、1
35〜145℃の条件で20分間混練りすることによ
り、8種類の樹脂組成物を得た。なお、ステアリン酸の
配合は、いずれの例においても、そのアルコール溶液を
水酸化アルミニウムに含浸させ、次いでアルコール分を
蒸発、乾燥させた水酸化アルミニウムとともに添加する
方法によった。
【0032】先ず、得られた各々の樹脂組成物につい
て、インテスコレオメーター( INTESCO社製、溶融粘度
計 Model2020)を用い、180℃で溶融粘度
を測定した。
【0033】次いで、得られた各々の樹脂組成物を18
0℃で熱プレス法によってシート成形することにより、
150mm(長さ)×150mm(幅)×2mm(厚
み)のシートを得た。これらのシートの各々より80m
m(長さ)×25mm(幅)×2mm(厚み)の試験片
各5枚を切り出し、JIS K7203に準拠した曲げ
試験(支点間距離32mm)に供し、試験片に破壊が観
察されるまでの「たわみ」(以下、「破壊たわみ」とい
う。)を測定した。上記のようにして測定された溶融粘
度、および「破壊たわみ」を、原料の配合割合ととも
に、後記の表1〜表4に示す。
【0034】比較例1〜比較例8 実施例1〜実施例8に記載の例において、ステアリン酸
を配合しなかったほかは、これらの例におけると同様
に、ポリエチレン、EVA、水酸化アルミニウム、酸化
防止剤、およびステアリン酸カルシウムを、表1〜表4
の配合割合の欄に記載の処方に従ってドライブレンド
し、これらの例におけると同様にして樹脂組成物を得
た。次いで、得られた各々の樹脂組成物を用い、実施例
におけると同様の方法により、溶融粘度およびシートの
「破壊たわみ」を測定した。結果を同じく後記の表1〜
表4に示す。
【0035】実施例9〜実施例12 実施例1〜実施例8に記載の例において、高密度ポリエ
チレンに代えて低密度ポリエチレンを用いたほかはこれ
らの例におけると同様に、ポリエチレン、EVA、水酸
化アルミニウム、ステアリン酸、酸化防止剤、およびス
テアリン酸カルシウムを、表5の配合割合の欄に記載の
処方に従ってドライブレンドし、これらの例におけると
同様にして樹脂組成物を得た。次いで、得られた各々の
樹脂組成物を用い、上記の実施例におけると同様の方法
により、溶融粘度およびシートの「破壊たわみ」を測定
した。結果を同じく後記の表5に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】実施例13 実施例2、実施例3および実施例4の各々におけると同
様の配合処方に基づくドライブレンド物を、2本ロール
ミルにより135〜145℃で、20分間混練りして樹
脂組成物を得た。これらの樹脂組成物を180℃で熱プ
レス法によってシート成形することにより、厚み3mm
のシートを得た。得られたシートを芯材シートとし、そ
の両面に厚み0.5mmのアルミニウムシートを配し、
これを温度180℃に加熱された熱プレスで熱圧着する
ことにより、芯材シートの両面にアルミニウムシートが
接合された総厚み4mmの3層構造の積層体を製造し
た。
【0042】これら各々の3層構造の積層体について、
次のようにして、難燃性試験および曲げ加工試験を実施
した。 (イ)難燃性試験 得られた積層体より、縦・横の長さがそれぞれ220m
mの試験体を切出し、これをJIS A1321に準拠
した難燃性試験(4.項に規定する付加試験)に供した
ところ、残炎時間はゼロであった。 (ロ)曲げ加工試験 得られた積層体を、油圧プレス装置を用い、常温下での
曲率半径60mmの直角曲げ加工を施した後、積層体の
端部断面および中央部切断面の状態を観察したところ、
いずれの積層体においても、芯材シートおよびアルミニ
ウムシートでのクラックや破断の発生は全く認められな
かった。
【0043】上記の実施例および比較例から、次のこと
が明らかである。 (1)各実施例の難燃性樹脂組成物は、各比較例の樹脂
組成物に比べ、溶融粘度が低い。従って、組成物の調製
およびシートへの成形が容易である。 (2)各実施例の難燃性樹脂組成物を成形して得られた
シートは、各比較例の樹脂組成物を成形して得られたシ
ートに比べ、「破壊たわみ」が大きく、厚みの1.5
倍、またはそれ以上の「たわみ」に達するまで破壊しな
い。従って、このシートは優れた可撓性を有する。 (3)本発明の難燃性樹脂組成物を成形して得られたシ
ートを芯材シートとする積層体は、優れた難燃性を示
す。 (4)本発明の難燃性樹脂組成物を成形して得られたシ
ートを芯材シートとする積層体は、優れた曲げ加工性を
示す。
【0044】
【発明の効果】本発明は、調製およびシートへの成形が
容易で、かつ、可撓性に優れ曲げ加工性の良い芯材シー
ト用の難燃性樹脂組成物、および、優れた難燃性と曲げ
加工性とを兼ね備えた難燃性積層体を提供できる、とい
う効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂30〜50重量%お
    よびエチレン−酢酸ビニル共重合体70〜50重量%か
    らなるマトリックス樹脂100重量部に対し、水酸化ア
    ルミニウムが250〜500重量部、飽和脂肪酸が0.
    3〜25重量部配合されてなることを特徴とする難燃性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 飽和脂肪酸が、ステアリン酸であること
    を特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物を成形
    してなる芯材シートの両面に、金属シートが接合されて
    なることを特徴とする難燃性積層体。
  4. 【請求項4】 金属シートが、アルミニウムシートであ
    ることを特徴とする請求項3記載の難燃性積層体。
JP24378494A 1994-10-07 1994-10-07 難燃性樹脂組成物およびこれを用いた難燃性積層体 Pending JPH08109291A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016147389A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社トッパン・コスモ 化粧板
US10399301B2 (en) 2015-01-27 2019-09-03 Toppan Printing Co., Ltd. Incombustible decorative sheet, metal decorative member and method for fabricating a metal decorative member

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