JPH08104597A - ダイヤモンド複合膜およびダイヤモンド複合膜付部材 - Google Patents

ダイヤモンド複合膜およびダイヤモンド複合膜付部材

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JPH08104597A
JPH08104597A JP23650894A JP23650894A JPH08104597A JP H08104597 A JPH08104597 A JP H08104597A JP 23650894 A JP23650894 A JP 23650894A JP 23650894 A JP23650894 A JP 23650894A JP H08104597 A JPH08104597 A JP H08104597A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造工程中や使用時おけるチッピングを減少さ
せると同時に、使用時の性能を安定させることができる
ダイヤモンド複合膜およびダイヤモンド複合膜付部材を
提供する。 【構成】ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素層と
を交互に3層以上積層してなるもので、ダイヤモンド状
炭素層がダイヤモンド結晶層よりも薄く、かつ、ダイヤ
モンド結晶層が3層以上形成されていることが望まし
い。また、ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素層
とを交互に3層以上積層してなるダイヤモンド複合膜
を、母材に接合してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド複合膜お
よびダイヤモンド複合膜付部材に関するもので、特に、
加工用切削工具,スリッターナイフ等の産業用刃物、各
種の摺動部品、糸道,ガイドブッシュ等の耐摩耗部材、
各種測定機器用部品、精密加工用刃物、医療用器具、各
種電子素子、電子部品用放熱板、ヒートシンク等に最適
なダイヤモンド複合膜およびダイヤモンド複合膜付部材
に関するものである。
【0002】
【従来技術】ダイヤモンド等の超硬質材料は、従来大規
模な超高圧プレス装置により作成していた。しかし、気
相合成法(CVD)によれば、これらの材料が簡便な方
法により得られることから、気相合成法によるダイヤモ
ンド等の超硬質材料は、今後、広範囲にわたる応用が期
待されている(特開昭60−54995号公報等参
照)。
【0003】しかし、CVDによるダイヤモンド等の超
硬質膜は、例えば鉄系合金には全く付着しない。また、
窒化珪素や超硬合金からなる母材でも密着性が不十分で
剥がれが生じやすいという問題がある。
【0004】さらに、シリコン基板上にダイヤモンド膜
を形成し、しかる後に、シリコン基板を除去し、ダイヤ
モンド膜を切り出してヒートシンク等として利用する事
も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ダイ
ヤモンド膜を単独層としてヒートシンク等に利用する場
合には、ダイヤモンドを厚くコーティングする必要があ
るため、結晶粒子の大きさにバラツキがあり、ダイヤモ
ンド膜の製造工程やダイヤモンド膜を所定形状に加工す
る工程、さらにはこのダイヤモンド膜の使用時にチッピ
ングが生じやすいという問題があった。これにより、例
えば、切削工具として使用した場合には工具寿命にバラ
ツキを生じさせ、製品の信頼性を低下させるという問題
があった。
【0006】即ち、本発明は、チッピングを抑制するこ
とができるダイヤモンド複合膜およびダイヤモンド複合
膜付部材を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記問
題点を鋭意検討した結果、ダイヤモンド結晶層とダイヤ
モンド状炭素層とを交互に積層してダイヤモンド複合膜
を形成することにより、ダイヤモンドの粒成長を抑制
し、使用時や製造工程時におけるチッピングを減少させ
ると同時に、使用時の性能を安定させることを見出し本
発明に到った。
【0008】即ち、本発明のダイヤモンド複合膜は、ダ
イヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素層とを交互に3
層以上積層してなるものである。ここで、ダイヤモンド
状炭素層がダイヤモンド結晶層よりも薄く、かつ、ダイ
ヤモンド結晶層が3層以上形成されていることが望まし
い。
【0009】また、本発明のダイヤモンド複合膜付部材
は、ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素層とを交
互に3層以上積層してなるダイヤモンド複合膜を、母材
に接合してなるものである。
【0010】本発明におけるダイヤモンド結晶層とは、
ダイヤモンド以外の炭素が比較的少ないものである。ダ
イヤモンド結晶層はダイヤモンド結晶を主成分とするこ
とが好ましい。また、ダイヤモンド状炭素層とは、ダイ
ヤモンド結晶を含む場合もあるが、ダイヤモンド結晶層
よりもダイヤモンド結晶が少なく、ダイヤモンド以外の
炭素を比較的多く含むものである。
【0011】ダイヤモンド結晶層やダイヤモンド状炭素
層の厚みは任意に設定することができるが、1〜20μ
mが望ましく、特に2〜5μmが好ましい。
【0012】本発明のダイヤモンド複合膜は、ダイヤモ
ンド結晶層とダイヤモンド状炭素層とを交互に積層して
なるものであるが、その厚みは0.5μm以上、特に
は、2μm以上であることが望ましい。0.5μm以上
の厚みがあれば、このダイヤモンド複合膜により耐摩耗
性を改善することができる。一方0.5μmよりも薄い
場合には耐摩耗性が改善できないからである。
【0013】また、ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド
状炭素層とを交互に積層したのは、これらの層を交互に
積層することにより、ダイヤモンド結晶層中のダイヤモ
ンド粒子の粒成長を抑制することができるからである。
また、積層することにより、各層においてクラックの進
展を阻止するためである。ダイヤモンド結晶層とダイヤ
モンド状炭素層とを交互に3層以上積層したのは、3層
以下であるとチッピング抑制の効果が小さいからであ
る。
【0014】この場合に、ダイヤモンド状炭素層がダイ
ヤモンド結晶層よりも薄く、かつ、ダイヤモンド結晶層
が3層以上形成されていることが望ましい。これは、ダ
イヤモンド結晶層が2層以下である場合には、チッピン
グを抑制する効果が小さく、ダイヤモンド状炭素層がダ
イヤモンド結晶層よりも厚い場合には、複合膜の硬度が
低下するからである。ダイヤモンド結晶層の厚みは0.
2〜10μm、ダイヤモンド状炭素層の厚みは、0.1
〜5μmであることが望ましい。
【0015】本発明のダイヤモンド複合膜は、ろう付け
や接着材により母材に接合することができるが、この場
合には、ダイヤモンド複合膜の強度を母材により補強す
ることができる。この場合の母材としては、例えば、W
Cとコバルト(Co)と周期律表第4a,5a,6a族
元素の炭化物,窒化物または炭窒化物とからなる超硬合
金や、TiCまたはTiCNとニッケル(Ni)または
Coと周期律表第4a,5a,6a族元素の炭化物,窒
化物または炭窒化物とからなるサーメットや、炭化ケイ
素(SiC)とホウ素と炭素とからなる炭化珪素質焼結
体や、Si3 4 またはSiCと希土類元素酸化物とか
らなる炭化珪素或いは窒化珪素質焼結体あるいはこれら
の複合体から構成されている。また、母材は、鉄系合
金,Ni系,Co系合金,ハイス,シリコン,モリブデ
ン,チタン等の金属、炭素などであっても良い。ダイヤ
モンド複合部材を母材に接合する手段としては、ろう付
けや接着剤による接合等、公知の接着手段を用いること
ができる。
【0016】そして、本発明のダイヤモンド複合膜は、
その表面にCVD、メッキ等の方法で金属やセラミック
の支持層を生成させ、しかるのちにこの支持層を母材に
ろう付け、接着等の方法で母材に接合すると、母材との
接合強度を向上することができる。即ち、ダイヤモンド
膜を直接母材にろう付けする従来の方法では、ダイヤモ
ンドとろう材(例えば、Ag,Au−Sn等)との濡れ
性が低いため、ダイヤモンド膜と母材との接合強度が低
く、例えば、短時間でダイヤモンド膜が母材から脱落す
るという問題があったが、上記のように金属やセラミッ
クの支持層を生成させることにより、母材との濡れ性を
向上することができ、母材との接合強度を向上すること
ができる。
【0017】ダイヤモンド複合膜を母材にろう付けする
場合は、ダイヤモンド複合膜が0.3mm以上の厚みを
有する場合に好適である。ダイヤモンド複合膜の厚みが
さらに厚い場合にも母材に接合して使用することができ
るが、一般にCVD法で1.0mm以上と厚いダイヤモ
ンドを作製すると電力費などがかさみ、製造コストが高
くなる傾向にある。
【0018】本発明のようにダイヤモンド結晶層とダイ
ヤモンド状炭素層を交互に積層するには、例えば、同一
のCVD装置内部でダイヤモンド結晶の多い部分と硬質
炭素の多い部分ができるよう、温度等に勾配を持たせ、
その装置内で基板を繰り返し移動させることにより得ら
れる。温度勾配は10℃以上望ましくは50℃程度の温
度差を与えるのが良い。
【0019】成膜にはマイクロ波プラズマCVD,熱フ
ィラメントCVD,ECRプラズマCVD、プラズマジ
ェット法など公知の方法が用いられる。
【0020】基板としては、例えば、シリコン,モリブ
デン等が用いられる。そして、本発明のダイヤモンド複
合膜が形成された後、基板がエッチング等により除去さ
れる。本発明のダイヤモンド複合膜は、単独層として、
加工用切削工具,スリッターナイフ等の産業用刃物、各
種の摺動部品等に用いることができる。
【0021】また、本発明のダイヤモンド複合膜は、母
材に接合して用いることもできる。
【0022】例えば、基板に、上記方法によりダイヤモ
ンド結晶層とダイヤモンド状炭素層を交互に積層するダ
イヤモンド複合膜を形成した後、このダイヤモンド複合
膜の表層部に形成されるダイヤモンド結晶の粒界をエッ
チングして表層部に微細な凹凸を形成し、このダイヤモ
ンド複合膜の凹凸面を母材にろう付けや接着剤により接
合しても良い。もしくは、ダイヤモンド複合膜に凹凸面
を形成した後、CVDやメッキ等により金属やセラミッ
クスの支持層を形成し、この支持層を母材にろう付けや
接着剤により接合しても良い。支持層の形成によりダイ
ヤモンド複合膜の表層部の凹部に、金属やセラミックス
が充填されることになり、いわゆるアンカー効果が生じ
る。
【0023】基板は、ダイヤモンド複合膜を母材に接合
する前、または後に除去される。
【0024】ダイヤモンド複合膜の表層部は表面粗さが
大で、それ自体結晶粒子間に空隙を有するものが望まし
いが、その気孔率は5〜80%が望ましく、表層部の膜
厚は1〜500μmであることが望ましい。
【0025】微細な凹凸を生じさせたダイヤモンド複合
部材の表層部に、金属やセラミックス等を侵入させるた
めには、CVD装置内の圧力を低圧に保持した状態で、
混合ガスを導入することが望ましい。上記CVD装置内
圧力は、性能と生産性との兼ね合いから1〜760To
rrが好適である。
【0026】支持層として用いられる金属は、Mo,Z
r,W,Ti,Ni,Ta,Nb,Co,Fe,Cr等
から選ばれる少なくとも1種の金属からなるもので、厚
みは0.05〜3.0mm、特には0.1〜1.0mm
であることが望ましい。機械的な応力が加わる場合に
は、金属層はWが好ましい。金属層を形成することによ
り、母材が金属や超硬合金の場合には金属対金属の接合
となるため接合強度を向上することができ、母材がセラ
ミックの場合には金属層の存在により応力を緩和するこ
とができる。
【0027】支持層として金属の成膜には、真空蒸着
法,スパッタリング,イオンプレーティングなどの物理
気相法(PVD)、熱CVD,プラズマCVD,光CV
D、プラズマジェット法等の化学気相法(CVD)、さ
らにメッキ、および溶射でも作成できる。
【0028】支持層として用いられるセラミックスは、
金属の炭化物,窒化物,硼化物,酸化物,硅化物のうち
少なくとも1種類、経済性や実用性を考慮するとセラミ
ックス層としてはTi,Zr,Cr,Mo,W,Al,
Siから選ばれる少なくとも一種の炭化物または窒化物
が好ましい。そして、この中でも、窒化アルミニウム、
窒化珪素、炭化珪素が良好に使用できる。また、支持層
の厚みは、コスト的な観点から0.05乃至3mmが好
ましい。厳しい使用条件やコストを考慮すると0.1乃
至1.0mmが特に望ましい。
【0029】ダイヤモンド複合膜表面のエッチングは各
種の方法が用いられるが、例えば、Si等の基板上に成
膜した緻密なダイヤモンド膜をO2 をふくむ減圧雰囲気
でプラズマ中に設置し、エッチングを行う。その他のコ
ーティング方法を用いた場合でも、コーティングにより
緻密なダイヤモンド膜又はダイヤモンドとダイヤモンド
状炭素との混合膜を作製した後、炉内に微量の酸素また
は酸化性ガス(CO2など)を導入すれば、ダイヤモン
ドの粒界またはダイヤモンド状炭素が選択的にエッチン
グされ、粒子間に隙間のある膜が生成でき、ダイヤモン
ド複合膜の表層部に凹凸を形成できる。
【0030】ダイヤモンドの各種コーティング法の中で
は、比較的容易に厚いダイヤモンド膜が得られる点で、
プラズマジェット法が優れている。プラズマジェット法
で作成した膜をECRプラズマ中でエッチングしてもよ
い。
【0031】
【作用】本発明のダイヤモンド複合膜では、ダイヤモン
ド結晶層とダイヤモンド状炭素層とを交互に3層以上積
層することにより、ダイヤモンド結晶層およびダイヤモ
ンド状炭素層中のダイヤモンドの粒成長を抑制し、複合
膜の製造工程や加工工程、あるいは複合膜の使用時おけ
るチッピングを減少させると同時に、使用時の性能を安
定させることができる。即ち、本発明では、ダイヤモン
ド複合膜の表面に発生したクラックは、ダイヤモンド結
晶層やダイヤモンド状炭素層の各層で遮断され、クラッ
クの進展を抑制し、チッピングを抑制することができ
る。
【0032】また、ダイヤモンド状炭素層がダイヤモン
ド結晶層よりも薄く、かつ、ダイヤモンド結晶層を3層
以上形成することにより、チッピングをさらに抑制する
ことができる。
【0033】さらに、ダイヤモンド複合膜を母材に接合
することにより、ダイヤモンド複合膜を補強することに
なり、複合膜の応用範囲を拡大することができる。
【0034】
【実施例】本発明のダイヤモンド複合膜およびダイヤモ
ンド複合膜付部材を図面を用いて詳細に説明する。
【0035】図1に示すように、本発明のダイヤモンド
複合膜1は、ダイヤモンド結晶層2とダイヤモンド状炭
素層3を交互に積層して構成されている。ダイヤモンド
結晶層2は4層形成されている。
【0036】また、本発明のダイヤモンド複合膜付部材
は、図2に示すように、例えば、WC−Co系超硬合金
からなる母材4の表面にダイヤモンド複合膜1がろう付
けにより接合されている。
【0037】本発明のダイヤモンド複合膜は、原料ガス
として公知のH2 やCH4 等を用い、マイクロ波プラズ
マCVD装置内部でダイヤモンド結晶の多い部分とダイ
ヤモンド状炭素の多い部分ができるよう、CVD装置内
部の温度に勾配を持たせ、その装置内に収容されたモリ
ブデンからなる基板を繰り返し移動させることにより得
られる。温度勾配は約70℃とした。
【0038】具体的には、図3に示すように、CVD装
置内部のプラズマ雰囲気10中には、温度の高い高温域
11と低い低温域12が形成されており、この部分に基
板13を配置し、左右に移動させることにより、基板1
3の表面にダイヤモンド結晶層2とダイヤモンド状炭素
層3が交互に積層される。
【0039】そして、この後、必要に応じて基板が公知
の技術により除去される。
【0040】以上のように構成されたダイヤモンド複合
膜は、ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素層が交
互に形成されているため、ダイヤモンド複合膜の表層部
に発生したクラックは、各層において進展が阻止され、
チッピングの発生を抑制することができる。
【0041】また、本発明のダイヤモンド複合膜付部材
は、ダイヤモンド複合膜1を母材にろう付けした場合に
は、ダイヤモンド複合膜を補強することになり、適用可
能な分野を拡大することができる。
【0042】尚、図4に示すように、ダイヤモンド複合
膜1をO2 をふくむ減圧雰囲気でプラズマ中に設置して
エッチングを行い、ダイヤモンド複合膜1の表層部に凹
凸14を形成し、この凹凸面を母材4にろう付け15に
より接合しても良い。この場合には、母材4との接合強
度を向上することができる。また、図5に示すようにダ
イヤモンド複合膜1の表層部に金属またはセラミックス
からなる支持層16を形成し、この支持層16を母材4
にろう付け15により接合しても良い。
【0043】本発明者等は、本発明のダイヤモンド複合
膜の製造工程や複合膜の加工工程におけるチッピングを
抑制する効果を確認すべく、支持層の種類や有無,ダイ
ヤモンド複合膜の厚み,ダイヤモンド結晶層の厚み,ダ
イヤモンド結晶層の積層数を変化させて実験を行った。
【0044】ダイヤモンド複合膜の製造工程中における
チッピングは、5個のダイヤモンド複合膜を製造する場
合において、チッピングが生じた個数の割合で表した。
また、複合膜の加工工程におけるチッピングの有無は、
複合膜を240番のダイヤモンドブレードで必要サイズ
にカットした後、SEM(走査電子顕微鏡)により断面
を観察することにより行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】また、表1の試料を種々の母材にろう付け
し、ろう付け部に50kgの力を剪断方向に加え、母材
からの剥離の有無を調べ、接合強度を試験した。各試料
を5個試験し、剥離した試料の割合で表した。結果を表
1に示した。
【0047】表1より、本発明のダイヤモンド複合膜で
は、ダイヤモンド複合膜の製造工程や複合膜の加工工程
におけるチッピングを抑制できることが判る。また、本
発明のダイヤモンド複合膜付部材では、ダイヤモンド複
合膜が母材から剥離しにくいことが判る。尚、試料9の
複合膜は、ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素層
の2層構造である。
【0048】
【発明の効果】本発明のダイヤモンド複合膜では、ダイ
ヤモンド結晶層およびダイヤモンド状炭素層中のダイヤ
モンドの粒成長を抑制し、製造工程中や使用時おけるチ
ッピングを減少させると同時に使用時の性能を安定させ
ることができる。また、ダイヤモンド状炭素層がダイヤ
モンド結晶層よりも薄く、かつ、ダイヤモンド結晶層が
3層以上形成することにより、チッピングをさらに抑制
することができる。さらに、ダイヤモンド複合膜を母材
に接合することにより、ダイヤモンド複合膜を補強する
ことになり、使用可能な分野を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンド複合膜を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明のダイヤモンド複合膜付部材を示す縦断
面図である。
【図3】本発明のダイヤモンド複合膜を基板に生成する
状態を示す説明図である。
【図4】表層部が凹凸のダイヤモンド複合膜を母材に接
合した状態を示す縦断面図である。
【図5】ダイヤモンド複合膜に支持層を形成し、この支
持層を母材に接合した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・ダイヤモンド複合膜 2・・・ダイヤモンド結晶層 3・・・ダイヤモンド状炭素層 4・・・母材 13・・・基板 14・・・凹凸 15・・・ろう付け 16・・・支持層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志野 直行 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素
    層とを交互に3層以上積層してなることを特徴とするダ
    イヤモンド複合膜。
  2. 【請求項2】ダイヤモンド状炭素層がダイヤモンド結晶
    層よりも薄く、かつ、ダイヤモンド結晶層が3層以上形
    成されている請求項1記載のダイヤモンド複合膜。
  3. 【請求項3】ダイヤモンド結晶層とダイヤモンド状炭素
    層とを交互に3層以上積層してなるダイヤモンド複合膜
    を、母材に接合してなることを特徴とするダイヤモンド
    複合膜付部材。
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