JPH081016A - 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法

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JPH081016A
JPH081016A JP6160640A JP16064094A JPH081016A JP H081016 A JPH081016 A JP H081016A JP 6160640 A JP6160640 A JP 6160640A JP 16064094 A JP16064094 A JP 16064094A JP H081016 A JPH081016 A JP H081016A
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Japan
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catalyst
exhaust gas
carrier
metal
metal oxide
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JP6160640A
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English (en)
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Takahiro Kikuchi
孝浩 菊池
Mikiro Kumagai
幹郎 熊谷
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SANGYO SOUZOU KENKYUSHO
SANGYO SOZO KENKYUSHO
Original Assignee
SANGYO SOUZOU KENKYUSHO
SANGYO SOZO KENKYUSHO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モノリス型の担体表面に均一で適度な厚みを
有する触媒の担持層を形成することができ、かつ担体と
担持層との付着を強固にすることができる、新規な排ガ
ス浄化用モノリス触媒の製造方法を提供する。 【構成】 モノリス型の担体表面に金属酸化物を含有す
る担持層を形成し、さらに担持層に触媒金属を担持した
モノリス触媒を得る際、金属酸化物の原料化合物を加水
分解して金属酸化物を生成させて担持層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガス浄化用モノリス
触媒の製造方法およびモノリス触媒に関し、さらにはこ
の触媒を用いた燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排ガス中の窒素酸化物の除去方法
として、ガソリンエンジンの排ガスに対しては、空気/
燃料比の調節により酸素濃度を制御し、三元触媒を用い
る方法が汎用されている(船曳、山田「自動車触媒」実
用触媒の学理的基礎研究会 要旨集、触媒学会P15〜
20、1989)。しかしながら、上記方法では、酸素
過剰雰囲気下では無効であり、空燃比がリーン側となる
酸素過剰雰囲気下、あるいはディーゼル自動車排ガス下
では使用できない。
【0003】このような事情から、過剰な酸素を含む排
ガスを、金属を担持してもよい水素化改質ゼオライト触
媒や、金属を担持してもよいγ−アルミナまたはシリカ
・アルミナ触媒と、有機化合物の共存下で接触させる窒
素酸化物の除去方法などが提案されている(特開平2−
149317号、同3−181321号、同4−156
922号等)。
【0004】ところで、触媒の実用化に際し、高空間速
度、低圧力損失などの条件を満たし効率的利用を図るた
めに、触媒のモノリス化が必要となる。モノリス化は、
一般に、モノリス型の担体に触媒を担持させることによ
って行われており、触媒の担持にはウォッシュコート法
が採用されている。すなわち、担持物のスラリー中にモ
ノリス型の担体を浸漬して担持物を担体に付着させ、担
体上に担持層を形成する方法である。
【0005】一般に、ウォッシュコート法で、特に、酸
素過剰な排ガスに有効な前記したような触媒を担持させ
る場合、担持層が剥離しやすかったり、均一で触媒層と
しての機能を十分果すような厚みの担持層の形成が困難
になりやすかったりする。また、担体の孔が閉塞しやす
く、ガスの拡散が不十分となりやすい。
【0006】これらの点を改善するものとして、ゼオラ
イト系では、例えば特開平4−224109号には、ゼ
オライトを含有するスラリーの粘度を調整し、耐剥離性
の高い均一な厚い担持層を形成する方法が開示されてい
る。また、特開平1−135542号には、ゼオライト
を担持層に用い、三種の孔径の異なる細孔を形成し、ガ
スの拡散を十分に行えるようにしたものが開示されてい
る。
【0007】ウォッシュコート法では、上記のように、
種々の改善が試みられているにもかかわらず、特に前記
したような触媒を担持させる場合、担体との親和性が小
さいため担体表面に均一に担持させるのに限界があり、
気相反応中に担体から剥離しやすいという欠点も十分に
は解消されていない。また、均一な担持層の形成が困難
であることから、担持層形成に際し、担体の孔の閉塞も
生じやすく、これにより触媒機能を十分発現できないと
いう問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、モノリス型の担体表面に均一で適度な厚みを有する
触媒の担持層を形成することができ、かつ担体と担持層
との付着を強固にすることができるとともに、担体の孔
の閉塞を防止することができる、新規な排ガス浄化用モ
ノリス触媒の製造方法を提供することにある。
【0009】第二に、上記製造方法により、耐久性およ
び触媒機能に優れた排ガス浄化用モノリス触媒を提供す
ることにある。
【0010】第三に、上記触媒を用いて、酸素過剰雰囲
気下においても窒素酸化物を有効に除去できる排ガス中
の窒素酸化物の除去方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1)モノリス型の担体表面に担持層を形成し、この担
持層に触媒金属を担持させる排ガス浄化用モノリス触媒
の製造方法において、前記担持層が金属酸化物を含有
し、前記担持層を、前記金属酸化物の原料化合物を加水
分解して金属酸化物を生成させて形成する排ガス浄化用
モノリス触媒の製造方法。 (2)前記触媒金属を、前記加水分解に際し共存させる
方法、および前記加水分解後に担持させる方法のなかの
少なくとも1つの方法により担持させる上記(1)の排
ガス浄化用モノリス触媒の製造方法。 (3)前記加水分解を、尿素を用いて加熱するか、また
は加熱することにより行う上記(1)または(2)の排
ガス浄化用モノリス触媒の製造方法。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかの排ガス浄化用モ
ノリス触媒の製造方法によって得られた排ガス浄化用モ
ノリス触媒。 (5)上記(4)の排ガス浄化用モノリス触媒を用い、
燃料の燃焼により生じる酸素過剰な排ガスを、有機化合
物の存在下で、前記触媒と接触させ、前記排ガス中の窒
素酸化物を除去する排ガス中の窒素酸化物の除去方法。
【0012】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0013】本発明の排ガス浄化用モノリス触媒は、モ
ノリス型の担体表面に金属酸化物を含有する担持層を形
成し、この担持層に触媒金属を担持させたものである。
【0014】この場合の担持層は、金属酸化物の原料化
合物を加水分解して金属酸化物を生成させて形成したも
のである。
【0015】このように加水分解による方法を用いるこ
とにより、従来の、金属酸化物を含有するスラリー中に
担体を浸漬してウォッシュコートにより担持層を形成す
る場合に比べ、スラリー濃度を低くして均一で適度な厚
みを有する担持層の形成が可能になる。また、担持層の
担体に対する付着が強固になり、担体の孔の閉塞を防止
することができる。本発明でこのような効果が得られる
のは、ウォッシュコート法ではスラリー中に金属酸化物
を含有させているので、担持層内で金属酸化物粒子とし
て存在していると考えられるのに対し、本発明では加水
分解反応という化学反応を経るので連続層に近い形で金
属酸化物が存在しているためと考えられる。
【0016】従って、このようにして得られた触媒は、
触媒としての機能が十分であり、耐久性に優れる。この
ような触媒は、酸素過剰な排ガス中の窒素酸化物を除去
する際の脱硝触媒として用いることが好ましい。
【0017】なお、特開平4−156922号公報に
は、γ−アルミナまたはシリカ・アルミナに遷移金属元
素を担持した触媒が開示されている。このものは、その
実施例に示されるとおり、主に粒状物として用いられて
おり、本発明のように、加水分解によって金属酸化物を
生成させて担体上担持層を形成したものではない。従っ
て、上記公報の触媒は、本発明と明らかに構成の異なる
ものである。
【0018】本発明において、担持層の形成は、金属酸
化物の原料化合物(以下、「原料化合物」ともいう。)
を加水分解することにより行う。
【0019】具体的には、まず、原料化合物の水溶液を
調製する。水溶液中における原料化合物の含有量は10
〜500g/l 、さらには10〜300g/l とすることが
好ましい。
【0020】なお、原料化合物を2種以上を用いるとき
は合計量を上記範囲とする。また、上記量は加水分解後
における加水分解生成物に換算して50〜75g/l とな
るように設定したものである。
【0021】水溶液の組成を上記のようにすることによ
って、形成される担持層の性状を向上させることがで
き、本発明の効果が向上する。
【0022】次に、上記の水溶液中にモノリス型の担体
を浸漬し、原料化合物の加水分解を行う。加水分解は、
尿素を用いて加熱するか、あるいは加熱するかによって
行うことが好ましい。
【0023】尿素を用いる方法では、水スラリー中に尿
素を添加し、加熱により尿素を分解し、アンモニアを発
生させ、中和加水分解を行う。このときの尿素の添加量
は、用いる原料化合物によっても異なるが、好ましくは
原料化合物に対して2倍当量〜20倍当量とすればよ
い。尿素分解は、尿素を添加した水溶液を加熱すること
によって行えばよく、加熱は水溶液の温度が90〜10
0℃程度となるように行えばよい。
【0024】また、熱によってのみ加水分解が進行する
原料化合物では、水溶液を加熱すればよく、水溶液の温
度が60〜100℃程度となるように加熱すればよい。
【0025】上記の加水分解反応は、3〜18時間程度
で終了することから、水溶液を上記温度に上記時間保持
すればよい。また、この反応中においては攪拌すること
が好ましい。これにより、加水分解反応が均一に進行す
る。
【0026】その後、金属酸化物を含有する担持層が形
成された担体を、水溶液中から引き上げ、100〜20
0℃の温度で3〜20時間乾燥する。
【0027】担持層に担持させる触媒金属(「活性金
属」ともいう。)の担持は、 i)水溶液中に触媒金属を担持させて、加水分解と同時
に触媒金属を担持させる方法によっても、あるいは、i
i)加水分解後、触媒金属を担持させる方法によっても
よく、さらにはこれらの方法を併用することもできる。
【0028】まず、上記の2つの方法をそれぞれ個別に
適用する場合について述べる。
【0029】i)加水分解と同時に触媒金属を担持させ
る方法 前記水溶液中に触媒金属の化合物を含有させればよい。
水溶液調製の際、例えば、金属酸化物の原料化合物を同
時に含有させればよい。水溶液調製の際、例えば金属酸
化物の原料化合物と同時に添加して水溶液とするなどす
ればよい。このほか、金属酸化物の原料化合物の水溶液
を調製してから、触媒金属の化合物を所定量添加するこ
ともでき、さらにはこの添加順序を逆にしてもよく、触
媒金属の化合物の添加順序には特に制限はない。水溶液
における触媒金属の化合物の添加量は、金属酸化物の原
料化合物に対する金属原子の原子比で1/10以下、1
/10〜1/1000とすればよい。
【0030】ii)加水分解後に触媒金属を担持させる方
法 触媒金属の化合物の水溶液に、前記のように担持層を形
成した担体を添加するなどして接触させる。担体を添加
した後は攪拌することが好ましい。添加するものは、担
持層を形成して前記のように乾燥した後のものであって
も、乾燥前のものであってもよいが、通常乾燥後のもの
とする。また、乾燥した後、焼成を行ってから触媒金属
を担持させてもよい。このときの焼成は、空気等の酸化
性雰囲気や窒素ガスやAr等の希ガスなどの不活性雰囲
気下で温度300〜600℃、常圧下で1〜5時間程度
行えばよい。上記水溶液における触媒金属の化合物の濃
度は0.1〜10M程度とし、20〜100℃の温度で
0.5〜20時間程度処理すればよい。
【0031】上記のなかで、通常、i)の方法が用いら
れるが、特に触媒金属と金属酸化物の原料化合物との併
存が好ましくないときにはii)の方法を用いることが好
ましい。
【0032】さらには、i)とii)との方法を併用して
もよく、この場合には以下のようにする。
【0033】iii) 上記i)とii)との併用 担持させる触媒金属の全量の10〜90wt% 程度を上記
i)の方法により担持させ、残部を上記ii)の方法によ
り担持させる。具体的には、上記i)、ii)の方法に準
じ、用いる水溶液中の触媒金属の化合物の量等を調整す
るなどして行えばよい。
【0034】なお、触媒金属を2種以上用いるときは、
合計量を上記範囲とすればよい。
【0035】以上のように、担持層を形成し、触媒金属
を担持させた後、必要に応じ焼成する。焼成を行うとき
は、空気等の酸化性雰囲気あるいは窒素ガスやAr等の
希ガスなどの不活性雰囲気で、300〜600℃の温度
で、常圧下、1〜5時間程度行う。
【0036】本発明におけるモノリス触媒とは、反応管
と触媒固定床を一体化したモノリス型の担体に担持され
た触媒をいい、ハニカム触媒が一般的である。このもの
は圧損失を小さくでき、大きな空間速度とできて有利で
ある。
【0037】本発明に用いるモノリス型の担体は、平行
に貫通した多数の小孔を有する構造であり、排ガスの流
れ方向に伸びる多数の小孔を有する、いわゆるハニカム
構造が一般に用いられている。また、三次元網目構造の
一体成形構造であってもよい。担体の形状は、適用する
排気系の設置場所に応じて選択すればよく、通常円柱
状、四角柱状等とすればよい。大きさも、目的・用途に
応じて選択すればよい。
【0038】孔の形は、六角形、四角形、三角形、円形
など種々のものであってよく、孔の大きさは、1個当り
の面積にして0.01〜1cm2 程度のものとすればよ
い。孔数は担体1cm2 当り15〜125個程度(1in2
当りに換算して100〜800個程度)である。
【0039】担体の材質としては、特に制限はないが、
コージェライト、シリカ、シリコンカーバイド、シリコ
ンナイトライド、ムライト、ジルコン、アルミナ、アル
ミニウムチタネートのセラミックスなどが挙げられる。
また、各種金属からなるメタルハニカムと称されるもの
であってもよい。
【0040】本発明において、担持層を形成する金属酸
化物としては、2(2A)族元素としてMg、3(3
A)族元素としてLa、4(4A)族元素としてTi、
Zr、5(5A)族元素としてNb、12(2B)族元
素としてZn、13(3B)族元素としてAl、14
(4B)族元素としてSn、などの酸化物が挙げられ
る。具体的には、マグネシア、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化ランタン、シリ
カ、酸化亜鉛等である。なかでも、アルミナ、マグネシ
ア、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化チタン等が好まし
い。
【0041】担持層に含有される金属酸化物の金属種
は、通常1種のみであるが、場合によっては2種以上で
あってもよい。
【0042】本発明では、前記のように、金属酸化物を
金属酸化物の原料化合物の加水分解によって生成させて
いるが、このときの原料化合物としては、対応する金属
酸化物の金属に応じて、その金属の硝酸塩、硫酸塩、塩
化物等のハロゲン化物、酢酸塩、シュウ酸塩などのよう
な金属塩、さらには金属アルコキシドや錯塩、有機金属
化合物などであってもよい。具体的には、Al(NO
33 、Mg(NO32 、La(NO33 、Zr
(NO34 、Zn(NO32 、シュウ酸ニオブ、Z
rOCl2 、SnCl2 等が挙げられる。
【0043】上記のなかで、シュウ酸ニオブのようなシ
ュウ酸塩などでは、酸化ニオブを水溶液中でシュウ酸と
反応させるなどしてシュウ酸塩を生成させて用いること
ができる。
【0044】また、上記の金属酸化物のなかで、チタニ
ア等であるときは、金属アルコキシド(例えばチタンテ
トライソプロポキシド)をアルコール(例えば上記例で
はイソプロピルアルコール)中で加水分解しチタンの水
酸化物(チタン含水酸化物)を得たのち、硝酸等により
チタン硝酸塩に変換して加水分解に使用してもよい。こ
うして得られたチタン硝酸塩やTi(SO42 、Ti
Cl4 等のチタン化合物では、尿素を用いなくても加熱
のみによって加水分解反応が進行する。
【0045】本発明に用いる触媒金属としては、遷移金
属元素および16(6B)族の金属元素が挙げられる。
具体的には、3(3A)族元素としてLa、Ce、5
(5A)族元素としてV、6(6A)族元素としてC
r、Mo、W、7(7A)族元素としてMn、Re、8
(8)族としてFe、Ru、9(8)族としてCo、R
h、Ir、10(8)族としてNi、Pd、Pt、11
(1B)族としてCu、Ag、Au、16(6B)族と
してSe、Te、等がある。
【0046】これらの触媒金属は1種のみを用いても2
種以上を併用してもよい。
【0047】なかでも、Co、Cu、Ni、Ag等が好
ましい。なお、La、Te、Se等はCo等との併用に
おいて使用することが好ましい。
【0048】前記のように、金属酸化物の原料化合物の
水溶液中に共存させて、あるいはこれのみの水溶液を用
いて、触媒金属を担持層に担持させるが、このとき用い
る触媒金属の化合物は、上記金属の硝酸塩、塩化物、ア
ンモニウム塩や錯塩などであってよい。具体的には、C
o(NO32 、AgNO3 、Cu(NO32 、Ni
(NO32 等の硝酸塩、Co(CH3 COO)2 、塩
化パラジウム、塩化ロジウム、塩化白金酸、メタバナジ
ン酸アンモニウム、VOCl3 、モリブデン酸アンモニ
ウムなどを挙げることができる。
【0049】このように触媒金属を担持させた後の担持
層において、触媒金属は、金属ないし金属酸化物として
存在していると考えられる。特に、加水分解時に触媒金
属を共存させるような場合には、ほとんどが金属酸化物
として存在していると考えられ、加水分解によって生成
した金属酸化物の金属を一部置換するような形で存在し
ていると考えられる。一方、加水分解後担持層を形成し
てから触媒金属を担持させる場合には、ほとんどが金属
として存在していると考えられ、金属酸化物の担持層表
面に存在していると考えられる。いずれにせよ、触媒機
能としての優劣はない。
【0050】また、加水分解によって生成した担持層を
形成する金属酸化物は、担体との付着が強固である。こ
れは、加水分解によるものであるため、粒子状態という
よりはむしろ連続層として担体表面に均一に存在してい
るからと考えられる。また、担持層の厚みも均一であ
る。
【0051】従って、本発明では担持させる金属酸化物
の100%を加水分解によって得ることが好ましいが、
場合によっては加水分解後アルミナゾル等の酸化物を後
添加するなどしてもよく、加水分解と酸化物添加とを併
用してもよい。
【0052】金属酸化物の担体1cm2 当りの担持量は
0.0005〜0.2g 程度である。
【0053】担持量は、担持前後の重量変化によって求
めることができる。
【0054】なお、触媒金属の担持は、前記のような湿
式処理によるものに限定されず、加水分解して担持層を
形成した後、スパッタや熱CVDなどの気相メッキ法に
よって行ってもよい。具体的には公知の方法によればよ
い。
【0055】このようにして得られた本発明の触媒は、
還元剤としての有機化合物の共存下で、窒素酸化物を含
む燃焼排ガスと接触させることにより、たとえ排ガスが
過剰の酸素を含有していても窒素酸化物を選択的に除去
することができる。
【0056】還元剤として用いる有機化合物は、炭化水
素類、アルコール、ケトン、エーテル等であり、なかで
も、プロパン、軽油、ガソリン、重油などの燃料等が有
効である。
【0057】特に、燃料そのものを還元剤として用いる
ときには、特に自動車用エンジン等においてきわめて有
利となる。このような場合、燃料の一部を熱分解や接触
分解により分解して低分子量成分を得、これを還元剤と
して用いる方法も有効である。この方法については、本
出願人による特願平3−293719号に記載されてい
る。
【0058】なお、ディーゼルエンジンの場合、燃焼排
ガスは、NOX ;700〜1500ppm 程度、O2 ;1
0〜20vol%程度、SO2 ;50〜200ppm 程度、H
2 O;5〜15vol%程度を含んでいる。
【0059】また、リーン側でのガソリンエンジンの場
合、NOX ;3000〜5000ppm 程度、O2 ;0.
5〜3vol%程度、H2 O;10〜15vol%程度を含む。
【0060】還元剤は、排ガス中のNOX 量に対し、重
量比で1〜5倍、特に1〜3.5倍程度添加することが
好ましい。
【0061】このように、本発明の触媒は、O2 ;0.
5vol%以上、NOX ;5000ppm程度以下、H2 O;
5〜15vol%の排ガスに用いて有効である。
【0062】なお、本発明の触媒は、排ガスとの接触温
度、すなわち排ガス温度が300〜600℃であり、排
ガスの空間速度が5000〜50000hr-1であるよう
な条件で用いることが好ましい。
【0063】
【実施例】以下、本発明を、比較例とともに示す実施例
によって具体的に説明する。
【0064】実施例1 金属酸化物原料としてAl(NO33 、活性金属とし
てCo(NO32 を使用した。水400ccにAl(N
33 73.5g 、Co(NO32 2.85g を溶
解し、ここにシリカ製のモノリス担体を浸漬した。使用
したモノリス担体は市販品であり、直径36mm×高さ4
0mmの円柱でセル数350セル/in2 のものである。す
なわち、孔数が担体1in2 当り350であり、孔の形状
は直角二等辺三角形で、孔の大きさは1個当りの面積で
表わして0.0125cm2 程度であり、いわゆるハニカ
ム構造のものである。
【0065】溶液を攪拌しながら、尿素を35g 添加
し、溶液を約95℃に保った。3〜18時間程度で均一
に加水分解し、モノリス担体に触媒成分を担持した。
【0066】このようにして担持層を形成した担体を溶
液から引き上げ、これを120℃で一晩(16時間程
度)乾燥し、モノリス触媒を得た。なお担持された触媒
成分は7g であった。また、担体1cm2 当りの担持量は
6.6mg/cm2であった。得られた触媒は500℃で2時
間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0067】実施例2 金属酸化物原料としてMg(NO32 、活性金属とし
てCo(NO32 を使用した。水400ccにMg(N
32 64g 、Co(NO32 3.6g を溶解し、
ここに実施例1と同タイプのモノリス担体を浸漬した。
溶液を攪拌しながら、尿素を90g 添加し、溶液を約9
5℃に保った。
【0068】その後、実施例1と同様の操作を行って、
モノリス触媒を得た。なお担持された触媒成分は10g
であった。また、担体1cm2 当りの担持量は9.5mg/c
m2であった。得られた触媒は500℃で2時間窒素雰囲
気下で処理後に使用した。
【0069】実施例3 金属酸化物原料としてLa(NO33 、活性金属とし
てCo(NO32 を使用した。水400ccにLa(N
33 26.6g 、Co(NO32 0.9g を溶解
し、ここに実施例1と同タイプのシリカ製のモノリス担
体を浸漬した。溶液を攪拌しながら、尿素を22g 添加
し、溶液を約95℃に保った。
【0070】その後、実施例1と同様の操作を行ってモ
ノリス触媒を得た。なお担持された触媒成分は6g であ
った。また、担体1cm2 当りの担持量は5.7mg/cm2
あった。得られた触媒は500℃で2時間窒素雰囲気下
で処理後に使用した。
【0071】実施例4 金属酸化物原料としてシュウ酸ニオブ、活性金属として
Co(NO32 を使用した。水400ccにシュウ酸4
5g を分散し約95℃に加熱して溶解させた。ここにN
25 20g を溶解させ、シュウ酸ニオブ水溶液を調
製した。この時のシュウ酸ニオブの濃度は約0.3mol/
l 程度である。ここに実施例1と同タイプのシリカ製の
モノリス担体を浸漬した。溶液を攪拌しながら、尿素を
64g 添加し、溶液を約95℃に保った。3〜18時間
程度で均一に加水分解し、モノリス担体に触媒成分を担
持した。
【0072】このように担持層を形成した担体を溶液か
ら引き上げ、これを120℃で一晩乾燥した後、200
℃で2時間焼成した。これを0.5MのCo(NO3
2 水溶液に一晩浸漬した後液きりを行い、120℃で一
晩乾燥しモノリス触媒を得た。なお担持された触媒成分
は9g であった。また、担体1cm2 当りの担持量は8.
5mg/cm2であった。
【0073】実施例5 金属酸化物原料としてTi(SO42 、活性金属とし
てCo(NO32 を使用した。水280ccにTi(S
42 30%水溶液を160ccを混合し、そこにCo
(NO32 、1.3g を溶解した。ここに実施例1と
同タイプのシリカ製のモノリス担体を浸漬した。溶液を
攪拌しながら95℃に保った。3〜18時間で均一に加
水分解しモノリス担体に触媒成分が担持された。これを
120℃で一晩乾燥しモノリス触媒を得た。なお、担持
された触媒成分は3g であった。また担体1cm2 当りの
担持量は2.8mg/cm2であった。得られた触媒は500
℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0074】実施例6 金属酸化物原料としてAl(NO33 、活性金属とし
てAgNO3 を使用した。水400ccにAl(NO3
3 73.5g 、AgNO3 1.66g を溶解し、ここに
実施例1と同タイプのシリカ製のモノリス担体を浸漬し
た。溶液を攪拌しながら、尿素を50g 添加し、溶液を
約95℃に保った。その後実施例1と同様の操作を行っ
てモノリス触媒を得た。なお、担持された触媒成分は6
g であった。また担体1cm2 当りの担持量は5.7mg/c
m2であった。得られた触媒は500℃で2時間窒素雰囲
気下で処理後に使用した。
【0075】実施例7 モノリス担体をシリカ製からコージェライトに変更した
以外は実施例1と同様の方法でモノリス触媒を得た。使
用したコージェライトは市販品で直径36mm×高さ40
mmの円柱でセル数300セル/in2 のものである。孔の
形状は正方形で、孔の大きさは1個当りの面積で表わし
て0.0144cm2 程度のハニカム構造のものである。
なお担持された触媒成分は6g であった。また担体1cm
2 当りの担持量は6.6mg/cm2であった。得られた触媒
は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0076】比較例1 水400ccに、実施例1と同じスラリー濃度になるよう
に、アルミナゾル(平均粒径1μm 程度)10g 、活性
金属原料のCo(NO32 、2.85g を分散させ、
ウォッシュコート法により実施例1のハニカムに担持し
た。担持された触媒成分は0.3g であった。また1cm
2 当りの担持量は0.28mg/cm2であった。得られた触
媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処理後に使用し
た。
【0077】比較例2 水50ccにアルミナゾル50g 、活性金属原料のCo
(NO32 14g を分散させ、ウォッシュコート法に
よりハニカムに担持した。この時のスラリー濃度は比較
例1の40倍である。また使用したハニカムは実施例1
と同タイプのシリカ製のモノリス担体である。担持され
た触媒成分は3g であった。また1cm2 当りの担持量は
2.8mg/cm2であった。得られた触媒は500℃で2時
間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0078】比較例3 スラリーを分散させる水の量を100ccにした以外は比
較例1と同様に行った。この時のスラリー濃度は比較例
1の20倍である。担持された触媒成分は2gであっ
た。また、1cm2 当りの担持量は1.9mg/cm2であっ
た。得られた触媒は500℃で2時間窒素雰囲気下で処
理後に使用した。
【0079】比較例4 水50ccにアルミナゾル100g 、活性金属原料のCo
(NO32 28g を分散させ、ウォッシュコート法に
よりハニカムに担持した。この時のスラリー濃度は比較
例1の80倍である。また使用したハニカムは実施例1
と同タイプのシリカ製のモノリス担体である。担持され
た触媒成分は2g であった。また1cm2当りの担持量は
1.9mg/cm2であった。得られた触媒は500℃で2時
間窒素雰囲気下で処理後に使用した。
【0080】実施例8 実施例1、比較例1〜4で各々得られたモノリス触媒に
ついて下記のような脱硝試験を行った。
【0081】脱硝試験はディーゼルエンジンの排ガスを
使用し、空間速度SV=20000/hr 、還元剤は軽油
を使用し、排ガス中のNOx (NO換算)の重量の3倍
投入して行った。このときの排ガスの組成は、NOx
約1100ppm 、O2 ;約8vol%、SO2 ;約15ppm
、H2 O;約7vol%である。また排ガスの温度は表1
に示すとおりであり、このような条件下での脱硝率を求
めた。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1より本発明の効果は明らかである。
【0084】本発明に比べ、ウォッシュコート法では、
スラリー濃度を同一条件としても担持量が少なくなる。
また、ウォッシュコート法では、担持量を多くしようと
してスラリー濃度を高くしても濃度上昇に伴って必ずし
も担持量が多くならない。これは、本発明が加水分解反
応を経るため、ウォッシュコート法に比べ均一な担持層
の形成が容易になるためと考えられる。このように均一
な担持層が形成される結果、触媒活性も向上すると考え
られる。
【0085】なお、実施例2〜7のモノリス触媒を用い
て、上記と同様に脱硝試験を行ったところ、実施例1と
同様の良好な結果が得られた。また、上記において、還
元剤をプロパンにかえても同様の傾向を示した。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、金属塩等の水溶液中で
の均一な加水分解という化学変化を経ることにより、通
常のウォッシュコート法に比べはるかに低いスラリー濃
度で担体表面に触媒成分を均一にかつ強固に担持した触
媒を提供することができる。また燃料である軽油等を還
元剤に使用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/75

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノリス型の担体表面に担持層を形成
    し、この担持層に触媒金属を担持させる排ガス浄化用モ
    ノリス触媒の製造方法において、 前記担持層が金属酸化物を含有し、 前記担持層を、前記金属酸化物の原料化合物を加水分解
    して金属酸化物を生成させて形成する排ガス浄化用モノ
    リス触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記触媒金属を、前記加水分解に際し共
    存させる方法、および前記加水分解後に担持させる方法
    のなかの少なくとも1つの方法により担持させる請求項
    1の排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加水分解を、尿素を用いて加熱する
    か、または加熱することにより行う請求項1または2の
    排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの排ガス浄化用
    モノリス触媒の製造方法によって得られた排ガス浄化用
    モノリス触媒。
  5. 【請求項5】 請求項4の排ガス浄化用モノリス触媒を
    用い、燃料の燃焼により生じる酸素過剰な排ガスを、有
    機化合物の存在下で、前記触媒と接触させ、前記排ガス
    中の窒素酸化物を除去する排ガス中の窒素酸化物の除去
    方法。
JP6160640A 1994-06-20 1994-06-20 排ガス浄化用モノリス触媒の製造方法およびモノリス触媒、ならびに排ガス中の窒素酸化物の除去方法 Pending JPH081016A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004014553A1 (ja) * 2002-08-08 2004-02-19 Ngk Insulators, Ltd. セラミックハニカム構造体
JP2009154043A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 窒素酸化物除去触媒、脱硝方法及び脱硝装置

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WO2004014553A1 (ja) * 2002-08-08 2004-02-19 Ngk Insulators, Ltd. セラミックハニカム構造体
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