JPH08100969A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

ヒートポンプ装置

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Publication number
JPH08100969A
JPH08100969A JP23633694A JP23633694A JPH08100969A JP H08100969 A JPH08100969 A JP H08100969A JP 23633694 A JP23633694 A JP 23633694A JP 23633694 A JP23633694 A JP 23633694A JP H08100969 A JPH08100969 A JP H08100969A
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JP
Japan
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heat exchanger
heat
refrigerant
heating
operation state
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Application number
JP23633694A
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English (en)
Inventor
Akira Morikawa
朗 森川
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 解凍運転状態の吸熱用熱交換器から凝縮不十
分な冷媒が送出されることを防止して、装置運転の安定
化、及び、エネルギロスの抑止を図る。 【構成】 蒸発器として機能する吸熱運転状態で着霜又
は着氷した吸熱用熱交換器N11を凝縮器として機能さ
せる解凍運転状態に切り換えて、該吸熱用熱交換器N1
1を解霜又は解氷するヒートポンプ装置において、解凍
運転状態とした前記吸熱用熱交換器N11から送出され
る冷媒の過冷却度scを検出する検出手段S4と、その
検出手段S4の検出情報に基づき、解凍運転状態である
前記吸熱用熱交換器N11への冷媒供給量を調整して、
前記過冷却度scを正値に調整する解凍制御手段CMを
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸発器として機能する
吸熱運転状態で着霜又は着氷した吸熱用熱交換器を凝縮
器として機能させる解凍運転状態に切り換えて、該吸熱
用熱交換器を解霜又は解氷するヒートポンプ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来のこの種ヒートポンプ装置
において、二つの吸熱用熱交換器N11,N12の両方
を吸熱運転状態としたときの冷媒流れを示し、また図4
は、この従来のヒートポンプ装置において、一方の吸熱
用熱交換器N11を吸熱運転状態から解凍運転状態に切
り換え、かつ、他方の吸熱用熱交換器N12を吸熱運転
状態に保ったときの冷媒流れを示す。
【0003】つまり、図3に示す運転状態では、圧縮機
CPから吐出される高圧気相冷媒を、凝縮器として機能
させる複数の加熱用熱交換器N21に分配供給して凝縮
させ、これら加熱用熱交換器N21を夫々の加熱対象に
対し加熱作用させる。
【0004】各々の加熱用熱交換器N21に対する冷媒
供給量は、流量調整弁EX21による冷媒分配比の調整
と圧縮機CPの出力調整とをもって行い、各加熱対象の
温度検出に基づき、この冷媒供給量調整(換言すれば加
熱能力調整)を行うことで、各加熱対象を目標加熱温度
tmに調整する。
【0005】凝縮器としての加熱用熱交換器N21から
送出される液相冷媒は合流後、蒸発器として機能させる
二つの吸熱用熱交換器N11,N12に膨張手段EX1
1,EX12を介し分配供給して蒸発させ、これによ
り、これら二つの吸熱用熱交換器N11,N12を吸熱
対象に対し吸熱作用させる。
【0006】そして、蒸発器としての二つの吸熱用熱交
換器N11,N12から送出される低圧気相冷媒は圧縮
機の吸入側に戻す。
【0007】一方、図4に示す運転状態では、吸熱運転
状態にあった一方の吸熱用熱交換器N11が着霜・着氷
したことに対し、切換弁V11,V12の切り換え操作
により、圧縮機CPから吐出される高圧気相冷媒を、着
霜・着氷状態にある一方の吸熱用熱交換器N11と凝縮
器として機能させる加熱用熱交換器N21の夫々とに分
配供給し、これにより、加熱用熱交換器N21の加熱作
用を保ちつつ、着霜・着氷状態にある一方の吸熱用熱交
換器N11を凝縮器として機能させて、その解霜・解氷
を行う。
【0008】また、着霜・着氷状態にある一方の吸熱用
熱交換器N11を、蒸発器として機能させる吸熱運転状
態から凝縮器として機能させる解凍運転状態に切り換え
た際には、この一方の吸熱用熱交換器N11との冷媒分
配による加熱用熱交換器N21の冷媒減少(すなわち、
加熱能力低下)を極力回避すること、及び、解霜・解氷
の短時間化のため吸熱用熱交換器N11への冷媒供給量
を極力多く確保することを意図して、圧縮機CPの出力
を最大出力に調整する。
【0009】加熱用熱交換器N21、及び、一方の吸熱
用熱交換器N11から送出される液相冷媒は合流後、引
き続き蒸発器として機能させる他方の吸熱用熱交換器N
12に膨張手段EX12を介し供給し、これにより、解
霜・解霜を行う一方の吸熱用熱交換器N11で放出させ
るための熱、及び、加熱用熱交換器N21の夫々で放出
させるための熱を、この他方の吸熱用熱交換器N12で
単独に吸熱させる。
【0010】そして、蒸発器としての他方の吸熱用熱交
換器N12から送出される低圧気相冷媒は圧縮機の吸入
側に戻す。
【0011】なお、他方の吸熱用熱交換器N12が吸熱
運転状態で着霜・着氷して解霜・解氷が必要となった場
合には、上述とは逆に、一方の吸熱用熱交換器N11を
蒸発器として吸熱作用させながら、切換弁V13,V1
4の切り換え操作により、圧縮機CPからの高圧気相冷
媒を他方の吸熱用熱交換器N12と加熱用熱交換器N2
1の夫々とに分配する冷媒流れとすることで、加熱用熱
交換器N21の加熱作用を保ちつつ、この他方の吸熱用
熱交換器N12を凝縮器として機能させて解霜・解氷す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如き従
来装置では、吸熱運転状態で着霜・着氷した吸熱用熱交
換器N11を切換弁V11,12の切り換え操作により
凝縮器として機能させる解凍運転状態に切り換えた際、
その解凍運転状態に切り換えた吸熱用熱交換器N11に
供給される高圧気相冷媒の供給量が圧縮機CPの出力状
態や冷媒路の抵抗条件等により規定され、また、上述例
では加熱用熱交換器N21どうしの間での冷媒分配状況
の変化によって冷媒路抵抗条件が変化することで、解凍
運転状態にある吸熱用熱交換器N11への冷媒供給量が
成り行き的に変化するといったことも生じる。
【0013】ところが、解凍運転状態とした吸熱用熱交
換器N11の冷媒凝縮能力(換言すれば、冷媒に対する
冷却能力)は、着霜・着氷の状態や、本来の熱交換対象
である吸熱対象(解凍運転状態では実質的に放熱対象)
の温度条件等によって異なったものとなり、また、解霜
・解氷の進行に伴う熱交換状態の変化によっても逐次変
化する。
【0014】このため従来装置では、状況によって、解
凍運転状態とした吸熱用熱交換器N11の冷媒凝縮能力
に比べ、その吸熱用熱交換器N11への冷媒供給量が相
対的に過剰となり、これにより、解凍運転状態とした吸
熱用熱交換器N11から凝縮不十分な気液二相冷媒(す
なわち、過冷却度が負値の湿り蒸気冷媒)が送出される
という運転状態に陥る場合があった。
【0015】そして、このように解凍運転状態にあって
凝縮器として機能する吸熱用熱交換器N11から凝縮不
十分な気液二相冷媒が送出されると、その冷媒中の気相
分の影響で次行程の膨張手段EX12における減圧膨張
機能が不安定となり、これにより、ヒートポンプ運転が
全体的に不安定となって所期のヒートポンプ機能が得ら
れなくなる問題があった。
【0016】また、従来装置では一般に、解霜・解氷の
所要時間を短くすることを目的として先述の如く、解凍
運転状態への切り換えの際、圧縮機CPの出力を無条件
に増大させて、解凍運転状態とした吸熱用熱交換器N1
1への冷媒供給量を増量するが、解凍運転状態とした吸
熱用熱交換器N11への冷媒供給量が上述の如く相対的
に過剰となる状況では、その吸熱用熱交換器N11にお
ける冷媒凝縮量(換言すれば、解霜・解氷能力)はもは
や頭打ちとなって増大せず、この点、圧縮機CPの出力
増大が無駄となって大きなエネルギロスを生じる問題も
あり、さらに、このように解凍運転状態の吸熱用熱交換
器N11において冷媒供給量の過剰という無駄を生じる
ことから、先述の従来装置では、解凍運転状態とした吸
熱用熱交換器N11との冷媒分配による加熱用熱交換器
N21の加熱能力低下を極力回避するという目的も、圧
縮機CPの出力増大の割りに効果的には達成されないも
のであった。
【0017】本発明の第1目的は、解凍運転状態の吸熱
用熱交換器から凝縮不十分な冷媒が送出されることを防
止して、装置運転の安定化、及び、エネルギロスの抑止
を図る点にある。
【0018】本発明の第2目的は、解霜・解氷の能率化
や装置運転の一層の安定化を可能とする点にある。
【0019】本発明の第3目的は、上記の第1、第2目
的を安定的に達成する点にある。
【0020】本発明の第4目的は、装置構成を簡略化す
る点にある。
【0021】本発明の第5目的は、解凍運転状態におい
て加熱用熱交換器の加熱能力を大きく保つ点にある。
【0022】本発明の第6目的は、解凍運転状態におい
て複数の加熱用熱交換器を安定的に加熱作用させる点に
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
〔第1特徴構成〕本発明の第1特徴構成は、蒸発器とし
て機能する吸熱運転状態で着霜又は着氷した吸熱用熱交
換器を凝縮器として機能させる解凍運転状態に切り換え
て、該吸熱用熱交換器を解霜又は解氷する構成におい
て、解凍運転状態とした前記吸熱用熱交換器から送出さ
れる冷媒の過冷却度を検出する検出手段と、その検出手
段の検出情報に基づき、解凍運転状態である前記吸熱用
熱交換器への冷媒供給量を調整して、前記過冷却度を正
値に調整する解凍制御手段を設けたたことにある。
【0024】〔第2特徴構成〕本発明の第2特徴構成
は、上記の第1特徴構成の実施において好適な具体構成
を特定するものであり、前記解凍制御手段は、前記の過
冷却度調整において前記過冷却度を正範囲中の特定目標
値に調整する構成としてあることにある。
【0025】〔第3特徴構成〕本発明の第3特徴構成
は、上記の第1又は第2特徴構成の実施において好適な
具体構成を特定するものであり、前記解凍制御手段は、
前記の過冷却度調整において前記過冷却度を正範囲中の
特定目標値に調整する構成としてあることにある。
【0026】〔第4特徴構成〕本発明の第4特徴構成
は、上記の第3特徴構成の実施において好適な具体構成
を特定するものであり、前記解凍制御手段は、前記の過
冷却度調整における冷媒供給量調整で、その冷媒供給量
が所定量以下となることに基づき、解凍運転を停止する
構成としてあることにある。
【0027】〔第5特徴構成〕本発明の第5特徴構成
は、上記の第1、第2、第3又は第4特徴構成の実施に
おいて好適な具体構成を特定するものであり、前記吸熱
用熱交換器が解凍運転状態にあるとき、他の吸熱用熱交
換器を吸熱運転状態として、解凍運転状態にある前記吸
熱用熱交換器と吸熱運転状態にある前記の他の吸熱用熱
交換器と、凝縮器として機能させる加熱用熱交換器との
間でヒートポンプサイクルを成立させる構成とし、この
構成において前記解凍制御手段は、それぞれ凝縮器とし
て機能する解凍運転状態の前記吸熱用熱交換器と前記加
熱用熱交換器とに対する冷媒分配比の調整により、前記
の過冷却度調整における冷媒供給量調整を行う構成とし
てあることにある。
【0028】〔第6特徴構成〕本発明の第6特徴構成
は、上記の第5特徴構成の実施において好適な具体構成
を特定するものであり、前記加熱用熱交換器を複数設け
る構成において、前記吸熱用熱交換器が解凍運転状態に
あるとき、前記加熱用熱交換器どうしの間での冷媒分配
比を調整して、それら加熱用熱交換器の各々について加
熱対象の目標加熱温度と検出加熱温度との偏差を、それ
ら偏差の平均値に調整する加熱制御手段を設けたことに
ある。
【0029】
【作用】
〔第1特徴構成の作用〕第1特徴構成では、解凍制御手
段は、検出手段により与えられる過冷却度検出情報に基
づき、解凍運転状態にある吸熱用熱交換器への冷媒供給
量を調整することで、その吸熱用熱交換器の冷媒凝縮能
力により供給冷媒の全量が完全に凝縮する状況を形成
し、これにより、解凍運転状態の吸熱用熱交換器から送
出される冷媒の過冷却度を正値に調整して、その送出冷
媒を気相分混在のない液相のものとする。
【0030】すなわち、解凍運転状態にある吸熱用熱交
換器から凝縮不充分な気液二相冷媒(過冷却度が負値で
ある湿り蒸気冷媒)が送出される場合、そのことの検出
情報に基づき、その吸熱用熱交換器への冷媒供給量を減
少側に調整し、これにより、送出冷媒の過冷却度を正値
に調整する。
【0031】〔第2特徴構成の作用〕第2特徴構成で
は、解凍制御手段は、上記の第1特徴構成における過冷
却度調整を実施するにおいて、解凍運転状態の吸熱用熱
交換器から送出される冷媒の過冷却度を単に正値に調整
するだけでなく、正範囲中の特定目標値に調整し、これ
により、解凍運転状態の吸熱用熱交換器から液相で送出
させる冷媒を特定の液相状態(例えば、必要以上に大き
い過冷却度付与を回避した状態や、飽和状態との差があ
る程度以上に大きい状態)のものとする。
【0032】〔第3特徴構成の作用〕第3特徴構成で
は、解凍制御手段は、解凍運転状態にある吸熱用熱交換
器への冷媒供給量を調整して、その吸熱用熱交換器から
送出される冷媒の過冷却度を正値又は正範囲中の特定目
標値に調整することを、連続的に、又は、反復的に実施
し、これにより、いったん過冷却度を調整した後に解凍
運転状態にある吸熱用熱交換器の冷媒凝縮能力が変化す
ることに対しても、その吸熱用熱交換器から送出される
冷媒の過冷却度を正値又は正範囲中の特定目標値に保つ
ようにする。
【0033】〔第4特徴構成の作用〕第4特徴構成で
は、解凍制御手段は、上記の第3特徴構成における連続
的な過冷却度調整又は反復的な過冷却度調整において、
冷媒供給量が所定量以下に減少する(換言すれば、解凍
運転状態にある吸熱用熱交換器の冷媒凝縮能力が所定値
以下に低下する)と、そのことに基づき、吸熱用熱交換
器への高圧気相冷媒供給を停止して、その吸熱用熱交換
器の解凍運転を停止する。
【0034】つまり、解凍運転状態にある吸熱用熱交換
器の冷媒凝縮能力(冷媒に対する冷却能力)は解霜・解
氷の進行に伴い低下するものであり、このことから、前
記の連続的又は反復的な過冷却度調整において調整され
る冷媒供給量も解霜・解氷の進行に伴い逐次減少する傾
向となる。
【0035】したがって、解凍制御手段により連続的に
又は反復的に調整される冷媒供給量に基づき解霜・解氷
の終了時期を判定することが可能であり、このことを利
用して本第4特徴構成では、前記の所定量として解霜・
解氷の終了時期に対応する冷媒供給量を予め設定してお
くことにより、連続的に又は反復的に調整される冷媒供
給量がその所定値以下となることをもって、解霜・解凍
の終了時期を判定させ解凍運転の停止を実行させる。
【0036】〔第5特徴構成の作用〕第5特徴構成で
は、吸熱用熱交換器が解凍運転状態にあって、その吸熱
用熱交換器による吸熱が不能であるとき、他の吸熱用熱
交換器を吸熱運転状態とすることにより、この吸熱運転
状態の他の吸熱用熱交換器が蒸発器となり、かつ、解凍
運転状態にある吸熱用熱交換器、及び、加熱用熱交換器
の夫々が凝縮器となるヒートポンプサイクルを実施し、
これにより、解凍運転状態とした吸熱用熱交換器での解
霜・解氷と並行して加熱用熱交換器を加熱作用させる。
【0037】そして、この運転において解凍制御手段
は、解凍運転状態とした吸熱用熱交換器への冷媒供給量
を調整して前記の過冷却度調整を行うのに、各々凝縮器
として機能する解凍運転状態の吸熱用熱交換器と加熱用
熱交換器とに対する冷媒供給の分配比を調整すること
で、その吸熱用熱交換器に対する上記過冷却度調整のた
めの冷媒供給量調整を行う。
【0038】〔第6特徴構成の作用〕第6特徴構成で
は、上記の第5特徴構成の実施の態様として、吸熱運転
状態とした前記の他の吸熱用熱交換器が蒸発器となり、
かつ、解凍運転状態の吸熱用熱交換器が凝縮器となり、
さらに、複数の加熱用熱交換器の夫々が凝縮器となるヒ
ートポンプサイクルを実施し、これにより、解凍運転状
態とした吸熱用熱交換器での解霜・解氷と並行して、複
数の加熱用熱交換器の夫々を加熱作用させる。
【0039】また、これら複数の加熱用熱交換器の側と
解凍運転状態とした吸熱用熱交換器の側とに対する冷媒
供給の分配比を調整して、その吸熱用熱交換器への冷媒
供給量を調整することで、解凍運転状態とした吸熱用熱
交換器からの送出冷媒に対する前記の過冷却度調整を行
う。
【0040】そして、この運転において加熱制御手段
は、複数の加熱用熱交換器の側に分配される冷媒につい
て、さらに、加熱用熱交換器どうしの間での冷媒分配比
を調整することで、それら加熱用熱交換器の加熱能力比
を調整して、各々の加熱対象の目標加熱温度と検出加熱
温度との偏差を、それら偏差の平均値に調整する。
【0041】すなわち、この加熱制御手段は、解凍運転
状態とした吸熱用熱交換器の側と複数の加熱用熱交換器
の側とへの冷媒分配により、加熱用熱交換器の側への冷
媒供給量が減少することに対し、これら複数の加熱用熱
交換器夫々の加熱目的達成度(つまり、各々の加熱対象
を夫々の目標加熱温度に加熱することの達成度合い)が
同等となるように、それら加熱用熱交換器どうしの間で
の冷媒分配比を調整する。
【0042】
【発明の効果】
〔第1特徴構成の効果〕本発明の第1特徴構成によれ
ば、解凍運転状態とした吸熱用熱交換器の冷媒凝縮能力
が、着霜・着氷の状態や本来の熱交換対象である吸熱対
象の温度条件等により異なったものとなること、また、
解霜・解氷の進行に伴う熱交換状態の変化によって逐次
変化すること等に原因して、その解凍運転状態の吸熱用
熱交換器から凝縮不十分な気液二相冷媒が送出される運
転状況となることを回避でき、これにより、このような
凝縮不十分な冷媒の送出による膨張手段の不安定化や、
それによるヒートポンプ機能の低下を防止できて、良好
なヒートポンプ運転を実施できる。
【0043】また、解凍運転状態にある吸熱用熱交換器
の冷媒凝縮能力に比べ冷媒供給量が相対的に過剰となっ
て、その吸熱用熱交換器の放熱量増大をもはや見込めな
いよな必要以上の冷媒多量供給を回避できることで、そ
のような無駄な冷媒多量供給によるエネルギロスを防止
して省エネを達成できる。
【0044】〔第2特徴構成の効果〕本発明の第2特徴
構成によれば、解凍運転状態にある吸熱用熱交換器から
液相(正値の過冷却度)で送出させる冷媒を、その過冷
却度が正範囲中の特定目標値に調整された特定の液相状
態で送出させ得ることにより、解霜・解氷の能率化やヒ
ートポンプ運転の一層の安定化等を図ることができる。
【0045】つまり、上記の特定液相状態として必要以
上に大きい過冷却度付与を回避した冷媒を解凍運転状態
の吸熱用熱交換器から送出させるようにすれば、解凍運
転状態にある吸熱用熱交換器の冷媒凝縮能力に比べ、そ
の吸熱用熱交換器への冷媒供給量が必要以上に絞られた
過少状態となることを回避でき、これにより、解凍運転
状態にある吸熱用熱交換器への冷媒供給量を、前述の供
給量過剰という無駄の生じない範囲で大きく確保して、
その吸熱用熱交換器の解霜・解氷を能率よく行うことが
できる。
【0046】また、上記の特定液相状態として飽和状態
との差がある程度以上に大きい冷媒を解凍運転状態の吸
熱用熱交換器から送出させるようにすれば、解凍運転状
態にある吸熱用熱交換器から送出される液相冷媒が飽和
状態に近いために膨張手段に至るまでの過程で、その液
相冷媒中に気相分が再発生するといったことを防止で
き、これにより、膨張手段における減圧膨張機能の安定
化、及び、ヒートポンプ機能の安定化を一層確実に達成
できる。
【0047】なお、本第2特徴構成の実施において、過
冷却度の特定目標値を具体的にどのような数値ないし数
値範囲に設定するかは目的に応じ適宜決定すればよい。
【0048】〔第3特徴構成の効果〕本発明の第3特徴
構成によれば、解霜・解氷の進行に伴う熱交換状態の変
化等により解凍運転状態にある吸熱用熱交換器の冷媒凝
縮能力が逐次変化することに対して、その吸熱用熱交換
器から送出される冷媒の過冷却度をより確実かつ安定的
に正値又は正範囲中の特定目標値に保つことことがで
き、これにより、前述の第1又は第2特徴構成の効果を
一層安定して得ることができる。
【0049】〔第4特徴構成の効果〕本発明の第4特徴
構成によれば、解凍制御手段による冷媒供給量の判定を
もって解凍運転の停止を行うことにより、解霜・解氷状
態を判定する別途手段を設けて、その判定情報に基づき
解凍運転の停止を行わせるに比べ、解凍制御手段をその
判定手段に兼用化した状態で装置構成を簡略化し得る。
【0050】〔第5特徴構成の効果〕本発明の第5特徴
構成によれば、解凍運転状態の吸熱用熱交換器と加熱用
熱交換器とに対する冷媒分配比の調整をもって、その吸
熱用熱交換器に対する前記過冷却度調整のための冷媒供
給量調整を行うことにより、前述の第1特徴構成の効果
として解凍運転状態にある吸熱用熱交換器への冷媒過剰
供給は回避しつつ、余剰冷媒を加熱用熱交換器に供給す
ることができ、これにより、解凍運転の実施においてエ
ネルギロスを抑止した形態で加熱用熱交換器の加熱能力
を極力大きく確保できる。
【0051】〔第6特徴構成の効果〕本発明の第6特徴
構成によれば、解凍運転状態とした吸熱用熱交換器の側
と複数の加熱用熱交換器の側との間での冷媒分配によ
り、それら複数の加熱用熱交換器の側への冷媒供給量が
減少することにおいて、一部の加熱用熱交換器について
のみ、その冷媒減少率が特に大きくなって加熱能力の低
下度が他のものよりも大きくなるといったことを防止で
きる。
【0052】つまり、先述の従来装置では、解凍運転状
態とした吸熱用熱交換器との冷媒分配により、圧縮機最
大出力運転のもとで複数の加熱用熱交換器の側への冷媒
供給量が全体として不足となると、単に目標加熱温度を
制御目標として調整するだけの各流量調整弁では、複数
の加熱用熱交換器に対する冷媒分配比を適切に調整しき
れない状況となって、その冷媒分配比が冷媒路抵抗等に
応じた成り行き状態となり、このため、一部の加熱用熱
交換器についてのみ、その冷媒減少率が特に大きくなっ
て加熱能力の低下度が他のものよりも大きくなるといっ
たことを生じるが、本第6特徴構成によれば、このよう
な事態に陥ることを回避でき、上述の第5特徴構成の効
果と相まって複数の加熱用熱交換器夫々を解凍運転にお
いて極力安定的に加熱機能させ得る。
【0053】
【実施例】図1ないし図2は本発明を適用したヒートポ
ンプ式空調装置を示し、図1は暖房運転における冷媒流
れを、また、図2は除霜運転(解凍運転)における冷媒
流れを示す。
【0054】1は室外機、2A〜2Dは第1ないし第4
の室内機であり、これら室内機2A〜2Dと室外機1と
は3本の渡り冷媒配管H,L,Wを介して接続してあ
る。
【0055】室外機1には、圧縮機CP、アキュムレー
タAC、受液器Rを装備するとともに、外気OAを吸熱
対象あるいは放熱対象とする第1及び第2の二つの室外
熱交換器N11,N12、それら室外熱交換器N11,
N12に外気OAを通風する外気ファンF11,F12
を装備し、また、第1室外熱交換器N11に対する第1
室外膨張弁EX11、第2室外熱交換器N12に対する
第2室外膨張弁EX12、並びに、それら室外熱交換器
N11,N12の夫々に対する供給冷媒を切り換える第
1ないし第4の室外切換弁V11〜V14を装備してあ
る。
【0056】一方、各室内機2A〜2Dの夫々には、対
応の空調対象域へ送る空気SAを調整する上流側室内熱
交換器N21と下流側室内熱交換器N22、それら上流
側及び下流側の室内熱交換器N21,N22により調整
した空気SAを対応の空調対象域へ給送する給気ファン
F21を装備し、また、上流側室内熱交換器N21に対
する上流側室内膨張弁EX21、下流側室内熱交換器N
22に対する下流側室内膨張弁EX22、並びに、それ
ら上流側及び下流側の室内熱交換器N21,N22に対
する供給冷媒を切り換える第1ないし第4の室内切換弁
V21〜V24を装備してある。
【0057】そして、上記の各膨張弁EX11,EX1
2,EX21,EX22は、液相冷媒を減圧膨張させる
本来の膨張弁として機能させる状態と、単に液相冷媒流
量を調整する流量調整弁として機能させる状態とに切り
換え使用可能な構成としてあり、対応の熱交換器を蒸発
器とする運転では本来の膨張弁として機能させ、また、
対応の熱交換器を凝縮器とする運転では流量調整弁とし
て機能させる。
【0058】CMは暖房運転及び除霜運転の夫々におい
て運転制御を司る制御器であり、次に、この制御器CM
により実施する暖房運転及び除霜運転夫々の運転形態を
説明する。
【0059】(暖房運転)図1に示すように、暖房運転
では各切換弁V11〜V14,V21〜V24の切り換
え状態として、各室内機2A〜2Dの下流側室内熱交換
器N22に対する冷媒供給は断った状態で、各室内機2
A〜2Dの上流側室内熱交換器N21に対し高圧気相冷
媒を供給し、かつ、室外機1における第1及び第2室外
熱交換器N11,N12の夫々に膨張弁通過後の減圧膨
張冷媒を供給する状態とする。
【0060】なお、図中で黒塗りの弁は閉弁状態を示
し、白抜きの弁は開弁状態を示す。
【0061】つまり、暖房運転では、圧縮機CPから吐
出される高圧気相冷媒(黒塗りの太線で示す)を、高圧
気相用の渡り冷媒配管Hを介し各室内機2A〜2Dの上
流側室内熱交換器N21に分配供給し、これにより、各
室内機2A〜2Dの上流側室内熱交換器N21を凝縮器
として機能させる加熱運転状態として、通過空気SAに
対し加熱作用させる。
【0062】各室内機2A〜2Dの上流側室内熱交換器
N21から送出される凝縮液相冷媒(ハッチングを施し
た太線で示す)は、液相用の渡り冷媒配管Wで合流さ
せ、その後、受液器Rを介し、また、各室外膨張弁EX
11,EX12で減圧膨張させた低圧湿り蒸気(点ハッ
チングを施した太線で示す)の状態で、第1及び第2の
室外熱交換器N11,N12に分配供給し、これによ
り、両室外熱交換器N11,N12を蒸発器として機能
させる吸熱運転状態として、外気OAに対し吸熱作用さ
せる。
【0063】そして、第1及び第2の室外熱交換器N1
1,N12から送出される低圧気相冷媒(白抜きの太線
で示す)はアキュムレータACを介し圧縮機CPの吸入
側に戻す。
【0064】この暖房運転において、制御器CMは、各
室内機2A〜2Dの上流側室内熱交換器N21に対する
冷媒供給量を、各々流量調整弁として機能させる上流側
室内膨張弁EX21の開度調整による冷媒分配比調整
と、圧縮機CPの出力調整としての回転数調整をもって
調整し、具体的には、温度センサS1により検出される
各空調対象域の域温t(又は、各給気ファンF21によ
り送給する空気SAの温度)を各々の目標温度tm(目
標加熱温度)に調整・維持するように、上記の分配比調
整と回転数調整を実施する。
【0065】なお、これら上流側室内熱交換器N21に
対する冷媒供給量の調整については、室内機2A〜2D
のうち、最下位に位置したり、また、室外機1から最も
遠方に位置する等の理由で他の室内機に比べ冷媒流通が
最も行われ難い室内機が存在する場合、その室内機にお
ける流量調整弁としての上流側室内膨張弁は全開とした
状態で、他の上流側室内膨張弁の開度調整と圧縮機CP
の回転数調整とを実施することにより、各々の上流側室
内熱交換器N21に対する冷媒供給量を調整して、各空
調対象域の域温t(又は、送給空気SAの温度)を各々
の目標温度tm(目標加熱温度)に調整・維持するとい
った制御形態を採用してもよい。
【0066】暖房運転において制御器CMは、上流側室
内熱交換器N21に対する上記の冷媒供給量調整(換言
すれば、各上流側室内熱交換器N21の加熱能力調整)
とともに、第1及び第2室外膨張弁EX11,EX12
の開度調整による冷媒の過熱度調整を実施し、具体的に
は、過熱度検出手段S2により得られる圧縮機吸入冷媒
の過熱度情報に基づき、本来の膨張弁として機能する第
1及び第2室外膨張弁EX11,EX12の開度を同調
的に調整することで、圧縮機吸入冷媒の過熱度shを目
標過熱度shmに調整・維持する。
【0067】(除霜運転)上記の暖房運転の実施におい
て、蒸発器として機能する吸熱運転状態の第1室外熱交
換器N11が着霜して解霜が必要な状態となると、その
ことを検出する着霜検出手段S3の検出情報に基づき、
制御器CMは、第1室外熱交換器N11に対する室外切
換弁V11,V12の切り換え操作により暖房運転から
除霜運転に移行し、図2に示すように、この除霜運転で
は、各切換弁V11〜V14,V21〜V24の切り換
え状態として、各室内機2A〜2Dの下流側室内熱交換
器N22に対する冷媒供給は断った状態で、各室内機2
A〜2Dの上流側室内熱交換器N21、及び、室外機1
の第1室外熱交換器N11に対し高圧気相冷媒を供給
し、かつ、室外機1の第2室外熱交換器N12に膨張弁
通過後の減圧膨張冷媒を供給する状態とする。
【0068】つまり、除霜運転では、圧縮機CPから吐
出される高圧気相冷媒(黒塗りの太線)を、第1室外熱
交換器N11への供給と、高圧気相用の渡り冷媒配管H
を介する各室内機2A〜2Dの上流側室内熱交換器N2
1への供給とに分配し、これにより、各室内機2A〜2
Dの上流側室内熱交換器N21を暖房運転に続き凝縮器
として機能させる加熱運転状態として、通過空気SAに
対し加熱作用させながら、第1室外熱交換器N11を凝
縮器として機能させる解凍運転状態として、この着霜状
態にある第1室外熱交換器N11の解霜を行う。
【0069】各室内機2A〜2Dの上流側室内熱交換器
N21から送出される凝縮液相冷媒(ハッチングを施し
た太線)は、液相用の渡り冷媒配管Wで合流させるとと
もに、受液器Rの通過の後、さらに、第1室外熱交換器
N11から送出される凝縮液相冷媒(ハッチングを施し
た太線)とも合流させ、その後、その合流液相冷媒を第
2室外膨張弁EX12で減圧膨張させた低圧湿り蒸気
(点ハッチングを施した太線)の状態で、第2室外熱交
換器N12に供給し、これにより、第2室外熱交換器N
12を暖房運転に続き蒸発器として機能させる吸熱運転
状態として、外気OAに対し吸熱作用させる。
【0070】そして、第2室外熱交換器N12から送出
される低圧気相冷媒(白抜きの太線)はアキュムレータ
ACを介し圧縮機CPの吸入側に戻す。
【0071】この除霜運転において、制御器CMは、圧
縮機CPの出力調整として、その回転数を最大値に調整
するとともに、流量調整弁として機能させる第1室外膨
張弁EX11の開度調整による冷媒の過冷却度調整を実
施し、具体的には、この過冷却度調整として、解凍運転
状態の第1室外熱交換器N11から送出される凝縮液相
冷媒の過冷却度scを第1過冷却度検出手段S4により
検出するとともに、その過冷却度検出情報に基づき、流
量調整弁としての第1室外膨張弁EX11の開度を調整
して第1室外熱交換器N11に対する高圧気相冷媒の供
給量を調整することで、第1室外熱交換器N11から送
出される凝縮液相冷媒の過冷却度scを、予め設定され
た正範囲中の特定目標値scmに調整する。
【0072】第1室外膨張弁EX11の開度調整による
上記の過冷却度調整は、室内機2A〜2Dの側に供給す
る高圧気相冷媒と解凍運転状態の第1室外熱交換器N1
1に供給する高圧気相冷媒との分配比調整に相当し、こ
れに対し、制御器CMはさらに、各々流量調整弁として
機能させる上流側室内膨張弁EX21の開度調整によ
り、各室内機2A〜2Dの上流側室内熱交換器N21ど
うしの間での冷媒分配比を調整する。
【0073】具体的には、この上流側室内熱交換器N2
1どうしの間での冷媒分配比調整として、制御器CM
は、圧縮機CPの最大回転数運転のもとで、上流側室内
熱交換器N21の各々につき、前記の温度センサS1に
より検出される空調対象域の域温t(又は、送給空気S
Aの温度)と前記の目標温度tmとの偏差Δtが、それ
ら偏差Δtの平均値(ΣΔt/n、但しn=室内機台
数)になるように、流量調整弁としての各上流側室内膨
張弁EX21を開度調整する。
【0074】なお、これら上流側室内熱交換器N21ど
うしの間での冷媒分配比調整としては、前記の暖房運転
と同様、室内機2A〜2Dのうち、最下位に位置した
り、また、室外機1から最も遠方に位置する等の理由で
他の室内機に比べ冷媒流通が最も行われ難い室内機が存
在する場合、その室内機における流量調整弁としての上
流側室内膨張弁は全開とした状態で、他の上流側室内膨
張弁の開度を調整することにより、上流側室内熱交換器
N21どうしの間での冷媒分配比を調整して、上流側室
内熱交換器N21の各々につき、空調対象域の域温t
(又は、送給空気SAの温度)と目標温度tmとの偏差
Δtを、それら偏差Δtの平均値(ΣΔt/n)に調整
するといった制御形態を採用してもよい。
【0075】除霜運転において制御器CMは、上記の第
1室外膨張弁EX11の開度調整による過冷却度調整、
及び、各上流側室内膨張弁EX21の開度調整による上
流側室内熱交換器N21どうしの間での冷媒分配比調整
を連続的に(又は反復的に)実施し、これにより、解霜
に伴う第1室外熱交換器N11の着霜状態変化や外気O
Aの温度変化、あるいは、各空調対象域へ送る空気SA
の加熱負荷変化などの状況変化にかかわらず、解凍運転
状態にある第1室外熱交換器N11から送出される冷媒
の過冷却度scを前記の特定目標値scmに調整・維持
するとともに、各空調対象域の域温t(又は、送給空気
SAの温度)と目標温度tmとの偏差Δtを、それら偏
差Δtの平均値(ΣΔt/n)に調整・維持する。
【0076】また制御器CMは、この除霜運転における
過熱度調整として、過熱度検出手段S2により得られる
圧縮機吸入冷媒の過熱度情報に基づき、本来の膨張弁と
して機能する第2室外膨張弁EX12の開度を調整する
ことで、圧縮機吸入冷媒の過熱度shを目標過熱度sh
mに調整・維持する。
【0077】そして、この除霜運転の実施過程で、第1
室外熱交換器N11における解霜の終了が終了検出手段
S5により検出されると、制御器CMは、室外切換弁V
11,V12の切り換え操作を伴い、除霜運転から前記
の暖房運転に復帰する。
【0078】なお、除霜運転から暖房運転への復帰につ
いては、専用に装備した終了検出手段S5により解霜の
終了を検出する形態に代え、前記の過冷却度調整におい
て調整される第1室外膨張弁EX11の開度が所定開度
にまで小さくなったとき(すなわち、解凍運転状態の第
1室外熱交換器N11に対する高圧気相冷媒の供給量が
所定量以下となったとき)、その除霜運転を停止して暖
房運転へ復帰する制御形態を採用してもよい。
【0079】上記の除霜運転では、第1室外熱交換器N
11を解霜する場合を示したが、前記の制御器CMは、
暖房運転の実施において、蒸発器として機能する吸熱運
転状態の第2室外熱交換器N12が着霜して解霜が必要
な状態となると、着霜検出手段S3の検出情報に基づ
き、第1室外熱交換器N11は蒸発器として機能させる
吸熱運転状態に保ったままで、第2室外熱交換器N12
に対する室外切換弁V13,V14の切り換え操作によ
り、第2室外熱交換器N12を各室内機2A〜2Dの上
流側室内熱交換器N21とともに凝縮器として機能させ
る状態とし、これにより、各室内機2A〜2Dにおける
上流側室内熱交換器N21の加熱作用を保ちつつ、第2
室外熱交換器N12を解霜する除霜運転を実施する。
【0080】そして、この第2室外熱交換器N12につ
いての除霜運転において、制御器CMは前述と同様、圧
縮機CPの最大回転数運転のもとで、解凍運転状態の第
2室外熱交換器N12から送出される凝縮液相冷媒の過
冷却度scを第2過冷却度検出手段S6により検出する
とともに、その過冷却度検出情報に基づき、流量調整弁
としての第2室外膨張弁EX12の開度を調整して第2
室外熱交換器N12に対する高圧気相冷媒の供給量を調
整することで、第2室外熱交換器N12から送出される
凝縮液相冷媒の過冷却度scを前記の特定目標値scm
に調整・維持する。
【0081】また、上流側室内熱交換器N21の各々に
つき、温度センサS1により検出される空調対象域の域
温t(又は、送給空気SAの温度)と目標温度tmとの
偏差Δtが、それら偏差Δtの平均値(ΣΔt/n)に
なるように、流量調整弁としての各上流側室内膨張弁E
X21を開度調整する。
【0082】要するに、本例において前記制御器CM
は、第1及び第2の室外熱交換器N11,N12を複数
の吸熱用熱交換器とし、かつ、各室内機2A〜2Dの上
流側室内熱交換器N21を複数の加熱用熱交換器とする
形態において、それぞれ凝縮器として機能させる解凍運
転状態の吸熱用熱交換器N11と加熱用熱交換器N21
とに対する冷媒分配比の調整により、解凍運転状態の吸
熱用熱交換器N11に対する冷媒供給量を調整して、そ
の解凍運転状態の吸熱用熱交換器N11から送出される
冷媒の過冷却度scを正範囲中の特定目標値scmに調
整する解凍制御手段を構成する。
【0083】また、この制御器CMは、吸熱用熱交換器
N11が解凍運転状態にあるとき、加熱用熱交換器N2
1どうしの間での冷媒分配比を調整して、それら加熱用
熱交換器N21の各々について加熱対象の目標加熱温度
tmと検出加熱温度tとの偏差Δtを、それら偏差Δt
の平均値(ΣΔt/n)に調整する加熱制御手段を合わ
せ構成する。
【0084】以上、暖房運転と除霜運転とについて説明
したが、本例の空調装置では室内機2A〜2Dの夫々に
おいて、下流側室内熱交換器N22への冷媒供給を断っ
た状態で、上流側室内熱交換器N21を蒸発器として機
能させて空調対象域への送給空気SAを冷却温調する冷
房運転や、上流側室内熱交換器N21を蒸発器として機
能させ、かつ、下流側室内熱交換器N22を凝縮器とし
て機能させて、空調対象域への送給空気SAを冷却除湿
するとともに再熱温調する除湿・再熱運転等も実施し得
る。
【0085】〔別実施例〕次に別実施例を列記する。
【0086】(1)前述の実施例においては、解凍運転
状態にある吸熱用熱交換器N11から送出される冷媒の
過冷却度scを正範囲中の特定目標値scmに調整する
場合を示したが、この特定目標値scmとして、具体的
にどのような一数値あるいは数値範囲を設定するかは設
計条件等に応じて決定すればよく、また、このように過
冷却度scを正範囲中の特定目標値scmに調整する形
態に代えて、解凍運転状態にある吸熱用熱交換器N11
から送出される冷媒の過冷却度scが正値でさえあれば
よいとする調整を実施してもよい。
【0087】(2)上記の如く、解凍運転状態にある吸
熱用熱交換器N11から送出される冷媒の過冷却度sc
が正値でさえあればよいとする調整を行う場合では、過
冷却冷却度scを検出する検出手段S4,S6として、
過冷却度scの具体的値を求める形態のものに代え、単
に、送出冷媒中に気相分が含まれるか否かを検出するだ
けの簡易な検出手段を採用してもよい。
【0088】(3)前述の実施例では、冷媒供給量調整
による過冷却度調整を解凍運転状態において連続的又は
反復的に実施する場合を示したが、場合によっては、冷
媒供給量調整による過冷却度調整を解凍運転の開始当初
において一回のみ実施する構成を採用してもよい。
【0089】(4)加熱用熱交換器N21の加熱目的は
暖房に限定されるものではなく、その加熱対象も気体、
液体、固体のいずれであってもよい。
【0090】(5)また、吸熱用熱交換器N11,N1
2の吸熱対象も空気に限定されるものではなく、河川水
や廃水、あるいは、海水や井戸水等の水を吸熱対象とす
るものであってもよい。
【0091】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするため符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】暖房運転状態の冷媒流れを示す冷媒回路図
【図2】除霜運転状態の冷媒流れを示す冷媒回路図
【図3】従来装置における吸熱運転状態の冷媒流れを示
す冷媒回路図
【図4】従来装置における解凍運転状態の冷媒流れを示
す冷媒回路図
【符号の説明】
N11 吸熱用熱交換器 sc 過冷却度 S4 検出手段 CM 解凍制御手段、加熱制御手段 scm 特定目標値 N12 他の吸熱用熱交換器 N21 加熱用熱交換器 tm 目標加熱温度 t 検出加熱温度 Δt 偏差 ΣΔt/n 平均値

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発器として機能する吸熱運転状態で着
    霜又は着氷した吸熱用熱交換器(N11)を凝縮器とし
    て機能させる解凍運転状態に切り換えて、該吸熱用熱交
    換器(N11)を解霜又は解氷するヒートポンプ装置で
    あって、 解凍運転状態とした前記吸熱用熱交換器(N11)から
    送出される冷媒の過冷却度(sc)を検出する検出手段
    (S4)と、 その検出手段(S4)の検出情報に基づき、解凍運転状
    態である前記吸熱用熱交換器(N11)への冷媒供給量
    を調整して、前記過冷却度(sc)を正値に調整する解
    凍制御手段(CM)を設けたヒートポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記解凍制御手段(CM)は、前記の過
    冷却度調整において前記過冷却度(sc)を正範囲中の
    特定目標値(scm)に調整する構成としてある請求項
    1記載のヒートポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記解凍制御手段(CM)は、前記の過
    冷却度調整を解凍運転状態において連続的又は反復的に
    実施する構成としてある請求項1又は2記載のヒートポ
    ンプ装置。
  4. 【請求項4】 前記解凍制御手段(CM)は、前記の過
    冷却度調整における冷媒供給量調整で、その冷媒供給量
    が所定量以下となることに基づき、解凍運転を停止する
    構成としてある請求項3記載のヒートポンプ装置。
  5. 【請求項5】 前記吸熱用熱交換器(N11)が解凍運
    転状態にあるとき、他の吸熱用熱交換器(N12)を吸
    熱運転状態として、解凍運転状態にある前記吸熱用熱交
    換器(N11)と吸熱運転状態にある前記の他の吸熱用
    熱交換器(N12)と、凝縮器として機能させる加熱用
    熱交換器(N21)との間でヒートポンプサイクルを成
    立させる構成とし、 この構成において前記解凍制御手段(CM)は、それぞ
    れ凝縮器として機能する解凍運転状態の前記吸熱用熱交
    換器(N11)と前記加熱用熱交換器(N21)とに対
    する冷媒分配比の調整により、前記の過冷却度調整にお
    ける冷媒供給量調整を行う構成としてある請求項1、
    2、3又は4記載のヒートポンプ装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱用熱交換器(N21)を複数設
    ける構成において、前記吸熱用熱交換器(N11)が解
    凍運転状態にあるとき、前記加熱用熱交換器(N21)
    どうしの間での冷媒分配比を調整して、それら加熱用熱
    交換器(N21)の各々について加熱対象の目標加熱温
    度(tm)と検出加熱温度(t)との偏差(Δt)を、
    それら偏差(Δt)の平均値(ΣΔt/n)に調整する
    加熱制御手段(CM)を設けた請求項5記載のヒートポ
    ンプ装置。
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