JPH079964U - 高温耐熱衝撃性を備えた高炉羽口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉内のコークス、溶銑による摩耗と溶銑の滴
下による溶損から保護され、耐摩耗性、耐溶損性、耐衝
撃等が図られ羽口寿命の大幅な向上を図る。 【構成】 羽口の先端および先端外周を耐熱、耐摩耗性
の布で覆ったことを特徴とする高温耐熱衝撃性を備えた
高炉羽口

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は高炉の羽口に関する。

【０００２】

【従来の技術】

高炉の羽口は高温の溶銑あるいはスラグ暴露、又はこれ等溶銑あるいはスラグ のアタックを受けて激しい摩耗と溶損により極めて寿命が短い。この激しい摩耗 と溶損を抑制して寿命向上を図るために、実開昭４９−１２２１０４号公報、実 開昭４９−１２２１０５号公報、のように耐摩耗性金属を羽口の先端に埋め込む か、実開昭５１−１０５３１７号公報のように先端表面部に耐摩耗性金属を溶接 する。または実開昭４９−１２７４０４号公報のように羽口の外周を耐火物で覆 い羽口寿命の向上を図ることが提案されている。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これ等従来の羽口は以下の問題点がある。まず、耐摩耗性金属 を羽口の先端に埋め込んだものおよび耐摩耗性金属を溶接したものは、かなりの 寿命の向上を期待できるが、耐摩耗性金属と羽口自体を構成する銅との熱膨張差 が大きく異なるために、剥離が生じ羽口寿命が満足できる程の向上は達成できな い。一方、羽口の外周を耐火物で覆ったものは溶銑あるいはスラグのアタックを 受けて、耐火物が損耗してしまい耐火性の覆い効果が維持できない等の欠点があ る。本考案はこれ等従来の欠点を解決し、極めて耐摩耗性、耐溶損性、耐衝撃性 等に優れた高炉羽口を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、羽口の先端および先端外周を耐熱、耐摩耗の布で覆ったことを特徴 とする高温耐熱衝撃性を備えた高炉羽口である。

【０００５】

【作用及び実施例】 本考案の実施例について、図を参照しながら詳細に説明する。図１は高温耐熱 衝撃性を備えた高炉羽口の断面図を示す。図において、１は高炉羽口で、該高炉 羽口１は先端２および先端外周３を耐熱、耐摩耗性の布４（帆布袋）で覆う、そ の先端外周３は帆布袋４の基端をテープ５で羽口１に締めつける。また、この帆 布袋４と羽口１の先端２間には衝撃緩衝材６が充填してあり、高炉羽口１の外周 には縞状肉盛７が設けてある。

【０００６】 この布４は帆布袋で耐摩耗性、耐溶損性、耐衝撃等に優れたものであれば良く 、セラミックス布、石綿布等で、セラミックスとしてはアルミナ質、ＳｉＣ質等 が好ましく、テープ５もセラミックス質のテープが用いられる。また、帆布袋４ と羽口１の先端２間に充填する衝撃緩衝材６は一般の砂、珪砂、セラミックス粉 、耐火物粉等が用いられる。このように構成した帆布袋４は帆布押えリング８で 該羽口に固定される。

【０００７】 この高炉羽口１は高炉内に装着することで、基端のテープ５およびセラミック ス布４の上に自然に鉱滓が堆積する。この堆積鉱滓９により高炉羽口１は炉内の コークス、溶銑による摩耗と溶銑の滴下による溶損から保護される。また、羽口 １の先端２および先端外周３の耐摩耗性の帆布袋４と羽口１の先端２間に充填さ れた衝撃緩衝材６により、コークス、溶銑のアタックに対し耐衝撃緩衝効果を発 現するとともに、布４およびテープ５の耐摩耗、耐溶損作用がより顕著に発揮さ れる。

【０００８】 このように高炉羽口１に衝撃緩衝材６を充填した帆布袋からなる布４とテープ ５を設けることで高炉内の現象を活用して鉱滓のセルフコーティングを行い羽口 寿命を大幅に向上できる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の高炉羽口を用いることにより炉内のコークス、溶銑による摩耗と溶銑 の滴下による溶損から保護され、耐摩耗性、耐溶損性、耐衝撃等が図られ羽口寿 命の大幅な向上が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による高温耐熱衝撃性を備えた高炉羽口
の断面図

【符号の説明】

１ 高炉羽口 ２ 羽口先端 ３ 先端外周 ４ 布（帆布袋） ５ テープ ６ 衝撃緩衝材 ７ 縞状肉盛 ８ 帆布押えリング ９ 堆積鉱滓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 羽口の先端および先端外周を耐熱、耐摩
   耗性の布で覆ったことを特徴とする高温耐熱衝撃性を備
   えた高炉羽口。