JPH0798351A - データの同期化方法及びその方法を用いた故障点標定装置 - Google Patents

データの同期化方法及びその方法を用いた故障点標定装置

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JPH0798351A
JPH0798351A JP24175293A JP24175293A JPH0798351A JP H0798351 A JPH0798351 A JP H0798351A JP 24175293 A JP24175293 A JP 24175293A JP 24175293 A JP24175293 A JP 24175293A JP H0798351 A JPH0798351 A JP H0798351A
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voltage
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power transmission
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JP24175293A
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Inventor
Tokuo Emura
徳男 江村
Masayasu Takeuchi
雅靖 竹内
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一般的なn(n≧2)端子単回線送電線の各端
子の電圧や電流に基づいて故障点を求める故障点標定装
置において、各端子のデータサンプリングの同期がとれ
ていないときでも同期化されたデータを得る方法を提案
する。 【構成】隣接2端子T1 ,T2 につながる分岐点b2
ついて、故障時に両端子T1 ,T2 から計算される分岐
点b2 の電圧が大きさ、位相とも互いに等しいという事
実に着目して、各端子T1 ,T2 の電圧、電流の位相差
を算出するが、n端子単回線送電線の端の分岐点b2
n-1 でなければこの計算ができないので、n端子単回
線送電線を、計算済の端の分岐点b2 を端子とし、その
分岐点b 2 の電圧、電流を端子電圧、端子電流とする
(n−1)端子単回線送電線に変換するという手法を用
いて変換し、最後にはすべての端子T1 ,T2 ,T3
・・・・,Tn について電圧、電流の位相差を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、n(n≧2)端子単回
線送電線の1地点で故障が発生した場合の故障点を、各
端子で測定される電圧及び電流に基づいて標定する方法
に関する。ここにおいて「故障」とは、短絡、地絡のい
ずれの故障であってもよく、故障に係わる線は、1線、
2線、3線のいずれか、又はこれらの組み合わせであっ
てもよい。「単回線送電線」とは、当初から単回線とし
て設定されたものでもよく、並行2回線送電線の一方が
故障して単回線運用されているものであってもよい。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】電力系統
で故障が発生した場合、故障箇所を発見し必要な修理を
行うことは、故障波及防止の意味から重要な業務であ
る。故障点標定装置(フォールトロケータともいう)の
設置されていない送電線路では、故障点探索のため線路
巡視が必要となり多大の労力と費用とを費やすことにな
る。長距離送電線や地形の複雑な送電線では特にそうで
ある。
【0003】このような理由で以前から故障点標定装置
が設置されている。故障点標定方法としては、従来は、
故障点で発生したサージ電圧を送電線の両端で検出しサ
ージの両端への到達時間差から故障点を決定するサージ
受信方式や、故障発生時に送電線路にパルスを送出しパ
ルスの反射時間を計測することで故障点を決定するパル
スレーダ方式が採用されていた。
【0004】これらの方式は、発生サージあるいは反射
パルスを正しく受信できれば標定精度はかなり高いので
あるが、線路に分岐があったり、線路インピーダンスに
変化があったりすると、反射等により大きな標定誤差を
生じたり、標定不可能になるという欠点を持っている。
一方、最近ではマイクロコンピュータをベースとしたデ
ィジタルリレー技術を使った、前記方式とは異なる原理
の故障点標定装置の開発が行われている。
【0005】この故障点標定装置は、送電線の保護リレ
ーである距離リレーの測距能力に注目したもので、計器
用変圧器(PT)、変流器(CT)等の交流入力を用
い、所定の演算式に当てはめて故障点を標定するもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記故障点標定装置
は、各端子の電圧、電流を測定しなければならないの
で、各端子にPTやCTを設置する必要がある。ところ
で、故障点標定のために各端子の電圧、電流を四則演算
するには、PTやCTによって得られるデータのサンプ
リング同期がとられていることが前提となる。すなわ
ち、サンプリング同期がとられていないデータ間で演算
を行うと、誤った結果が出てしまう。
【0007】各々の端子内のデータについては、データ
間のサンプリング同期をとることは比較的容易である
が、異なる端子間のデータのサンプリング同期をとるこ
とは、極めて困難なこととなる。例えば、PCM伝送方
式を用い、通信路も大容量のものを用い、さらにクロッ
ク信号伝送中に生じる伝送時間差を正確に測定し補正す
るために、送信器、受信器間で信号を往復させ、その往
復にかかった時間を測定して伝送時間差を求めるといっ
た、高級、複雑な手法が必要になる。
【0008】そこで、本発明は、一般的なn(n≧2)
端子単回線送電線の各端でPTやCTを設置して電圧や
電流に基づいて故障点を求める故障点標定装置におい
て、各端子のデータサンプリングの同期がとれていない
場合でも、故障点を正しく標定することができるデータ
の同期化方法及びその方法を用いた故障点標定装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のデータの同期化
方法は、n端子単回線送電線のいずれかの端の端子を基
準端子とし、基準端子の直近の分岐点の電圧を、基準端
子の電圧、電流と基準端子から分岐点までの区間の電圧
降下とを考慮して求めるとともに、当該分岐点の電圧
を、当該分岐点につながる他の端子の電圧、電流と当該
他の端子から当該分岐点までの区間の電圧降下とを考慮
して求め、これらの2つの電圧の位相差を求めることに
より、前記他の端子の電圧、電流データと、基準端子の
電圧、電流データとの同期をとり、前記分岐点の電圧、
電流を、同期化された電圧、電流データに基づいて算出
し、n端子単回線送電線を、当該分岐点を一方の端子と
し、その算出された電圧、電流を端子電圧、端子電流と
する(n−1)端子単回線送電線に変換し、前記(n−
1)端子単回線送電線について、前記新たに端子とみな
された分岐点を基準端子とし、いままでの手順を繰り返
すことにより、2端子単回線送電線まで変換し、2端子
単回線送電線において、新たに端子とみなされた分岐点
を基準端子とし、他の端子の電圧を、基準端子の同期化
された電圧、電流と基準端子から他の端子までの区間の
電圧降下とを考慮して求め、当該他の端子で測定された
電圧との位相差を求め、当該他の端子の電圧、電流デー
タの同期をとることにより、最終的には、すべての端子
の電圧、電流データの同期をとる方法である。
【0010】また、本発明の故障点標定装置は、各端子
に設置された電圧、電流検出手段と、各端子の電圧、電
流データをサンプリングする手段と、n端子単回線送電
線の各区間長及び単位長当たりのインピーダンスの整定
を行う手段と、故障点標定演算を行う演算手段と、演算
手段から得られる故障点情報を出力する手段とを備え、
前記演算手段は、健全時に請求項1記載のデータの同期
化方法により各端子の電圧、電流データの位相差を求め
ておき、故障発生時には前記健全時に求められた位相差
を利用して故障時の各端子間の電圧電流データの同期を
とり、この同期化された電圧、電流データに基づき故障
区間を決定し、決定された故障区間において故障点を標
定するものである。
【0011】
【作用】図1を参照しながら説明する。図1は発明の適
用対象であるn端子単回線送電線を示しており、いずれ
かの区間で単純故障(故障の種類(地絡、短絡、故障相
等)は問わず、いずれかの区間の1地点で発生する故
障)が発生しているものとする。
【0012】各端子の符号をT1 ,T2 ,T3 ,・・・・,
n とし、各端子から流れ込む電流をI1 ,I2
3 ,・・・・,In 、各端子の電圧をV1 ,V2 ,V3
・・・・,V n とする。電流Ii (i=1, ・・・・,n) 、電圧Vi
(i=1, ・・・・,n) は相電流、相電圧のベクトルであって、
次のように表される。
【0013】
【数1】
【0014】ここにa,b,cは相を表わす。各要素は
大きさと位相を持つ複素数である。分岐点をb2
3 ,・・・・,bn-1 とし、分岐点と端子との距離を
1 ,d2,d3 ,・・・・,d2n-4,d2n-3 とする。各
区間の単位長当たりの線路インピーダンス行列Zi (i=
1, ・・・・,2n-3)を、
【0015】
【数2】
【0016】で表わす。各要素は大きさと位相を持つ複
素数であって、sは自己、mは相互を表わす。また、複
素ベクトルの内積を< , >で表わす。例えば、
【0017】
【数3】
【0018】で表される電流I、電圧Vに対して、複素
ベクトルの内積は、 <V,I>=Ia * a +Ib * b +Ic * c
(*は複素共役) となる。また、ベクトルの絶対値をユークリッドノルム
で評価することとし、ユークリッドノルムを‖ ‖で表
わす。
【0019】‖V‖=√<V,V> 図1のn端子単回線送電線において、まず、n端子単回
線送電線のいずれかの端の端子,例えば端子T1 を基準
端子とし、基準端子T1 の直近の分岐点b2 の電圧を、
基準端子T1 の健全時の電圧V1 、電流I1 と基準端子
1 から分岐点b2 までの区間の電圧降下を考慮して求
める。
【0020】これをVb2,1(添字は端子T1 から計算し
た分岐点b2 の電圧という意味である)と書くと、 Vb2,1=V1 −d1 1 1 となる。次に、当該分岐点b2 の電圧を、当該分岐点b
2 につながる他の端子T 2 の健全時の電圧V2 ,電流I
2 と当該他の端子T2 から当該分岐点b2 までの区間の
電圧降下を考慮して求める。これをVb2,2と書くと、 Vb2,2=V2 −d2 2 2 となる。
【0021】健全時であるため、Vb2,1とVb2,2とは一
致するはずであるが、非同期サンプリングであるため、
必ずしも一致しない。この非同期サンプリングによる位
相差をα2 とすれば、次の関係が成立する。 Vb2,2=exp(jα2 )Vb2,1 このexp(jα2 )は、つぎのようにして求めること
ができる。
【0022】 <Vb2,2,Vb2,1>=<exp(jα2 )Vb2,1,Vb2,1> =exp(jα2 )<Vb2,1,Vb2,1> したがって、 exp(jα2 )=<Vb2,2,Vb2,1>/<Vb2,1,Vb2,1> =<Vb2,2,Vb2,1>/‖Vb2,12 が得られ、端子T2 の電圧、電流は、それぞれ exp(−jα2 )V2 exp(−jα2 )I2 により、基準端子T1 の電圧、電流と同期化できる。
【0023】次に、分岐点b2 の電圧Vb2、分岐点b2
より基準端子T1 とは反対の方に流れる電流Ib2を、次
式により計算する。 Vb2=Vb2,1=exp(−jα2 )Vb2,2b2=I1 +exp(−jα2 )I2 ここで、n端子単回線送電線を、当該分岐点b2 を一方
の端子とし、その算出された電圧Vb2、電流Ib2を端子
電圧、端子電流とする(n−1)端子単回線送電線に変
換する(図2参照)。
【0024】そしてこの(n−1)端子単回線送電線に
ついて、前記新たに端子とみなされた分岐点b2 を基準
端子とし、端子T3 との位相差を計算する。 Vb3,2=Vb2−d3 3 b2b3,3=V3 −d4 4 3 exp(jα3 )=<Vb3,2,Vb3,3>/‖Vb3,22 端子T3 の電圧、電流は、それぞれ exp(−jα3 )V3 exp(−jα3 )I3 により、基準端子b2 の電圧、電流と同期化でき、ひい
ては基準端子T1 の電圧、電流と同期化できる。
【0025】また、分岐点b3 の電圧Vb3、分岐点b3
に流れる電流Ib3を、次式により計算する。 Vb3=Vb3,2=exp(−jα3 )Vb3,3b3=Ib2+exp(−jα3 )I3 以上のような手順を繰り返すことにより、2端子単回線
送電線まで変換する(図3参照)。
【0026】2端子まで変換できれば、2端子単回線送
電線の新たに端子とみなされた分岐点bn-1 を基準端子
とし、他の端子Tn の電圧Vn,n-1 を、基準端子の同期
化された電圧Vbn-1、電流Ibn-1と基準端子bn-1 から
他の端子Tn までの区間の電圧降下を考慮して求める。 Vn,n-1 =Vbn-1−d2n-32n-3bn-1n =exp(jαn )Vn,n-1 exp(jαn )=<Vn ,Vn,n-1 >/‖Vn,n-1
2 端子Tn の電圧、電流は、それぞれ、 exp(−jαn )Vn exp(−jαn )In で求められる。
【0027】このようにして、最初の基準端子T1 の位
相を基準として、全ての端子の電圧、電流データの同期
化を図ることができる。また、本発明の故障点標定装置
によれば、健全時に前述の方法により、全ての端子の電
圧、電流データの位相差を求めておき、故障発生時に
も、この位相差は不変であるから、故障時の各端子の電
圧電流データを、健全時に求められた位相差を用いて前
記方法により同期化し、この同期化された各端子の電
圧、電流データに基づいて故障点を標定することができ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明のデータの同期化方法を用いた
故障点標定装置を添付図面に基いて詳細に説明する。な
お、前述した図1〜図3と共通するものについて同じ符
号を使用する。図4は一般的な4端子単回線送電線、及
び本発明に係るフォルトロケータを示す図であり、4端
子単回線送電線Lは、送電端T1 側に電源を配置し、受
電端B、受電端C、受電端Dに負荷(図示せず。電源で
もよい)を配置している。
【0029】前記4端子単回線送電線Lの送電端T1
は、回線のa相、b相及びc相の電流を測定する変流器
(まとめてCT1 という)及び送電端T1 の母線に接続
され、a相、b相及びc相の電圧を検出するトランスP
1 が接続されている。また受電端T2 ,T3 ,T4
も、回線のa相、b相及びc相の電流をそれぞれ測定す
るCT2 ,CT3 ,CT4 及び受電端T2 ,T3 ,T4
の母線に接続されa相、b相及びc相の電圧をそれぞれ
検出するPT2 ,PT3 ,PT4 が接続されている。
【0030】各受電端T2 ,T3 ,T4 には、CT2
CT3 ,CT4 及びPT2 ,PT3,PT4 の検出出力
をサンプリングしディジタル変換して、フォルトロケー
タ1に伝送する端局2,3,4が設置されている。端局
2,3,4は、図5に示すように、読み取った各相電圧
・電流を所定レベルの電圧信号に変換する補助トランス
21、補助トランス21で変換された電圧信号を所定電
気角(例えば30度)ごとにサンプリングするサンプルホ
ールド回路22、A/D変換器23、及び電圧、電流デ
ータを変調しフォルトロケータ1に伝送するための通信
機24を備えている。サンプルホールド回路22のサン
プリングのための時計は、端局2,3,4及びフォルト
ロケータ1がそれぞれ別個に備えているものとする。
【0031】フォルトロケータ1は、例えば送電端T1
側に配置されているもので、図6に示すように、読み取
った各相電圧・電流を所定レベルの電圧信号に変換する
補助トランス11、補助トランス11で変換された電圧
信号を所定電気角(例えば30度)ごとにサンプリングす
るサンプルホールド回路12、A/D変換器13、A/
D変換器13により変換されたディジタル値を格納する
RAM15、故障検出プログラム、データ同期化プログ
ラム、故障区間選択プログラム、故障点標定プログラム
を格納しているROM14、故障検出演算、データ同期
化演算、故障区間選択演算、故障点標定演算を行うCP
U16、各区間の区間長d1 ,・・・・,d 5 、4端子単回
線送電線Lの各区間の単位長当たりのインピーダンスZ
i 等の整定を行うためのキーボード19、並びにCPU
16により算出された故障点等の情報を表示する表示装
置20が設けられている。
【0032】前記故障検出演算は、周知のもので、例え
ば各相電流のいずれか、又は零相電流の大きさが基準値
を超えたかどうかで判定する。データ同期化演算は、前
に説明したとおりであるが、ここでは4端子単回線送電
線Lを対象にしてもう一度簡単に説明しておく。図4の
4端子単回線送電線Lの健全時において、まず、4端子
単回線送電線Lのいずれかの端の端子,例えば端子T1
を基準端子とし、基準端子T1 の直近の分岐点b2 の電
圧Vb2,1を、基準端子T1 から求めると、 Vb2,1=V1 −d1 1 1 となる。次に、当該分岐点b2 の電圧Vb2,2を、他の端
子T2 から求めると、 Vb2,2=V2 −d2 2 2 となる。
【0033】Vb2,1とVb2,2との位相差をα2 とすれ
ば、次の関係が成立する。 Vb2,2=exp(jα2 )Vb2,1 このexp(jα2 )は、 exp(jα2 )=<Vb2,2,Vb2,1>/‖Vb2,12 によって得られ、端子T2 の電圧、電流は、それぞれ exp(−jα2 )V2 exp(−jα2 )I2 となる。これで、基準端子T1 の電圧、電流との同期化
ができる。
【0034】次に、分岐点b2 の電圧Vb2、分岐点b2
より右方向に流れる電流Ib2を、次式により計算する。 Vb2=Vb2,1=exp(−jα2 )Vb2,2b2=I1 +exp(−jα2 )I2 ここで、4端子単回線送電線Lを、当該分岐点b2 を一
方の端子とし、前記電圧Vb2、電流Ib2を端子電圧、端
子電流とする3端子単回線送電線に変換し、新たに端子
とみなされた分岐点b2 を基準端子とし、前と同じ処理
をする。その結果、 Vb3,2=Vb2−d3 3 b2b3,3=V3 −d4 4 3 exp(jα3 )=<Vb3,2,Vb3,3>/‖Vb3,22 が得られ、端子T3 の電圧、電流は、それぞれ exp(−jα3 )V3 exp(−jα3 )I3 により、基準端子b2 の電圧、電流と同期化でき、ひい
ては基準端子T1 の電圧、電流と同期化できる。
【0035】また、分岐点b3 の電圧Vb3、分岐点b3
より右に流れる電流Ib3を、次式により計算する。 Vb3=Vb3,2=exp(−jα3 )Vb3,3b3=Ib2+exp(−jα3 )I3 以上のような手順を繰り返すことにより、2端子単回線
送電線まで変換することができる。
【0036】2端子まで変換できれば、2端子単回線送
電線の新たに端子とみなされた分岐点b3 を基準端子と
し、他の端子T4 の電圧V4,3 を、基準端子b3 から求
める。 V4,3 =Vb3−d5 5 b34 =exp(jα4 )V4,3 exp(jα4 )=<V4 ,V4,3 >/‖V4,3 2 端子T4 の電圧、電流は、それぞれ、 exp(−jα4 )V4 exp(−jα4 )I4 で求められる。
【0037】このようにして、全ての端子の電圧、電流
を同期化することができる。そして、故障発生時には前
記の方法により健全時に求められた位相差を用いて、故
障時の各端子間の電圧電流データの同期をとり、同期化
された電圧、電流を用いて、故障区間を選択し、その選
択された故障区間での故障点の位置を求める。
【0038】故障区間選択演算を簡単に説明すると、4
端子単回線送電線Lの一方の分岐点、例えば分岐点b2
を基準にして、当該分岐点b2 につながる2端子T1
2から当該分岐点b2 までの区間の電圧降下を考慮し
て当該分岐点の電圧 Vb2,1=V1 −d1 1 1b2,2=V2 −d2 2 2 をそれぞれ算出し、前記電圧の差分Δ1,2 を求める。
【0039】Δ1,2 =‖Vb2,1−Vb2,2‖ また、分岐点b3 の電圧を端子T3 と端子T4 とから計
算する。これらの電圧は、 Vb3,3=V3 −d4 4 3b3,4=V4 −d5 5 4 となり、前記電圧の差分Δ3,4 は、 Δ3,4 =‖Vb3,3−Vb3,4‖ となる。
【0040】ここで、前記手順で算出された差分を比較
する。いまここで、 Δ1,2 <Δ3,4 であったとすると、2端子T1 ,T2 から当該分岐点b
2 までの区間には故障はないと判断でき、分岐点b
2 を、電圧V2 ′ V2 ′=Vb2,1又はVb2,2 を有する端子として、3端子単回線系統への変換を行
う。このとき、分岐点b2に流れ込む電流I2 ′は、 I2 ′=I1 +I2 とする。
【0041】次に、この3端子単回線送電線の分岐点b
3 を基準にして、3端子b2 ,T3,T4 から当該分岐
点b3 までの区間の電圧降下を考慮した当該分岐点b3
の電圧をそれぞれ算出する。これらの電圧は、 Vb3,2=V2 ′−d3 3 2 ′ Vb3,3=V3 −d4 4 3b3,4=V4 −d5 5 4 となる。これらの電圧の差分を求める。
【0042】Δ3,2 =‖Vb3,2−Vb3,3‖ Δ3,4 =‖Vb3,3−Vb3,4‖ Δ2,4 =‖Vb3,2−Vb3,4‖ そして3つの差分の絶対値を比較し、最も小さい差分を
求める。それが例えばΔ 3,4 であれば、端子T3 〜分岐
点b3 〜端子T4 間には故障がないと判断することがで
きる。したがって、端子b2 〜分岐点b3 の区間に故障
があることが分かる。
【0043】故障点標定演算は、端子b2 〜分岐点b3
の故障区間において、端子b2 の電圧V2 ′,電流
2 ′、分岐点b3 の電圧V3 ′、電流I3 ′、単位長
当たりのインピーダンスZ3 、区間長d3 に基づいて、
次式に従って故障点の位置を求める演算である。 x=Im<V2 ′,I2 ′+I3 ′>/Im<Z
2 ′,I2 ′+I3 ′> このようにして、故障点を知り、故障点までの距離を求
めることができる。
【0044】CPU16の演算結果は、I/O装置18
を通して表示装置20に出力され、表示装置20におい
て故障点と、故障点の位置が表示される。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明のデータの同期化方
法によれば、一般的なn(n≧2)端子単回線送電線の
各端子でPTやCTを設置して各端子の電圧及び電流に
基づいて故障点を標定する故障点標定装置において、各
端子のデータサンプリングの同期がとれていない場合で
も、各端子から算出した分岐点の電圧が大きさ、位相と
も互いに等しいという事実に着目して、データを同期化
することができる。
【0046】したがって、同期化されたデータを使っ
て、故障区間を特定したり、故障点を正しく標定したり
することができる。また、本発明の故障点標定装置によ
れば、各端子のデータサンプリングの同期がとれていな
い場合でも、健全時に前述のデータの同期化方法によ
り、全ての端子間の電圧、電流データの位相関係を求め
ておき、故障発生時には、この位相関係は故障前後で不
変であるため、健全時に求められた位相関係を用いて故
障時の各端子間の電圧電流データの同期をとり、同期化
された各端子の電圧、電流データに基づいて故障点を標
定することができる。
【0047】すなわち、常時データ間のサンプリング同
期をとるという、複雑な構成が不要になるので、安価で
優れた故障点標定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための、n端子単回線
送電線の回路図である。
【図2】n端子単回線送電線の端の分岐点b2 を基準に
して、当該分岐点を基準端子とする(n−1)端子単回
線系統への変換をした場合の変換後の回路図である。
【図3】変換された2端子単回線送電線を示す回路図で
ある。
【図4】4端子単回線送電線、及びフォルトロケータの
配置を示す図である。
【図5】端局の内部構成ブロック図である。
【図6】フォルトロケータの内部構成ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 フォルトロケータ 2,3,4 端局 16 CPU L 4端子単回線送電線 T1 送電端 T2 〜T4 受電端

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】データサンプリングの同期がとれていな
    い、n(n≧4とする)端子単回線送電線の各端子で測
    定された電圧データ及び電流データを同期化する方法で
    あって、次の(a) 〜(f) の手順を採用することを特徴と
    するデータの同期化方法。 (a) n端子単回線送電線のいずれかの端の端子を基準端
    子とし、基準端子の直近の分岐点の電圧を、基準端子の
    電圧、電流と基準端子から分岐点までの区間の電圧降下
    とを考慮して求めるとともに、当該分岐点の電圧を、当
    該分岐点につながる他の端子の電圧、電流と当該他の端
    子から当該分岐点までの区間の電圧降下とを考慮して求
    める。 (b) 前記(a) の手順により求められた当該分岐点の2つ
    の電圧の位相差を求めることにより、前記他の端子の電
    圧、電流データと、基準端子の電圧、電流データとの同
    期をとる。 (c) 前記分岐点の電圧、電流を、前記(b) の手順により
    同期化された電圧、電流データに基づいて算出し、n端
    子単回線送電線を、当該分岐点を一方の端子とし、その
    算出された電圧、電流を端子電圧、端子電流とする(n
    −1)端子単回線送電線に変換する。 (d) 前記(n−1)端子単回線送電線について、新たに
    端子とみなされた分岐点を基準端子とし、(a) 〜(c) の
    手順を繰り返すことにより、2端子単回線送電線まで変
    換する。 (e) 2端子単回線送電線の新たに端子とみなされた分岐
    点を基準端子とし、他の端子の電圧を、基準端子の同期
    化された電圧、電流と基準端子から他の端子までの区間
    の電圧降下とを考慮して求める。 (f) 前記(e) の手順により求められた他の端子の電圧
    と、当該他の端子で測定された電圧との位相差を求める
    ことにより、当該他の端子の電圧、電流データの同期を
    とる。
  2. 【請求項2】データサンプリングの同期がとれていな
    い、3端子単回線送電線の各端子で測定された電圧デー
    タ及び電流データを同期化する方法であって、次の(a)
    〜(e)の手順を採用することを特徴とするデータの同期
    化方法。 (a) 3端子単回線送電線のいずれかの端の端子を基準端
    子とし、分岐点の電圧を、基準端子の電圧、電流と基準
    端子から分岐点までの区間の電圧降下とを考慮して求め
    るとともに、当該分岐点の電圧を、当該分岐点につなが
    る他の端子の電圧、電流と当該他の端子から当該分岐点
    までの区間の電圧降下とを考慮して求める。 (b) 前記(a) の手順により求められた当該分岐点の2つ
    の電圧の位相差を求めることにより、前記他の端子の電
    圧、電流データと、基準端子の電圧、電流データとの同
    期をとる。 (c) 前記分岐点の電圧、電流を、前記(b) の手順により
    同期化された電圧、電流データに基づいて算出し、3端
    子単回線送電線を、当該分岐点を一方の端子とし、その
    算出された電圧、電流を端子電圧、端子電流とする2端
    子単回線送電線に変換する。 (d) 前記2端子単回線送電線について、前記新たに端子
    とみなされた分岐点を基準端子とし、他の端子の電圧
    を、基準端子の同期化された電圧、電流と基準端子から
    他の端子までの区間の電圧降下とを考慮して求める。 (e) 前記(d) の手順により求められた他の端子の電圧
    と、当該他の端子で測定された電圧との位相差を求める
    ことにより、当該他の端子の電圧、電流データの同期を
    とる。
  3. 【請求項3】データサンプリングの同期がとれていな
    い、2端子単回線送電線の各端子で測定された電圧デー
    タ及び電流データを同期化する方法であって、次の(a)
    ,(b)の手順を採用することを特徴とするデータの同期
    化方法。 (a) 2端子単回線送電線の一方の端子を基準端子とし、
    他の端子の電圧を、基準端子の電圧、電流と基準端子か
    ら他の端子までの区間の電圧降下とを考慮して求める。 (b) 前記(a) の手順により求められた他の端子の電圧
    と、当該他の端子で測定された電圧との位相差を求める
    ことにより、前記他の端子の電圧、電流データと、基準
    端子の電圧、電流データとの同期をとる。
  4. 【請求項4】データサンプリングの同期がとれていな
    い、n(n≧2とする)端子単回線送電線の各端子で測
    定された電圧データ及び電流データに基づいて、1地点
    で故障が発生した場合の故障点を標定する装置であっ
    て、 各端子に設置された電圧、電流検出手段と、各端子の電
    圧、電流データをサンプリングする手段と、n端子単回
    線送電線の各区間長及び単位長当たりのインピーダンス
    の整定を行う手段と、故障点標定演算を行う演算手段
    と、演算手段から得られる故障点情報を出力する手段と
    を備え、 前記演算手段は、健全時に請求項1記載のデータの同期
    化方法により各端子の電圧、電流データの位相差を求め
    ておき、故障発生時には前記健全時に求められた位相差
    を用いて故障時の各端子間の電圧、電流データの同期を
    とり、この同期化された故障時の電圧、電流データに基
    づき故障区間を決定し、決定された故障区間において故
    障点を標定するものであることを特徴とする故障点標定
    装置。
JP24175293A 1993-09-28 1993-09-28 データの同期化方法及びその方法を用いた故障点標定装置 Pending JPH0798351A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101312353B1 (ko) * 2013-04-30 2013-10-14 한국전력공사 송전선로의 고장위치 산정 방법
CN105676075A (zh) * 2016-03-25 2016-06-15 国家电网公司 一种基于多端数据的配电网行波故障定位方法

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