JPH1019965A - 事故点標定装置 - Google Patents

事故点標定装置

Info

Publication number
JPH1019965A
JPH1019965A JP18702196A JP18702196A JPH1019965A JP H1019965 A JPH1019965 A JP H1019965A JP 18702196 A JP18702196 A JP 18702196A JP 18702196 A JP18702196 A JP 18702196A JP H1019965 A JPH1019965 A JP H1019965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line
data
voltage
difference
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18702196A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Takeda
昭夫 竹多
Itsuo Shudo
逸生 首藤
Mitsuru Yamaura
充 山浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP18702196A priority Critical patent/JPH1019965A/ja
Publication of JPH1019965A publication Critical patent/JPH1019965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Locating Faults (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多端子送電線の各端子の電圧電流データのサ
ンプリング同期が取られていなくても、精度の良い事故
点標定を可能とすることである。 【解決手段】 多端子送電線の各端子のそれぞれの各端
子の電圧電流データをデータ受信部1、2で受信し、S
P差計測部3はデータ受信部1、2で受信した第1回線
の電圧電流データ及び第2回線の電圧電流データに基づ
いてそれらの間のサンプリングタイミング差Фを計測す
る。そして、SP差補正部4ではSP差計測部3で計測
されたサンプリングタイミング差Фに基づいて第1回線
又は第2回線のいずれかを基準として第1回線又は第2
回線の電圧電流データに対し位相補正を行い、標定演算
部5は基準とした電流電圧データ及びSP差補正部で補
正された電圧電流データに基づいて事故点標定の演算を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多端子送電線の各
端子の電圧電流データに基づいて、送電線の事故点標定
を行う事故点標定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線の事故点標定を行うものとして、
送電線の各端子の電圧データ及び電流データを収集し、
その電圧データ及び電流データに基づいて事故点標定を
行うようにしたものがある。このような事故点標定装置
の事故点標定方式として、サージ受信方式やパルスレー
ダ方式があり、近年はインピーダンス測定方式が適用さ
れてきている。サージ受信方式やパルスレーダ方式は高
価な送電線への信号結合装置を要するのに対し、インピ
ーダンス測定方式は電圧変成器や電流変成器により得ら
れる電圧電流をディジタルデータに変換してインピーダ
ンスを求め、事故点までの距離を測定するものである。
このインピーダンス方式としては、1端子の電圧電流で
判定する方式(特公昭58−29471号公報)と、2
端子の電圧電流を使う方式(「送電線の事故点標定器」
法貴、木谷著、昭和32年オーム社)とがある。
【0003】ここで、送電線各端子の電流データのベク
トル和電流が事故電流成分そのものであることを利用し
て、下式に基づいて1端子判定形のインビーダンス測定
方式を実現する方式がある。図6はその原理を示す系統
図である。図6において、VAはA端子の電圧、VBはB
端子の電圧、VFは事故点Fの事故点残留電圧であり、
この場合、下記(1)、(2)式が成立することは周知
の通りである。
【0004】 VA=x・z・IA +VF …(1) VF=IF ・RF …(2) VA :A端子の電圧 IA :A端子の電流 z :送電線単位線路長あたりのインピーダンス値 VF :事故点残り電圧 IF :事故電流 RF :事故点抵抗 x :A端子から事故点までの距離 ここで、RFが実抵抗成分である場合は(3)式が成立
する。
【0005】 Im{VA・IF*}=Im{x・z・IA ・IF* +RF・IF・IF*} =Im{x・z・IA・IF*} …(3) この(3)式において、*印は共役複素数、Im{}は
{}の虚数部を示す。また、(3)式から標定値xは
(4)式で与えられる。
【0006】 x=Im{VA ・IF*}/Im{z・IA ・IF*} …(4) また、対向端子の電圧データ及び電流データも使用でき
れば、(5)式から事故点の残り電圧VFの影響を原理
的に受けずに(6)式により標定値xを求めることがで
きる。
【0007】 VA=x・z・IA +VF VB=(L−x)・z・IB+VF …(5) x={VA−VB+L・z・IB}/z(IA+IB) …(6) VB :B端子の電圧 IB :B端子の電流 L :端子A、B間の線路長 これら(4)式あるいは(6)式で示されるような標定
方式によって事故点標定を行う場合、対向端子の電圧デ
ータ及び電流データが必要となる。
【0008】対向端子の電圧データ及び電流データを得
るために、事故点標定装置のための専用の通信回線を設
けることも一つの手段であるが、対向端子間でサンプリ
ング同期を取る必要があること、さらに非常にコスト高
になってしまうこと等の問題点がある。この解決策とし
ては例えば、データ収集装置として送電線用保護リレー
として設置されている電流差動リレーを活用し、自端子
及び対向端子の電圧データ及び電流データを得る構成が
考えられる。この構成とすると、前記の問題点が解消さ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、多端子送電
線の場合には、他回線からの誘導分を考慮して行うため
他回線の電流データも必要とする。例えば、平行2回線
送電線の場合には、隣回線からの誘導分を考慮すること
が必要である。
【0010】すなわち、(4)式における分母の(z・
IA)部、あるいは(6)式における(z・IB)、z
(IA+IB)部は、以下に示す(7)式のように展開さ
れる。なお、ここではr相事故の場合について示してい
る。
【0011】 (z・I)r=zrr・Ir+zrs・Is+zrt・It +zrr´・Ir´+zrs´・Is´+zrt´・It´ …(7) z´:隣回線相互インピーダンス I´:隣回線電流 r、s、t:相 (7)式からも判る通り、通常、事故点標定の計算は精
度向上のために隣回線からの誘導分を考慮して行うので
隣回線の電流データも必要とする。
【0012】前述の通り、例えば第1回線及び第2回線
の各々の電圧データ及び電流データを、第1回線及び第
2回線各々の電流差動リレーから得る構成とした場合、
通常、電流差動リレーは回線単位の装置構成となってい
るため、第1回線及び第2回線各々の装置間でサンプリ
ング同期は取られていない。このため、そのまま電圧デ
ータ及び電流データを事故点標定の計算に供与すること
ができない。
【0013】本発明の目的は、多端子送電線の各端子の
データ収集装置から得られる電圧電流データのサンプリ
ング同期が取られていなくても、多端子のデータを使用
した事故点標定が行える事故点標定装置を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、多端
子送電線の第1回線の各端子における電圧電流データ及
び多端子送電線の第2回線の各端子における電圧電流デ
ータをデータ収集装置で収集し、データ収集装置でのサ
ンプリングタイミングは第1回線及び第2回線間におい
て非同期であり、その収集した電圧電流データに基づい
て事故点標定を行う事故点標定装置であって、第1回線
及び第2回線のそれぞれの各端子の電圧電流データを得
るデータ受信部と、データ受信部で得た第1回線の電圧
電流データ及び第2回線の電圧電流データに基づいてそ
れらの間のサンプリングタイミング差を計測するSP差
計測部と、SP差計測部で計測されたサンプリングタイ
ミング差に基づいて第1回線又は第2回線のいずれかを
基準として第1回線又は第2回線の電圧電流データに対
し位相補正を行うSP差補正部と、基準とした電流電圧
データ及びSP差補正部で補正された電圧電流データに
基づいて事故点標定の演算を行う標定演算部とを具備し
たものである。
【0015】請求項1の発明では、第1回線及び第2回
線のそれぞれの各端子の電圧電流データをデータ受信部
で受信し、SP差計測部はデータ受信部で受信した第1
回線の電圧電流データ及び第2回線の電圧電流データに
基づいてそれらの間のサンプリングタイミング差を計測
する。そして、SP差補正部ではSP差計測部で計測さ
れたサンプリングタイミング差に基づいて第1回線又は
第2回線のいずれかを基準として第1回線又は第2回線
の電圧電流データに対し位相補正を行い、標定演算部は
基準とした電流電圧データ及びSP差補正部で補正され
た電圧電流データに基づいて事故点標定の演算を行う。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、データ収集装置から直接第1回線及び第2回線のサ
ンプリングタイミング信号又はその信号に同期した信号
を受信するSP信号受信部を設け、SP差計測部は、S
P信号受信部で受信した第1回線及び第2回線のサンプ
リングタイミングを示す信号に基づいてサンプリングタ
イミング差の計測を行うようにしたものである。
【0017】請求項2の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、SP信号受信部は、データ収集装置から直接
第1回線及び第2回線のサンプリングタイミング信号又
はその信号に同期した信号を受信する。そして、SP差
計測部は、SP信号受信部で受信した第1回線及び第2
回線のサンプリングタイミングを示す信号に基づいてサ
ンプリングタイミング差の計測を行う。
【0018】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、データ収集装置は自装置のサンプリングタイミング
信号を基準とした固定タイミングで電圧電流データを収
集しデータ伝送を行うものであり、データ受信部で受信
したデータ収集装置からの電圧電流データの受信タイミ
ングを計測する受信タイミング計測部を設け、SP差計
測部は、受信タイミング計測部で計測したデータ収集装
置からのデータ受信タイミング信号に基づいてサンプリ
ングタイミング差の計測を行うようにしたものである。
【0019】請求項3の発明では、請求項1の発明の作
用に加え、データ収集装置は自装置のサンプリングタイ
ミング信号を基準とした固定タイミングで電圧電流デー
タを収集してデータ伝送を行う。そして、SP差計測部
は、受信タイミング計測部で計測したデータ収集装置か
らのデータ受信タイミング信号に基づいてサンプリング
タイミング差の計測を行う。
【0020】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の発明において、SP差補正部は、データ収集装置から
の第1回線の電圧データとデータ収集装置からの第2回
線の電圧データとの位相差を求め、この位相差に基づい
てサンプリングタイミング差の計測を行うようにしたも
のである。
【0021】請求項4の発明では、請求項1乃至請求項
3の発明の作用に加え、SP差補正部は、データ収集装
置からの第1回線の電圧データとデータ収集装置からの
第2回線の電圧データとの位相差に基づいてサンプリン
グタイミング差の計測を行う。
【0022】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の発明において、SP差補正部は、事故回線側の電圧電
流データを同期の基準として健全回線側の電圧電流デー
タに対してサンプリングタイミング差の補正を行うよう
にしたものである。
【0023】請求項5の発明では、請求項1乃至請求項
4の発明の作用に加え、SP差補正部は、事故回線側の
電圧電流データを同期の基準として、健全回線側の電圧
電流データに対してサンプリングタイミング差の補正を
行う。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック
構成図であり、図2は本発明に係わる事故点標定装置を
多端子送電線に適用したシステム構成図である。図2で
は、2端子送電線である平行2回線送電線の場合を示し
ているが、3端子以上の多端子送電線でも同様である。
平行2回線送電線は、第1回線1L及び第2回線2Lは
標定の対象となる多端子送電線である。
【0025】図2において、A端子側には、第1回線1
1Lの電流を検出する変流器11A及び第2回線2Lの
電流を検出する変流器12Aが設けられ、また、第1回
線1Lの電圧を検出する変成器21A及び第2回線2L
の電圧を検出する変成器22Aが設けられている。変流
器11Aおよび変成器21Aで検出された第1回線の電
流及び電圧は、1Lデータ収集装置101Aで収集され
る。同様に、変流器12Aおよび変成器22Aで検出さ
れた第2回線の電流及び電圧は2Lデータ収集装置10
2Aで収集される。
【0026】一方、B端子側についても同様に、第1回
線11Lの電流を検出する変流器11B及び第2回線2
Lの電流を検出する変流器12Bが設けられ、また、第
1回線1Lの電圧を検出する変成器21B及び第2回線
2Lの電圧を検出する変成器22Bが設けられている。
変流器11Bおよび変成器21Bで検出された第1回線
の電流及び電圧は、1Lデータ収集装置101Bで収集
される。同様に、変流器12Bおよび変成器22Bで検
出された第2回線の電流及び電圧は2Lデータ収集装置
102Bで収集される。
【0027】第1回線1L側に設置されているA端子及
びB端子の各々の1Lデータ収集装置101A、101
Bは、伝送インターフェイス111A、111Bを介し
てマイクロ波回線等の伝送系により接続されており、デ
ータ収集装置101Aでは対向端子であるB端子の電圧
データ及び電流データも取得できる構成となっている。
第2回線2L側についても同様に、第2回線2L側に設
置されているA端子及びB端子の各々の2Lデータ収集
装置102A、102Bは、伝送インターフェイス11
2A、112Bを介してマイクロ波回線等の伝送系によ
り接続されており、データ収集装置102Aでは対向端
子であるB端子の電圧データ及び電流データも取得でき
る構成となっている。
【0028】本発明に係わる事故点標定装置30は、こ
れらデータ収集装置101A、102Aに接続され、こ
れからA端子の第1回線1L及び第2回線2Lのそれぞ
れの電圧データ及び電流データ、B端子の第1回線1L
及び第2回線2Lのそれぞれの電圧データ及び電流デー
タを得て標定演算を行う。この場合、データ収集装置1
01、102としては、伝送系を介して対向端子と接続
されている保護継電装置あるいはオシロ装置等を用い
る。
【0029】次に、図1は本発明の第1の実施の形態を
示すブロック構成図である。図1において、事故点標定
装置30は以下のように構成される。第1回線1LのA
端子及びB端子の電圧データ及び電流データは1Lデー
タ受信部1で受信され、同様に、第2回線2LのA端子
及びB端子の電圧データ及び電流データは2Lデータ受
信部2で受信される。これら受信された電圧データ及び
電流データ(以下電圧電流データという)はSP差計測
部3に入力される。SP差計測部では、1Lデータ受信
部1及び2Lデータ受信部2で受信した第1回線1Lの
電圧電流データ及び第2回線2Lの電圧電流データに基
づいて、それらの間のサンプリングタイミング差(以下
SP差という)Фを計測する。
【0030】そして、SP差補正部4ではSP差計測部
3で計測されたSP差Фに基づいて第1回線1L又は第
2回線2Lのいずれかを基準として、第1回線1L又は
第2回線2Lの電圧電流データに対し位相補正を行う。
図1では第1回線1Lの電圧電流データを同期基準とし
たものを示している。つまり、第2回線2Lの電圧電流
データのサンプリングタイミング(以下SPという)を
第1の回線1LのSPに位相補正する場合を示してい
る。第1回線の電圧電流データ及び位相補正した第2回
線の電圧電流データは標定演算部5に入力され、標定演
算部にてそれらの電圧電流データに基づいて事故点標定
の演算を行う。
【0031】すなわち、1Lデータ受信部1は1Lデー
タ収集装置101から第1回線1Lの全端子の電圧電流
データを受信する。同様に2Lデータ受信部2は2Lデ
ータ収集装置102から第2回線2Lの全端子の電圧電
流データを受信する。SP差計測部3は1Lデータ受信
部1および2Lデータ受信部2で受信した第1回線1L
及び第2回線2Lの各々の電圧電流データを基に第1回
線1L及び第2回線2L間のSP差Фを計測する。
【0032】この後、SP差補正部4では、SP差計測
部3で計測されたSP差Фを第1回線1L又は第2回線
2Lのいずれかの電圧電流データを基準として補正を行
う。例えば、第1回線1L側の電圧電流データを基準と
して、第2回線2L側の電圧電流データに対してSP差
補正を行う場合を考えると、(8)、(9)式にて補正
を行うことができる。
【0033】 V2m=V2ncosφ−(√3V2n−2V2n-1)sinφ …(8) i2m=i2ncosφ−(√3i2n−2i2n-1)sinφ …(9) V2m、i2m:2Lの電圧、電流データのサンプル値 m:1L側と等価なサンプリング時系列 n:データ収集装置から受信した時点の2Lデータのサ
ンプリング時系列 標定演算部5では、1Lデータ受信部1で受信した電圧
電流データ(V1m、i1m)と、SP差補正部4で
(8)、(9)式によりSP差補正が行われた後の電圧
電流データ(V2m、i2m)を用いて、(6)式等の計算
式を使って事故点までの距離標定を行う。
【0034】このように、第1の実施形態では、平行2
回線送電線の各端子の電圧電流データをそれぞれのデー
タ収集装置101、102で収集する。そして、事故点
標定装置30は、その収集した第1回線1Lの各端子の
電圧電流データを1Lデータ受信部1で受信し、同じく
第2回線2Lの各端子の電圧電流データを2Lデータ受
信部2で受信し、これらデータ受信部1、2で得た第1
回線1L及び第2回線2Lの各々の電圧電流データ間の
SP差ФをSP差計測部3で計測する。その後に、SP
補正部4では、SP差計測部3で計測された第1回線1
L及び第2回線2L間のSP差Фを第1回線1L又は第
2回線2Lのいずれかを基準としてそれぞれのデータ受
信部1、2で得た電圧電流データに対し位相補正を行
う。そして、標定演算部5では、基準とした電圧電流デ
ータ及びSP差補正部4で得られた第1回線1L及び第
2回線2L間のSP差Фが補正された各端子の電圧電流
データを基に事故点標定の演算を行う。
【0035】したがって、第1回線1Lの電圧電流デー
タと第2回線2Lの電圧電流データとが非同期でダンプ
リングされたものであったとしても、適正に事故点標定
の演算を行うことができる。
【0036】次に、本発明の第2の実施の形態を図3に
示す。この第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施
の形態に対し、1Lデータ収集装置111及び2Lデー
タ収集装置112から、それぞれ直接第1回線及び第2
回線のサンプリングタイミング信号又はその信号に同期
した信号を受信する1LSP信号受信部61及び2LS
P信号受信部62を設け、SP差計測部3は、これら1
LSP信号受信部61及び2L信号受信部62で受信し
た第1回線及び第2回線のサンプリングタイミングを示
す信号に基づいて、SP差Фの計測を行うようにしたも
のである。
【0037】図3において、SP差計測部3ではこれら
1LSP信号受信部61及び2LSP信号受信部62で
受信された第1回線1L及び第2回線2Lの各々のSP
信号から直接SP差Фを計測する。SP差補正部4で
は、このようにして計測されたSP差Фを用いて第1の
実施の形態と同様に位相補正を行う。その演算内容は、
第1の実施の形態と同一であるので、その説明は省略す
る。
【0038】次に、本発明の第3の実施の形態を図4に
示す。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実
施の形態に対し、1Lデータ収集装置111から電圧電
流データを受信する際の受信タイミングを計測する1L
データ受信タイミング計測部71と、同じく2Lデータ
収集装置112から電圧電流データを受信する際の受信
タイミングを計測する2Lデータ受信タイミングを計測
する2Lデータ受信タイミング計測部72とを追加して
設けたものである。
【0039】1Lデータ収集装置111及び2Lデータ
収集装置112は、それぞれ自装置のSP信号に対し、
所定の決められたタイミングで事故点標定装置30にデ
ータを送信する構成となっている。この場合、1Lデー
タ収集装置111と事故点標定装置30との間のデータ
伝送における伝送遅延時間、及び2Lデータ収集装置と
事故点標定装置30との間のデータ伝送における伝送遅
延時間とに差が無ければ、事故点標定装置30が1Lデ
ータ収集装置111及び2Lデータ収集装置112から
それぞれ電圧電流データを受信したタイミング差が1L
データ収集装置111と2Lデータ収集装置112との
間のSP差Фになっている。
【0040】このことを利用して、SP差計測部3では
これら1Lデータ受信タイミング計測部71で計測され
た第1回線1Lからの電圧電流データと、2Lデータ受
信タイミング計測部72とで計測された第2回線2L電
圧電流データとのデータ受信タイミング差を計測する。
これにより、1Lデータ収集装置111と2Lデータ収
集装置112との間のSP差Фを求める。SP差補正部
4では、このようにして計測されたSP差Фを用いて第
1の実施の形態と同様に位相補正を行う。その演算内容
は、第1の実施の形態と同一であるので、その説明は省
略する。
【0041】次に、図5は1Lデータ収集装置111及
び2Lデータ収集装置112との間のSP差Фを計測す
る原理についての説明図である。例えば、データ収集装
置111、112として電流差動リレーを考えた場合、
通常、ディジタルリレーは電気角で30度ごとにアナロ
グ入力データのサンプリングを行っており、かつ回線ご
とに個別の装置構成となっているので、1Lデータ収集
装置111と2Lデータ収集装置112との間でのサン
プリングタイミングは非同期になっている。
【0042】図5(A)、図5(B)は、1Lデータ収
集装置111及び2Lデータ収集装置112である各々
の電流差動リレーが同一端子の電圧量をサンプリングし
た状態を示している。この場合、サンプリングタイミン
グが1L電流差動リレーと2L電流差動リレーとの間で
非同期となっていることから、各々異なったタイミング
でデータがサンプリングされている。図5(A)、図5
(B)では1L電流差動リレー、2L電流差動リレーと
の間のサンプリングタイミング差がφの状態を表してい
る。
【0043】この状態で事故点標定装置にデータが伝送
されると、同一端子の電圧データ同士であれば1L、2
Lの各電流差動リレーから伝送されたこれらの電圧デー
タは全く同一の波形を表しているものであるが、1L、
2Lの電流差動リレー間でサンプリングタイミングが異
なるために、事故点標定装置30ではこのサンプリング
タイミング差Фの分だけ位相がズレた状態で見える。
【0044】この状態を図5(C)に示している。事故
点標定装置30のSP差計測部3では、1L、2Lの同
一端子の電圧同士間の見かけ上の位相差Фを計測するこ
とによって、SP差を計測することになる。
【0045】以上のように、データ収集装置111、1
12からの電圧電流データを流用した事故点標定装置3
0を構成する場合、多端子送電線の各データ収集装置1
11、112のサンプリングタイミングが非同期であっ
てもサンプリングタイミング差Фを計測し、その差Фを
(8)式によって補正することで、(7)式に示すよう
な隣回線の補償も正確に行うことができる。すなわち、
高精度な事故点標定装置30が提供できる。この場合、
事故点標定の演算は(4)式、(6)式等で行うことに
なる。
【0046】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。上述の説明では、SP差補正部4は事故回線
側の電圧電流データを同期の基準として、第1回線1L
又は第2回線2Lいずれかの電圧電流データを基準とし
て他方を補正する形で行う用にしているが、この第4の
実施の形態では、SP差補正部4は事故回線側の電圧電
流データを同期の基準として、健全回線側のデータに対
してSP差補正を行うようにしたものである。
【0047】例えば、(4)式あるいは(6)式で事故
点標定計算を行う場合、事故時の電流による送電線イン
ピーダンスによる電圧降下分は(7)式のように計算さ
れる。一方、SP差補正は第1回線1L又は第2回線2
Lいずれかの電圧電流データを基準として他方を補正す
る形で行うが、補正した側のデータはSP差Фの計測誤
差等で若干の誤差を含有したデータとなる。
【0048】ここで、SP差補正を行った後のデータ
で、(7)式の電圧降下分計算を行った場合、一般的に
各相毎に比較した場合、電流値は健全回線側に比べ事故
回線側の方が大きくなっている。このため、算出結果は
健全回線(隣回線)側の影響よりも事故回線側の影響が
大きく現れることになる。つまり、SP差補正を行う際
は事故回線側のデータを基準として行った方が、(7)
式で算出される電圧降下分がより精度よく求めることが
でき、ひいては標定精度を向上することができることに
なる。そこで、SP差補正部4は事故回線側の電圧電流
データを同期の基準として、健全回線側のデータに対し
てSP差補正を行う。これにより、標定演算の精度が向
上する。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多端子送電線の各々のデータ収集装置から得たサンプリ
ング同期の取れていないデータ間のサンプリング位相差
補正を行ってから、標定計算に使用するので、全端子の
データを収集するための事故点標定装置専用の通信回線
を必要とせず、事故点抵抗の影響を原理的に受けない高
精度な標定が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成
図。
【図2】本発明の事故点標定装置を多端子送電線に適用
したシステム構成図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成
図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示すブロック構成
図。
【図5】本発明のSP差計測部でのサンプリングタイミ
ング差を計測する原理についての説明図。
【図6】送電線における事故点標定の説明図。
【符号の説明】
1 1Lデータ受信部 2 2Lデータ受信部 3 SP差計測部 4 SP差補正部 5 標定演算部 61、62 SP信号受信部 71、72 受信タイミング計測部 11、12 変流器 21、22 変成器 1L 第1回線 2L 第2回線 101 1Lデータ収集装置 102 2Lデータ収集装置 111、112 伝送インターフェース

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多端子送電線の第1回線の各端子におけ
    る電圧電流データ及び前記多端子送電線の第2回線の各
    端子における電圧電流データをデータ収集装置で収集
    し、前記データ収集装置でのサンプリングタイミングは
    第1回線及び第2回線間において非同期であり、その収
    集した電圧電流データに基づいて事故点標定を行う事故
    点標定装置において、前記第1回線及び前記第2回線の
    それぞれの各端子の電圧電流データを得るデータ受信部
    と、前記データ受信部で得た前記第1回線の電圧電流デ
    ータ及び前記第2回線の電圧電流データに基づいてそれ
    らの間のサンプリングタイミング差を計測するSP差計
    測部と、前記SP差計測部で計測されたサンプリングタ
    イミング差に基づいて前記第1回線又は第2回線のいず
    れかを基準として前記第1回線又は前記第2回線の電圧
    電流データに対し位相補正を行うSP差補正部と、前記
    基準とした電流電圧データ及び前記SP差補正部で補正
    された電圧電流データに基づいて事故点標定の演算を行
    う標定演算部とを具備することを特徴とする事故点標定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記データ収集装置から直接前記第1回
    線及び前記第2回線のサンプリングタイミング信号又は
    その信号に同期した信号を受信するSP信号受信部を設
    け、前記SP差計測部は、前記SP信号受信部で受信し
    た前記第1回線及び前記第2回線のサンプリングタイミ
    ングを示す信号に基づいてサンプリングタイミング差の
    計測を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の事故点標定装置。
  3. 【請求項3】 前記データ収集装置は自装置のサンプリ
    ングタイミング信号を基準とした固定タイミングで電圧
    電流データを収集しデータ伝送を行うものであり、前記
    データ受信部で受信した前記データ収集装置からの電圧
    電流データの受信タイミングを計測する受信タイミング
    計測部を設け、前記SP差計測部は、前記受信タイミン
    グ計測部で計測した前記データ収集装置からのデータ受
    信タイミング信号に基づいて前記サンプリングタイミン
    グ差の計測を行うようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載の事故点標定装置。
  4. 【請求項4】 前記SP差補正部は、前記データ収集装
    置からの第1回線の電圧データと前記データ収集装置か
    らの第2回線の電圧データとの位相差を求め、この位相
    差に基づいて前記サンプリングタイミング差の計測を行
    うようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に
    記載の事故点標定装置。
  5. 【請求項5】 前記SP差補正部は、事故回線側の電圧
    電流データを同期の基準として健全回線側の電圧電流デ
    ータに対してサンプリングタイミング差の補正を行うよ
    うにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載
    の事故点標定装置。
JP18702196A 1996-06-28 1996-06-28 事故点標定装置 Pending JPH1019965A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18702196A JPH1019965A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 事故点標定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18702196A JPH1019965A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 事故点標定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1019965A true JPH1019965A (ja) 1998-01-23

Family

ID=16198815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18702196A Pending JPH1019965A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 事故点標定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1019965A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349622B1 (ko) * 1999-10-29 2002-08-22 한국수력원자력 주식회사 영상전류 위상비교방식을 이용한 배전계통 고장구간 판단장치 및 방법
KR100676600B1 (ko) 2005-10-17 2007-01-30 이호기술단(주) 역방향 고장전류에 의한 오동작 방지형 지중배전선로고장구간표시방법
JP2020118602A (ja) * 2019-01-25 2020-08-06 株式会社近計システム 故障点標定装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349622B1 (ko) * 1999-10-29 2002-08-22 한국수력원자력 주식회사 영상전류 위상비교방식을 이용한 배전계통 고장구간 판단장치 및 방법
KR100676600B1 (ko) 2005-10-17 2007-01-30 이호기술단(주) 역방향 고장전류에 의한 오동작 방지형 지중배전선로고장구간표시방법
JP2020118602A (ja) * 2019-01-25 2020-08-06 株式会社近計システム 故障点標定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2482797C (en) Protective relay with synchronized phasor measurement capability for use in electric power systems
EP0599648B1 (en) Three-phase power analyzer
US9829519B2 (en) Method and apparatus to commission voltage sensors and branch circuit current sensors for branch circuit monitoring systems
CN102484365A (zh) 故障相选择和故障类型确定的方法
Radojević et al. New approach for fault location on transmission lines not requiring line parameters
US6097280A (en) Fault locator that uses positive-phase-sequence electricity
CN105842530B (zh) 电量测量设备和电量测量方法
EP0826972B1 (en) Harmonic measurement system
WO2019166903A1 (en) Method and device for fault location in a two-terminal transmission system
US6924647B2 (en) Fault location method and device
JPH1019965A (ja) 事故点標定装置
RU2508555C1 (ru) Способ определения места обрыва одной фазы воздушной линии электропередачи
JP4316103B2 (ja) 故障点標定装置
JPH0345344B2 (ja)
JPH10132890A (ja) 故障点標定方法および装置
JPS6252540B2 (ja)
JPS58174863A (ja) 故障点標定方式
JP2715090B2 (ja) 故障点標定装置
JP3183957B2 (ja) 故障点標定装置
JPH0798351A (ja) データの同期化方法及びその方法を用いた故障点標定装置
JP2597556B2 (ja) 電力系統の情報データ出力装置
JPH03245069A (ja) 故障点標定装置
JP3503274B2 (ja) 並行2回線送配電線の故障点標定方法
JPH06281690A (ja) 異地点情報の同期計測方法
JPH0221399A (ja) 異地点計測情報の同期方式

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040106

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20040116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

A02 Decision of refusal

Effective date: 20040511

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02