JPH079143U - 椅 子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価でかつ執務・休息姿勢を自然にとること
ができる椅子を提供する。 【構成】 床面に接触する放射状に設けた複数のキャス
タ２ａと、キャスタ２ａの支持体２ｂとからなる脚２の
上部に基台３を嵌着し、基台３に対して傾動可能な受台
４の上部に座部５および背もたれ６を設けた椅子におい
て、基台３に設けたピン７の周りに回動可能なカム形状
のリンク８を取着し、その上部を受台４側に突出させる
とともに、リンク８の回動により圧縮される弾性体９を
基台３底部に設け、受台４には受台４の傾動によりリン
ク８と接触してリンク８を起伏させる軸部１０を設けた
ことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は事務用の椅子に係り、人が座った際に執務・休息の両姿勢が自然に取 れるようにするための椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から使用されている事務用の椅子は、シートの下部に付勢手段であるガス スプリングとコイルバネとを設け、大きな背もたれの傾斜はガススプリングによ り、また小さな最終の傾斜の調整はコイルバネにより行うようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらリグライニング機構として、ガススプリングが使用されているた めにどうしても製造コストが高くなり、したがってその他の部品を安くすること ができても椅子全体としては安価に提供することが困難であった。

【０００４】 また、従来は背反力をコイルスプリング等の１種類のバネ特性を利用している ために、自然なリグライニング状態を実現することが難かしかった。すなわち、 人が座るだけで座部や背もたれが後傾してしまい、執務姿勢が取りにくなるとい う欠点を生じ、さりとてコイルスプリングの反力を強くすれば後傾はしなくなる が、その状態では逆にリグライニングが困難になるために休息ができないという 欠点があった。

【０００５】 本考案はこれに鑑み、安価で、かつ執務・休息姿勢が自然にとれるような機構 を有する椅子を提供して従来技術の持つ欠点の解消を図ることを目的としてなさ れたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案の請求項１は、床面に接触する複数のキャスタ と、該キャスタの支持体とからなる脚の上部に基台を嵌着し、該基台に対して傾 動可能な受台の上部に座部および背もたれを設けた椅子において、前記基台に設 けたピンの周りに回動可能なカム形状のリンクを取着し、その上部を前記受台側 に突出させるとともに、該リンクの回動により圧縮される弾性体を基台底部に設 け、前記受台には受台の傾動により該リンクと接触してリンクを起伏させる軸部 を設けたことを特徴とし、請求項２は請求項１において前記基台に前記リンクを 起立状態に保持するストッパレバーを設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、請求項１では受台の傾動により軸部が接触している基台の リンクを押圧して前伏状態とすることにより弾性体が圧縮されてクッション状態 を維持することができ、請求項２ではストッパレバーの操作により前記リンクを 起立状態に維持するから椅子の座部および背もたれの傾動はロックされる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説明する。 図１は本考案にかかる椅子の一実施例の外観側面図、図２は図１のフレーム部 分の側面図、図３は図２の傾動した状態の側面図、図４は図２の平面図、図５は 本考案の椅子の要部の一実施例を示す側面図、図６は図５の傾動状態の側面図、 図７は図５のストッパレバーによるロック状態を示す側面図、図８は図７のスト ッパレバーの外観図である。

【０００９】 本考案の請求項１にかかる椅子１は、床面に接触する放射状に設けた複数のキ ャスタ２ａと、該キャスタ２ａの支持体２ｂとからなる脚２の上部に基台３が嵌 着され、該基台３に対して傾動可能な受台４の上部に座部５、および背もたれ６ を設けた椅子であって、前記基台３に設けたピン７の周りに回動可能なカム形状 のリンク８を取着して、その上部を前記受台４側に突出させるとともに、該リン ク８の回動により圧縮される弾性体９を基台３の底部に設け、前記受台４には受 台４の傾動により該リンク８と接触してリンク８を起伏させる軸部１０を設けた 構成であり、請求項２は請求項１において前記基台３に前記リンク８を起立状態 に保持するストッパレバー１１を設けたものである。

【００１０】 図１に示すように本考案にかかる椅子１は、従来と同様に実線位置から点線位 置に座部５および背もたれ６が後側に傾動できるようになっている。そのフレー ム構造は図２および図３に示すように基台３に対してその上部の受台４が前部の ピン１２を支点として回動し、また、背フレーム１３は受台４に設けた軸部１０ を支点として回動して、基台３と背フレーム１３とは長孔に挿通するピン１４に より結合されている。

【００１１】 図４は図２の平面図、図５はその側面図を示しており、受台４の内側に基台３ があり、基台３の後部には背フレーム１３が設けられている。基台３の内側には コイルスプリング１５、本考案の要部であるリンク８，ウレタンゴム等の弾性体 ９、およびクッション受け１６が設けられ、受台４の壁面間には軸部１０上のカ ラー１０ａが跨って設けられている。また、３ａは脚２を取付けるための孔であ る。図面の下部（左前側）にはストッパレバー１１が設けられている。さらに図 面の上部（右前側）には椅子１の上下昇降用のレバー１７があって先端には座部 昇降用のガススプリング用のレバーキャップ１８が設けられている。

【００１２】 前記リンク８は側面がカム形状とされていて常時カラー１０ａに接触状態に置 かれており、前側の中央と両端にそれぞれ突起８ａを有し、下部にはピン７が内 嵌されて、上部がピン７の周りに回動できるようになっている。これにより前傾 したときは前記突起８ａがまずウレタンゴム等で形成された弾性体９に接触して これを圧縮するようになっている。

【００１３】 本考案の請求項２にかかるストッパレバー１１は、図８にその外観を示すよう に、両端１１ａ，１１ｂが中間部１１ｃに対して互いに反対方向に屈曲した形状 をしており、基台３の底部に設けられたストッパレバーステイ１９に中間部１１ ｃを支えられて上下に回動できるようになっており、外側となる端部１１ａには 握り２０が設けられている。また、前記クッション受け１６には上部にＶ字形の 溝１６ａが設けられ、ストツパレバー１１の内側の端部１１ｂが回動して、この 溝１６ａに入ったときは、前記リンク８に接触して前傾を妨げるようになってい る。図中、４ａはストッパレバー１１の上方への移動を妨げないための切欠き、 ２１はスライドガイドであり、また、２２はだるま孔でレバー１１に設けた爪２ ３を上下何れかに挿入させることにより該レバー１１をその位置に固定するため のものである。

【００１４】 つぎに作用を説明する。 図５の状態において人が座部５に座ったとき、受台４は基台３に対して後傾す る。これにより常時リンク８と接触しているカラー１０ａはリンク８の外周を滑 りながらこれを押し下げ、リンク８は前傾して弾性体９を圧縮して図６の状態と なる。したがって椅子１はコイルスプリング１５だけでなく弾性体９からも反力 を得て、より自然なリグライニング姿勢をとることができる。

【００１５】 つぎに図６の休息姿勢を執務姿勢に変更する場合には、背部を最前傾位置（図 ５の状態）に戻し、ストッパレバー１１の握り２０を持って端部１１ａを矢印の ように上方に操作すると他側の端部１１ｂはクッション受け１６の溝１６ａに入 り、このため人が座部５に座ることによりリンク８を前傾しようとしても、スト ッパレバー１１が回動を阻止する。椅子１の座部５および背もたれ６の後傾はロ ックされる。そしてストッパレバー１１はだるま孔２２の上側で固定される。ま た、ロックを解除する場合はストッパレバー１１を下げ方向に操作すればよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、請求項１では床面に接触する放射状に設 けた複数のキャスタと、該キャスタの支持体とからなる脚の上部に基台を嵌着し 、該基台に対して傾動可能な受台の上部に座部および背もたれを設けた椅子にお いて、前記基台に設けたピンの周りに回動可能なカム形状のリンクを取着して、 その上部を前記受台側に突出させるとともに、該リンクの回動により圧縮される 弾性体を基台底部に設け、前記受台には受台の傾動により該リンクと接触してリ ンクを起伏させる軸部を設けたことにより、リンクの形状を適当に選択して加工 し、ウレタンゴム等の弾性体を圧縮することで椅子の背反力を任意に設定するこ とができる。したがって人の体重を自然に最後まで支えることができる。また請 求項２によれば、リンクの動きを簡単な機構により止めることができるので、執 務時の姿勢を保つことができ、執務姿勢にロックすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる椅子の一実施例の外観側面図。

【図２】図１のフレーム部分の側面図。

【図３】図２の傾動した状態の側面図。

【図４】図２の平面図。

【図５】本考案の椅子の要部の一実施例を示す側面図。

【図６】図５の傾動状態の側面図。

【図７】図５のストッパレバーによるロック状態を示す
側面図。

【図８】図７のストッパレバーの外観図。

【符号の説明】

１ 椅子 ２ 脚 ２ａ キャスタ ２ｂ 支持体 ３ 基台 ４ 受台 ５ 座部 ６ 背もたれ ７ ピン ８ リンク ９ 弾性体 １０ 軸部 １０ａ カラー １１ ストッパレバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡 本 安都夫 神奈川県鎌倉市上町屋809番地 株式会社 内田洋行技術研究所内 (72)考案者 根 岸 茂 雄 愛知県安城市福釜町河原18番地 メーコー 工業株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床面に接触する複数のキャスタと、該キャ
   スタの支持体とからなる脚の上部に基台を嵌着し、該基
   台に対して傾動可能な受台の上部に座部および背もたれ
   を設けた椅子において、前記基台に設けたピンの周りに
   回動可能なカム形状のリンクを取着し、その上部を前記
   受台側に突出させるとともに、該リンクの回動により圧
   縮される弾性体を基台底部に設け、前記受台には受台の
   傾動により該リンクと接触してリンクを起伏させる軸部
   を設けたことを特徴とする椅子。
2. 【請求項２】前記基台には前記リンクを起立状態に保持
   するストッパレバーを設けたことを特徴とする請求項１
   記載の椅子。