JPH0791107A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JPH0791107A
JPH0791107A JP23394893A JP23394893A JPH0791107A JP H0791107 A JPH0791107 A JP H0791107A JP 23394893 A JP23394893 A JP 23394893A JP 23394893 A JP23394893 A JP 23394893A JP H0791107 A JPH0791107 A JP H0791107A
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JP
Japan
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gain
vibration
building
additional mass
feedback
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JP23394893A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Suzuki
哲夫 鈴木
Mitsuru Kageyama
満 蔭山
Tatsuya Ganmi
龍也 願海
Yoshiko Matsuoka
佳子 松岡
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Obayashi Corp
Tokico Ltd
Original Assignee
Obayashi Corp
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は付加質量を変位させて構造物の振動
を制振するよう構成した制振装置を提供することを目的
とする。 【構成】 制振装置1は、ビル2の振動を検出するセン
サ15a〜15dと、地震波を検出する地震計22と、
センサ15a〜15dからの信号に基づいて動吸振器3
への駆動信号を生成し、駆動信号によりモータ8を駆動
して付加質量6を移動させ、ビル2の振動を制振する制
御回路4とよりなる。制御回路4は、複数のフィードバ
ックゲインを記憶するメモリ30と、センサ15a〜1
5dからの出力に基づいて、フィードバックゲインを変
更するか否かを判断するゲイン判定プログラムと、フィ
ードバックゲインの変更が必要と判断されたとき、メモ
リ30よりフィードバックゲインを読み取り、フィード
バックゲインを切り換えるフィードバックゲイン切換プ
ログラムと、を備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振装置に係り、特に付
加質量を変位させて構造物の振動を制振する構成とした
制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビル等の構造物においては地震あ
るいは風圧等による振動を制振するための制振装置が設
けられている。この種の制振装置では、主にビルの質量
に応じた所定の重量を有する付加質量を、ビルの振動状
態に応じて変位させる動吸振器を動作させてビルで発生
した振動を制振するようになっている。
【0003】従来の制振装置としては、例えば付加質量
をリニアベアリング等により摺動自在に支持するととも
に、付加質量に螺合するボールネジ等の伝達機構をモー
タ等により駆動し、付加質量が水平方向に往復動される
よう構成された動吸振器を有する装置が考えられてい
る。
【0004】そして、動吸振器はビルの変位及び速度に
応じた制御量を演算する制御装置からの駆動信号により
モータを駆動制御され、付加質量を移動させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来は地震
発生後、ビルが振動してから、ビルの変位及び速度に応
じて付加質量を移動させており、しかも、従来はビルの
変位及び速度に応じた制御量を演算するための制振制御
系のフィードバックゲイン(以下、単にゲインと称す
る)が一定であるので、例えばビルに風圧が作用するゆ
っくりとした揺れのときも、地震発生時の急激な振動の
ときも同一のゲインで動吸振器が制御されることにな
る。そのため、例えば風圧による比較的小さな振動のと
きは、付加質量が移動しないため充分な制振効果が得ら
れず、又地震発生時のような大きな振動が急激に入力さ
れたときは、付加質量が大きな駆動力により急激に移動
するため、付加質量がストローク端のリミットスイッチ
に当接してオンに切換えてしまい、動吸振器は電源オフ
状態となり、制振不可能となってしまう。又、地震発生
時、付加質量がリミットスイッチをオンとした後、スト
ッパに衝突して、ビルに付加質量の衝突による衝撃が伝
わり不快感を与えてしまうといった問題がある。
【0006】そこで、本発明は上記課題を解決した制振
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記請求項1の発明は、
構造物の振動を検出するセンサ及び地表の振動を検出す
るセンサからの検出信号及び設定されたフィードバック
ゲインに基づいて駆動信号を生成し、該駆動信号により
アクチュエータを駆動して付加質量を移動させ、該構造
物の振動を制振する制振装置において、複数のフィード
バックゲインを記憶する記憶手段と、前記センサの出力
に基づいて、該フィードバックゲインを変更するか否か
を判断する判断手段と、該判断手段によりフィードバッ
クゲインの変更が必要と判断されたとき、前記記憶手段
よりフィードバックゲインを読み込み、該フィードバッ
クゲインを切り換え設定するフィードバックゲイン切換
手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0008】又、請求項2の発明は、前記フィードバッ
クゲイン切換手段が、地表の振動または構造物の振動に
応じたフィードバックゲインに切り換えることを特徴と
する。
【0009】又、請求項3の発明は、前記フィードバッ
クゲイン切換手段が、地表の振動に応じた最適ゲイン
と、前記構造物の最上階の振動に応じた最適ゲインのう
ち前記付加質量の変位が小さくなる方のゲインに切り換
えることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記請求項1によれば、判断手段がフィードバ
ックゲインの変更が必要と判断したとき、記憶手段に記
憶された複数のフィードバックゲインのなかから別のフ
ィードバックゲインを読み取り、このフィードバックゲ
インを設定することにより、外乱の大きさに応じて制御
可能なフィードバックゲインに変更して付加質量をスト
ッパに衝突させずに制振動作を行える。
【0011】又、請求項2によれば、地表の振動または
構造物の振動に応じたフィードバックゲインに切り換え
ることにより、より最適値に近いフィードバックゲイン
を設定し、且つ付加質量をストッパに衝突させずに制振
動作を行える。
【0012】又、請求項3によれば、地表の振動に応じ
た最適ゲインと、構造物の最上階の振動に応じた最適ゲ
インのうち付加質量の変位が小さくなる方のゲインを設
定することにより、より最適値に近いフィードバックゲ
インを設定し、且つ付加質量をストッパに衝突させずに
制振動作を行える。
【0013】
【実施例】図1乃至図4に本発明になる制振装置の一実
施例を示す。
【0014】各図中、制振装置1は、大略、構造物とし
てのビル2の屋上に設置された動吸振器3が制御回路4
からの制御信号により制振動作してビル2の水平方向の
振動を制振する。
【0015】動吸振器3は図2,図3に示す如くビル2
の屋上に設置された基台5上に付加質量6がX方向に摺
動する構成であり、付加質量6はビル2の総質量に対し
約0.5%程度の質量を有し、例えば5〜10t程度の
重量を有する。そのため、付加質量6は基台5上のリニ
アベアリング7により摺動自在を支持されている。
【0016】又、基台5上にはアクチュエータとしての
ACサーボモータ(以下モータと言う)8、電磁ブレー
キ9が設けられており、モータ8の出力軸8aはカップ
リング10を介して軸受11,12に軸承されたボール
ねじ13に結合されている。ボールねじ13は付加質量
6に螺合して貫通している。従って、付加質量6はボー
ルねじ13の回転により基台5の凹部5a内を移動す
る。
【0017】風圧又は地震発生によりビル2が振動する
と、制御回路4は後述するように振動の大きさに応じた
制御量を演算して動吸振器3のモータ8へ駆動信号を出
力する。モータ8は駆動信号の供給によりボールねじ1
3を回転させ、付加質量6をX方向(振動方向)に移動
させる。このとき、発生する付加質量6の慣性力の反作
用によりビル2の振動が制振される。
【0018】尚、電磁ブレーキ9は制振モード時オフ状
態であり、電源をオフにされた停止モード時にボールね
じ13を回転不可状態に制動する。
【0019】ビル2の例えば1階(地表),5階,10
階,15階の複数階には、ビル2の振動を検出するセン
サ15a〜15dが設置されている。尚、振動を検出す
るセンサ15a〜15dにより検出するものとしては、
ビル2の変位,速度又は加速度が考えられ、これらのう
ち少なくとも一つを検出できれば良いか、本実施例で
は、ビル2の変位を求める変位センサが設けられている
ものとして説明する。
【0020】又、15階建てのビル2の屋上には風速
(V)を計測する風速計16が設置され、動吸振器3に
は付加質量6の変位、速度及び加速度を検出するセンサ
18が設けられている。センサ15a〜15d及びセン
サ18からの各検出信号はサーボアンプ19a〜19e
により増幅されて制御回路4に入力される。
【0021】又、風速計16からの検出信号はアンプ2
1で増幅されて制御回路4に入力される。
【0022】22は地表の振動を検出するための地震計
で、地面を伝播する縦方向の地震波(P波)及び横方向
の地震波(S波)を検出するように地面に埋没されてい
る。尚、地震発生時地震計22からの検出信号はアンプ
23で増幅されて制御回路4に入力される。
【0023】制御回路4は、入力部としてのA/D変換
器24、動吸振器3への制御量を演算するCPU25、
出力部としてのD/A変換器26、I/Oインタフェー
ス回路27を有する。A/D変換器24はセンサ15a
〜15dから出力されたビル2及び付加質量6の変位,
速度,加速度のアナログ信号をデジタル信号に変換して
CPU25に出力する。又、A/D変換器24には風速
計16及び地震計22からの検出信号も入力されてお
り、これらの検出信号をデジタル信号に変換してCPU
25に出力する。
【0024】CPU25は後述するようにA/D変換器
24及びI/Oインタフェース回路27からの各信号に
基づいて動吸振器3の制御量を演算し、D/A変換器2
6へ出力する。D/A変換器26は、CPU25で演算
された制御量を速度指令電圧に変換する。又、D/A変
換器26から出力された速度指令電圧は、サーボドライ
バ29に入力され、サーボドライバ29は速度指令電圧
に応じた駆動信号としての供給電圧を動吸振器3のモー
タ8に出力する。
【0025】30はメモリ(記憶手段)で、後述する制
振制御の各プログラム及び10段階のフィードバックゲ
インF0 〜F9 及び制振制御に必要な各演算の初期値及
び地震フラグ、異常フラグ等を記憶する。
【0026】例えばメモリ30には、図4に示す如くC
PU25が実行する制振モード設定プログラム30A、
ゲイン異常判定プログラム30B、ゲイン切換プログラ
ム30Cが記憶されている。ここで、各制御プログラム
の概要について説明する。
【0027】まず、制振モード設定プログラム30A
は、通常は風圧制振モードの制振制御を行い、地震発生
によりP波が検出されると、S波が伝播する前に地震制
振モードに切換えて最適制御を行う。そして、地震が終
了しても所定時間地震制振モードを継続してから風圧制
振モードに戻すことにより断続的な地震にも対応できる
よう制御を行う。
【0028】又、ゲイン切換判定プログラム(判断手
段)30Bは、動吸振器3のゲインが適切であるか否か
を自己診断してゲインの切り換えが必要かどうかを判断
する機能を有し、例えばビル2の最上階の振動(変位,
速度又は加速度)の大きさに対するゲインの値を判定す
る。
【0029】又、ゲイン切換プログラム(フィードバッ
クゲイン切換手段)30Cでは、ビル2の振動又は風
圧、地震の大きさに応じて制振制御のゲインを切換え
る。尚、本実施例では後述するLQ(Linear Quadrati
c) 制御により動吸振器3を制振動作させており、ゲイ
ンは予めモデルを用いたシミュレーションで入力に応じ
たゲインを求めておく。
【0030】31は電源で、制御回路4及びサーボドラ
イバ29に接続されており、電源31とサーボドライバ
29との間には緊急停止用のスイッチ32が配設されて
いる。このスイッチ32は、例えば過大な地震が発生し
たときI/Oインタフェース回路27からの停止信号に
より励磁されて開成する。
【0031】33はハイパスフィルタで、センサ15a
からの検出信号がサーボアンプ19aを介して入力され
ると一次固有振動数以上の周波数のみをI/Oインタフ
ェース回路27に出力する。CPU25はハイパスフィ
ルタ33からの信号が過大な場合、I/Oインタフェー
ス回路27からスイッチ32に停止信号を出力させる。
これによりスイッチ32が開成して動吸振器3への電源
供給が停止し、動吸振器3は停止モードとなる。そのた
め、過大な振動を制振するために付加質量6が急激に駆
動されてストッパ(基台5の凹部5aの側壁)に衝突す
ることが防止される。
【0032】34は表示器で、動吸振器3の制御系ある
いは各センサ15a〜15d,18、風速計16、地震
計22等に異常があると、その異常内容等を表示して監
視員に知らせる。
【0033】35は警報器で、異常発生時(アラーム)
を発する。
【0034】次に、上記制振装置1が制振動作する際に
制御回路4のCPU25が実行する処理について、図5
乃至図8を参照して説明する。
【0035】ビル2が横方向に振動する主な原因として
は、風圧の増大、地震による横揺れがある。風圧に
よるビル2の振動は振幅が同じでも低い周波数でゆっく
り振動する。これに対し、地震によるビル2の振動は急
激且つ複雑であるが風圧の場合に比べて高い周波数で激
しく揺れることが多い。
【0036】そのため、CPU25は例えば5msec毎に
図5乃至図8の処理を繰り返し実行している。又、CP
U25は、通常は図5,図6に示す風圧による振動に適
した風圧制振モードの処理を実行し、地震発生時は図
7,図8に示す地震による振動に適した地震制振モード
の処理を実行する。
【0037】先ず、風圧による振動に適した風圧制振モ
ードの処理に関連して、図5を参照してビル2の応答に
よるフィードバックゲインの切り換え方法について説明
する。
【0038】同図中、CPU25はステップS1(以下
「ステップ」を省略する)で、ビル2の振動状態の応答
としてビル2の最上階に設けられたセンサ15dより最
上階の変位を読み込む。次のS2では、前述したLQ制
御理論により求めたゲインF 0 〜F9 の中から最上階の
変位に応じた適正ゲイン(状態フィードバックゲイン)
を求める。
【0039】ここで、状態フィードバックゲインを求め
る際の具体的な演算方法について説明する。
【0040】上記制振装置1が設けられた系の状態ベク
トルを、 =〔xa , a ’,xa ”,xs1,…xsn,xs1’,
…xsn’〕T (但し、本実施例では、「’」は1階微分、「”」は2
階微分、「 」はベクトルを表すものとする)とする
と、制振装置1が設けられた系を状態方程式で表すと、 ’= … (1) となる。
【0041】尚、上記’は状態ベクトルの1階微分、
a , a ’,xa ”は夫々動吸振器3の変位,速度,
加速度、xs1,…xsnはビル2の各階の変位、xs1’,
…x sn’はビル2の各階の速度、は系の状態を表す定
数行列、はアクチュエータからの入力の状態を表す定
数ベクトル、は入力である。
【0042】そして、次式のような状態フィードバック
が施されると、制御量は次式により求まる。
【0043】 =− … (2) 上記(1)(2)式より次式のような閉ループ系の状態
方程式が得られる。
【0044】 ’=()・ … (3) ここで、は状態フィードバックゲインベクトルであ
る。
【0045】このは次の手順で決定される。
【0046】先ず、次のような2次形式評価関数Jを定
義する。
【0047】
【数1】
【0048】最適レギュレータ理論は、このJを最小に
するを決定するための手法である。尚、は付加質量
6の変位及びビル2の変位に対する重み、は制御力に
対する制約であり、共に重み行列と呼ばれる正定行列で
ある。よって、が小のとき付加質量6の加速度が大と
なり、が大のとき付加質量6の加速度が小となる。
【0049】この場合、次のリカッチ方程式 T -1 T =0 … (5) の正定な解を求めれば、上記を次のように定めるこ
とにより、評価関数Jを最小にすることができる。
【0050】 -1 T … (6) 以上のようにして状態フィードバックゲインベクトル
を算出する。
【0051】地表加速度又は最上階変位に応じて、重み
を変えて状態フィードバックゲインベクトル
10段階計算しておき、フィードバックF0 〜F9 とし
てメモリ30に記憶しておく。
【0052】次のS3では、上記のようにして求めた適
正な状態フィードバックゲインベクトルを設定した場
合、動吸振器3が制振動作できるかどうかを後述する図
6の処理方法によりチェックし、ゲインの切り換えが必
要かどうかを判断する。後述するように、S3におい
て、ゲインの切り換えが必要と判断したときは、S4に
進み、図6の処理方法によりゲインの切り換えを行う。
【0053】次のS5では、S2で算出された適正ゲイ
ン又はS4で切り換えられたゲインを用いて最適レギュ
レータ理論により制御量を算出する。そして、動吸振
器3の起動信号及び制御量を出力する(S6)。
【0054】ここで、上記S3において、ゲインの切り
換えが必要かどうかを判断する処理につき説明する。
【0055】図6中、ビル2の振動状態の応答としてビ
ル2の最上階に設けられたセンサ15dより最上階の変
位を読み込むと、ビル2の応答に応じて動吸振器3の付
加質量6が変位する。そのため、CPU25は、S11
において、動吸振器3の付加質量6の変位xa がソフト
ウエア上のリミット値に達しているかどうかの判断を行
う。
【0056】この付加質量6の変位がリミット値(付加
質量6がストッパ(基台5の凹部5aの側壁)に衝突し
てしまうような付加質量6の変位,速度,加速度の値)
以上になった場合、S12でこのとき設定していた適正
フィードバックゲインよりも1段階効果の小さい(付加
質量6の移動量に対する制約の強い)ゲインを、メモリ
30に記憶されたゲインF0 〜F9 なかから選択し、一
旦、ダミーゲインとして指定する。
【0057】尚、本実施例におけるリミット値は、付加
質量6がストッパに衝突してしまうような場合の値に設
定されているが、リミット値の設定はこれに限るもので
はなく、本実施例よりも低い値に設定しても良い。
【0058】図9は、地表加速度,ビル2の最上階の変
位に対する各ゲインによる動吸振器3の付加質量6の移
動量に対する制約,付加質量6の変位,LQ制御の重み
の変化を示す。つまり、地表加速度,ビル2の最
上階の変位が大きいほど付加質量6に対する制約が強く
なるとともに付加質量6の変位が小さくなる。
【0059】例えば上記S12では、図9に示すよう
に、例えば当初ゲインF5 が設定されていた場合、ゲイ
ンF5 よりも1段階制御効果の小さいゲインF4 を選択
する。これにより、付加質量6の変位量が小さく抑えら
れ制振動作時に付加質量6がストッパに衝突することが
防止される。
【0060】上記のように複数のゲインF0 〜F9 のな
かから一のゲインを選択した後、S13に進み、カウン
タをゼロにリセットする。付加質量6の変位がソフトウ
エア上のリミット値未満(付加質量6がストッパに衝突
しない値)の場合、S14でカウンタのカウント値を積
算して、S15でカウント値が予め定めておいた所定時
間(例えば3秒)に達しているかを判断する。
【0061】上記S15において、カウント値が所定時
間以上の場合、カウンタをリセットし(S16)、現在
設定されているゲインより1段階制御効果の大きい(付
加質量6の移動量に対する制約の弱い)ゲインをダミー
ゲインとして選択する(S17)。このS17で、例え
ば現在ゲインF5 が設定されている場合、ゲインF5
り1段階制御効果の大きいゲインF6 を選択する。つま
り、現在のゲインF5により付加質量6を変位させても
ストッパに衝突するおそれがないので、付加質量6の変
位量を増加させて制振効果を高める。
【0062】また、S15において、カウント値が所定
時間に達していない場合、ビル2の振動状態が変化して
いないものとみなして現在のゲインをそのままダミーゲ
インとして用いる(S18)。
【0063】次に、以上のようにして選択したダミーゲ
インが現在制振制御に用いているゲインと同じかどうか
を判断する(S19)。S19において、選択したダミ
ーゲインが現在制御に用いているゲインと同じ場合は現
在のゲインをそのまま使う(S20)。ダミーゲインが
現在用いているゲインと異なる場合、ダミーゲインが予
め記憶しておいた10個のゲインF0 〜F9 の中にある
かチェックする(S21)。
【0064】上記S21において、ダミーゲインが予め
記憶しておいた10個のゲインF0〜F9 の中にあると
きは、ゲインを切り換えるものと判断し(S22)、ダ
ミーゲインを現在用いているゲインをダミーゲインに切
り換える(S23)。しかし、ダミーゲインが予め記憶
しておいた10個のゲインF0 〜F9 の中にないとき
は、ダミーゲインの制約が弱すぎるものとしてゲインを
切り換えないと判断する(S24)。つまり、例えば付
加質量6の変位が最も大きくなるようなゲインF 0 によ
り制振制御する場合より、さらに付加質量6の変位が大
きくなることを防止するため、ゲインの切り換えを行わ
ない。
【0065】以上のように本実施例では、ゲインの切り
換えが必要だと判断した場合、ゲインの切り換えを行う
ため、動吸振器3を最適なゲインにより制御することが
でき、しかも付加質量6がストッパに衝突しない範囲で
動作してビル2の振動を制振することができる。
【0066】次に、地震による振動に適した地震制振モ
ードに関連して、地表加速度又は速度とビル2の応答に
応じてフィードバックゲインを切り換える場合につい
て、図7を参照して説明する。
【0067】図7中、先ず、CPU25は、地震の初期
微動である地震発生によりP波を検出した地震計22か
らの検出信号を取り込む(S31)。そして、センサ1
5a,15dより地表加速度及びビル2の最上階の変位
を取り込む(S32)。
【0068】続いて、後述する図8に示されるフローチ
ャートの処理(後述する)によりゲインの切り換えが必
要かどうかを判断する(S33)。つまり、S31,S
32で取り込んだデータより地表加速度による最適ゲイ
ンを用いるか、あるいはビル2の最上階の変位による最
適ゲインを用いるかを判断するとともに、現在のゲイン
を地表加速度による最適ゲイン又は最上階の変位による
最適ゲインに切り換えるかを判断する。後述するよう
に、S33において、ゲインの切り換えが必要と判断し
たときは、S34に進み、現在のゲインを地表加速度に
よる最適ゲイン又は最上階の変位による最適ゲインに切
り換える。
【0069】次のS35では、S32で算出された適正
ゲイン又はS34で切り換えられたゲインを用いて最適
レギュレータ理論により制御量を算出する。そして、
動吸振器3の起動信号及び制御量を出力する(S3
6)。
【0070】ここで、上記S33において、ゲインの切
り換えが必要かどうかを判断する処理につき説明する。
【0071】図8中、先ず、センサ15aにより検出さ
れた地表加速度に基づいて最適ゲインを求め、この最適
ゲインを地表加速度に対するダミーゲインとする(S4
1)。これと同様にビル2の最上階の変位による最適ゲ
インを求め、最上階の変位に対するダミーゲインとする
(S42)。
【0072】次のS43では、地表加速度に対するダミ
ーゲインと最上階の変位に対するダミーゲインとを比較
する。このS43において、地表加速度に対するダミー
ゲインの方が最上階の変位に対するダミーゲインよりも
制御効果が大(付加質量6の移動量に対する制約が小)
な場合、ダミーゲインとして最上階速度による最適ゲイ
ンを用いる(S44)。しかし、このS43において、
最上階の変位に対するダミーゲインの方が地表加速度に
対するダミーゲインよりも制御効果が大な場合、地表加
速度による最適ゲインを用いる(S45)。
【0073】次のS46では、このようにして選択した
ダミーゲインを現在用いているゲインと比較する。そし
て、S46において、ダミーゲインの方が制御効果が小
さい場合(付加質量6の移動量に対する制約が大)、ゲ
インを変更するものとし(S47)、現在のゲインをダ
ミーゲインに切り換える(S48)。続いて、カウンタ
をゼロにリセットする(S49)。
【0074】しかし、現在用いているゲインが同じ場
合、変更する必要がないので、現在のゲインを変更しな
いものとし(S50)、カウンタをゼロにリセットする
(S51)。
【0075】又、S46において、現在のゲインよりも
ダミーゲインの方が大きい場合(制約が小)、カウンタ
を動かし(S52)、カウンタ値を予め定めた所定時間
(例えば3秒)とを比較する(S53)。
【0076】S53において、所定時間を越えた場合、
ゲインを1段階制御効果が大きい(付加質量6の移動量
に対する制約が小)ゲインを選び(S54)、カウンタ
をゼロにリセットし(S55)、ゲインを変更するもの
とする(S56)。
【0077】又、S53において、所定時間に達してい
ない場合、ビル2の振動が変化していないものとみなし
ゲインを変更しないものとする(S57)。
【0078】このように、S43において、地表加速度
に対するダミーゲインと最上階の変位に対するダミーゲ
インとを比較し、制御効果が小(付加質量6の移動量に
対する制約が大)な方をダミーゲインとして用いるとと
もに、S46において、選択したダミーゲインを現在用
いているゲインと比較して、ゲインの切り換えが必要だ
と判断した場合、ゲインの切り換えを行うため、地震発
生時に動吸振器3を最適なゲインにより制御することが
でき、しかも付加質量6がストッパに衝突しない範囲で
動作してビル2の振動を制振することができる。
【0079】尚、上記実施例では、ビル2の制振を行う
制振装置を一例として挙げたが、これに限らず上記動吸
振器3をビル以外の構造物(例えば橋梁、鉄塔、高架建
築物、スタジアム等)にも適用できるのは勿論である。
【0080】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1によれ
ば、構造物の振動に応じてフィードバックゲインの変更
が必要と判断したとき、記憶手段に記憶された複数のフ
ィードバックゲインのなかから別のフィードバックゲイ
ンを読み取り、このフィードバックゲインを設定するこ
とにより、外乱(風圧、地震)の大きさに応じて最適な
フィードバックゲインか、あるいはそれ以外の制御可能
な大きさのゲインに変更して付加質量をストッパに衝突
させずに制振動作を行うことができる。
【0081】又、請求項2によれば、地表の振動または
構造物の振動に応じたフィードバックゲインのうちより
最適値に近いフィードバックゲインを設定することによ
り、構造物の振動を有効に制振することができ、且つ付
加質量をストッパに衝突させずに制振動作を行うことが
できる。
【0082】又、請求項3によれば、地表の振動または
速度に応じた最適ゲインと、構造物の最上階の振動に応
じた最適ゲインのうち付加質量の変位が小さくなる方の
ゲインを設定することにより、付加質量をストッパに衝
突させずに制振動作を行うことができる等の特長を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる制振装置の概略構成図である。
【図2】動吸振器の正面図である。
【図3】動吸振器の縦断面図である。
【図4】メモリに記憶された項目を示す図である。
【図5】風圧による振動に対し、制振装置のCPUが実
行する処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5のゲイン切り換え時に実行される処理を説
明するためのフローチャートである。
【図7】地震による振動に対し、実行される地震制振モ
ードの処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のゲイン切り換え時に実行される処理を説
明するためのフローチャートである。
【図9】各ゲインの大きさに応じた動吸振器の制約、付
加質量の変位の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 制振装置 2 ビル 3 動吸振器 4 制御回路 6 付加質量 8 ACサーボモータ 15a〜15d,18 センサ 22 地震計 25 CPU 30 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔭山 満 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 願海 龍也 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 松岡 佳子 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の振動を検出するセンサ及び地表
    の振動を検出するセンサからの検出信号及び設定された
    フィードバックゲインに基づいて駆動信号を生成し、該
    駆動信号によりアクチュエータを駆動して付加質量を移
    動させ、該構造物の振動を制振する制振装置において、 複数のフィードバックゲインを記憶する記憶手段と、 前記センサの出力に基づいて、該フィードバックゲイン
    を変更するか否かを判断する判断手段と、 該判断手段によりフィードバックゲインの変更が必要と
    判断されたとき、前記記憶手段よりフィードバックゲイ
    ンを読み込み、該フィードバックゲインを切り換え設定
    するフィードバックゲイン切換手段と、 を備えてなることを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 前記フィードバックゲイン切換手段は、
    地表の振動または構造物の振動に応じたフィードバック
    ゲインに切り換えることを特徴とする請求項1の制振装
    置。
  3. 【請求項3】 前記フィードバックゲイン切換手段は、
    地表の振動に応じた最適ゲインと、前記構造物の最上階
    の振動に応じた最適ゲインのうち前記付加質量の変位が
    小さくなる方のゲインに切り換えることを特徴とする請
    求項1の制振装置。
JP23394893A 1993-09-20 1993-09-20 制振装置 Pending JPH0791107A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008107309A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 衝撃振動検知装置
US8883112B2 (en) 2009-05-06 2014-11-11 Incubation Alliance, Inc. Carbon material and method for producing same

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US9379385B2 (en) 2009-05-06 2016-06-28 Incubation Alliance, Inc. Carbon material and method for producing same

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