JPH0790558A - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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JPH0790558A
JPH0790558A JP22931393A JP22931393A JPH0790558A JP H0790558 A JPH0790558 A JP H0790558A JP 22931393 A JP22931393 A JP 22931393A JP 22931393 A JP22931393 A JP 22931393A JP H0790558 A JPH0790558 A JP H0790558A
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material particles
thin film
substrate
particles
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JP22931393A
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Atsuhito Sawabe
厚仁 澤邊
Hiroaki Yoda
博明 與田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度化・高集積化した電気・磁気素子の製
造プロセスに適用可能な薄膜形成方法を提供することを
目的とする。 【構成】 薄膜形成方法は、原料粒子を所定の基板上に
堆積させて薄膜を形成する薄膜形成方法であって、多数
の原料粒子を生成させる工程と、該原料粒子をイオン化
させる工程と、イオン化した原料粒子に対し所定方向の
電場を付与しこの電場の方向とと実質的に平行に原料粒
子が移動する粒子流を生成させる工程と、該粒子流を基
板上に到達させる工程とを備える。又、他の薄膜形成方
法においては、多数の原料粒子を第1の雰囲気内で生成
させ、この第1の雰囲気と該第1の雰囲気より真空度が
高い第2の雰囲気との境界で所定方向と実質的に平行に
該原料粒子が移動する粒子流を生成させ、該粒子流を第
2の雰囲気内に設置された基板上に到達させる。 【効果】 方向性が整った粒子流によって狭い溝の埋め
込み成膜を高速度で行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子や磁気デバ
イス等における膜構造を形成するための薄膜形成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子、磁気デバイス等の電
気・磁気素子の高密度化・高集積化に伴い、成膜技術や
微細加工技術に対する要求が一段と厳しいものとなって
きている。例えば、DRAM等に代表される集積回路で
は、集積度が高くなるにつれて配線の微細化が進んでい
る。これに伴い、1層目と2層目をつなぐビアホールに
関しても、穴の直径が256Mbit DRAMで0.5μ
m程度と狭くなる一方、深さが1μm近くあるために、
通常の成膜方法ではこのようにアスペクト比の大きいビ
アホール内に配線材料を確実に埋め込むことは難しくな
ってきている。
【0003】これに対処する方法として、通常の2極ス
パッタリング法におけるターゲット−基板間に、スパッ
タされた原料粒子のうち基板に対して垂直に入射する成
分のみを通過させるようなコリメータを設置することに
よって、埋め込み成膜特性を向上させた、コリメーショ
ンスパッタリング法が提案された。同方法では、スパッ
タされた原料粒子のうちで放出方向が基板表面に垂直又
はそれに近いもののみがコリメータを通過するので、狭
い溝にも均一に原料粒子が埋め込まれる。しかし、スパ
ッタされた全粒子の極一部しか成膜に用いられないの
で、成膜速度が非常に遅くなる。更に、基板周囲にはタ
ーゲット周囲と同レベルの濃度でガス粒子が存在するの
で、コリメータを通過したスパッタ粒子が基板に到達す
る迄にガス粒子に衝突してスパッタ粒子の移動方向が変
化する。このため、実際にデバイス作製に用いるには問
題が多い。
【0004】他方、薄膜ヘッドに代表される磁気デバイ
スに関しても、記録密度の増加に伴い、記録密度を規定
する重要な項目の1つであるトラック幅に対する要求が
厳しくなってきている。例えば、記録密度が1Gbit/in
2 の場合、要求されるトラック幅は3μm以下であり、
10Gbit/in2 の場合にはトラック幅は1μm程度にな
ると考えられている。トラック幅の規定は、記録ヘッド
の磁極先端部の加工技術に依るところが大きいが、従来
の加工技術はパーマロイなどを用いた選択メッキであ
り、その精度を決めるのは選択メッキの前工程であるP
EPにおけるレジストのパターニング精度である。薄膜
ヘッドの場合、上部磁気コア形成前の下地の段差は約1
0μmであるので、レジストの厚さも同程度必要とな
る。このため、選択メッキの技術でこのような構造のヘ
ッドを制作するとレジストパターニングする際の焦点ボ
ケが大きく、Gbit級の記録密度を有するヘッドのトラッ
ク加工には対応ができない。
【0005】上述の薄膜ヘッドの狭トラック化に対応す
るために、本出願人は新たなヘッド構造を提案してお
り、この構造においては磁極先端部半体の作製において
埋め込み成膜を使用している。しかし、このような改良
においても、アスペクト比2〜3程度の溝への埋め込み
が必要であるため、前述のコリメーションスパッタリン
グ法が用いられるが、同方法を用いた場合の成膜速度は
数百Å/分であり、生産性は非常に低く、実際のデバイ
ス作製プロセスには使用できないことは明かである。
【0006】従って、電気・磁気素子の高密度化・高集
積化を進めるに当たっては、成膜技術や微細加工技術に
おいて、何等かの技術的ブレークスルーが必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、コリメ
ーションスパッタリング法に代表される従来の埋め込み
成膜法では、成膜速度が非常に小さいため量産への対応
が難しい。本発明は、この様な課題を解決するためにな
されたもので、高速での埋め込み成膜が可能で、高密度
化・高集積化した電気・磁気素子の製造プロセスに適用
可能な薄膜形成方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、原料
粒子の進行方向を修正し、また、原料粒子の進行妨害を
少なくすることによって、狭い溝の埋め込みを高速度で
均一に行えることを見いだし、本発明の薄膜形成方法を
発明するに至った。
【0009】すなわち、本発明の薄膜形成方法は、原料
粒子を所定の基板上に堆積させて薄膜を形成する薄膜形
成方法であって、多数の原料粒子を生成させる工程と、
該原料粒子をイオン化させる工程と、イオン化した原料
粒子に対し所定方向の電場を付与しこの電場の方向とと
実質的に平行に原料粒子が移動する粒子流を生成させる
工程と、該粒子流を基板上に到達させる工程とを備える
ことを特徴とする。
【0010】又、本発明の他の薄膜形成方法は、原料粒
子を所定の基板上に堆積させて薄膜を形成する薄膜形成
方法であって、多数の原料粒子を第1の雰囲気内で生成
させる工程と、この第1の雰囲気と該第1の雰囲気より
真空度が高い第2の雰囲気との境界で所定方向と実質的
に平行に該原料粒子が移動する粒子流を生成させる工程
と、該粒子流を第2の雰囲気内に設置された基板上に到
達させる工程とを備えることを特徴とする。
【0011】本願第1の発明においては、薄膜形成のた
めに生成された多数の原料粒子はまずイオン化される。
次いで、イオン化した原料粒子は、所定方向の電場を付
与することによってこの電場の方向と実質的に平行に移
動するように制御される。従って、このようにして生成
した粒子流は、基板上に到達した際、狭い溝の側面と平
行に進行するため、溝内に形成される膜に偏りを生じさ
せず均一な成膜が行われる。
【0012】又、本願第2の発明においては、第1の雰
囲気内で適切な量の原料粒子が生成し、この後生成した
原料粒子が所定方向と実質的に平行に移動する粒子流と
なり、第1雰囲気よりも真空度の高い第2の雰囲気内を
通過して基板に到達する。すなわち、第2の雰囲気の真
空度が高くなるように構成することによって、平行な粒
子流が雰囲気ガス粒子等に衝突して乱れることを抑制す
る。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】気相成長に基づいた薄膜形成方法において
は、例えば真空下での加熱、スパッタリング等の技術に
よって原料ターゲットからターゲットを構成する粒子を
原料粒子として放出させ、この原料粒子を基板上に堆積
させることによって薄膜を形成する。この時の原料粒子
の放出方向は様々であるので、基板に到達する原料粒子
の方向性を揃えるために、コリメーションスパッタリン
グ法では、様々な方向に放出された原料粒子のうち、一
定方向の細長い孔を有するコリメータを用いて孔を通過
可能な原料粒子のみを選択することによって、一定方向
に移動する原料粒子のみを基板へ到達させる。
【0015】これに対し、本願第1の発明は、原料粒子
の移動方向が適切な方向に揃えられるように原料粒子の
移動を制御することを特徴とするものであり、これによ
り放出された原料粒子の利用率が高くなる。以下、具体
的に説明する。
【0016】通常、加熱、スパッタリングなどによって
放出される原料粒子の大部分は中性粒子であり、中性粒
子の移動方向を制御することは困難である。従って、本
発明では、放出された原料粒子は、まず、イオン化され
て荷電粒子に変換される。そして、電場を付与して、荷
電粒子の移動方向が一定方向に揃えられるように制御す
る。
【0017】原料粒子のイオン化は、たとえば電子線源
を用いて行うことができる。その手段は特定のものに限
定されるものではなく、ホローカソード型電子線源、熱
陰極型(熱フィラメント型)電子線源等を適宜使用する
ことができる。電子線の照射量は、ターゲット表面から
スパッタ放出される原料粒子とほぼ同量から1桁高いオ
ーダーの範囲で設定される。
【0018】荷電粒子の方向性の制御は、電極を用いて
行うことができる。例えば、孔を有する隔壁に電極を備
え付けたものを用いることができる。あるいは、電極自
体を孔を有した板形状に構成しても良い。このとき、荷
電粒子が電極に近づくと、電極の電位に従って原料粒子
の移動方向が変化する。従って、電極の電位を調節する
ことにより荷電粒子の方向性を適宜制御することができ
る。ここで、孔の形状についてはなんら制限されるもの
ではない。また、隔壁の表面積に対する開孔面積の割合
(開孔率)は表面形状によって決まるために一概に判定
はできないが、少なくとも30%以上であることが好ま
しい。開孔率が著しく小さいと、成膜速度が減少する。
又、電極は1種類に限らず、複数種の電極を組み合わせ
て使用しても良く、この場合、各電極間は電気的に絶縁
されている必要がある。
【0019】好適な制御が可能な複数電極の使用の一例
として、加速電極と減速電極とを組み合わせて用いるも
のが挙げられる。これらの電極は、例えば、平行に揃え
られた3枚の板状隔壁に各々取り付けられ、所望の粒子
移動方向と垂直に配置される。このような場合、加速電
極は0〜500V、より好ましくは200V程度に設定
され、減速電極は0〜−500V、より好ましくは−2
00V程度に設定され、荷電粒子は、加速電極によって
引き付けられ、減速電極によって電極から遠ざかるよう
に作用を受ける。ここで、電極が備え付けられる板状隔
壁の孔の位置関係及び形状は、所望の粒子移動方向に沿
って荷電粒子がまっすぐに通過できる通路が形成される
ように、複数の電極において全て一致するように設けら
れることが好ましい。
【0020】このように、原料粒子をイオン化し、電場
を付与して原料粒子の移動方向を制御することによっ
て、コリメータの様なアスペクト比の高い(狭い)孔を
用いずに、広い孔を通して移動方向の揃った粒子流を生
成することができる。
【0021】更に、通常のスパッタリング法において
は、基板とターゲットとの距離は数cm、雰囲気の真空度
は10-3Torr程度に設定されるが、このような条件下で
はスパッタリング粒子が基板に到達するまでに数回雰囲
気ガスに衝突する。従って、方向性の整えられた粒子流
であっても、このような雰囲気を通過すれば、方向性が
乱れる。逆に、これを防止するために雰囲気の真空度を
高くすると、ターゲットからの原料粒子の放出が不十分
になる。このため、本願第2の発明においては、方向性
の揃った粒子流の方向性が基板到達前に乱れることを防
止し、且つ、原料粒子の放出を低下させないために、差
動排気が行われる。しかも、この時、上述の電極を設置
する隔壁は、孔を有するものではあるが、装置内部をタ
ーゲットが収容される放電室と基板が配置される成膜室
とに分離する役割をし、差動排気の実施に関して有効に
作用する。
【0022】差動排気は、基板周辺の雰囲気の真空度が
ターゲット周辺より高くなるように行われる。従って、
上述のように電極を配した隔壁で装置内が区画される場
合、放電室内に比べて成膜室の真空度が高くなるように
排気装置を設定する。差動排気の程度は、電極を備えた
隔壁の開孔率、放電室と成膜室の容積差、排気装置の排
気力によって変化するが、成膜室における電極と基板の
距離が飛沫粒子の平均自由工程より短くなるように設定
することが好ましい。又、排気装置は、放電室及び成膜
室の各々に設けるのが好ましい。用いられる排気装置の
例としては、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ディ
フュージョンポンプ等が挙げられる。
【0023】尚、放電室内の直接放電に晒される部分を
すべてターゲットと同じ材料で構成することにより、形
成される薄膜中に含まれる不純物の濃度を著しく低下さ
せることができる。従って、高純度の薄膜を必要とする
場合には、放電室の構成材料の純度を、少なくとも、タ
ーゲットの純度より1桁小さい程度以上にすることが望
ましい。もちろん、これは形成する薄膜に必要な純度に
よって規定されるものであることは言うまでもない。
【0024】以下、添付図面を参照して本発明をさらに
詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の薄膜形成方法を実施する
ための装置の一例を示す。この例では、薄膜形成装置1
はスパッタリング装置として構成されているが、本発明
はこれに限らず、化学蒸着法等の薄膜形成方法において
も適用することができる。
【0026】薄膜形成装置1は、放電室3と成膜室5と
を備え、放電室3内にはスパッタリング粒子を発生させ
るターゲット7が配置され、成膜室5内にはスパッタリ
ング粒子を付着させる基板9がターゲット7と対面する
ように設置される。ターゲット7は負電位に、基板9は
正電位に印加され、放電室3にはアルゴンイオン等の不
活性ガスイオン、または、スパッタリング粒子と化学反
応を行って化合物を生成する、いわゆる反応性スパッタ
リングを行うための反応ガスが供給される。尚、図1で
は、不活性ガスイオンの供給装置については通常のもの
を使用することができるので省略する。放電室3の側部
に4基のホローカソード型電子線源11が設けられてお
り、ターゲット7表面に向けて電子線を照射できるよう
に構成されている。
【0027】放電室3と成膜室5との境界に、加速電極
13、減速電極15及び接地電極17が設けられてい
る。3つの電極はすべて多数の孔を有し、孔の大きさ及
び位置関係は、基板9表面と垂直な通路19が孔によっ
て形成されるように、3つの電極において全て一致させ
て設けられる。但し、薄膜を斜めの上着で形成する場合
などは電極における穴の位置関係は適宜変更させた方が
良い。
【0028】放電室3は、コンダクタンスバルブ21を
介してクライオポンプ23に接続されて真空排気され
る。成膜室5はクライオポンプ25に接続され、放電室
3よりも高い真空度で差動排気されるように調整され
る。
【0029】上記構成において、放電室3に供給された
不活性ガスイオンはターゲット7に衝突し、スパッタリ
ング粒子がターゲット7から放出される。放出された原
料粒子に電子線源11から電子が照射され、原料粒子が
負イオン化される。イオン化された荷電粒子は移動方向
が揃っていないが、加速電極13によって発生する電場
によって誘引され、近づきながら移動方向が次第に基板
9表面に垂直な方向に変化する。加速電極13の孔を通
過する頃には、減速電極15による斥力が強く作用し、
基板9の薄膜形成面と垂直に基板に向かって進行する。
【0030】上述の薄膜形成方法を用いると、非常に狭
い溝の埋め込み成膜も高速度で行うことが可能となり、
3000Å/分前後の成膜速度を達成することができ
る。
【0031】以下に、本発明に係る薄膜形成方法を用い
て製造される磁気デバイスの一例を示す。図2は、狭ト
ラック薄膜ヘッドを示し、薄膜ヘッドの制作における埋
め込み成膜工程に本発明の薄膜形成方法が適用される。
【0032】薄膜ヘッドの膜構造は、アルチック(Al2
3 ・TiC 焼結体)又はフェライト等の基板9a上に形
成される。まず、基板9a上に、絶縁層27を介して第
1磁性体層29が設けられる。絶縁層27にはAl2 3
やSiO2 等が用いられ、第1磁性体層29はCoZrNb等の
磁性体によって形成される。第1磁性体層29は下部磁
気コアとして作用する。第1磁性体層29上には磁気ギ
ャップ31を介して上部磁極先端部半体33及び下部磁
極後部補助半体35が設けられる。磁気ギャップ31は
Al2 3 等により形成され、SiO2 のエッチングストッ
パーを兼ねる。上部磁極先端部半体33及び下部磁極後
部補助半体35はNiFe、CoZrNb等の磁性体によって形成
される。更に、絶縁層39が形成され、絶縁層39中に
はコイル41が列設される。絶縁層39にはポリイミド
等が用いられ、コイル41は銅等を用いて形成される。
絶縁層39は、CoZrNb等の磁性体によって形成される上
部磁極半体43で覆われる。上部磁極半体33、43の
上には、Al2 3 等により形成される保護層45が設け
られる。
【0033】上述の構造の上部磁極先端部半体33や下
部磁極後部補助半体35等の磁性膜を本発明の薄膜形成
方法に従って埋め込み成膜することができる。
【0034】
【実施例】以下、実験結果に基づいて、本発明の一実施
例を詳細に説明する。
【0035】すなわち、本発明の薄膜形成方法の有効性
を調べるために、図3に示す工程に従って図2に示すよ
うな磁気デバイスを制作した。
【0036】〔埋め込み成膜用積層基板の作製〕まず、
3インチのシリコン基板9b上に、SiO2 絶縁膜47、
カーボンのエッチングストッパー層49、SiO2 絶縁膜
51、Al2 3 ポリシングストッパー層53、カーボン
のエッチングストッパー層55及びSiO2 絶縁膜57を
順に積層し、図3(i) のような層構造を得た。この上
に、常法によりレジストマスクを形成し、四弗化炭素ガ
スで絶縁膜57をエッチングした。次いで、酸素ガスを
用いてエッチングマスク55を、アルゴンを添加した四
弗化炭素ガスを用いてポリシングストッパー層53を各
々エッチングした。更に、四弗化炭素ガスを用いた反応
性イオンエッチング法により、絶縁膜51をエッチング
し、図3(ii)に示すような深さ3μm、幅1μmのトレ
ンチ(凹部)59を形成した。エッチングマスクがある
ことにより、このトレンチの壁部は垂直に加工された。
又、エッチングストッパー層が設けられていることによ
り適度のオーバーエッチングが行われ、トレンチ底部の
縁部が図示されるように半径1000Å程度の丸みをお
びるよう制御された。
【0037】〔埋め込み成膜〕上記のプロセスによって
得た埋め込み成膜用積層基板を図1に示す薄膜形成装置
1の成膜室5に設置し、直径7インチのCoZrNbターゲッ
ト7(純度99.99%)を放電室3に設置した。ここ
で、放電室3内の直接プラズマに晒される部分はすべ
て、純度99.9%のCoZrNbにて作製した。電極13、
15、17は、開孔率40%で同位置に直径4mmの円筒
形孔を有する厚さ2mmのものを1cm間隔で配置して用い
た。ホローカソード型電子線源11は直径2インチのも
のが用いられた。次いで、放電室3の真空度が1×10
-3Torr、成膜室5の真空度が6×10-4Torrとなるよう
にクライオポンプ23、25を作動させ、加速電極13
に200V、減速電極15に−200Vの電圧を印加し
た。続いてターゲット7への投入電力を2kWに設定
し、ターゲット7面におけるスパッタリングイールドが
できる限り均一になるようにマグネットを配置したマグ
ネトロンスパッタガンを用いてスパッタリングを行っ
た。スパッタリングの結果、トレンチ59に成膜速度3
000Å/分でCoZrNbの埋め込み成膜が可能であった。
この後、ポリシングを行って不要部分を取り除き、図3
(iii) に示すような磁性膜61が埋め込まれた積層構造
を得た。
【0038】更に、磁気ギャップ63、絶縁膜65、ポ
リシングストッパー67、削りしろ絶縁膜69を積層
し、前述と同様の方法で図3(iv)に示すように上部磁極
先端部となるトレンチ71(幅1μm、深さ3μm)、
下部磁極後部補助半体となるトレンチ73を形成した。
これらのトレンチ71、73に前述と同様にスパッタリ
ングを行い、ポリシングを行って、図3(v) に示すよう
に磁性膜75、77が埋め込まれた積層構造を得た。
【0039】上述のスパッタリング法による工程を含む
積層構造形成の所要時間は約1100分であった。又、
得られた磁性膜61、75、77は、そのX線回折によ
る半値幅が約1.5°のc軸配向膜であり、磁性膜6
1、75、77に含まれる気体成分以外の不純物の濃度
は100ppm 以下であった。
【0040】一方、比較例として、薄膜形成装置の電極
13、15、17に代えてコリメータを設置し、放電室
3及び成膜室5の真空度を3×10-3Torrに変更し、電
子源11によるイオン化を行わないことを除いては上記
と同様に、スパッタリング法により埋め込み成膜を行っ
た。ここで、コリメータは、開孔率60%で、アスペク
ト比が3の円筒状開孔を有するものを使用した。この結
果、CoZrNb磁性膜の成膜速度は200Å/分であり、積
層構造形成の形成工程の所要時間は約11000分であ
った。又、得られた磁性膜は、そのX線回折による半値
幅が約2.0゜のc軸配向膜であり、磁性膜中に含まれ
る気体成分以外の不純物の濃度は500ppm 以下であっ
た。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜形成
方法は、狭い溝の埋め込み成膜を高速度で行うことを可
能とするものであるので、その工業的価値は極めて大で
ある。また、本発明の薄膜形成方法によって得られる埋
め込み膜は、方向性が整った原料粒子によって均質に形
成されるので、高品質の薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成方法を実施する装置を示す断
面図である。
【図2】本発明の薄膜形成方法に従って埋め込み成膜を
行うことによって得られる狭トラック薄膜ヘッドの部分
断面斜視図である。
【図3】本発明の薄膜形成方法によって磁気デバイスを
制作する工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 薄膜形成装置 3 放電室 5 成膜室 7 ターゲット 9 基板 11 電子源 13 加速電極 15 減速電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粒子を所定の基板上に堆積させて薄
    膜を形成する薄膜形成方法であって、多数の原料粒子を
    生成させる工程と、該原料粒子をイオン化させる工程
    と、イオン化した原料粒子に対し所定方向の電場を付与
    し、この電場の方向と実質的に平行に原料粒子が移動す
    る粒子流を生成させる工程と、該粒子流を基板上に到達
    させる工程とを備える、薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 原料粒子を所定の基板上に堆積させて薄
    膜を形成する薄膜形成方法であって、多数の原料粒子を
    第1の雰囲気内で生成させる工程と、この第1の雰囲気
    と該第1の雰囲気より真空度が高い第2の雰囲気との境
    界で所定方向と実質的に平行に該原料粒子が移動する粒
    子流を生成させる工程と、該粒子流を第2の雰囲気内に
    設置された基板上に到達させる工程とを備える、薄膜形
    成方法。
JP22931393A 1993-09-14 1993-09-14 薄膜形成方法 Pending JPH0790558A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004524435A (ja) * 2000-07-10 2004-08-12 ユナキス ユーエスエー, インク. 差動ポンプ動作を用いる材料加工システム
US10399851B2 (en) 2014-09-30 2019-09-03 3M Innovative Properties Company Electrically conductive patterns with wide line-width and methods for producing same

Cited By (2)

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