JPH0790378A - 鋼管の焼入方法 - Google Patents
鋼管の焼入方法Info
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- JPH0790378A JPH0790378A JP23782093A JP23782093A JPH0790378A JP H0790378 A JPH0790378 A JP H0790378A JP 23782093 A JP23782093 A JP 23782093A JP 23782093 A JP23782093 A JP 23782093A JP H0790378 A JPH0790378 A JP H0790378A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】内外面浸漬軸流焼入方式により鋼管を焼入れす
る際に、鋼管の浮上による冷却不均一を防止し、焼入ム
ラの発生を確実に防止する。 【構成】浸漬槽１内の水位を冷却水供給管２の噴射口の
上端より１５０ｍｍ以下に調整しておき、軸方向の冷却
水流４を形成させ、鋼管１０を浸漬槽１に投入して冷却
する。気泡６が鋼管１０浮上させるタイミングに合わせ
て、冷却水流２１を急増させ、高水位進行流２２を発生
させ、鋼管１０の端部１１が水面上に出ないように水位
を上昇させ鋼管１０の端部を水面７上に浮上させない。
る際に、鋼管の浮上による冷却不均一を防止し、焼入ム
ラの発生を確実に防止する。 【構成】浸漬槽１内の水位を冷却水供給管２の噴射口の
上端より１５０ｍｍ以下に調整しておき、軸方向の冷却
水流４を形成させ、鋼管１０を浸漬槽１に投入して冷却
する。気泡６が鋼管１０浮上させるタイミングに合わせ
て、冷却水流２１を急増させ、高水位進行流２２を発生
させ、鋼管１０の端部１１が水面上に出ないように水位
を上昇させ鋼管１０の端部を水面７上に浮上させない。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、浸漬方式の鋼管の焼入
方法に関する。
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】鋼管を高張力、高靭性化するために焼入
れ、焼戻し処理を施すことが行われている。鋼管の焼入
方法はスプレー方式と内外面浸漬軸流焼入方式に大別さ
れる。冷却能力が大きく、装置の構造が単純であるとい
う観点から、内外面浸漬軸流焼入方式が優れている。内
外面浸漬軸流焼入方式とは加熱された鋼管を浸漬槽に投
入して浸漬し、鋼管の内外両面にその軸線方向に沿う冷
却水流（軸流）を与えて焼入を行う方式である。この方
式の焼入方法の問題点の一つとして、薄肉鋼管が浸漬槽
の水面上に浮上することに起因する焼入ムラの発生が挙
げられる。すなわち、薄肉鋼管においては、浸漬槽に浸
漬した後に槽内に設置された受台（又はローラ）上の所
定の位置に収まるまでの間に、浮力のために、鋼管の一
端が浸漬槽の水面上に浮上する現象が起こり、この浮上
した部分が冷却不足となり均一な熱処理が得られないと
いう問題が生じる。
れ、焼戻し処理を施すことが行われている。鋼管の焼入
方法はスプレー方式と内外面浸漬軸流焼入方式に大別さ
れる。冷却能力が大きく、装置の構造が単純であるとい
う観点から、内外面浸漬軸流焼入方式が優れている。内
外面浸漬軸流焼入方式とは加熱された鋼管を浸漬槽に投
入して浸漬し、鋼管の内外両面にその軸線方向に沿う冷
却水流（軸流）を与えて焼入を行う方式である。この方
式の焼入方法の問題点の一つとして、薄肉鋼管が浸漬槽
の水面上に浮上することに起因する焼入ムラの発生が挙
げられる。すなわち、薄肉鋼管においては、浸漬槽に浸
漬した後に槽内に設置された受台（又はローラ）上の所
定の位置に収まるまでの間に、浮力のために、鋼管の一
端が浸漬槽の水面上に浮上する現象が起こり、この浮上
した部分が冷却不足となり均一な熱処理が得られないと
いう問題が生じる。
【０００３】図３を参照して説明する。図３（ａ）に示
すように、浸漬槽１内に冷却水供給管２から冷却水を供
給し、冷却水３内に、鋼管１０の軸方向に沿う冷却水流
４を形成しておき、焼入すべき鋼管１０を水平の姿勢で
この浸漬槽に矢印５に示すように投入する。図３（ｂ）
に示すように、冷却水流４は鋼管１０の内外面を冷却す
るが、鋼管内に気泡６を生じ、この気泡６が鋼管１０に
浮力を与えて浮上させる。図３（ｃ）に示すように、気
泡は、冷却水流４により、鋼管１０の一方の端部に寄せ
られ、特に薄肉鋼管では、鋼管１０の端部１１が浸漬槽
１の水面７の上に浮上する。従って、この端部１１は冷
却が十分でなく、焼入ムラが発生する。
すように、浸漬槽１内に冷却水供給管２から冷却水を供
給し、冷却水３内に、鋼管１０の軸方向に沿う冷却水流
４を形成しておき、焼入すべき鋼管１０を水平の姿勢で
この浸漬槽に矢印５に示すように投入する。図３（ｂ）
に示すように、冷却水流４は鋼管１０の内外面を冷却す
るが、鋼管内に気泡６を生じ、この気泡６が鋼管１０に
浮力を与えて浮上させる。図３（ｃ）に示すように、気
泡は、冷却水流４により、鋼管１０の一方の端部に寄せ
られ、特に薄肉鋼管では、鋼管１０の端部１１が浸漬槽
１の水面７の上に浮上する。従って、この端部１１は冷
却が十分でなく、焼入ムラが発生する。
【０００４】この浮上防止策として、例えば特公昭６０
−３９７３４号公報、特開昭６０−３７８５９号公報に
見られるように、浸漬前あるいは浸漬後に鋼管をクラン
プする方法や装置、また特公昭５８−５５２１７号公報
に見られるように浸漬後にカバーする方法や装置が有効
であると考えられるが、設備が複雑になり、費用が高く
なるという問題がある。また、浸漬後にクランプあるい
はカバーする方法ではタイミングが不適切であると、ク
ランプ又はカバーとの干渉により、鋼管に疵が発生する
という問題が生じる。
−３９７３４号公報、特開昭６０−３７８５９号公報に
見られるように、浸漬前あるいは浸漬後に鋼管をクラン
プする方法や装置、また特公昭５８−５５２１７号公報
に見られるように浸漬後にカバーする方法や装置が有効
であると考えられるが、設備が複雑になり、費用が高く
なるという問題がある。また、浸漬後にクランプあるい
はカバーする方法ではタイミングが不適切であると、ク
ランプ又はカバーとの干渉により、鋼管に疵が発生する
という問題が生じる。
【０００５】また、この他に特公昭５５−３２７６６号
公報に開示されているように、浸漬槽への進入速度を制
御して低速で進入させる方法も開発されているが、設備
費用が高く、焼入ムラの発生が避けられないという問題
がある。
公報に開示されているように、浸漬槽への進入速度を制
御して低速で進入させる方法も開発されているが、設備
費用が高く、焼入ムラの発生が避けられないという問題
がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
み、内外面浸漬軸流焼入方式により鋼管を焼入れする際
に、薄肉鋼管の浮上による冷却不均一を防止する方法を
提供する。すなわち、内外面浸漬軸流焼入方式におい
て、薄肉鋼管の浮上を、鋼管に疵をつけることなく、ま
た焼入ムラを発生させることなく均一に焼入する方法を
提供することを目的とする。
み、内外面浸漬軸流焼入方式により鋼管を焼入れする際
に、薄肉鋼管の浮上による冷却不均一を防止する方法を
提供する。すなわち、内外面浸漬軸流焼入方式におい
て、薄肉鋼管の浮上を、鋼管に疵をつけることなく、ま
た焼入ムラを発生させることなく均一に焼入する方法を
提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼管を浸漬槽
中に水平姿勢で投入し管軸方向の水流により内外面浸漬
軸流焼入処理するに当り、浸漬槽に投入した鋼管の一端
が浮上するまでに浸漬槽に供給する水量を急速増加して
高水位進行流を形成し、鋼管浮上端よりその部分の浸漬
槽の水面を高くすることを特徴とする鋼管の焼入方法で
ある。この場合浸漬槽に鋼管を投入するに先立ち、浸漬
槽の水面高さを水噴射口の上縁高さから上方１５０ｍｍ
以内に保持保持しておくこととすれば、容易に上記高水
位進行流を形成することが可能となり、好適である。
中に水平姿勢で投入し管軸方向の水流により内外面浸漬
軸流焼入処理するに当り、浸漬槽に投入した鋼管の一端
が浮上するまでに浸漬槽に供給する水量を急速増加して
高水位進行流を形成し、鋼管浮上端よりその部分の浸漬
槽の水面を高くすることを特徴とする鋼管の焼入方法で
ある。この場合浸漬槽に鋼管を投入するに先立ち、浸漬
槽の水面高さを水噴射口の上縁高さから上方１５０ｍｍ
以内に保持保持しておくこととすれば、容易に上記高水
位進行流を形成することが可能となり、好適である。
【０００８】
【作用】本発明は、鋼管の内外面浸漬軸流焼入方式によ
る焼入処理において、鋼管を浸漬槽内に浸漬した後、浸
漬槽に供給する水量を急速増加して高水位進行流を形成
し、鋼管浮上端の部分の水位が高くなるように、所定の
水量Ｑ2 （ｍ3 ／Ｈ）、圧力Ｐ2 （ＭＰａ）及び所定の
噴射開始時刻ＴF に軸流水流の水量を急速増加して噴射
する。この時、噴射開始時刻ＴF は下記条件を満たすよ
うにする。
る焼入処理において、鋼管を浸漬槽内に浸漬した後、浸
漬槽に供給する水量を急速増加して高水位進行流を形成
し、鋼管浮上端の部分の水位が高くなるように、所定の
水量Ｑ2 （ｍ3 ／Ｈ）、圧力Ｐ2 （ＭＰａ）及び所定の
噴射開始時刻ＴF に軸流水流の水量を急速増加して噴射
する。この時、噴射開始時刻ＴF は下記条件を満たすよ
うにする。
【０００９】 ０＜ｆT1（Ｄ，ｔ，ｖ）−（ＴF −Ｔin）−ｆT2 ただし Ｔin：鋼管を浸漬槽に浸漬する時刻 ＴF ：水量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴射開始する時刻 Ｄ ：鋼管外径 ｔ ：鋼管肉厚 ｖ ：鋼管が浸漬液に侵入する速度 Ｌ ：噴射口から鋼管の他端までの距離 ｆT1：鋼管が浸漬液に侵入してから浮き上がるまでの時
間（Ｄ，ｔ，ｖの関数） ｆT2：水量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴射開始してから、距離Ｌ
位置の水位が高くなるまでの時間（Ｑ、Ｐ、Ｌ）の関
数） である。以上の条件により、浸漬槽に投入した鋼管の一
端が浮上するまでに、高水位進行流が鋼管浮上端より高
い水位となるようにする。
間（Ｄ，ｔ，ｖの関数） ｆT2：水量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴射開始してから、距離Ｌ
位置の水位が高くなるまでの時間（Ｑ、Ｐ、Ｌ）の関
数） である。以上の条件により、浸漬槽に投入した鋼管の一
端が浮上するまでに、高水位進行流が鋼管浮上端より高
い水位となるようにする。
【００１０】上記噴射開始時刻ＴF の式の内、鋼管が浸
漬液に侵入してから浮き上がるまでの時間ｆT1及び、水
量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴射開始してから距離Ｌ位置の水位
が高くなるまでの時間ｆT2は、浸漬槽の形状、寸法、鋼
管の寸法、鋼管が浸漬液に侵入する速度、鋼管浸漬前後
の水量、圧力、及び噴射口から鋼管の他端までの距離等
により異なる。しかし、これらは浸漬槽及び鋼管につい
て、シミュレーション又は実験により定めることができ
る。従って、上記噴射開始時刻ＴF を定めることができ
る。
漬液に侵入してから浮き上がるまでの時間ｆT1及び、水
量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴射開始してから距離Ｌ位置の水位
が高くなるまでの時間ｆT2は、浸漬槽の形状、寸法、鋼
管の寸法、鋼管が浸漬液に侵入する速度、鋼管浸漬前後
の水量、圧力、及び噴射口から鋼管の他端までの距離等
により異なる。しかし、これらは浸漬槽及び鋼管につい
て、シミュレーション又は実験により定めることができ
る。従って、上記噴射開始時刻ＴF を定めることができ
る。
【００１１】図２は、上記噴射開始時刻を示すタイムチ
ャートである。鋼管を浸漬槽に浸漬する時刻Ｔinを始点
とし、鋼管が浸漬槽に浸漬してから浮き上がるまでの時
間ｆ T1を経過した時刻ＴE を終点とする。この終点時刻
ＴE に対して微少時間ΔＴだけ早い到達時刻ＴM に間に
合うような噴射開始時刻ＴF に水量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴
射開始する。この噴射開始時刻ＴF は、水量Ｑ2 、圧力
Ｐ2 で噴射開始してから、距離Ｌ位置の水位が高くなる
までの時間ｆT2を知ることによって決定される。
ャートである。鋼管を浸漬槽に浸漬する時刻Ｔinを始点
とし、鋼管が浸漬槽に浸漬してから浮き上がるまでの時
間ｆ T1を経過した時刻ＴE を終点とする。この終点時刻
ＴE に対して微少時間ΔＴだけ早い到達時刻ＴM に間に
合うような噴射開始時刻ＴF に水量Ｑ2 、圧力Ｐ2 で噴
射開始する。この噴射開始時刻ＴF は、水量Ｑ2 、圧力
Ｐ2 で噴射開始してから、距離Ｌ位置の水位が高くなる
までの時間ｆT2を知ることによって決定される。
【００１２】時間ｆT1は、鋼管外径Ｄ、鋼管肉厚ｔ、鋼
管が浸漬液に侵入する速度ｖの関数であるから、これら
の条件が定まれば決定することができる。時間ｆT2は、
浸漬槽の寸法、水量Ｑ、圧力Ｐ、噴射口から鋼管の他端
までの距離Ｌの関数であるから、これらが決まれば、決
定することができる。従って、２つの時刻ＴinとＴFと
の関係は、条件に応じて一義的に定まる。実際には、こ
れらをシミュレーションによって定めてもよいし、実験
によって定めてもよい。これらの条件のデータを制御コ
ンピュータに記憶させておけば、容易に、正確に条件に
応じた水量制御、噴射開始時刻制御をすることができ
る。
管が浸漬液に侵入する速度ｖの関数であるから、これら
の条件が定まれば決定することができる。時間ｆT2は、
浸漬槽の寸法、水量Ｑ、圧力Ｐ、噴射口から鋼管の他端
までの距離Ｌの関数であるから、これらが決まれば、決
定することができる。従って、２つの時刻ＴinとＴFと
の関係は、条件に応じて一義的に定まる。実際には、こ
れらをシミュレーションによって定めてもよいし、実験
によって定めてもよい。これらの条件のデータを制御コ
ンピュータに記憶させておけば、容易に、正確に条件に
応じた水量制御、噴射開始時刻制御をすることができ
る。
【００１３】なお、鋼管を浸漬する前に、浸漬槽の水位
を冷却水供給管の噴射口の上端より上方１５０ｍｍ以下
の水位に調整しておく。鋼管を浸漬する前の浸漬槽の水
位が冷却水供給管の噴射口の上端より上方１５０ｍｍを
越えると、冷却水量を急増させた時に水面を所望の高さ
に高めることが困難になる。好ましくは鋼管を浸漬する
前の浸漬槽の水位は低いほどよく、浸漬槽の水位を零、
すなわち、冷却水供給管の噴射口の上端に一致する位置
に近付けておく方がよい。
を冷却水供給管の噴射口の上端より上方１５０ｍｍ以下
の水位に調整しておく。鋼管を浸漬する前の浸漬槽の水
位が冷却水供給管の噴射口の上端より上方１５０ｍｍを
越えると、冷却水量を急増させた時に水面を所望の高さ
に高めることが困難になる。好ましくは鋼管を浸漬する
前の浸漬槽の水位は低いほどよく、浸漬槽の水位を零、
すなわち、冷却水供給管の噴射口の上端に一致する位置
に近付けておく方がよい。
【００１４】
【実施例】図１に示した本発明の実施例の工程図に従っ
て実施例を詳細に説明する。 （ａ）浸漬槽１内の冷却水３の水面７の水位を冷却水供
給管２の噴射口の上端より１５０ｍｍ以下に調整してお
き、浸漬槽１内に鋼管１０の軸方向の冷却水流４を形成
させておく。 （ｂ）焼入すべき鋼管１０を水平の姿勢でこの浸漬槽１
に投入する。冷却水流４は鋼管１０の内外面を冷却する
が、前述のように鋼管１０内に気泡６を生じ、この気泡
６が鋼管１０に浮力を与えて浮上させようとする。この
時、あらかじめ定めた噴射開始時刻で、浸漬槽に冷却水
供給管２の噴射口から供給する冷却水流２１を急増さ
せ、高い水位で矢印２３の方向に進行する高水位進行流
２２を発生させる。この時の水量Ｑ2 （ｍ3 ／Ｈ）、圧
力Ｐ2 （ＭＰａ）、噴射開始時刻ＴFは、条件に応じて
あらかじめコンピュータに記憶させてておく。 （ｃ）鋼管１０内に発生した気泡６は、鋼管１０の端部
１１を浸漬槽１の水面７の上に浮上させようとするが、
この時、矢印２３の方向に進行している高水位進行流２
２は、鋼管１０の端部が水面上に出ないように鋼管端部
の水位を上昇させる。従って、鋼管１０はその端部１１
を水面７上に浮上させることなく矢印２４で示す方向に
沈下する。 （ｄ）従って、図１（ｄ）に示すように、鋼管１０は水
中において冷却水流２１により均一に焼入され、焼入ム
ラが発生しない。
て実施例を詳細に説明する。 （ａ）浸漬槽１内の冷却水３の水面７の水位を冷却水供
給管２の噴射口の上端より１５０ｍｍ以下に調整してお
き、浸漬槽１内に鋼管１０の軸方向の冷却水流４を形成
させておく。 （ｂ）焼入すべき鋼管１０を水平の姿勢でこの浸漬槽１
に投入する。冷却水流４は鋼管１０の内外面を冷却する
が、前述のように鋼管１０内に気泡６を生じ、この気泡
６が鋼管１０に浮力を与えて浮上させようとする。この
時、あらかじめ定めた噴射開始時刻で、浸漬槽に冷却水
供給管２の噴射口から供給する冷却水流２１を急増さ
せ、高い水位で矢印２３の方向に進行する高水位進行流
２２を発生させる。この時の水量Ｑ2 （ｍ3 ／Ｈ）、圧
力Ｐ2 （ＭＰａ）、噴射開始時刻ＴFは、条件に応じて
あらかじめコンピュータに記憶させてておく。 （ｃ）鋼管１０内に発生した気泡６は、鋼管１０の端部
１１を浸漬槽１の水面７の上に浮上させようとするが、
この時、矢印２３の方向に進行している高水位進行流２
２は、鋼管１０の端部が水面上に出ないように鋼管端部
の水位を上昇させる。従って、鋼管１０はその端部１１
を水面７上に浮上させることなく矢印２４で示す方向に
沈下する。 （ｄ）従って、図１（ｄ）に示すように、鋼管１０は水
中において冷却水流２１により均一に焼入され、焼入ム
ラが発生しない。
【００１５】表１に本発明の具体的例についてその諸元
を比較例と共に掲げた。外径４０６．４４ｍｍφ、肉厚
９．５２ｍｍの炭素鋼の鋼管を本発明方法で焼入した。
比較例は、同一の鋼管を、同一の浸漬槽で従来の方法で
焼入したものである。この例では図２における鋼管浸漬
時刻Ｔinと、高水位進行流２２を発生する噴射開始時刻
ＴF を一致させており、水流Ｑ1 ＝１５００ｍ3 ／Ｈを
急増して水流Ｑ2 ＝８０００ｍ3 ／Ｈとした。ΔＴ＝
０．２ｓｅｃとなっている。鋼管の端部及び中間部のテ
ンパ処理後の引張り強度ＴＳ及び降伏強度ＹＳの値を示
した。本発明では、明らかに一様な焼入が行われており
焼入ムラが解消した。
を比較例と共に掲げた。外径４０６．４４ｍｍφ、肉厚
９．５２ｍｍの炭素鋼の鋼管を本発明方法で焼入した。
比較例は、同一の鋼管を、同一の浸漬槽で従来の方法で
焼入したものである。この例では図２における鋼管浸漬
時刻Ｔinと、高水位進行流２２を発生する噴射開始時刻
ＴF を一致させており、水流Ｑ1 ＝１５００ｍ3 ／Ｈを
急増して水流Ｑ2 ＝８０００ｍ3 ／Ｈとした。ΔＴ＝
０．２ｓｅｃとなっている。鋼管の端部及び中間部のテ
ンパ処理後の引張り強度ＴＳ及び降伏強度ＹＳの値を示
した。本発明では、明らかに一様な焼入が行われており
焼入ムラが解消した。
【００１６】
【表１】
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば、内外面浸漬軸流焼入方
式により鋼管を焼入れする際に、鋼管の浮上による冷却
不均一を防止することができ、鋼管に疵をつける恐れも
なく、焼入ムラの発生を確実に防止することができる。
式により鋼管を焼入れする際に、鋼管の浮上による冷却
不均一を防止することができ、鋼管に疵をつける恐れも
なく、焼入ムラの発生を確実に防止することができる。
【図１】実施例の工程図である。
【図２】本発明を説明する噴射開始時刻チャートであ
る。
る。
【図３】従来の工程図である。
１ 浸漬槽 ２ 冷却水供給
管 ３ 冷却水 ４ 冷却水流 ５ 矢印 ６ 気泡 ７ 水面 ８ 排水管 １０ 鋼管 １１ 端部 ２１ 冷却水流 ２２ 高水位進行
流 ２３ 矢印 ２４ 矢印
管 ３ 冷却水 ４ 冷却水流 ５ 矢印 ６ 気泡 ７ 水面 ８ 排水管 １０ 鋼管 １１ 端部 ２１ 冷却水流 ２２ 高水位進行
流 ２３ 矢印 ２４ 矢印
Claims (2)
- 【請求項１】 鋼管を浸漬槽中に水平姿勢で投入し管軸
方向の水流により内外面浸漬軸流焼入処理するに当り、
浸漬槽に投入した鋼管の一端が浮上するまでに浸漬槽に
供給する水量を急速増加して高水位進行流を形成し、鋼
管浮上端よりその部分の浸漬槽の水面を高くすることを
特徴とする鋼管の焼入方法。 - 【請求項２】 浸漬槽に鋼管を投入するに先立ち、浸漬
槽の水面高さを水噴射口の上縁高さから上方１５０ｍｍ
以下に保持しておくことを特徴とする請求項１記載の鋼
管の焼入方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23782093A JPH0790378A (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 鋼管の焼入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23782093A JPH0790378A (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 鋼管の焼入方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0790378A true JPH0790378A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=17020889
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23782093A Withdrawn JPH0790378A (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 鋼管の焼入方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0790378A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012029268A1 (ja) | 2010-09-02 | 2012-03-08 | 住友金属工業株式会社 | 鋼管の焼入れ方法およびそれを用いた鋼管の製造方法 |
| CN102965480A (zh) * | 2012-11-16 | 2013-03-13 | 上海交通大学 | 一种厚壁钢管淬火冷却方法及设备 |
| WO2014054287A1 (ja) | 2012-10-04 | 2014-04-10 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 厚肉鋼管の製造方法 |
| GB2548416A (en) * | 2016-03-15 | 2017-09-20 | Arconic Inc | Improved methods for quenching metal tubes |
-
1993
- 1993-09-24 JP JP23782093A patent/JPH0790378A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2012029268A1 (ja) | 2010-09-02 | 2012-03-08 | 住友金属工業株式会社 | 鋼管の焼入れ方法およびそれを用いた鋼管の製造方法 |
| US9267186B2 (en) | 2010-09-02 | 2016-02-23 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Method for quenching steel pipe and method for producing steel pipe using the same |
| WO2014054287A1 (ja) | 2012-10-04 | 2014-04-10 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 厚肉鋼管の製造方法 |
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| GB2548416B (en) * | 2016-03-15 | 2019-06-12 | Arconic Inc | Improved methods for quenching metal tubes |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |