JPH0789865A - アルコール性肝障害改善剤 - Google Patents

アルコール性肝障害改善剤

Info

Publication number
JPH0789865A
JPH0789865A JP5260421A JP26042193A JPH0789865A JP H0789865 A JPH0789865 A JP H0789865A JP 5260421 A JP5260421 A JP 5260421A JP 26042193 A JP26042193 A JP 26042193A JP H0789865 A JPH0789865 A JP H0789865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
root
liver
group
alcohol
active ingredient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5260421A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Takada
昭 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsumura and Co filed Critical Tsumura and Co
Priority to JP5260421A priority Critical patent/JPH0789865A/ja
Publication of JPH0789865A publication Critical patent/JPH0789865A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、アルコールに起因する肝疾患の治
療および予防に有効な医薬を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明は、かっ根黄連黄ごん湯、桂枝去桂加
茯苓白朮湯及び柴かつ解肌湯から選ばれる少なくとも一
つの処方を有効成分として含有するアルコール性肝障害
改善剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコールに起因する
肝疾患の治療に有効な医薬に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】近年、肝疾患が増加しつつあ
り、肝疾患は21世紀の国民病とも言われている。特
に、アルコール性肝障害は、古くから肝疾患を代表する
ものとして扱われてきたが、最近のアルコール飲料の消
費量の増加と共に年々増加にあり、またその重症型が認
められるに至っている。
【0003】一般に、アルコール性肝障害は、大量のア
ルコール摂取を起因とした疾患で、なかでもアルコール
性肝炎では、黄疸などの急性肝障害の症状と検査所見を
示し、肝組織像でも肝細胞の変性・壊死と好中球の浸潤
を伴う肝疾患として知られている。近年では、アルコー
ルの直接作用により、肝細胞の破壊・壊死のみならず肝
硬変の発生することが証明され、アルコールおよびその
代謝産物の直接肝毒性と肝硬変の発生との関係が注目さ
れている。
【0004】通常のアルコール性肝障害では、禁酒とと
もに安静ならびにビタミン剤を含めた十分な栄養を補給
することで、治癒に向かうのが普通である。しかし、重
症型アルコール性肝炎では、このような治療のみでは救
命しえないことが多い。そこで、このようなアルコール
性肝炎に対して従来より種々の試みがなされている。例
えば、副腎皮質ホルモンの投与またはグルカゴン−イン
シュリン療法が挙げられるが、それぞれの有効性につい
て賛否があり、一般的には、有効ではないという報告が
多く、決定的に有効な治療法がないのが現状である。
【0005】そこで、アルコールに起因する肝疾患の治
療に有効な医薬の開発が望まれていた。
【0006】一方、古くから古典(傷寒論、家方など)
に記載され広く知られているかっ根黄連黄ごん湯、桂枝
去桂加茯苓白朮湯及び柴かつ解肌湯は次のような症状に
用いられているが、アルコール性肝疾患に有効であると
の報告は全くない。
【0007】(1)かっ根黄連黄ごん湯 急性腸炎、喘息、肩凝、歯痛、疫痢、高血圧症、口内
炎、舌炎、不眠。 (2)桂枝去桂加茯苓白朮湯 腎炎、ネフローゼ、むち打症、汗下後、二日酔い、慢性
頭痛、耳鳴り。 (3)柴かつ解肌湯 感冒、気管支炎、肺炎、胸膜炎、肺炎、てんかん、神経
症、胃酸過多症、胃・十二指腸潰瘍。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく、種々の漢方処方について、鋭意研究を
重ねた結果、かっ根黄連黄ごん湯、桂枝去桂加茯苓白朮
湯及び柴かつ解肌湯がアルコール性肝障害の治療に有効
な効果を有することを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明はかっ根黄連黄ごん湯、
桂枝去桂加茯苓白朮湯及び柴かつ解肌湯から選ばれる少
なくとも一つの処方を有効成分(以下、まとめて本発明
の有効成分ともいう。)として含有するアルコール性肝
障害改善剤である。
【0010】本発明の有効成分であるかっ根黄連黄ごん
湯、桂枝去桂加茯苓白朮湯または柴かつ解肌湯は、若干
の差異はあるが生薬の配合範囲は一般に次の通りであ
る。
【0011】 [かっ根黄連黄ごん湯] カッコン 5.0〜8.0 オウレン 3.0 オウゴン 3.0 カンゾウ 2.0
【0012】 [桂枝去桂加茯苓白朮湯] シャクヤク 3.0〜4.0 タイソウ 3.0〜4.0 ショウキョウ 1.0〜4.0 ブクリョウ 3.0〜4.0 ビャクジュツ 3.0〜4.0 カンゾウ 2.0
【0013】 [柴かつ解肌湯] カッコン 3.0〜4.0 マオウ 2.0〜3.0 カンゾウ 1.0〜1.5 ケイシ 2.0〜3.0 シャクヤク 2.0〜3.0 ショウキョウ 0.5〜1.5 サイコ 4.0 ハンゲ 3.0〜4.0 オウゴン 2.0〜3.0 セッコウ 5.0〜6.0
【0014】本発明の有効成分は、上記配合のかっ根黄
連黄ごん湯、桂枝去桂加茯苓白朮湯及び柴かつ解肌湯か
ら選ばれる少なくとも一つの処方をそのまま、もしくは
その抽出物を有効成分とし、これを公知の医薬用担体と
組合せ製剤化すればよい。
【0015】抽出物としては各種水系溶剤抽出物が挙げ
られるが、水抽出物を用いることが好ましい。具体的
な、抽出物の調整例としては上記配合のかっ根黄連黄ご
ん湯、桂枝去桂加茯苓白朮湯又は柴かつ解肌湯を10〜
20倍量の熱水で抽出し、得られた抽出液を濾過する方
法が挙げられる。この抽出物は必要に応じて乾燥させ、
乾燥粉末として用いることができる。
【0016】本発明の有効成分の具体例を示して、詳細
に説明する。
【0017】具体例1 カッコン6.0g、オウレン3.0g、オウゴン3.0
g及びカンゾウ2.0g(かっ根黄連黄ごん湯:14
g)に140gの精製水を加え、100°Cで1時間加
熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、スプレードライ
して2.5gの乾燥エキス粉末を得た。
【0018】具体例2 シャクヤク4.0g、タイソウ4.0g、ショウキョウ
1.5g、ブクリョウ4.0g、ビャクジュツ4.0g
及びカンゾウ2.0g(桂枝去桂加茯苓白朮湯:19.
5g)に195gの精製水を加え、100°Cで1時間
加熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、スプレードラ
イして5.0gの乾燥エキス粉末を得た。
【0019】具体例3 カッコン4.0g、マオウ2.5g、カンゾウ1.0
g、ケイシ2.0g、シャクヤク2.0g、ショウキョ
ウ0.5g、サイコ4.0g、ハンゲ3.0g、オウゴ
ン2.0g及びセッコウ6.0g(柴かつ解肌湯:2
7.0g)に270gの精製水を加え、100°Cで1
時間加熱抽出した。得られた抽出液を濾過後、スプレー
ドライして4.0gの乾燥エキス粉末を得た。
【0020】具体例4 カッコン600g、オウレン300g、オウゴン300
g及びカンゾウ200g(かっ根黄連黄ごん湯:1.4
kg)に14lの精製水を加え、加熱し、100°Cに
なってから1時間抽出した。得られた抽出液を遠心分離
機にかけ、残渣を分離して溶液を得た。
【0021】この溶液を0.3μmのメンブランフィル
ター(東洋濾紙社製)により無菌清澄濾過した。得られ
た濾液をダイアフィルターG−10T(バイオエンジニ
アリング社製:分画分子量10000)を用いて限外濾
過した。この限外濾過は、内容積2.0lの容器の下面
に直径152mmの膜をセットし、圧力3kg/cm2
で行い、容器内の液が濃縮されるにつれ精製水を添加す
るというように実施した。この結果、限外濾過液を得
た。
【0022】具体例5 シャクヤク400g、タイソウ400g、ショウキョウ
150g、ブクリョウ400g、ビャクジュツ400g
及びカンゾウ200g(桂枝去桂加茯苓白朮湯:1.9
5kg)に19.5lの精製水を加え、加熱し、100
°Cになってから1時間抽出した。得られた抽出液を遠
心分離機にかけ、残渣を分離して溶液を得た。
【0023】この溶液を0.3μmのメンブランフィル
ター(東洋濾紙社製)により無菌清澄濾過した。得られ
た濾液をダイアフィルターG−10T(バイオエンジニ
アリング社製:分画分子量10000)を用いて限外濾
過した。この限外濾過は、内容積2.0lの容器の下面
に直径152mmの膜をセットし、圧力3kg/cm2
で行い、容器内の液が濃縮されるにつれ精製水を添加す
るというように実施した。この結果、限外濾過液を得
た。
【0024】具体例6 カッコン400g、マオウ250g、カンゾウ100
g、ケイシ200g、シャクヤク200g、ショウキョ
ウ50g、サイコ400g、ハンゲ300g、オウゴン
200g及びセッコウ600g(柴かつ解肌湯:2.7
kg)に27lの精製水を加え、加熱し、100°Cに
なってから1時間抽出した。得られた抽出液を遠心分離
機にかけ、残渣を分離して溶液を得た。
【0025】この溶液を0.3μmのメンブランフィル
ター(東洋濾紙社製)により無菌清澄濾過した。得られ
た濾液をダイアフィルターG−10T(バイオエンジニ
アリング社製:分画分子量10000)を用いて限外濾
過した。この限外濾過は、内容積2.0lの容器の下面
に直径152mmの膜をセットし、圧力3kg/cm2
で行い、容器内の液が濃縮されるにつれ精製水を添加す
るというように実施した。この結果、限外濾過液を得
た。
【0026】次に、実験例を示して、本発明の有効成分
がアルコール性肝障害の治療に有効な効果を有すること
について説明する。
【0027】実験例1 (アルコール・ピラゾール肝炎
に及ぼす影響) 約200gのウイスター系雄ラットを1群7匹として、
次の分類に従ったアルコール含有液体飼料(総カロリー
の36%がアルコール)で飼育した。
【0028】Al単独群(ネガティブ・コントロー
ル):アルコール以外に何も添加しないアルコール含有
液体飼料。 Al+Py群(ポジティブ・コントロール):2mMの
ピラゾールを添加したアルコール含有液体飼料。 A群:2mMのピラゾール及び具体例1で得られたかっ
根黄連黄ごん湯(0.5g/l)を添加したアルコール
含有液体飼料。 B群:2mMのピラゾール及び具体例2で得られた桂枝
去桂加茯苓白朮湯(1g/l)を添加したアルコール含
有液体飼料。 C群:2mMのピラゾール及び具体例3で得られた柴か
つ解肌湯(0.8g/l)を添加したアルコール含有液
体飼料。
【0029】上記5群では、A群をパイロット(pil
ot)とするグループ・ペアー・フィーディング(Gr
oup Pair−feeding)を12週間行っ
た。なお、アルコール・ピラゾール含有液体飼料の組成
の詳細は既報(Alcoholism:Exp.Cli
n.Res.,10:403,1986.)に従った。
【0030】血液生化学的検査として、後眼窩静脈洞よ
り、飼育前、飼育後2週間毎に採血して、血清GPT活
性、中性脂肪、蛋白量を経時的に測定するとともに、血
清トランスフェリン(transferrin)の微小
変異の出現状況についても分析した。飼育12週後に断
頭屠殺し、血清及び肝についての生化学的、組織学的検
討を行った。
【0031】血清GPT活性は、酵素法(Am.J.C
lin.Pathol.,28:56,1957.)に
よるキット(日本商事)を使用し、中性脂肪はフレッチ
ャー(Fletcher)らの方法(Clin.Chi
m.Acta,22:393,1968.)によるキッ
ト(和光)を使用して測定した。血清トランスフェリン
の微小変異の出現は、等電点電気泳動後、抗トランスフ
ェリン抗体を用いたウェスタン・ブロッティング(We
stern blotting)法(日消誌89:14
07,1992.)で分析した。血清及び肝総蛋白量は
ローリイ(Lowry)法(J.Biol.Che
m.,193:265,1951.)で測定し、肝総脂
肪量はクロロホルム・メタノールで抽出した後、加温に
よって蒸発乾固し、重量を測定した。また、肝のヒドロ
キシプロリン(hydroxyproline)量はキ
ビリコ(Kiviriko)らの方法(Anal.Bi
ochem.,19:249,1967.)で測定し
た。
【0032】肝の組織学的検討には、ホルマリン固定後
パラフィン包埋し、HE染色、アツァン−マロリー(A
zan−Mallory)染色、及び鍍銀染色を行っ
た。また、パラフィン包埋後の切片について、抗ラット
トランスフェリン抗体を用いたペロキシダーゼ(per
oxidase)標識法で染色し、肝内トランスフェリ
ンの蓄積状況についても検討した(Stain Tec
hnol.,55:307,1980.)。
【0033】成績は平均値±標準偏差値で表し、各群間
の比較の検定はステュデンツ・ティー・テスト(Stu
dent’s test)またはχ2検定で行っ
た。
【0034】上記実験で得られた結果について、以下に
詳細を説明する。
【0035】 血清GPT 血清GPTの経時的変化は図1の通りである。Al+P
y群では8週でやや上昇傾向を示し、10週からは明ら
かな上昇が認められたが、本発明の有効成分を添加した
A、B、Cの3群及びAl単独群では全経過を通してG
PTの明らかな上昇は、認められず、Al+Py群の1
0週及び12週のそれは、他の4群に比し有意に高い値
であった。
【0036】 血清トランスフェリンの微小変異 血清トランスフェリンの微小変異は、主としてAl+P
y群に出現した。その出現状況を経時的に分析すると、
表1の通りで、Al+Py群では8週より微小変異は半
数以上のラットに出現し、12週では1匹を除いたすべ
てのラットに認められた。一方、Al単独群では全経過
を通して全く出現せず、本発明の有効成分投与群ではA
群(かっ根黄連黄ごん湯)が10週に1例、12週で2
例、B群(桂枝去桂加茯苓白朮湯)が12週で1例、C
群(柴かつ解肌湯)が12週で1例にトランスフェリン
の微小変異が認められたのみであり、その出現頻度の差
は推計学的に有意であった。
【0037】表1 アルコール・ピラゾール肝炎実験各
群におけるトランスフェリンの微小変異の出現頻度(各
群7匹)
【0038】 肝の組織学的所見(肝細胞壊死、脂
肪沈着、肝細胞風船様変化、及び肝線維化) Al+Py群の肝の組織学的所見では、主として小葉中
心部での脂肪沈着、及び肝細胞の風船様変化が著明で、
肝細胞壊死も散見された(図2)。鍍銀染色では、中心
静脈の肥厚とその周辺の線維増生が認められた。さら
に、一部のラット肝では、中心静脈と中心静脈、あるい
は中心静脈と門脈域間に細い線維のブリッジ形成が認め
られた(図3)。しかし、本発明の有効成分投与群
(A、B、C群)では、肝細胞壊死や線維増生はまった
く認められず、軽度の脂肪沈着、肝細胞の風船様変化が
一部のラット肝に認められるのみで、肝組織所見はAl
+Py群に比較して明らかに軽微であった(図4、図
5)。肝細胞壊死、脂肪沈着、肝細胞風船様変化、及び
肝線維化の程度を、各所見が認められないものを
(−)、軽度に認められるものを(+)、中等度以上の
ものを(++)として分析すると、表2の通り、肝細胞
壊死と肝線維化はAl+Py群においてのみ認められ
た。肝細胞の風船様変化も、Al+Py群の全例に認め
られたが、その他の群では、本発明の有効成分投与群
(A、B、C群)の各1例ずつに認められたに過ぎず、
その出現頻度はAl+Py群に比較して有意に低率であ
った。
【0039】表2 アルコール・ピラゾール肝炎実験各
群における肝組織所見の比較(各群7匹)
【0040】 肝のトランスフェリン染色所見 肝のトランスフェリン染色所見は、Al+Py群のラッ
トで小葉中心部の風船様変化を示した肝細胞に染色さ
れ、変化のない肝細胞との境界にある肝細胞にとくに強
く染色された(図6)。本発明の有効成分投与群では、
A群(かっ根黄連黄ごん湯)の1例で軽度にトランスフ
ェリンが染色されたが、その他のラットの全てでトラン
スフェリンは染色されなかった(図7)。このトランス
フェリンの染色所見を、高度に染色されたものを(+
+)、軽度に染色されたものを(+)、染色されないも
のを(−)として分析すると、表3の通りで、Al+P
y群で1例を除き全ての例で高度に染色されたが、軽度
の1例は血清での微小変異の出現が明らかでなかった例
であった。本発明の有効成分投与群では、A群(かっ根
黄連黄ごん湯)のうち、軽度に染色された1例が見られ
たが、この例では血清トランスフェリンの微小変異が出
現していた。しかし、その他のラットではトランスフェ
リンの染色された例はなかった。
【0041】表3 アルコール・ピラゾール肝炎の肝の
トランスフェリン染色の程度(各群7匹)
【0042】 肝のヒドロキシプロリン量 肝のヒドロキシプロリン量についてみると、Al+Py
群では、Al群(1.0±0.2μmole)に比べて
有意に高い値(2.25±0.46μmole)であっ
たが、本発明の有効成分投与の3群ではネガティブ・コ
ントロールのAl群のそれよりやや高い値を示したが、
有意の差ではなく、Al+Py群に比較すれば有意に低
い値であった(表4)。
【0043】表4 アルコール・ピラゾール肝炎の肝ヒ
ドロキシプロリン量(各群7匹)
【0044】上記の結果より明らかなように、本発明の
有効成分は、アルコール性肝障害、特にアルコール性肝
炎の治療に有効な効果を有することが確認された。
【0045】尚、本発明の有効成分であるかっ根黄連黄
ごん湯、桂枝去桂加茯苓白朮湯及び柴かつ解肌湯は、漢
方薬として長い歴史を有し、安全性が確認されたもので
あるので安心して使用することができる。例えば、マウ
ス及びラットに対し、限界投与である15g/kgの経
口投与で死亡例が認められないことから明らかなように
極めて安全性の高いものである。
【0046】従って、本発明の有効成分であるかっ根黄
連黄ごん湯、桂枝去桂加茯苓白朮湯及び柴かつ解肌湯
は、アルコール性肝障害改善剤として有用である。
【0047】次に、本発明の有効成分の投与量及び製剤
化について説明する。
【0048】本発明の有効成分の投与形態としては、特
に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用され、錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤、注
射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
【0049】所期の効果を発揮するためには、患者の年
令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本発
明の有効成分の重量として2〜15gを、1日数回に分
けての服用が適当と思われる。
【0050】本発明の有効成分は、錠剤、カプセル剤、
顆粒剤等の経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マ
ンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスター
チ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0051】この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他
に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進
剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
それぞれの具体例は以下に示すごとくである。
【0052】[結合剤]デンプン、デキストリン、アラ
ビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロー
ス、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロ
ゴール。
【0053】[崩壊剤]デンプン、ヒドロキシプロピル
スターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチ
ルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0054】[界面活性剤]ラウリル硫酸ナトリウム、
大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート
80。
【0055】[滑沢剤]タルク、ロウ類、水素添加植物
油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ポリエチレングリコール。
【0056】[流動性促進剤]軽質無水ケイ酸、乾燥水
酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウム。
【0057】また、本発明の有効成分は、懸濁剤、エマ
ルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与す
ることができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着
色剤を含有してもよい。
【0058】一方、非経口剤は常法に従って製造され、
希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ
糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイ
ズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール等を用いることができる。さらに必要
に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。ま
た、この非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填
後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使
用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもでき
る。さらに、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防
腐剤、無痛化剤等を加えても良い。
【0059】次に本発明の有効成分の製剤の実施例を示
して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれ
により何ら制限されるものではない。
【0060】実施例1 具体例1で得られたかっ根黄連黄ごん湯200gを乳糖
89gおよびステアリン酸マグネシウム1gと混合し、
この混合物を単発式打錠機にて打錠して、直径20m
m、重量約2.3gのスラッグ錠を作り、これを、オシ
レーターにて粉砕し、整粒し、識別して20〜50メッ
シュの粒子の良好な顆粒剤を得た。この顆粒剤は、症状
に合わせて1回量0.5〜4.5g(かっ根黄連黄ごん
湯の乾燥エキス重量として0.34〜3.10gに相
当)を1日3回服用する。
【0061】実施例2 具体例2で得られた桂枝去桂加茯苓白朮湯200gを微
結晶セルロース20gおよびステアリン酸マグネシウム
5gと混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠し
て、直径7mm,重量225mgの錠剤を製造した。本
錠剤1錠中には桂枝去桂加茯苓白朮湯の乾燥エキスを2
00mg含有する。本錠剤は、症状に合わせて1日量2
〜16錠を1日3回服用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有効成分が、アルコール・ピラゾール
肝炎ラットの血清GPT値上昇を抑制することを示すグ
ラフである。
【符号の説明】
● A群 △ C群 ■ B群 ○ Al群 ★ p<0.01(各群7匹)
【図2】アルコール・ピラゾール肝炎ラットの肝組織を
示す写真である。
【図3】アルコール・ピラゾール肝炎ラットの肝組織を
鍍銀染色した写真である。
【図4】かっ根黄連黄ごん湯により、改善されたアルコ
ール・ピラゾール肝炎ラット肝組織をHE染色した写真
である。
【図5】かっ根黄連黄ごん湯により、改善されたアルコ
ール・ピラゾール肝炎ラット肝組織を鍍銀染色した写真
である。
【図6】アルコール・ピラゾール肝炎ラットの肝組織を
トランスフェリン染色した写真である。
【図7】かっ根黄連黄ごん湯により、改善されたアルコ
ール・ピラゾール肝炎ラットの肝組織をトランスフェリ
ン染色した写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かっ根黄連黄ごん湯、桂枝去桂加茯苓白
    朮湯及び柴かつ解肌湯から選ばれる少なくとも一つの処
    方を有効成分として含有するアルコール性肝炎改善剤。
JP5260421A 1993-09-27 1993-09-27 アルコール性肝障害改善剤 Pending JPH0789865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5260421A JPH0789865A (ja) 1993-09-27 1993-09-27 アルコール性肝障害改善剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5260421A JPH0789865A (ja) 1993-09-27 1993-09-27 アルコール性肝障害改善剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0789865A true JPH0789865A (ja) 1995-04-04

Family

ID=17347707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5260421A Pending JPH0789865A (ja) 1993-09-27 1993-09-27 アルコール性肝障害改善剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0789865A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100372022B1 (ko) * 2000-03-02 2003-02-14 조선무약합자회사 간경화의 예방 및 치료용 의약조성물
JP2011001348A (ja) * 2009-05-18 2011-01-06 Kaneka Corp 酒酔い又は二日酔い防止・軽減用組成物
CN104055883A (zh) * 2014-06-27 2014-09-24 青岛市市立医院 一种治疗急性肝损伤的药物组合物及其应用
CN108339051A (zh) * 2018-05-03 2018-07-31 云南彝山天宝生物医药有限公司 一种治疗化学性肝损伤的药物、制备方法及其应用
CN109620906A (zh) * 2019-02-14 2019-04-16 西藏维桢医药科技有限公司 一种用于预防和治疗酒精性肝损伤及解酒作用的组合物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100372022B1 (ko) * 2000-03-02 2003-02-14 조선무약합자회사 간경화의 예방 및 치료용 의약조성물
JP2011001348A (ja) * 2009-05-18 2011-01-06 Kaneka Corp 酒酔い又は二日酔い防止・軽減用組成物
CN104055883A (zh) * 2014-06-27 2014-09-24 青岛市市立医院 一种治疗急性肝损伤的药物组合物及其应用
CN108339051A (zh) * 2018-05-03 2018-07-31 云南彝山天宝生物医药有限公司 一种治疗化学性肝损伤的药物、制备方法及其应用
CN109620906A (zh) * 2019-02-14 2019-04-16 西藏维桢医药科技有限公司 一种用于预防和治疗酒精性肝损伤及解酒作用的组合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE3328262A1 (de) Arzneimittelzubereitung zur besserung von krebssymptomen
US5482712A (en) Galenic composition
JPH0725777A (ja) 神経栄養因子合成促進剤
JP2002538214A (ja) 心血管疾病治療用薬剤組成物及びその製造方法
CN1985891B (zh) 一种具有保肝作用的中药有效部位复方制剂及其制备方法
JPH0789865A (ja) アルコール性肝障害改善剤
JPH07206694A (ja) 肝炎治療薬
JPH0987187A (ja) アポトーシス抑制剤
CN1927324A (zh) 用于治疗妇女***中药制剂的制备方法
CN101953887A (zh) 用于防治糖尿病并发症的药物组合物及其制备方法
JPS6025933A (ja) 癌症状改善剤
CN101199606B (zh) 一种治疗肝病的药物
CN1730033A (zh) 一种治疗鼻炎的软胶囊及其制备方法
CN1939383B (zh) 红背叶根在制备治疗慢性肝炎药物中的应用
EP1395270B1 (de) Verwendung von phyllanthusbestandteilen zur herstellung eines arzneimittels zur prävention oder behandlung von infekten durch resistente hepatitis b-viren
JP2629251B2 (ja) 抗痴呆症剤
CN107536921B (zh) 一种治疗高脂蛋白血症的中药组合物及其应用
JPH0930983A (ja) アポトーシス抑制剤
CN109172756B (zh) 一种治疗肝病的中药组合物
CN101120969A (zh) 一种治疗糖尿病及其并发症的药物及其制备方法
CN103191224A (zh) 荷丹制剂的保肝护肝作用
CN116115724B (zh) 中药组合物、药物制剂及其制备方法和用途
JPH06211680A (ja) 神経細胞死抑制剤
CN101966324A (zh) 治疗慢性乙型肝炎肝纤维化的中药复方制剂及其制备方法
KR950012622B1 (ko) 버섯추출물을 함유한 건강식품