JPH0789019A - 液体包装用ラミネートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

液体包装用ラミネートフィルム及びその製造方法

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JPH0789019A
JPH0789019A JP5241009A JP24100993A JPH0789019A JP H0789019 A JPH0789019 A JP H0789019A JP 5241009 A JP5241009 A JP 5241009A JP 24100993 A JP24100993 A JP 24100993A JP H0789019 A JPH0789019 A JP H0789019A
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健 高原
Masanobu Okamura
正信 岡村
Yoshinori Yamada
義則 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンカーコート剤を用いることなく、基材であ
るポリエステルフィルムとヒートシール層であるポリエ
チレン系樹脂との間に優れた層間接着強度を有し、耐内
容物性に優れ、さらにポリエチレン臭などによる包装内
容物への臭気の汚染の少ないラミネートフィルム及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】ポリエステルフィルム等に、エチレン・メチル
アクリレート共重合樹脂を積層した液体包装用ラミネー
トフィルムである。また、上記のラミネートフィルムの
製造方法において、エチレン・メチルアクリレート共重
合樹脂を300℃以下の温度で溶融押出して、フィルム
状となし、前記溶融押出フィルムの少なくとも接合面に
1g/Nm3 以上のオゾンを含有する空気を0.5Nm
3 /hr以上の条件で吹き付ける液体包装用ラミネート
フィルムの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体包装用ラミネート
フィルム及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、
アンカーコート剤や接着剤を使用することなく優れた層
間接着力を有し、かつ包装袋とし、内容物、特に液体物
を充填した場合に、各種内容物に対する耐性に優れ、さ
らにポリエチレン臭の少ないラミネートフィルムとその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムは、機械的特性、寸
法安定性、耐熱性、耐寒性、透明性、耐薬品性、耐油性
などの優れた諸性質を有するため、食品包装をはじめと
して、多くの分野で包装材料として利用されている。
【0003】また、ポリエステルフィルムだけでは包装
材料としての要求物性を満たすことができない場合に
は、前記ポリエステルフィルムに各種樹脂フィルム、
紙、金属箔等をラミネートすることで要求物性を満足さ
せた各種ラミネートフィルムが基材として用いられてい
る。例えば、このようなラミネート基材の代表的な例と
しては、アルミニウム箔/ポリエステルフィルムが挙げ
られる。
【0004】また、包装用途によっては、包装容器用内
層材や袋状包装材として使用される場合が多く、そのた
め包装材料にヒートシール性を備えていることが必要で
ある。したがって、ヒートシール層として、食品などの
包装内容物に影響の少ない低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやエチレン−
酢酸ビニル共重合体などに代表されるポリエチレン系樹
脂フィルムを前記ポリエステルフィルム等の基材フィル
ムの内面に押出ラミネートしたラミネートフィルム及び
その製造方法が広く用いられている。
【0005】ここで、押出ラミネート法とは、例えば各
種樹脂フィルム、紙、金属箔、あるいはこれらのラミネ
ートフィルムを基材とし、溶融したポリエチレン、ポリ
プロピレン等の樹脂を押出機より押出し、フィルム状に
製膜するとともに、前記各種基材へ圧着ラミネートする
方法である。すなわち、押出ラミネート法とは、一方の
樹脂、この場合ポリエチレン系樹脂を溶融して、基材と
熱融着させる方法である。
【0006】しかしながら、ポリエステルフィルム上に
ポリエチレン系樹脂を溶融押出ラミネートする場合、ポ
リエステルフィルムはその結晶性から、またポリエチレ
ン系樹脂フィルムはその不活性性から、両者に親和性が
なく、双方のフィルムを未処理のまま押出しラミネート
を行っても相互の熱融着性がない。
【0007】そのため、ポリエチレン系樹脂の押出ラミ
ネートにおいては、通常ポリエチレン系樹脂を310℃
以上の高温で溶融押出し、空気との接触によって表面を
酸化活性化させて、さらに、アンカーコート処理を施し
た基材へ圧着ラミネートする方法が多く用いられてい
る。
【0008】しかし、ポリエチレン系樹脂を310℃以
上の高温で溶融押し出した場合、ポリエチレン系樹脂が
分解し、低分子物質の発生によるポリエチレン臭と呼ば
れる異臭が発生するため、食品等を充填するための包装
材料としては問題があった。
【0009】この問題を解決するために、低密度ポリエ
チレン系樹脂を260℃以下の温度で押出し、少なくと
も溶融フィルムの片面に1g/m3 以上のオゾンを含有
する気体を50ml/m2 以上の割合で吹き付け、しか
る後にアンカーコート層を有する別製の包装材料用基材
シートのアンカーコート層面と低密度ポリエチレン樹脂
フィルムのオゾン処理面とを密接するように重ね合わせ
押圧し、ラミネートフィルムを製造する方法が開示され
ている。(特開昭57−102318)
【0010】しかしながら、前述の場合においても、基
材にアンカーコート処理を施したものを使用している。
ここで述べたアンカーコート処理に使用されるアンカー
コート剤としては、イソシアネート系、有機チタネート
系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系樹脂等が
挙げられるが、耐水性、耐湿性、耐ボイル性などの性能
に優れ、その用途の巾広さからイソシアネート系のアン
カーコート剤が最も多く用いられている。
【0011】しかし、イソシアネート系アンカーコート
剤は、少なくとも24〜48時間程度のエージング期間
が必要であったり、また希釈剤として酢酸エチル、トル
エン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤を使用するた
め、溶剤の揮発による作業環境を悪化、および防災上の
問題や、接着剤の乾燥が不十分な場合、これらの有機溶
剤がラミネートフィルム内に残留し、包装内容物への着
臭の原因となったり、あるいは有機溶剤の使用によりコ
ストアップにつながるといった数多くの問題点を含んで
おり、改善が望まれていた。
【0012】さらには、このようにして得られたラミネ
ートフィルムは、内容物として水、食用油、アルコール
などの成分を含有する液体食品を充填包装した場合、内
容物と接するヒートシール樹脂層から、これらの成分が
透過しやすい性質を有しているため、これら浸透性内容
物によって接着界面、すなわち基材であるポリエステル
フィルムとヒートシール樹脂層のポリエチレン系樹脂と
の層間を貼り合わせるのに使用している前記アンカーコ
ート剤が侵されるため、アンカーコート剤成分の溶出
や、経時によるラミネートフィルムの層間での接着強度
を低下させ、ついには層間剥離を起こさせてしまうとい
った問題点が指摘されるようになった。
【0013】特に、これらの揮発性、浸透性の高い内容
物に対しては、バリアー性を付与するため包装材料構成
の中に金属箔、主にアルミニウム箔を用いることが多い
のだが、かえってこれらの非常に活性な内容物の浸透を
アルミニウム箔で遮断することで、アルミニウム箔より
内容物側に存在する包装材料の接着界面に、これらの内
容物が多く蓄積されることとなり、前述のようにアンカ
ーコート層が存在するとアンカーコート剤成分の溶出
や、接着強度の劣化が避けられないのが現状であった。
【0014】したがって、このような問題点について、
包装食品の高級化、本物指向化による低臭包装化、およ
び包装食品の多様化が進むにつれ、これらの点を解消す
るラミネートフィルムの開発が強く望まれてきている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来供
されていたポリエステルフィルムまたは前記フィルムを
含むラミネートフィルムのポリエステルフィルム面とポ
リエチレン系樹脂とを押出しラミネートする製造方法で
は、アンカーコート剤の使用やポリエチレン臭などによ
る包装内容物の味覚、臭気の劣化が厳しく指摘されるよ
うになり、また、近年の包装内容物の多様化にともな
い、内層のポリエチレン系樹脂フィルムを通って浸透し
やすい食品については、味覚の劣化はもとより、場合に
よっては、充分な接着強度を長期間維持することさえ困
難となっているのが現状である。
【0016】本発明は、このような現状を考慮してなさ
れたもので、かかる問題点を解消すべく、前記アンカー
コート剤を用いることなく、基材であるポリエステルフ
ィルムとヒートシール層であるポリエチレン系樹脂との
間に優れた層間接着強度を有し、かつヒートシール樹脂
層を通して浸透しやすい水、アルコール、油等の成分を
含む液体内容物に対しての耐内容物性に優れ、さらにポ
リエチレン臭などによる包装内容物への臭気の汚染の少
ないラミネートフィルム及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明は、ポリエステルフィルムまたはポリエステ
ルフィルムを接合面に設けたラミネートフィルムに、エ
チレン・メチルアクリレート共重合樹脂を積層した液体
包装用ラミネートフィルムである。また、本発明は、ポ
リエステルフィルム、またはポリエステルフィルムを接
合面に設けたラミネートフィルムのいずれかから成る基
材に、ポリエチレン系樹脂を溶融押出しラミネートする
包装用ラミネートフィルムにおいて、前記ポリエチエレ
ン系樹脂がエチレン・メチルアクリレート共重合樹脂で
あり、前記樹脂を300℃以下の温度で溶融押出して、
フィルム状となし、前記溶融押出フィルムの少なくとも
接合面に1g/Nm3 以上のオゾンを含有する空気を
0.5Nm3 /hr以上の条件で吹き付け、次いで、前
記基材のポリエステルフィルム面にオゾン処理を施した
前記溶融押出フィルムを圧着ラミネートすることを特徴
とする液体包装用ラミネートフィルムの製造方法であ
る。
【0018】本発明におけるポリエステルとは、ジカル
ボン酸とジオール成分との縮合法によって得られるエス
テル基を含有するポリマーの総称であり、ジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロへキサン
ジカルボン酸などが例示できる。また、ジオール成分と
しては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコールなどが例示できる。また、
2種類以上のジカルボン酸やジオールから得た共重合体
や、さらに他のモノマーやポリマーを共重合させたもの
でも良い。代表的な例としては、テレフタル酸とエチレ
ングリコールとから成るポリエチレンテレフタレートが
挙げられる。
【0019】本発明のラミネートフィルムの基材となる
ポリエステルフィルム5とは、上記ポリエステルより成
形されたフィルムであって、通常、二軸延伸されたもの
であり、厚みは1〜200μm程度である。また、ポリ
エステルフィルムの被ラミネート面にはあらかじめ、コ
ロナ放電処理が施してあっても良い。または、押出しラ
ミネートを行う際に、インラインでポリエステルフィル
ム5の被ラミネート面にコロナ処理を行っても良い。
【0020】また、基材として、上記ポリエステルフィ
ルム5を接合面にもつラミネートフィルムを用いても良
い。このようなラミネートフィルム2としては、上記ポ
リエステルフィルム5と金属箔、樹脂シート、金属ある
いは無機酸化物の蒸着フィルムをラミネートしたもの、
あるいはポリエステルフィルム5に直接金属または無機
酸化物を蒸着したものなどが用いることができる。
【0021】金属箔としては、アルミニウム箔、金箔、
銀箔、銅箔などが例示できる。また、樹脂シートとして
は、ナイロン樹脂、セロファン、ポリプロピレン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、またはこれらの樹脂に塩化ビニリデン樹脂をコ
ートしたフィルムなどが例示できる。これらの金属箔お
よび樹脂シートの厚みは10〜200μm程度が望まし
い。蒸着フィルムとしては、アルミニウム、金、銀、
銅、錫など、およびこれらの金属を含む合金などの金属
や酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなど
の無機酸化物を前述の樹脂シートおよびポリエステルフ
ィルムに蒸着したものが使用できる。この蒸着の厚み
は、100〜2000Åの範囲が適当である。これらの
ラミネートされた基材のうち代表的な例としては、液体
食品包材やバリヤー性包材などとして用いられるポリエ
ステル/アルミニウム箔構成が挙げられる。
【0022】基材として前記ラミネートフィルム2を用
い、上述の例のように金属箔などのバリアー性の高いも
のを用いる場合は、基材に使用するポリエステルフィル
ム5に、その表面に改質層をコーティングしたタイプを
用いるのは注意が必要である。このような改質層は一般
的に水系物質をコーティングしているため、改質層自体
の耐内容物性が弱いため、バリアー性の高いフィルムな
どとラミネートされ、浸透してきた内容物がバリアー性
フィルムによってバリアーされ、内部への蓄積量が増す
と、改質層への内容物による汚染が進みやすくなり、つ
いには層間での接着強度の劣化が生じるようになるから
である。したがって、このようなポリエステルフィルム
を用いる際は、改質層の耐内容物性を確認した上で用い
ることが必要である。
【0023】本発明にかかるエチレン・メチルアクリレ
ート共重合樹脂1とは、エチレンとメチルアクリレート
とを共重合して得られた樹脂である。このエチレン・メ
チルアクリレート共重合樹脂1としては、押出機10に
て押出ラミネート加工が可能であることが必要であり、
そのため、密度は0.930〜0.942g/cm3、
MFRは2〜9g/10分、メチルアクリレート含有量
は6.5〜20%のものが使用できる。
【0024】メチルアクリレート含有量が20%以上で
は、押出機10より押し出した際に、ベタつき、冷却ロ
ール30にくっつき易くなり、加工性を悪くする。ま
た、6.5%以下では、基材2との接着が期待できなく
なる。
【0025】エチレン・メチルアクリレート共重合樹脂
1を押し出すための押出機10は、特に制限はなく、一
般的な樹脂シート成形用押出機が使用できる。また、エ
チレン・メチルアクリレート共重合樹脂1は、金属との
接着性が弱いため、他の押出ラミネート用に使用されて
いるエチレン系共重合樹脂、例えばエチレン・アクリル
酸共重合樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン・メタクリ
ル酸共重合樹脂等と比較して、使用後の樹脂交換が簡易
であり、押出機内部の金属の腐食性もないため、押出加
工適性、経済性の点でも非常に優れた樹脂である。
【0026】このエチレン・メチルアクリレート共重合
樹脂1を押出機10より溶融押出しを行う際の押出し温
度は、300℃以下が好ましく、さらに好ましくは、2
00〜300℃の範囲である。押出し温度が200℃以
下では、樹脂を押し出すには粘度が高く、押出機10へ
も大きな負荷がかかり、安定して溶融樹脂1をフィルム
状に成形することが難しい。さらに、溶融樹脂1の濡れ
性も低いため、基材2との接着強度も充分に得ることは
できない。また、300℃を越えると、溶融樹脂1の酸
化が多くなり、それに伴って樹脂から発生するポリエチ
レン臭がひどくなるため、包装内容物の味覚・臭気を損
ねてしまう。また、この時の押出厚みは、通常10〜2
00μm程度で良い。
【0027】このエチレン・メチルアクリレート共重合
樹脂1へのオゾン処理は、押出機10よりフィルム状に
樹脂を押し出した後、基材2とラミネートするまでの間
隙(エアーギャップという)において、溶融樹脂1の基
材2とラミネートを行う少なくとも一方の面に向けて、
オゾンを含有する気体を吹き付けることよりなされる。
オゾンを含有する気体は、押出機10のTーダイの下の
エアーギャップの間に設置されたノズルまたはスリット
状の吹出口40から、押し出された溶融樹脂面あるいは
基材とのラミネート部に向けて吹き付けられる。
【0028】また、吹き付ける気体中のオゾン濃度は1
g/Nm3 以上が好ましく、その吹き付け量は単位時間
当たり0.5Nm3 以上であることが望ましい。ただ
し、オゾン濃度を高くしすぎると、接着力を向上させる
面では有効であるが、オゾン処理を行うべき樹脂面の反
対面に裏回りする恐れがある。この現象によって、ラミ
ネートしたフィルム3を巻き取りロール60にて巻き取
った際に、非接着面同士をも接着させてしまい、ブロッ
キングといわれる不良現象を引き起こしてしまう。さら
には、袋状とするためエチレン・メチルアクリレート共
重合樹脂1のヒートシールを行う際に、シール面の酸化
によってシール性の低下を生じさせたり、さらには過剰
なオゾンの供給によって、周囲へ毒性のあるオゾンの飛
散が懸念されるため、押出機10の大きさに見合ったオ
ゾン濃度で押出ラミネート加工を行うことが望ましい。
【0029】さらに、オゾンを吹き付ける量についても
増やしすぎると、風量が強くなったことにより押し出し
た溶融樹脂フィルムの膜揺れによる押出加工性の低下
や、溶融樹脂1の冷却による濡れ性の低下から基材2と
の接着性が悪くなったりするため、オゾン吹き付け量に
関しても過剰な供給は避けることが望ましい。
【0030】また、押し出されたエチレン・メチルアク
リレート共重合樹脂1の両面からオゾン含有気体を吹き
付け、一方を基材2とラミネートし、もう一方をヒート
シール可能な樹脂フィルム80、例えばポリエチレン系
樹脂フィルムとサンドイッチラミネートすることも可能
である。(図3) この際、エチレン・メチルアクリレート共重合樹脂1と
他のポリエチレン系樹脂とは、同種のフィルムであるた
めアンカーコート剤を使用しなくても容易に接着する
が、300℃以下の温度でエチレン・メチルアクリレー
ト共重合樹脂1が押し出されているため、濡れ性および
接着に必要なフィルム表面の活性化の点で若干不安が残
る。そのため、より強固な接着を求めるためにオゾン処
理を行うことが効果的である。この場合のエチレン・メ
チルアクリレート共重合樹脂1の押出厚みは、5〜50
μm程度が、またヒートシール可能な樹脂フィルムの厚
みとしては、10〜200μm程度が適当である。
【0031】さらには、エチレン・メチルアクリレート
共重合樹脂1と基材2を押出ラミネートした後に、さら
にエチレン・メチルアクリレート共重合樹脂面にヒート
シール可能な樹脂80の押出ラミネートを行っても良
い。この場合のヒートシール可能な樹脂としては、押出
機にて押出し可能であり、エチレン・メチルアクリレー
ト樹脂とアンカー剤を使用することなく接着することが
可能である低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂を
用いるのが望ましい。
【0032】以上のようにして、得られたラミネートフ
ィルム3は、そのヒートシール層であるポチエチレン系
樹脂同士をヒートシールして、袋状となし、内容物を充
填包装して実用に供される。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳しく説
明する。 <実施例1>図2に示したような装置を用い、基材とし
て厚さ7μmのアルミニウム箔と厚さ12μmの二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績
(株)製E5100、片面コロナ処理)とのラミネート
フィルム2を用い、巻き出しロール60より繰り出し
て、インラインにて接合面となるポリエチレンテレフタ
レートフィルム面にコロナ放電処理装置50にてコロナ
放電処理を施した。一方、密度が0.940g/c
3 、MFRが6g/10分、メチルアクリレート含有
量が20%のエチレン・メチルアクリレート共重合樹脂
を押出機10のT−ダイより(表1)に示す条件でフィ
ルム状に押出し、溶融押出しフィルムの片面に向けてT
−ダイより下20mm程度の位置に設置したオゾン処理
バー40によって、オゾン濃度15g/Nm3 の空気を
流量1Nm3 /hrで吹き付けることでオゾン処理を行
った。その後、前記溶融樹脂フィルムのオゾン処理面と
ラミネート基材の二軸延伸ポチエチレンテレフタレート
フィルム面とを冷却ロール30(表面がマット仕上げの
もの)とニップロール20(シリコーンゴム製)との間
で圧着ラミネートを行い、図1に示すようなラミネート
フィルム3を得た。
【0034】得られたラミネートフィルムのエチレン・
メチルアクリレート共重合樹脂面に、さらにヒートシー
ル層として、密度0.916g/cm3 、MFR12g
/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(三井石油化学工
業(株)製 15100C)を(表2)に示す条件にて
押出しラミネートを行い、評価用のラミネートフィルム
とした。このラミネートフィルムの直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂層同士をヒートシールすることにより、10
0×100mmの大きさの袋を作製した。ヒートシール
条件は、160℃、2kgf/cm2 、1秒である。
【0035】得られた袋の中に(表3)に示した条件に
て各内容物を充填、保存し、経時による基材の二軸延伸
ポチエチレンテレフタレートフィルムとエチレン・メチ
ルアクリレート共重合樹脂積層フィルムとの間の層間接
着強度(g/15mm)およびラミネートフィルム同士
のヒートシール強度(kg/15mm)について測定を
行った。その結果を(表4)に示す。
【0036】(表4)より、実施例1によれば、各種液
体内容物に対してアンカーコート剤を使用することなく
して、高い接着強度およびヒートシール強度を維持して
おり、極めて耐内容物性に優れた包装材料であるといえ
る。また、押出ラミネート加工中、および押出しラミネ
ート加工後に臭気に対する官能検査を行ったが結果は良
好であった。
【0037】<実施例2>実施例1で、基材をアルミニ
ウム箔と二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
のラミネートフィルムの代わりに、厚み12μmの二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム単層に変えた
他は、同一条件にてラミネートフィルムを作製し、同様
の評価を行った。その結果を(表4)に示す。実施例1
同様、アンカーコート剤を使用することなく、高い耐内
容物性を維持していることがわかる。
【0038】<比較例1>実施例1でオゾン処理を行わ
ない他は全て同一条件にてラミネートフィルムを作製
し、同様の評価を行った。その結果を(表4)に示す。
比較例1は、初期強度はアンカーコート剤を使用しなく
ても充分高いものの、経時によって、内容物の浸透の影
響を受け、層間の接着強度およびヒートシール強度の低
下が見られており、包装材料として耐内容物性に関し不
満足な結果を得た。
【0039】<比較例2>実施例1に示したエチレンー
メチルアクリレート共重合樹脂の代わりに、密度;0.
916g/cm3 、MFR;12g/10分の直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂を用い、他は同一条件にてラミネ
ートフィルムを作製し、評価を行った。その結果を(表
4)に示す。比較例2においても、経時によって、各種
内容物に層間の接着強度およびヒートシール強度の低下
が見られ、包装材料として充分な耐内容物性が得られて
いない結果を得た。
【0040】<比較例3>実施例1に示したエチレン・
メチルアクリレート共重合樹脂の代わりに、密度;0.
940g/cm3 、MFR;8g/10分、メタクリル
酸含有量;9wt%のエチレン・メタクリル酸共重合樹
脂を用いた他は、同一条件にてラミネートフィルムを作
製し、その評価を行った。その結果を(表4)に示す。
比較例3では、耐内容物性が充分ではないことがわか
る。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のラミネート
フィルムを用いれば、アンカーコート剤を用いることな
く、良好な接着強度を示し、かつ袋状として内容物を充
填包装した場合、経時によって強度の低下が少なく、極
めて優れた耐内容物性、特にヒートシール樹脂層を通過
して浸透性しやすい水、アルコール、油などの成分を含
む液体食品に対しでさえも耐性を有している包装材料を
得ることができる。これにより、包装材料としての必要
物性を維持するばかりでなく、包装内容物へのアンカー
コート剤成分、あるいは残留溶剤成分の溶出を招く恐れ
をなくすることが可能となり、内容物への味覚・臭気面
での劣化防止を施すことを可能とした優れた包装用ラミ
ネートフィルムを得ることができ、包装材料分野へ多大
な貢献を果たすものである。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装用ラミネートフィルムの一実施例
を示す断面説明図である。
【図2】本発明の積層フィルムの製造ラインを示す一実
施例を示す概略説明図である。
【図3】本発明の積層フィルムの製造ラインを示す他の
一実施例を示す概略説明図である。
【符合の説明】
1…エチレン・メチルアクリレート共重合樹脂 2…基材 3…ラミネートフィルム 4…金属箔、各種樹脂シート、蒸着膜等 5…二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム 10…押出機 20…ニップロール 30…冷却ロール 40…オゾン処理バー 50…コロナ放電処理装置 60…巻き出しロール 70…巻き取りロール 80…ヒートシール可能樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/30 7148−4F C08J 7/00 CES A 7310−4F // C08L 23:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムまたはポリエステル
    フィルムを接合面に設けたラミネートフィルムに、エチ
    レン・メチルアクリレート共重合樹脂を積層した液体包
    装用ラミネートフィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステルフィルムまたはポリエステル
    フィルムを接合面に設けたラミネートフィルムのいずれ
    かから成る基材に、ポリエチレン系樹脂を溶融押出ラミ
    ネートする包装用ラミネートフィルムの製造方法におい
    て、前記ポリエチレン系樹脂が、エチレン・メチルアク
    リレート共重合樹脂であり、前記樹脂を300℃以下の
    温度で溶融押出して、フィルム状となし、前記溶融押出
    フィルムの少なくとも接合面に1g/Nm3 以上のオゾ
    ンを含有する空気を0.5Nm3 /hr以上の条件で吹
    き付け、次いで、前記基材のポリエステルフィルム面に
    オゾン処理を施した前記溶融押出フィルムを圧着ラミネ
    ートすることを特徴とする液体包装用ラミネートフィル
    ムの製造方法。
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