JPH0785971A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
エレクトロルミネッセンス素子Info
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- JPH0785971A JPH0785971A JP5231589A JP23158993A JPH0785971A JP H0785971 A JPH0785971 A JP H0785971A JP 5231589 A JP5231589 A JP 5231589A JP 23158993 A JP23158993 A JP 23158993A JP H0785971 A JPH0785971 A JP H0785971A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 発光層がII族元素とVIb族元素からなる化合
物であって、かつ岩塩型構造をとる母材に付活剤を添加
したものからなり、上記発光層のX線回折における(2
20)面の半値幅が0.15度より大きく0.4度以下
または(200)面の半値幅が0.11度より大きく
0.3度以下であり、かつ上記発光層の格子定数が、母
材物質の結晶粉末の格子定数の99%以上100.5%
未満である薄膜エレクトロルミネッセンス素子。 【効果】 高輝度に発光し、かつ急峻な輝度−電圧特性
を示すEL素子を作製できる。
物であって、かつ岩塩型構造をとる母材に付活剤を添加
したものからなり、上記発光層のX線回折における(2
20)面の半値幅が0.15度より大きく0.4度以下
または(200)面の半値幅が0.11度より大きく
0.3度以下であり、かつ上記発光層の格子定数が、母
材物質の結晶粉末の格子定数の99%以上100.5%
未満である薄膜エレクトロルミネッセンス素子。 【効果】 高輝度に発光し、かつ急峻な輝度−電圧特性
を示すEL素子を作製できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界の印加に応じて発
光を示すエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素
子と略す。)に関するものである。
光を示すエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素
子と略す。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ZnSやZnSe等の母材にMn等の付
活剤をドープしたものに高電圧を印加することで発光す
るエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略する。)
の現象は古くから知られている。特に、二重絶縁層型E
L素子の開発により輝度および寿命が飛躍的に向上し、
EL素子は、薄型ディスプレイとして現在市販されるま
でに至った。
活剤をドープしたものに高電圧を印加することで発光す
るエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略する。)
の現象は古くから知られている。特に、二重絶縁層型E
L素子の開発により輝度および寿命が飛躍的に向上し、
EL素子は、薄型ディスプレイとして現在市販されるま
でに至った。
【0003】EL素子の発光色は、発光層を構成する母
材と付活剤の組合せで決まる。例えば、ZnS母材に付
活剤としてMnをドープすると黄橙色、Tbをドープす
ると緑色のEL発光が得られる。また、SrS母材にC
eをドープすると青緑色、CaS母材にEuをドープす
ると赤色のEL発光が得られる。しかしながら、現在薄
膜EL素子の分野において、実用レベルの輝度に達して
いるものはZnS母材にMnをドープした黄橙色の系の
みである。フルカラーの薄膜型ディスプレイには、青、
緑、赤の3原色を発光するEL素子が必要であり、現
在、各色の実用レベルの輝度および急峻な輝度−電圧特
性を有するEL素子の開発が精力的に進められている。
材と付活剤の組合せで決まる。例えば、ZnS母材に付
活剤としてMnをドープすると黄橙色、Tbをドープす
ると緑色のEL発光が得られる。また、SrS母材にC
eをドープすると青緑色、CaS母材にEuをドープす
ると赤色のEL発光が得られる。しかしながら、現在薄
膜EL素子の分野において、実用レベルの輝度に達して
いるものはZnS母材にMnをドープした黄橙色の系の
みである。フルカラーの薄膜型ディスプレイには、青、
緑、赤の3原色を発光するEL素子が必要であり、現
在、各色の実用レベルの輝度および急峻な輝度−電圧特
性を有するEL素子の開発が精力的に進められている。
【0004】高輝度発光を示し、急峻な輝度−電圧特性
を示すEL素子を製造するためには、発光層の高結晶化
を図ることが一つの有望な条件であると考えられてき
た。そこで、発光層の成膜時の基板温度を高くしたり、
発光層作成後に真空中或いは不活性ガス雰囲気下で高温
熱処理するなどの方法がとられてきた。発光層の結晶性
を向上させるための手段として、特公昭63ー4611
7号公報、特開平1ー272093号公報および特開平
3−225792号公報に、発光層を成膜後H2 S中で
熱処理することが記載されている。特に特開平3−22
5792号公報には、650℃以上、1時間以上のH2
S熱処理により、SrS:Ce系においてSrS発光層
のX線回折の(220)面の半値幅が0.4度、また同
じく(200)面の半値幅が0.3度を有し、最高輝度
12000cd/m2 という高輝度に発光するEL素子
が得られている。
を示すEL素子を製造するためには、発光層の高結晶化
を図ることが一つの有望な条件であると考えられてき
た。そこで、発光層の成膜時の基板温度を高くしたり、
発光層作成後に真空中或いは不活性ガス雰囲気下で高温
熱処理するなどの方法がとられてきた。発光層の結晶性
を向上させるための手段として、特公昭63ー4611
7号公報、特開平1ー272093号公報および特開平
3−225792号公報に、発光層を成膜後H2 S中で
熱処理することが記載されている。特に特開平3−22
5792号公報には、650℃以上、1時間以上のH2
S熱処理により、SrS:Ce系においてSrS発光層
のX線回折の(220)面の半値幅が0.4度、また同
じく(200)面の半値幅が0.3度を有し、最高輝度
12000cd/m2 という高輝度に発光するEL素子
が得られている。
【0005】また、特開昭63−236294号公報
に、発光層原料に硫黄を供給することにより、SrS発
光層母体の格子定数が6.07以下、(111)面の半
値幅が0.21度以下になり、最大輝度1000cd/
m2 の発光が得られるという記述がある。しかしなが
ら、前記のような従来技術では最高輝度は高いが、輝度
−電圧特性が急峻でないという問題点があった。
に、発光層原料に硫黄を供給することにより、SrS発
光層母体の格子定数が6.07以下、(111)面の半
値幅が0.21度以下になり、最大輝度1000cd/
m2 の発光が得られるという記述がある。しかしなが
ら、前記のような従来技術では最高輝度は高いが、輝度
−電圧特性が急峻でないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高輝度で、
かつ輝度−電圧特性の急峻なEL素子を提供することを
目的とする。
かつ輝度−電圧特性の急峻なEL素子を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる状況下において、
本発明者らは、鋭意検討した結果、高輝度に発光し、か
つ急峻な輝度−電圧特性を示す薄膜EL素子を見いだし
本発明を成すに至った。従来の技術で述べたように、特
開昭63−236294号公報に、発光層原料に硫黄を
供給することにより、SrS発光層母体の格子定数が
6.07以下となってSrS粉末の格子定数に近づき、
かつ(111)面の半値幅が0.21度以下になり、最
大輝度1000cd/m2 の発光が得られるという記載
がある。該公報の実施例においては、粉末の格子定数に
近づいた最も小さい格子定数として6.05Åが得られ
ている。
本発明者らは、鋭意検討した結果、高輝度に発光し、か
つ急峻な輝度−電圧特性を示す薄膜EL素子を見いだし
本発明を成すに至った。従来の技術で述べたように、特
開昭63−236294号公報に、発光層原料に硫黄を
供給することにより、SrS発光層母体の格子定数が
6.07以下となってSrS粉末の格子定数に近づき、
かつ(111)面の半値幅が0.21度以下になり、最
大輝度1000cd/m2 の発光が得られるという記載
がある。該公報の実施例においては、粉末の格子定数に
近づいた最も小さい格子定数として6.05Åが得られ
ている。
【0008】しかしながら、本発明の、SrS、Ca
S、BaS等のII族元素とVI族元素(但し、酸素を除
く。)からなる岩塩型構造を有する母材からなる発光層
のX線回折において、(220)面の半値幅が0.15
度より大きく0.4度以下または同じく(200)面の
半値幅が0.11度より大きく0.3度以下の結晶性を
有する発光層は、一般に発光層の格子定数が母材の粉末
結晶の格子定数よりも小さくなる。このような半値幅を
有する領域において、発光層の格子定数が母材結晶粉末
の格子定数の99%以上、100.5%未満の時高輝度
で、かつ急峻な輝度−電圧特性を有するEL素子が得ら
れることを見いだした。
S、BaS等のII族元素とVI族元素(但し、酸素を除
く。)からなる岩塩型構造を有する母材からなる発光層
のX線回折において、(220)面の半値幅が0.15
度より大きく0.4度以下または同じく(200)面の
半値幅が0.11度より大きく0.3度以下の結晶性を
有する発光層は、一般に発光層の格子定数が母材の粉末
結晶の格子定数よりも小さくなる。このような半値幅を
有する領域において、発光層の格子定数が母材結晶粉末
の格子定数の99%以上、100.5%未満の時高輝度
で、かつ急峻な輝度−電圧特性を有するEL素子が得ら
れることを見いだした。
【0009】すなわち、本発明は、以下のとおりであ
る。 1.II族元素とVIb族元素(但し、酸素を除く。)から
なる化合物であって、かつ岩塩型構造をとる母材に付活
剤を添加した発光層を有する薄膜エレクトロルミネッセ
ンス素子において、上記発光層のX線回折における(2
20)面の半値幅が0.15度より大きく0.4度以下
または(200)面の半値幅が0.11度より大きく
0.3度以下であり、かつ上記発光層の格子定数が母材
物質の結晶粉末の格子定数の99%以上100.5%未
満であること特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンス
素子。 2.SrS母材に付活剤を添加した発光層を有する薄膜
エレクトロルミネッセンス素子において、上記発光層の
X線回折における(220)面の半値幅が0.15度よ
り大きく0.4度以下または(200)面の半値幅が
0.11度より大きく0.3度以下であり、かつ上記発
光層の格子定数が6.005Å以上、6.05未満であ
ることを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンス素
子。
る。 1.II族元素とVIb族元素(但し、酸素を除く。)から
なる化合物であって、かつ岩塩型構造をとる母材に付活
剤を添加した発光層を有する薄膜エレクトロルミネッセ
ンス素子において、上記発光層のX線回折における(2
20)面の半値幅が0.15度より大きく0.4度以下
または(200)面の半値幅が0.11度より大きく
0.3度以下であり、かつ上記発光層の格子定数が母材
物質の結晶粉末の格子定数の99%以上100.5%未
満であること特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンス
素子。 2.SrS母材に付活剤を添加した発光層を有する薄膜
エレクトロルミネッセンス素子において、上記発光層の
X線回折における(220)面の半値幅が0.15度よ
り大きく0.4度以下または(200)面の半値幅が
0.11度より大きく0.3度以下であり、かつ上記発
光層の格子定数が6.005Å以上、6.05未満であ
ることを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンス素
子。
【0010】本発明は、EL素子に関するものである。
本発明におけるEL素子の構造は特に限定されない。E
L素子の構造としては二重絶縁層型、片側絶縁層型等を
挙げることができ、好ましい例としては二重絶縁層型を
挙げることができる。本発明においては、発光層のX線
回折のおける(220)面の半値幅が0.15度より大
きく0.4度以下または(200)面の半値幅が0.1
1度より大きく0.3度以下である。発光層のX線回折
における(220)面の半値幅が0.4度より大きく、
かつ(200)面の半値幅が0.3度より大きい場合
は、結晶性が不十分で高い輝度が得られない。また、発
光層のX線回折における(220)面の半値幅が0.1
5度以下または(200)面の半値幅が0.11度以下
の非常に結晶性の高い発光層では、その高結晶性が故に
格子定数の大きさに関係なく高輝度で、かつ急峻な輝度
−電圧特性を示すEL素子が得られる。
本発明におけるEL素子の構造は特に限定されない。E
L素子の構造としては二重絶縁層型、片側絶縁層型等を
挙げることができ、好ましい例としては二重絶縁層型を
挙げることができる。本発明においては、発光層のX線
回折のおける(220)面の半値幅が0.15度より大
きく0.4度以下または(200)面の半値幅が0.1
1度より大きく0.3度以下である。発光層のX線回折
における(220)面の半値幅が0.4度より大きく、
かつ(200)面の半値幅が0.3度より大きい場合
は、結晶性が不十分で高い輝度が得られない。また、発
光層のX線回折における(220)面の半値幅が0.1
5度以下または(200)面の半値幅が0.11度以下
の非常に結晶性の高い発光層では、その高結晶性が故に
格子定数の大きさに関係なく高輝度で、かつ急峻な輝度
−電圧特性を示すEL素子が得られる。
【0011】さらに、本発明においては、発光層の格子
定数が、母材物質の結晶粉末の格子定数の99%以上1
00.5%未満であることが必要であり、好ましくは9
9.5%以上、100.3%以下である。発光層の格子
定数が母材結晶粉末の格子定数に近い一定の範囲にある
場合に、高輝度で、かつ輝度−電圧特性の急峻なEL素
子が得られる。II族元素とVIb族元素(但し、酸素を除
く。)からなる化合物では、VIb族元素の欠陥が生じ易
く、発光層の格子定数が母材の結晶粉末の格子定数の9
9%未満では、輝度−電圧特性の急峻なEL素子は得ら
れない。また、発光層の格子定数が母材結晶粉末の格子
定数の100.5%より大きい場合も、不純物の混入や
過剰のVIb族元素等が原因ではないかと推測されるが、
結晶の完全性が不十分であるために急峻な輝度−電圧特
性は得られない。
定数が、母材物質の結晶粉末の格子定数の99%以上1
00.5%未満であることが必要であり、好ましくは9
9.5%以上、100.3%以下である。発光層の格子
定数が母材結晶粉末の格子定数に近い一定の範囲にある
場合に、高輝度で、かつ輝度−電圧特性の急峻なEL素
子が得られる。II族元素とVIb族元素(但し、酸素を除
く。)からなる化合物では、VIb族元素の欠陥が生じ易
く、発光層の格子定数が母材の結晶粉末の格子定数の9
9%未満では、輝度−電圧特性の急峻なEL素子は得ら
れない。また、発光層の格子定数が母材結晶粉末の格子
定数の100.5%より大きい場合も、不純物の混入や
過剰のVIb族元素等が原因ではないかと推測されるが、
結晶の完全性が不十分であるために急峻な輝度−電圧特
性は得られない。
【0012】発光層母材がSrSの場合、発光層の格子
定数が6.005Å以上、6.05Å未満のとき、特に
高輝度で、かつ輝度−電圧特性の急峻なEL素子が得ら
れる。本発明における付活剤は特に限定されないが、C
e、Eu、Pr、Tb、Tm、Sm、Nd、Dy、H
o、Er、Mn、Cu等から選ばれる少なくとも一つ以
上の元素を含む化合物を挙げることができる。該化合物
の種類も特に限定されないが、例えばハロゲン化物、硫
化物、酸化物などを挙げることができる。本発明におけ
る付活剤の濃度は特に限定されないが、あまり少ないと
発光輝度が上がらず、また、あまり多すぎると発光層の
結晶性が悪くなったり、濃度消光が起こって輝度が上が
らない。好ましくは、母材のII族元素に対して0.01
〜5mol%の範囲であり、より好ましくは0.05〜
2mol%の範囲である。
定数が6.005Å以上、6.05Å未満のとき、特に
高輝度で、かつ輝度−電圧特性の急峻なEL素子が得ら
れる。本発明における付活剤は特に限定されないが、C
e、Eu、Pr、Tb、Tm、Sm、Nd、Dy、H
o、Er、Mn、Cu等から選ばれる少なくとも一つ以
上の元素を含む化合物を挙げることができる。該化合物
の種類も特に限定されないが、例えばハロゲン化物、硫
化物、酸化物などを挙げることができる。本発明におけ
る付活剤の濃度は特に限定されないが、あまり少ないと
発光輝度が上がらず、また、あまり多すぎると発光層の
結晶性が悪くなったり、濃度消光が起こって輝度が上が
らない。好ましくは、母材のII族元素に対して0.01
〜5mol%の範囲であり、より好ましくは0.05〜
2mol%の範囲である。
【0013】本発明における発光層中には、電荷補償剤
としてアルカリ金属のハロゲン化物を含有させても良
い。アルカリ金属のハロゲン化物としては、LiF、L
iCl、LiBr、LiI、NaCl、NaBr、Na
I、KCl、KBr、KI等が挙げられるが、中でもK
Clが好ましい。本発明におけるX線回折測定は、理学
製X線回折装置(RAD−B))を用いて行った。入射
X線としてはCuKβ線(管球電圧 50kV 管球電
流 160mA)を用いた。また、光学系で用いたD
S、SS、RS、RSMの各スリットの大きさはそれぞ
れ1/2、1/2、0.15、0.6である。本発明に
おけるX線回折ピークの半値幅は、ピークの高さ(ピー
ク極大値のカウント数からバックグラウンドのカウント
数を差し引いた値)の半分の値での該ピークの幅を求め
たものである。また、本発明における格子定数は、例え
ば岩塩型構造を有する発光層母材がSrSの場合、Sr
S(220)面および(200)面の回折角から求めた
ものである。
としてアルカリ金属のハロゲン化物を含有させても良
い。アルカリ金属のハロゲン化物としては、LiF、L
iCl、LiBr、LiI、NaCl、NaBr、Na
I、KCl、KBr、KI等が挙げられるが、中でもK
Clが好ましい。本発明におけるX線回折測定は、理学
製X線回折装置(RAD−B))を用いて行った。入射
X線としてはCuKβ線(管球電圧 50kV 管球電
流 160mA)を用いた。また、光学系で用いたD
S、SS、RS、RSMの各スリットの大きさはそれぞ
れ1/2、1/2、0.15、0.6である。本発明に
おけるX線回折ピークの半値幅は、ピークの高さ(ピー
ク極大値のカウント数からバックグラウンドのカウント
数を差し引いた値)の半分の値での該ピークの幅を求め
たものである。また、本発明における格子定数は、例え
ば岩塩型構造を有する発光層母材がSrSの場合、Sr
S(220)面および(200)面の回折角から求めた
ものである。
【0014】本発明における発光層母材の結晶粉末の格
子定数とは、文献値で、例えばSrSの場合には6.0
2Å、CaSの場合には5。69Åであるが、上記測定
条件によって結晶粉末の格子定数を測定した場合にも同
じ値が得られる。本発明における発光層の作製方法は特
に限定されない。例えば、塗布、電子線加熱蒸着、スパ
ッタ蒸着、抵抗加熱蒸着、MBE、MOCVD、ALE
法などの多くの方法が選択できる。
子定数とは、文献値で、例えばSrSの場合には6.0
2Å、CaSの場合には5。69Åであるが、上記測定
条件によって結晶粉末の格子定数を測定した場合にも同
じ値が得られる。本発明における発光層の作製方法は特
に限定されない。例えば、塗布、電子線加熱蒸着、スパ
ッタ蒸着、抵抗加熱蒸着、MBE、MOCVD、ALE
法などの多くの方法が選択できる。
【0015】本発明における発光層の膜厚は特に限定さ
れないが、薄すぎると発光輝度が低く、厚すぎると発光
開始電圧が高くなるため、好ましくは50〜3000n
mの範囲であり、より好ましくは100〜1500nm
の範囲である。本発明における発光層の作製法の好まし
い例として、例えば岩塩型構造を有する発光層母材がS
rSの場合、発光層を、SrS、Sr化合物、およ
び付活剤からなる混合物層を硫化性ガス雰囲気下で加
熱処理することによって作製する方法を挙げることがで
きる。のSr化合物としては、酸化物、硫酸塩、炭酸
塩、硝酸塩、ハロゲン化物およびこれらの混合物等が好
ましく、中でも硫酸塩、ハロゲン化物およびこれらの混
合物が好ましい。また、混合物層におけるSrSに対
するSr化合物の好ましい組成比は、少なすぎるとそ
の効果が出現せず、多すぎると熱処理後の発光層の特性
がかえって悪くなるため、好ましくはに対して0.0
1mol%〜50mol%、より好ましくは0.05m
ol%〜40mol%である。
れないが、薄すぎると発光輝度が低く、厚すぎると発光
開始電圧が高くなるため、好ましくは50〜3000n
mの範囲であり、より好ましくは100〜1500nm
の範囲である。本発明における発光層の作製法の好まし
い例として、例えば岩塩型構造を有する発光層母材がS
rSの場合、発光層を、SrS、Sr化合物、およ
び付活剤からなる混合物層を硫化性ガス雰囲気下で加
熱処理することによって作製する方法を挙げることがで
きる。のSr化合物としては、酸化物、硫酸塩、炭酸
塩、硝酸塩、ハロゲン化物およびこれらの混合物等が好
ましく、中でも硫酸塩、ハロゲン化物およびこれらの混
合物が好ましい。また、混合物層におけるSrSに対
するSr化合物の好ましい組成比は、少なすぎるとそ
の効果が出現せず、多すぎると熱処理後の発光層の特性
がかえって悪くなるため、好ましくはに対して0.0
1mol%〜50mol%、より好ましくは0.05m
ol%〜40mol%である。
【0016】この例における混合物層の作製方法は特に
限定されない。例えば、塗布、電子線加熱蒸着、スパッ
タ蒸着、抵抗加熱蒸着、MBE、MOCVD、ALE法
などの多くの方法が選択できるが、中でもスパッタ法で
作製した混合物層の場合に本発明の効果が特に顕著に出
現して好ましい。また、混合物層を作製するための原料
も特に限定されない。例えば、真空蒸着法によって混合
物層を作製する場合、、、の混合物を原料として
用いる方法、、、をそれぞれ独立に原料として用
いる方法、Sr元素の原料としてSr金属または化合物
を用い、S成分をガス状態で成膜雰囲気に導入する方法
等が挙げられる。熱処理に用いられる硫化性ガスは、例
えば硫化水素、二硫化炭素、硫黄蒸気、エチルメチルカ
プタン、メチルメルカプタン、ジメチル硫黄、ジエチル
硫黄等が挙げられるが、硫化水素が本発明の効果が顕著
に出現して好ましい。硫化性ガスの濃度としては、好ま
しくは0.01〜100mol%、より好ましくは0.
1〜30mol%である。希釈ガスとしてはAr、He
等の不活性ガスが用いられる。また、加熱処理の好まし
い温度、時間は母材や反応性ガスの種類に依存するが、
温度は、好ましくは200℃から1200℃の範囲であ
り、より好ましくは300℃から1000℃の範囲であ
る。時間は、好ましくは、0.01時間から10時間の
範囲であり、より好ましくは0.1時間から6時間の範
囲である。
限定されない。例えば、塗布、電子線加熱蒸着、スパッ
タ蒸着、抵抗加熱蒸着、MBE、MOCVD、ALE法
などの多くの方法が選択できるが、中でもスパッタ法で
作製した混合物層の場合に本発明の効果が特に顕著に出
現して好ましい。また、混合物層を作製するための原料
も特に限定されない。例えば、真空蒸着法によって混合
物層を作製する場合、、、の混合物を原料として
用いる方法、、、をそれぞれ独立に原料として用
いる方法、Sr元素の原料としてSr金属または化合物
を用い、S成分をガス状態で成膜雰囲気に導入する方法
等が挙げられる。熱処理に用いられる硫化性ガスは、例
えば硫化水素、二硫化炭素、硫黄蒸気、エチルメチルカ
プタン、メチルメルカプタン、ジメチル硫黄、ジエチル
硫黄等が挙げられるが、硫化水素が本発明の効果が顕著
に出現して好ましい。硫化性ガスの濃度としては、好ま
しくは0.01〜100mol%、より好ましくは0.
1〜30mol%である。希釈ガスとしてはAr、He
等の不活性ガスが用いられる。また、加熱処理の好まし
い温度、時間は母材や反応性ガスの種類に依存するが、
温度は、好ましくは200℃から1200℃の範囲であ
り、より好ましくは300℃から1000℃の範囲であ
る。時間は、好ましくは、0.01時間から10時間の
範囲であり、より好ましくは0.1時間から6時間の範
囲である。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例で具体的に説明する。
【0018】
【実施例1】ガラス基板上にITO電極、Ta2 O5 、
SiO2 、ZnS薄膜を順次形成した。次に、SrS、
SrSに対して0.3mol%のCeF3 および同3m
ol%のSrSO4 を混合した粉末をターゲットに用い
てスパッタ蒸着を行い混合物層を形成した。成膜時の基
板温度は約250℃とし、混合物層の厚みは約800n
mとした。上記混合物層を2mol%の硫化水素を含む
アルゴンガス雰囲気中、724℃で4時間加熱処理を行
い、発光層を作製した。作製した発光層のSrS(22
0)面および(200)面の半値幅は、それぞれ0.3
3度、0.24度であり、格子定数は6.010Åであ
った。発光層の上に、ZnS、SiO2、Ta2 O5 、
Al電極の順に形成し、素子を作製した。
SiO2 、ZnS薄膜を順次形成した。次に、SrS、
SrSに対して0.3mol%のCeF3 および同3m
ol%のSrSO4 を混合した粉末をターゲットに用い
てスパッタ蒸着を行い混合物層を形成した。成膜時の基
板温度は約250℃とし、混合物層の厚みは約800n
mとした。上記混合物層を2mol%の硫化水素を含む
アルゴンガス雰囲気中、724℃で4時間加熱処理を行
い、発光層を作製した。作製した発光層のSrS(22
0)面および(200)面の半値幅は、それぞれ0.3
3度、0.24度であり、格子定数は6.010Åであ
った。発光層の上に、ZnS、SiO2、Ta2 O5 、
Al電極の順に形成し、素子を作製した。
【0019】素子は、高輝度でかつ輝度−電圧特性の急
峻性が良好であり、1kHz、sin波駆動で測定した
場合の発光開始電圧+60V印加した時の輝度は100
0cd/m2 であった。
峻性が良好であり、1kHz、sin波駆動で測定した
場合の発光開始電圧+60V印加した時の輝度は100
0cd/m2 であった。
【0020】
【実施例2】SrS、SrSに対して0.3mol%の
CeF3 を混合したターゲット1、SrBr2 およびS
rCl2 をモル比で3:2の割合で混合したターゲット
2の二つのターゲットを用いて二元のスパッタ蒸着を行
い混合物層を形成したこと以外は実施例1と同様にして
EL素子を作製した。作製した発光層のSrS(22
0)面、(200)面の半値幅は、それぞれ0.35
度、0.26度であり、格子定数は6.009Åであっ
た。
CeF3 を混合したターゲット1、SrBr2 およびS
rCl2 をモル比で3:2の割合で混合したターゲット
2の二つのターゲットを用いて二元のスパッタ蒸着を行
い混合物層を形成したこと以外は実施例1と同様にして
EL素子を作製した。作製した発光層のSrS(22
0)面、(200)面の半値幅は、それぞれ0.35
度、0.26度であり、格子定数は6.009Åであっ
た。
【0021】素子は、高輝度でかつ輝度−電圧特性の急
峻性が良好であり、1kHz、sin波駆動で測定した
場合の発光開始電圧+60V印加した時の輝度は900
cd/m2 であった。
峻性が良好であり、1kHz、sin波駆動で測定した
場合の発光開始電圧+60V印加した時の輝度は900
cd/m2 であった。
【0022】
【実施例3】CaS、CaSに対して0.3mol%の
EuF3 および同3mol%のSrSO4 を混合した粉
末をターゲットに用いて混合物層を形成したこと以外は
実施例1と同様にしてEL素子を作製した。作製した発
光層のCaS(220)面、(200)面の半値幅は、
それぞれ0.35度、0.26度であり、格子定数は
5.638Åであった。
EuF3 および同3mol%のSrSO4 を混合した粉
末をターゲットに用いて混合物層を形成したこと以外は
実施例1と同様にしてEL素子を作製した。作製した発
光層のCaS(220)面、(200)面の半値幅は、
それぞれ0.35度、0.26度であり、格子定数は
5.638Åであった。
【0023】素子は、高輝度でかつ輝度−電圧特性の急
峻性が良好であり、1kHz、sin波駆動で測定した
場合の発光開始電圧+60V印加した時の輝度は200
cd/m2 であった。
峻性が良好であり、1kHz、sin波駆動で測定した
場合の発光開始電圧+60V印加した時の輝度は200
cd/m2 であった。
【0024】
【比較例1】SrSおよびSrSに対して0.3mol
%のCeF3 を混合した粉末をターゲットに用いて混合
物層を作製した以外は、実施例1と同様にしてEL素子
を作製した。作製した発光層のSrS(220)面、
(200)面の半値幅は、それぞれ0.40度、0.3
0度であり、格子定数は5.94Åであった。
%のCeF3 を混合した粉末をターゲットに用いて混合
物層を作製した以外は、実施例1と同様にしてEL素子
を作製した。作製した発光層のSrS(220)面、
(200)面の半値幅は、それぞれ0.40度、0.3
0度であり、格子定数は5.94Åであった。
【0025】素子は、輝度−電圧特性の急峻性が悪く、
1kHz、sin波駆動で測定した場合の発光開始電圧
+60V印加した時の輝度は500cd/m2 であっ
た。
1kHz、sin波駆動で測定した場合の発光開始電圧
+60V印加した時の輝度は500cd/m2 であっ
た。
【0026】
【比較例2】CaSおよびCaSに対して0.3mol
%のEuF3 を混合した粉末をターゲットに用いて混合
物層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてEL素
子を作製した。作製した発光層のCaS(220)面、
(200)面の半値幅は、それぞれ0.40度、0.3
0度であり、格子定数は5.595Åであった。
%のEuF3 を混合した粉末をターゲットに用いて混合
物層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてEL素
子を作製した。作製した発光層のCaS(220)面、
(200)面の半値幅は、それぞれ0.40度、0.3
0度であり、格子定数は5.595Åであった。
【0027】素子は、高輝度でかつ輝度−電圧特性の急
峻性が悪く、1kHz、sin波駆動で測定した場合の
発光開始電圧+60V印加した時の輝度は100cd/
m2であった。
峻性が悪く、1kHz、sin波駆動で測定した場合の
発光開始電圧+60V印加した時の輝度は100cd/
m2であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、高輝度で、かつ急峻な
輝度−電圧特性を有するEL素子を提供することができ
る。
輝度−電圧特性を有するEL素子を提供することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 II族元素とVIb族元素(但し、酸素を除
く。)からなる化合物であって、かつ岩塩型構造をとる
母材に付活剤を添加した発光層を有する薄膜エレクトロ
ルミネッセンス素子において、上記発光層のX線回折に
おける(220)面の半値幅が0.15度より大きく
0.4度以下または(200)面の半値幅が0.11度
より大きく0.3度以下であり、かつ上記発光層の格子
定数が、母材物質の結晶粉末の格子定数の99%以上1
00.5%未満であること特徴とする薄膜エレクトロル
ミネッセンス素子。 - 【請求項2】 SrS母材に付活剤を添加した発光層を
有する薄膜エレクトロルミネッセンス素子において、上
記発光層のX線回折における(220)面の半値幅が
0.15度より大きく0.4度以下または(200)面
の半値幅が0.11度より大きく0.3度以下であり、
かつ上記発光層の格子定数が6.005Å以上、6.0
5Å未満であることを特徴とする薄膜エレクトロルミネ
ッセンス素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5231589A JPH0785971A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | エレクトロルミネッセンス素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5231589A JPH0785971A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | エレクトロルミネッセンス素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0785971A true JPH0785971A (ja) | 1995-03-31 |
Family
ID=16925889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5231589A Withdrawn JPH0785971A (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | エレクトロルミネッセンス素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0785971A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1049915C (zh) * | 1995-04-06 | 2000-03-01 | 中国科学院上海光学精密机械研究所 | 制备紫外可见x射线写入红外读出的光学材料的方法 |
CN102925154A (zh) * | 2012-11-23 | 2013-02-13 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种基于硫化物的三掺杂电子俘获材料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP5231589A patent/JPH0785971A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1049915C (zh) * | 1995-04-06 | 2000-03-01 | 中国科学院上海光学精密机械研究所 | 制备紫外可见x射线写入红外读出的光学材料的方法 |
CN102925154A (zh) * | 2012-11-23 | 2013-02-13 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种基于硫化物的三掺杂电子俘获材料及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |