JPH0785524A - 光磁気記録装置 - Google Patents

光磁気記録装置

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JPH0785524A
JPH0785524A JP5228538A JP22853893A JPH0785524A JP H0785524 A JPH0785524 A JP H0785524A JP 5228538 A JP5228538 A JP 5228538A JP 22853893 A JP22853893 A JP 22853893A JP H0785524 A JPH0785524 A JP H0785524A
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JP
Japan
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recording
magnetic field
layer
medium
magnetization
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JP5228538A
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English (en)
Inventor
Kazutomo Miyata
一智 宮田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高レベル書き込みパワーおよび再生パワーが
大きく取れ、かつ、熱クロストークも生じないような光
変調方式のオーバーライト記録再生装置の提供。 【構成】 それぞれ垂直磁化膜からなるメモリー層とラ
イティング層の少なくとも2層を含み、メモリー層の磁
化の向きを変えることなくライティング層の磁化の向き
を所定の向きに揃える初期化を行なうことができる光変
調方式でオーバーライト可能な光磁気記録媒体用の記録
再生装置であって、媒体の前記初期化を行なう初期化磁
界印加手段と,記録時に記録すべき2値化情報にしたが
って高低2つのレベル間でパルス変調された記録用レー
ザービームを媒体に照射して情報の記録を行ない再生時
には変調しない一定強度の再生用のレーザービームを照
射するレーザービーム照射手段とを有する記録再生装置
において、前記初期化磁界印加手段は記録直前に媒体上
のこれから記録が行なわれる領域のみを初期化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録磁界の向きを変調さ
せずに、光ビームの強度変調だけでオーバーライトを行
う光磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光変調オーバーライトは記録磁界は変調
させずに、光ビームだけを情報に応じて変調させる記録
方式である。オーバーライト(over write)とは、前の情
報を消去せずに新たな情報を重ねて記録することにより
記録された情報を書き換える行為を言う。オーバーライ
トを行なった場合、オーバーライトされた記録領域にお
いては、前に記録されていた情報が消去されていなけれ
ばならない、言い換えると、再生(情報読み取り)した
ときに、新たに記録された情報のみが再生され、前の情
報は再生されないようになっていなければならない。本
明細書で言う「オーバーライト」とは、特に、記録磁界
Hb の向き及び強度を変調せずに、単にレーザービーム
を記録すべき情報に従いパルス変調しながら照射する(i
rradiate)ことにより、オーバーライトすることを言
う。
【0003】最近、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
【0004】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、記録を残す層として1層又は多層からなる垂直
磁化膜(perpendicular magnetic layer or layers) を
有する。この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGd
Co、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCoなどからなる。垂直磁
化膜は、一般に同心円状又はらせん状のトラックを有し
ており、このトラックの上に情報が記録される。トラッ
クは明示的な場合と黙示的な場合の2通りある。
【0005】〔明示的なトラック〕光磁気記録媒体はデ
ィスク形状をしている。明示的なトラックを有するディ
スクは、ディスク平面に対し垂直方向から見た場合、情
報を記録するトラックが渦巻状又は同心円状に形成され
ている。そして、隣接する2つのトラック間にトラッキ
ングのため及び分離のための溝(グルーブ groove )が
存在する。逆に溝と溝の間をランド(land)と呼ぶ。実際
には、ディスクの裏表でランドと溝が逆になる。そこ
で、ビームが入射するのと同じにディスクを見て、手前
を溝、奥をランドと呼ぶ。垂直磁化膜は、溝の上にもラ
ンドの上にも一面に形成するので、溝の部分をトラック
にしてもよいし、ランドの部分をトラックにしてもよ
い。溝の幅とランドの幅との間に特に大小関係はない。
このようなランドと溝を構成するために、一般に、基板
には、表面に渦巻状又は同心円状に形成されたランド
と、2つの隣合うランド間に挟まれた溝が存在する。こ
のような基板上に薄く垂直磁化膜が形成される。これに
より垂直磁化膜はランドと溝を持つ。
【0006】〔マーク〕本明細書では、膜面に対し「上
向き(upward) 」又は「下向き(downward)」の何れか一
方を、「A向き」、他方を「逆A向き」と定義する。記
録すべき情報は、予め2値化されており、この情報が
「A向き」の磁化を有するマーク(B1)と、「逆A向
き」の磁化を有するマーク(B0)の2つの信号で記録さ
れる。これらのマークB1 ,B0 は、デジタル信号の
1,0の何れか一方と他方にそれぞれ相当する。しか
し、一般には記録されるトラックの磁化は、記録前に強
力な外部磁場を印加することによって「逆A向き」に揃
えられる。この磁化の向きを揃える行為は、古い意味で
「初期化* (initialize* )」と呼ばれる。その上でト
ラックに「A向き」の磁化を有するマーク(B1)を形成
する。情報は、このマーク(B1)の有無、位置、マーク
の前端位置、後端位置、マーク長等によって表現され
る。特にマークのエッジ位置が情報を表す方法はマーク
長記録と呼ばれる尚、マークは、過去にピット又はビッ
トと呼ばれたことがあるが、最近はマークと呼ぶ。
【0007】ところで、記録ずみの媒体を再使用するに
は、 (1) 媒体を再び初期化* 装置で初期化* するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッドを
併設するか、又は (3) 予め、前段処理として記録装置
又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要があ
る。従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ
情報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき
るオーバーライトは、不可能とされていた。もっとも、
もし記録磁界Hb の向きを必要に応じて「A向き」と
「逆A向き」との間で自由に変調することができれば、
オーバーライトが可能になる。しかしながら、記録磁界
Hb の向きを高速度で変調することは不可能である。例
えば、記録磁界Hb が永久磁石である場合、磁石の向き
を機械的に反転させる必要がある。しかし、磁石の向き
を高速で反転させることは、無理である。記録磁界Hb
が電磁石である場合にも、大容量の電流の向きをそのよ
うに高速で変調することは不可能である。
【0008】しかしながら、技術の進歩は著しく、記録
磁界Hb の強度を変調せずに(ON、OFF を含む) 又は記
録磁界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強
度を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オー
バーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用され
るオーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれ
に使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明さ
れ、特許出願された(特開昭62−175948号=DE3,619,61
8A1 =米国特許出願中 Ser.No453,255) 。以下、この発
明を「基本発明」と引用する。
【0009】〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本
的に垂直磁化可能な磁性薄膜からなる記録再生層record
ing layer(本明細書では、この記録再生層をメモリー
層 Memory layer又はM層と言う)と、垂直磁化可能な
磁性薄膜からなる記録補助層 reference layer(本明細
書では、この記録補助層をライティング層 Writing la
yer 又はW層と言う)とを含み、両層は交換結合(exch
ange-coupled) しており、かつ、室温でM層の磁化の向
きは変えないでW層の磁化のみを所定の向きに向けてお
くことができるオーバーライト可能な多層光磁気記録媒
体」を使用する。そして、情報をM層(場合によりW層
にも)における「A向き」磁化を有するマークと「逆A
向き」磁化を有するマークで表現し、記録するのであ
る。
【0010】この媒体は、W層が外部手段(例えば初期
補助磁界Hini. )によって、その磁化の向きを「A向
き」に揃えることができる。しかも、そのとき、M層
は、磁化の向きは反転せず、更に、一旦「A向き」に揃
えられたW層の磁化の向きは、M層からの交換結合力を
受けても反転せず、逆にM層の磁化の向きは、「A向
き」に揃えられたW層からの交換結合力を受けても反転
しない。そして、W層は、M層に比べて低い保磁力HC
と高いキュリー点TC を持つ。基本発明の記録方法によ
れば、記録媒体は、記録前までに、外部手段によりW層
の磁化の向きだけが「A向き」に揃えられる。この行為
を本明細書では特別に“初期化(initialize)”と呼ぶ。
この“初期化”はオーバーライト可能な媒体に特有なこ
とである。
【0011】その上で、2値化情報に従いパルス変調さ
れたレーザービームが媒体に照射される。レーザービー
ムの強度は、高レベルPH と低レベルPL があり、これ
はパルスの高レベルと低レベルに相当する。この低レベ
ルは、再生時に媒体を照射する再生レベルPR よりも高
い。既に知られているように、記録をしない時にも、例
えば媒体における所定の記録場所をアクセスするために
レーザービームを<非常な低レベル>で点灯することが
ある。この<非常な低レベル>も、再生レベルPR と同
一又は近似のレベルである。
【0012】例えば、「A向き」に“初期化(initializ
e)”された媒体は、低レベルPL のレーザービームの照
射を受けると、媒体の温度が向上してM層の保磁力Hc1
が非常に小さくなるか極端にはゼロになる。ゼロになる
のは、媒体の温度がM層のキュリー点以上であるときで
ある。このとき、W層の保磁力Hc2は十分に大きく、
「逆A向き」の記録磁界Hb で反転されることはない。
そして、W層の力が交換結合力を介してM層に及ぶ。M
層、W層は、一般に重希土類金属(heavy rare earth m
etal:以下、REと略す)−遷移金属(transition met
al:以下、TMと略す)合金で構成される。交換結合力
は、両層のRE磁気モーメント同士を揃える力と両層の
TM磁気モーメント同士を揃える力からなる。尚、合金
中ではREの副格子磁化とTMの副格子磁化とは、向き
が逆であり、大きい方の副格子磁化の向きが、合金の磁
化の向きを決める。両副格子磁化が等しいとき、その組
成を補償組成(compensation composition) と言い、そ
の温度を補償温度(compensation temperature) と言
う。補償温度より上では、TM副格子磁化の方が強く、
補償温度より下では、RE副格子磁化の方が強い。
【0013】レーザービームを照射する前のマークの状
態は、M層とW層との間に界面磁壁が存在する状態と、
存在しない状態との2種がある。存在しない状態のマー
クは、形成しようとするマークと一致する。存在する状
態のマークは、形成しようとするマークと一致しない。
後者 の場合、W層の力が交換結合力を介してM層に及
ぶ結果、非常に小さくなった保磁力Hc1を持つM層の磁
化は、W層によって支配された所定の向き(例えば、
「A向き」)を向かされる。その結果、M層とW層との
間に界面磁壁が存在しないマーク(目的とするマーク)
が形成される。
【0014】仮にM層の磁化がゼロだった場合(Tc1
上)でもレーザービームの照射がなくなり、媒体の温度
が自然に低下してキュリー点Tc1よりやや下がると、M
層に磁化が現れる。このとき、同様にW層の力が交換結
合力を介してM層に及ぶ。そのため、M層に現れる磁化
は、W層によって支配された所定の向き(例えば、「A
向き」)を向く。この状態から室温に戻るが、所定の向
きが保たれる。ただし、室温へ戻る途中にM層、W層に
補償温度があると、そこを越えたとき、その層の磁化の
向きは逆転する。このプロセスは低温サイクル又は低温
プロセスと呼ばれる。
【0015】他方、例えば、「A向き」に“初期化(ini
tialize)”された媒体は、高レベルPH のレーザービー
ムの照射を受けると、媒体の温度が向上してM層の保磁
力Hc1はゼロになり、W層の保磁力Hc2は非常に小さく
なるか、極端にはゼロになる。そのため、非常に小さい
保磁力Hc2を持つW層の磁化は、記録磁界Hb に負けて
所定の向き(例えば、「逆A向き」)を向く。仮にW層
の磁化がゼロだった場合でもレーザービームの照射がな
くなり、媒体の温度が自然に低下して キュリー点Tc2
よりやや下がると、W層に磁化が現れるが、このとき、
同様に記録磁界Hb に負けて、W層の磁化は所定の向き
(例えば、「逆A向き」)を向く。更に媒体の温度が冷
えてキュリー点Tc1よりやや下がると、M層に磁化が現
れる。このとき、W層の力が交換結合力を介してM層に
及ぶ。そのため、M層に現れる磁化は、W層によって支
配された所定の向き(例えば、「逆A向き」)を向く。
この状態から室温に戻るが、所定の向きが保たれる。但
し、室温へ戻る途中にM層、W層に補償温度があると、
そこを越えたとき、M層、W層の磁化の向きは逆転す
る。このプロセスは高温サイクル又は高温プロセスと呼
ばれる。
【0016】以上の低温サイクル、高温サイクルは、M
層、W層の磁化の向きに無関係に、起こる。ともかく、
レーザービームの照射前にW層が“初期化(initializ
e)”されていれば良い。そのため、オーバーライトが可
能となる。
【0017】基本発明では、レーザービームは、記録す
べき情報に従いパルス状に変調される。しかし、このこ
と自身は、従来の光磁気記録でも行われており、記録す
べき2値化情報に従いビーム強度をパルス状に変調する
手段は既知の手段である。例えば、THE BELL SYSTEM
TECHNICAL JOURNAL, Vol.62(1983),1923 −1936に詳
しく説明されている。従って、ビーム強度の必要な高レ
ベルと低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部
修正するだけで容易に入手できる。当業者にとって、そ
のような修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与
えられれば、容易である。
【0018】基本発明に於いて特徴的なことの1つは、
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手段
によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(re
verse)させ、このW層の「逆A向き」磁化によってM層
に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕を有するマ
ークを形成する。ビーム強度が低レベルの時は、W層の
磁化の向きは、“初期化”状態と変わらず、そして、W
層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝わ
る)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き」
磁化〕を有するマークを形成する。なお、本明細書で、
○○○〔又は△△△〕という表現は、先に〔 〕の外の
○○○を読んだときには、以下の○○○〔又は△△△
のときにも、〔 〕の外の○○○を読むことにする。そ
れに対して先に○○○を読まずに〔 〕内の△△△の方
を選択して読んだときには、以下の○○○〔又は△△
〕のときにも○○○を読まずに〔 〕内の△△△を読
むものとする。
【0019】基本発明で使用される媒体は、第1実施態
様と第2実施態様とに大別される。いずれの実施態様に
おいても、記録媒体は、M層とW層を含む多層構造を有
する。M層は、室温で保磁力が高く磁化反転温度が低い
磁性層である。W層はM層に比べ相対的に室温で保磁力
が低く磁化反転温度が高い磁性層である。なお、M層と
W層ともに、それ自体多層膜から構成されていてもよ
い。場合によりM層とW層との間に中間層(例えば、交
換結合力σW 調整層・・・・以下、この層をInt.層と略
す)が存在していてもよい。Int.層については、特開昭
64−50257 号や特開平1−273248号を参照されたい。ま
た、オーバーライト可能な光磁気記録については、その
外、特開平4−123339号や特開平4−134741号など多く
の資料が出されているので、ここでは、これ以上の説明
を省く。なお、特開平4−123339号に開示された4層構
造のディスクは、M層、W層の外に、“初期化”層 (In
itializing layer:以下、I層と略す)、I層とW層と
の間に両層の間の交換結合をオン・オフするスイッチン
グ層(Swithing layer:以下:S層と略す)を持つ。
【0020】C/N比を高めるために、M層の上に(つ
まり、レーザービームの入射側に)M層よりキュリー点
が高くカー効果の高い再生層(Readout layer :以下:
R層と略す)を積層したものも提案されている。例え
ば、特開昭63−64651 号公報、特開昭63−48637 号公報
を参照されたい。提案されたR層もRE−TM系合金で
構成される。以上に説明した光変調方式のオーバーライ
トでは、光ビームの変調のみにより2値の値を記録する
ため媒体の初期化(即ち記録前にライティング層の磁化
の向きを所定方向に揃えるという“初期化”)を行なう
必要がある。従来の光変調方式のオーバーライト光磁気
記録再生装置においては、この初期化を行なうために、
ディスクの径方向長さ全体にわたる初期化用の磁石を配
置していた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の記
録再生装置においては、記録媒体のほぼ全記録領域が常
時初期化されることになる。しかしながら、初期化され
た媒体を再生する際に、再生パワーを大きくし過ぎる
と、再生時にメモリー層の温度がそのキュリー点近傍に
達してしまうので、初期化によりライティング層の磁化
の向きが反転された記録箇所では、再生時にメモリー層
の磁化の向きもライティング層からの影響で反転してし
まう(即ち低温プロセスが起こってしまう)。このよう
に、初期化された媒体においては、メモリー層のキュリ
ー点近傍においてライティング層の磁化を転写してしま
い記録した情報が失われるという問題のために、再生パ
ワーは制限される。再生パワーは大きければ大きいほど
高いS/N比が得られるので、再生パワーの上限は大き
い方がよいのだが、この制限のためにあまり大きいパワ
ーにできないのが現状である.また初期化された媒体に
高レベル書き込み(高レベルビームPH による書き込
み)を行う際に、ライティング層のキュリー点近傍にお
いて、光ビームを照射したエリアの隣接エリアの温度が
メモリー層のキュリー点近傍まで上昇し、隣接エリアに
低温プロセスが起こり,隣接エリアの情報を破壊すると
いう問題がある。この問題により、高レベル書き込みの
レーザービームパワーPH が制限されている。高レベル
書き込みのパワーが小さいとマークは細くなりS/N比
は低下する等の理由により、高レベル書き込みパワーの
マージン(パワーの許容し得る範囲)はできるだけ広い
方が良いが、上記の問題によりあまり大きくできないの
が現状である。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による光変調オーバーライト方式の記録再生
装置では、記録媒体の記録が行なわれる領域のみを記録
する直前に初期化する。その方法として、トラック幅程
度の大きさの初期化用磁場を、記録するトラックのみ
に、記録する直前に加える。
【0023】
【作用】本発明の装置で記録を行なう時には、記録が行
なわれるトラックのみが初期化されており、隣接トラッ
クは初期化されていないので、隣接トラックに高温プロ
セスが生じないような範囲で書き込みパワーを大きくす
ることができる。即ち、従来装置では隣接トラックは
プロセスが起こる温度になってはならなかったのに対
して、本発明の装置では隣接トラックは高温プロセスが
起こる温度にならなければよいので、従来装置に比べて
書き込みパワーを大きくできる。なぜなら、隣接トラッ
クは初期化されていないので、隣接トラックのライティ
ング層の磁化は反転されておらず、したがって隣接トラ
ックが低温プロセスの起こる温度になってもメモリー層
の磁化はライティング層の磁化の作用により反転される
ことがないので隣接トラックの情報は保持されるからで
ある。
【0024】また、再生時には、再生されるトラックに
高温プロセスが生じないような範囲で再生パワーを大き
くすることができる。即ち、従来装置では再生されるト
ラックは低温プロセスが起こる温度になってはならなか
ったのに対して、本発明の装置では再生されるトラック
高温プロセスが起こる温度にならなければよいので、
従来装置に比べて再生パワーを大きくできる。なぜな
ら、再生されるトラックは初期化されていないので、該
トラックのライティング層の磁化は反転されておらず、
したがってトラックが低温プロセスの起こる温度になっ
てもメモリー層の磁化はライティング層の磁化の作用に
より反転されることがないのでトラックの情報は保持さ
れるからである。
【0025】
【実施例】図1は本実施例の記録再生装置を示す概略図
である。ここで、1は記録媒体であり、回転手段3によ
り回転軸2を介して回転される。該装置は、記録時に後
に詳述する仕方で初期化磁界Hini を印加する初期化磁
界印加手段4、記録時に媒体の記録が行なわれる箇所に
記録磁界Hbを印加する記録磁界印加手段5、入力され
た記録すべき情報にしたがってレーザービームの強度を
高レベルPH と低レベルPL との間でパルス変調するパ
ルス変調手段6、パルス変調されたレーザービームを射
出するレーザービーム光源7、ビームスプリッタ8、再
生時に信号光を検知するディテクタ9、および初期化磁
界印加手段の動作タイミングを制御する初期化磁界制御
手段10を有する。
【0026】図2は本発明において初期化磁界印加手段
として使用可能な磁場発生装置の一例を示す模式断面図
である。また、この磁場発生装置により発生する磁場も
模式的に示している。以上の装置において媒体への情報
の記録は以下のように行なわれる。初期化磁界印加手段
4は、記録時に不図示の手段により、媒体上のレーザー
ビームが照射されるトラックと同一トラックに初期化磁
界が印加されるように、ビーム照射位置と連動してディ
スク1の径方向に移動される。本実施例の初期化磁界印
加手段は電磁石であり、ディスクのこれから記録が行な
われる記録領域のみが初期化されるように初期化磁界制
御手段10の制御に従ってオン・オフ制御される。この
ようにして初期化された媒体領域は回転手段によりディ
スクが回転されるにつれてビーム照射位置を通過する。
照射されるレーザービームはパルス変調手段6により記
録される情報にしたがって変調されている。レーザー光
源7から射出されたビームはビームスプリッタ8で反射
され、記録磁界Hbの印加下にある媒体の初期化された
部位に照射される。これにより記録は完了する。
【0027】この装置により媒体に記録された情報の再
生を行なう場合には変調しない再生用のレーザービーム
を照射する。レーザー光源7から射出されたビームはビ
ームスプリッタ8で反射されて媒体面へ導かれる。この
とき記録磁界印加手段はオフとなっている。媒体面で反
射したビームはビームスプリッタ8を通過してディテク
タ9に入射する。ディテクタ9において光信号を電気信
号に変換して出力する。このようにして媒体に記録され
た情報が再生される。
【0028】−比較テスト− 本発明による装置を用いてサンプルディスクに4MHz,dut
y50%のマークを書き込み、1mW で再生した周波数特性ス
ペクトラムを図3に示す。ここで線速度は11.3m/s であ
る。この図より、C/N 比は58.7dbであることがわかる。
次に、このサンプルを本発明による再生装置ならびに従
来の再生装置(再生時にも初期化磁界が印加されてい
る)により3.5mW の再生パワーで1 分間再生した後、再
びその周波数特性とC/N 比を1mW の再生パワーで測定し
たグラフを図4、図5に示す。図4が本発明の装置によ
るもの、図5が従来装置によるものである。図より本発
明による再生装置ではC/N 比は58.7dbで低下は見られな
いが、従来の再生装置ではC/N 比37.8dbと20db程度低下
していることがわかる。この従来の再生装置におけるC/
N 比の低下は、従来装置では再生される領域の初期化が
行なわれてしまっているために、上記の3.5mW の再生パ
ワーにより低温プロセスが生起し、それによりC/N 比が
低下するものと考えられる。他方本発明によれば、再生
される領域は初期化されていないので再生パワーを高く
してもC/N 比の低下は見られず、再生パワーの高い記録
再生装置が可能になる。
【0029】なお、テストに用いたサンプルディスクの
層構成を図6に模式的に示す。該サンプルディスクは、
トラッキング用案内溝が刻まれた樹脂層を有するガラス
基板上21上に厚さ70nmのSiN保護層22、厚さ
30nmのGdFeCo再生層23、厚さ25nmのT
bFeCoメモリー層24、厚さ15nmのGdFeC
o中間層25、厚さ50nmのDyFeCoライティン
グ層26、厚さ100nmのGdFeCo初期化磁界補
助層27、および厚さ70nmのSiN保護層28を順
次積層して成ったものを用いた。
【0030】
【発明の効果】本発明により、最小再生パワーが大きく
できるために、最小記録パワーからH記録パワーまでの
レンジが小さくなりダイナミックレンジの小さなレーザ
を用いて装置を作製できる。また本発明によれば、記録
するトラック以外は初期化されていないので、隣接する
トラックにまで記録の影響が及んでしまういわゆる熱ク
ロストークが起こり得ず、したがって記録時のハイレベ
ルビームパワーも大きく出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録再生装置を示す概略図であ
る。
【図2】本実施例に用いた磁場発生装置の模式断面図で
ある。
【図3】サンプルディスクにマークを書き込んだ直後の
再生信号の周波数スペクトラムである。
【図4】サンプルディスクを実施例の装置で1分間再生
した後での再生信号の周波数スペクトラムである。
【図5】サンプルディスクを実施例の装置で1分間再生
した後での再生信号の周波数スペクトラムである。
【図6】サンプルディスクの層構造を模式的に示す図で
ある。
【符号の説明】
1 記録媒体 2 回転軸 3 回転手段 4 初期化磁界印加手段 5 記録磁界印加手段 6 パルス変調手段 7 レーザー光源 8 ビームスプリッタ 9 ディテクタ 10 初期化磁界制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ垂直磁化膜からなるメモリー層
    とライティング層の少なくとも2層を含み、メモリー層
    の磁化の向きを変えることなくライティング層の磁化の
    向きを所定の向きに揃える初期化を行なうことができる
    光変調方式でオーバーライト可能な光磁気記録媒体用の
    光変調オーバーライト方式の記録再生装置であって、媒
    体の前記初期化を行なうための初期化磁界印加手段と,
    記録時に記録すべき2値化情報にしたがって高レベルP
    H と低レベルPL との間でパルス変調された記録用レー
    ザービームを媒体に照射して情報の記録を行ない再生時
    には変調しない一定強度の再生用のレーザービームを照
    射するレーザービーム照射手段とを有する記録再生装置
    において、前記初期化磁界印加手段は記録直前に媒体上
    のこれから記録が行なわれる領域のみを初期化すること
    を特徴とするオーバーライト可能な光磁気記録媒体の記
    録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記初期化磁界印加手段は実質的に媒体
    の記録トラックの幅程度の大きさの磁界をこれから記録
    が行なわれるトラックのみに印加し、かつ記録時に、前
    記初期化磁界印加手段と前記レーザービーム照射手段と
    を初期化磁界が印加されるトラックとビームが照射され
    るトラックとが同一となるように媒体の径方向に連動し
    て動かすことを特徴とする請求項1記載の記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】 前記初期化磁界印加手段は電磁石であ
    り、かつ、媒体のこれから記録が行なわれる領域にのみ
    初期化磁界が印加されるように該初期化磁界印加手段を
    オンオフ制御する初期化磁界制御手段を更に備えること
    を特徴とする請求項2記載の記録再生装置。
JP5228538A 1993-09-14 1993-09-14 光磁気記録装置 Withdrawn JPH0785524A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7912112B2 (en) 2006-07-07 2011-03-22 Yamaha Corporation Spectrum spreading circuit

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