JPH078377B2 - 銅製円筒の製造方法 - Google Patents

銅製円筒の製造方法

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JPH078377B2
JPH078377B2 JP22450187A JP22450187A JPH078377B2 JP H078377 B2 JPH078377 B2 JP H078377B2 JP 22450187 A JP22450187 A JP 22450187A JP 22450187 A JP22450187 A JP 22450187A JP H078377 B2 JPH078377 B2 JP H078377B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、銅製円筒の製造方法に係わり、とくに平板
状素材を丸めて両端合わせ目を密着するとともにこの合
わせ目を開く方向のスプリングバックを低減して高精度
の円筒を得る製造方法に関する。
(従来の技術) 銅製の円筒は、例えば電子レンジ用マグネトロンのアノ
ードのようにとくに電子管の陽極や共振空胴部材などに
多用されている。これらには一般に電気伝導度および熱
伝導度のよい銅(Cu)が用いられる。電子レンジ用マグ
ネトロンを例にとれば、銅製のアノードシリンダーの内
側に、放射状に複数枚のアノードベインが並べられこの
ベインの数に相当する共振空胴が構成されてなる。言う
までもなくマグネトロンアノードは、真空気密性および
特性上からその真円度などの精度も充分よく成形されて
いる必要がある。
そこで平板状素材を丸め成形してアノード円筒をつく
り、内側にベインを接合してアノード構体を製造するい
わゆる丸め成形方法は既によく知られている。これは平
板状素材の入手および製造が容易であり、また材料の利
用効率が100%に近いという特長がある。このような丸
め成形によるアノードの製造技術は、例えば特開昭57-1
18818号、特開昭57-121823号、あるいは特公昭59-36383
号の各公報などに開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、このような丸め成形方法で銅製円筒を製造す
る工程に、いわゆるしごき成形工程を加えることが素材
のスプリングバックを低減し真円度のよい銅製円筒を安
定的に大量生産するうえで有効である。例えば上記の特
公昭59-36283号にその一例が開示されている。そして、
スプリングバックを低減して両端合わせ目を高精度に密
着させるためには、少なくとも2段以上のしごき成形が
必要である。しかも大量生産においては、2段以上のし
ごき成形を、1ストロークで連続的にしごき成形するこ
とが肝要である。同公報には3段以上の場合が記載され
ているが、しかし実際問題として、3段以上を連続的に
1ストロークでしごき成形すると、次のような不都合を
伴なう。すなわち、1段当りのしごき率すなわち肉厚減
少率を比較的小さくしても、全体として非常に大きなプ
レス圧を要し、設備が大型化してしまう。また、被しご
き成形品が連続的に多段のしごき部を連続して通過する
ので、被しごき面すなわち外周面が過熱し、ダイとの間
で焼き付きを起したり、過度の局部的加工硬化が生じや
すい。これはダイの摩耗をはげしくしたり、製品に局所
的な亀裂を生じたりして品質の劣化となり、好ましくな
い。
この発明は、以上のような不都合を解消し比較的小さい
プレス圧で安定的に大量生産し得る銅製円筒の製造方法
を提供することを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、銅からなる長尺の平板状素材(21)をカッ
ター(32)により所定長さに切断する切断工程(A)
と、この切断工程で得られた所定長さの平板状素材(2
1)をその両端面突合わせ部に断面略V字状の開先間隙
(G)が残る如く丸める丸め成形工程(B)と、この丸
め成形工程を経て得られた略円筒状の丸め成形品(22)
を、しごき成形用ポンチ(23)の外周に嵌合させるとと
もに、この丸め成形品の外径寸法(d2)よりもいずれも
小さい内径寸法(d3),(d4)を有する第1のしごきダ
イ(44),及び第2のしごきダイ(46)の中を軸方向に
沿って連続的に通すしごき成形工程(C)と、その後、
得られた円筒部材(25)の両端面合わせ目を気密接合す
る工程(F)とを具備する銅製円筒の製造方法におい
て、 しごき成形工程(C)は、第1のしごきダイ(44),及
び第2のしごきダイ(46)の内面しごき部(44a),(4
6a)の軸方向長さ(La),(Lb)をいずれも被しごき丸
め成形品(22)の軸方向長さ(L2)よりも短く、且つ両
ダイの内面しごき部(44a),(46a)の間に被しごき丸
め成形品(22)の軸方向長さ(L2)よりも長い軸方向長
さ(L1)の非拘束部(P)を設け、これらの中をポンチ
(23)により被しごき丸め成形品(22)を1ストローク
で連続的に通してしごき成形する銅製円筒の製造方法で
ある。
(作用) この発明の製造方法によれば、比較的小さいプレス圧
で、高精度の銅製円筒を安定的に大量生産し得る。
(実施例) 以下その実施例を図面を参照して説明する。なお同一部
分は同一符号であらわす。
この発明を電子レンジ用マグネトロンアノードに適用し
た場合を説明する。第1図および第2図はこの発明の主
要な工程であるしごき成形工程の状態を示している。こ
れは後述する。この発明の製造工程は、好ましくは第3
図に示すような工程を経る。すなわちまず、銅製の長尺
材料を所定の長さにカッターで切断して平板状素材21を
得る素材切断工程Aを経る。次にこの平板状素材21を芯
金のまわりに丸める丸め成形工程Bを経て、略円筒状の
丸め成形品22を得る。この段階では素材の両端面は完全
に密着せず両端突合わせ部に略V字状の開先間隙Gが残
っている。次にこの発明の特徴部であるしごき(絞り)
成形工程Cを経る。このしごき成形工程は、ポンチ23の
外周に丸め成形品22を嵌合し複数段の積重ねダイ24を通
して好ましくは1ストロークで2段以上のしごき成形を
行う。次に軸方向に圧縮力を加えて塑性変形加工を行な
う圧縮成形工程Dを経る。この圧縮成形工程は、ポンチ
26、ダイ27、ダイ・アンド・ノックアウト28により円筒
状しごき成形品25に両開口端面側から圧縮し合う方向の
圧縮力を加えて素材に塑性流動を生ぜしめる。それによ
り両端面合わせ目が完全に密着した円筒状圧縮成形品が
得られる。次に切削加工工程Eに移行する。この切削加
工工程では、円筒状圧縮成形品29の両開口端部を切削バ
イト30によりバリ取りするとともに所定形状に切削加工
する。最終段階で、密着している両端面合わせ目29aを
清浄に脱脂、洗浄したのちろう材301をこの合わせ目に
挟んで気密ろう接する接合工程Fを経る。またこれと同
時またはその後にこのアノード円筒の内側に複数枚のア
ノードベイン31を配置し、ろう接固着してマグネトロン
アノードを得る。なお、この発明においては、圧縮成形
工程D及び切削加工工程Eは必須ではなく、また、接合
工程Fの合わせ目の気密接合方法はろう接に限らず後述
するように溶接等で行ってもよい。
素材切削工程Aは、第4図に示すように銅からなる長尺
材料20を所定の長さ(l)にカッター32により平板面に
対し略直角に切断して所定長さの平板状素材21を得る。
この平板状素材20の板厚(t)は製品アノード円筒の肉
厚よりもわずか厚いものであり、長さ(l)はその中立
線円周長に対して同等もしくは極くわずか長い寸法とな
るように切断され、各面が基本的に直角に交わる六面体
である。平板状素材21の切断面には、寸法hのダレ、お
よび反対側にバリeが生じるが、その後のしごき工程、
圧縮工程での両端面合わせ目の密着面積を十分得るため
にはダレの寸法hを素材板厚tの約10%以下にとどめる
ことが好ましい。
次の丸め成形工程Bは、平板状素材21を第5図に示すよ
うに、数10kg以上の圧力で一方の芯金ロール33とポリウ
レタンゴムのような強弾性材からなる外周ロール34とが
かみ合う丸め成形装置の両ロール間に挿入し丸め成形す
る。外周ロール34に矢印35の如く回転駆動力が与えられ
る。芯金ロール33はアノード円筒の内径寸法より少し小
さい外径寸法をもつ硬質金属であり、これ自体には回転
駆動力が与えられず外周ロールから伝達される力で自在
に矢印36の如く回転するようになっている。この丸め成
形で得られる円筒部品は両端面の突合わせ部付近が直線
状のままである。次にこの両端面合わせ目の整形および
真円度を高める目的で第6図に示す丸め整形装置により
整形する。すなわち芯金37の外周に丸め円筒状部品22を
置き、半円状の押圧面38をもつ2個の押圧治具39、40を
矢印41、42の如く両端面の合わせ目から中心軸を通る方
向で互いに逆向きに押して整形する。
これによって、第2図或いは第3図に示すような円筒状
丸め成形品22が得られる。なお、この丸め成形工程は、
周知のマルチスライド・プレス加工法により、平板状素
材を芯金のまわりにまず第1のスライド工具によってU
字状に成形し、続いて素材の平行に伸びる両翼を第2、
第3のスライド工具により芯金に添わせて折曲げ、最後
に両端部を第4のスライド工具により芯金に密着するよ
うに押し曲げて丸め成形する方法であってもよい。な
お、このように芯金のまわりに丸め成形して得られる丸
め成形品22は、第2図に示すように素材自身のスプリン
グバック力のために両端面突合わせ部が開いて断面略V
字状の開先間隙Gが残る。
次にこの発明の特徴部であるしごき(絞り)成形工程C
について説明する。
この工程は第1図に示すように、しごき成形装置を用い
て1ストロークで2段の連続しごき成形を行う。このプ
レス装置は図の上方にポンチ23が上下動するように配設
され、下方に丸め成形品22を定位置にするためのガイド
43、第1のしごきダイ44、ガイドスペーサ45、第2のし
ごきダイ46、基台47が設置されている。ポンチ23の主要
部の外径寸法d1は製品アノード円筒の内径寸法に相当す
る。第1のダイ44の内面の最少一定内径寸法d3のしごき
部44aは、被しごき成形円筒である丸め成形品22の突合
せ部の内周側をガイド43により強制的に密着させたとき
の外径寸法d2よりも小さい寸法に設定されている。第2
のダイ46の内面の最少一定内径寸法d4のしごき部46a
は、第1のダイ44の内面しごき部の内径寸法d3よりも小
さい寸法になっている。しかもこれら各ダイの各内面し
ごき部の内径寸法d3、d4と、ポンチの外径寸法d1との差
は、丸め成形品22がポンチ23の外周に嵌って各ダイを通
る際のその肉厚減少率すなわち各ダイを通る前の肉厚に
対する通過後の肉厚減少分の比率(以下同じ)が各々4
%以下となる寸法に設定される。好ましい例として第1
しごきダイ44でのしごき率が約3%、第2しごきダイ46
でのしごき率が約2%となるように設定する。また、各
しごきダイの内面しごき部44a、46aの軸方向長さLa、Lb
は、被しごき成形品の軸方向長さL2よりも短い寸法にな
っている。それによりしごき成形時の摩擦力を低減して
いる。なおポンチ23の外周部にはストッパ部48が設けら
れている。
さて、第1のしごきダイ44と第2のしごきダイ46との間
に位置するガイドスペーサ45は、その内径d5がそこを通
過する被しごき成形品22の外径寸法d6よりも大きく、両
者間にわずかな隙間sが形成されるようになっている。
そしてまた、このガイドスペーサ45の軸方向長さL1は、
被しごき成形品22の軸方向長さL2よりも長い寸法に形成
されている。こうして、ガイドスペーサ45の内側部分
に、被しごき成形品22の長さL2よりも長い領域にわたっ
てその肉厚方向(すなわち半径方向)に被しごき成形品
の素材を拘束しない非拘束部Pが設けられている。
そしてしごき成形は、まず図のように丸め成形品22がガ
イド43の内側に置かれ、次にポンチ23が下降して丸め成
形品22がポンチ外周に嵌り、ストッパ部48で押されて一
緒に第1のしごきダイ44の内面しごき部44aでしごか
れ、その下部のガイドスペーサ45の内側の非拘束部Pで
一旦拘束力が解除されたうえ、続いてその下方の第2の
しごきダイ46のしごき部46aで再びしごき成形される。
これらは1ストロークで連続的に行なわれ、点線で示す
如きしごき成形品25が得られる。
このしごき成形により、略円筒状の丸め成形品22はその
素材が軸方向に塑性流動するとともに、第7図(a)、
(b)に矢印fで示す如くその開先間隙Gを埋めるよう
に円周方向に素材が塑性流動し、同図(c)に示す如く
両端合わせ目29aがほぼ密着した円筒29が得られる。し
かも両端合わせ目29aを開く方向のスプリングバック力
が大きく低減され、この合わせ目が密着した円筒が得ら
れる。また、このしごき成形により円周上の肉厚も均等
化され、真円度も向上している。
とくにこのしごき成形工程では、各内面しごき部(44
a),(46a)の軸方向長さ(La),(Lb)がいずれも被
しごき成形品(22)の軸方向長さ(L2)よりも短く且つ
上記両内面しごき部(44a),(46a)の間に被しごき成
形品(22)の軸方向長さ(L2)よりも長い軸方向長さ
(L1)の非拘束部(P)が設けられた第1しごきダイ
(44)及びそれに後続する第2しごきダイ(46)の中
を、ポンチ(23)により被しごき成形品(22)を1スト
ロークで連続的に通してしごき成形する。それによっ
て、素材へのしごき成形が第1しごきダイによるしごき
の後に非拘束部で一端解除され、その後に第2しごきダ
シによるしごき成形が行われるとともに、各ダイで素材
の全長にわたって同時に拘束されないため、第1及び第
2しごきダイによるしごき率を合わせた分を1個の長尺
なしごきダイでしごき成形する場合に比べて塑性変形の
際に生じる発熱量が少なく、焼き付き発生が確実に防止
される。また、プレス圧力も小さくて済む。したがっ
て、高精度で安定した成形が可能であり、且つダイの寿
命も長くなり、比較的簡易なプレス装置でよく、大量生
産に適する。また加工硬化も過度にすすまず、さらにま
たポンチを押すプレス圧力も実質的に1個のしごきダイ
を通す圧力でよく、過大なプレス圧を要しない。したが
ってプレス装置も比較的小型のものを使用し得る。
次に経る圧縮成形工程Dは、第8図および第9図に示す
ようにしごき成形品25に軸方向の圧縮力を加えてさらに
塑性変形させ、素材両端面合わせ目の密着とこの合わせ
目が開く方向のスプリングバック力の完全な抑圧をはか
る。またこの工程でしごき成形およびアノード円筒の開
口端面の一部形状加工も同時に行なうことができる。同
図にはその例を示してあり、第8図は成形直前の状態
を、また第9図は成形終了状態である。この装置は、ガ
イド50の下方に内面しごき部51を有する長尺のしごきダ
イ27を有し、その内側下方にダイ・アンド・ノックアウ
ト28が設置されている。このダイ・アンド・ノックアウ
ト28はその上端面にポンチ26の先端が密嵌合する受部52
およびアノード円筒の開口端面形状の整形のための所要
形状の外周端53を有し、圧縮成形後のアノード円筒29を
押上げシリンダ54により図の上方に突き出すノックアウ
トの機能を兼ね備えている。ポンチ26にもアノード円筒
開口端面の整形用段部55、56を有している。
これによってしごき成形品25はポンチ26の外周に嵌めら
れて下降し、しごき部51でしごき成形され、さらに両開
口端部が一方はポンチ26のストッパ部55で、他方はダイ
・アンド・ノックアウト28の外周端53の間に拘束され、
軸方向の圧縮力を受ける。この圧縮力は被加工品の素材
に対して軸方向および円周方向の塑性流動を起こさせ
る。したがってこれによって素材両端面合わせ目は全体
にわたって確実に密着され、しかもこの合わせ目を開く
方向のスプリングバックが抑圧される。また、両開口端
の形状を所望形状もしくはそれに近い形状に同時に整形
できる。なお軸方向の寸法が製品アノード円筒に対応
し、また余分にはみ出す素材内肉の量が少なくなるよう
にポンチ26のストローク寸法とダイ・アンド・ノックア
ウト28との位置関係を適当に定めておくことは当然であ
る。
マグネトロンアノード円筒は、開口端部を所要形状に整
形する必要があるとともに、内周面にベインを挿入しや
すいようにテーパ面を形成したり、あるいは外周面にラ
ジエータを圧入、固着しやすいようにテーパ面を形成し
て用いる場合がある。そこでこのような内,外周面のテ
ーパ面加工をこのしごき、もしくは圧縮整形工程におい
て同時に成形してもよい。
以上のような圧縮成形工程により、両端合わせ目29aが
完全に密着した円筒が得られる。とくに両端合わせ目29
aに第10図に示す如き洞窟状の隙間gがあっても、第11
図に示すように完全に埋めて密着できるとともに、両端
面合わせ目を開く方向のスプリングバック力を確実に抑
圧できる。そしてむしろ両端面合わせ目を密閉する方向
のスプリング作用が生じる。こうして第12図に示す如く
両端合わせ目29aが全面にわたって完全に密着したアノ
ード円筒29が得られる。
なおアノード円筒29の両開口端部には、第12図に示すよ
うに、圧縮成形工程で段部29b、29cが同時に成形されて
いる。
アノード円筒の開口端部は、ポールピース(図示せず)
等との嵌合のために所定の端部形状になっている必要が
ある。また内,外周面は、アノードベインおよびラジエ
ータ(図示せず)を容易に圧入できるようにわずかなテ
ーパ面になっている必要がある。次にそのための切削加
工工程Eを経る。この切削加工工程は、第13図に示すよ
うに切削バイト30、30を備える切削旋盤装置60に第12図
に示したアノード円筒29を固定し、高速回転させながら
切削加工を施す。この切削旋盤装置60の各部の符号61は
円筒状ホルダ、62は3つ割りのチャック、63は中心ロッ
ド、64は円板状受板をあらわしている。
この切削加工工程により、円筒の両開口端部および内、
外周面を所定形状に切削して第14図に示すように両開口
端に気密溶接用の薄肉円筒部29d、29e、および内、外周
面にテーパ面を形成してアノード円筒29を得る。なお同
図の点線で示す部分は切削加工前の縦断面形状であり、
実線で示す形状まで切削する。この切削部分は、それま
での各工程を経て適度に加工硬化した比較的硬度の高い
部分であり、したがって粘りや変形が起きにくく高精度
の切削が容易にできる。
以上のようにして成形したアノード円筒29は、次に合わ
せ目の気密接合工程に移される。接合はろう接や溶接な
どで行なうが、両端合わせ目29aを一旦強制的に少し開
いてこの面を脱脂し、即乾性の溶液などのスプレーなど
により洗浄し、乾燥させる。ろう接を例にとればこの合
わせ目に、0.1〜0.2mm厚の薄板状硬ろうを挟んでおく。
そしてろう接工程において、望ましくはろう材が溶ける
時点で外側からろう接治具で円筒を拘束しながらろう接
する。これによって合わせ目は全面にわたって気泡のな
い良好な気密ろう接ができ、直径寸法の変化もほとんど
生じない。なおこの合わせ目のろう接と同時、もしくは
その後に円筒内に複数枚のアノードベイン31をろう付け
などにより接合固着して第15図に示すようなマグネトロ
ンアノードを完成する。
以上のようにこの発明により、両端面合わせ目を開く方
向のスプリングバック力が低減され、且つ高精度のマグ
ネトロンアノードが得られる。
第16図に示す実施例は、第1のしごきダイ44と第2のし
ごきダイ46との間に位置するガイドスペーサ45の軸方向
長さL1が被しごき成形品22の長さL2より短いが、第2の
しごきダイ46の最少一定内径の内面しごき部46aよりも
上方のテーパ部46bを含む非拘束部Pの長さL3が、被成
形品の長さL2よりも長く構成されている。これにより、
しごき装置の軸方向長さを比較的短く構成することがで
きる。
第17図に示す実施例は、同ダイ間にガイドスペーサを介
在せずに、第2のしごきダイ46の上方に、被しごき成形
品22の外径d6よりも大きい径大部46cを形成したもので
ある。この径大部46cは、その軸方向長さが概ね被成形
品22の長さに同等であり、テーパ部46bの一部とともに
非拘束部Pを構成している。また第1ダイ44と第2ダイ
46とは、段部71で嵌合されており、それにより中心軸が
高精度に合致される。そしてこれも装置の軸方向長さを
比較的短く構成することができるとともに、ガイドスペ
ーサを省略することができる。
なお、この発明のしごき工程は、2個以上のしごきダイ
を有するもので、隣り合うしごきダイの各内面しごき部
の間に、被しごき成形品の長さの全体にわたり肉厚方向
の拘束を解除する非拘束部を設けるものである。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明によれば、比較的小さいプ
レス圧で、高精度の銅製円筒を安定的に大量生産し得
る。とくに、実質的に多段連続しごき成形でありなが
ら、しごきダイと被成形金属円筒の外周面との焼き付き
がほとんど発生しない。また、両端面合わせ目を開く方
向のスプリングバック力を低減して合わせ目の密着を容
易化し、それによって気密性が良く高精度の銅製円筒を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例のしごき成形工程を示す縦
断面図、第2図はその被しごき成形円筒を示す横断面
図、第3図はこの発明の一実施例の工程概略図、第4図
は平板状素材の切断工程を示す断面図、第5図はこの発
明の丸め成形工程の一例を示す概略断面図、第6図は丸
め成形工程の他の例を示す横断面図、第7図(a)〜
(c)はそれぞれしごき成形工程での素材の変化を示す
横断面図、第8図および第9図はこの発明における圧縮
成形工程の一例を示す各々半縦断面図、第10図および第
11図はそれぞれ圧縮成形前後の合わせ目部分の比較例を
示す要部横断面図、第12図はその半縦断面図、第13図は
切削工程の一例を示す要部縦断面図、第14図はそれによ
り得られるアノード円筒を示す縦断面図、第15図は完成
したアノード円筒を示す斜視図、第16図および第17図は
各々この発明の他の実施例を示すしごき成形工程の縦断
面図である。 29……銅製円筒(アノード円筒)、29a……合わせ目、2
0、21……板状素材、22……被成形品、C……しごき成
形工程、23……ポンチ、44……第1のしごきダイ、44a
……しごき部、46……第2のしごきダイ、46a……しご
き部、P……非拘束部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅からなる長尺の平板状素材(21)をカッ
    ター(32)により所定長さに切断する切断工程(A)
    と、この切断工程で得られた所定長さの平板状素材(2
    1)をその両端面突合わせ部に断面略V字状の開先間隙
    (G)が残る如く丸める丸め成形工程(B)と、この丸
    め成形工程を経て得られた略円筒状の丸め成形品(22)
    を、しごき成形用ポンチ(23)の外周に嵌合させるとと
    もに該丸め成形品の外径寸法(d2)よりもいずれも小さ
    い内径寸法(d3),(d4)を有する第1のしごきダイ
    (44),及び第2のしごきダイ(46)の中を軸方向に沿
    って連続的に通すしごき成形工程(C)と、その後、得
    られた円筒部材(25)の両端面合わせ目を気密接合する
    工程(F)とを具備する銅製円筒の製造方法において、 上記しごき成形工程(C)は、第1のしごきダイ(4
    4),及び第2のしごきダイ(46)の内面しごき部(44
    a),(46a)の軸方向長さ(La),(Lb)をいずれも被
    しごき丸め成形品(22)の軸方向長さ(L2)よりも短
    く、且つ上記両ダイの内面しごき部(44a),(46a)の
    間に被しごき丸め成形品(22)の軸方向長さ(L2)より
    も長い軸方向長さ(L1)の非拘束部(P)を設け、これ
    らの中をポンチ(23)により被しごき丸め成形品(22)
    を1ストロークで連続的に通してしごき成形することを
    特徴とする銅製円筒の製造方法。
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