JPH078238U - サンドイッチ用包装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、三角形状のサンドイッチの包装
用袋に関し、任意のプラスチック延伸フィルムを使用可
能とし、しかもその開封が確実・容易で美麗に行える包
装袋を提供することを目的としたものである。 【構成】 上辺側または一側斜辺に外縁部を延成した二
等辺台形状の２枚の延伸フィルムの底辺と外縁部を除く
他の三辺を溶着して袋主体を作製するに当たり、上記外
縁部を通って上フィルムを縦断または横断するカットテ
ープを接着するとともに、外縁部のカットテープの両側
に沿って上フィルムまたは／及び下フィルムに切り込み
を設けて引張り片とすることを特徴としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、三角形状のサンドイッチを包装するのに適し、特に開封が確実・ 容易に行えるようにしたサンドイッチ専用の包装袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種サンドイッチの包装袋としては、図６に示したように略等寸の二等辺台 形に裁断された上下２枚のプラスチックフイルム（イ）・（ロ）の上辺及び両側 斜辺を溶着（ハ）して袋主体とし、少なくとも上フィルム（イ）には予め一軸延 伸を施したプラスチックフイルムを利用することで、開封時の裂切（引き裂き） に一定の方向性（この場合は、同図の矢印方向）を付与させたものが知られてい る（実公平２−３２５８７号公報参照）。

【０００３】 更に詳しくは、上記袋主体を作製するに当たって、上記２枚のフィルム（イ） ・（ロ）を前後方向に多少ずらして互いに重合し、上辺側に設けた外縁（ニ）お よび底辺を除く三辺を溶着して、上辺側の溶着（ハ）線上の外縁（ニ）に裂切方 向に向かう２本の切り込み（ホ）を設け、この間を引張り片（ヘ）としたもので ある。

【０００４】 上記構成のサンドイッチ包装袋は、図７に見られるように底辺の開口（ト）か ら上辺の溶着長さに見合う厚みの直角三角形状のサンドイッチ（ｓ）を収容した 後、該開口の余剰部〔図６の（チ）参照〕を折り畳んで封止するものであるが、 この場合、上記引張り片（ヘ）がサンドイッチ（ｓ）の斜面（リ）中央に指向す るものであるから、開封に当たって下フィルム（ロ）よりも多少突出している上 フィルム（イ）の引張り片（ヘ）を指で掴んで斜面方向に引き上れば、上フィル ムの裂切方向性により、この部分のフィルムが一定の幅で破断できるというもの である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術に係るサンドイッチ包装袋によれば、引張り片（ヘ）の指先に よる掴み取りを容易にする手段として、上下のフィルム（イ）・（ロ）を前後に 一定量ずらして重合した上で、底辺を除く三辺を溶着させなければならず、その 工程には多くの手作業が必要となって生産コストの面で大きな問題があったし、 また上記の上フィルム（イ）には一軸延伸フィルムを使用することが条件であっ たから、二軸延伸フィルム等に比べて裂切方向性は得られるものの、フィルムの 強度や透明感が犠牲になるだけでなく、しばしば引張り片（ヘ）が交差する上辺 の溶着線（ハ）に妨げられて、この部分で引張り片が切れたり、或いは溶着線を 越えても途中でフィルムの裂切が途絶えたりして、目的とする完全開封（中のサ ンドイッチが崩れずに容易に取り出せる状態）が得難かったという課題も見受け られたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

以上述べた実状に鑑んでなされた本考案は、この種の包装袋に利用されるプラ スチックフィルムとして任意の多軸延伸フィルムを使用し、しかもその開封が確 実・容易で美麗に行えるサンドイッチの包装袋を提供することを目的としたもの である。

【０００７】 即ち、二等辺台形状に裁断された２枚の延伸フィルムの底辺と、上辺側に設け た外縁部を残して他の三辺を溶着して袋主体を作製するに当たり、上フィルムの 中心線上を縦断して上記外縁におよぶ細幅のカットテープを接着するとともに、 外縁部におけるカットテープの両側に沿って切り込みを設けて引張り片を形成す るという手段を講じたものである。

【０００８】 また、少なくとも上フィルムの一側斜辺に外縁部を延成して裁断された二等辺 台形状の２枚の延伸フィルムの底辺と、上記外縁を除く他の三辺を溶着して袋主 体を作製するに当たり、上フィルムの両側の斜辺を横断して上記外縁部に及ぶ細 幅のカットテープを接着するとともに、外縁部における上フィルムまたは／およ び下フィルムのカットテープ両側に沿って切り込みを設けて引張り片を形成する という手段をも用いたものである。

【０００９】 更に上記引張り片と重合する部分の下フィルムのみを切除するか、外縁部を構 成する下フィルムの全部を切除するか若しくは外縁部における引張り片以外の上 ・下フィルムの全てを切除して、引張り片のみを独立して突出させるかのいづれ かの手段も用いた。

【００１０】

【作用】

上記構成の本案包装袋は、カットテープを使用したことによって、そのカット 面は従来のように一軸延伸フィルムに限定されることなく、二軸延伸を含む一般 の延伸フィルムが自由に利用できると同時にカットテープを含む引張り片が開封 時に溶着線に妨げられることなく、完全開封が確実・容易に行えるという格別の 作用を奏するものである。

【００１１】 又、外縁部において上記引張り片と重合する下フィルムの一部または全部、若 しくは外縁部における引張り片以外の上・下フィルムの全部を切除して引張り片 を独立させたものは、開封に当たって指先での掴み取りが容易であるという作用 が得られる。

【００１２】 更に本案は上記構成とすることにより、カットテープを含む包装袋の生産工程 が機械的に連続して行い得るという生産上の作用も得られるのである。

【００１３】

【実施例】

以下、本案サンドイッチ包装袋の構成を２〜３の実施例に基づいて更に詳述す ると、図１・図２における符号１、２は上・下同形の二等辺台形に裁断された任 意の延伸プラスチックフィルム、３は上フィルム１の中心線上に通設されたカッ トテープ、４は上辺側に延成される外縁部５を残して上・下フィルムを接合する 上辺溶着線、６・６は両側斜辺における上・下フィルムの溶着線であり、又７は 外縁部５におけるカットテープ４の両側に設けられた切り込み８・８によって形 成される引張り片であって、上記切り込み８・８は上フィルム１にのみ設けても 、亦下フィルム２に貫通させて設けてもよいのである。

【００１４】 尚、図１及び図３中９は底辺の開口部、又一点鎖線で示した１０はサンドイッ チ（ｓ）を上記開口から挿入した後、折り畳んで内容物を封止する折り返し線を 示す。

【００１５】 次に図３・図４は、本考案の他の実施例を示すもので、図における符号１’・ ２’は前の実施例と同じく二等辺台形状に裁断された上下２枚の延伸フィルム、 ５’は少なくとも上フィルム１’の一側斜辺の折り返し線１０に近い位置に延成 された外縁部、３’は上記外縁部５’から他側の斜辺までの間を横断して通設さ れたカットテープ、４’は上・下フィルム１’・２’の上辺溶着線、又６’は両 側斜辺の上・下フィルムを接合する溶着線、７’は外縁部５’におけるカットテ ープ３’の両側に設けられた切り込み８’・８’によって形成される引張り片で あって、上記切り込み８’・８’は、下フィルム２’にも外縁部５’がある場合 には、上フィルム１’にのみ設けても、亦下フィルム２’を貫通して設けること も自由である。

【００１６】 以上述べた二つの実施例において、それぞれの外縁部５または５’に設けられ る各引張り片７・７’は、いづれの場合でも引張り片の裏側に位置する下フィル ム２・２’の一部（引張り片との当接部分のみ）若しくはその全部を予め切除し ておく（図５の〔Ａ〕参照）か、或いは外縁部における引張り片７・７’以外の 上・下フィルムの全てを切除する（図５の〔Ｂ〕参照）などして該引張り片を独 立した状態にしておくことによって、開封時における引張り片の掴み取りを著し く容易にするものである。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べたと通り、本考案のサンドイッチ包装袋によれば、カットテープを使 用したことによって、包装資材として強度や透明度等により優れる一般の延伸フ ィルムが任意に採択できる上、カットテープによる開封であるからフィルムの破 断が途絶えるようなことがなく、常に確実で美麗にカットされて完全開封が達せ られるという顕著な効果が得られるのである。

【００１８】 又、カットテープを利用したので、開封時における引張り片の掴み位置や引き 裂き方向が分かり易くなって、従来品のように反対方向に引張ることがなくなる と同時に、該引張り片が独立した状態に成形されたものは、特に指先での掴み取 りが容易に行えるから、一般利用者は勿論幼児などでも難無く確実に開封できる という実用的効果も大きいのである。

【００１９】 この他、本考案の構成によれば、上フィルムにカットテープを接着する際は、 連続的に巻き戻されて進行する一連の上フィルムの所定位置に粘着性のカットテ ープを連続供給して圧着させるだけでよく、また上・下フィルムの裁断や溶着等 の全工程が一連の流れ作業として機械的に自動化可能となるため、この種包装袋 の生産コストが著しく低減できるなど、従来のサンドイッチ包装袋には期待し得 なかった多くの利益をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案サンドイッチ包装袋の平面図

【図２】開封時の状態を示す斜視図

【図３】本案包装袋の他の実施例を示す平面図

【図４】同じく開封時の状態を示す斜視図

【図５】引張り片の各実施例を示す包装袋背面の斜視図

【図６】従来のサンドイッチ包装袋の平面図

【図７】従来の包装袋の開封時の状態を示す斜視図

【符号の説明】

１・１’ 上フィルム ２・２’ 下フィルム ３・３’ カットテープ ４・４’ 上辺溶着線 ５・５’ 外縁部 ６・６’ 両側斜辺の溶着線 ７・７’ 引張り片 ８・８’ 切り込み ９ 開口部 １０ 折り返し線

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】等寸に裁断された二等辺台形状の２枚の延
   伸フィルムの底辺と上辺側の外縁部を残した三辺を溶着
   して袋主体を作製するに当たり、上フィルムの中心線上
   を縦断して細幅のカットテープを接着するとともに、外
   縁部におけるカットテープの両側に沿って上フィルムま
   たは／および下フィルムに切り込みを設けて引張り片を
   形成したことを特徴とするサンドイッチ用包装袋
2. 【請求項２】少なくとも上フィルムの一側斜辺に外縁部
   を延成して裁断された二等辺台形状の２枚の延伸フィル
   ムの底辺と外縁部を除く他の三辺を溶着して袋主体を作
   製するに当たり、上フィルムの上記外縁部を通って他側
   の斜辺に及ぶ間を横断してカットテープを接着するとと
   もに、外縁部におけるカットテープの両側に沿って上フ
   ィルムまたは／および下フィルムに切り込みを設けて引
   っ張り片を形成したことを特徴とするサンドイッチ用包
   装袋
3. 【請求項３】外縁部における引張り片と重合する下フィ
   ルムの一部または全部を切除した請求項１または２記載
   のサンドイッチ用包装袋
4. 【請求項４】外縁部における引張り片以外の上・下フィ
   ルムを切除して引張り片を独立状態とした請求項１また
   は２記載のサンドイッチ用包装袋