JPH078174A - 澱粉含有クリーム及びその製造法 - Google Patents
澱粉含有クリーム及びその製造法Info
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- JPH078174A JPH078174A JP5153118A JP15311893A JPH078174A JP H078174 A JPH078174 A JP H078174A JP 5153118 A JP5153118 A JP 5153118A JP 15311893 A JP15311893 A JP 15311893A JP H078174 A JPH078174 A JP H078174A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- starch
- cream
- pregelatinized starch
- specific gravity
- foaming
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- Pending
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- Edible Oils And Fats (AREA)
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Confectionery (AREA)
- Grain Derivatives (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】凍結耐性があって、冷凍保存ができ、冷凍状態
で食べて噛み通せるソフトさがあり、冷蔵温度でも保形
性がある澱粉含有起泡クリームを得る。 【構成】未膨潤のα化澱粉と起泡性水中油型乳化物とを
含む原料を、起泡することにより、澱粉含有クリームを
製造する。好ましくは、原料中の未膨潤のα化澱粉が、
吸水性乃至低水分原料とプレミックスされた状態で使用
する。澱粉含有クリームはα化澱粉を0.5重量%以上
含有し、見掛け比重0.7以下である。
で食べて噛み通せるソフトさがあり、冷蔵温度でも保形
性がある澱粉含有起泡クリームを得る。 【構成】未膨潤のα化澱粉と起泡性水中油型乳化物とを
含む原料を、起泡することにより、澱粉含有クリームを
製造する。好ましくは、原料中の未膨潤のα化澱粉が、
吸水性乃至低水分原料とプレミックスされた状態で使用
する。澱粉含有クリームはα化澱粉を0.5重量%以上
含有し、見掛け比重0.7以下である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は澱粉を含みかつ起泡さ
れたクリーム及びその製造法、並びに該クリームをフィ
リングとして用いた冷菓に関する。
れたクリーム及びその製造法、並びに該クリームをフィ
リングとして用いた冷菓に関する。
【0002】
【従来の技術】シュー・パフケーキ・オムレット・パイ
などのフィリングに用いられるクリーム類として、カス
タードクリーム、及びより広義には澱粉含有クリーム
(フラワーペースト)がある。
などのフィリングに用いられるクリーム類として、カス
タードクリーム、及びより広義には澱粉含有クリーム
(フラワーペースト)がある。
【0003】しかし、このような澱粉含有クリームは、
冷凍温度で喫食するには、一般に噛み通せる軟らかさに
欠けており、また冷凍保存中変性する難点がある。ため
に、このようなクリームを充填した食品は、保存性の面
で一定の制約がある。
冷凍温度で喫食するには、一般に噛み通せる軟らかさに
欠けており、また冷凍保存中変性する難点がある。ため
に、このようなクリームを充填した食品は、保存性の面
で一定の制約がある。
【0004】また、アイスクリームは冷凍食品である
が、やはり噛み通せる軟らかさは一般に乏しく、柔らか
くするために品温を上昇させると、短時間の内にクリー
ム部分が流動性になるので、他の菓子素材と複合させた
食品として使用するには、手でもち難く或いは食べ難い
といった欠点がある。その上、アイスクリームはその製
造や充填に、例えば小規模な和菓子・洋菓子製造家にと
って一般に負担過多の装置を必要とする難点がある。
が、やはり噛み通せる軟らかさは一般に乏しく、柔らか
くするために品温を上昇させると、短時間の内にクリー
ム部分が流動性になるので、他の菓子素材と複合させた
食品として使用するには、手でもち難く或いは食べ難い
といった欠点がある。その上、アイスクリームはその製
造や充填に、例えば小規模な和菓子・洋菓子製造家にと
って一般に負担過多の装置を必要とする難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、凍結保存
耐性があって、冷凍保存ができ、冷凍状態で食べて噛み
通せるソフトさがあり、冷蔵温度でも保形性があり、美
味しく食べられることを課題とし、また小規模製造家に
とっても負担過多な設備を要することなくクリームの製
造・充填を可能にすることを課題とする。
耐性があって、冷凍保存ができ、冷凍状態で食べて噛み
通せるソフトさがあり、冷蔵温度でも保形性があり、美
味しく食べられることを課題とし、また小規模製造家に
とっても負担過多な設備を要することなくクリームの製
造・充填を可能にすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決することを目的に種々の検討を行う中で、まず、カ
スタードクリームにホイップドクリームを混入すること
を検討したが、その混合物の比重は両者の比重の平均値
よりも軽くならず、冷凍下でソフトな状態にすることに
は限度があった。また、ホイッピングクリームとカスタ
ードクリームを混合して起泡することを検討したが、糊
化したデンプン成分がおそらくは原因となって起泡が妨
げられた。
解決することを目的に種々の検討を行う中で、まず、カ
スタードクリームにホイップドクリームを混入すること
を検討したが、その混合物の比重は両者の比重の平均値
よりも軽くならず、冷凍下でソフトな状態にすることに
は限度があった。また、ホイッピングクリームとカスタ
ードクリームを混合して起泡することを検討したが、糊
化したデンプン成分がおそらくは原因となって起泡が妨
げられた。
【0007】本発明者は、さらに検討をすすめる中で、
α化澱粉は、水和するだけで(熱処理無しに)ゲルを形
成するが、その水和と起泡を平行して行うことにより、
起泡は妨げられずしかも最終的にはデンプン糊の特性が
発揮されること、即ち、見掛け比重の軽い澱粉クリーム
が容易に得られること、冷凍状態から冷蔵状態に昇温さ
せても、保形性に優れてクリーム部分が流れ出さず、美
味しく食べられること、また通常の起泡手段さえ備えれ
ば、格別の設備を要することなく起泡された冷凍クリー
ムの製造と充填が可能であることを見出し、この発明を
完成した。
α化澱粉は、水和するだけで(熱処理無しに)ゲルを形
成するが、その水和と起泡を平行して行うことにより、
起泡は妨げられずしかも最終的にはデンプン糊の特性が
発揮されること、即ち、見掛け比重の軽い澱粉クリーム
が容易に得られること、冷凍状態から冷蔵状態に昇温さ
せても、保形性に優れてクリーム部分が流れ出さず、美
味しく食べられること、また通常の起泡手段さえ備えれ
ば、格別の設備を要することなく起泡された冷凍クリー
ムの製造と充填が可能であることを見出し、この発明を
完成した。
【0008】即ちこの発明は、未膨潤のα化澱粉と起泡
性水中油型乳化物とを含む原料を、起泡することを骨子
とする澱粉含有クリームの製造法、並びに、α化澱粉を
0.5重量%以上含有し、見掛け比重は0.7以下であ
ることを骨子とする澱粉含有クリームである。以下この
発明を詳細に説明する。
性水中油型乳化物とを含む原料を、起泡することを骨子
とする澱粉含有クリームの製造法、並びに、α化澱粉を
0.5重量%以上含有し、見掛け比重は0.7以下であ
ることを骨子とする澱粉含有クリームである。以下この
発明を詳細に説明する。
【0009】この発明で使用する原料のα化澱粉は、使
用時、未膨潤のもの即ち、水和しきっていないものであ
ることが必要である。水で膨潤してしまうと、糊状の性
質を示し、起泡性水中油型乳化物と起泡しようとしても
起泡が妨げられる。
用時、未膨潤のもの即ち、水和しきっていないものであ
ることが必要である。水で膨潤してしまうと、糊状の性
質を示し、起泡性水中油型乳化物と起泡しようとしても
起泡が妨げられる。
【0010】一般にα化澱粉は、水和すれば(熱処理無
しに常温で)ゲル乃至糊状物を形成する性質を有し、こ
れは、澱粉を水と加熱して糊状にし、急速に脱水・乾燥
して得ることができ、市販もされている。
しに常温で)ゲル乃至糊状物を形成する性質を有し、こ
れは、澱粉を水と加熱して糊状にし、急速に脱水・乾燥
して得ることができ、市販もされている。
【0011】全クリーム中に含まれるべきα化澱粉は、
α化澱粉の乾物重量に換算して0.5重量%以上であ
り、通常5重量%以下、好ましくは1〜3重量%の範囲
で使用される。澱粉が適当量含まれることによって、他
の食品素材例えば、シュー、パフケーキ、パイ等への充
填を比較的広い作業温度域で行うのが容易となり、また
製品が冷凍状態よりも高い温度域にあってもクリーム部
分の保形性を優れたものにし、さらには冷凍状態を脱し
たときのクリーム部分の舌触りを滑らかにする。ただし
澱粉の量が多過ぎると起泡してもクリーム比重が低下し
にくく、かつ冷凍品の食感も低下する。
α化澱粉の乾物重量に換算して0.5重量%以上であ
り、通常5重量%以下、好ましくは1〜3重量%の範囲
で使用される。澱粉が適当量含まれることによって、他
の食品素材例えば、シュー、パフケーキ、パイ等への充
填を比較的広い作業温度域で行うのが容易となり、また
製品が冷凍状態よりも高い温度域にあってもクリーム部
分の保形性を優れたものにし、さらには冷凍状態を脱し
たときのクリーム部分の舌触りを滑らかにする。ただし
澱粉の量が多過ぎると起泡してもクリーム比重が低下し
にくく、かつ冷凍品の食感も低下する。
【0012】また、起泡性水中油型乳化物は、所謂ホイ
ッピングクリームであって、生クリームのほか、ホイッ
プ用合成クリームも好適に用いられる。ホイップ用クリ
ームの製造技術は基本的には、特許庁公報/周知・慣用
技術集の「合成クリーム製造技術」にも記載されてお
り、また無菌処理された市販品も販売されているので容
易に入手することができる。
ッピングクリームであって、生クリームのほか、ホイッ
プ用合成クリームも好適に用いられる。ホイップ用クリ
ームの製造技術は基本的には、特許庁公報/周知・慣用
技術集の「合成クリーム製造技術」にも記載されてお
り、また無菌処理された市販品も販売されているので容
易に入手することができる。
【0013】本発明方法によって得られる澱粉含有クリ
ームの組成は、前記量の澱粉を含む他、最終的に公知の
起泡性水中油型乳化物と同様、無脂乳固形、油脂、糖
類、乳化剤、及び水を含んでおり、その他任意かつ少量
の安定剤や呈味成分乃至フレーバー等も含むことができ
る。通常、無脂乳固形は 2-6重量% 、油脂は 10-50重量
% 、糖類は10-50 重量% 、乳化剤は 0.1-5重量% 、及び
水は40-60重量% の範囲にある。
ームの組成は、前記量の澱粉を含む他、最終的に公知の
起泡性水中油型乳化物と同様、無脂乳固形、油脂、糖
類、乳化剤、及び水を含んでおり、その他任意かつ少量
の安定剤や呈味成分乃至フレーバー等も含むことができ
る。通常、無脂乳固形は 2-6重量% 、油脂は 10-50重量
% 、糖類は10-50 重量% 、乳化剤は 0.1-5重量% 、及び
水は40-60重量% の範囲にある。
【0014】無脂乳固形としては、全脂乳、脱脂乳、ホ
エーパウダー、大豆蛋白等に由来のものが例示され、糖
類としてソルビトール、マルトース、グルコース、又は
フラクトースが例示され、乳化剤は、レシチン、モノグ
リセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、庶糖脂肪酸エス
テル、ポリグリセロール脂肪酸エステルが例示され、特
にその内、親水性と親油性の乳化剤の組合せ使用がよ
い。安定剤としては、ローカストビーンガム,カラギナ
ン,ゼラチン,結晶セルロース,キサンタンガム,リン
酸塩類等、及び、呈味成分乃至フレーバーとしては例え
ばチョコレート,カカオバター,カカオマス等が例示さ
れる。
エーパウダー、大豆蛋白等に由来のものが例示され、糖
類としてソルビトール、マルトース、グルコース、又は
フラクトースが例示され、乳化剤は、レシチン、モノグ
リセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、庶糖脂肪酸エス
テル、ポリグリセロール脂肪酸エステルが例示され、特
にその内、親水性と親油性の乳化剤の組合せ使用がよ
い。安定剤としては、ローカストビーンガム,カラギナ
ン,ゼラチン,結晶セルロース,キサンタンガム,リン
酸塩類等、及び、呈味成分乃至フレーバーとしては例え
ばチョコレート,カカオバター,カカオマス等が例示さ
れる。
【0015】また本発明の澱粉含有クリームがカスター
ドの風味を持つには、卵黄成分を原料中に含むことが必
要で、好ましくは最終澱粉クリーム中の生卵黄の量に換
算して2〜25% 含まれるようにするのがよい。卵黄成分
は滅菌処理してあるものを使用するのがよく、卵黄成分
を含む上記の起泡性水中油型乳化物が無菌化処理したも
のを使用することにより、本澱粉クリームを冷凍保存で
きることと相俟って、全体的に極めて保存性に優れた効
果をもたらすことができる。
ドの風味を持つには、卵黄成分を原料中に含むことが必
要で、好ましくは最終澱粉クリーム中の生卵黄の量に換
算して2〜25% 含まれるようにするのがよい。卵黄成分
は滅菌処理してあるものを使用するのがよく、卵黄成分
を含む上記の起泡性水中油型乳化物が無菌化処理したも
のを使用することにより、本澱粉クリームを冷凍保存で
きることと相俟って、全体的に極めて保存性に優れた効
果をもたらすことができる。
【0016】この発明では、起泡性水中油型乳化物と未
膨潤のα化澱粉とを含む原料を起泡させる。即ち、α化
澱粉の水和と平行してクリームを起泡させることによ
り、見掛け比重が0.7 以下、より好ましくは0.6以下
の、澱粉クリームを得ることができ、このことが、冷凍
温度域で喫食してもソフトであり、かつ、冷凍状態を脱
しても、容易にはクリーム部分が流れ出さず、美味しく
食べられることを可能にする。予め水和膨潤してしまっ
たα化澱粉は、クリームの起泡を妨げて、起泡させよう
としても比重の低下は十分でなく、また起泡性水中油型
乳化物の起泡後に未膨潤のα化澱粉を加えたのでは、満
足できるクリーム食感を得難い。
膨潤のα化澱粉とを含む原料を起泡させる。即ち、α化
澱粉の水和と平行してクリームを起泡させることによ
り、見掛け比重が0.7 以下、より好ましくは0.6以下
の、澱粉クリームを得ることができ、このことが、冷凍
温度域で喫食してもソフトであり、かつ、冷凍状態を脱
しても、容易にはクリーム部分が流れ出さず、美味しく
食べられることを可能にする。予め水和膨潤してしまっ
たα化澱粉は、クリームの起泡を妨げて、起泡させよう
としても比重の低下は十分でなく、また起泡性水中油型
乳化物の起泡後に未膨潤のα化澱粉を加えたのでは、満
足できるクリーム食感を得難い。
【0017】なお、この発明で見掛け比重とは、起泡さ
せて空気を含んだ状態の比重をいうが、ときに単に「比
重」の語で、見掛け比重をいうことがある。
せて空気を含んだ状態の比重をいうが、ときに単に「比
重」の語で、見掛け比重をいうことがある。
【0018】未膨潤のα化澱粉を起泡性水中油型乳化物
と混合するに際して、α化澱粉が「だま」になり易いの
を改善し、かつ、α化澱粉の水和が急速に進行するのを
避けるために、未膨潤のα化澱粉が、他の原料とプレミ
ックスされた状態で使用するのが有利である。当該他の
原料は、低水分特に水分40%未満のものが好ましく、
練乳、練乳タイプの合成乳、加糖卵黄、糖等が例示でき
る。場合によっては、起泡性水中油型乳化物の一部とα
化澱粉をだまが残らないように素早く混ぜ合わせてから
混合する。
と混合するに際して、α化澱粉が「だま」になり易いの
を改善し、かつ、α化澱粉の水和が急速に進行するのを
避けるために、未膨潤のα化澱粉が、他の原料とプレミ
ックスされた状態で使用するのが有利である。当該他の
原料は、低水分特に水分40%未満のものが好ましく、
練乳、練乳タイプの合成乳、加糖卵黄、糖等が例示でき
る。場合によっては、起泡性水中油型乳化物の一部とα
化澱粉をだまが残らないように素早く混ぜ合わせてから
混合する。
【0019】澱粉クリームは起泡後要すれば更に、風味
付けの為に、フルーツのピューレやジャム、ペースト
類、チョコレート類、チーズ、洋酒等を添加することが
でき味のバラエティが出来るし、シロップ漬けしたフル
ーツ、チップ状チョコ、チーズ粒、粒餡、濡れ納豆等と
混合してフィリング入りのクリームとすることもでき
る。
付けの為に、フルーツのピューレやジャム、ペースト
類、チョコレート類、チーズ、洋酒等を添加することが
でき味のバラエティが出来るし、シロップ漬けしたフル
ーツ、チップ状チョコ、チーズ粒、粒餡、濡れ納豆等と
混合してフィリング入りのクリームとすることもでき
る。
【0020】上記のように起泡して澱粉含有クリーム
は、シュー生地やパフケーキ、オムレット、パイなどの
フィリングとして使用すると、冷凍でもソフトでおいし
く、また、冷蔵でも保形性がある特徴有る菓子が得られ
た。また本発明による澱粉含有クリームは、どら焼き、
きんつば、桜餅といった所謂「焼物」と呼ばれる範疇の
和菓子があり、それらにおいて使用される餡に換えて、
使用することができる。
は、シュー生地やパフケーキ、オムレット、パイなどの
フィリングとして使用すると、冷凍でもソフトでおいし
く、また、冷蔵でも保形性がある特徴有る菓子が得られ
た。また本発明による澱粉含有クリームは、どら焼き、
きんつば、桜餅といった所謂「焼物」と呼ばれる範疇の
和菓子があり、それらにおいて使用される餡に換えて、
使用することができる。
【0021】
【作用】本発明の作用は、起泡に際して使用する澱粉
が、未膨潤のα化澱粉であることにより、起泡時は起泡
を妨げる原因にならないが、起泡後には膨潤して澱粉糊
の機能を発揮する点にある。
が、未膨潤のα化澱粉であることにより、起泡時は起泡
を妨げる原因にならないが、起泡後には膨潤して澱粉糊
の機能を発揮する点にある。
【0022】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。なお以下で
特にことわらない限り、部及び%は重量部及び重量%で
ある。
特にことわらない限り、部及び%は重量部及び重量%で
ある。
【0023】実施例1 未膨潤のα化澱粉4部( 王子ナショナル株式会社製、商
品名「インスタントクリアジェル」)を、殺菌済の加糖
卵黄入り濃縮乳(不二製油株式会社製、商品名「プロダ
ッシュ800」、水分34%)50部とプレミックスし、5分
以内に、卵黄を8%(含水物換算)含有する市販の起泡
性水中油型乳化物(不二製油株式会社製「セミフレッド
ベース」)100 部及び牛乳50部と混合し、ミキサーで泡
立てたところ、比重が0.53となった。
品名「インスタントクリアジェル」)を、殺菌済の加糖
卵黄入り濃縮乳(不二製油株式会社製、商品名「プロダ
ッシュ800」、水分34%)50部とプレミックスし、5分
以内に、卵黄を8%(含水物換算)含有する市販の起泡
性水中油型乳化物(不二製油株式会社製「セミフレッド
ベース」)100 部及び牛乳50部と混合し、ミキサーで泡
立てたところ、比重が0.53となった。
【0024】この澱粉クリーム中、無脂乳固形は5.0%、
油脂は17.9% 、糖類は12.6% 、乳化剤は0.2%、及び水は
57.1% の範囲にあり、生換算の卵黄は11.6% であった。
油脂は17.9% 、糖類は12.6% 、乳化剤は0.2%、及び水は
57.1% の範囲にあり、生換算の卵黄は11.6% であった。
【0025】これをシュー生地に充填して冷凍した。−
15℃の品温で喫食したところ、シュー皮とクリーム部
分の全体の噛みごごちがサックリとして全体が噛み通せ
る程度のソフトさとアイスクリーム状の食感を併せも
ち、良好な食感であった。また冷凍したものを5℃の冷
蔵庫に移して品温5℃で喫食したところカスタードクリ
ーム状のとろっとした食感が得られた。
15℃の品温で喫食したところ、シュー皮とクリーム部
分の全体の噛みごごちがサックリとして全体が噛み通せ
る程度のソフトさとアイスクリーム状の食感を併せも
ち、良好な食感であった。また冷凍したものを5℃の冷
蔵庫に移して品温5℃で喫食したところカスタードクリ
ーム状のとろっとした食感が得られた。
【0026】比較例1 全配合量は実施例1と同じであるが、α化澱粉、濃縮
乳、及び牛乳をプレミックスし室温に1 時間放置した状
態のものは、α化澱粉が膨潤してしまっており、これ
を、起泡性水中油型乳化物と混合して起泡させたても、
みかけ比重は0.8 程度までにしか低下しなかった。この
澱粉クリームは、シュー皮に充填して冷凍したが、-15
℃で食したところ、食感は実施例1に比べてかなり固
く、冷凍で喫食するには適さなかった。
乳、及び牛乳をプレミックスし室温に1 時間放置した状
態のものは、α化澱粉が膨潤してしまっており、これ
を、起泡性水中油型乳化物と混合して起泡させたても、
みかけ比重は0.8 程度までにしか低下しなかった。この
澱粉クリームは、シュー皮に充填して冷凍したが、-15
℃で食したところ、食感は実施例1に比べてかなり固
く、冷凍で喫食するには適さなかった。
【0027】比較例2 加糖卵黄入り濃縮乳(前出商品名「プロダッシュ80
0」)50部に、α化処理していない市販のコーンスタ
ーチ4部を混ぜ、沸騰した牛乳50部を加えてさらに加
熱し、カスタードクリームにたき上げた。これから粗熱
を取った後、起泡性水中油型乳化物(前出商品名「セミ
フレッドベース」)100部を十分起泡させた所謂ホイ
ップドクリームと混ぜたところ比重が0.76になっ
た。これをシュー皮に充填し─15℃で喫食したとこ
ろ、実施例1のようなソフトな食感は得られなかった。
0」)50部に、α化処理していない市販のコーンスタ
ーチ4部を混ぜ、沸騰した牛乳50部を加えてさらに加
熱し、カスタードクリームにたき上げた。これから粗熱
を取った後、起泡性水中油型乳化物(前出商品名「セミ
フレッドベース」)100部を十分起泡させた所謂ホイ
ップドクリームと混ぜたところ比重が0.76になっ
た。これをシュー皮に充填し─15℃で喫食したとこ
ろ、実施例1のようなソフトな食感は得られなかった。
【0028】比較例3 起泡性水中油型乳化物(前出商品名「セミフレッドベー
ス」)100部と加糖卵黄入り濃縮乳(前出商品名「プ
ロダッシュ800」)を一緒に起泡し、これにゼラチン
2部を溶かし込んだ牛乳50部を混ぜ合わせた。出来上
がりの比重は0.56であったが、そのままでは流動状
でシューに充填するには困難であった。5℃冷蔵庫で2
時間放置したところ充填できる固さになったが、比重が
0.74と重くなった。これを─15℃で喫食したとこ
ろソフトな食感が得られず、また口溶けの悪いものとな
った。
ス」)100部と加糖卵黄入り濃縮乳(前出商品名「プ
ロダッシュ800」)を一緒に起泡し、これにゼラチン
2部を溶かし込んだ牛乳50部を混ぜ合わせた。出来上
がりの比重は0.56であったが、そのままでは流動状
でシューに充填するには困難であった。5℃冷蔵庫で2
時間放置したところ充填できる固さになったが、比重が
0.74と重くなった。これを─15℃で喫食したとこ
ろソフトな食感が得られず、また口溶けの悪いものとな
った。
【0029】実施例2 濃縮乳(前出商品名「プロダッシュ800」のかわりに
コンデンスミルクを使用する他は実施例1と同様に製造
したところ、比重が0.55になった。これをパフケー
キに充填し、冷凍し、─15℃で喫食したところソフト
な食感が得られた。
コンデンスミルクを使用する他は実施例1と同様に製造
したところ、比重が0.55になった。これをパフケー
キに充填し、冷凍し、─15℃で喫食したところソフト
な食感が得られた。
【0030】起泡性水中油型乳化物(前出商品名「セミ
フレッドベース」)100部に直接α化澱粉を混ぜ込ん
だところ、澱粉のだまができ、これを起泡したところ、
比重は0.51まで低下したが、だまが残ったままで、
なめらかな食感には劣り、やはりプレミックスした方が
よい結果であった。
フレッドベース」)100部に直接α化澱粉を混ぜ込ん
だところ、澱粉のだまができ、これを起泡したところ、
比重は0.51まで低下したが、だまが残ったままで、
なめらかな食感には劣り、やはりプレミックスした方が
よい結果であった。
【0031】
【発明の効果】以上説明のように、この発明によるクリ
ームは、澱粉を含有していても低比重にまで起泡するこ
とができ、冷凍温度で喫食して噛み通せるソフトさがあ
り、また冷凍保存できるので保存性に優れており、冷凍
状態を脱しても、容易にはクリーム部分が流れ出さず、
クリーム部分の味は美味しく味わえる。また該クリーム
は、例えば小規模製造家にとっても負担過多な設備を要
することなく製造が可能である。
ームは、澱粉を含有していても低比重にまで起泡するこ
とができ、冷凍温度で喫食して噛み通せるソフトさがあ
り、また冷凍保存できるので保存性に優れており、冷凍
状態を脱しても、容易にはクリーム部分が流れ出さず、
クリーム部分の味は美味しく味わえる。また該クリーム
は、例えば小規模製造家にとっても負担過多な設備を要
することなく製造が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】未膨潤のα化澱粉と起泡性水中油型乳化物
とを含む原料を、起泡することを特徴とする、澱粉含有
クリームの製造法。 - 【請求項2】未膨潤のα化澱粉が、他の原料とプレミッ
クスされた状態で使用される請求項1の製造法。 - 【請求項3】α化澱粉を0.5重量%以上含有し、見掛
け比重0.7以下であることを特徴とする澱粉含有クリ
ーム。 - 【請求項4】請求項1の方法により製造された澱粉含有
クリームをフィリングとして含有する冷菓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5153118A JPH078174A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 澱粉含有クリーム及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5153118A JPH078174A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 澱粉含有クリーム及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH078174A true JPH078174A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15555371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5153118A Pending JPH078174A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 澱粉含有クリーム及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH078174A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004105028A (ja) * | 2002-09-13 | 2004-04-08 | Kanebo Ltd | 澱粉含有加熱食品、包あん食品及びその製法 |
US8440251B2 (en) | 2001-11-08 | 2013-05-14 | Kellogg North America Company | Doughs containing dehydrated potato products |
JP2017225383A (ja) * | 2016-06-22 | 2017-12-28 | クラシエフーズ株式会社 | 非加熱加水クリーム状食品用粉末 |
JP2018038330A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 味の素株式会社 | ホイップクリーム |
CN112334008A (zh) * | 2018-06-27 | 2021-02-05 | J-制油株式会社 | 掼奶油 |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP5153118A patent/JPH078174A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8440251B2 (en) | 2001-11-08 | 2013-05-14 | Kellogg North America Company | Doughs containing dehydrated potato products |
JP2004105028A (ja) * | 2002-09-13 | 2004-04-08 | Kanebo Ltd | 澱粉含有加熱食品、包あん食品及びその製法 |
JP2017225383A (ja) * | 2016-06-22 | 2017-12-28 | クラシエフーズ株式会社 | 非加熱加水クリーム状食品用粉末 |
JP2018038330A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 味の素株式会社 | ホイップクリーム |
CN112334008A (zh) * | 2018-06-27 | 2021-02-05 | J-制油株式会社 | 掼奶油 |
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