JPH0780407A - 導管のライニング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 架空導管部内にフレキシブル管を内嵌しその
隙間にライニング剤を注入して、腐食対策のためのライ
ニング層を形成する従来方法では、前記ライニング層の
長手方向の一部が手薄となり、その手薄な部分での腐食
対策が不十分になる。このような従来の問題を解消す
る。 【構成】 架空導管部１ａ内にフレキシブル管３を内嵌
し、その両者間の隙間にライニング剤４を充填すること
により、架空導管部１ａの第１の内面ライニングを行
う。更に、導管１内の一端側に充填したライニング剤４
をピグ５を介して他端側へ圧送して、前記第１の内面ラ
イニングが行われた部分の内側に、前記ピグ５によるラ
イニング剤４の押し拡げに基づく第２の内面ライニング
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、導管のライニング方法
に関し、更に詳しくは、土中に埋設された導管の一部が
架空状態となっている配管設備において、前記架空導管
部の内面ライニングを行う導管のライニング方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】土中に導管が埋設されてなる配管設備に
おいては、前記導管の一部が架空状態となった架空導管
部１ａが形成されることがある。例えば、ガス管として
の導管１が、図２に示すように、側溝の暗渠や開渠（図
２では、周囲に壁体２ａが設けられ且つ施蓋されること
によって閉鎖水路が形成された暗渠２。従って、以下、
暗渠２とする）を通過するという条件の下で配管される
場合、前記暗渠２内の空間に前記導管１が架け渡し状態
に配管されて架空状態となり、前記架空導管部１ａが形
成されるようになる。前記架空導管部１ａは、排水との
接触により、一般埋設物よりも腐食が生じ易い環境に曝
され、しかも、両端が固定された支持状態であるので、
埋設状態よりも外力による折損の危険性が高い環境にも
曝されるため、前記架空導管部１ａに対して、前記腐食
による漏れ部発生に対する対策（以下、腐食対策とい
う）及び前記折損に対する対策（以下、折損対策とい
う）が図３に示すように講じられていた。即ち、前記架
空導管部１ａ内にフレキシブル管３を図３（イ）に示す
ように内嵌した後、そのフレキシブル管３と前記架空導
管部１ａとの隙間にライニング剤４を前記フレキシブル
管３の一端側から注入して、図３（ロ）に示すよう前記
架空導管部１ａと前記フレキシブル管３との間にライニ
ング層を形成することにより、前記腐食対策及び前記折
損対策を講じていた。即ち、前記ライニング層の形成に
よって、前記腐食による漏れ部発生を抑止し、且つ、前
記フレキシブル管３の内嵌による補強効果によって、前
記折損を回避するようにしていた。尚、前記架空導管部
１ａ内に、ストレート管（図外）ではなく、フレキシブ
ル管３を内嵌するようにしたのは、次に述べる理由に基
づいている。即ち、前記架空導管部１ａ内にストレート
管を内嵌した場合、そのストレート管の端部に曲がり力
等の外力が集中的に作用するようになり、その外力によ
って、前記ライニング層における前記端部の相当箇所が
破損して、前記ライニング層の形成による対策が不完全
になるからである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来方法を
実施する場合は、架空導管部１ａ内にフレキシブル管３
を内嵌した状態で、その両者間に、筒状に連なった一連
の隙間が生じるが、その一連の隙間のうちでも、フレキ
シブル管３の最大径部と架空導管部１ａとの間に生じる
隙間部分が特に小さくなる。そこで、前記一連の隙間に
ライニング剤４を注入して前記腐食対策のためのライニ
ング層を形成したとしても、そのライニング層の長手方
向の一部、即ち、前記特に小さくなった隙間部分に形成
されるライニング層が手薄となり、そのライニング層が
手薄となった部分では、前記腐食対策が不十分になる、
という問題があった。本発明は、このような実情に着目
してなされたものであり、上述した問題を解消し得る手
段を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る導管のライ
ニング方法（以下、本発明方法という）は、土中に埋設
された導管の一部が、架空状態となっている配管設備に
おいて、前記架空状態の箇所に対応する架空導管部内に
フレキシブル管を内嵌し、且つ、そのフレキシブル管と
前記架空導管部との隙間にライニング剤を充填すること
により、前記架空導管部の第１の内面ライニングを行う
と共に、導管内の一端側にライニング剤を充填して、そ
のライニング剤をピグを介して他端側へ圧送してフレキ
シブル管内を挿通させるすることにより、前記第１の内
面ライニングが行われた部分の内側に、前記ピグによる
前記ライニング剤の押し拡げに基づく第２の内面ライニ
ングを行って、前記架空導管部の内面ライニングを完成
させる点に特徴を有している。

【０００５】

【作用】本発明方法において、前記第１の内面ライニン
グが行われた中途段階では、従来方法と同様、フレキシ
ブル管の最大径部と架空導管部との間に生じる隙間部分
に形成されるライニング層が手薄となり、この中途段階
のままでは、前記手薄となった部分で前記腐食対策が不
十分になってしまうが、本発明方法を遂行する場合は、
前記中途段階の後、前記第１の内面ライニングが行われ
た部分の内側に、前記ピグによる前記ライニング剤の押
し拡げに基づく第２の内面ライニングが行われるので、
前記手薄となった部分での内面ライニングが前記第２の
内面ライニングによって補完されるようになり、前記手
薄となった部分のライニング層の厚さが、最終的には前
記腐食対策に対して有効な厚さとなる。

【０００６】

【発明の効果】このように、本発明方法によれば、前記
手薄となった部分でのライニング層の厚さが最終的に前
記腐食対策に対して有効な厚さとなるので、前記腐食対
策が不十分になるという従来の問題が解消されるように
なる。尚、本発明方法においても、従来方法と同様、フ
レキシブル管の内嵌による補強効果に基づいて、前記折
損対策が講じられるのはいうまでもない。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した
部分は同一又は相当の部分を示している。

【０００８】図１には、本発明方法の一実施例が示され
ている。図中、１は、ガス管としての導管１であり、そ
の導管１は、側溝の暗渠２（即ち、図３に示すように周
囲に壁体２ａが設けられ且つ施蓋されることによって蓋
付き水路が形成された暗渠２）を通過するように配管さ
れている。前記暗渠２内の空間には、前記導管１が架け
渡し状態に配管された架空導管部１ａが形成される。そ
の架空導管部１ａは、排水との接触により、一般埋設物
よりも腐食が生じ易い環境に曝され、しかも、両端が固
定された支持状態であるので、埋設状態よりも外力によ
る折損の危険性が高い環境にも曝されるため、前記架空
導管部１ａに対して、前記腐食による漏れ部発生及び前
記折損の双方に対する対策が本発明方法によって講じら
れる。

【０００９】本発明方法の手順について具体的に説明す
る。先ず、前記架空導管部１ａ内にフレキシブル管３
（例えば、ステンレス鋼や樹脂等よりなる管）を内嵌
し、そのフレキシブル管３と前記架空導管部１ａとの隙
間へライニング剤４を、前記架空導管部１ａの一端側か
ら（図１では、右側から）注入して（図１（イ）参照）
充填することにより、前記架空導管部１ａの第１の内面
ライニングを行う（図１（ロ）参照）。その後、前記導
管１内の一端側（例えば、図１において前記架空導管部
１ａの右側部分）にライニング剤４を充填して、そのラ
イニング剤４を、前記一端側からの空気供給に基づいて
後押しされるピグ５を介して他端側へ圧送して（図１
（ハ）参照）フレキシブル管３内を挿通させるすること
により、前記第１の内面ライニングが行われた部分の内
側に、前記ピグ５による前記ライニング剤４の押し拡げ
に基づく第２の内面ライニングを行って、前記架空導管
部１ａの内面ライニングを完成させる。その後、前記ピ
グ５が前記架空導管部１ａの他端部にまで至って前記架
空導管部１ａにおける前記第２の内面ライニングが完了
すると、図１（ニ）に示すように、前記ピグ５を更に前
方へ圧送することにより、前記架空導管部１ａの前方に
連なる導管部１ｂ内にて、前記ピグ５による前記ライニ
ング剤４の押し拡げに基づく内面ライニングを行った
後、前記ピグ５を前方へ送り出すことにより、そのピグ
５を前記導管１外へ取り出して回収する。

【００１０】次に、別実施例について説明する。上述の
実施例は、前記架空導管部１ａが側溝の暗渠２に形成さ
れた場合において本発明方法を適用したものであった
が、土中に形成された前記暗渠２以外の種々の空間、例
えば、側溝の開渠に前記架空導管部１ａが形成された場
合においても、本発明方法の適用が可能であるのはいう
までもない。

【００１１】また、前記導管１が、ガス管以外の各種導
管（例えば、水道管）である場合においても、本発明方
法の適用が可能であるのはいうまでもない。

【００１２】また、前記フレキシブル管３としては、凹
凸のピッチが小さい密着型のフレキシブル管等、種々の
形態が考えられる。

【００１３】また、前記ピグ５による前記ライニング剤
４の押し拡げに基づく内面ライニングは、前記ピグ５の
移動方向を逆向き（即ち、前記第１の内面ライニングの
ためのライニング剤４の注入方向とは逆向き）にして行
ってもよい。但し、前記第１の内面ライニングを行った
後、前記ピグ５の圧送に先立って前記導管１内にライニ
ング剤４を充填する箇所は、前記導管１における他端側
（図１では、左側）の適宜箇所に設定する必要がある。

【００１４】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の手順を示す説明図

【図２】架空導管部を有する配管設備の縦断面図

【図３】従来方法の手順を示す説明図

【符号の説明】

１ 導管 １ａ 架空導管部 ３ フレキシブル管 ４ ライニング剤 ５ ピグ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 土中に埋設された導管（１）の一部が、
   架空状態となっている配管設備において、前記架空状態
   の箇所に対応する架空導管部（１ａ）内にフレキシブル
   管（３）を内嵌し、且つ、そのフレキシブル管（３）と
   前記架空導管部（１ａ）との隙間にライニング剤（４）
   を充填することにより、前記架空導管部（１ａ）の第１
   の内面ライニングを行うと共に、導管（１）内の一端側
   にライニング剤（４）を充填して、そのライニング剤
   （４）をピグ（５）を介して他端側へ圧送してフレキシ
   ブル管（３）内を挿通させるすることにより、前記第１
   の内面ライニングが行われた部分の内側に、前記ピグ
   （５）による前記ライニング剤（４）の押し拡げに基づ
   く第２の内面ライニングを行って、前記架空導管部（１
   ａ）の内面ライニングを完成させる導管のライニング方
   法。