JPH0779049A - 誘電体反射膜及びその製造方法 - Google Patents

誘電体反射膜及びその製造方法

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JPH0779049A
JPH0779049A JP22121393A JP22121393A JPH0779049A JP H0779049 A JPH0779049 A JP H0779049A JP 22121393 A JP22121393 A JP 22121393A JP 22121393 A JP22121393 A JP 22121393A JP H0779049 A JPH0779049 A JP H0779049A
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JP
Japan
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refractive index
film
dielectric
vapor deposition
ion
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JP22121393A
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Yosuke Yamazaki
洋介 山崎
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、所望の反射率を有する誘電
体反射膜を実現する技術を提供することである。 【構成】 単一物質で形成され、複数の異なる屈折率を
有する層が積層された単一物質膜を含む。また、誘電体
反射膜製造方法は、真空容器内に被着部材と、蒸着物質
を配置して、被着部材の膜形成面に加速されたイオンを
衝突させながら、該蒸着物質を蒸発させて該被着部材の
膜形成面に蒸着物質の膜を形成する誘電体反射膜形成方
法において、単一光学膜形成中に前記イオンによるイオ
ンアシスト効果を変化させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体反射膜に関す
る。半導体レーザには、光子密度を高めるために一対の
平行、平滑な反射面を対向させた光共振器が使用されて
いる。半導体レーザの駆動電流及び電流閾値を低減する
ためには、共振器内に光をより効果的に閉じ込める技術
が必要であり、そのために、所望の反射率を有する反射
膜の製造技術が期待されている。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体レーザは、半導体レーザチ
ップを結晶面に沿って劈開し、その劈開面を反射面とし
ている。または、劈開面上に均質膜を形成して、より高
い反射率を得るようにしている。例えば、一方の面の反
射率をほぼ100%(高反射率面)、他方の面の反射率
を50〜75%、より典型的には60〜70%(中間反
射率面)にする。
【0003】また、高反射率膜を得る方法として、レー
ザ発振波長の1/4の膜厚を有する高屈折率、低屈折率
の2種類以上の膜を積層する方法が知られている。Si
2/Siの組み合わせを2対形成すると約96%の高
反射膜が得られる。中間反射率は、例えば、SiO2
Siの1対の多層膜で約80%が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】均質膜をコーティング
する方法では、反射率は使用する材料の屈折率によって
決定される。使用可能な材料には制限があるため、所望
の反射率を有する反射膜を得ることは困難である。例え
ば、反射率60〜70%の誘電体多層膜を作製しようと
しても好適な高屈折率材料が見当たらない。
【0005】本発明の目的は、所望の反射率を有する誘
電体反射膜を実現する技術を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による誘電体反射
膜は、単一物質で形成され、複数の異なる屈折率を有す
る層が積層された単一物質膜を含む。
【0007】本発明による誘電体反射膜製造方法は、真
空容器内に被着部材と、蒸着物質を配置して、被着部材
の膜形成面に加速されたイオンを衝突させながら、該蒸
着物質を蒸発させて該被着部材の膜形成面に蒸着物質の
膜を形成するイオンアシスト蒸着法による誘電体反射膜
形成方法において、単一光学膜形成中に前記イオンによ
るイオンアシスト効果を変化させることを特徴とする。
【0008】
【作用】イオンアシスト蒸着法において、膜形成中に、
膜形成面に衝突させるイオンによるイオンアシスト効果
を変化させることにより、形成される膜の屈折率を変化
させることができる。このようにして、単一物質膜中に
屈折率の異なる複数の層を積層することができる。
【0009】このように、単一物質膜中に屈折率の異な
る複数の層を積層することにより、膜全体の屈折率を中
間の値に制御し、所望の屈折率を有する膜を得ることが
可能になる。この膜を、異なる屈折率を有する他の膜と
組み合わせることにより、所望の反射率を有する多層反
射膜を得ることが可能になる。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例による誘電体反射膜
の構造及びその製造方法について説明する。
【0011】図1(A)は、本発明の実施例による誘電
体多層膜を示す。半導体レーザ2の劈開面に、それぞれ
レーザ発振波長において4分の1波長(λ/4)の光学
厚を有する低屈折率膜1bと高屈折率膜1aが交互に形
成され、全体として誘電体多層膜1が形成されている。
高屈折率膜1aは単一の物質で形成されているが、その
密度が変化することにより屈折率が周期的に変化し、全
体として中間の屈折率を実現している。
【0012】図1(B)は、実施例に使用したイオンア
シスト蒸着装置の概略を示す。排気系10により真空排
気可能な真空容器9内の上部に、中心軸の回りに回転可
能な試料ホルダ4が試料載置面を下に向けて配置されて
いる。試料ホルダ4の試料載置面に、誘電体反射膜を形
成すべき目的物であるレーザ素子3が載置されている。
【0013】真空容器9内の下部には、試料ホルダ4に
対向するように、蒸着物質5が投入されたるつぼ6が配
置されている。るつぼ6に投入された蒸着物質5は、図
には示さない電子銃から電子ビームが照射されることに
より蒸発する。
【0014】蒸発した蒸着物質は、対向する位置に配置
されたレーザ素子3の膜形成面上で固化し、蒸着膜を形
成する。なお、るつぼは、必要な数を配置する。例え
ば、SiO2 を投入したるつぼと、TiO2 を投入した
るつぼを用いる。
【0015】さらに、試料ホルダ4に対向する位置に
は、イオン銃7が配置されている。イオン銃7には、配
管8を介して少なくともアルゴン(Ar)もしくは酸素
(O2)の一方が供給されている。イオン銃7によって
イオン化されたアルゴンイオンと酸素イオンは、試料ホ
ルダ4の試料載置面に衝突する。
【0016】本実施例では、イオン照射下でるつぼ6に
投入した二酸化チタンを蒸発させることにより、レーザ
素子3の劈開面にチタニア(TiO2 )の膜を形成し
た。このとき、少なくともアルゴンイオンもしくは酸素
イオンの一方によるイオンアシスト効果を変化させるこ
とにより、チタニア膜の密度を変化させ屈折率を変化さ
せることができる。
【0017】図2(A)は、イオン電流と形成された膜
の屈折率との関係の概略を示す。イオン電流が上昇する
に従って形成される誘電体膜の屈折率は増加し、イオン
電流IHの時最大値となる。
【0018】それ以上イオン電流を上昇すると、屈折率
は低下する。所望の屈折率の誘電体膜を得るためには、
その屈折率を与えるイオン電流でイオンを衝突させなが
ら蒸着すればよい。
【0019】しかし、この方法では、イオン電流のわず
かな変動により形成される誘電体膜の屈折率が変動する
ため、所望の屈折率を有する誘電体膜を安定して形成す
ることは困難である。
【0020】本実施例では、イオン電流が変動しても屈
折率がほとんど変化しない領域、すなわち、屈折率の極
値を与えるイオン電流IHを使用することにより、屈折
率の変動を防止している。また、イオン電流を流さない
場合も、屈折率の安定な誘電体膜を得ることができる。
【0021】イオン電流を選ぶと屈折率が決まってしま
うが、2つ以上の屈折率の層を多数積層することによ
り、任意の中間屈折率を実現する。
【0022】図2(B)、(C)は、誘電体膜蒸着時の
イオン電流の変化、及び形成された誘電体膜の屈折率の
変化を示す。図2(A)に示すように、イオン電流を周
期的に矩形状に変化させることにより、形成される誘電
体膜は、高屈折率N2 を呈する層(高屈折率層)と、中
間屈折率N1 を呈する層(中間屈折率層)が周期的に形
成された膜となる。λを波長、nを自然数としたとき、
各層の光学厚さをλ/(4・n)とし、合計n層の高屈
折率層と中間屈折率層を形成することにより、1/4波
長の膜厚の誘電体膜を得ることができる。
【0023】ここで、矩形状に変化するイオン電流の高
電流時と低電流時の電流は、イオン電流の変化に対する
誘電体膜の屈折率の変化が少ない領域を選択することが
好ましい。これにより、イオン電流の変動に影響されに
くく、安定した屈折率を有する誘電体膜を得ることがで
きる。
【0024】図2(C)に示すように、高電流を印加す
る時間と低電流を印加する時間との比率を変えることに
より、屈折率N2 の高屈折率層と屈折率N1 の中間屈折
率層との膜厚の比を変化させることができる。これによ
り、屈折率N1 とN2 との中間の任意の屈折率を有する
誘電体膜を形成することができる。
【0025】屈折率が約1.45のSiO2 膜を低屈折
率膜とし、上述のように屈折率を制御した誘電体膜を高
屈折率膜として誘電体多層膜フィルタを形成することが
できる。
【0026】上記のイオンアシスト蒸着法によりチタニ
アの誘電体反射膜を形成する場合、イオン電流を変化さ
せることにより、屈折率を2.04から2.20まで変
化させることができる。
【0027】実際に、高屈折率層の屈折率を2.2、中
間屈折率層の屈折率を2.04とした場合に、高屈折率
層と中間屈折率層との膜厚比が1:1.3のとき低屈折
率膜の屈折率を1.45とすると、1対の膜で56%の
反射率が得られる。
【0028】上記実施例では、イオン電流を変化させて
屈折率を変化させる方法について説明したが、イオンの
加速電圧、蒸着物質の蒸発温度、または真空容器内のガ
ス圧を変化させることによってもイオンアシスト効果を
制御し、屈折率を変化させることができる。
【0029】また、イオン電流を矩形状に2段階に変化
させて屈折率の異なる2種類の層を積層する場合につい
て説明したが、イオン電流を3段階以上に変化させて、
屈折率の異なる3種類以上の層を積層してもよい。
【0030】3段階に変化させる場合は、図2(A)で
イオン電流0の屈折率、屈折率のピ−ク、イオン電流大
で屈折率変化が緩やかになった所の屈折率を用いるのが
好ましい。
【0031】以上、本発明の実施例については、半導体
レーザの劈開面に誘電体反射膜を形成する方法について
説明したが、半導体レーザ以外の光学部品に適用するこ
とも可能である。
【0032】また、高屈折率誘電体材料として、チタニ
アを使用する場合について説明したが、その他の誘電体
材料を使用してもよい。例えば、二酸化ジルコニウム
(ZrO2 )を使用すると、屈折率を1.8から1.9
5まで変化させることができる。
【0033】さらに、上記のように形成した積層構造の
誘電体膜と、均質膜との多層膜の膜構造は目的に合わせ
て任意に設計することができる。高屈折率膜の代わりに
低屈折率膜、または両者を上述のイオンアシスト効果に
よる多層構造としてもよい。
【0034】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、所望の反射率を有する
誘電体膜を形成することができる。この誘電体膜を半導
体レーザの光共振器の反射フィルタに使用することによ
り、光共振器の反射面を所望の反射率に設定することが
でき、駆動電流、発振閾値電流を低減することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の実施例による誘電体多層膜
の断面図、(B)は、実施例で使用したイオンアシスト
蒸着装置の概略図である。
【図2】(A)は、イオンアシスト蒸着法で形成した誘
電体膜の屈折率とイオン電流との関係を示すグラフ、
(B)と(C)は、蒸着時のイオン電流の変化、誘電体
膜の屈折率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 誘電体多層膜 1a 高屈折率膜 1b 低屈折率膜 2 半導体レーザ 3 レーザ素子 4 試料ホルダ 5 蒸着物質 6 るつぼ 7 イオン銃 8 配管 9 真空容器 10 排気系

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一物質で形成され、複数の異なる屈折
    率を有する層が積層された単一物質膜を含む誘電体反射
    膜。
  2. 【請求項2】 真空容器内に被着部材と、蒸着物質を配
    置して、被着部材の膜形成面に加速されたイオンを衝突
    させながら、該蒸着物質を蒸発させて該被着部材の膜形
    成面に蒸着物質の膜を形成するイオンアシスト蒸着法に
    よる誘電体反射膜形成方法において、 単一光学膜形成中に前記イオンによるイオンアシスト効
    果を変化させることを特徴とする誘電体反射膜形成方
    法。
JP22121393A 1993-09-06 1993-09-06 誘電体反射膜及びその製造方法 Withdrawn JPH0779049A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008085338A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Osram Opto Semiconductors Gmbh オプトエレクトロニクス素子を製造する方法及びオプトエレクトロニクス素子
JP2016157816A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 シチズンホールディングス株式会社 多層基板、発光装置および多層基板の製造方法

Cited By (3)

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US9431580B2 (en) 2006-09-26 2016-08-30 Osram Opto Semiconductors Gmbh Method for producing an optoelectronic component, and an optoelectronic component
JP2016157816A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 シチズンホールディングス株式会社 多層基板、発光装置および多層基板の製造方法

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