JPH0778025B2 - 免疫グロブリンgの製造方法 - Google Patents

免疫グロブリンgの製造方法

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JPH0778025B2
JPH0778025B2 JP2068210A JP6821090A JPH0778025B2 JP H0778025 B2 JPH0778025 B2 JP H0778025B2 JP 2068210 A JP2068210 A JP 2068210A JP 6821090 A JP6821090 A JP 6821090A JP H0778025 B2 JPH0778025 B2 JP H0778025B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗補体活性の小さい静脈注射用免疫グロブリン
G製剤を得るための製造方法に関する。
〔従来の技術〕
人血漿より分画した免疫グロブリンG(IgG)製剤は各
種重症感染症や低並びに無ガンマグロブリン血症などの
免疫不全症候群の治療に有効であり、人血漿からの分画
法としてはコーン分画法が広く用いられている。
コーン分画法においてはIgGはコーン分画IIから得られ
るが、人血漿の保存中に自然凝集したり、分画などの操
作においてアルコール等の薬品との接触によって凝集し
たりしてIgG中に凝集体が含まれ、これをこのまま静脈
内に投与すると、凝集体が抗補体作用を発揮して血圧降
下、悪寒、発熱等のアナフィラキシー用の重篤な副作用
を生じさせることがある。
そこで、静脈注射用IgG製剤としては、適当な支持体を
用いたゲル濾過法で分析したとき凝集体が検出されない
こと、及び、IgG濃度5%で分析したとき抗補体活性が2
0単位以下であることが必要とされている。抗補体活性
はこの基準を満足していればよいというものではなく、
より小さければ小さい程よいものである。従って、静脈
注射用IgG製剤としてはコーン分画IIから凝集体を除去
する必要があり、この除去法としては 1)ポリエチレングリコール沈殿法(凝集体を含むIgG
水溶液にポリエチレングリコールを添加して生ずる凝集
体の沈殿を濾別する方法) 2)IgG水溶液のpHを例えば4というような低い範囲に
することにより凝集体を解離する方法(IgG水溶液に酸
を添加してそのpHを4以下にして所定時間放置して凝集
体を解離させた後中和する方法) 3)上記2)の方法と微量の蛋白質分解酵素を用いた凝
集体の分解を組み合せた方法(IgG水溶液のpHを4以下
にし、更に微量の蛋白質分解酵素(たとえばペプシン)
を添加して酸による凝集体の解離と酵素による凝集体の
分解を行った後、中和、イオン交換樹脂による酵素の吸
着除去を行う方法) 4)イオン交換樹脂により凝集体を吸着除去する方法 5)燐酸三カルシウム、活性炭、水酸化アルミニウム、
ベントナイト等の吸着剤により凝集体を吸着除去する方
法(これらの吸着剤をIgG水溶液に添加して凝集体を吸
着させた後、これらの吸着剤を濾別する方法) 6)ゲル濾過法(IgG凝集体と単量体とを分離しうる分
画分子量を持つゲル濾過剤(例えばセファデックスG−
200)によるゲルクロマトグラフィーで凝集体を分離除
去する方法) 7)膜分離法 等がある。
この中、膜分離としてはIgGの二量体は透過させるが凝
集体は阻止するポリメチルメタクリレート系多孔質膜を
用いて濾過する方法が提案されており(特開昭61−6973
2号公報)、又、凝集体を除去するために孔径0.05〜0.2
μmのポリカーボネートメンブランフィルターで濾過す
ることも知られている(特開昭58−167518号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、IgGは10nm程度と考えられている。又、通常、I
gG水溶液に含まれる二量体は12nm程度であり、又、凝集
体は主として14〜40nm程度の大きさのものである。上述
のポリエチレングリコール沈殿法、イオン交換樹脂や活
性炭、燐酸三カルシウム等による吸着除去法、ゲル濾過
法等ではこの凝集体を検知できない程度まで除去できる
ものの、主として凝集体に起因するとされている抗補体
活性を充分低下させることができないという問題があっ
た。一方、膜濾過法によれば凝集体を完全に除去するこ
とが可能であり、抗補体活性を充分小さなものとする
が、IgGあるいはその二量体と凝集体の大きさとが近い
ため凝集体を完全に除去しようとするとIgGの回収率が
極端に低くなったり処理能率が極端に低下したりするた
め実用的でないという問題があり、一方、処理効率を高
めるために比較的大きな孔径の膜を用いると抗補体活性
を十分小さいものとするまで凝集体を除去するのは困難
であった。更に、IgGは膜分離処理により再度凝集を起
こし易く、このため抗補体活性が大きくなるという問題
があった。
従って、従来から知られている凝集体除去法のみでは効
率よく凝集体を除去してしかも抗補体活性を1桁の単位
のものにすることは困難であった。そこで、凝集体を直
接検知できない程度にまで除去するだけでなく、更に種
々の濃度のIgG水溶液における抗補体活性を大幅に低下
せしめる方法の開発が要望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこのような状況に鑑み鋭意検討した結果、
ゲル濾過による分析で凝集体が検出できない程度まで凝
集体を除去した後、界面活性を有する安定剤の存在下、
ポリオレフィン多孔質膜を用いて濾過すると濾過による
IgGの再凝集も実質的に起こらず、抗補体活性を大きく
減少させることができることを見出し、本発明に到達し
た。
即ち、本発明の要旨は人血漿から分画された免疫グロブ
リンGの水溶液から凝集体を除去した後、界面活性を有
する安定剤の存在下、ポリオレフィン多孔質膜で濾過す
ることを特徴とする静脈注射用免疫グロブリンGの製造
方法にある。
本発明で用いる免疫グロブリンGはコーン分画IIとして
得られるペースト状物であってもよく、コーン分画IIを
凍結乾燥したものであってもよい。但し、凍結乾燥によ
り凝集体が増加するため、ペースト状物であることが好
ましい。本発明で用いる免疫グロブリンG水溶液は上記
の免疫グロブリンGを蒸留水、生理食塩水あるいはpH4
〜9程度の緩衝液に溶解することにより得ることができ
る。
本発明においてはゲル濾過による分析で検出できない程
度まで凝集体を除去するが、ここで採用できる除去法と
してはポリエチレングリコール沈殿法、イオン交換樹脂
による吸着法、燐酸三カルシウム、活性炭、水酸化アル
ミニウム、ベントナイト等による吸着法、ゲル濾過法、
低pH処理法、低pH処理と蛋白質分解酵素処理との組み合
わせ等を挙げることができる。これらの他にも凝集体を
検出できない程度まで除去できる手段であれば採用する
ことができるが、上記の凝集体除去方法の中では燐酸三
カルシウムによる吸着法が好ましく用いられる。
この燐酸三カルシウムによる吸着法としては、処理対象
となる溶液に該溶液に対して2重量%となるように燐酸
三カルシウム粉末を投入、撹拌して凝集体を吸着させた
後濾過する方法を用いることができる。
本発明では、こうして凝集体を除去したIgG原液を界面
活性を有する安定剤の存在下ポリオレフィン多孔質膜で
濾過することにより濾過によるIgGの再凝集を実質的に
起こさせずに抗補体活性を大幅に低下せしめることがで
きるものである。
ポリオレフィン膜で濾過するときのIgG原液のIgG濃度は
1〜10重量%であることが膜分離処理の効率上好まし
い。この原液には界面活性を有する安定剤が添加されて
いることが必要であるが、ここで安定剤とはIgGの凝集
を防ぐ機能を有するものである。このような安定剤とし
ては人血清アルブミン、コーン分画V、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレングリコール、オキシエチレン−オ
キシプロピレンブロックコポリマーあるいはポリオキシ
ゼラチン、分解・サクシニル化ゼラチン、分解・尿素架
橋ゼラチン等のゼラチン誘導体等を1種又は2種以上組
み合せて用いることができる。この安定剤の量は安定剤
の種類によっても異なるが、一般にIgG原液中のIgG1重
量部あたり0.01〜1重量部程度であることが好ましい。
少なすぎれば効果がなく、多すぎてもそれ以上の効果の
向上はない。
IgG原液の膜濾過においては安定剤を含まない原液を用
いるとどのような種類の膜を用いてもIgGの凝集が生じ
易く、このため抗補体活性を低下させることが困難であ
る。又、安定剤が添加されたIgG水溶液の濾過において
もポリオレフィン以外の膜を用いるとやはりIgGの凝集
が生じ易いのに対して本発明の方法では膜濾過時のIgG
の凝集を防止しかつ抗補体活性を効率よく低下させるこ
とができるものである。その理由は未だ明確にはなって
いないが、ポリオレフィン膜の表面が疎水性であるため
界面活性を有する安定剤が優先的にポリオレフィン膜表
面に吸着してその状態でIgGが濾過されるためIgGが保護
されて凝集が生じないとも考えられる。
本発明で使用するポリオレフィン膜としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1等の
素材からなるものを例示でき、多孔質膜の孔径として
は、凝集体を含有するIgG原液を濾過してもその濾過液
をゲル濾過法で分析したときに凝集体が検出されるよう
な孔径の膜を用いることができ、むしろこのような膜を
用いるほうが濾過速度が大きく、かつIgGの回収率も高
いので好ましい。即ち、本発明においては、孔径の大き
さからは凝集体の通過を阻止できない程度の孔径を有す
る膜を用いるにもかかわらず、効率的に、凝集体に起因
する抗補体活性を低下させることができる。このような
膜の具体的孔径範囲としては、均一粒子濾過法で測定し
た孔径が0.015〜0.17μmであることが好ましく、0.018
〜0.10μmであることがより好ましく、0.02〜0.06μm
であることが更に好ましい。上記孔径範囲の下限未満の
場合は濾過速度が遅くなる傾向にあり、処理効率が低下
する傾向にある。特に、凝集体の通過を実質的に阻止す
るような膜はIgGの回収率も低く、濾過効率が低くて実
用的でない。上記上限を越えてもさほど問題は生じない
が、濾過液の抗補体活性の値の低下率が減少する傾向に
ある。
このようなポリオレフィン膜として三菱レイヨン(株)
製のポリエチレン中空糸膜EHF390A、同390C、同270H
等を例示でき、これらは延伸法により多孔質化されてい
るもので多孔質化のための添加剤を含んでいないので好
ましい。
ポリオレフィン膜は本来疎水性であるので、そのままで
は水溶液を通過させるのが困難であり、水溶液の濾過に
あたっては通常は何らかの親水化処理を行ったものが好
適であるが、本発明で用いることのできるポリオレフィ
ン多孔質膜としては膜表面が化学的に変性されていない
もの(いわゆる恒久親水化のなされていないポリオレフ
ィン膜)が膜分離操作中におけるIgGの界面凝集を防止
する点で好ましく、アルコール等の水混和性有機溶媒で
膜の孔内を湿潤化させた後、水で置換して水溶液濾過可
能としたもの、上述の界面活性を有する安定剤を膜の孔
内に物理的に付着させて水濾過可能としたもの等を好ま
しく用いることができる。
このような膜を用いると共存する界面活性を有する安定
剤を効率よく吸着し、膜表面におけるIgGの界面凝集を
抑制して実質的に抗補体活性の低減を実現できる。
膜の形態としては平膜でもチューブ状膜でもよいが、中
空糸膜であることが装置をコンパクトにできる点で好ま
しい。
膜濾過はクロスフロー式濾過であることが好ましい。
本発明の方法で用いる膜濾過に用い得る装置の1例の回
路図を第1図に示すが、このように被処理液を膜に一方
の面を好ましくは膜面における線速度が0.1〜10cmで流
して循環させ、膜間差圧を300mmHg以下、好ましくは150
mmHg以下となるようにして濾過を行うのが好ましい。ク
ロスフロー式濾過においては処理につれてIgG原液濃度
が高くなる場合があるので、その場合は適宜溶媒を添加
し濃度を適正化することによりIgGの回収率を高めるこ
とができる。
膜濾過における操作温度は通常2〜37℃、好ましくは4
〜20℃とするのがよい。
尚、IgG原液中のIgG濃度は必要に応じて蒸留水あるいは
生理食塩水による希釈、限外濾過法による濃縮などによ
り適宜調整し、所望の濃度とした上で膜濾過操作にかけ
る。
〔実施例〕
以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。
なお、抗補体活性はカバットとマイヤーの方法(Mayer,
M.M.:Experimental Immunochemistry(Ed.by Kabat,E.
A.and Mayer,M.M.)2nd.edition,pp133−240(1961))
で測定した。
実施例1 コーン分画IIのペースト1重量部に対し4倍量の蒸留水
を加えて溶解し、その中に、蒸留水に対して2重量%と
なるように燐酸三カルシウムを添加して12時間撹拌を続
けて凝集体を吸着させた後、濾別して液を得た。このも
のからはゲル濾過分析で凝集体が検出されなかった。こ
の液に安定剤としてゼラチン誘導体(商品名ヘマセル、
ヘキスト社製)をIgG1重量部当り0.5添加した後、限外
濾過によりIgG濃度を5.5%に濃縮したIgG/ヘマセル混合
溶液400mlをIgG原液(以下、単に原液という。)として
得た。
ポリオレフィン多孔質膜としてポリエチレン多孔質中空
糸膜EHF390C(三菱レイヨン(株)製、均一粒子濾過
法で測定した平均孔径0.03μm)を用いて膜面積0.6m2
のモジュールを作成し、エタノール含浸後、水置換して
一次親水化したものを用い、第1図に示すような回路の
装置に組み込み、操作温度6℃とし、圧力調整バルブ6
を用いて膜間差圧100mmHg、原液供給流量200ml/minの条
件で濾過を行い、300mlの濾液を回収した。濾液のIgG濃
度は3.1%、見かけの透過率は55%、IgG回収率は42%で
あった。IgG濃度2.5%に調整した原液の抗補体活性が10
単位であったのに対し、IgG濃度が同じ濾液の抗補体活
性は1単位であり、濾過前に対する濾過後の抗補体活性
の比は0.1であった。
実施例2 ポリエチレン多孔質中空糸膜としてEHF390Cの代わりにE
HF390A(均一粒子濾過法で測定した平均孔径0.02μm)
を用いて作成した濾過モジュール(同一膜面積)を用い
た以外は実施例1と同様にした。
濾液のIgG濃度は2.8%、見かけの透過率は50%、回収率
は27%、IgG濃度2.5%における濾液の抗補体活性は3単
位であり、濾過前に対する濾過後の抗補体活性の比は0.
3であった。
実施例3 コーン分画IIのペースト1重量部に対して4倍量の蒸留
水を加えて溶解し、その中に蒸留水に対し2重量%とな
るように燐酸三カルシウムを添加して12時間撹拌を続け
て凝集体を吸着させた後、濾別して得た液に安定剤とし
てヘマセルをIgG1重量部当り0.4となるように添加した
後、限外濾過法で濃縮してIgG濃度6%のIgG/ヘマセル
混合溶液2800mlを得た。
中空糸膜モジュールとして実施例1で用いたと同様のも
のを用い、第1図に示すような回路でポンプ4を用いた
定速濾過法で濾過した。原液供給量は200ml/minとし、
濾過流量は10ml/minとして2100mlの濾液を回収した。濾
過中の膜間差圧は80〜120mmHgの範囲であった。
濾液のIgG濃度は5.1%、見かけの透過率は86%、回収率
は64%であった。原液及び濾液のIgG濃度が4%におけ
る抗補体活性を測定したところ、原液が11単位であった
のに対し濾液は4単位であり、濾過前に対する濾過後の
抗補体活性の比は0.36であった。
実施例4 限外濾過で濃縮後のIgG濃度を5%とした以外は実施例
3と同様にしてIgG/ヘマセル混合溶液2800mlを得た。
中空糸膜モジュールとして実施例1で用いたと同様のも
のを用い、第1図に示すような回路でポンプ4を用いた
定速濾過法で濾過した。原液供給量は200ml/minとし、1
50mMの食塩水溶液を4.8ml/minの速度で原液に連続的に
添加しながら濾過流量を12ml/minとして濾過を行った。
濾過中の膜間差圧は80〜120mmHgの範囲であった。
原液量が少なくなったので4600mlの濾液を回収した時点
で処理を終了した。
濾液のIgG濃度は3%、見かけの透過率は64%、回収率
は99%であった。原液及び濾液のIgG濃度が4%におけ
る抗補体活性を測定したところ、原液が11単位であった
のに対し濾液は3単位であり、濾過前に対する濾過後の
抗補体活性の比は0.27であった。
実施例5 コーン分画IIのペースト1に対して5倍量の蒸留水を加
えて溶解し、その中に蒸留水に対し2重量%となるよう
に燐酸三カルシウムを添加して12時間撹拌を続けて凝集
体を吸着させた後、濾別して得た液に安定剤として人血
清アルブミンをIgG1重量部に対して0.08となるように添
加した後、限外濾過法で濃縮してIgG濃度6%のIgG/ア
ルブミン混合溶液2800mlを得た。
この原液を用いた以外は実施例4と同様にして中空糸膜
EHF390Cによる濾過処理を行った。
濾液のIgG濃度は3%、見かけの透過率は60%、回収率
は98%であった。IgG濃度2.5%における原液の抗補体活
性が9単位であったのに対しIgG同濃度の濾液の抗補体
活性は3単位であり、濾過前に対する濾過後の抗補体活
性の比は0.33であった。
比較例1 実施例3で用いたと同様のIgG/ヘマセル混合溶液(IgG
濃度6%)270mlを平均孔径0.1μmのメンブランフィル
ター(ナイロン66膜、ポール社製、シールクリーン)を
用い、処理温度5〜6℃、入口圧0.5kg/cm2で濾過し
た。濾液のIgG濃度は5.8%、見かけの透過率は96%、Ig
G回収率は71%であった。原液及び濾液のIgG濃度を4%
に調整して抗補体活性を測定したところ原液が11単位で
あったのに対して濾液は8単位であり、濾過前に対する
濾過後の抗補体活性の比は0.73であり、濾過による抗補
体活性の減少は小さかった。
比較例2 実施例4で用いたと同様のIgG/ヘマセル混合溶液(IgG
濃度5%)を用い、入口圧を0.3kg/cm2とした以外は比
較例1と同様にした。濾液のIgG濃度は5%であった。
原液及び濾液の抗補体活性をIgG濃度4%で測定したと
ころ、原液が11単位であったのに対し濾液は7単位であ
り、濾過前に対する濾過後の抗補体活性の比は0.64であ
った。
比較例3 IgG濃度を5.7%とした以外は実施例1と同様にして得た
IgG/ヘマセル混合溶液760mlをポリエーテルスルホン製
平膜型限外濾過膜(フィルトロン社製、オメガ1000K、
分画分子量100万)を使用した限外濾過モジュール(膜
面積0.6m2)を用いて濾過温度15℃、原液供給速度190ml
/minで濾過した。濾液のIgG濃度は5.6%、見かけの透過
率は98%、回収率は86%であった。原液及び濾液の抗補
体活性をIgG濃度5%で測定したところ、原液が20単位
であったのに対し濾液は19単位であり、濾過前に対する
濾過後の抗補体活性の比は0.95であった。
比較例4 比較例3で用いたと同様のIgG/ヘマセル混合溶液760ml
をポリエーテルスルホン製平膜型限外濾過膜(フィルト
ロン社製、オメガ300K、分画分子量30万)を使用した限
外濾過モジュール(膜面積0.07m2)を用いて濾過温度15
℃、原液供給速度190ml/minで濾過した。濾液のIgG濃度
は2.7%、見かけの透過率は98%、回収率は80%であっ
た。原液及び濾液の抗補体活性をIgG濃度2.5%で測定し
たところ、原液が10単位であったのに対し濾液は6単位
であり、濾過前に対する濾過後の抗補体活性の比は0.6
であった。
〔発明の効果〕 本発明の方法によればその孔径では本来IgG凝集体の通
過を阻止できないような膜を用いながらIgG水溶液の抗
補体活性を大幅に低下させることができ、静脈注射用免
疫グロブリンGの製造法として優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例で用いた膜濾過装置の回路図を示す。 図において、1:IgG原液タンク、 2:送液ポンプ、3:膜濾過モジュール、 4:吸引ポンプ、5:濾過液タンク、 6:圧力調整バルブ、7、8、9:圧力計 を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 定美 北海道札幌市南区真駒内上町5―6―3 (72)発明者 大谷 武治 東京都中央区京橋2丁目3番19号 三菱レ イヨン株式会社内 (72)発明者 鈴木 正毅 愛知県額田郡幸田町大字芦谷字白楽15番2 号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人血漿から分画された免疫グロブリンGの
    水溶液から凝集体を除去した後、界面活性を有する安定
    剤の存在下、ポリオレフィン多孔質膜で濾過することを
    特徴とする免疫グロブリンGの製造方法。
JP2068210A 1990-03-20 1990-03-20 免疫グロブリンgの製造方法 Expired - Fee Related JPH0778025B2 (ja)

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