JPH0776296B2 - 重合体組成物 - Google Patents

重合体組成物

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JPH0776296B2
JPH0776296B2 JP1290059A JP29005989A JPH0776296B2 JP H0776296 B2 JPH0776296 B2 JP H0776296B2 JP 1290059 A JP1290059 A JP 1290059A JP 29005989 A JP29005989 A JP 29005989A JP H0776296 B2 JPH0776296 B2 JP H0776296B2
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靖郎 服部
進 星
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は明色で、耐衝撃性、耐熱性に優れる重合体組成
物に関する。
〔従来の技術〕
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共
重合体は、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が多い場
合透明性に優れ、ポリスチレンよりも耐衝撃性の良好な
熱可塑性樹脂が得られることから食品包装容器、日用雑
貨品、玩具類、弱電部品などの分野を中心に近年その使
用量が増加しつつある。しかしながら、かかるブロック
共重合体は、表面硬度や耐熱性が他のプラスチックに比
較して低いと云う欠点を有している。
一方、ポリフエニレンエーテル樹脂は寸法安定性、電気
的特性、高荷重下での耐熱変形性、耐水性などに優れた
樹脂であり、工業的に広く利用されているが、このポリ
フエニレンエーテル樹脂は耐衝撃性や成形流動性に劣る
と云う欠点を有している。
このため、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる
ブロック共重合体とポリフエニレンエーテル樹脂のそれ
ぞれの長所を生かし、両者の欠点を相補うことを目的と
して、両者をブレンドすることが種々試みられている。
例えば、特開昭48−62851号公報及び特開昭51−129450
号公報には、(a)ポリフエニレンエーテル樹脂、
(b)A−B−A′型エラストマーブロック共重合体
(ここにおいて、中央ブロックBは末端ブロックA及び
A′を合わせた分子量よりも大きい分子量を有する)及
び(c)スチレンホモ重合体又はランダム共重合体樹脂
から成る通常固体の熱可塑性組成物が記載されている。
又、特開昭52−125560号公報には、(i)ポリフエニレ
ンエーテル樹脂、(ii)スチレン樹脂、および(iii)
ラジアルテレブロック共重合体の均質な混合物から成る
熱可塑性成形組成物が記載されている。更に、特開昭58
−176240号公報には、変性ポリフエニレンオキシド樹脂
100重量部に対して、ビニル芳香族化合物10〜60重量部
と共役ジエン40〜90重量部のブロック共重合体1〜20重
量部とを主成分としてなる、熱可塑性樹脂組成物が記載
されている。
これらの組成物で使用されているブロック共重合体は、
ビニル芳香族化合物の含有量が60重量%以下のブロック
共重合体であり、これらの組成物は確かに衝撃性は改良
されるものの透明性や、表面硬度、耐熱性、光沢に劣
る。また色調・明色性にも劣る。
一方、特公昭54−27025号公報には、(A)ポリアリー
レンオキサイド1〜45重量%および(B)モノビニル芳
香族ブロック重合体の10〜90重量%を構成する少なくと
も一種のモノビニル芳香族ブロックを有するモノビニル
芳香族ブロック重合体99〜55重量%を含有する熱可塑性
組成物が開示されており、ビニル芳香族化合物の含有量
が80重量%のブロック共重合体を使用した組成物が記載
されている。かかる組成物は透明性では優れるものの耐
衝撃性に劣り、折り曲げた際にミクロクラックが入りや
すいと云う問題を有しそして色調・明色性にも劣る。
又、特開昭61−223054号公報及び特開昭62−70448号公
報には、(a)ポリフエニレンエーテル系樹脂、(b)
A−B−A′型ブロック共重合体(ここで、Bブロック
の分子量はAおよびA′ブロックの組合された分子量よ
りも小である。)および(c)エラストマーを含有する
耐衝撃性ポリフエニレンエーテル系樹脂組成物が記載さ
れている。かかる組成物も耐衝撃性に優れるものの、透
明性や表面硬度そして色調・明色性に劣ると云う問題を
有する。
更に、特開昭50−71742号公報、特開昭53−94540号公報
及び特開昭56−95949号公報には、(a)ポリフエニレ
ンエーテル樹脂、(b)スチレン樹脂及び(c)水添ブ
ロック共重合体から成る組成物が記載されている。かか
る組成物で使用されているブロック共重合体は、ビニル
芳香族炭化水素含有量が60重量%以下であり、透明性、
表面硬度、耐熱性及び色調・明色性に劣る。
〔発明が解決すべき課題〕
本発明者らは、上述の如き従来から提案されている組成
物が有する問題点を解消し、耐衝撃性、耐熱性(耐熱変
形性)及び色調・明色性に優れる熱可塑性重合体組成物
を見出すべく、鋭意検討を進めた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ブロック共重合体とポリフエニレンエーテル
樹脂から成る組成物において新規なポリフエニレンエー
テル樹脂、すなわちポリフエニレンエーテル樹脂を構成
するポリフエニレンエーテル鎖が全体として6−クロマ
ン末端基などの環化末端基を特定量有し、加工時及び高
温下での使用時の熱酸化劣化が抑制されるポリフエニレ
ンエーテル樹脂を用いることにより、上記目的が達成さ
れることを見出し、完成されたものである。
特に、本発明においては、もう一つの成分であるブロッ
ク共重合体が、そのビニル芳香族炭化水素含有量、ビニ
ル芳香族炭化水素重合体ブロックとして存在しているビ
ニル芳香族炭化水素の割合、ビニル芳香族炭化水素重合
体ブロックの重量平均分子量と数平均分子量の比がそれ
ぞれ特定の範囲のものであるとき目的の達成はそれより
顕著である。
即ち、本発明は、 (1) (イ)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素
を主とする重合体セグメントと、少なくとも1個の共役
ジエンを主とする重合体セグメントからなりそのビニル
芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロック共
重合体、10〜95重量部 (ロ)一般式(a)で表される環化末端基を、樹脂を構
成するフエニレンエーテルユニットの100個に対して平
均0.01個以上含有し、数平均分子量が1,000〜100,000の
範囲にあるポリフエニレンエーテル樹脂、5〜90重量部 (式中、R1〜R5は、夫々独立に、水素、アルキル基、置
換アルキル基、ハロゲン基、アリール基又は置換アリー
ル基であり、R6〜R9は、夫々独立に水素、アルキル基、
置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、ハ
ロゲン基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ
基、N−ラクタム基、カルボン酸基、カルボン酸無水物
基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、ニト
リル基、アシロキシ基又はアシル基である。
なお、R6とR7、R8とR9は、夫々独立に結合してスピロ環
状構造のリングを形成していてもよい。) よりなる重合体組成物 (2) 第(1)項記載の重合体組成物100重量部 (ハ)ビニル芳香族炭化水素の重合体、又はビニル芳香
族炭化水素とこれと共重合可能なビニル化合物との共重
合体 3〜400重量部 からなる重合体組成物 (3) ビニル芳香族炭化水素の重合体がポリスチレン
である第(2)項記載の重合体組成物である。
特に、本発明は、 (3) 前記の成分(イ)を構成するブロック共重合体
が (i)ビニル芳香族炭化水素含有量が60重量%を超え、
95重量%以下、 (ii)共重合体中にビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
クとして存在しているビニル芳香族炭化水素の、共重合
体中に含有されている全ビニル芳香族炭化水素に対する
割合が75重量%を超え、98重量%以下、 (iii)共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ックの重量平均分子量と数平均分子量の比が全体として
1.2〜2.0 であるときに、より顕著な効果を達成する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する成分(イ)のブロック共重合体は、少
なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主とする重合体
セグメントと、少なくとも1個の共役ジエンを主とする
重合体セグメントからなり、そのビニル芳香族炭化水素
含有量が10〜95重量%のものであり、好ましくは15〜9
0、より好ましくは25〜90重量%である。ビニル芳香族
炭化水素の含有量が10重量%未満では(ロ)成分との混
合分散が不充分であり、95重量%を超える場合は耐衝撃
性に劣るため好ましくない。
本発明において、ビニル芳香族炭化水素を主とする重合
体セグメントとは、ビニル芳香族炭化水素を50重量%以
上、好ましくは70重量%以上含有する重合体セグメント
であり、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合
体ブロックとビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロック
から構成されるセグメント、或いはビニル芳香族炭化水
素単独重合体ブロックで構成されるセグメントである。
又、共役ジエンを主とする重合体セグメントとは、共役
ジエンの含有量が50重量%を超える、好ましくは70重量
%以上である重合体セグメントであり、共役ジエンとビ
ニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック及び/又は共
役ジエン単独重合体ブロックから構成されるセグメント
である。
これらのセグメント中の共重合体ブロックに共重合され
ているビニル芳香族炭化水素は、均一に分布していて
も、又テーパ状に分布していてもよい。又、共重合体ブ
ロックには、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布してい
る部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれ
ぞれ複数個共存してもよい。
本発明において、特に、明色で、耐衝撃性、耐熱性によ
り優れること、あるいはさらにこれらに加えてこれらの
特性と透明性、表面硬度との高度なバランスを保持させ
るためには、成分(イ)を構成するブロック共重合体
は、 (i)ビニル芳香族炭化水素含有量が60重量%を超え、
95重量%以下、 (ii)共重合体中にビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
クとして存在しているビニル芳香族炭化水素の、共重合
体中に含有されている全ビニル芳香族炭化水素に対する
割合が75重量%を超え、98重量%以下、 (iii)共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ックの重量平均分子量と数平均分子量の比が全体として
1.2〜2.0 であることが好ましい。
本発明において、(イ)成分中のビニル芳香族炭化水素
含有量が60重量%を超えることが好ましく60重量%以下
では透明性・硬度が不十分となる傾向があり、95重量%
を超えるものでは耐衝撃性が劣るものとなって好ましく
ない。最も好ましい範囲は65〜95重量%である。
また共重合体中にビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
として存在しているビニル芳香族炭化水素の、共重合体
中に含有されている全ビニル芳香族炭化水素に対する割
合(以後、ビニル芳香族炭化水素のブロック率と呼ぶ)
が75重量%を超え、98重量%以下が好ましく、77〜96重
量%であることがより好ましい。ビニル芳香族炭化水素
のブロック率が75重量%以下の場合には表面硬度、耐熱
性に劣る傾向があり、98重量%を超える場合には耐衝撃
性が劣る傾向がある。
ビニル芳香族炭化水素のブロック率は、四酸化オスミウ
ムを触媒としてジ−ターシャリ−ブチルハイドロパーオ
キサイドにより共重合体を酸化分解する方法(例えば、
L.M.Kolthoff et al,J.Polymer Sci.,1,429(1946)記
載の方法)により定量することができる。即ち、上記方
法によりブロック共重合体を酸化分解した後、分解物に
多量のメタノールを添加して得たビニル芳香族炭化水素
重合体成分(一般に数平均分子量は約1000以上、通常は
約3,000〜約1,000,000)の量を、ブロック共重合体中に
含有されている全ビニル芳香族炭化水素の量で除してビ
ニル芳香族炭化水素のブロック率を把握することができ
る。
更に共重合体は、該共重合体中のビニル芳香族炭化水素
重合体ブロックの重量平均分子量(以後wと呼ぶ)と
数平均分子量(以後nと呼ぶ)の比が全体として1.2
〜2.0であることが好ましく、より好ましくは1.3〜1.8
の範囲である。
w/nの比が1.2未満の場合は耐衝撃性に劣る傾向が
あり、2.0を超える場合は成形異方性を生じたり、成形
品が反ると云う新たな問題を生じる傾向がある。
ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ックのw/nは次の様にして測定できる。前記の方法
によりブロック共重合体を酸化分解して得たビニル芳香
族炭化水素重合体成分をゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で測定し、常法(例えば、「ゲルク
ロマトグラフィー<基礎編>」講談社発行に記載の方
法)に従って算出することができる。尚、GPCにおける
検量線は、GPC用として市販されている標準ポリスチレ
ンを用いて作成したものを使用する。
本発明で使用する成分(イ)のブロック共重合体として
特に好ましいブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水
素を主とする重合体セグメントのガラス転移温度(Tg)
が65〜98℃、好ましくは75〜96℃のブロック共重合体で
ある。Tgがこの範囲のブロック共重合体を使用すると、
組成物を折り曲げた時にみられるミクロクラックの発生
の少ない組成物が得られる。尚、ここで云うTgは、動的
粘弾性の測定における動的弾性率(E′)の変曲点から
求めた温度或いは示差走査型熱量計(DSC)における温
度変化の変曲点から求めた温度を云う。動的粘弾性は、
東洋ボールドウィン社製レオバイブロン(DDV−3型)
等を用いて測定することができる。
本発明で使用する成分(イ)のブロック共重合体は、ポ
リマー構造が一般式、 (A−B)n+1,AB−A)n,BA−B) (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主とする
重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主とする重合
体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は
必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上
の整数、好ましくは1〜5の整数である。) あるいは一般式 [(B−A m+1X,[(A−B m+1X [(B−AnBm+1X,[(A−BnAm+1X (上式において、A,Bは前記と同じであり、Xは例えば
四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハ
ロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化
合物などのカップリング剤の残基又は多官能有機リチウ
ム化合物等の開始剤の残基を示す。m及びnは1以上の
整数、好ましくはmは1〜10の整数、nは1〜5の整数
である。) で表わされるブロック共重合体を使用することができ
る。本発明で使用するブロック共重合体は上記一般式で
表わされるブロック共重合体の任意の混合物でもよい。
本発明の方法で用いるビニル芳香族炭化水素としてはス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラ
センなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレン
が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合し
て使用してもよい。
本発明で用いる共役ジエンとしては、1対の共役二重結
合を有するジオレフインであり、たとえば、1,3−ブタ
ジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的
なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げら
れる。これらは1種のみならず2種以上混合して使用し
てもよい。
本発明で使用するブロック共重合体は炭化水素溶媒中,
有機リチウム化合物を開始剤として重合することにより
得られる。
炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イ
ソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂
肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素;或いはベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素
などが使用できる。有機リチウム化合物は、分子中に1
個以上のリチウム原子を結合した有機リチウム化合物で
あり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、
イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレン
ジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジ
リチウムなどがあげられる。
本発明で使用する成分(イ)のブロック共重合体におい
て、セグメントAの数平均分子量は5,000〜500,000、好
ましくは70,000〜300,000であり、セグメントBの数平
均分子量は1,000〜400,000好ましくは3,000〜300,000で
ある。又、ブロック共重合体全体としての数平均分子量
は10,000〜1,000,000、好ましくは30,000〜500,000であ
る。
本発明で使用するブロック共重合体は、重合体の少なく
とも1つの重合体鎖末端に極性基含有原子団が結合した
ブロック共重合体を使用することができる。ここで極性
基含有原子団とは、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、
スズから選ばれる原子を少なくとも1種含有する原子団
を云う。具体的には、カルボキシル基、カルボニル基、
チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カ
ルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオア
ルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホ
ン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エス
テル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ビリジル
基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフ
イド基、イソシアネート基、イソチオネアネート基、ハ
ロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化ス
ズ基、アルキルスズ基、フエニルスズ基等から選ばれる
極性基を少なくとも1種含有する原子団があげられる。
より具体的には、特願昭60−224806号公報に記載された
末端変性ブロック共重合体を使用できる。
本発明においては、前記のブロック共重合体或いは末端
変性ブロック共重合体の水添物を使用することができ
る。水添反応に使用される触媒としては、(1)Ni,Pt,
Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土
等の担体に担持させた担持型不均一系触媒と、(2)N
i,Co,Fe,Cr等の有機酸塩またはアセチルアトン塩と有機
Al等の還元剤とを用いるいわゆるチーグラー型触媒、あ
るいはRu,Rh等の有機金属化合物等のいわゆる有機錯触
媒等の均一触媒が知られている。具体的な方法としては
特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、あるい
は特開昭59−133203号公報、特開昭60−220147号公報に
記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の
存在下に水素添加して、水添物を得、本発明に供する水
添重合体を合成することができる。その際、重合体中の
共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合の水添物は、
反応温度、反応時間、水素供給量、触媒量等を調整する
ことにより任意の値にコントロールできる。例えば、未
水添重合体の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向上さ
せる場合には共役ジエンに基づく脂肪族二重結合を3%
以上、80%未満、好ましくは5%以上、75%未満特に好
ましくは10〜45%水添することが、又耐熱劣化性及び耐
候性を向上させる場合には80%以上、好ましくは90%以
上水添することが推奨される。この場合、ビニル芳香族
化合物を主体とする重合体ブロックA及び必要に応じて
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBに共重
合されているビニル芳香族化合物に基づく芳香族二重結
合の水素添加率については特に制限はないが、水素添加
率を20%以下にするのが好ましい。該水添ブロック共重
合体中に含まれる未水添の脂肪族二重結合の量は、赤外
分光度計、核磁気共鳴装置等により容易に知ることがで
きる。
次に本発明で使用する成分(ロ)のポリフエニレンエー
テル樹脂は、一般式(a)で表される環化末端基を、樹
脂を構成するフエニレンエーテルユニットの100個に対
して平均0.01個以上含有し、数平均分子量が1,000〜10
0,000の範囲にあることを特徴とする、ポリフエニレン
エーテル樹脂である。
(式中、R1〜R5は、夫々独立に、水素、アルキル基、置
換アルキル基、ハロゲン基、アリール基又は置換アリー
ル基であり、R6〜R9は、夫々独立に水素、アルキル基、
置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、ハ
ロゲン基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ
基、N−ラクタム基、カルボン酸基、カルボン酸無水物
基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、ニト
リル基、アシロキシ基又はアシル基である。
なお、R6とR7、R8とR9は、夫々独立に結合してスピロ環
状構造のリングを形成していてもよい。) 上記の末端構造と、いわゆる6−クロマン骨格とし環化
したポリフエニレンエーテルは成形時の安定性が極めて
高く,熱酸化に強く明色な組成物を得るのに極めて好適
である。
本発明で使用される安定化ポリフエニレンエーテル樹脂
においては、一般式(a)で表される環化末端基を、樹
脂を構成するフエニレンエーテルユニットの100個に対
して平均0.01個以上含有する必要がある。
エンジニアリング樹脂として用いる程度の平均分子量
(約10,000〜30,000)の場合、環化末端基はフエニレン
エーテルユニットの100個に対して平均0.15個以上が好
ましい。さらに好ましくは、平均0.2個以上である。そ
の上限は特になく、多ければ多いほど耐熱酸化劣化の点
で好ましい。また、末端基の全てが一般式(a)の構造
である樹脂も極めて安定な樹脂である。
本発明のポリフエニレンエーテル樹脂は、その末端基を
除き、繰返し単位として一般に で表されるフエニレンエーテルユニットを含有するもの
と定義され、特に限定はない。その代表的な例は、下記
式(b); (式中、R1〜R5は、夫々独立に、水素、アルキル基、置
換アルキル基、ハロゲン基、アリール基又は置換アリー
ル基から選ばれる。) で示されるフエニレンエーテルユニットの少なくとも1
種から構成され、更に、後述の式(h),(i),
(j)のモノマーユニット等を含んでもよい。
R1〜R5の前記定義において、アルキル基は炭素数1〜2
0、好ましくは炭素数1〜10のアルキルである。置換ア
ルキルの置換基としては、フッ素、塩素、臭素などのハ
ロゲン;ヒドロキシル基、アミノ基;低級アルコキシ基
を挙げることができる。アリールは炭素数6〜20のアリ
ールである。置換アリールの置換基としては、低級アル
キル基;フッ素、塩素、臭素などのハロゲン;ヒドロキ
シル基;アミノ基;低級アルコキシ基を挙げることがで
きる。
本発明のポリフエニレンエーテル樹脂の基本骨格として
のポリフエニレンエーテル重合体を工業的に有利なフエ
ノール類の酸化カップリング重合で製造する場合には、
R1はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブ
チルなどの低級アルキル基またはフエニル、ナフチルな
どが好ましく、R2〜R5は水素または低級アルキル基が好
ましい。最も好ましい組合せとしては、R1がメチル基ま
たはフエニル基であり且つR2〜R5が水素の場合、R1とR2
がメチル基であり且つR3〜R5が水素の場合である。特
に、R1がメチル基であり、R2〜R5が水素であって、この
フエニレンエーテルユニットが全ユニットに対して90〜
100%であることが好ましい。
これらの条件を満たす最も好ましいR1〜R5を有するフエ
ニレンエーテルユニットに対応するモノマーとしては、
(i)2,6−ジメチルフエノール、(ii)2−メチル−
6−フエニルフエノール(iii)2,3,6−トリメチルフエ
ノール等が挙げられる。モノマー(i)又はモノマー
(ii)のホモポリマー、或いはモノマー(i)とモノマ
ー(ii)及び/又はモノマー(iii)とのコポリマーが
本発明の樹脂基本骨格としてのポリフエニレンエーテル
重合体として好ましく用いられる。
また、本発明のポリフエニレンエーテル樹脂中には、熱
安定性を改善するという趣旨に反しない限り、従来ポリ
フエニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提
案されている他の種々のフエニレンエーテルユニットを
部分構造として含んでもかまわない。少量共存させるこ
とが提案されているものの例としては、特願昭63−1269
8号及び特開昭63−301222号公報に記載されている、2
−(ジアルキルアミノメチル)6−メチルフエニレンエ
ーテルユニット(h)や、2−(N−アルキル−N−フ
エニルアミノメチル)6−メチルフエニレンエーテルユ
ニット(i)等が挙げられる。
(式中、R,R′は夫々独立に(C1〜C20)アルキル基、
(C1〜C20)ヒドロキシアルキル基、(C2〜C22)アルコ
キシアルキル基、(C3〜C22)アシロキシアルキル基又
は(C4〜C20)ポリアルキレンエーテル基である。) (式中、Rは(C1〜C20)アルキル基、 (C1〜C20)ヒドロキシアルキル基、 (C2〜C22)アルコキシアルキル基、 (C3〜C22)アシロキシアルキル基又は (C4〜C20)ポリアルキレンエーテル基である。) また、ポリフエニレンエーテル鎖1分子当たり1個以上
の6−クロマン末端基(a)などの末端基を存在させる
ためには、例えば一般式(j)で示されるような多価エ
ーテルユニットを含ませることが有効である。
本発明のポリフエニレンエーテル樹脂の分子量として
は、数平均分子量で1,000〜100,000である。その好まし
い範囲は、約6,000〜60,000である。特に、エンジニア
リング樹脂の用途として好ましいのは、約10,000〜30,0
00のものである。なお、本発明の数平均分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリ
スチレンの検量線を用いて求めたポリスチレン換算の数
平均分子量である。
本発明で使用される安定化ポリフエニレンエーテル樹脂
は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、一般式(c); (式中、R1〜R5は(a)式で定義したものと同じであ
り、R10,R11は、それぞれ独立にに水素、アルキル基、
置換アルキル基を表すが、同時に水素であることはな
い。) で表される末端基を有するポリフエニレンエーテル重合
体を一般式(d); (式中、R6〜R9は(a)式で定義したものと同じであ
る。) で表される炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下不
飽和化合物という)とラジカル重合開始剤不存在下に、
ポリフエニレンエーテル重合体のガラス転移温度以上の
温度迄加熱することによって本発明の安定化ポリフエニ
レンエーテル樹脂が製造できる。
このような末端基(c)を持ったポリフエニレンエーテ
ルは、水酸基のオルト位に少なくとも一つのベンジル位
水素を有するフエノール化合物を一級または二級アミン
を含んだ触媒の存在下に酸化カップリング重合又は共重
合して得られる(たとえば、米国特許第4,788,277号明
細書)。
また、不飽和化合物(d)の好ましい具体例としては、
スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、メチ
ルスチレン、スチルベン、ケイ皮アルコール、ベンザル
アセトン、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸ニトリル、4−ビ
ニルピリジン、2−ビニル−3,5−ジアミノ−(s)−
トリアジン等が挙げられる。
本発明においては、組成物を構成する成分(イ)のブロ
ック共重合体、成分(ロ)のポリフエニレンエーテル樹
脂の他に、成分(ハ)としてビニル芳香族炭化水素重合
体または共重合体を使用することができる。成分(ハ)
として好ましい(共)重合体は、ポリスチレン、スチレ
ン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−
スチレン共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体などがあげ
られ、これらは単独又は二種以上の混合物として使用す
ることができる。これらの(共)重合体は、組成物の表
面硬度や剛性を更に改良する上で有効である。とりわけ
成分(ハ)はポリスチレンが好ましい。
又、本発明においては、ゴム変性ビニル芳香族炭化水素
重合体(以後、成分(ニ)とする)を配合することがで
きる。ゴム変性ビニル芳香族炭化水素重合体は、前記の
ビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能なモノ
マーとエラストマーとの混合物を重合することにより得
られ、重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状重
合、塊状−懸濁重合などが一般に行なわれている。ビニ
ル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとしては、α
−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸などの前
記のビニル化合物があげられる。又、エラストマーとし
ては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ポ
リブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブテンゴ
ム、ゴム状エチレン−プロピレン共重合体、ゴム状ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ブチルゴム、各種
ニトリル系ゴム、ゴム状エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ゴム状エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ゴ
ム状アタクチックポリプロピレン樹脂、ゴム状エチレン
−アクリル酸アイオノマー等が使用される。
これらのエラストマーは、ビニル芳香族炭化水素もしく
はこれと共重合可能なモノマー100重量部に対して一般
に2〜70重量部、より一般的には3〜50重量部該モノマ
ーに溶解して或いはラテックス状で塊状重合、塊状−懸
濁重合、乳化重合等に供される。
特に好ましいゴム変性重合体としては、耐衝撃性ゴム変
性スチレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合体、耐衝撃性ゴム変性スチレン−無水マ
レイン酸共重合体などがあげられ、これらは単独又は二
種以上の混合物として使用することもできる。
本発明において、成分(イ)と成分(ロ)の配合重量比
は、成分(イ)が10〜95重量%、好ましくは20〜85重量
%、更に好ましくは30〜80重量%である。成分(イ)が
10重量%未満の場合は耐衝撃性、加工性に劣り、95重量
%を超える場合は耐熱性、表面硬度に劣るため好ましく
ない。とりわけ好ましい配合重量比は、成分(イ)が35
〜75重量%であり、この範囲においては成分(イ)及び
成分(ロ)それぞれ単独の耐衝撃強度よりも優れた耐衝
撃強度を有する組成物が得られる場合があり全く予見さ
れない作用効果が発現される。
又、本発明において、成分(イ)と成分(ロ)からなる
組成物100重量部に対して500重量部以下、好ましくは3
〜400重量部、更に好ましくは5〜300重量部の割合で前
記の成分(ハ)を配合することができる。成分(ハ)を
使用することにより加工性を改良することができる。成
分(ハ)の配合量が500重量部を超えると耐衝撃性、耐
熱性が低下するため好ましくない。
更に、本発明において、成分(イ)と成分(ロ)からな
る組成物100重量部に対して500重量部以下、好ましくは
3〜400重量部、更に好ましくは5〜300重量部の割合で
前記の成分(ニ)を配合し、耐衝撃性を改良することが
できる。成分(ニ)の配合量が500重量部を超えると耐
熱性が低下するため好ましくない。尚、透明性の良い組
成物を得る場合には、成分(ニ)の配合量を50重量部以
下、好ましくは25重量部以下にすることが推奨される。
本発明の熱可塑性重合体組成物には他の熱可塑性樹脂や
ゴム状重合体を配合することができる。熱可塑性樹脂と
しては、ポリエチレン、エチレンを50%以上含有するエ
チレンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合
体、ポリプロピレン、プロピレンを50%以上含有するプ
ロピレンとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体、
ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル系樹脂及びその加水分解物、ポリアクリレート系樹
脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂ポリフエニレンスルフィド系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスル
ホン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリブタジ
エン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、フッ素系樹脂、
ポリオキシベンゾイル系樹脂、ポリイミド系樹脂などが
あげられる。又、ゴム状重合体としては、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体、シリコンゴム、
エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレン−酢
酸ビニル共重合体等があげられる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、必要に応じて、任意
の添加剤を含むことができる。添加剤の種類はプラスチ
ックの配合に一般に用いられるものであれば特に制限は
ないが、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、
炭カル、タルクなどの無機補強剤、有機繊維、クマロン
インデン樹脂などの有機補強剤、有機パーオキサイド、
無機パーオキサイドなどの架橋剤、チタン白、カーボン
ブラック、酸化鉄などの顔料、染料、難燃剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、その他
の増量剤或いはこれらの混合物などが挙げられる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、従来公知のあらゆる
配合方法によって製造することができる。例えば、オー
プンロール、インテンシブミキサー、インターナルミキ
サー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出
機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を
溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を加熱除去する方法等が
用いられる。
〔実施例〕
以下に実施例を示すが、これ等は本発明を代表するもの
であり、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1〜11及び比較例1〜13 シクロヘキサン中、n−ブチルリチウムを触媒としてポ
リマー構造が一般式A1−B−A2で表わされるスチレン・
ブタジエンブロック共重合体を製造した。ブロック共重
合体の製造においてw/nはA1部に使用するスチレン
量と、A2部に使用するスチレン量との比率を変えること
で調整し、スチレンのブロック率は、B部のモノマーと
してスチレンとブタジエンの混合モノマーを重合器に連
続的に供給すると同時にその比率を変えることで調整し
た。又、メルトフローインデックス(MI(G))は、n
−ブチルリチウム量を変えることで調整した。得られた
ブロック共重合体は押出機でペレット化した。
また、ポリフエニレンエーテル樹脂は、原料となるポリ
フエニレンエーテルを、米国特許4,788,277号明細書
(特願昭62−77570号)に記載されている方法に従っ
て、ジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノールを
酸化カップリング重合して製造した。
得られたポリフエニレンエーテルの粘度は0.545であ
り、ガラス転移温度は約208℃であった。1 H−核磁気共鳴スペクトルで分析した結果 式; で表わされる末端基が、主な繰り返し単位 の100個につき、0.32個存在することが確認された。
また、遊離のフエノール性水酸基の量は、前記主な繰り
返し単位の100個につき、0.34個存在することが確認さ
れた。
このポリフエニレンエーテルの100重量部に対してスチ
レン10重量部を添加して、ヘンシェルミキサーで均一に
ブレンドした後、スクリューの直径が30mmφの二軸押出
機(池貝鉄工(株)製PCM−30)中300℃で溶融混練し、
水槽を通してペレット化した。
このようにして得られるペレットを1H−核磁気共鳴スペ
クトルで分析した結果、 式; で表わされる末端基が、主な繰り返し単位の100個につ
き、0.25個存在することが5.02ppmのシグナルの面積値
から確認された。また、遊離のフェノール性水酸基の量
は、主な繰り返し単位の100個につき0.45個存在するこ
とが確認された。また、GPCで求めた数平均分子量は24,
500であり、粘度は0.547であった。
このようにして得られたブロック共重合体とポリフエニ
レンエーテル樹脂(これをポリフエニレンエーテル樹脂
Aとする。)および一般ポリスチレンとを2軸押出機で
溶融混練した。その後、東芝機械(株)社製IS−80A(5
0g射出成形機)を用い250℃で厚さ3mmの平板を射出成形
した。
得られた射出成形品の物性を第1、2表に示した。本発
明の範囲内のブロック共重合体組成物は明白で耐衝撃
性、耐熱性に優れる成形品であった。
尚、比較例において使用したポリフエニレンエーテル樹
脂は、実施例1で用いるものと同じ末端基(r)を有す
るポリフエニレンエーテルを、スチレンを使用しない他
は、同様な条件で押出し、ペレットとしたものでその固
有粘度は0.57dl/g(25℃、クロロホルム)であった。こ
れをポリフエニレンエーテル樹脂Bとする。
(注1) 旭化成社製スタイロン685を使用。
(注2) ASTM D−1709 に準拠 (注3) JIS K−5400 に準拠 (注4) JIS K−6714 に準拠 (注5) JIS K−6871 に準拠 (注6) ASTM D−790 に準拠した曲げ試験方法に
基づいて試験片を曲げ変形させた時にみられるミクロク
ラックの発生状況を観察し、ミクロクラック発生時点に
おける試験片中心部の変形量によりミクロラック性を評
価した。
◎:ミクロクラック発生時の変形量が10mmを超える。
○:変形量が3mmを超え、10mm以下の範囲でミクロクラ
ック発生する。
×:変形量が3mm以下でミクロクラックが発生する。
(注7) 射出成形品の反りは、成形品の流動方向とそ
の直角方向における成形収縮率の差との関連性が大き
く、その差が大きい方が射出成形品の反りが大きいこと
より成形収縮率の差で判断した。
成形収縮率の差により以下の様にランク分けした。
0.2以下 ◎ 0.2%を超え0.4%以下 ○ 0.4%を超え0.6%以下 △ 0.6%を超える × 尚、流動方向と直角方向の成形収縮率は、ゲート側とは
反対側の成形収縮率を測定した。
(注8) 日本電色工業(株)製総合視覚測定器にてL
値を測定して、明色度を調べた。L値が大きい程、みか
けの明色性が優れる。
実施例12〜17,比較例14〜21 実施例1において(ハ)成分として使用したポリスチレ
ンを組成物より除外して、他は実施例1と同様にして重
合体組成物を作成、射出成形して、その物性を評価し
た。得られた評価結果を第3表に示す。
本発明の組成物は(イ)ブロック共重合体,(ロ)ポリ
フェニレンエーテルの2成分系においても明白で透明
性,耐衝撃性,耐熱性及び表面硬度で優れるものであっ
た。
実施例18、比較例22 シクロヘキサン中、n−ブチルリチウムを触媒としてポ
リマー構造が一般式A1−B−A2で表わされるスチレン・
ブタジエンブロック共重合体を製造した。その後、この
ブロック共重合体を特開昭59−133203号公報記載のTi系
水素添加触媒で水添し、ブタジエン部の脂肪族二重結合
が約99%水添された水添ブロック共重合体を作製した。
次に得られた水添ブロック共重合体を、ポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリスチレンと二軸押出機で溶融混練し
た。得られた組成物の物性を第4表に示した。
実施例19 実施例1の組成物において、ポリスチレンの代わりに、
スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、耐衝撃性ゴム
変性スチレン重合体(HIPS)、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸メチ
ル・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS)をそれぞれ
用いた組成物を作成した。得られた組成物は、いずれも
耐衝撃性、表面硬度、耐熱性、明色性に優れるものであ
った。
〔発明の効果〕
本発明の熱可塑性重合体組成物は、優れた耐衝撃性、耐
熱性及び明色性を生かして各種用途に利用できる。本発
明の組成物は、押出成形、射出成形、中空成形などによ
ってシート、フィルム、発泡体、各種形状の射出成形
品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品等に成形加工
でき、食品包装容器、家電用品、自動車部品、工業用
品、玩具等を用いることができる。特に、本発明の組成
物で射出成形した場合の反りが少ないものは、平板状の
成形品や、平板状部分の多い成形品、大型成形品の射出
成形に適する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)少なくとも2個のビニル芳香族炭化
    水素を主とする重合体セグメントと、少なくとも1個の
    共役ジエンを主とする重合体セグメントからなり、その
    ビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロ
    ック共重合体 10〜95重量部 (ロ)一般式(a)で表される環化末端基を、樹脂を構
    成するフェニレンエーテルユニットの100個に対して平
    均0.01個以上含有し、数平均分子量が1,000〜100,000の
    範囲にあるポリフェニレンエーテル樹脂 5〜90重量部 (式中、R1〜R5は、夫々独立に、水素、アルキル基、置
    換アルキル基、ハロゲン基、アリール基又は置換アリー
    ル基であり、R6〜R9は、夫々独立に、水素、アルキル
    基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
    基、ハロゲン基、アリール基、置換アリール基、アルコ
    キシ基、N−ラクタム基、カルボン酸基、カルボン酸無
    水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、
    ニトリル基、アシロキシ基又はアシル基である。 なお、R6とR7、R8とR9は、夫々独立に結合してスピロ環
    状構造のリングを形成していてもよい。) よりなる重合体組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の重合体組成物 100重量部 (ハ)ビニル芳香族炭化水素の重合体又はビニル芳香族
    炭化水素とこれと共重合体可能なビニル化合物との共重
    合体 3〜400重量部 からなる重合体組成物。
  3. 【請求項3】ビニル芳香族炭化水素の重合体がポリスチ
    レンである請求項2記載の重合体組成物。
  4. 【請求項4】成分(イ)を構成するブロック共重合体が (i)ビニル芳香族炭化水素含有量が60重量%を超え95
    重量%以下、 (ii)共重合体中にビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
    クとして存在しているビニル芳香族炭化水素の、共重合
    体中に含有されている全ビニル芳香族炭化水素に対する
    割合が75重量%を超え98重量%以下、 (iii)共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
    ックの重量平均分子量と数平均分子量の比が全体として
    1.2〜2.0 である請求項1、2又は3記載の重合体組成物。
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