JPH077616B2 - 導電性複合材料 - Google Patents

導電性複合材料

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JPH077616B2
JPH077616B2 JP61046402A JP4640286A JPH077616B2 JP H077616 B2 JPH077616 B2 JP H077616B2 JP 61046402 A JP61046402 A JP 61046402A JP 4640286 A JP4640286 A JP 4640286A JP H077616 B2 JPH077616 B2 JP H077616B2
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conductive film
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は透明導電体や高周波回路基板にとくに好適で用
いられる導電性複合材料に関する。
〔従来の技術〕
高分子のフイルムまたはシートの表面に導電膜を設けた
もののうち、全体が透明なものは透明導電体として有用
である。すなわち透明導電体は、液晶表示素子、エレク
トロルミネツセンス表示素子などの各種表示素子類の透
明電極や、自動車・航空機などの防曇用窓ガラスに用い
る抵抗発熱体等において使用されている。
ところで透明導電体として従来から使用されているもの
の多くは、酸化スズ膜、酸化インジウム膜などの金属酸
化物透明導電膜をガラス基板上に形成したものである。
しかしガラスは大面積化に限界があり、厚みも精々0.3m
m程度迄しか薄くすることができず、重量も重く、脆く
て壊れ易く、打ち抜きや切り抜きなどの加工性も悪く、
連続生産性にも難点がある。
そこで近年になりガラスの代わりに高分子フイルムやシ
ート(以下両者をあわせてフイルムと略称する)を基板
とした透明導電性フイルムが開発され始めている。この
高分子フイルムを基板とする透明導電性フイルムは、薄
くて軽く、割れない、フレキシブルであり、加工性もよ
く、大面積化が可能で連続生産性に優れるといつた透明
導電性ガラスにない種々の特長を持つている。この透明
導電性フイルムの基板として使用されている高分子フイ
ルムとしては、ポリエチレンテレフタレートのようなポ
リエステルフイルムが知られている。しかしポリエステ
ルフイルムは、強酸や強アルカリに容易に侵されるう
え、吸水して加水分解を起こす虞がある。とくに透明導
電性フイルムをデイスプレイ用途に用いる場合には、導
電膜を所定形状にパターニング化する必要があり、従来
よりフオトエツチング方式が利用されているが、レジス
トの剥離液としてアルカリが必要な場合もあるので耐ア
ルカリ性の欠如は重大な欠点である。また、真空蒸着法
やスパツター法などで薄膜形成する際に、ポリエステル
中の水分は、真空度を上げることを困難にして目的の真
空度に上げるまで長時間要し生産性が悪く、また膜の酸
化の程度をコントロールすることを困難にする問題があ
る。
また、高分子フイルムの表面に導電膜を設けた複合材料
の別の用途として電気回路基板があり、とくに高周波用
の電気回路基板に期待がかけられている。すなわち、電
磁波を通信に用いる場合、より高い周波数の波を用いれ
ばより広い周波数帯域がとれ、故により多量の情報を送
ることができる。また周波数が高くなれば波長がそれに
反比例して短くなり、その結果小型で高性能のアンテナ
を作れるようになるという利点もある。
ところで、このような高周波を対象とする電気回路の基
板には、誘電率及び誘電損失が小さく耐熱性のある材質
が求められる。つまり、高周波において電気信号の伝播
速度は回路基板の誘導率が小さい程速くなり、電気信号
の減衰は回路基板の誘電損失が小さい程少なくなる。し
たがつて、誘電率及び誘電損失の小さい材料程、高速
化、高SN化が計れる。また、電気回路の製造過程におい
て、ハンダ浸漬やハンダ付作業では200℃を越える温度
がかかるので、このような温度下でも変形しないだけの
耐熱性が求められる。
このような状況下、現在種々の材料を使用した基板が提
案され、たとえばフツ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド、ポリプロピレン等で作られた基板が提案されてい
る。しかしフツ素樹脂は導電層となる金属との接着性が
劣つていたり、低剛性であり更に極めて高価格であると
いう問題がある。エポキシ樹脂あるいはポリイミドは低
周波用、中波用の回路基板として従来から使用されてい
るが、高周波用として使用するには誘電率、誘電損失が
大き過ぎて適さない。ポリプロピレンは誘電率、誘電損
失に優れるものの耐熱性が不足し、変形を生じ易い。
以上の如く、従来から提案されている高周波用電気回路
も一長一短があり、全ての面で優れた性能を示すものは
知られていなかつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明者らは機械的性質、光学的性質、電気的性
質、熱的性質、化学的性質に優れた透明導電性フイルム
や高周波用として好適なる電気回路基板を提供せんもの
と検討した結果、特定の重合体を基材に使用すると目的
を達成できることを見い出した。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明はテトラシクロドデセンまたはその誘
導体:50〜100モル%およびノルボルネンまたはその誘導
体:0〜50モル%からなる開環重合体を水添反応させて得
られる重合体の延伸または無延伸のシートまたはフイル
ムの表面に導電性の有機膜または金属膜を設けたことを
特徴とする導電性複合材料である。
〔作用〕
本発明の導電性複合材料の基板となるシートあるいはフ
イルム(以下フイルムと略称)を構成する重合体は、テ
トラシクロドデセンまたはその誘導体の単独開環重合体
もしくはテトラシクロドデセン類とノルボルネンまたは
その誘導体との開環共重合体のいずれかの開環重合体を
水添して得られる重合体からなる。したがつて、該重合
体の骨格中には、開環重合に基づく不飽和結合を実質的
に含まず、よつて水添前の重合体に比べて耐薬品性、耐
溶剤性、耐油性および耐熱性、耐候安定性に優れた性質
を示す。
かかる水添重合体の原料モノマーは市販品を使用しても
よいが、市販品中に含まれる雑モノマーが目的とする重
合体の重合を阻害することもありうるので必要に応じて
精製するのが好ましい。また、とくにテトラシクロドデ
セン類は入手困難な場合もありうるので、その場合は米
国特許第3557072号、特公昭46−14910号、特開昭57−15
4133号などに開示された方法によつて合成すればよい。
テトラシクロドデセン類とノルボルネン類とを重合して
開環重合体を製造する技術は既に知られており、たとえ
ば特公昭46−14910号、特開昭58−127728号に開示され
ている方法を採用することができる。テトラシクロドデ
セン類の開環重合体中における割合は、耐熱性の点から
通常は30モル%以上、好ましくは50モル%以上、とくに
は70モル%以上が好ましい。ノルボルネン類の開環重合
体中における割合は、通常70モル%未満、好ましくは50
モル%未満、とくに30モル%未満である。分子量は、特
開昭58−127728号に示されているようにオレフイン類を
添加して調整されるが、一般に1000〜100万、好ましく
は1万〜50万である。また、流動性の指標であるメルト
フローインデツクスMFR(260℃、2.16kg)は、0.001〜1
000、好ましくは0.05〜200、特に好ましくは0.1〜100g/
10minの範囲である。
開環重合体の水添反応は通常の方法により行われ、触媒
の種類により均一系または不均一系で1〜150気圧の水
素圧下、0〜180℃、好ましくは20〜100℃の温度範囲で
行われる。そして水素圧、反応温度、反応時間、触媒濃
度等を変化させることにより、水添率を任意に調整でき
る。
水添触媒としては、オレフイン化合物の水添に際し使用
されているものであれば如何なるものでもよく、たとえ
ば不均一系触媒としてニツケル、パラジウム、白金、ま
たはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、ア
ルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた触媒すなわち
ニツケル/シリカ、ニツケル/ケイソウ土、パラジウム
/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソ
ウ土、パラジウム/アルミナなどを挙げることができ
る。また均一系触媒としては、ナフテン酸ニツケル/ト
リエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチル
リチウム、ニツケルアセチルアセトネート/トリエチル
アルミニウムなどのニツケル、コバルト化合物と周期律
表第I〜III属金属の有機金属化合物からなるもの、あ
るいはRh化合物などを挙げることができる。
開環重合体水添物が前述した優れた諸性質を示すために
は、重合体主鎖中の不飽和結合部分の80%以上、好まし
くは90%以上、とくに95%以上が水添されるべきであ
る。また水添率が80%以上とくに90%以上になると、水
添前の重合体とは異なる溶解度パラメーター(SP値)を
持つようになり、耐有機溶剤性が向上するという効果も
発揮する。さらに、耐湿性の面から水添物は極性基を有
しないことが望ましい。
基材となるフイルムを製造するには、開環重合体水添物
を押出、射出、圧縮、湿式キヤストなどの公知の種々の
方法によつて成形することができる。この成形の際に
は、必要に応じて通常樹脂に用いられる種々の配合剤を
添加してもよい。また、得られたフイルムには1軸延伸
や同時2軸延伸あるいは逐次2軸延伸といつた延伸処理
を施し、強度などをさらに高めてやつてもよい。
前記開環重合体水添物を原料としてフイルムを製造する
と、分解、ゲル化が生じず均一な透明フイルムが得られ
る。これらは通常85%以上の光線透過率、多くは90%以
上の光線透過率を示す。
また、透明性を必要としない高周波用基板用途には、本
重合体に、性質をそこなわない限り、50wt%以下のポリ
オレフイン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4
−メチルペンテン−1など)をブレンドしておいても良
い。
これらのフイルムに設ける導電性の膜は、導電性高分子
(ポリアセチレン、ポリピロール、ポリピリジン、ポリ
アニリン等)などからなる有機膜や金属膜(Cu、Al、N
i、Au、Ag等)であり、これらはシート、フイルム、箔
として接着されたり、プラズマ重合、スパツター、蒸
着、メツキ等の手段でフイルム上に積層される。
たとえば高周波回路基板に用いる場合、この導電膜は通
常重合体フイルムの表面のみ、表面と裏面の2層、内部
にも成形された3層以上の複合層の態様を採ることがで
きる。回路の形成は、種々の公知のリソグラフイー法に
より、例えばエツチング法で行うことができる。また、
別の方法として、本発明の重合体又は本発明の重合体の
不飽和カルボン酸変性物を含むポリマー成分と導電性材
料(金属、有機物)とからなる塗料を形成し(導電性塗
料)、スクリーン印刷法などで回路形成することができ
る。もちろん、導電性塗料の回路を形成したうえで、さ
らに無電界メツキなどの方法により、より高導電回路を
形成することもできる。
更に、重合体層と導電膜(金属、ポリマー、有機物、導
電塗料など)の間に接着層を介在させてもよい。かかる
接着層としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリブタ
ジエン、フエノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
等の耐熱性樹脂を例示することができる。これらの中で
はポリイミド、エポキシ樹脂が耐熱性、高周波での誘電
特性、金属との接着性に優れていて好ましい。このよう
な接着層を介在させる場合、注意すべきことは、重合体
層と接着層の厚み割合によつて回路基板としての誘電特
性が左右されることである。すなわち、(重合体層の厚
さ)<(接着層の厚さ)の場合には、回路基板の誘電特
性は主として接着層の誘電特性に大きく影響され、全体
として悪くなる。勿論、用途によつてたとえば高周波と
してそこそこの周波数を対象にし、誘電特性が厳しい要
望ではなく、むしろ表層の導電膜との接着強度等が要求
されるようなケースでは、接着剤層の厚みを比較的厚く
してもかまわない。しかし、高周波用として良好なる誘
電特性を発現させるには、重合体層の厚み/接着剤層の
厚みの比が2以上、とくに3以上になるように構成する
のが好適である。また、この厚み比は後述する複数の積
層体の場合にも各の層の合計厚みに対して適用できる。
また別には、積層層として基板を構成する前記重合体の
高分子量体(〔η〕0.3以上のもの)及び前記重合体に
α,β−不飽和カルボン酸、その無水物、エステル等を
グラフト共重合させたものを使用すると基板の誘電特性
を変化させることがないので好ましい。
本発明の別の態様として、重合体層及び/又は接着層に
補強材として耐熱性、絶縁性の繊維状物を混入してもか
まわない。かかる補強繊維状物としては、石英繊維、ガ
ラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、高強度高弾性ポリエ
チレン繊維等の短繊維、編織布、不織布等を例示でき
る。
また別の態様として、重合体層と接着層を複数組合せた
積層体の形で回路基板を形成してもよい。尚この場合、
各層を好ましくは2層以上30層以下に積層すればよい。
また必要に応じ前述の如く繊維状物を各層に又は一部の
層に混入してもよい。
更に別の態様として、重合体層を架橋剤によつて架橋し
てもかまわない。架橋剤は加熱、放射線照射等によつて
3次元的構造を形成し、重合体層の熱的特性と寸法安定
性を更に改善する。架橋剤としては公知の種々のものが
利用でき、たとえばジビニルベンゼン、ジアリルフタレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシ
アヌレート、液状ポリブタジエン等を挙げることができ
る。
本発明の複合材料を透明導電性シートとして用いる場合
には、導電膜として可視光透過率すなわちJIS K6714に
準拠して測定した値が50%以上、とくに70%以上で、比
抵抗が100Ωcm以下、とくに50Ωcm以下のものを用い
る。より具体的にはAu、Ag、Cu、Pt、Cr、Rhなどの金属
薄膜、In2O3(Sn)、SnO2(Sb)、SnO2(Fe)、CdO、Cd
2O3、CdSnO4、TiO2、ZrO2、CuIなどの半導体及び酸化物
半導体薄膜、TiOx/Ag/TiOx(x≦2)などの多層薄膜、
ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、オリゴ(ポリ)スチレンスルホン酸塩などの高分子
電解質薄膜系、ポリアニリン類、ポリチオフエン類、ポ
リピロール類などの導電性高分子等を挙げることができ
る。これらの導電膜は、前述した高周波回路基板と同じ
ように周知の方法でもつて重合体フイルム上に積層され
る。また導電性高分子は、電解重合法又は気相法によつ
てフイルム中内部に形成することもできる。また、TTF
−TCNQ(テトラチオフルバレン−テトラシアノキノジメ
タン)などの錯体を含浸させることによつて導電性を発
現させることもできる。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように本発明の導電性複合材料は、透
明性に優れる、酸およびアルカリに対して強い抵抗性
を示す、耐溶剤性に優れる、加工性がよく大面積化
が可能である、軽量でフレキシビリテイに富む、薄
膜化ができる、耐熱性に優れる、耐熱老化性、耐光
安定性に優れる、電気特性に優れるといつた種々の特
長を有している。
したがつて高周波用電気回路基板に利用すると、 (i)誘導率が小さいので高周波電気信号の伝播速度が
速くなり、また誘電損失が小さいので電気信号の減衰が
小さくなるので、情報伝達の高速化が実現でき、微弱信
号の高感度受信も実現できる。
(ii)耐熱性に富むので、回路基板製造における加熱加
工工程において軟化、溶融が発生せず変形することがな
い。したがつて回路基板の厚みを正確にコントロールす
ることができる。
(iii)耐ハンダ性に優れている。
(iv)吸水性が小さく、優れた電気的性質を長期間に亘
り安定して発揮できる。
(v)寸法安定性に優れる。
といつた特長を有している。
したがつて各種回路基板、フラツトアンテナ、筐体一体
型基板、フレキシブル基板などに利用できる。
また透明導電性フイルムは次のような用途に使用でき
る。すなわち導電膜上に必要に応じてポリビニルカルバ
ゾールや硫化カドミウムなどの光導電体や誘導体の薄膜
を形成させて、OHP、第2原図、スライドフイルム、マ
イクロフイルムなどの電子写真記録用途、EL(エレクト
ロルミネツセンス)、液晶、エレクトロクロミツタ、電
気泳動表示などの固体デイスプレイ用途、サーモプラス
チツクレコーデイング、強誘電体メモリーなどの光メモ
リー用途、透明タブレツトなどの端末機器、メーター類
の窓、TVブラウン管、クリーンルームの窓や床、半導体
包装材料、電磁波遮蔽用途、太陽電池の窓、光増幅器な
どの光電変換素子、熱線反射用途、自動車や航空機のデ
フロスタなどの面発熱体用途等に好適である。
〔実施例〕
参考例1〜6 メチルテトラシクロドデセン およびメチルノルボルネン とを、塩化ルテニウム(RuCl2・3H2O)のn−ブタノー
ル溶液の存在下に、ガラス製アンプル内で100℃で約3
時間反応させた後、生成物をテトラヒドロフランおよび
メタノールを用いて洗浄、乾燥した。
次に前記生成重合体をテトラヒドロフランに溶解し、パ
ラジウム/シリカ触媒の存在下、水素圧50kg/cm2・G、
10℃で30分間攪拌後、50℃に昇温しさらに18時間攪拌し
た。得られた沈澱生成物をシクロヘキサンに溶解し、フ
イルターで過後メタノールで再沈させ乾燥した。
得られた重合体の水添率はNMRスペクトルにより、TgはD
SCにより、光透過率はJIS K6717、吸水率はJIS K6911に
より測定した。結果を表1に示す。
次にこれらの重合体を用いて種々の導電性複合材料を作
成し、それらを透明導電性フイルムまたは高周波回路基
板として評価した。以下にその例を示す。
実施例1 参考例2で得られた重合体を用いて、Tダイにより厚さ
0.1mm、巾20cmの透明フイルムを成形した。
2極マグネトロンスパツター(日電アネルバ)により、
13.56MHzの高周波電源を用い、基板温度50℃、ターゲツ
トはIn2O3/SnO2=90/10(%)合金ターゲツトを用い、
Arガス流入下、スパツター圧力1×10-2Torr、RF出力50
W、スパツター速度250Å/minでITO膜を形成した。フイ
ルム性能は、タイリーステツプ(Taylor Hobson製)に
より測定したITO膜厚3000Å、四探針法により測定した
比抵抗2×10-3Ω・cm、自己分光光度計UV365(島津製
作所)で測定した光透過率(400nm〜750nm)は80%であ
り、良好な導電製フイルムが得られた。またカーボンア
ーク燈で35時間照射した後も変化はなかつた。
実施例2 参考例6で得られた重合体を用いて厚さ0.1mm、巾20cm
のフイルムを成形した。
ターゲツトはCdO2/SnO2=2/1(重量比)、反応ガスはO
2/Ar=5/95(%)、スパツター圧2×10-2Torr、RF出力
50W、スパツター速度200Å/minでTO膜を形成した。その
結果、導電層膜2500Å、光透過率83%、比抵抗3×10-3
Ωcmの透明導電性フイルムが得られた。またカーボンア
ーク燈で35時間照射した後も変化はなかつた。
実施例3 参考例4に示した重合体を使用して、次の条件で電解重
合を行つた。白金電極(5×5cm)の両面に重合体フイ
ルム(10μm厚さ)を加熱圧着し、この電極を陽極と
し、陰極にも白金板を用いた。電解質液として、ピロー
ル、テトラエチルアンモニウム塩(BF)のアセトニト
リル液を用い、印加電圧2.1Vで1.5分間電解重合を行つ
た。得られた透明導電性フイルムは光透過率60%、比抵
抗35Ωcmであつた。またカーボンアーク燈で35時間照射
した後も変化はなかつた。
比較例1〜3 参考例1、3、5に示した重合体を使用して、参考例1
の重合体は実施例1、参考例3の重合体は実施例3、参
考例5の重合体は実施例2の条件と同様にして透明導電
性フイルムを作製した。その後カーボンアーク燈で35時
間光を照射した。各透明導電性フイルムは黄色に変色
し、また比抵抗も低下した。
以上の実施例を見ても判るとおり、本発明の透明導電性
フイルムは長期間に亘り安定した性質を示すが、比較例
の如く水素添加前の開環重合体を使用したものは光に長
時間あたると変色等が生じ、長期間の使用に耐えないこ
とが判る。また光の代りに長期間熱を加ええも同様な結
果を示し、故に水素添加前の開環重合体を使用した透明
導電性フイルムは、該フイルムの具体的用途である液晶
表示素子等の透明電極や抵抗発熱体などに実質使用でき
ない。
実施例4 参考例2の重合体をサーモプラスチツク製30mmφ、Tダ
イ成形機により厚さ1.5mm、巾20cmのシートを作製し
た。
このシート(10cm×10cm)に、三井金属鉱業社製 電解
銅箔(35μm厚さ)を両面にはりつけ、260℃でプレス
成形機より融着させた。両面銅張板での誘電率、誘電損
失は、それぞれ2.2、4.5×10-4であり剥離強度は1.0kg/
cmであつた。この銅張板に、フオトレジスト(富士合成
化学研究所No.200)をコートし、アルカリ現像液及びエ
ツチング処理(塩化第2鉄飽和溶液)で微細パターンを
形成した。その結果、100μ以下の微細パターンが形成
できた。
実施例5 参考例2の重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合
し、無水マレイン酸含量1.5wt%の変性物を得た。この
ポリマーを参考例2の重合体に、10wt%混合し、シート
成形して、両面銅箔を融着した。両面銅張板の誘電率は
2.3、誘電正接は6.5×10-4であつた。また、剥離強度は
1.6kg/cmであつた。
実施例6 参考例6の重合体をシクロヘキサンに溶解し、プリント
基板用ガラスクロスに含浸させ、乾燥させた。ポリマー
含浸ガラスクロスを6枚重ね、260℃でプレス圧着し、
厚さ1.5mmでヤング率8×1010dyne/cm2の高剛性体を得
た。その後、実施例5に記載の変性物を裏面に10μ厚さ
コートした銅箔を積層体両面に誘着させた。その結果、
両面銅張板の誘電率は2.8、誘電正接は5.8×10-4、剥離
強度は1.1kg/cmであつた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラシクロドデセンまたはその誘導体:5
    0〜100モル%およびノルボルネンまたはその誘導体:0〜
    50モル%からなる開環重合体を水添反応させて得られる
    重合体の延伸または無延伸のシートまたはフイルムの表
    面に導電性の有機膜または金属膜を設けたことを特徴と
    する導電性複合材料。
  2. 【請求項2】導電性膜が50%以上の光線透過率および10
    0Ωcm以下の比抵抗を有している特許請求の範囲第1項
    記載の導電性複合材料。
  3. 【請求項3】透明導電性フイルムとして用いられる特許
    請求の範囲第1項または第2項に記載の導電性複合材
    料。
  4. 【請求項4】高周波回路基板として用いられる特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載の導電性複合材料。
JP61046402A 1986-03-05 1986-03-05 導電性複合材料 Expired - Lifetime JPH077616B2 (ja)

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JP61046402A JPH077616B2 (ja) 1986-03-05 1986-03-05 導電性複合材料

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JP61046402A JPH077616B2 (ja) 1986-03-05 1986-03-05 導電性複合材料

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