JPH0775534A - プロポリスエキス含有飲料 - Google Patents

プロポリスエキス含有飲料

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JPH0775534A
JPH0775534A JP5246100A JP24610093A JPH0775534A JP H0775534 A JPH0775534 A JP H0775534A JP 5246100 A JP5246100 A JP 5246100A JP 24610093 A JP24610093 A JP 24610093A JP H0775534 A JPH0775534 A JP H0775534A
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propolis
propolis extract
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Tatsuyuki Kudou
辰幸 工藤
Yoko Nakamura
容子 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロポリスエキスを安定に含有するプロポリ
ス含有飲料を提供する。 【構成】 プロポリスエキス、及びキサンタンガム0.
005〜0.08重量%、更に必要により乳化剤を含有
するプロポリスエキス含有飲料。 【効果】 プロポリスエキス自体には、何らの処理を施
すことなく、その水分散性を良好なものに改善すること
ができる。また、従来、長期保存した際にみられる二次
沈澱を確実に減少させて、飲料として長期保存に耐える
製品を簡便に製造することができる。更に、口腔内にお
けるプロポリスに特有の強い刺激味を顕著に低減させ
て、その食味を良好なものに改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然物抽出成分のプロ
ポリスエキスを安定に含有するプロポリスエキス含有飲
料に関するものであり、更に詳しくは、従来、プロポリ
スエキスを利用した場合の問題点とされていた水分散性
を改善し、また、長期間保存中にみられる二次沈澱を確
実に減少させ、更に、プロポリスに特有の口腔内におけ
る強い刺激味を顕著に低減させてその食味を改善するこ
とを可能にする新規なプロポリスエキス含有飲料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プロポリスは、蜜蜂が巣箱内に貯蔵する
樹脂状物質であり、これには、樹脂、ミツロウ、精油、
花粉、フラボノイド等の種々の成分が含まれており、古
くから民間療法薬として利用されてきたものである。従
来、このようなプロポリスを利用する場合、種々の利用
形態が考えられているが、一般的には、プロポリスエキ
スの形で利用されている。すなわち、プロポリスは、い
わゆる塊状物であり、また、その主成分は疎水性物質で
あることから、通常、エタノールなどの親水性有機溶媒
の高濃度溶液により抽出して得られる液状のプロポリス
エキスとして利用されているのが一般的である。
【0003】ところで、プロポリスエキスの主成分であ
るところの疎水性物質は、プロポリスの中心的薬効成分
のフラボン類アグリコンであることが知られている。従
来、このようなプロポリスエキスに含まれる薬効成分に
着目し、これを飲料成分等として利用する試みが種々行
われているが、プロポリスエキスは、水で希釈するとエ
キスに含まれる親水性有機溶媒に可溶のプロポリス成分
が不均一に析出し、凝集又は塊状化することから、これ
を希釈して飲料化することは、技術的にかなり困難であ
った。
【0004】また、経口摂取に際し、プロポリスエキス
の高濃度溶媒及び可溶成分が口腔粘膜を刺激するだけで
なく、摂取後にプロポリスエキスが唾液で希釈され、水
で希釈した場合と同様に可溶成分が析出し、口腔内にお
いてべたつきを生じて不快感を与えるなど、食味の点に
おいても飲料化になじまない面があった。
【0005】従って、プロポリスの有効成分を充分に利
用した形で飲料化する際には、その有効成分を除去する
ことなく水分散性を良くすることが必要となること、更
に、飲料としてその物性を安定に保った形で長期保存に
耐えるように、飲料成分が二次沈澱することをも確実に
減少もしくは防止しなければならないこと、同時にプロ
ポリスに特有の口腔内における強い刺激味を確実に低減
させて食味の点においても改善を図ることが必要となる
こと、などの技術的な問題を総合的にクリアーすること
が必要とされていた。
【0006】かかる状況下にあって、従来、このような
プロポリスの利用のネックとなっている各種の問題を解
決するための種々の試みが行われており、これまでにプ
ロポリスエキスの新しい利用技術が種々提案されてい
る。その代表的なものを例示すると、例えば、プロポリ
スの水溶性有機溶剤抽出液を脱ロウ処理した後、水溶性
賦形剤により抗菌活性成分を晶析・固形化せしめ、次い
で乳化剤及び抗酸化剤を添加して乾燥することを特徴と
する水分散性プロポリス含有製剤の製造法(特開昭61
−197523号公報)、が提案されている。しかしな
がら、この方法は、抗菌活性の高い水分散性プロポリス
含有製剤を製造することを目的とするものであり、飲料
成分として使用するものではないことから、食味の点に
ついては何らの言及もなされていない。
【0007】また、水分散性良好なプロポリス成分含有
固状物とその製造方法として、親水性有機溶媒可溶プロ
ポリス成分含有水溶液を、無水糖質及びシクロデキスト
リンから選ばれる1種以上の糖質に含有せしめて脱水
し、固状物にすることを特徴とするプロポリス成分含有
固状物の製造方法(特開平4−316459号公報)、
が提案されている。
【0008】また、水溶性プロポリス製剤の製造法とし
て、プロポリスエキス中のフラボノイドであるフラボン
類アグリコンを糖転移酵素を用いて水溶性の高いα−グ
ルコシルフラボン類とすると共に、これを飲食物、抗感
受性疾患剤、化粧品等に使用する方法(特開平4−31
2597号公報)、が提案されている。しかしながら、
フラボン類アグリコンは、プロポリス中のフラボノイド
の一部の成分に過ぎず、当該フラボン類アグリコンのみ
を取り出しても当然のことながらプロポリスエキスとは
その成分構成が全く異なるものであり、また、糖転移し
たフラボン類アグリコンは、天然物であるプロポリスエ
キスとはその位置づけがはっきり異なるものであること
から、当該方法は、プロポリスエキスそのものの利用技
術とは異なるものである。
【0009】また、プロポリスの一価アルコール抽出液
を利用したプロポリス食品組成物及びその製造方法とし
て、プロポリスの一価アルコール抽出液又は該一価アル
コール抽出液から得られた一価アルコール可溶プロポリ
ス成分を、ポリオール・脂肪酸エステル系界面活性剤が
均一溶解もしくは安定分散された、水素結合し得る複数
個のOH基含有媒体中に存在させて、混合攪拌する工程
を含むことを特徴とするプロポリス食品組成物の製造方
法(特公平4−66544号公報)、が提案されてい
る。しかしながら、この方法は、一価アルコール抽出液
から得られるプロポリスエキス中のアルコールを除去
し、乳化剤で乳化することに特徴を有するものである
が、製造工程がやや煩雑で、いわばきわめて特殊なもの
と云えるものであった。
【0010】また、水溶性プロポリス製剤の製造方法と
して、例えば、プロポリスをグリセリンに加え、95〜
160℃に加熱攪拌し、熱時に不溶物を除去することを
特徴とする水溶性プロポリス製剤の製造法(特開平5−
957号公報)、が提案されている。かかる方法により
得られるプロポリス製剤は、プロポリスエキスのグリセ
リン抽出物からなるものであり、水によく溶け、不溶物
を含まないので、医薬、化粧料等に好適に利用される
が、本来、プロポリスエキスの主たる有効成分はエタノ
ールエキスとして含まれるものであることを考慮する
と、グリセリン抽出物は、その抽出成分の組成が本来の
ものとかなり違うものであり、当該方法は、いわゆるプ
ロポリスエキスの利用技術とは異なるものと思われる。
【0011】このように、従来、プロポリス成分を利用
する試みが種々行われているものの、いわゆるプロポリ
スエキス自体をそのままの形で使用し得ると共に、飲料
成分としてプロポリスエキスの有効成分をその優れた特
性を充分に生かした形で使用するプロポリスエキスの利
用技術については、これまでにほとんど提案されておら
ず、特に、従来、プロポリスを飲料成分として利用した
場合の問題点とされていた水分散性を改善し、また、長
期保存した場合にみられる飲料成分の二次沈澱を確実に
減少もしくは防止し、更に、プロポリスに特有の口腔内
における強い刺激味を確実に低減させてその食味を改善
することが可能な新しいプロポリスエキスの利用技術を
開発することが当業界において強く要請されている状況
にあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
え、本発明者らは、従来のプロポリスエキスの利用技術
にみられる各種問題点を確実に解消し得ると共に、プロ
ポリスエキス自体には、何らの処理を施すことなく、し
かも、飲料成分として利用した場合のプロポリスエキス
の水分散性を改善し、また、長期保存時にみられる飲料
成分の二次沈澱の問題を確実に解決し、更に口腔内にお
ける強い刺激味を低減させてその食味を改善し得る新し
い方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ね
た結果、プロポリスエキスと共にキサンタンガム、乳化
剤を併用することにより所期の目的を達成し得ることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】本発明は、プロポリスエキス自体には、何
らの処理を施すことなく、その水分散性を良好なものに
改善することを可能にしたプロポリスエキス含有飲料を
提供することを目的とするものである。
【0014】また、本発明は、従来、長期保存時に不可
避的なものとして生起する二次沈澱の問題を確実に解決
し、長期保存に耐え得るようにすることを可能にしたプ
ロポリスエキス含有飲料を提供することを目的とするも
のである。
【0015】また、本発明は、口腔内におけるプロポリ
スに特有の強い刺激味を低減させて、その食味を改良す
ることを可能にしたプロポリスエキス含有飲料を提供す
ることを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明は、次の(1)〜(5)の技術的手段か
ら構成されるものである。 (1)プロポリスエキスを安定に含有することを特徴と
するプロポリスエキス含有飲料。
【0017】(2)プロポリスエキスを抽出固形分とし
て0.001重量%以上含有する前記(1)記載のプロ
ポリスエキス含有飲料。
【0018】(3)プロポリスエキス及びキサンタンガ
ムを含有することを特徴とするプロポリスエキス含有飲
料。
【0019】(4)プロポリスエキス、キサンタンガム
及び乳化剤を含有することを特徴とするプロポリスエキ
ス含有飲料。
【0020】(5)キサンタンガムを0.005〜0.
08重量%含有する前記(3)又は(4)記載のプロポ
リスエキス含有飲料。
【0021】次に、本発明について、更に詳細に説明す
る。本発明は、プロポリスエキスを安定に含有するプロ
ポリスエキス含有飲料、特に、プロポリスエキスに、キ
サンタンガム、乳化剤を併用することを特徴とするプロ
ポリスエキス含有飲料に係るものである。ここで、本発
明で云うところのプロポリスエキスとは、蜜蜂の巣より
商業的に採取されたプロポリスより抽出又はこれと同等
の処理を施して得られるプロポリスの有効成分を含有す
るエキス又はそれと同等のものあるいはその類似物を意
味するものであり、通常のプロポリスエキス又はそれと
同等のものあるいはその類似物であればその種類を問わ
ず適宜使用することができる。
【0022】ここで、プロポリスとは、粘性のゴム質、
樹脂及び香油の集合体であって、蜜蜂によって樹木のつ
ぼみや樹皮から採取され、巣箱に持ち帰られ、他の物
質、主としてミツロウ及び唾液分泌物と混ぜ合わせて作
られたタール状物質を意味するものである。このような
プロポリスは、抗菌作用、ウイルス増殖抑制作用、局所
麻酔作用、抗炎症作用、抗酸化作用等の薬理作用を有
し、医薬品、化粧品、飲食品の他、美術・分化財保護用
塗料液等その用途は多岐にわたっている。このようなプ
ロポリスは、その性質が、水に難溶性であるために、そ
のままでは使用するのに不便であり、またその効果も十
分発揮することができない。そこで、一般に、プロポリ
スをアルコール等の有機溶剤で抽出してプロポリス抽出
物を得て、かかる抽出物、すなわちエキスの形で使用さ
れているのが現状である。
【0023】前記したように、従来、プロポリスエキス
の形のみならず、プロポリス中の特定の有効成分を種々
の形に修飾したものなどが使用されているが、本発明で
は、プロポリスエキスは、それ自体には、何らの処理を
施すことなく、そのままの形で使用するものであり、従
って、ここで云うところのプロポリスエキスとは、前記
したものの中でもプロポリスをエチルアルコールで抽出
して得られるエチルアルコール抽出物、もしくは、これ
と同等の食品溶剤で抽出して得られる抽出物等が好適な
ものとしてあげられる。
【0024】一方、本発明において使用するキサンタン
ガム(Xanthan Gum)は、1960年代初期
にアメリカ農務省北部研究所において、デキストランの
製造研究過程で開発された天然の高分子多糖類として知
られているものである。すなわち、純粋培養した微生
物、Xanthomonas capestrisをブ
ドウ糖、水飴などの澱粉分解物を主成分とした培地で醗
酵させると、菌体細胞膜外壁に多糖類が生成される。こ
の多糖類をアルコールで沈澱分離し、乾燥、粉砕したも
のがキサンタンガムである。
【0025】このキサンタンガムの分子は、マンノー
ス、グルコース、及びグルクロン酸のカリウム・ナトリ
ウム・カルシウム混合塩で構成され、その分子量は、約
200万である。食品添加物としては、アメリカをはじ
め世界各国で認可され、アメリカのFDAにおいては直
接添加物に、FAO/WHOでは許容1日摂取料10m
g/kg以下でA(1)リストにあげられている。ま
た、日本においても天然添加物に認定され、日本食品添
加物協会で自主規格が制定されている。本発明では、か
かるキサンタンガムを使用するものであり、キサンタン
ガムであれば、その種類、形態を問わず使用することが
できるが、これに限らず、これと同効のものであれば同
様に使用することができる。
【0026】本発明において、当該キサンタンガムの含
有量としては、0.005〜0・08重量%、特に好ま
しくは、0.01〜0.03重量%の範囲が望ましい。
当該キサンタンガムの含有量が0.005重量%よりも
少ない場合には、二次沈澱を生じさせないための効果が
不安定であり、また、0.08重量%よりも多い場合に
は、溶液の粘度が高すぎて飲料としては不適であり、所
期の目的を達成することができず、好ましくない。
【0027】更に、本発明においては、キサンタンガム
の他に乳化剤を併用する場合が含まれるが、かかる場合
の乳化剤としては、公知のレシチン等の天然乳化剤、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、蔗糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エ
ステル等の通常使用されている乳化剤の内より単独もし
くは組み合わせて用いることができる。例えば、蔗糖脂
肪酸エステルと他の乳化剤を組み合わせる場合には、ソ
ルビタン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステル
を組み合わせて用いることが好適である。ここに云うグ
リセリン脂肪酸エステルとしては、モノグリセリド、酢
酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノ
グリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、酢酸・
酒石酸混合モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、コ
ハク酸モノグリセリド等の有機酸のモノグリセリド、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシ
ノレン酸エステル等があげられる。
【0028】本発明において、当該乳化剤の含有量とし
て、0.003〜0.5重量%、特に好ましくは、0.
03〜0.3重量%が望ましい。当該乳化剤の含有量
が、0.003重量%よりも少ない場合には、併用効果
が期待できずまた、0.5重量%よりも多い場合には、
乳化剤由来の異臭が発生し風味的に好ましくない。
【0029】次に、本発明においては、前記したプロポ
リスエキスにこれらのキサンタンガム単独、もしくはこ
れに乳化剤を併用して含有せしめることによりプロポリ
スエキス含有飲料が製造されるが、本発明で云うところ
のプロポリスエキス含有飲料とは、当該プロポリスエキ
スを安定に含有する液体飲料であれば如何なるものでも
良く、その種類は特に限定されるものではないが、それ
を例示すれば、例えば、滋養強壮飲料、清涼飲料、ジュ
ース、発酵乳飲料、炭酸飲料、アルコール飲料、茶飲料
等が好適なものとしてあげられる。
【0030】次に、本発明のプロポリスエキス含有飲料
の製造方法について説明する。本発明で使用するプロポ
リスエキスとしては、市販のもの、例えば、ローヤルビ
ープロ(アピ社製)等をそのまま使用することができる
が、次のように、蜜蜂の巣より商業的に採取されたプロ
ポリスよりプロポリスエキスをエタノールで抽出して調
製することも適宜可能である。すなわち、本発明の製造
法を実施するに際しては、先ずプロポリスを十分に浸漬
するに足りる量のエチルアルコールにプロポリスを加え
て減圧又は常圧下に加熱攪拌する。この場合、エチルア
ルコールの量はプロポリスの2倍量(重量)以上が好ま
しい。加熱は、常圧下で、好ましくは40〜80℃であ
り、この範囲の温度で30分〜2時間ゆるやかに攪拌す
ることによりプロポリスの水溶性の有用成分がエチルア
ルコールに抽出される。プロポリスの塊りが大きいかあ
るいは非常に固い場合には抽出に長時間を要するので、
エチルアルコールをプロポリスの塊りにスプレーし、数
時間密閉放置して塊りを柔らかくすることにより抽出時
間を短縮することができる。
【0031】このようにして、エチルアルコールを用い
て常法によりプロポリスの可溶性成分を抽出し、必要に
より当該可溶性成分を含有するエチルアルコールを不溶
性成分から分離することにより、本発明で使用するとこ
ろのプロポリスエキスが得られる。本発明のプロポリス
エキス含有飲料は、当該プロポリスエキスを抽出固形分
として0.001重量%以上含有する。従来、0.00
1重量%以上の疎水性のプロポリスエキスを安定に含有
する飲料を製造することは困難であったにもかかわら
ず、本発明は、当該プロポリスエキスを0.001重量
%以上含有し、かつこれを安定に含有するプロポリスエ
キス含有飲料を提供することを可能とするものである。
【0032】一方、当該プロポリスエキスに対して、キ
サンタンガムを、飲料中の含有量が0.005〜0.0
8重量%になるように添加する。すなわち、キサンタン
ガムを適宜の飲料組成物と共に水に溶解し、これに前記
プロポリスエキスを添加し、十分に攪拌、混合し、均質
にした後、更に、水を加えて全量としたものを、例え
ば、ガラスビン、プラスチックカップ、紙製容器、缶容
器等の容器中に充填した後、例えば、90℃、10秒間
程度の低温加熱殺菌処理を施して、最終製品を調製する
ことができる。かかる際に、更に乳化剤を併用すると一
層顕著な効果が得られるが、この場合には、プロポリス
エキスに乳化剤を添加し、これを前記キサンタンガムを
含む飲料組成物に添加する方法が好適なものとしてあげ
られる。しかしながら、これに限らず、当該乳化剤を予
じめ前記飲料組成物中にキサンタンガムと共に添加して
おくことも適宜可能である。
【0033】本発明においては、飲料中に上記プロポリ
スエキス及びキサンタンガム、乳化剤を含有することを
基本とするものであるが、これに更に必要に応じて適宜
の飲料成分を付加することができる。かかる場合、飲料
組成物を構成する成分としては、精製蜂蜜、無水クエン
酸、pH調整料、蔗糖、ブドウ糖、ソルビトール、マル
トース、フラクトース、転化糖、水飴等の糖類、多糖
類、酸味料、調味料、香味料、合成甘味料、植物繊維、
植物エキス、動物エキス、ミネラル、ビタミン類、着色
料、保存剤、香料等適宜の成分を付加的に加えることが
できる。尚、この場合、飲料組成物のpHは、3.6〜
7.0に調整することが好ましい。
【0034】以上のようにして製造される本発明のプロ
ポリスエキス含有飲料は、プロポリスエキスに、前記特
定量のキサンタンガム単独、もしくはキサンタンガム及
び乳化剤を含有させることを特徴とするものであり、こ
れによって、プロポリスエキス自体には、何らの処理を
施すことなく、従来、プロポリスを利用する場合の問題
点とされていた水分散性を良好なものに改善することを
可能にすると共に、長期保存時にみられる飲料成分の二
次沈澱を確実に減少させ、更には、口腔内におけるプロ
ポリスに特有の強い刺激味を顕著に低減化しその食味を
良好なものとすることを可能にするものである。このよ
うな、プロポリスの有効成分をそのまま生かした形で、
かつその利用性を高めることを可能にすると共に、プロ
ポリスに特有の口腔内における刺激味を確実に低減化す
る方法は、本発明者らの知るところによればこれまで報
告された例はなく、本発明者らによってはじめて見い出
された新規な知見であると云える。尚、本発明のプロポ
リスエキスを安定に含有するプロポリス含有飲料は、上
記キサンタンガムに限らず、それと同効のものを用いて
同様に製造される同等の特性を有するものである限り、
本発明のプロポリス含有飲料の範囲に包含されるもので
ある。
【0035】
【実施例】次に、実施例を示して、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、当該実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1〜3 1)調製法 キサンタンガム(『サンエースE−S』,三栄源エフ・
エフ・アイ社製)0.005g、精製蜂蜜15.0g及
び無水クエン酸0.05gを水90gに溶解後、ブラジ
ル産プロポリスエキス(抽出固形分20%・エタノール
80%)0.5mlを添加し、十分に攪拌混合し、更に
水を加え全量を100mlとした。これを、90℃、1
0秒間、加熱後、保存サンプル(実施例1)とした。ま
た、同様に、キサンタンガム(『サンエースE−S』,
三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.01g(実施例
2)、0.02g(実施例3)の系も調製し、保存サン
プルとした。
【0036】また、対照例として、精製蜂蜜15.0g
及び無水クエン酸0.05gを水90gに溶解後、ブラ
ジル産プロポリスエキス(抽出固形分20%・エタノー
ル80%)0.5mlを添加し、十分に攪拌混合し、更
に水を加え全量を100mlとした。これを、90℃、
10秒間、加熱後、保存サンプルとした。
【0037】2)評価試験 前記1)により調製した各サンプルについて、溶解状
態、保存時における二次沈澱、風味の各項目について評
価試験を実施した。この場合、保存時における二次沈澱
については、保存5℃で2週間、保存37℃で2週間保
存した場合における沈澱状態について評価した。各項目
の評価は、溶解状態、保存時における沈澱状態について
は、常法によりその外観を観察し評価することにより、
また、風味は、パネル5人の官能試験により行った。
【0038】3)結果 以上の評価試験の結果を表1に示す。尚、表1におい
て、溶解状態における塊状物析出と保存における沈澱
は、(+)が多いほど、その量が多くなることを示す。
風味における刺激味は、パネル5人の官能評価であっ
て、口腔内の刺激味の度合いを示すものであり、(+)
が多いほど、その強さを増すことを示す。以上の結果、
表1の実施例1〜3に見られる通り、キサンタンガムを
添加することにより、溶解時の塊状物の析出を抑えてそ
の水分散性を改善し、また、保存中の成分の分離、沈澱
を抑制する効果が得られることが確認された。更に、プ
ロポリス特有の口腔内における強い刺激味も顕著に低減
されてその食味を改善し得ることが確認された。これに
対して、キサンタンガムを含有していない比較例の場合
には、そのような効果を得ることができなかった。
【0039】
【表1】
【0040】実施例4〜6 1)調製法 キサンタンガム(『サンエースE−S』,三栄源エフ・
エフ・アイ社製)0.005g、精製蜂蜜30.0g及
び無水クエン酸0.05gを水90gに溶解後、ブラジ
ル産プロポリスエキス(抽出固形分20%・エタノール
80%)0.5mlに蔗糖脂肪酸エステル(HLB1
5)0.05gを溶解した液を加え、十分に攪拌混合
し、更に水を加え全量を100mlとした。これを、9
0℃、10秒間、加熱後、保存サンプル(実施例4)と
した。また、同様に、キサンタンガム(『サンエースE
−S』,三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.01g(実
施例5)、0.02g(実施例6)の系も調製し、保存
サンプルとした。
【0041】また、対照例として、精製蜂蜜30.0g
及び無水クエン酸0.05gを水90gに溶解後、ブラ
ジル産プロポリスエキス(抽出固形分20%・エタノー
ル80%)0.5mlに蔗糖脂肪酸エステル(HLB1
5)0.05gを溶解した液を加え、十分に攪拌混合
し、これを、90℃、10秒間、加熱後、保存サンプル
とした。
【0042】2)評価試験 前記1)により調製した各サンプルについて、溶解状
態、保存時における二次沈澱、風味の各項目について評
価試験を実施した。この場合、保存時における二次沈澱
については、保存5℃で2週間、保存37℃で2週間保
存した場合における沈澱状態について評価した。各項目
の評価は、溶解状態、保存時における沈澱状態について
は、常法によりその外観を観察し評価することにより、
また、風味は、パネル5人の官能試験により行った。
【0043】3)結果 以上の評価試験の結果を表2に示す。尚、表2におい
て、保存における沈澱は、(+)が多いほど、その量が
多くなることを示す。 風味における刺激味は、パネル
5人の官能評価であって、口腔内の刺激味の度合いを示
すものであり、(+)が多いほど、その強さを増すこと
を示す。以上の結果に見られる通り、乳化剤を添加する
ことにより、溶解時の塊状物の析出は抑えることができ
ることが確認されたが、この場合、溶融時の塊状物の析
出は、Bx(ブリックス)を高めるとその溶解性は更に
増加することが見い出され、Bxを高めることは、一次
沈澱を減少させ、溶解状態を良好に保つのに有効である
ことが分った。更に、キサンタンガムを併用することに
より、保存中の成分の二次沈澱を確実に減少させること
ができ、また、風味的にも口腔内の刺激味を顕著に低減
させてその食味を改善することができることが確認され
た。これに対して、キサンタンガムを含有していない比
較例の場合には、そのような効果を得ることができなか
った。尚、乳化剤の種類を変えて同様に試験したとこ
ろ、ほぼ同様の結果が得られた。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、プロポ
リスエキスを安定に含有する飲料、更には、プロポリス
エキス及びキサンタンガム、乳化剤を含有することを特
徴とするプロポリス含有飲料に関するものであり、本発
明によれば、次のような効果が得られる。 (1)プロポリスエキス自体には、何らの処理を施すこ
となく、その水分散性を良好なものに改善することがで
きる。 (2)従来、長期保存した際にみられた二次沈澱を確実
に減少させて、飲料として長期保存に耐える製品を簡便
に製造することができる。 (3)口腔内におけるプロポリスに特有の強い刺激味を
顕著に低減させて、その食味を良好なものに改善するこ
とができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロポリスエキスを安定に含有すること
    を特徴とするプロポリスエキス含有飲料。
  2. 【請求項2】 プロポリスエキスを抽出固形分として
    0.001重量%以上含有する請求項1記載のプロポリ
    スエキス含有飲料。
  3. 【請求項3】 プロポリスエキス及びキサンタンガムを
    含有することを特徴とするプロポリスエキス含有飲料。
  4. 【請求項4】 プロポリスエキス、キサンタンガム及び
    乳化剤を含有することを特徴とするプロポリスエキス含
    有飲料。
  5. 【請求項5】 キサンタンガムを0.005〜0.08
    重量%含有する請求項3又は請求項4記載のプロポリス
    エキス含有飲料。
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