JPH0775272A - 回転電機の回転子巻線頭部冷却構造 - Google Patents

回転電機の回転子巻線頭部冷却構造

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JPH0775272A
JPH0775272A JP29109293A JP29109293A JPH0775272A JP H0775272 A JPH0775272 A JP H0775272A JP 29109293 A JP29109293 A JP 29109293A JP 29109293 A JP29109293 A JP 29109293A JP H0775272 A JPH0775272 A JP H0775272A
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JP
Japan
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refrigerant gas
rotor
zigzag
electric machine
cooling structure
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Application number
JP29109293A
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English (en)
Inventor
Toru Hase
長谷  徹
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】巻線頭部冷却構造の改善により巻線頭部の温度
上昇を抑制し、導体断面積の増大を招くことなく回転電
機の出力を増大する。 【構成】外周を保持環9に覆われた回転子巻線頭部(コ
イルエンド)4Hを回転子軸7の端部に設けたファン1
1からコイルエンド4Hの内周側に供給される冷媒ガス
15により冷却する回転子巻線頭部冷却構造において、
コイルエンドと回転子軸7との間の空間をその周方向に
複数分割して冷媒ガス供給室26および排気室に画成す
る絶縁材隔壁21と、多重環状に配置されたコイルエン
ド相互の隙間に介装されて間隔を保持し,かつコイルと
の間にジグザグ状の冷媒ガス通路24を形成する突起付
絶縁材22と、絶縁材隔壁の要所に形成されて冷媒ガス
供給室からジグザグ状の冷媒ガス通路への冷媒ガス通路
となる貫通孔23とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タ−ビン発電機など
の回転子巻線の冷却構造、ことに最も大きな温度上昇を
示す回転子巻線頭部(コイルエンド)の冷却構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7はタ−ビン発電機全体の冷却構造を
模式化して示す断面図であり、回転子2はケ−シング6
および図示しない軸受け機構部を介して固定子1に回転
自在に支持され、回転子鉄心8の両端に突出した図示し
ない回転子巻線頭部(コイルエンド)はその外周側が保
持環9で覆われ、回転子が回転する際コイルエンドに作
用する強大な遠心力でコイルエンドが変形しないよう保
護される。また、固定子および回転子の冷却装置として
回転子軸7の両端に対称に設けたファン11および吸気
ダクト12,および固定子鉄心を包囲する排気ダクト1
3と、回転子鉄心8内に形成された通気孔14,および
固定子鉄心の積層面に形成された通気ダクト16とで構
成され、ファン11で加圧された冷媒ガス15は保持環
9により固定子側冷媒ガス流15Sと回転子側冷媒ガス
流15Rとに分岐し、固定子側冷媒ガス15Sは通気ダ
クト16を通る過程で回転子1を冷却し排気ダクト13
を通って外部に排出され、回転子側冷媒ガス15Rは回
転子軸7の周囲からコイルエンドの隙間に流入し、通気
孔14を通って固定子側に放出される過程でコイルエン
ドを含む回転子2を冷却し、回転子2の外周側で固定子
側の冷媒ガス15Sと合流し、通気ダクト16および排
気ダクト13を通って排出される。
【0003】図8はタ−ビン発電機の従来の回転子巻線
頭部冷却構造を示す斜視断面図、図9は図5の要部にお
ける冷媒ガスの流れ方を示す説明図であり、回転子2は
その回転子軸7が貫通する回転子鉄心8と、そのスロッ
トに鞍形コイルを多重環状に複数タ−ン巻回した回転子
巻線4とを備え、その回転子鉄心8の軸方向両端に突出
した回転子巻線頭部(コイルエンド)4Hの外周は図示
しない保持環で覆われるとともに、コイルエンド4H相
互の隙間には絶縁間隔片5を配して間隔を保持すること
により、回転子2の回転に伴ってコイルエンドに作用す
る加速度および遠心力に耐える回転子巻線4が形成され
る。
【0004】また、回転子側の冷媒ガス流15Rは絶縁
間隔片5によって保持された冷却通路をジグザグ状に流
れてコイルエンドを冷却した後、回転子鉄心8に複数条
設けられた通気孔14を通って巻線を冷却し、回転子鉄
心の外周面から固定子側に放出する熱サイフォン方式に
よりコイルエンド4Hの冷却が行われる。すなわち、冷
媒ガス15Rはコイルエンドを冷却する過程で温度が上
昇し、これに伴って冷媒ガスに比重差が生ずるので、回
転子の回転によって冷媒ガスに作用する遠心力にガス温
度依存性が発生する。その結果、図9に示すように外周
側が保持環9で塞がれたコイルエンド4H相互の隙間で
は、流入した冷風は強い遠心力を受けて回転子軸側から
保持環側に向けて流れ、巻線の熱を奪って温度が上昇し
た冷媒ガスは遠心力が低下して保持環側から回転子軸側
に向けて戻る対流を形成する。従って、冷媒ガス流15
Rはコイルエンドの表面をジグザグ状に流れてその流路
を延長し、コイルエンド4Hを効率よく対流冷却するこ
とができる。
【0005】図10は従来の回転子巻線頭部冷却構造に
おける回転子巻線の温度分布を示す特性線図であり、図
の横軸にはコイルエンド4Hの端部から回転子巻線中央
迄の長さがとってある。従来の冷却方式では回転子巻線
の最高温度が回転子鉄心の両端に突出したコイルエンド
4Hの部分にあることを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】回転電機の巻線の可使
用寿命時間は、コイル導体を絶縁被覆する絶縁材料の耐
熱寿命特性によって決まることは公知であり、耐熱性に
優れた絶縁被覆材料を用いて絶縁被覆の耐熱寿命特性を
向上することが技術上の重要な課題とされている。一
方、前述のタ−ビン発電機のように回転子コイルがその
長手方向に大きな温度差を有する場合には、最高温度と
なる回転子巻線頭部が耐熱寿命特性の弱点部となり、回
転子頭部の温度が絶縁被覆の許容耐熱温度を越えない範
囲でコイル導体の電流密度を決める必要になるため、こ
れが原因でコイル導体の断面積の増大,言い換えれば回
転電機の大型化を招くか、あるいは回転電機の出力の抑
制を余儀無くされるという問題がある。
【0007】この発明の目的は、巻線頭部冷却構造の改
善により巻線頭部の温度上昇を抑制し、導体断面積の増
大を招くことなく回転電機の出力を増大することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、多重環状に回転子鉄心に巻装さ
れた複数の鞍形コイルからなる回転子巻線の巻線頭部
(コイルエンド)を、回転子軸端部に設けたファンから
コイルエンドの内周側に供給される冷媒ガスにより冷却
するものにおいて、前記コイルエンドと回転子軸との間
の空間をその周方向に複数分割して冷媒ガス供給室およ
び排気室に画成する絶縁材隔壁と、多重環状に配置され
たコイルエンド相互の隙間に介装されて間隔を保持し,
かつコイルとの間にジグザグ状の冷媒ガス通路を形成す
る突起付絶縁材と、前記絶縁材隔壁の要所に形成されて
冷媒ガス供給室からジグザグ状の冷媒ガス通路への冷媒
ガス通路となる貫通孔とを備えてなるものとする。
【0009】ジグザグ状の冷媒ガス通路が、コイルエン
ドの回転子軸に並行する面に沿ってジグザグ状に流れる
冷媒ガスを回転子鉄心に形成された通気孔を介して外部
に排出する系統と、コイルエンドの回転子軸に直交する
面に沿ってジグザグ状に流れる冷媒ガスを排気室を介し
て外部に排出する系統との2系統からなるものとする。
【0010】突起付絶縁材が板状絶縁材からなる基材
と、その表面に一定の厚みで凸に形成された複数の突起
とからなり、複数の突起の間にジグザグ状の冷媒ガス通
路を形成してなるものとする。複数の突起がそれぞれ頂
点を有する山形状に形成され、その頂点がジグザグ状に
位置がずれて交互に対向するようその配設パタ−ンを形
成してなるものとする。
【0011】複数の突起が基材の幅に対して一定の寸法
比を有する長方形に形成され、その一方の短辺が基材の
異なる縁に交互に位置するよう基材の長手方向に位置を
ずらしてジグザグ状に固定されてなるものとする。長方
形に形成された突起の一定の寸法比が、基材の幅を1と
した場合、長辺の寸法が0.5から0.6、短辺の寸法
が0.15から0.25の範囲にそれぞれあるものとす
る。
【0012】基材の表面に一定の厚みで凸に形成された
複数の突起が、その表面に基材の長手方向に沿って形成
された凹溝からなるバイパス冷媒ガス通路を有するもの
とする。
【0013】
【作用】この発明において、コイルエンドと回転子軸と
の間の空間をその周方向に複数分割して冷媒ガス供給室
および排気室に画成する絶縁材隔壁と、多重環状に配置
されたコイルエンド相互の隙間に介装されて間隔を保持
し,かつコイルとの間にジグザグ状の冷媒ガス通路を形
成する突起付絶縁材と、絶縁材隔壁の要所に形成されて
冷媒ガス供給室からジグザグ状の冷媒ガス通路への冷媒
ガス通路となる貫通孔とを備えるよう構成したことによ
り、ファンから供給される冷媒ガスが冷媒ガス供給室内
で加圧され、加圧された冷媒ガスが絶縁材隔壁に形成さ
れた貫通孔を介して突起付絶縁材の突起パタ−ンにより
形成されるジグザグ状の冷媒ガス通路に流入し、コイル
エンドの表面を強制的にジグザグ状に流れる冷媒ガス流
を形成し、コイルエンドとの間で強制送風冷却を行うの
で、冷媒ガスの比重差を利用した従来の熱サイフォン冷
却方式に比べて高い冷却性能を得ることが可能となり、
コイルエンドの温度上昇を抑制し、許容電流密度の増大
を可能にするので、導体断面積の増大を招くことなく回
転電機の出力を増大する機能が得られる。
【0014】また、ジグザグ状の冷媒ガス通路を、コイ
ルエンドの回転子軸に並行する面に沿ってジグザグ状に
流れる冷媒ガスを回転子鉄心に形成された通気孔を介し
て外部に排出する系統と、コイルエンドの回転子軸に直
交する面に沿ってジグザグ状に流れる冷媒ガスを排気室
を介して外部に排出する系統との2系統の組合せで構成
すれば、冷媒ガス流の方向が90°異なる熱交換面に無
理なく冷媒ガスを分流させて熱交換効率の高い強制ガス
冷却を行う機能が得られる。
【0015】突起付絶縁材を板状絶縁材からなる基材
と、その表面に一定の厚みで凸に形成された複数の突起
とで構成し、複数の突起の間にジグザグ状の冷媒ガス通
路を形成すれば、一体化した突起付絶縁材が保持環と係
合して強大な遠心力が作用するコイルエンドを機械的に
支持して相互の間隔を維持する機能と、ジグザグ状の冷
媒ガス通路を形成する機能とを兼ね、機械的に安定で冷
却性能に優れた巻線頭部冷却構造が得られる。
【0016】また、複数の突起が、それぞれ頂点を有す
る山形状に形成され、その頂点がジグザグ状に位置がず
れて互いに対向するようその配設パタ−ンを形成すれ
ば、コイルエンドの表面にジグザグ状に屈曲した熱交換
面が形成され、この屈曲した熱交換面を強制的に流れる
冷媒ガス流によって熱伝達性能の高い熱交換を行う機能
が得られる。
【0017】さらに、複数の突起を基材の幅に対して一
定の寸法比を有する長方形に形成し、その一方の短辺が
基材の異なる縁に交互に位置するよう基材の長手方向に
位置をずらしてジグザグ状に固定するよう構成すれば、
予め直方体に形成した突起部材を接着剤,結合ピンなど
を用いて基材に強固に固定できるので、その長方形の面
積の縮小が可能となり、コイルエンドと突起の接触部で
生ずるガス冷却性能の低下を低減し、コイルエンドの局
部的温度上昇を抑制する機能が得られる。また、長方形
に形成された突起の寸法比を、基材の幅に対して長辺の
寸法を0.5から0.6、短辺の寸法が0.15から
0.25の範囲内の一定寸法とすれば、遠心力やコイル
との摩擦による突起の脱落を防ぐに必要な機械的強度
と、コイルエンドの局部的温度上昇の抑制機能とのバラ
ンスの取れた冷却構造が得られる。
【0018】一方、基材の表面に一定の厚みで山形また
は長方形に凸に形成された複数の突起が、その表面に基
材の長手方向に沿って形成された凹溝からなるバイパス
冷媒ガス通路を有するよう構成すれば、突起の間をジグ
ザグ状に流れる冷媒ガスの一部がバイパス冷媒ガス通路
に分流して流れるので、コイルエンドと突起の接触部で
生ずるガス冷却性能の低下を一層低減し、コイルエンド
の局部的温度上昇を抑制する機能が得られる。
【0019】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1はこの発明の実施例になる回転電機の回転子巻
線頭部冷却構造を示す要部の断面図、図2は実施例にな
る回転電機の回転子巻線頭部冷却構造を示す斜視断面図
であり、従来技術と同じ構成部分には同一参照符号を付
すことにより、重複した説明を省略する。図において、
回転子鉄心8の両端に突出し,外周側を保持環9で包囲
されたコイルエンド4Hは、その内周側と回転子軸7と
の隙間に絶縁間隔壁21を備え、回転子軸の周囲がその
周方向に冷媒ガス流15Rの供給室26と排気室27と
に画成される。また、多重配置された鞍形コイル相互の
間隔は板状部22Aの両側に一定の厚みの突起部22B
を有する突起付絶縁材22によって保持され、突起部2
2Bの形状が山形に形成され、その頂点がジグザグ状に
位置がずれて互いに対向するようその配設パタ−ンを形
成することにより、板状部22Aとコイルエンド4Hと
の間にジグザグ状に屈曲した冷媒ガス通路24が形成さ
れる。さらに、突起付絶縁材22の要所には貫通孔23
が形成され、冷媒ガス供給室26とジグザグ状冷媒ガス
通路24とが貫通孔23を介して連通するよう構成され
る。
【0020】上述のように構成された回転子巻線頭部冷
却構造を有する回転電機においては、回転子の回転によ
りファン11で加圧された冷媒ガス15は固定子側冷媒
ガス流15Sと回転子側冷媒ガス流15Rとに分流する
が、回転子側冷媒ガス流15Rはその供給室26内で加
圧され、貫通孔23を通過することにより加速されてジ
グザグ状の冷媒ガス通路24に流入する。このとき、貫
通孔23を鞍形コイルの角に対応する位置に形成してお
けば、流入した冷媒ガスは回転子軸に並行するコイルの
表面と回転子軸に直交するコイルの表面とに分流するこ
とになり、コイルエンドの回転子軸に並行する面に沿っ
てジグザグ状に流れる冷媒ガス流25Aはコイルエンド
を強制通風冷却した後、回転子鉄心8を貫通する通気孔
14を通って回転子鉄心の外周面がら固定子側に放出さ
れ、回転子鉄心およびこれに収納された回転子巻線のス
ロッド部を冷却する。また、コイルエンドの回転子軸に
直交する面に沿ってジグザグ状に流れる冷媒ガス流25
Bはコイルエンドを強制通風冷却した後、供給室26に
隣接して画成された排気室27を通り、これに連通した
排気溝28から固定子側に放出される。
【0021】従って、貫通孔23を通過して加速された
冷媒ガスが方向および経路が異なるジグザグ状の冷媒ガ
ス流25Aおよび25Bとなって鞍形コイルの表面を強
制通風冷却することになり、熱サイフォン方式による従
来の対流冷却構造に比べて高い熱伝達特性を得ることが
できる。図3は実施例になる回転子巻線頭部冷却構造で
得られた回転子巻線の温度分布を従来方式のそれと比較
して示す特性線図であり、実施例になる回転子巻線頭部
冷却構造によれば、回転子巻線頭部の最高温度を従来の
それの2/3程度に低減することができる。従って、コ
イルエンドの最高温度を従来のそれと同等とした場合、
コイル導体の断面積を増すことなく回転子巻線の許容電
流値を増すことができるので、その分回転電機の出力を
増すこと可能となり、冷却構造の改善により小型で発電
容量の大きい回転電機を提供できる利点が得られる。
【0022】図4はこの発明の異なる実施例になる回転
電機の回転子巻線頭部冷却構造の要部を示す斜視図、図
5は異なる実施例における突起の配置を示す平面図であ
り、突起付絶縁材32は、コイルエンドの高さ(100
〜150mm)に相応する幅Hを有する板状部32A
と、その両面に一定の厚みで長方形に凸に形成された複
数の突起部32Bとで構成される。また、長方形に形成
された突起32Bの縦,横寸法比は、基材の幅Hに対し
て長辺lの寸法が0.5Hから0.6H、短辺wの寸法
が0.15Hから0.25Hの範囲内に形成され、その
一方の短辺が基材32Aの両側の縁に交互に位置するよ
う基材の長手方向に位置をずらしてジグザグ状に配設さ
れる。すなわち、上記寸法比の直方体に予め形成された
突起部材を接着剤,ピンなどを用いて基材32Bの所定
位置に強固に固定することにより、通路の幅が板状部3
2Aの高さHの0.4〜0.5倍程度のジグザグ状冷媒
ガス通路を有する突起付絶縁材32が形成される。
【0023】このように構成された突起付絶縁材32を
用いた回転子巻線頭部冷却構造において、供給室26内
で加圧された回転子側冷媒ガス流15Rは、絶縁隔壁2
1の貫通孔23を通過することにより加速され、回転子
軸に並行するコイルの表面をジグザグ状に流れて冷却す
る冷媒ガス流25Aと、回転子軸に直交するコイルの表
面をジグザグ状に流れて冷却する冷媒ガス流25Bとに
分流してコイルエンドを冷却する。このとき、突起を山
形に形成した前述の実施例の場合、突起が遠心力やコイ
ルとの摩擦によって脱落するのを防ぐに必要な複数の結
合ピンを、山形の突起に合わせて3角形に配置する必要
があり、そのために山形状突起22Bの底辺部分の幅が
広くなり、これと接触する部分でコイルエンドの局部的
温度上昇が大きくなる。これに対し、この実施例では突
起32Bを長方形としたことにより、結合ピンを長方形
の長辺に沿って1列に配置できるので、長方形の短辺w
およびコイルとの接触面積を縮小することが可能とな
り、コイルエンドと突起の接触部で生ずるガス冷却性能
の低下を低減し、コイルエンドの局部的温度上昇を抑制
できる利点が得られる。
【0024】図6はこの発明のさらに異なる実施例にな
る突起付絶縁材を示す断面図であり、突起付絶縁材32
(または22)の平板状絶縁材からなる基材32A(ま
たは22A)の表面に一定の厚みで山形または長方形に
凸に形成された複数の突起32Bまたは22Bが、その
表面に基材の長手方向に沿って形成された凹溝からなる
バイパス冷媒ガス通路40を有するよう構成すれば、突
起の間をジグザグ状に流れる冷媒ガス流25Aまたは2
5Bの一部がバイパス冷媒ガス通路40に分流して流
れ、この部分のコイルエンドをガス冷却するので、コイ
ルエンドと突起の接触部で生ずるガス冷却性能の低下を
一層低減し、コイルエンドの局部的温度上昇を抑制する
機能が得られ、局部的温度上昇に起因する巻線絶縁被覆
の熱劣化を抑制し、絶縁寿命の低下を防止できる利点が
得られる。
【0025】
【発明の効果】この発明は前述のように、回転子巻線頭
部冷却構造がコイルエンドと回転子軸との間の空間をそ
の周方向に複数分割して冷媒ガス供給室および排気室に
画成する絶縁材隔壁と、多重環状に配置されたコイルエ
ンド相互の隙間に介装されて間隔を保持し,かつコイル
との間にジグザグ状の冷媒ガス通路を形成する突起付絶
縁材と、絶縁材隔壁の要所に形成されて冷媒ガス供給室
からジグザグ状の冷媒ガス通路への冷媒ガス通路となる
貫通孔とを備えるよう構成した。その結果、回転子の回
転に伴い、ファンから供給される冷媒ガスが冷媒ガス供
給室内で加圧され、加圧された冷媒ガスが絶縁材隔壁に
形成された貫通孔を介して突起付絶縁材の突起パタ−ン
により形成されるジグザグ状の冷媒ガス通路に流入し、
コイルエンドの表面を強制的にジグザグ状に流れる冷媒
ガス流を形成し、コイルエンドとの間で強制通風冷却を
行うので、冷媒ガスの比重差を利用した従来の熱サイフ
ォン冷却方式に比べて高い冷却性能を得ることが可能と
なり、コイルエンドの温度上昇を従来の2/3程度にま
で抑制し、導体断面積の増大を招くことなく出力を増大
した回転電機を経済的にも有利に提供することができ
る。
【0026】また、従来の絶縁間隔片が突起付絶縁材と
して一体化されて、ジグザグ状の冷媒ガス通路を形成す
るとともに、多重配置された回転子巻線の間隔を保持す
る機能を兼ねるので、強大な加速度または遠心力を受け
る回転子巻線を機械的に強固に保持すると同時に優れた
冷却性能を発揮する回転子巻線頭部冷却構造を備えた回
転電機を提供できる利点が得られる。
【0027】さらに、突起付絶縁材の突起部分の形状を
山形状から長方形に変更してその幅を縮小し、さらには
突起部の表面にバイパス冷媒ガス通路を形成するなどの
改善を行うよう構成すれば、コイルエンドとの接触部分
で生ずる局部的温度上昇を低減できる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例になる回転電気の回転子巻線
頭部冷却構造を示す要部の断面図
【図2】実施例になる回転電機の回転子巻線頭部冷却構
造を示す斜視断面図
【図3】実施例になる回転子巻線頭部冷却構造で得られ
た回転子巻線の温度分布を従来方式のそれと比較して示
す特性線図
【図4】この発明の異なる実施例になる回転電機の回転
子巻線頭部冷却構造の要部を示す斜視図
【図5】異なる実施例における突起の配置を示す平面図
【図6】この発明のさらに異なる実施例になる突起付絶
縁材を示す断面図
【図7】タ−ビン発電機全体の冷却構造を模式化して示
す断面図
【図8】タ−ビン発電機の従来の回転子巻線頭部冷却構
造を示す斜視断面図
【図9】図8の要部における冷媒ガスの流れ方を示す説
明図
【図10】従来の回転子巻線頭部冷却構造における回転
子巻線温度分布を示す特性線図
【符号の説明】 1 固定子 2 回転子 3 固定子コイル頭部 4 回転子巻線 4H 回転子巻線頭部(コイルエンド) 5 絶縁間隔片 7 回転子軸 8 回転子鉄心 9 保持環 11 ファン 12 吸気ダクト 13 排気ダクト 14 通気孔 15 冷媒ガス 15R 冷媒ガス流(回転子側) 16 通気ダクト 21 絶縁材隔壁 22 突起付絶縁材 22A 板状部 22B 突起部 23 貫通孔 24 ジグザグ状の冷媒ガス通路 25 ジグザグ状の冷媒ガス流 25A 回転子軸に平行な面側のジグザグ状冷媒ガス流 25B 回転子軸に直交した面側のジグザグ状冷媒ガス
流 26 冷媒ガス供給室 27 排気室 28 排気溝 32 突起付絶縁材 32A 板状部 32B 突起部 40 バイパス冷媒ガス通路 H 板状部の幅 l 長方形突起の長辺寸法 w 長方形突起の短辺寸法

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多重環状に回転子鉄心に巻装された複数の
    鞍形コイルからなる回転子巻線の巻線頭部(コイルエン
    ド)を、回転子軸端部に設けたファンからコイルエンド
    の内周側に供給される冷媒ガスにより冷却するものにお
    いて、前記コイルエンドと回転子軸との間の空間をその
    周方向に複数分割して冷媒ガス供給室および排気室に画
    成する絶縁材隔壁と、多重環状に配置されたコイルエン
    ド相互の隙間に介装されて間隔を保持し,かつコイルと
    の間にジグザグ状の冷媒ガス通路を形成する突起付絶縁
    材と、前記絶縁材隔壁の要所に形成されて冷媒ガス供給
    室からジグザグ状の冷媒ガス通路への冷媒ガス通路とな
    る貫通孔とを備えてなることを特徴とする回転電機の回
    転子巻線頭部冷却構造。
  2. 【請求項2】ジグザグ状の冷媒ガス通路がコイルエンド
    の回転子軸に並行する面に沿ってジグザグ状に流れる冷
    媒ガスを回転子鉄心に形成された通気孔を介して外部に
    排出する系統と、コイルエンドの回転子軸に直交する面
    に沿ってジグザグ状に流れる冷媒ガスを排気室を介して
    外部に排出する系統との2系統からなることを特徴とす
    る請求項1記載の回転電機の回転子巻線頭部冷却構造。
  3. 【請求項3】突起付絶縁材が板状絶縁材からなる基材
    と、その表面に一定の厚みで凸に形成された複数の突起
    とからなり、複数の突起の間にジグザグ状の冷媒ガス通
    路を形成してなることを特徴とする請求項1記載の回転
    電機の回転子巻線頭部冷却構造。
  4. 【請求項4】複数の突起がそれぞれ頂点を有する山形状
    に形成され、その頂点がジグザグ状に位置がずれて交互
    に対向するようその配設パタ−ンを形成してなることを
    特徴とする請求項3記載の回転電機の回転子巻線頭部冷
    却構造。
  5. 【請求項5】複数の突起が基材の幅に対して一定の寸法
    比を有する長方形に形成され、その一方の短辺が基材の
    異なる縁に交互に位置するよう基材の長手方向に位置を
    ずらしてジグザグ状に固定されてなることを特徴とする
    請求項3記載の回転電機の回転子巻線頭部冷却構造。
  6. 【請求項6】長方形に形成された突起の一定の寸法比
    が、基材の幅を1とした場合、長辺の寸法が0.5から
    0.6、短辺の寸法が0.15から0.25の範囲にそ
    れぞれあることを特徴とする回転電機の回転子巻線頭部
    冷却構造。
  7. 【請求項7】基材の表面に一定の厚みで凸に形成された
    複数の突起が、その表面に基材の長手方向に沿って形成
    された凹溝からなるバイパス冷媒ガス通路を有すること
    を特徴とする請求項3記載の回転電機の回転子巻線頭部
    冷却構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2112746A1 (de) * 2008-04-22 2009-10-28 Siemens Aktiengesellschaft Dynamoelektrische Maschine
US7939977B2 (en) * 2006-03-27 2011-05-10 Hitachi, Ltd. Rotary electrical device having particular coil support structure
FR2978631A1 (fr) * 2011-07-29 2013-02-01 Renault Sa Element de machine electrique comprenant une carcasse et un bobinage
KR20170018008A (ko) * 2014-06-13 2017-02-15 신장 골드윈드 사이언스 앤 테크놀로지 컴퍼니., 리미티드. 모터에 사용되는 고정자, 모터 및 모터의 환기 냉각 방법

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